JP2003150976A - 画像処理方法、画像処理装置、並びに画像処理方法を実施するための記憶媒体及びプログラム - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、並びに画像処理方法を実施するための記憶媒体及びプログラム

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JP2003150976A
JP2003150976A JP2001348052A JP2001348052A JP2003150976A JP 2003150976 A JP2003150976 A JP 2003150976A JP 2001348052 A JP2001348052 A JP 2001348052A JP 2001348052 A JP2001348052 A JP 2001348052A JP 2003150976 A JP2003150976 A JP 2003150976A
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polygon
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Takuya Matsumoto
卓也 松本
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ARTOON KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースモデルに複雑な装飾が付される3次元
モデルを、画像処理装置の演算負荷を増加させることな
く、かつ、表現力を損なうことなく表現可能な画像処理
技術の提供。 【解決手段】 ベースモデルとなる動物の頭頂部を視点
から見て正面となる領域に動物の体毛に対応するテクス
チャーを配置し、正面領域の周辺に位置する領域には体
毛を表す、複数のポリゴンからなるポリゴン体を配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は画像処理技術に関わ
り、特に家畜等、体に多くの毛が密集しているモデルに
好適に適応される画像処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種のモデルとして次のようなも
のがあった。その一つは、動物の体等、ベースとなるモ
デルを複数のポリゴンによって作成し、このポリゴンに
多数の毛が描かれたテクスチャを貼り付ける方法であ
る。しかしながら、この方法は、風や動物の動きに合わ
せて毛の動きをリアルタイムに表現出来ない問題があ
る。あらゆる毛の動きに対応するテクスチャを用意する
ことは記憶量の制限もあり実際的でない。
【0003】そこで、毛の一つ一つを角錐や角柱のポリ
ゴンから構成し、毛のポリゴンの動きを外的な影響、例
えば、風や振動に応じて計算することが行われている。
この手法によれば、風によって毛をなびくように動かす
ことができる。しかしながら、家畜など毛が密集してい
る動物では、毛のポリゴンが極めて多くなり、その一つ
一つを計算しなければならないことから、この手法でも
画像処理装置に与える演算負荷が相当なものとなる。
【0004】その計算負荷を軽減する目的で、ポリゴン
を細長矩形の2次元形態のものにする等、毛のポリゴン
を簡略化する手法も存在する。しかしながら、この手法
では、ベースモデルである動物の体から視線の方向に起
立するポリゴンが板状に簡略化されていることが遊戯者
に分かってしまい、モデルの表現力が乏しいものとなら
ざるを得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような課
題を解決するために、本発明は、既述のモデルを、画像
処理装置の演算負荷を増加させることなく、かつ、表現
力を損なうことなく表現可能な画像処理技術を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】本発明は、既述のモデルを、画像処理装置
の演算負荷を増加させることなく、かつ、表現力を損な
うことなく表現可能な画像処理方法を提供することを目
的とする。本発明は、この画像処理を実行する画像処理
装置を提供することを目的とする。本発明は、この画像
処理を実行するプログラム及びプログラム記憶媒体を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、3次元モデルを、ベースモデルとこのベ
ースモデルに適用される装飾から構成し、かつ視点に対
するベースモデルの正面領域に装飾に対応するテクチャ
ーを適用し、その周辺領域に当該装飾に対応するポリゴ
ン体を配置することを特徴とするものである。すなわ
ち、例えば、多数の毛等の突起に対応する装飾(絵)を
ベースモデルの正面領域に適用し、かつその突起を構成
するポリゴン体をベースモデルの側面領域のみに装飾と
して適用する。
【0008】即ち、本発明は、仮想3次元空間内の所定
の位置にある視点から捉えた、前記空間に存在する3次
元モデルを表現する画像表現方法において、前記モデル
の前記視点に対して正面を向く正面領域に前記モデルの
装飾に相当するテクチャーを適用し、かつ前記正面領域
の周辺に位置する周辺領域に、前記装飾を構成するポリ
ゴン体を配置してなることを特徴とする。
【0009】本発明の一つの形態では、前記テクスチャ
ーと前記ポリゴン体との境界の領域において、前記テク
スチャーと前記ポリゴン体とがブレンドされてなる。本
発明の他の形態では、前記テクスチャーと前記ポリゴン
体との境界の領域において、前記テクスチャーと前記ポ
リゴン体との少なくとも一方の透明度が変化されてい
る。
【0010】更に他の形態では、前記境界において前記
テクスチャー及びポリゴン体が共に存在し、両者の透明
度の少なくとも一つが漸増されてなる。さらに本発明の
他の形態では、前記3次元モデルがベースモデルと前記
装飾としての多数の突起に相当する前記ポリゴン体が当
該ベースモデルに配置されたものである。
【0011】本発明に係わる画像処理装置は、前記画像
処理方法を実施する画像処理手段を備え、この画像処理
手段は、前記仮想3次元空間を設定する手段、前記仮想
3次元空間に前記3次元モデルを設定する手段、前記仮
想3次元空間に前記視点を設定する手段、前記視点から
捉えた前記3次元モデルを表現するための画像変換を行
う手段、前記視点に対する前記3次元モデルの正面領域
を決定する手段、前記視点に対する前記3次元モデルの
周辺領域を決定する手段、前記装飾に対応するテクスチ
ャーを記憶手段から選択する手段、前記装飾に対応する
ポリゴン体を決定する手段、前記正面領域に前記テクス
チャーを適用する手段、及び前記周辺領域に前記ポリゴ
ン体を適用する手段を備える。
【0012】この発明の一つの形態では、前記正面領域
決定手段及び前記周辺領域決定手段は、前記3次元モデ
ルを構成する各ポリゴンの法線ベクトルと前記視点の視
方向に相当する視線ベクトルとから、前記正面領域又は
周辺領域を決定してなる。さらに他の形態では、前記画
像処理手段は、前記正面領域と前記周辺領域との境界に
おける前記テクスチャー及び前記ポリゴン体の少なくと
も一つの透明度を変化させる手段をさらに備えてなる。
【0013】本発明はまた、前記画像処理方法又は各手
段を、パソコン、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置
のコンピュータに実行させるプログラム、又はこのプロ
グラムを記憶してなる記憶媒体に係わるものである。
【0014】本発明はまた、仮想3次元空間内に設定さ
れる3次元モデルであって、前記モデルの正面領域に装
飾に相当するテクチャーを適用し、かつこの正面領域の
周辺に位置する周辺領域に、前記装飾を構成するポリゴ
ン体を配置してなる3次元モデルであることを特徴とす
る。
【0015】本発明において、ベースモデルの周辺領域
における装飾の動きは遊戯者に目立つものとなるので、
その装飾をポリゴン体から構成してリアルタイムに装飾
の動きや形態が制御されるようにし、一方、正面領域に
おける装飾の動きは、遊戯者には周辺領域の装飾に比較
して目立たないものとなるので、正面領域における装飾
を2次元の絵であるテクチャーから構成して、画像処理
手段に掛かる画像処理負荷を軽減した。
【0016】
【発明の実施の形態】(電子ゲームシステム10の基本
構成)(図1、図2) 電子ゲームシステム10は、例えば図1、図2に示す如
く、電子ゲーム装置11(コンピュータ)と、コントロ
ーラ12と、メモリカード13と、携帯情報端末14
と、CD‐ROM(Compact Disk Memory)等の光学デ
ィスクを含む補助記憶装置15(記憶媒体)と、テレビ
ジョン受信機等の表示手段16とを有して構成され、電
子ゲーム装置11は補助記憶装置15に記憶されている
ゲームプログラムを読み出して実行することにより、コ
ントローラ12に入力される遊戯者からの指示に応じて
ゲームを行なう。
【0017】電子ゲーム装置11は、図2に示す如く、
中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)2
1及びその周辺装置等からなる画像処理制御系(画像処
理手段)20と、フレームバッファ33に描画を行なう
GPU(Graphic ProcessingUnit)32等からなるグラ
フィックシステム30と、楽音、効果音等を発生する音
声処理装置(SPU: Sound Processing Unit)等からなる
サウンドシステム40と、補助記憶装置(光学ディス
ク)15の制御を行なう光学ディスク制御部50と、遊
戯者からの指示を入力するコントローラ12からの指示
入力及びゲームの設定等を記憶する補助メモリからの入
出力を制御する通信制御部60と、上記制御系20〜通
信制御部60が接続されているバス70等を備えてい
る。
【0018】制御系20は、主記憶装置(メインメモ
リ)23に記憶されたプログラムを順次実行してゲーム
を進行するための処理を行なう。即ち、制御系20は、
CPU21と、割り込み制御やダイレクトメモリアクセ
ス(DMA: Direct Memory Access)転送の制御等を行な
う周辺デバイスコントローラ22と、ランダムアクセス
メモリ(RAM: Random Access Memory)からなる主記憶
装置(メインメモリ)23と、メインメモリ23、グラ
フィックシステム30、サウンドシステム40等の管理
を行なういわゆるオペレーティングシステム等のプログ
ラムが格納されたリードオンリーメモリ(ROM: Read On
ly Memory)24とを備えている。
【0019】上記CPU21は、ROM24に記憶され
ているオペレーティングシステムを実行することにより
装置全体の制御を行なうもので、32ビットのRISC
CPUからなる。そして、この電子ゲーム装置11は、
電源が投入されると、制御系20のCPU21が、RO
M24に記憶されているオペレーティングシステムを実
行することにより、CPU21は、上記グラフィックシ
ステム30、サウンドシステム40等の制御を行なう。
【0020】また、オペレーティングシステムが実行さ
れると、CPU21は、動作確認等の装置全体の初期化
を行なった後、光学ディスク制御部50を制御し、補助
記憶装置15に記録されているゲーム等のプログラムを
実行する。このゲーム等のプログラムの実行により、C
PU21は、遊戯者からの入力に応じてグラフィックシ
ステム30、サウンドシステム40等を制御し、画像の
表示、効果音、楽音の発生を制御する。
【0021】グラフィックシステム30は、制御系20
からの指示に従って、3次元グラフィック処理を行な
い、ゲームの進行状態に応じて画像データを生成する。
グラフィックシステム30は、生成した画像データに所
定の同期信号を付加して、ビデオ信号として表示手段1
6に出力する。
【0022】即ち、グラフィックシステム30は、座標
変換等の処理を行なうジオメトリトランスファエンジン
(GTE: Geometry Transfer Engine)31と、CPU2
1からの描画指示に従って描画を行なうGPU32と、
該GPU32により描画された画像を記憶するフレーム
バッファ33と、離散コサイン変換等の直行変換により
圧縮されて符号化された画像データを復号化する画像デ
コーダ34とを備える。
【0023】GTE31は、例えば複数の演算を並列に
実行する並列演算機構を備え、上記CPU21からの演
算要求に応じて座標変換、光源計算、行列或いはベクト
ル等の演算を高速に行なうことができる。具体的には、
このGTE31は、例えば1つの三角形状のポリゴンに
同じ色で描画するフラットシェーディングを行なう演算
の場合では、1秒間に最大150万程度のポリゴンの座標
演算を行なうことができ、これによって、この電子ゲー
ム装置11では、CPU21の負荷を低減するととも
に、高速な座標演算を行なうことができる。
【0024】また、GPU32は、CPU21からの描
画命令に従って、フレームバッファ33に対して多角形
(ポリゴン)等の描画を行なう。このGPU32は、1
秒間に最大36万程度のポリゴンの描画を行なうことがで
きる。更に、フレームバッファ33は、いわゆるデュア
ルポートRAMからなり、GPU32からの描画或いは
メインメモリからの転送と、表示のための読み出しとを
同時に行なうことができる。このフレームバッファ33
は、1Mバイトの容量を有し、それぞれ16ビットの横10
24で縦512の画素のマトリックスとして扱われる。
【0025】また、このフレームバッファ33には、ビ
デオ出力として出力される表示領域の他に、GPU32
がポリゴン等の描画を行なう際に参照するカラールック
アップテーブル(CLUT: Color Lock Up Table)が記憶
されるCLUT領域と、描画時に座標変換されてGPU
32によって描画されるポリゴン等の中に挿入(マッピ
ング)される素材(テクスチャ)が記憶されるテクスチ
ャ領域が設けられている。これらのCLUT領域とテク
スチャ領域は表示領域の変更等に従って動的に変更され
る。
【0026】尚、GPU32は、上述のフラットシェー
ディングの他にポリゴンの頂点の色から補完してポリゴ
ン内の色を決めるグーローシェーディングと、上記テク
スチャ領域に記憶されているテクスチャをポリゴンに張
り付けるテクスチャマッピングを行なうことができる。
これらのグーローシェーディング又はテクスチャマッピ
ングを行なう場合には、上記GTE31は、1秒間に最
大50万程度のポリゴンの座標演算を行なうことができ
る。更に、画像デコーダ34は、上記CPU21からの
制御により、メインメモリ23に記憶されている静止画
或いは動画の画像データを復号化してメインメモリ23
に記憶する。また、この再生された画像データは、GP
U32を介してフレームバッファ33に記憶することに
より、上述のGPU32によって描画される画像の背景
として使用することができる。
【0027】サウンドシステム40は、制御系20から
の指示に従って、ゲームの進行状態に応じた楽音(BG
M、Back Ground Music)、効果音等のサウンドデータ
を再生するための処理を行ない、音声信号としてスピー
カ43に出力する。即ち、サウンドシステム40は、C
PU21からの指示に基づいて、楽音、効果音等を発生
するSPU41と、該SPU41により、波形データ等
が記録されるサウンドバッファ42と、SPU41が発
生される楽音、効果音等を出力するスピーカ43とを備
えている。
【0028】上記SPU41は、16ビットの音声データ
を4ビットの差分信号として適応予測符号化(ADPCM: Ad
aptive Differential PCM)された音声データを再生す
るADPCM復号機能と、サウンドバッファ42に記憶
されている波形データを再生することにより、効果音等
を発生する再生機能と、サウンドバッファ42に記憶さ
れている波形データを変調させて再生する変調機能等を
備える。このような機能を備えることによってこのサウ
ンドシステム40は、CPU21からの指示によってサ
ウンドバッファ42に記録された波形データに基づいて
楽音、効果音等を発生するいわゆるサンプリング音源と
して使用することができる。
【0029】光学ディスク制御部50は、補助記録装置
15に記録されたプログラムやデータ等を再生する光学
ディスク装置51と、例えばエラー訂正符号(ECC: Erro
r Correction Code) が付加されて記録されているプロ
グラム、データ等を復号するデコーダ52と、光学ディ
スク装置51からの再生データを一時的に記憶すること
により、補助記憶装置15からの読み出しを高速化する
バッファ53とを備える。
【0030】レコーダ52にはサブCPU54が接続さ
れている。また、光学ディスク装置51で再生される補
助記録装置15に記録されている音声データとしては、
上述のADPCMデータの他に音声信号をアナログ/デ
ジタル変換したいわゆるPCMデータがある。ADPC
Mデータとして、例えば16ビットのデジタルデータの差
分を4ビットで表わして記録されている音声データは、
デコーダ52で復号化された後、上述のSPU41に供
給され、SPU41でデジタル/アナログ変換等の処理
が施された後、スピーカ43を駆動するために使用され
る。また、PCMデータとして、例えば16ビットのデジ
タルデータとして記録されている音声データは、デコー
ダ52で復号化された後、スピーカ43を駆動するため
に使用される。
【0031】通信制御部60は、バス70を介してCP
U21との通信の制御を行なう通信制御機61を備え、
遊戯者からの指示を入力するコントローラ12が接続さ
れるスロット63と、ゲームの設定データ等を2次記憶
する外部2次記憶装置としてのメモリカード13、携帯
情報端末14が接続される二つのコネクタ65A、65
Bを通信制御機61に設けている。
【0032】コントローラ12は、方向キーや多数のボ
タンを備える。これらのキーやボタンを遊戯者が操作す
ることで、プレイヤキャラクタへの移動の指示や動作の
指示等のゲームの進行のために必要となる入力が行なわ
れる。即ち、コントローラ12は、通信制御機61から
の指示に従って、キーやボタンの状態を、同期式通信に
より、通信制御機61に毎秒60回程度送信する。そし
て、通信制御機61は、コントローラ12のキーやボタ
ンの状態をCPU21に送信する。これにより、遊戯者
からの指示がCPU21に入力され、CPU21は、実
行しているゲームプログラム等に基づいて遊戯者からの
指示に従った処理を行なう。
【0033】ここで、上記メインメモリ23、GPU4
2、画像デコーダ44及びデコーダ52等の間では、プ
ログラムの読み出し、画像の表示或いは描画等を行なう
際に、大量の画像データを高速に転送する必要がある。
そこで、この電子ゲーム装置11では、上述のようにC
PU21を介さずに周辺装置制御部22からの制御によ
り上記メインメモリ23、GPU42、画像デコーダ4
4及びデコーダ52等の間で直接データの転送を行なう
いわゆるDMA転送を行なうことができるようになって
いる。これにより、データ転送によるCPU21の負荷
を低減させることができ、高速なデータの転送を行なう
ことができる。
【0034】また、上記CPU21は、実行しているゲ
ームの設定データ等を記憶する必要があるときに、該記
憶するデータを通信制御機61に送信し、通信制御機6
1はCPU21からのデータを上記コネクタ65A、6
5Bに接続されたメモリカード13、携帯情報端末14
に記憶する。ここで、上記通信制御機61には、電気的
な破壊を防止するための保護回路が内蔵されている。上
記メモリカード13や携帯情報端末14は、バス70か
ら分離されており、装置本体の電源を入れた状態で、着
脱することができる。従って、記憶容量が足りなくなっ
た場合に、装置本体の電源を遮断することなく、新たな
メモリカード13や携帯情報端末14を挿着することが
でき、バックアップする必要のあるゲームデータが失わ
れてしまうことなく、新たなメモリカード13や携帯情
報端末14を挿着して必要なデータを新たなメモリカー
ド13や携帯情報端末14に書き込むことができる。
【0035】また、通信制御部60の通信制御機61
は、通信回線を介して外部のネットワークに接続でき、
制御系20からの指示に従って、外部のネットワークと
の間でプログラムやデータを授受するための処理を行な
うことができる。
【0036】前記画像処理制御系20は、請求項に記載
された3次元モデルを表示手段16に表示するための新
規な画像処理を実行する。このモデルとしては、体に多
数の毛が生えた家畜、例えば猫を例示する。体をベース
モデルとし、多数の体毛をこのベースモデルに付加され
る装飾(或いは模様)とする。
【0037】ベースモデルに体毛を付する画像処理を実
行するプログラムは、予め電子ゲーム装置11で再生さ
れる特定のCD−ROM等の補助記憶装置15から所定
の処理を経て電子ゲーム装置11のメインメモリ23に
ダウンロードされることによって電子ゲーム装置11上
で動作される。即ち、これらの機能は、上述のプログラ
ムと、制御系20と、グラフィックシステム30の協働
作用により構築される画像処理制御手段によって実現さ
れる。
【0038】画像処理制御系20は、既述の画像処理を
実現するために、図3に説明する各手段の組み合わせか
ら構成される。図3に示す仮想空間設定手段300は、
仮想3次元空間を電子ゲーム装置に設定する。3次元モ
デル設定手段302は、ベースモデルを構成する各ポリ
ゴンのデータを記憶媒体から読み出してメインメモリ2
3に一時記憶し、当該データを基に後述のテクスチャー
配置手段とポリゴン配置手段とから提供される処理デー
タを用いて、3次元モデルの完全データを演算し、これ
を仮想3次元空間301に配置する。
【0039】視点設定手段304は、仮想3次元空間3
01に視点の位置を決めるとともに、視線の方向、倍率
などを決定する。画像変換手段306は、この視点から
見た3次元空間内の前記3次元モデルを座標変換して表
示手段16に表示するための画像変換処理を実行する。
【0040】正面領域決定手段308は、メインメモリ
23からベースモデルのデータを読み込み、視点に対す
るベースモデルの正面領域302Aを決定する。周辺領
域決定手段310は、視点に対するベースモデルの周辺
領域300Aを決定する。図4は、これらの領域を簡略
的に示す3次元モデルの一部である。図4に示すモデル
は、動物の頭を頭頂部から見たものである。その中心に
ある領域302Aが正面に相当する領域である。正面領
域302Aの周りをなす領域が周辺領域300Aであ
る。図4に示す頭頂部は、多数の毛が付される基礎とな
るベースモデルに相当する。
【0041】正面領域302Aか周辺領域300Aか
は、視点の視方向に相当する視線ベクトルとベースモデ
ルを構成する各ポリゴンの法線ベクトルとから決定され
る。即ち、図5に示すように、視線ベクトルと法線ベク
トルが成す角度(θ)によって、対応するポリゴンが正
面領域302Aに含まれるか、或いは周辺領域に含まれ
るかが決定される。例えば、θが120度以上180度
以下であるポリゴンをベースモデルの正面領域302A
にあるポリゴンとし、θが90度以上120度未満にあ
るポリゴンを周辺領域300Aにあるポリゴンとする。
又は、Z軸が視野奥方向になることから、ベースモデル
の各ポリゴンのZベクトル(−1から+1)の値で判定す
ることできる。あるポリゴンのZベクトルが−1である
場合には視点に対して真正面のポリゴンであり、Zベク
トルが0である場合には視点に対して真横を向いている
ポリゴンである。
【0042】テクスチャー配置手段312は、正面領域
302Aにあるポリゴンに2次元の絵(テクスチャーデ
ータ)を貼り付ける。ポリゴン配置手段314は、周辺
領域300Aにあるポリゴンの表面に、図6に示すよう
に、複数の小ポリゴンからなる3角錐状のポリゴン体5
00(一つの体毛)を複数(多数)配置する。
【0043】3次元モデル設定手段302は、ベースモ
デルと、このベースモデルの正面領域302Aに付され
たテクスチャーと、このベースモデルの周辺領域300
Aに多数配置されたポリゴン体500とから作られた3
次元モデルを前記仮想3次元空間301内に設定する。
【0044】なお、前記ポリゴン配置手段314は、前
記仮想3次元空間301内の環境要因(風速、温度
等)、3次元モデルの挙動、ゲームコントローラ12か
らゲーム装置11に与えられる各種制御信号に基づい
て、毛のポリゴンの向きや長さを決定する。前記テクス
チャー配置手段312は、メインメモリ23に記憶され
ている複数のテクスチャーの中から最適なテクスチャー
を選択する。従って、図7に示すように、ベースモデル
の中心にある正面領域302Aには、例えば、風によっ
てなびく体毛が示された模様のテクスチャーが配置さ
れ、周辺領域300Aには風によってなびく毛のポリゴ
ン体500が配置される。この3次元モデルの正面部分
にポリゴン体500を表示しなくても、正面部分の周辺
領域300Aにポリゴン体500が配置されているため
に、遊戯者は装飾の動きをリアルタイムに認識すること
ができる。
【0045】正面領域302Aか周辺領域300Aかを
決定する前記角度(θ)の値は一例であって、適宜調整
することができる。また、正面領域302Aと周辺領域
300Aの境界に幅を持たせて、この領域にテクスチャ
ーとポリゴンとを混在させ、両者の少なくとも一つの透
明度(α値)を調整することにより、テクスチャーから
毛のポリゴン体500への遷移、或いはこのポリゴン体
500からテクスチャーへの遷移を円滑になるようにす
る。そのために、正面領域302Aと周辺領域300A
との境界の幅に相当する範囲をθに持たせるようにす
る。例えば、110度以上120度の範囲にテクスチャ
ーとポリゴン体500の両方が存在するようにする。ま
た、この様な幅を境界に設けない場合にも、テクスチャ
ーとポリゴン体500の少なくとも一つの透明度を調整
する。周辺領域300Aから正面領域302Aに近づく
にしたがって毛のポリゴン体500の透明度を上げる
か、正面領域302Aから周辺領域300Aに近づくに
したがってテクスチャーが付されたベースモデルのポリ
ゴンの透明度を上げるようにする。体毛に相当する毛の
ポリゴン体500には、家畜の体色に応じた色が設定さ
れる。
【0046】ここで、ポリゴンの透明度の設定方法の一
例を説明する。ポリゴンのZベクトルをvzとし、変数
をziとする。
【0047】vzが0未満の場合、zi=1+vz、v
zが0以上の場合、zi=1−vz、つまりziは視野
真横方向(視線に垂直)の場合に1、視線に平行の場合
0となる。
【0048】a(ポリゴンの透明度)=(zi−0.2
5)/(1−0.25)(但し、ziが0.25未満の場
合はa=0)
【0049】aは0で完全な透明(非表示)、1で完全
な不透明となる。0.25は閾値であり、大きくすれば
それだけ完全に透明な範囲が広がる。閾値の値はモデル
の形状や毛の濃度などから決定する。
【0050】次に図3に示す画像処理制御系20が実行
する処理動作を図8に示すフローチャートにしたがって
説明する。ゲームがスタートとするとCPU21は、補
助記憶媒体15に記憶されているゲームプログラムを読
み込み、ゲーム装置11に仮想3次元空間301を構築
する(S800)。
【0051】画像処理制御系20は、同空間内の視点が
3次元空間内をカバーする視野領域に、既述の起毛状の
装飾(模様或いは形態)を持った3次元モデルが存在す
るか否かを判定する(S802)。このモデルが存在す
る場合には、前記正面領域決定手段が、ベースモデルを
構成する複数のポリゴンの法線ベクトルを順番に演算し
(S804)、かつ演算の都度、視線方向のベクトルと
法線ベクトルとが成す角度を演算(S806)する。さ
らに、この角度が既述の正面領域302Aに存在する角
度か、或いは周辺領域300Aに存在する角度であるか
を比較し、正面領域302Aであれば、該当ポリゴンに
ついて制御フラグaを設定し、周辺領域300Aの角度
であれば該当ポリゴンに制御フラグbを設定する(S8
08)。なお、正面領域302A及び周辺領域300A
のいずれにも属さない、例えば背面領域のポリゴンにつ
いては制御フラグを設定しない。各ポリゴンのフラグデ
ータは記憶手段の一時記憶領域にメモリテーブルの形で
記憶される。
【0052】テクスチャー配置(適用)手段312は、
メモリテーブルにフラグaが設定されているポリゴン群
にテクスチャーを貼り付ける処理を実行する(S81
0)。この際、テクスチャー配置手段312は、メイン
メモリ23の所定憶領域からゲームの状態やコントロー
ラ12の操作状態に基づいて最適なテクスチャーを選択
してこれを前記正面領域302Aにあるポリゴン群に貼
り付ける。
【0053】一方、ポリゴン配置(適用)手段314
は、フラグbのポリゴン郡の各表面に図7に示す体毛を
表すポリゴン体500を複数配置する(S810)。さ
らに、ポリゴン配置手段は、ポリゴン体500の長さや
方向等を制御する。画像処理制御系20はゲームが終了
するまで以上の動作を各フレーム毎に繰り返し実行す
る。
【0054】なお、既述の実施形態では、ベースモデル
の周辺領域300Aに適用される装飾として、体毛に相
当するポリゴン体500を例にとり説明したが、これに
限定されるものではない。装飾として多くのポリゴン体
500を必要とし、かつ各ポリゴン体500の動きを制
御するようなものであれば良く、例えば、イソギンチャ
ク、海栗のような海洋生物であっても良い。また、ベー
スモデルの周囲に付される、例えば、ぼんやりとした
光、影、歪み等各種演出による装飾にも本発明を適用す
ることができる。すなわち、ベースモデルの正面領域を
この演出が付されたテクスチャーとし、周辺領域をポリ
ゴン体からなる演出とすれば良い。
【0055】また、既述の実施形態では、家庭用ゲーム
機を例にとって説明したが、業務用遊戯機でも良い。請
求項に記載の画像処理装置は、サーバー装置と、このサ
ーバーにインターネット等の通信回線を介して接続され
るクライアント装置との組み合わせとからなるものであ
っても良い。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベースモデルに複雑な装飾が付される3次元モデルを、
画像処理装置の演算負荷を増加させることなく、かつ、
表現力を損なうことなく表現可能な画像処理方法及びそ
の装置を提供するという効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像処理を実行する電子ゲーム
装置を示す模式図である。
【図2】電子ゲーム装置を示すブロック図である。
【図3】画像処理手段の機能ブロック図である。
【図4】ベースモデルの正面領域及び周辺領域を示す模
式図である。
【図5】ベースモデルを構成するポリゴンの法線ベクト
ルと視線ベクトルとが成す角度を説明する概念図であ
る。
【図6】複数のポリゴンを組み合わせて体毛を構成した
ポリゴン体の斜視図である。
【図7】ベースモデルの正面領域に修飾に対応するテク
スチャが施され、その周辺領域に修飾に対応するポリゴ
ン体が配置された、全体として修飾が施されたベースモ
デルを視点から見て、これを模式的に示す模式図であ
る。
【図8】画像処理手段が実行する処理工程を説明するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
11 電子ゲーム装置 12 コントローラ 15 補助記憶装置(記憶媒体) 16 表示手段 20 画像処理制御系(画像処理手段) 300 仮想空間設定手段 302 3次元モデル設定手段 304 視点設定手段 306 画像変換手段 308 正面領域決定手段 310 周辺領域決定手段 314 ポリゴン配置手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C001 BA06 BC08 CA01 CB01 CB04 CB06 CB08 CC02 5B080 AA13 AA19 CA01 CA03 FA17 GA14 GA22

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮想3次元空間内の所定の位置にある視
    点から捉えた、前記空間に存在する3次元モデルを表現
    する画像表現方法において、前記モデルの前記視点に対
    して正面を向く正面領域に前記モデルの装飾に相当する
    テクチャーを適用し、かつ前記正面領域の周辺に位置す
    る周辺領域に、前記装飾を構成するポリゴン体を配置し
    てなる画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記テクスチャーと前記ポリゴン体との
    境界の領域において、前記テクスチャーと前記ポリゴン
    体とがブレンドされてなる請求項1に記載の画像処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記テクスチャーと前記ポリゴン体との
    境界の領域において、前記テクスチャーと前記ポリゴン
    体との少なくとも一方の透明度が変化されている請求項
    2に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記境界において前記テクスチャー及び
    ポリゴン体が共に存在し、両者の透明度の少なくとも一
    つが漸増されてなる請求項3に記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】 前記3次元モデルがベースモデルと前記
    装飾としての多数の突起に相当する前記ポリゴン体が当
    該ベースモデルに配置されたものである請求項1〜4の
    いずれかに記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の画像処理方法を実施する
    画像処理手段を備えた画像処理装置であって、前記画像
    処理手段は次の各手段を備える画像処理装置。前記仮想
    3次元空間を設定する手段、 前記仮想3次元空間に前記3次元モデルを設定する手
    段、 前記仮想3次元空間に前記視点を設定する手段、 前記視点から捉えた前記3次元モデルを表現するための
    画像変換を行う手段、 前記視点に対する前記3次元モデルの正面領域を決定す
    る手段、 前記視点に対する前記3次元モデルの周辺領域を決定す
    る手段、 前記装飾に対応するテクスチャーを記憶手段から選択す
    る手段、 前記装飾に対応するポリゴン体を決定する手段、 前記正面領域に前記テクスチャーを適用する手段、及び
    前記周辺領域に前記ポリゴン体を適用する手段。
  7. 【請求項7】 前記3次元モデルが、前記ポリゴン体と
    しての多数の突起がベースモデルに存在するものである
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記正面領域を決定する手段及び前記周
    辺領域を決定する手段は、前記3次元モデルを構成する
    各ポリゴンの法線ベクトルと前記視点の視方向に相当す
    る視線ベクトルとから、前記正面領域又は周辺領域を決
    定してなる請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記画像処理手段は、前記正面領域と前
    記周辺領域との境界における前記テクスチャー及び前記
    ポリゴン体の少なくとも一つの透明度を変化させる手段
    をさらに備えてなる請求項6に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれかに記載の画像
    処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のプログラムを記憶
    してなる記憶媒体。
  12. 【請求項12】 仮想3次元空間内に設定される3次元
    モデルであって、前記モデルの正面領域に装飾に相当す
    るテクチャーを適用し、かつこの正面領域の周辺に位置
    する周辺領域に、前記装飾を構成するポリゴン体を配置
    してなる3次元モデル。
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