JP2003150676A - エネルギー仲介装置及びエネルギー流通システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 需要者に販売するエネルギーをエネルギー種
別毎に分離してパッケージ化する。 【解決手段】 複数種別のエネルギーが売買されるエネ
ルギー市場が形成されるエネルギー市場サーバ３と、ネ
ットワーク１を介してエネルギー市場でエネルギーを販
売する供給者端末２と、エネルギー市場でエネルギーを
購入して、複数のエネルギー種別と各種別相互間のエネ
ルギー割合とを組合せた複数の標準パッケージ１９ａ〜
１９ｄを作成してネットワークへ送出し、購入指示を受
信するするエネルギー仲介装置５と、エネルギー仲介装
置５から送出された各標準パッケージを受信して、標準
パッケージを指定したエネルギーの購入指示をエネルギ
ー仲介装置へ送信する需要者端末８とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、石炭、水力、石
油、天然ガス、核燃料等の各エネルギー原料から生成さ
れた各種のエネルギーを供給者と需要者との間で円滑に
流通させるエネルギー仲介装置、及びエネルギー流通シ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】電力エネルギーの供給者である各電力会
社の各発電所は、石炭、水力、石油、天然ガス、核燃
料、太陽光、風力等の複数種類のエネルギー原料のなか
から自己の発電設備が受入可能なエネルギー原料を採用
して発電を実施して、送電線を介して工場や事業所やオ
フィスや各家庭等の需要者に配電している。

【０００３】電力エネルギーにおける単位エネルギー
（１ｋＷｈ）当たりの発電設備の設備費、単位エネルギ
ー当たりのエネルギー原料費（ランニングコスト）は、
当然エネルギー原料の種類によって大きく異なる。一般
に、水力、核燃料等の莫大な設備費が必要とする場合や
太陽光、風力等の発電効率が低い場合は電力エネルギー
の製造単価は高い。逆に、石炭、石油、天然ガス等の化
石原料は発電効率が高いので電力エネルギーの製造単価
は低い。

【０００４】従来、電力会社は、使用するエネルギー原
料毎に電力エネルギーの製造単価が異なるのに、平均的
な製造単価に基づいて電力エネルギーの販売単価を決定
していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように使用するエ
ネルギー原料毎に電力エネルギーの製造単価が異なるに
も係わらず、電力エネルギーの販売単価が等しい場合に
おいては、次のような課題がある。

【０００６】すなわち、地球的規模での環境配慮が不可
欠となり、企業イメージや個人の価値観により、各電力
会社から電力エネルギーを購入する各工場や事業所や各
家庭の需要者のなかには、多少購入単価が高くても地球
環境に優しいクリーンな電力エネルギーの購入を希望す
る者も存在する。

【０００７】しかし、現状では、使用するエネルギー原
料毎に電力エネルギーが販売されておらず、多様な需要
者の要求に応じることができない。

【０００８】また、風力や太陽光のエネルギー原料で製
造される電力エネルギーの絶対量は、炭酸ガス（Ｃ
Ｏ₂）を大量に排出する石炭、石油等の化石原料で製造
される電力エネルギーの絶対量に比較してごく僅かであ
り、クリーンエネルギーの購入を希望する全ての需要者
に配布することができない。さらに、需要者毎に、例え
ば経済的理由から、地球環境に対する配慮の程度が異な
ることが考えられる。

【０００９】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、石炭や石油等のエネルギー原料の種別が
異なる複数種別のエネルギーを適宜組合せることによっ
て、需要者にとって自己が希望する程度に地球環境に配
慮でき、エネルギー仲介者にとっても需要者の種々の要
求を満足させることができるエネルギー仲介装置、及び
エネルギー流通システムを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明のエネルギー仲介装置は、複数種別のエネル
ギーが売買されるエネルギー市場から複数種別のエネル
ギーをネットワークを介して購入するエネルギー購入手
段と、このエネルギー購入手段で購入されて蓄積されて
いるエネルギー種別毎の現在の在庫量を記憶するエネル
ギー在庫ファイルと、このエネルギー在庫ファイルに記
憶された複数のエネルギー種別と各種別相互間のエネル
ギー割合とを組合せた複数の標準パッケージを作成する
標準パッケージ作成手段と、この作成した各標準パッケ
ージをエネルギー需要者の需要者端末へネットワークを
介して送信するパッケージ送信手段と、需要者端末から
ネットワークを介して購入指定された標準パッケージが
示す各エネルギーを該当需要者端末の需要者へ販売する
エネルギー販売手段とを備えている。

【００１１】このように構成された、エネルギー仲介装
置においては、エネルギー市場から石炭や石油等のエネ
ルギー原料の種別が異なる複数種別のエネルギーを購入
して、エネルギー在庫ファイルへ一旦書き込む。そし
て、このエネルギー在庫ファイルに記憶された複数のエ
ネルギー種別と各種別相互間のエネルギー割合とを組合
せた複数の標準パッケージを作成して、工場や家庭のエ
ネルギー需要者へ送信する。

【００１２】エネルギー需要者は、エネルギー仲介装置
から送信されてきた、複数の標準パッケージから自己に
最適な割合で石炭や石油等のエネルギー原料の種別が含
まれる標準パッケージを選択して購入できる。

【００１３】また、別の発明は、上述した発明のエネル
ギー仲介装置に対して、さらに、需要者端末からネット
ワークを介して指定された、エネルギー種別とエネルギ
ー割合とを組合せたカスタマイズ・パッケージを作成す
るカスタマズパッケージ作成手段と、このカスタマイズ
・パッケージ作成手段で作成されたカスタマイズ・パッ
ケージが示す各エネルギーを該当需要者端末の需要者へ
販売するエネルギー販売手段とを付加している。

【００１４】このように構成されたエネルギー仲介装置
においては、需要者は、エネルギー仲介装置から送信さ
れてきた標準パッケージが気に入らなければ、エネルギ
ー仲介装置に対して、自己専用のカスタマイズ・パッケ
ージを作成させることができる。したがって、エネルギ
ー仲介者は、需要者に対して、該当需要者の希望により
一致したパッケージのエネルギーを販売（提供）するこ
とができる。

【００１５】また、別の発明は、上述した発明のエネル
ギー仲介装置に対して、さらに、各需要者端末へ送信す
る各パッケージに含まれる各エネルギー種別に対して単
位エネルギー毎の環境ポイントを付加するポイント付加
手段を付加している。

【００１６】このように構成されたエネルギー仲介装置
においては、パッケージに含まれる各エネルギー種別に
対して、環境に対する寄与度を示す環境ポイントが付さ
れるので、需要者は、パッケージのエネルギーを購入す
るに際して、該当パッケージの環境に対する寄与度を把
握できる。

【００１７】また、別の発明は、上述した発明のエネル
ギー仲介装置に対して、さらに、各需要者端末へ送信す
る各パッケージに含まれる各エネルギー種別に対して、
単位エネルギー毎の消費ポイントと環境ポイントとを付
加するポイント付加手段と、各需要者端末へ該当需要者
が各パッケージで購入した各エネルギーに付加された消
費ポイントと環境ポイントとをポイント市場で売買する
ことを推奨するポイント売買推奨手段とを付加してい
る。

【００１８】このように構成されたエネルギー仲介装置
においては、パッケージに含まれる各エネルギー種別に
対して、前述した環境に対する寄与度を示す環境ポイン
トの他に消費ポイントを付加している。省エネルギー化
の社会的要求に対して、全てのエネルギー消費に対して
使用量に対応した消費ポイントを付加することによっ
て、需要者に対する警鐘とすることができる。

【００１９】一般に、環境に対しては、環境ポイントと
消費ポイントとは相反するので、ポイント市場で両者を
売買の対象とすることにより、環境ポイントの所持者は
多少なりとも利益を得ることができる。

【００２０】さらに、別の発明はエネルギー流通システ
ムである。そして、このエネルギー流通システムは、複
数種別のエネルギーが売買されるエネルギー市場が形成
されるエネルギー市場サーバと、ネットワークを介して
エネルギー市場でエネルギーを販売する供給者端末と、
ネットワークを介してエネルギー市場でエネルギーを購
入して、複数のエネルギー種別と各種別相互間のエネル
ギー割合とを組合せた複数の標準パッケージを作成して
ネットワークへ送出し、ネットワークを介して購入指示
を受信するエネルギー仲介装置と、ネットワークを介し
てエネルギー仲介装置から送出された各標準パッケージ
を受信して、標準パッケージを指定したエネルギーの購
入指示をエネルギー仲介装置へ送信する需要者端末とを
備えている。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。図１は本発明の実施形態に係るエネ
ルギー仲介装置が組込まれたエネルギー流通システムの
概略構成を示す模式図である。なお、この実施形態シス
テムで取引されるエネルギーは電力エネルギーであると
して説明する。

【００２２】インターネット１に対して、例えば電力会
社からなるエネルギー（電力エネルギー）を供給する複
数の供給者の供給者端末２、石炭、石油等のエネルギー
原料種類で示される複数種別のエネルギー（電力エネル
ギー）のエネルギー市場が形成されるエネルギー市場サ
ーバ３、データベース４を有し、各種別のエネルギー
（電力エネルギー）の仲介業務を実施する複数のエネル
ギー仲介装置５、環境ポイント及び消費ポイントを設定
する環境アセスメント協会のアセスメント協会端末６、
環境ポイント及び消費ポイントの売買を行うポイント市
場が形成されたポイント市場サーバ７、及び工場や事務
所や一般家庭等のエネルギー（電力エネルギー）をエネ
ルギー仲介装置５から購入する複数の需要者の需要者端
末８が接続されている。

【００２３】アセスメント協会端末６内には、図２に示
すポイントデータベース９が形成されている。このポイ
ントデータベース９内には、石炭、石油、天然ガス、ウ
ラン（核原料）、太陽光、風力、水力等のエネルギー原
料種類で定まるエネルギー種別毎の、単位エネルギー
（１ｋＷｈ）毎の環境ポイントと消費ポイントが設定さ
れる。

【００２４】ＣＯ₂の排出量が少ない環境に優しい太陽
光、風力等のエネルギー原料を使用して製造されたエネ
ルギー種別に対して高い（＋）の環境ポイントが付され
ている。逆に、ＣＯ₂や熱の排出量が大きい、又はダム
等の自然破壊が伴うエネルギー原料を使用して製造され
たエネルギー種別に対して低い（＋）の環境ポイントが
付されている。さらに、エネルギー種別に関係なく同一
の（−）の消費ポイントが設定される。この環境ポイン
トと消費ポイントとは、需要者が該当エネルギーを購入
した後に合算できる。

【００２５】この環境ポイントと消費ポイントは、エネ
ルギー原料の価格やその時々の状況委応じて環境アセス
メント協会側にて適宜に変更可能である。そして、この
環境ポイントと消費ポイントは、インターネット１を介
して、何人でも検索可能である。

【００２６】この環境ポイントと消費ポイントは、需要
者が自己の需要者端末８を操作してエネルギー仲介装置
５からパッケージで購入した各種別のエネルギー（電力
エネルギー）に付加されてくる。

【００２７】図４は、それぞれ異なる複数種別のエネル
ギーを購入した各需要者Ａ、Ｂ、Ｃのエネルギー毎の環
境ポイントと消費ポイントの値、及び各需要者Ａ、Ｂ、
Ｃ毎にポイントを合算した値を示す。需要者Ａは石油の
種別のエネルギーを大量に購入したので、合計ポイント
は「ー２５０」となり、需要者Ｃは太陽光の種別のエネ
ルギーを大量に購入したので、合計ポイントは「＋５５
０」となる。したがって、需要者Ａ、Ｃは、ポイント市
場サーバ７のポイント市場で自己の保有ポイント「ー２
５０」、「＋５５０」を売却した場合に、需要者Ｃは対
価を得ることができ、需要者Ａは対価の持ち出しとな
る。

【００２８】なお、環境ポイントと消費ポイントとは必
ずしも合算する必要はなく、それぞれ独立させて、環境
ポイントのみを合算蓄積して環境にやさしい企業イメー
ジを作り上げたり、消費ポイントのみを合算蓄積して省
エネ企業イメージを作り上げる目的でも用いられる。

【００２９】エネルギー市場サーバ３内には、各種の商
品市場と同様に、ネット上にエネルギー市場が形成され
ており、エネルギー種別毎に売買が成立した単価が環境
ポイントと消費ポイントと共に、図３に示す市場価格テ
ーブル１０に登録される。なお、環境ポイントと消費ポ
イントはアセスメント協会端末６から取り寄せる。さら
に、エネルギー市場サーバ３内には、各供給者端末２か
ら出された各エネルギー種別の売り注文を一時記憶する
売手情報ファイル１１と、各エネルギー仲介装置５から
出された各エネルギー種別の買い注文を一時記憶する買
手情報ファイル１２とが形成されている。

【００３０】例えば電力会社からなるエネルギー（電力
エネルギー）を供給する複数の供給者は自己の供給者端
末２を操作して、エネルギー市場サーバ３をアクセスし
て、このエネルギー市場サーバ３内に形成されたエネル
ギー市場に対してエネルギー種別を指定したエネルギー
の売り注文を出して、該当種別のエネルギーをエネルギ
ー市場で販売する。

【００３１】例えば、コンピュータで構成された各エネ
ルギー仲介装置５は、エネルギー仲介者の操作に基づい
て、エネルギー市場サーバ３をアクセスして、このエネ
ルギー市場サーバ３内に形成されたエネルギー市場に対
してエネルギー種別を指定したエネルギーの買い注文を
出して、指定種別のエネルギーをエネルギー市場で購入
する。

【００３２】各エネルギー仲介装置５に接続されたデー
タベース４内には、図５（ａ）に示すように、エネルギ
ー在庫ファイル１３、標準パッケージファイル１４、自
己の企業戦略情報１５、市場動向情報１６、需要者集計
情報１７等が記憶されている。

【００３３】エネルギー在庫ファイル１３内には、図６
に示すように、自己のエネルギー仲介装置５にてエネル
ギー市場サーバ３のエネルギー市場で購入されて蓄積さ
れている石炭、石油、天然ガス等のエネルギー種別毎
の、環境ポイント、消費ポイント、現在時点の単価、数
量（在庫量）等が記憶されている。

【００３４】また、標準パッケージファイル１４内に
は、図７に示すように、例えば、４種類の標準パッケー
ジ１９ａ、１９ｂ、１９ｃ、１９ｄが記憶されている。
標準パッケージ１９ａ〜１９ｄは、エネルギー仲介者が
各需要者に対してパッケージ購入を勧める複数種別のエ
ネルギー（電力エネルギー）を組合せたパッケージであ
る。この標準パッケージ１９ａ〜１９ｄ内には、このパ
ッケージに組込まれるエネルギー種別毎の割合（％）、
エネルギー単価、環境ポイント、消費ポイントが含まれ
る。

【００３５】標準パッケージ１９ａ〜１９ｄとして、基
準型、クリーンエネルギー種別の割合が多い環境型、エ
ネルギー単価の低いエネルギー種別の割合が多い節約
型、お湯とセットのコージェネ型の４種類が準備されて
いる。

【００３６】市場動向情報１６とは、エネルギー市場サ
ーバ３内に形成されたエネルギー市場における各エネル
ギー種別の市場価格動向である。また、需要者集計情報
１７とは、標準パッケージ１９ａ〜１９ｄを作成すると
きに用いる、各需要者における過去のエネルギーの購入
実績の集計値や、購入希望価格、希望環境ポイント等で
ある。

【００３７】各エネルギー仲介装置５の主メモリ内に
は、図５（ｂ）に示すように、複数の顧客（需要者）別
メモリ１８が形成されている。各顧客別メモリ１８内に
は、該当顧客（需要者）が購入希望したエネルギー量、
該当顧客（需要者）が購入希望したエネルギー種別、該
当顧客（需要者）が希望した環境ポイント、該当顧客
（需要者）が希望した購入価格、該当顧客（需要者）が
購入したパッケージ等が一時記憶されている。

【００３８】図８は、エネルギー仲介装置５が、インタ
ーネット１を介して各需要者端末８からのエネルギー購
入に対するアクセス要求に応じて、要求元の需要者端末
８へ送信する入力画面（ホームページ）２０を示す図で
ある。購入エネルギーのパッケージの選択領域２０ａに
は、前述した４種類の標準パッケージ１９ａ〜１９ｄの
他に、需要者がパッケージに組込むエネルギー種別とそ
の割合を指定するカスタマイズ型パッケージ２１が表示
されている。

【００３９】さらに、入力画面（ホームページ）２０に
は、契約期間、契約エネルギー量の選択領域２０ｂ、カ
スタマイズ型パッケージ２１を選択した場合の組込むエ
ネルギー種別とその割合の選択入力領域２０ｃ、カスタ
マイズ型パッケージ２１を選択した場合の組込むエネル
ギー種別の希望価格入力領域２０ｄが形成されている。

【００４０】図９は、エネルギー仲介装置５から、入力
画面２０を用いて需要者端末８から入力されたパッケー
ジの購入要求に対する購入確認画面２２を示す図であ
る。この購入確認画面２２には、今回購入情報２２ａ、
今回購入パッケージ２２ｂ、購入済エネルギーの残量及
びポイントの合計２２ｃが表示される。

【００４１】なお、今回購入情報２２ａとしては、パッ
ケージの型で示される購入商品、購入エネルギー量（ｋ
Ｗｈ）、購入期間（年）、パッケージ全体の価格、パッ
ケージ全体の合計の環境ポイント、パッケージ全体合計
の消費ポイントが表示される。

【００４２】そして、各エネルギー仲介装置５は、図１
０に示す流れ図に従ってエネルギー（電力エネルギー）
の仲介処理を実施する。仲介者（操作者）がキーボード
等を介して、エネルギー種別、数量、価格を指定したエ
ネルギー購入操作を実施すると（Ｓ１）、エネルギー市
場サーバ３のエネルギー市場から指定された種別のエネ
ルギーを購入して（Ｓ２）、購入したエネルギーをデー
タベース４のエネルギー在庫ファイル１３の該当エネル
ギー種別の数量（在庫量）に加算する（Ｓ３）。

【００４３】さらに、エネルギー仲介者（操作者）がキ
ーボード等を介して、エネルギー種別、数量、価格を指
定したエネルギー売却操作を実施すると（Ｓ４）、エネ
ルギー市場サーバ３のエネルギー市場で指定された種別
のエネルギーを売却する（Ｓ５）。さらに、売却したエ
ネルギーをデータベース４のエネルギー在庫ファイル１
３の該当エネルギー種別の数量（在庫量）から減額する
（Ｓ６）。

【００４４】エネルギー仲介者（操作者）が新規の標準
パッケージ１９ａ〜１９ｄに対する作成操作を実施する
と（Ｓ７）、図７に示した新規の標準パッケージ１９ａ
〜１９ｄを作成して、標準パッケージファイル１４へ登
録する（Ｓ８）。

【００４５】図１１（ａ）は、標準パッケージの作成処
理を示す流れ図である。キーボード等の入力装置を介し
て新規の標準パッケージに組込むべきエネルギー種別、
該当エネルギー種別の標準パッケージ内での割合が入力
されると（Ｑ１）、データベース４のエネルギー在庫フ
ァイル１３から該当エネルギー種別のエネルギー単価、
環境ポイント、消費ポイントを読出して（Ｑ２）、エネ
ルギー種別、割合、エネルギー単価、環境ポイント、消
費ポイントを新規の標準パッケージに組込む（Ｑ３）。
新規の標準パッケージに組込済みの各エネルギー種別の
合計の割合が１００％に達していないことを確認すると
（Ｑ４）、Ｑ１へ戻り、この新規の標準パッケージに組
込むべき次のエネルギー種別、割合の入力待ちとなる。

【００４６】Ｑ６にて、各エネルギー種別の合計の割合
が１００％に達すると、この新規に作成した標準パッケ
ージに型名を付して標準パッケージファイル１４へ追加
登録する（Ｑ５）。

【００４７】図１０のＳ９において、エネルギー仲介者
（操作者）が標準パッケージファイル１４に登録済みの
標準パッケージ１９ａ〜１９ｄに対する変更や削除操作
が実施されると、指定された標準パッケージ１９ａ〜１
９ｄに対する変更や削除処理を実施する（Ｓ１０）。

【００４８】需要者端末８からインターネット１を介し
てエネルギー購入のアクセス要求が入力すると（Ｓ１
１）、図８に示した入力画面（ホームページ）２０をア
クセス要求元の需要者端末８へ送信する（Ｓ１２）。需
要者端末８の需要者がパッケージ選択領域２０ａで一つ
の標準パッケージ１９ａ〜１９ｄを選択すると（Ｓ１
３）、標準パッケージ１９ａ〜１９ｄに対する販売処理
を実施する（Ｓ１４）。

【００４９】図１１（ｂ）は、標準パッケージの販売処
理を示す流れ図である。図８の入力画面２０で購入（販
売）する標準パッケージの型種、契約期間、購入（販
売）エネルギー数量が選択されると（Ｒ１）、選択され
た標準パッケージ１９ａ〜１９ｄの全体の価格、合計の
環境ポイント、合計の消費ポイントを算出して（Ｒ
２）、先に入力された標準パッケージの型種、契約期
間、購入（販売）エネルギー数量とともに図９に示す購
入確認画面２２の今回購入情報２２ａに組込んで、販売
先の需要者端末８へ送信する。

【００５０】同時に、合計の環境ポイント、合計の消費
ポイントをポイント市場で売却することを推奨するメッ
セージも販売先の需要者端末８へ送信する（Ｒ３）。そ
して、パッケージに含まれる各エネルギー種別の実際の
エネルギー量を算出して、エネルギー在庫ファイル１３
の該当エネルギー種別の在庫量（数量）から減額する
（Ｒ４）。

【００５１】図１０のＳ１３において、入力画面２０で
カスタマイズ型パッケージ２１が選択されると、カスタ
マイズ型パッケージ２１を作成し（Ｓ１５）、この作成
したカスタマイズ型パッケージ２１の販売処理を実施す
る（Ｓ１６）。

【００５２】図１２は、カスタマイズ型パッケージ２１
の作成、販売処理を示す流れ図である。図８の入力画面
２０の希望購入エネルギー選択入力領域２０ｃ、希望価
格入力領域２０ｄで、カスタマイズ型パッケージ１２に
組込むべきエネルギー種別、数量、希望価格が入力され
ると（Ｐ１）、これらを一旦受信バッファへ書込む（Ｐ
２）。そして、この受信バッファから未読出しのエネル
ギー種別、数量を読出す（Ｐ３）。

【００５３】該当エネルギー種別の数量がエネルギー在
庫ファイル１３に在庫があれば（Ｐ４）、該当エネルギ
ー種別、数量、価格をカスタマイズ型パッケージ２１に
書込む（Ｐ１０）。

【００５４】該当エネルギー種別の数量がエネルギー在
庫ファイル１３に在庫が無ければ（Ｐ４）、該当エネル
ギー種別のエネルギー価格をエネルギー市場サーバ３か
ら検索する（Ｐ５）。そして、該当エネルギー種別の販
売価格を算出して、希望価格より高い場合は、需要者端
末８へ送信する（Ｐ６）。需要者の承諾が得られると
（Ｐ７）、該当エネルギー種別のエネルギーを指定され
た量、又は不足量だけ、エネルギー市場サーバ３のエネ
ルギー市場から購入し（Ｐ８）、エネルギー在庫ファイ
ル１３に追加登録する（Ｐ９）。そして、該当エネルギ
ー種別、数量、価格をカスタマイズ型パッケージ２１に
書込む（Ｐ１０）。

【００５５】受信バッファに未読出しのエネルギー種
別、数量が存在すると（Ｐ１１）、Ｐ３へ戻り、受信バ
ッファから次の未読出しのエネルギー種別、数量を読出
す。

【００５６】受信バッファに未読出しのエネルギー種
別、数量が無くなると（Ｐ１１）、このカスタマイズ型
パッケージ２１に組込まれた各エネルギー種別の環境ポ
イント、消費ポイントの合計を算出し、カスタマイズ型
パッケージ２１に書込む（Ｐ１２）。次に、カスタマイ
ズ型パッケージ２１全体の価格、環境ポイント、消費ポ
イントを算出して、カスタマイズ型パッケージ２１に書
込む（Ｐ１３）。そして、今回作成したカスタマイズ型
パッケージ２１を要求元の需要者端末８へ送信する（Ｐ
１４）。その後、カスタマイズ型パッケージ２１に含ま
れる各エネルギー種別の実際のエネルギー量を、エネル
ギー在庫ファイル１３の該当エネルギー種別の在庫量
（数量）から減額する（Ｐ１７）。

【００５７】このように、エネルギー仲介装置５は、イ
ンターネット１を介してエネルギー市場サーバ３のエネ
ルギー市場で必要なエネルギーを購入して、複数のエネ
ルギー種別と各種別相互間のエネルギー割合とを組合せ
た複数の標準パッケージ１９ａ〜１９ｄを作成して、需
要者端末８からの要求に応じて、需要者端末８へ送信す
る。そして、需要者端末８の購入指示に応じて、該当標
準パッケージ１９ａ〜１９ｄを需要者端末８の需要者へ
送出する。

【００５８】また、需要者端末８を介した需要者の求め
に応じて、該当需要者の要求に応じたカスタマイズ型パ
ッケージ２１を作成して、該当需要者に販売することが
できる。

【００５９】図１３は、各需要者端末８の動作を示す流
れ図である。需要者がキーボード等の入力装置を介し
て、エネルギー（電力エネルギー）の購入業務を開始す
ると（Ｔ１）、エネルギー仲介装置５へアクセスする
（Ｔ２）。図８に示す入力画面２０が送信されて来ると
（Ｔ３）、この受信した入力画面２０を表示する（Ｔ
４）。需要者が入力画面２０上で標準パッケージ１９ａ
〜１９ｄを指定すると（Ｔ５）、購入エネルギーの数量
を入力するのを待って（Ｔ６）、指定した標準パッケー
ジ１９ａ〜１９ｄ、エネルギー数量をエネルギー仲介装
置５へ送信する（Ｔ７）。そして、エネルギー仲介装置
５から自己が購入した標準パッケージ１９ａ〜１９ｄ、
エネルギー数量、全体の価格、全体の環境ポイント、全
体の消費ポイントを受信して自己のメモリへ格納する
（Ｔ８）。

【００６０】需要者が入力画面２０上で標準パッケージ
１９ａ〜１９ｄ以外のカスタマイズ型パッケージ２１を
指定し（Ｔ５）、入力画面２０上で、カスタマイズ型パ
ッケージ２１に組込む各エネルギー種別の組み合わせを
入力する（Ｔ９）。エネルギー仲介装置５から購入し
た、エネルギー数量、全体の価格、全体の環境ポイン
ト、全体の消費ポイントが組込まれたカスタマイズ型パ
ッケージ２１を受信して自己のメモリへ格納する（Ｔ１
０）。

【００６１】さらに、需要者がポインタの売却操作を実
行すると（Ｔ１１）、自己のメモリに記憶された各パッ
ケージ１９ａ〜１９ｄ、２１の未使用の環境ポイント、
消費ポイントの集計を行う（Ｔ１２）。ポイント市場サ
ーバ７をアクセスして、集計されたポイントをポイント
市場で売却する（Ｔ１３）。売却結果を自己のメモリに
登録する（Ｔ１４）。

【００６２】このように、各需要者は、自己の需要者端
末８を操作して、インターネット１を介してエネルギー
仲介装置５から送出された入力画面で購入すべき標準パ
ッケージ１９ａ〜１９ｄを指定するのみで、自己が希望
する割合のエネルギー種別が含まれたエネルギー（電力
エネルギー）を購入することができる。

【００６３】さらに、需要者は、必要に応じて、エネル
ギー仲介装置５が準備したパッケージ１９ａ〜１９ｄに
はない、需要者独自のカスタマイズ型パッケージ２１を
エネルギー仲介装置５に作成させて、このカスタマイズ
型パッケージ２１でエネルギー（電力エネルギー）を購
入することができる。

【００６４】さらに、このエネルギー流通システムにお
いては、各需要者にパッケージで販売する各エネルギー
のエネルギー種別毎に環境ポイントと消費ポイントを付
している。したがって、各需要者は、自己が購入した各
エネルギーが、どの程度環境向上に寄与しているかを定
量的に把握できる。

【００６５】また、環境ポイントの他に消費ポイントを
付加していので、省エネルギー化に対する警鐘を各需要
者に知らせることができる。環境ポイントと消費ポイン
トとをポイント市場で売買することにより、環境ポイン
トの所持者は多少なりとも利益を得ることができる。

【００６６】なお、本発明は上述した実施形態システム
に限定されるものではない。例えば、エネルギーの生産
者や需要者に対してエネルギー生産やエネルギー需要に
関するアドバイスを提供するコンサルティング会社の端
末をインターネット１に接続することが可能である。

【００６７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のエネルギ
ー仲介装置及びエネルギー流通システムにおいては、石
炭や石油等のエネルギー原料の種別が異なる複数種別の
エネルギーを適宜組合せたパッケージ状態でエネルギー
を需要者に販売している。したがって、需要者にとって
自己が希望する程度に地球環境に配慮でき、エネルギー
仲介者は需要者の種々の要求を満足させることができ、
需要者に対するサービスを向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るエネルギー仲介装置
が組込まれたエネルギー流通システムの概略構成を示す
模式図

【図２】実施形態のエネルギー流通システムに組込まれ
たアセスメント協会端末内に形成されたポイントデータ
ベースの設定内容を示す図

【図３】同エネルギー流通システムに組込まれたエネル
ギー市場サーバ内に形成されたテーブルの設定内容を示
す図

【図４】環境ポイントと消費ポイントの関係を説明する
ための図

【図５】実施形態エネルギー流通システムに組込まれた
エネルギー仲介装置及びデータベースの記憶内容を示す
図

【図６】同データベース内に形成されたエネルギー在庫
ファイルの記憶内容を示す図

【図７】同データベース内に形成された標準パッケージ
ファイルの記憶内容を示す図

【図８】各需要者端末に表示される入力画面を示す図

【図９】各需要者端末に表示される購入確認画面を示す
図

【図１０】実施形態エネルギー流通システムに組込まれ
たエネルギー仲介装置の動作を示す流れ図

【図１１】同じく実施形態エネルギー流通システムに組
込まれたエネルギー仲介装置の動作を示す流れ図

【図１２】同じく実施形態エネルギー流通システムに組
込まれたエネルギー仲介装置の動作を示す流れ図

【図１３】実施形態エネルギー流通システムに組込まれ
た各需要者端末の動作を示す流れ図

【符号の説明】

１…インターネット ２…供給者端末 ３…エネルギー市場端末 ４…データベース ５…エネルギー仲介装置 ６…アセスメント協会端末 ７…ポイント市場サーバ ８…需要者端末 ９…ポイントデータベース １０…市場価格テーブル １３…エネルギー在庫ファイル １４…標準パッケージファイル １８…顧客別メモリ １９ａ、１９ｂ、１９ｃ、１９ｄ…標準パッケージ ２０…入力画面 ２１…カスタマイズ型パッケージ ２２…購入確認画面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０６Ｆ 17/60 ＺＡＢ Ｇ０６Ｆ 17/60 ＺＡＢ (72)発明者 斎藤 宏海 東京都港区芝１丁目５番11号 東芝ロジス ティクス・ソリューションズ株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数種別のエネルギーが売買されるエネ
   ルギー市場から複数種別のエネルギーをネットワークを
   介して購入するエネルギー購入手段と、 このエネルギー購入手段で購入されて蓄積されているエ
   ネルギー種別毎の現在の在庫量を記憶するエネルギー在
   庫ファイルと、 このエネルギー在庫ファイルに記憶された複数のエネル
   ギー種別と各種別相互間のエネルギー割合とを組合せた
   複数の標準パッケージを作成する標準パッケージ作成手
   段と、 この作成した各標準パッケージをエネルギー需要者の需
   要者端末へネットワークを介して送信するパッケージ送
   信手段と、 前記需要者端末からネットワークを介して購入指定され
   た標準パッケージが示す各エネルギーを該当需要者端末
   の需要者へ販売するエネルギー販売手段とを備えたエネ
   ルギー仲介装置。
2. 【請求項２】 前記需要者端末からネットワークを介し
   て指定された、エネルギー種別とエネルギー割合とを組
   合せたカスタマイズ・パッケージを作成するカスタマズ
   パッケージ作成手段と、 このカスタマイズ・パッケージ作成手段で作成されたカ
   スタマイズ・パッケージが示す各エネルギーを該当需要
   者端末の需要者へ販売するエネルギー販売手段とを備え
   た請求項１記載のエネルギー仲介装置。
3. 【請求項３】 前記各需要者端末へ送信する各パッケー
   ジに含まれる各エネルギー種別に対して単位エネルギー
   毎の環境ポイントを付加するポイント付加手段を備えた
   請求項１又は２記載のエネルギー仲介装置。
4. 【請求項４】 前記各需要者端末へ送信する各パッケー
   ジに含まれる各エネルギー種別に対して、単位エネルギ
   ー毎の消費ポイントと環境ポイントとを付加するポイン
   ト付加手段と、 前記各需要者端末へ該当需要者が各パッケージで購入し
   た各エネルギーに付加された消費ポイントと環境ポイン
   トとをポイント市場で売買することを推奨するポイント
   売買推奨手段とを備えた請求項１又は２記載のエネルギ
   ー仲介装置。
5. 【請求項５】 複数種別のエネルギーが売買されるエネ
   ルギー市場が形成されるエネルギー市場サーバと、 ネットワークを介して前記エネルギー市場でエネルギー
   を販売する供給者端末と、 ネットワークを介して前記エネルギー市場でエネルギー
   を購入して、複数のエネルギー種別と各種別相互間のエ
   ネルギー割合とを組合せた複数の標準パッケージを作成
   してネットワークへ送出し、ネットワークを介して購入
   指示を受信するエネルギー仲介装置と、 ネットワークを介して前記エネルギー仲介装置から送出
   された各標準パッケージを受信して、標準パッケージを
   指定したエネルギーの購入指示を前記エネルギー仲介装
   置へ送信する需要者端末とを備えたエネルギー流通シス
   テム。