JP2003150169A - 袋状物充填粉砕発泡体吸音材 - Google Patents

袋状物充填粉砕発泡体吸音材

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JP2003150169A
JP2003150169A JP2001343772A JP2001343772A JP2003150169A JP 2003150169 A JP2003150169 A JP 2003150169A JP 2001343772 A JP2001343772 A JP 2001343772A JP 2001343772 A JP2001343772 A JP 2001343772A JP 2003150169 A JP2003150169 A JP 2003150169A
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JP
Japan
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foam
absorbing material
sound absorbing
bag
sound
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Application number
JP2001343772A
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English (en)
Inventor
Fuminobu Hirose
文信 廣瀬
Yoichi Ohara
洋一 大原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来住宅等に使用されている繊維系の吸音材
は、作業性が悪い場合や、生産性が悪い場合、また吸音
性能が十分でない場合があり、改良が望まれている。 【解決手段】気泡径0.25mm以下の気泡より構成さ
れるスチレン系樹脂発泡体、又は、発泡体を形成する気
泡が、主として気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径
0.3〜1mmの気泡より構成されたスチレン系樹脂発
泡体を、粉砕発泡体粒子1個当たりの平均重量が1mg
よりも小さく粉砕した粉砕発泡体粒子を、袋状物に充填
した吸音材であって、この砕発泡体充填吸音材は、優れ
た吸音性を有すると共に、柔軟で、作業性に優れ、リサ
イクル性及び環境適合性が高い。更に前記粉砕発泡体に
加えて平均粒子径1μm以下の微粒子を混合することに
より、より優れた吸音性能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定構造を有する
スチレン系樹脂発泡体を粉砕した粉砕発泡体を用いた吸
音材に関する。さらに詳しくは、広い周波数域で吸音性
に優れ、施工性に優れ、耐湿劣化が無く、リサイクル性
及び環境適合性の高い、例えば天井材、床材、壁材等の
建築材料、土木材料、航空・車両・船舶用材料、音響材
料等に最適に用いることの出来る袋状物充填粉砕発泡体
吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸音材として多く使用されてる物
にグラスウールがある。グラスウールは安価で、吸音特
性に優れることから、住宅用吸音材や高速道路遮音壁内
部の吸音材等として多用されている。しかしながら、グ
ラスウール吸音材は施工後長期間経ると大気中の湿気に
よりグラスウール自体が劣化・微粉化したり、グラスウ
ール繊維同士を接着しているフェノール樹脂等のバイン
ダー成分が劣化、微粉化するため、形態が維持できず吸
音性能が著しく低下するといった問題や、施工時に作業
者の肌に触れると皮膚が刺激されアレルギー症状等の皮
膚障害の原因となっている疑いがある。
【0003】また、繊維系の吸音材として特開2000
−96497号公報に開示されるようにリサイクル性に
優れるポリエステル系樹脂からなる短繊維集合物を、板
状に成形して得られる吸音性の繊維構造体がある。しか
し、この繊維構造体はその製造方法が融点が異なる樹脂
により芯鞘構造を有するバインダー繊維と単一組成のポ
リエステル繊維を混綿し、カードウエブを製造した後、
ニードルルームを用いてウエブに針打ちをし、絡合さ
せ、加熱処理を行う等して繊維同士を接着し成形される
物である。この様に複雑な工程を経るため高価な製品と
なる。
【0004】一方、優れた吸音性能を有するものとして
特定形状、特定重量の樹脂粒子を成形して得られる、連
通した空隙を有する樹脂粒子成形体があり、例えば、特
開平8−108441号公報、特開平10−32922
0号公報等に開示されている。しかし、これらは優れた
吸音特性を有するとされているが、複雑な形状の樹脂粒
子を作成したり、場合によっては樹脂粒子に発泡剤を含
浸させるなどする必要があり、更に金型成形やスチーム
成形等して成形体とする必要があり、多くの工程を経る
ために経済的でない問題がある。
【0005】又、特開昭51−9164公報にはプラス
チック発泡成形屑を細片ないし粒状に粉砕し接着剤を使
用して成形し断熱板とする方法、特開平5−24596
4公報、特開2000−46286公報には袋状物に発
泡体粉砕品を封入し断熱材とする方法が提案されてい
る。これらの発泡体粉砕品を利用する断熱材はリサイク
ル性や柔軟性という観点から見れば優れているが、吸音
性能に関しては特に検討されていなかった。また、従来
の発泡体粉砕品にはフロンを含有している場合も多く、
フロン類はオゾン層保護や地球温暖化防止などの観点か
ら、可能ならば代替していくことが望まれている。
【0006】この様なことから、吸音性、成形性、柔軟
性、作業性、環境適合性に優れ、建築土木や航空・車両
・船舶等に有用な吸音材は未だ提案されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
に鑑みてなされたものであり、特定のスチレン系樹脂発
泡体の粉砕発泡体を使用することにより、高度な吸音性
を有すると共に、作業性、リサイクル性、環境適合性に
優れた吸音材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決のため鋭意研究の結果、(1)気泡径0.25m
m以下の気泡(以下、小気泡と呼ぶことがある)からな
るスチレン系樹脂発泡体、若しくは(2)小気泡と気泡
径0.3〜1mmの気泡(以下、大気泡と呼ぶことがあ
る)が気泡膜を介して海島状に分散されてなる気泡構造
(以下、単に複合セル構造と呼ぶことがある)を有する
スチレン系樹脂発泡体のいずれかを粉砕して得られた粉
砕発泡体粒子であって、その平均重量が1mgよりも小
さい粒子を使用することにより、優れた吸音性能を有す
る吸音材を提供できることを見出し、本発明を創出する
に至った。本発明は更に、発泡剤としてフロン系発泡剤
を使用しない発泡体を使用することができるので、高度
な吸音性、柔軟性、リサイクル性と共に、環境適合性に
優れた吸音材を提供できる。
【0009】詳しくは、例えば、複合セル構造のスチレ
ン系樹脂発泡体を粉砕した粉砕発泡体粒子を、例えば、
袋状物に封入する等により粉砕発泡体吸音材とした場合
に、予想に反して非常に優れた吸音性能、ASTM E
1050で規定される2マイクロフォン法での測定
で、例えば、グラスウール吸音材等と略同等程度の優秀
な吸音性能を有する事を見出し、本発明に到った。
【0010】即ち本発明は、1)発泡体を形成する気泡
が、気泡径0.25mm以下の気泡より構成されるスチ
レン系樹脂発泡体を粉砕した粉砕発泡体粒子を、袋状物
に充填した吸音材であって、粉砕発泡体粒子1個当たり
の平均重量が1mgよりも小さい袋状物充填粉砕発泡体
吸音材(以下単に吸音材と略する場合がある)に関す
る。
【0011】また本発明は、2)発泡体を形成する気泡
が、主として気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径
0.3〜1mmの気泡より構成され、これらの気泡が気
泡膜を介して海島状に分散し、気泡径0.25mm以下
の気泡が発泡体断面積あたり20%以上の占有面積比を
有するスチレン系樹脂発泡体を粉砕した粉砕発泡体粒子
を、袋状物に充填した吸音材であって、粉砕発泡体粒子
1個当たりの平均重量が1mgよりも小さい袋状物充填
粉砕発泡体吸音材に関する。
【0012】また本発明は、3)袋状物充填粉砕発泡体
吸音材が式(1)を満足する事を特徴とする1)又は、
2)記載の袋状物充填粉砕発泡体吸音材に関する。
【0013】 0.02≦(M/V)≦0.20 ・・・・・・・・・・・(1) ここに、Mはスチレン系樹脂粉砕発泡体の重量(g)、
Vは袋状物の容積(cm 3)であり、この数値(M/
V)の単位は(g/cm3)である。
【0014】また本発明は、4)粉砕発泡体粒子の最小
径が0.2mm以上、最大径が20mm以下である粉砕
発泡体を使用することを特徴とする1)〜3)のいずれ
か1記載の袋状物充填粉砕発泡体吸音材に関する。
【0015】また本発明は、5)ASTM E 105
0の2マイクロホン法によって求まる周波数100、1
25、160、200、250、315、400、50
0、630、800、1000、1250、1600、
2000、2500、3150、4000、5000、
6300Hzでの垂直入射吸音率(α)が、500Hz
以上の測定周波数で0.25以上であり、且つα≧0.
5となる測定周波数が9点以上、α≧0.8となる測定
周波数が5点以上存在することを特徴とする1)〜4)
のいずれか1記載の袋状物充填粉砕発泡体吸音材に関す
る。
【0016】また本発明は、6)粉砕するスチレン系樹
脂発泡体に使用された発泡剤が、非フロン系であること
を特徴とする1)〜5)のいずれか1記載の袋状物充填
粉砕発泡体吸音材に関する。
【0017】また本発明は、7)粉砕するスチレン系樹
脂発泡体に用いられた発泡剤が、プロパン、n−ブタ
ン、i−ブタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種
の飽和炭化水素100〜0重量%、水0〜80重量%、
他の発泡剤0〜100重量%であり、発泡剤全量を10
0重量%とした組成を有することを特徴とする1)〜
6)のいずれか1記載の袋状物充填粉砕発泡体吸音材に
関する。
【0018】また本発明は、8)粉砕発泡体100重量
部に対し、平均粒子径1μm以下の微粒子を1〜250
重量部混合した混合物を袋状物に封入してなる1)〜
7)のいずれか1記載の袋状物充填粉砕発泡体吸音材に
関する。
【0019】また本発明は、9)粉砕発泡体粒子を充填
した袋状物を貫通する固定部材で固定したことを特徴と
する1)〜8)のいずれか1記載の袋状物充填粉砕発泡
体吸音材に関する。
【0020】また本発明は、10)吸音材の厚みが25
mm以上であることを特徴とする請求項1)〜9)のい
ずれか1記載の袋状物充填粉砕発泡体吸音材に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の袋状物充填粉砕発
泡体吸音材について説明する。
【0022】本発明で用いられる粉砕発泡体粒子は、発
泡体を形成する気泡が、気泡径0.25mm以下の気泡
(小気泡)より構成されるスチレン系樹脂発泡体、若し
くは主として気泡径0.25mm以下の気泡(小気泡)
と気泡径0.3〜1mmの気泡(大気泡)より構成され
ており、これらの気泡が気泡膜を介して海島状に分散
し、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あた
り20%以上の占有面積比を有するスチレン系樹脂発泡
体を粉砕することで得られる。
【0023】本発明で好適に使用されるスチレン系樹脂
発泡体に用いられるスチレン系樹脂は、特に限定される
ものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレ
ンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可
能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、
ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチ
レン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンな
どが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合し
て使用することができる。
【0024】スチレンと共重合可能な単量体としては、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、
ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチ
レン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロ
スチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなど
のスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビ
ニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリ
ル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物あるいは
その誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不
飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独
あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0025】本発明で使用される特定のスチレン系樹脂
発泡体に用いられるスチレン系樹脂は、加工性の面から
スチレンホモポリマーが好ましい。
【0026】本発明で好適に使用される複合セル構造の
スチレン系樹脂発泡体を得る方法としては、例えばフロ
ン系発泡剤や炭化水素系発泡剤など、公知の発泡剤を使
用できるが、環境適合性の観点から、好ましくは発泡剤
として、飽和炭化水素、水、および、他の発泡剤(ただ
し、フロン系発泡剤を除く)を使用し、押出発泡するこ
とで、小気泡のみからなる発泡体、若しくは、大小気泡
が海島構造状に共存した複合セル構造を有する発泡体を
得ることができる。
【0027】発泡剤に用いられる飽和炭化水素として
は、炭素数3〜4の飽和炭化水素が好ましく、プロパ
ン、ノルマルブタン(以下n−ブタンと称する)、イソ
ブタン(以下i−ブタンと称する)などが挙げられる。
なかでも、発泡性と発泡体の吸音性能の点からn−ブタ
ン、またはi−ブタン、若しくはn−ブタンとi−ブタ
ンの混合物がより好ましく、特に好ましくはi−ブタン
である。
【0028】発泡剤に用いられる水としては、特に限定
はなく、たとえば純水などを用いることができる。
【0029】本発明で用いられる前記の飽和炭化水素、
水以外の、他の発泡剤(以下「他の発泡剤」と呼ぶ)と
しては、フロン系発泡剤以外で有れば環境保護の観点か
ら特に好ましい。そして、こうした非フロン系発泡剤で
有れば、特に限定されず、好ましい発泡剤として使用で
きる。例えば、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオ
ペンタン等の炭素数5の炭化水素類、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテ
ル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチル
ケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケ
トン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピル
ケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、メタ
ノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メ
チルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエス
テル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロ
ピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル
などのカルボン酸エステル類、塩化メチル、塩化エチル
などのハロゲン化アルキルなどの有機発泡剤、例えば二
酸化炭素、窒素などの無機発泡剤、例えばアゾ化合物な
どの化学発泡剤などを用いることができる。これら他の
発泡剤は単独または2種以上混合して使用することがで
きる。
【0030】他の発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形
性などの点から、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル、
二酸化炭素がより好ましく、中でもジメチルエーテル、
二酸化炭素が特に好ましい。
【0031】小気泡を得るための好ましい発泡剤の組合
せとしては、飽和炭化水素と必要に応じて水、またはジ
メチルエーテル、二酸化炭素を添加する組合せ、若しく
は二酸化炭素と飽和炭化水素及び/またはジメチルエー
テルを添加する組合せがある。
【0032】他の発泡剤を用いることで、良好な可塑化
効果や発泡助剤効果、小気泡効果が得られ、安定的に小
気泡を含む発泡体の製造が可能となる。
【0033】本発明で好適に使用されるスチレン系樹脂
発泡体の製造時に、スチレン系樹脂中に添加または注入
される発泡剤の量としては、発泡倍率の設定値などに応
じて適宜かわるものではあるが、通常、発泡剤の合計量
をスチレン系樹脂100重量部に対して2〜20重量部
とするのが好ましい。発泡剤の添加量が2重量部未満で
は発泡体が高密度となり、樹脂発泡体としての軽量性、
吸音性、コスト的メリットなどが得られにくい場合があ
る。一方20重量部を超えると過剰な発泡剤量のため発
泡体中に巨大なボイドなどの不良を生じ、生産性が悪化
する。また、均一な発泡体が得られたとしても低密度品
となるため、粉砕発泡体を袋状物に封入した場合に、低
密度で圧縮に対する強度が十分でなく形状不安定となる
場合がある。
【0034】添加される発泡剤において、小気泡のみか
らなるスチレン系樹脂発泡体を得たい場合、発泡剤全量
100重量%に対して、その他の発泡剤として二酸化炭
素を60重量%以上80重量%以下、ジメチルエーテル
を0重量%以上40重量%以下、炭素数3〜4の飽和炭
化水素を0重量%以上40重量%以下とすることが好ま
しい。二酸化炭素の量が前記範囲よりも少ないと、小気
泡が得られにくく、前記範囲を超えると安定して押出発
泡体を製造することが困難となる。また、複合セル構造
を有するスチレン系樹脂発泡体を得たい場合、発泡剤全
量100重量%に対して、炭素数3〜4の飽和炭化水素
の1種または2種以上の量は、20重量%以上99重量
%以下、好ましくは25重量%以上90重量%以下、よ
り好ましくは30重量%以上85%以下であり、水の量
は、好ましくは発泡剤全量100重量%に対して1重量
%以上80重量%以下である。
【0035】他の発泡剤の量は、発泡剤全量100重量
%に対して、好ましくは79重量%以下である。炭素数
3〜4の飽和炭化水素の量が前記範囲より少ないと、得
られる発泡体の大小気泡の海島構造が得られにくい場合
があり、前記範囲を超える場合、スチレン系樹脂に対し
て可塑性が高すぎ、押出機内のスチレン系樹脂と発泡剤
との混練状態が不均一となり、押出機の圧力制御が難し
くなる傾向がある。また、水の添加量が前記範囲より少
ないと、大小気泡の海島構造が得られにくく、前記範囲
よりも多いと押出機内で水の不分散による気孔が発生し
成形体不良になる傾向がある。
【0036】また、他の発泡剤の量が前記範囲よりも多
い場合、飽和炭化水素の場合と同様、スチレン系樹脂に
対する可塑性が高すぎ、押出機内のスチレン系樹脂と発
泡剤との混練状態が不均一となり、押出機の圧力制御が
難しくなる傾向がある。
【0037】本発明で好適に使用される小気泡構造を有
するスチレン系樹脂発泡体は、吸音性能に優れている。
この小気泡構造を有する発泡体の吸音性能が優れている
理由としては、本発泡体においては、微細な気泡径0.
25mm以下の小気泡により吸音材の単位体積当たりの
総表面積を増加させたことによると推定される。
【0038】即ち、吸音は音波(空気分子の振動波)が
吸音材の中に入ったときに、粉砕発泡体粒子の表面と接
触して音エネルギーが摩擦による熱エネルギーに変換し
たときに起きる現象であり、総表面積の多い当該吸音材
は音波の熱エネルギーへの変換が効率的に行われ、吸音
特性に優れると考えられる。また、粉砕発泡体粒子が無
配向であるため、吸音材内の伝搬音波の乱反射を助長
し、音の多重反射が進み、粉砕発泡体粒子表面での摩擦
が生じやすくなるためと考えられる。
【0039】本発明で好適に使用されるスチレン系樹脂
発泡体は、気泡径0.25mm以下の小気泡が発泡体断
面積あたり20%以上、好ましくは40%以上の占有面
積比を有するようにする。小気泡占有面積比が大きいと
スチレン系樹脂発泡体を粉砕した粉砕発泡体の吸音性能
が向上するので好ましい。
【0040】本発明で好適に使用されるスチレン系樹脂
発泡体を得るために水を発泡剤として使用する場合は、
スチレン系樹脂100重量部に対して吸水媒体物質0.
2〜10重量部添加し、加熱溶融混練後、水を含む発泡
剤を圧入し、ついで低圧域に押出発泡して得ることがで
きる。
【0041】ここで使用する吸水媒体物質とは、スチレ
ン系樹脂への相溶性のない水を吸水しゲルを形成させ、
ゲルの状態で熱可塑性スチレン系樹脂中に均一に分散さ
せる効果があると考えられる物質である。
【0042】吸水媒体物質としては、ベントナイト、吸
水性高分子化合物、または表面に水酸基を多数有する無
機粉末等が挙げられるが、前記吸水媒体物質と同様の効
果を示す物質で有れば、これらに限定される物ではない
が、ベントナイトが特に好ましく使用される。
【0043】本発明でいうベントナイトとは、主成分が
モンモリロナイトであり、石英、α―クリストバライ
ト、オパール、長石、雲母等の随伴鉱物を含んだ塩基性
粘土鉱物である。化学成分から言えば、ベントナイトは
酸化珪素が主成分であり、次いで多い化学成分が酸化ア
ルミニウムである。ここに、モンモリロナイトとは、約
1nmの薄いケイ酸塩層からなり、その板状結晶粒子の
層表面はマイナスに帯電し、層間にはナトリウムやカル
シウムのような交換性陽イオンを介在して電荷的に中性
を保っており、水が接触すると層間の交換性陽イオンに
水分子が水和し、層間が膨潤する粘土鉱物であるとされ
ている。代表例としては、天然ベントナイト、精製ベン
トナイトがあげられる。また、有機ベントナイト、アニ
オン系ポリマー変性モンモリロナイト、シラン処理モン
モリロナイト、高極性有機溶剤複合モンモリロナイト等
のモンモリロナイト変性処理生成物もその範疇に含まれ
る。ベントナイトは、例えば、豊順鉱業(株)よりベン
トナイト穂高、ベンゲルなどとして入手しうる。かかる
ベントナイトは単独でまたは2種以上混合して用いるこ
とができる。
【0044】また、吸水性高分子化合物としては、例え
ば、(株)日本触媒よりアクアリックCAなどのポリア
クリル酸塩基樹脂として入手しうる。表面に水酸基を多
数有する無機粉末の代表例としては、たとえば日本アエ
ロジル(株)のAEROSIL200(平均粒径12n
m)、シオノギ(株)のCARPLEX BS304F
(平均粒径6μm)などの表面にシラノール基を有する
シリカなどがあげられる。
【0045】吸水媒体物質の配合量は、スチレン系樹脂
100重量部に対して0.2〜10重量部、好ましくは
1〜5重量部となるように調整することが好ましい。か
かる配合量が0.2重量部未満では水の圧入量に対して
吸水媒体物質の水の吸着量が不足し、押出機内で水の不
分散による気孔が発生し成形体不良になる傾向がある。
また10重量部をこえる場合には、スチレン系樹脂中に
存在する無機物粉体の量が過剰になる為、スチレン系樹
脂中への均一分散が困難になり、気泡むらが発生する傾
向にある。この様なスチレン系樹脂発泡体を使用すると
品質バラツキを生じ易くなる。
【0046】本発明に好適に使用されるスチレン系樹脂
発泡体にはハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤を使
用できる。ハロゲン系難燃剤としては、スチレン系樹脂
の難燃剤として好適に使用されてきた臭素化難燃剤、例
えばヘキサブロモシクロドデカンやデカブロモジフェニ
ルエーテル等を使用できる。一方、非ハロゲン系難燃剤
としては、硼酸金属塩や酸化硼素等の含硼素化合物や、
ポリ燐酸アンモニウム、トリフェニルホスフェート等の
燐酸系化合物、テトラゾール類やイソシアヌル酸等の含
窒素化合物が挙げられるが、難燃効果が有る物であれば
特に限定されない。
【0047】また本発明においては、必要に応じて本発
明の効果を阻害しない範囲でシリカ、タルク、ケイ酸カ
ルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイ
カ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機
化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレ
フィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加
工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾ
トリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定
剤、他の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤等の添
加剤を含有させることができる。
【0048】本発明で好適に使用されるスチレン系樹脂
発泡体の粉砕前の密度は、0.01〜0.07g/cm
3、好ましくは0.02〜0.07g/cm3、最も好ま
しくは0.025〜0.06g/cm3である。発泡体
密度の調整は発泡剤の圧入量、押出温度等を適宜調整す
ることで可能である。発泡体密度が前記範囲よりも低い
場合、前述の大小気泡構造を有するものは気泡形成膜が
薄い物となり、耐圧縮性が劣るものとなる。従って発泡
体の粉砕品も圧縮強度に劣り、袋詰め状態で重ねて運搬
する場合などに変形し、袋状物内部に空間が生じること
がある。また、発泡体密度が前記範囲を超える場合、軽
量性が損なわれ、粉砕品に関しても同様である。更に粉
砕発泡体の自重により垂れ下がり、袋状物内に偏在、空
間を生じることがある。袋状物内で空間を生じることは
吸音性能の不均一性を招くため好ましくない。
【0049】本発明で使用される粉砕発泡体粒子は、前
述の複合セル構造を有するスチレン系樹脂発泡体を粉砕
することにより得られる。粉砕発泡体の原料として特に
好適に使用される複合セル構造を有するスチレン系樹脂
押出発泡体は、工場での樹脂発泡体製造工程、および加
工工程において、一定の形状にするため端部を切削する
工程があり、その切削工程で発生する端材や切削屑、延
いては建築・建設現場や解体現場から発生する発泡体端
材、廃材を使用することが、ゼロエミッションやリサイ
クルの観点からも好ましい。
【0050】こうした粉砕発泡体の原料としてのスチレ
ン系樹脂発泡体を粉砕する方法については、特に限定は
ないが、一般的に粉砕装置等を使用する。例えば、発泡
端材をφ20のスクリーンメッシュで選別されるような
複数の回転刃付きの粗粉砕機にて粒径10〜30mmに
粗粉砕し、この粗粉砕発泡体をφ7mmのスクリーンメ
ッシュで選別されるタンジェンシャル式の回転刃、シリ
ンダー内壁に固定受刃付きの微粉砕機にて微粉砕し粉砕
発泡体化とするといった、2段階に粉砕する方法などが
ある。
【0051】本発明で使用される粉砕発泡体粒子は、粉
砕発泡体粒子1個当たりの平均重量が1mgよりも小さ
く、好ましくは平均重量が0.5mgよりも小さく、最
も好ましくは平均重量が0.3mgよりも小さくなるよ
うに粉砕される。粒子1個当たりの平均重量は複数個
(N個:200個以上)の粉砕発泡体粒子の合計重量m
(mg)を個数で除した値、m/Nである。
【0052】本発明で使用される粉砕発泡体粒子は、そ
の最小径が0.2mm以上、最大径が20mm以下、好
ましくは最小径が0.2mm以上、最大径が15mm以
下、最も好ましくは最小径が0.2mm以上、最大径が
7mm以下の範囲にあるように粉砕される。最小径、最
大径は粉砕発泡体を光学顕微鏡により観察、撮影した
後、市販の画像処理ソフトで認識処理した時に、粉砕発
泡体面積から算出される円相当径より最小径と最大径が
得られる。
【0053】0.2mmよりも最小径が小さい場合、小
気泡の気泡径よりも小さくなることがあり、気泡構造が
存在しない場合があり、嵩高さに欠け吸音特性に劣るこ
とがある。また最大径が20mmを超える場合、粉体同
士の隙間が大きくなり吸音性に劣る場合がある。
【0054】本発明で粉砕発泡体を封入する袋状物は特
に形状に限定はないが、図1に示すように、封筒状袋状
物1に形成されたものが一般的であり、用途に応じて異
形の形状、例えばテトラパック状袋状物2や円柱状袋状
物3を使用することもできるし、大きさの選択も自由で
ある。
【0055】封筒状の袋状物の作製法としては、図2に
示すように、例えば1枚の袋状物形成素材(a)を折り
曲げ開口部以外を閉じたり(2−1)、2枚の袋状物形
成素材(a)を重ね合わせ開口部以外を閉じたり(2−
2)、円柱状の袋状物形成素材(a)の一端を閉じる
(2−3)等の方法がある。粉砕発泡体の封入方法とし
ては、図3のように、例えば一端の開口している封筒状
袋状物1に、開口部分から粉砕発泡体(c)を投入し、
開口部を閉じる方法がある。
【0056】袋状物の各辺や開口部を閉じる方法に特に
限定はないが、接着、縫合、ピン留め等の方法があり、
例えば図2に示すように、特にホットメルト接着剤
(b)による各辺や開口端部の加熱封止が成形体の安定
性と作業性の面から好ましい。また、袋状物の形状を安
定させるために、袋状物に対して固定部材を使用しても
良い。特に、ボードまたは帯状の袋状物とする場合、自
重による中央部の膨らみを抑制するために固定すること
が好ましい。
【0057】固定部材による固定方法としては図4に示
すように、固定部品(d−1)による固定や、糸状物
(d−2)による縫いつけがある。固定部品としては、
衣類などにタグを付けるような結束機具があり、その一
例としてはバノックピン(日本バノック社製)等があ
る。バノックピンは、貫通針を備えた機具、例えば銃型
の機具に装着され、袋状物の表裏面を貫通針で貫通させ
てバノックピンを差し込んで、袋状物を固定する。
【0058】袋状物を形成する素材は、柔軟性があり、
粉砕発泡体が漏れ出さず、通常の取扱に耐え得る強度を
有する素材で有れば、特に限定はなく通気性を有するも
の、非通気性のものを使用できる。なお、後述する粉砕
発泡体と平均粒子径1μm以下の微粒子(以下、単に
「微粒子」と呼ぶことがある)を混合して、袋状物に封
入する場合には、微粒子が袋状物から漏出せぬような、
素材や密度、織り状態のものを選択すればよい。
【0059】袋状物形成素材として、プラスチック系フ
ィルム状の物があり、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンビニル
アルコール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等がある。プラスチック素
材としては前記物質に限定される物ではなく、適度な柔
軟性、耐引き裂き性を有する物であれば構わない。プラ
スチック素材フィルムに柔軟性や耐引き裂き性を付与す
るために、各種添加剤を使用したり、アルミニウムやア
ルミナ、シリカ等を蒸着した蒸着物でも構わない。
【0060】また、袋状物形成素材として織布や不織布
が使用可能である。例えば、不織布は、カード法やエア
レイ法等の公知技術によって短繊維をウエブ化し、ニー
ドルパンチ法により絡合したり、接着成分を混合し加熱
成形したりする事により得られる短繊維不織布や、スパ
ンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等の方
法により長繊維を直接不織布化したものを使用すること
ができる。織布、不織布に使用される繊維としては、ポ
リプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートのようなポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等、また、レーヨン等の半合成繊維や獣毛、ヤシ
繊維等の天然繊維、フェルト等を使用でき、およびこれ
らの共重合体等も使用することができる。これら有機繊
維は必要に応じて難燃化処理や抗菌、消臭処理していて
も良い。
【0061】また、使用する繊維は有機繊維に限定され
ず、アルミナ繊維、炭素繊維等も使用できる。無論、例
示した以外の繊維も、織布・不織布化可能で使用部位に
適用できるような柔軟性があるならば任意に使用でき
る。織布・不織布をなす繊維は単一素材からなる物で
も、強度や密度、繊維同士の接着性、触感、難燃性等の
性能をバランス良く満たす等の目的から、複数の素材を
混合した物を使用しても良い。
【0062】また、袋状物形成素材として紙が使用可能
である。例えば、クラフト紙、再生紙、ケナフ紙、薄葉
紙、樹脂含浸紙、リンター紙、コート紙、和紙、チタン
紙や、シリカアルミナ紙、ジルコニア紙、珪酸カルシウ
ム紙等のセラミック紙が例示されるが、これら以外の紙
類も、適度な柔軟性や、耐引き裂き性を有していれば、
任意に使用できる。これらの紙類には、必要に応じて難
燃化処理や抗菌処理、防水処理等を施すことができる。
【0063】袋状物に封入する粉砕発泡体の量は、粉砕
発泡体の重量をMg、袋状物の容積をVcm3とした時
に(M/V)の値が、0.02g/cm3≦(M/V)
≦0.20g/cm3の範囲であることが好ましい。
(M/V)の値が0.02g/cm3よりも小さい場合
は、少なくとも粉体化する前の発泡体が0.02g/c
3以下の密度でなければ袋状物内で粉砕発泡体の偏
り、吸音性能の偏りが発生する場合がある。袋状物内に
十分隙間無く充填する場合は、非常に低密度の発泡体、
例えば密度が0.01g/cm3程度の発泡体を使用す
る必要が生じるが、この場合、強度に劣る傾向を有する
こととなる可能性がある。また、(M/V)の値が0.
20g/cm3を超える場合、軽量性に劣る傾向とな
る。
【0064】本発明の粉砕発泡体には必要に応じて平均
粒子径1μm以下の微粒子を混合し使用することができ
る。ここで「平均粒子径」とは電子顕微鏡画像から中の
個々の粒子を円近似して直径を測定した算術平均粒子径
である。混合状態とは、袋状物内の粉砕発泡体が占有す
る空間に微粒子が存在する状態、つまり入り組んだ粉砕
発泡体の間に含まれる状態であって、粉砕発泡体の表面
に付着あるいは浮遊するような状態を意味している。
【0065】本発明で粉砕発泡体との混合に好適に使用
される微粒子は、カーボンブラック、酸化チタン、酸化
ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等の無機微
粒子や、ポリマー微粒子、例えばソープフリー乳化重合
や非水系分散重合、ミニエマルジョン重合とシード重合
との組合せにより得られるサブミクロン粒径のポリ塩化
ビニル樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子がある。また、
ゾル−ゲル法から超臨界乾燥法によって得られるエアロ
ゲルや、微細多孔質体等がある。但し微粒子はこれらに
限定されるものではない。
【0066】微粒子は、その平均粒子径が1μ以下、好
ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下
の粒子であり、そのような微粒子は、微量に添加するだ
けで表面積が増大し、音波の摩擦抵抗体となり吸音率を
向上させる、更には、微粒子が粉砕発泡体粒子間で浮遊
している様な鈴状構造となり、微粒子自体が振動するこ
とで非常に吸音性を高める効果を有すると考えられる。
【0067】これらの微粒子は空気中の水分によって凝
集し易いため、疎水化処理を施しておくことが好まし
い。疎水化処理剤としては、特に限定はされないが、例
えばアルキルシランやフッ素化アルキルシラン、等のシ
ラン系化合物やシリコーン化合物、脂肪酸類などの両親
媒性物質などが挙げられ、対象物に適した物質を適宜使
用することが出来る。
【0068】粉砕発泡体への微粒子の添加量としては、
粉砕発泡体100重量部に対して1重量部〜250重量
部、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10
〜150重量部である。添加量が1重量部未満の場合、
表面積増大効果が少なく、添加しない場合と吸音性が変
わらない。添加量が250重量部を越えると軽量性に劣
り、粉砕発泡体と微粒子の混合が困難で均一に分散しに
くくなる。
【0069】粉砕発泡体と微粒子を混合する場合は、袋
状物に使用する素材を微粒子が漏洩しない物を使用し、
通気性の素材で有れば素材中の孔が微粒子の平均粒子径
以下、もしくは非通気性の素材を使用する事が好まし
い。
【0070】本発明の吸音材は、ASTM E 105
0の2マイクロホン法によって求まる周波数100、1
25、160、200、250、315、400、50
0、630、800、1000、1250、1600、
2000、2500、3150、4000、5000、
6300Hzでの垂直入射吸音率(α)が、500Hz
以上の測定周波数で0.25以上であり、且つα≧0.
5となる測定周波数が9点以上、α≧0.8となる測定
周波数が5点以上存在することが好ましい。垂直入射吸
音率(α)とは吸音材に対して垂直方向から入射させた
音エネルギーと、吸音材から反射してきた音エネルギー
よりもとまる、吸音材で吸収された音エネルギーの比率
である。垂直入射吸音率(α)が前記範囲にあることが
本発明の好ましい特徴の一つである。
【0071】この垂直入射吸音率(α)の吸音性能を発
揮させるためには、複合セル構造を有し、発泡体密度が
0.01g/cm3以上、0.07g/cm3以下である
スチレン系樹脂発泡体を粉砕した粉砕発泡体を使用し、
その粉砕発泡体の最小径が0.2mm以上、最大径が2
0mm以下とすることにより達成しうる。
【0072】更に、前記した微粒子を粉砕発泡体へ添加
することにより、薄くて柔軟性に優れ、非常に優れた吸
音性能を発揮させることが出来る。
【0073】垂直入射吸音率(α)が前記範囲を満たさ
ない場合、吸音性能が劣ることとなり、吸音に必要な厚
みが厚くなり、施工性や収まりが悪くなる傾向となる。
【0074】本発明の袋状物充填粉砕発泡体吸音材の厚
みは25mm以上が好ましく、50mm以上がより好ま
しい。厚みが25mm以下の場合、上述の吸音特性が得
られない場合がある。但し、施工時に吸音材の背面(入
射音と逆側の面)に空気層を設けることにより、25m
m以下でも垂直入射吸音率(α)を上記範囲を満たすよ
うに向上させることは可能である。
【0075】
【実施例】次に本発明のスチレン系樹脂粉砕発泡体充填
吸音材、およびその製造方法を実施例に基づいてさらに
詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限さ
れるものではない。なお、特に断らない限り「部」は樹
脂100重量部に対する重量部を示す。
【0076】以下に示す実施例1〜8で得られた吸音材
の特性として、粉砕前の発泡体密度、小気泡面積率、粉
砕発泡体の最小径及び最大径、粉砕発泡体粒子1個の平
均重量、袋状物充填粉砕発泡体吸音材の(M/V)、厚
み、吸音率、作業性を下記の方法にしたがって調べた。 1)発泡体密度(g/cm3) 発泡体密度は、次の式に基づいて求めた。 発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体
積(cm3) なお、発泡体体積は水没法により求めた。 2)小気泡面積率 小気泡面積率(気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体
の断面積あたりに占める面積の割合)を以下のようにし
て求めた。ここで、気泡径0.25mm以下の気泡と
は、円換算直径が0.25mm以下の気泡とする。 a)走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、品番:S
−450)にて30倍に拡大して発泡体の縦断面(発泡
体を押出方向に垂直な方向に沿ってかつ厚さ方向に切断
した断面をいう、以下同様)を写真撮影する。 b)撮影した写真の上にOHPシートを置き、その上に
厚さ方向の径が7.5mmよりも大きい気泡(実寸法が
0.25mmより大きい気泡に相当する)に対応する部
分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。 c)画像処理装置((株)ピアス製、品番:PIAS−
II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分
を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。 d)濃色部分のうち、直径7.5mm以下の円の面積に
相当する部分、即ち、厚さ方向の径は長いが、面積的に
は直径7.5mm以下の円の面積にしかならない部分を
淡色化して、濃色部分の補正を行う。 e)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積
率)」を用い、画像全体に占める気泡径7.5mm以下
(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を次式により求め
る。
【0077】小気泡面積率(%)=(1−濃色部分の面
積/画像全体の面積)×100 3)粉砕発泡体粒子の最小径・最大径 粉砕発泡体粒子を任意に取りだし、導線性粘着テープに
貼り付けた後、金蒸着を施し、走査型電子顕微鏡
((株)日立製作所製、品番:S−450)にて20倍
に拡大し画像を得る。得られた画像をスキャナで読み込
み、画像処理ソフト(三谷商事(株)製:WinRoo
f)により、各粉体の領域抽出を行い、面積を円相当径
に換算し、抽出数200個以上での最小径、最大径を算
出し求めた。 4)粉砕発泡体粒子の平均重量 粉砕発泡体粒子を任意に取りだし、抽出数200個以上
でN個カウントし、N個の合計重量mを測定、mをNで
除した数値を平均重量とした。 5)(M/V)=(粉砕発泡体充填重量g)/(袋状物
の体積cm3) 袋状物が見かけ状円柱形状の場合、円半径をrとすると
袋状物体積(cm3)=π×r2(cm2)×厚み(c
m)となる。
【0078】また、厚み測定は円柱の柱部分の厚みを3
ヶ所測定し、平均して求めた。 6)垂直入射吸音率(α)測定 直径29mm(500Hz〜6.4kHz測定用)、及
び直径100mm(100Hz〜1.6kHz測定用)
の円柱状の袋状物充填粉砕発泡体吸音材を作成し、Br
uel&Kjar社製の測定管4206型、分析器35
50型(PC分析ソフトBZ5050型)を使用し、A
STM E 1050の2マイクロホン法によって求ま
る周波数100、125、160、200、250、3
15、400、500、630、800、1000、1
250、1600、2000、2500、3150、4
000、5000、6300Hzでの垂直入射吸音率
(α)を求めた。
【0079】評価は、垂直入射吸音率(α)が、500
Hz以上の測定周波数で0.25以上であり、且つα≧
0.5となる測定周波数が9点以上、α≧0.8となる
測定周波数が5点以上存在する条件を満たすかどうかで
判断した。
【0080】○:全て条件を満たす。
【0081】×:条件を1つでも満たさない。 7)作業性評価 吸音率測定のため、測定管に設置するときに皮膚や目に
不快感を覚えたりするため特別の対応が必要であるかど
うか。
【0082】○:何の対応も必要ない場合。
【0083】×:装着時が面倒な保護手袋、長袖、ゴー
グルを使用しなければさらに不快である場合。 実施例1 ポリスチレン樹脂(旭化成工業(株)製、商品名:G9
305、メルトフローレイト(ISO R1133):
1.4)100部に対して、ベントナイト(豊順鉱業
(株)製、商品名:ベンゲル15)1部、水酸基を多数
有する無機粉末として無水シリカ(日本アエロジル
(株)製、商品名:AEROSIL)0.1部、造核剤
としてタルク0.1部、加工助剤としてステアリン酸バ
リウム0.25部をドライブレンドし、得られた樹脂混
合物を口径65mmのものと口径90mmのものを直列
に連結した二段押出機へ約40kg/hrの割合で供給
した。
【0084】前記口径65mmの押出機に供給した樹脂
混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練
し、発泡剤を添加、これに連結された口径90mmの押
出機で樹脂温度を120℃に冷却し、口径90mmの押
出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの
長方形断面の口金より大気中へ押し出し、厚さ約40m
m、幅約150mmの直方体状の樹脂発泡体を得た。
【0085】このとき添加した発泡剤として、ポリスチ
レン樹脂100部に対してi−ブタンを3部、ジメチル
エーテルを3部、水を1部(発泡剤100%に対して、
i−ブタン43%、ジメチルエーテル43%、水14
%)を、それぞれ別のラインから、前記口径65mmの
押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対
側の端部側に接続される側の端部)から前記樹脂中に圧
入した。得られた発泡体は、小気泡(気泡径0.25m
m以下の気泡)と大気泡(気泡径0.3〜1mmの気
泡)が混在した複合セル構造を有しており、小気泡面積
率は38%であった。得られた発泡体の特性を表1に示
す。
【0086】この複合セル構造を有する発泡体を製品と
してボード状に切り出した時に発生する端材を、φ20
のスクリーンメッシュで選別されるような複数の回転刃
付きの粗粉砕機にて粒径10〜30mmに粗粉砕し、こ
の粗粉砕発泡体をφ1mmのスクリーンメッシュで選別
されるタンジェンシャル式の回転刃、固定刃付きの微粉
砕機にて微粉砕する2段階の粉砕により粉砕発泡体を作
成した。得られた粉砕発泡体は、最小径が0.3mm、
最大径が1.3mmであった。
【0087】次に、スパンボンド不織布(東洋紡(株)
製:エクーレ6601A)を所定のサンプルサイズとな
るように切出し、ホットメルト接着剤(東洋紡(株)
製:ダイナックG2030)にて加熱接着し円筒状の袋
状物を作成し、開口部より粉砕発泡体を所定量封入し、
開口部をホットメルト接着剤で封止した。得られた粉砕
発泡体吸音材の特性を表1に示し、吸音材の吸音率を表
2に示す。後述の参考例1〜4と比較し、吸音性及び/
または作業性が向上した吸音材が得られた。
【0088】実施例2 ポリスチレン樹脂100部に対してi−ブタンを4部、
ジメチルエーテルを2部、水を1部(発泡剤100%に
対して、i−ブタン57%、ジメチルエーテル29%、
水14%)とした以外は、実施例1と同様の条件で樹脂
発泡体を得た。得られた発泡体は、小気泡と大気泡が混
在して生成しており、小気泡面積率は49%であった。
得られた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸音材の特性を表1
に示し、吸音材の吸音率を表2に示す。後述の参考例1
〜4と比較し、吸音性及び/または作業性が向上した吸
音材が得られた。
【0089】実施例3 ポリスチレン樹脂100部に対してi−ブタンを4.5
部、ジメチルエーテルを1.5部、水を1部(発泡剤1
00%に対して、i−ブタン64.3%、ジメチルエー
テル21.4%、水14%)とした以外は、実施例1と
同様の条件で樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は、小
気泡と大気泡が混在して生成しており、小気泡面積率は
52%であった。得られた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸
音材の特性を表1に示し、吸音材の吸音率を表2に示
す。後述の参考例1〜4と比較し、吸音性及び/または
作業性が向上した吸音材が得られた。
【0090】実施例4 粗粉砕発泡体をφ3mmのスクリーンメッシュで選別さ
れるタンジェンシャル式の回転刃、固定刃付きの微粉砕
機にて微粉砕する2段階の粉砕により粉砕発泡体を作成
し、粉砕発泡体粒子径を大きくし、(M/V)が0.0
39とした以外は実施例2と同様の方法にて吸音材を作
成した。得られた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸音材の特
性を表1に示し、吸音材の吸音率を表2に示す。得られ
た吸音材は後述の参考例1〜4と比較し、吸音性及び/
または作業性が向上していた。
【0091】実施例5 粗粉砕発泡体をφ3mmのスクリーンメッシュで選別さ
れるタンジェンシャル式の回転刃、固定刃付きの微粉砕
機にて微粉砕する2段階の粉砕により粉砕発泡体を作成
し、粉砕発泡体粒子径を大きくし、(M/V)を0.0
60と高充填した以外は実施例1と同様の方法にて吸音
材を作成した。得られた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸音
材の特性を表1に示し、吸音材の吸音率を表2に示す。
得られた吸音材は後述の参考例1〜4と比較し、吸音性
及び/または作業性が向上していた。
【0092】実施例6 ポリスチレン樹脂100部に対して二酸化炭素を4.0
部、ジメチルエーテルを2.0部(発泡剤100%に対
して、二酸化炭素66.7%、ジメチルエーテル33.
3%)とした以外は、実施例1と同様の条件で樹脂発泡
体、粉砕発泡体粒子を得た。得られた発泡体は、小気泡
のみからなり、小気泡面積率は100%であった。得ら
れた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸音材の特性を表1に示
し、吸音材の吸音率を表2に示す。後述の参考例1〜4
と比較し、吸音性及び/または作業性が向上した吸音材
が得られた。
【0093】実施例7 ポリスチレン樹脂100部に対して二酸化炭素を3.5
部、i−ブタンを1.0部(発泡剤100%に対して、
二酸化炭素77.8%、i−ブタン22.2%)とした
以外は、実施例1と同様の条件で樹脂発泡体、粉砕発泡
体粒子を得た。得られた発泡体は、小気泡のみからな
り、小気泡面積率は100%であった。得られた発泡
体、粉砕発泡体粒子、吸音材の特性を表1に示し、吸音
材の吸音率を表2に示す。後述の参考例1〜4と比較
し、吸音性及び/または作業性が向上した吸音材が得ら
れた。
【0094】実施例8 実施例2と同様の方法にて粉砕発泡体を作成した後、粒
子径が15nmである疎水性酸化ケイ素微粒子(日本ア
エロジル(株)製、商品名:AEROSIL−R20
2)を混合、ドライブレンドし、袋状物に封入して吸音
材を作成した。得られた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸音
材の特性を表1に示し、吸音材の吸音率を表2に示す。
得られた吸音材は後述の参考例1〜4と比較し、吸音性
及び/または作業性が向上していた。また、微粒子を添
加したことにより厚みが薄にもかかわらず吸音性に優れ
た物であった。
【0095】比較例1 ポリスチレン樹脂100部に対してジメチルエーテルを
6.0部(発泡剤100%)とした以外は、実施例4と
同様の条件で樹脂発泡体、粉砕発泡体粒子を得た。得ら
れた発泡体は、殆ど大気泡からなり、小気泡面積率は5
%であった。得られた発泡体、粉砕発泡体粒子、吸音材
(25mm)の特性を表1に示し、吸音材の吸音率を表
2に示す。小気泡面積が20%に満たないため、前述の
実施例と比較し、若干吸音性に劣った吸音材が得られ
た。
【0096】参考例1 市販のポリエステル系繊維吸音材(エンデバーハウス
(株):NCO−02709103:30kg/m3、
厚み30mm)より所定のサイズにサンプルを切出し、
測定を行った結果を表2に示す。作業性は優れるが、吸
音性に非常に劣る物であった。
【0097】参考例2 市販のポリエステル系繊維吸音材(エンデバーハウス
(株):NCO−02709105:30kg/m3、
厚み50mm)より所定のサイズにサンプルを切出し、
測定を行った結果を表2に示す。作業性は優れるが、吸
音性に非常に劣る物であった。
【0098】参考例3 市販のグラスウール吸音材((株)マグ:RR242
5:24kg/m3、厚み25mm)より所定のサイズ
にサンプルを切出し、測定を行った結果を表2に示す。
吸音性、作業性に劣る物であった。
【0099】参考例4 市販のグラスウール吸音材((株)マグ:RR245
0:24kg/m3、厚み50mm)より所定のサイズ
にサンプルを切出し、測定を行った結果を表2に示す。
吸音性は優れるが、作業性に非常に劣る物であった。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【発明の効果】本発明においては、小気泡構造を有する
スチレン系樹脂発泡体を粉砕し、袋状物に充填してなる
粉砕発泡体吸音材により、優れた吸音性能を有する吸音
材を提供しうる。更にフロン類を使用せずとも粉砕され
る発泡体を作製でき、リサイクル品を使用できるため、
環境特性に優れた吸音材が得られる。これらの吸音材
は、吸音性、リサイクル性、環境適合性が優れていると
共に、作業性にも優れ、取り扱いやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかわる各種袋状物の形態例
を示す。
【図2】図2は、本発明にかかわる封筒状袋状物体の作
製法の例を示す。
【図3】図3は、本発明の粉砕発泡体吸音材及びその作
製法を示す。
【図4】図4は、本発明の粉砕発泡体吸音材の形状固定
例を示す。
【符号の説明】
1 封筒状袋状物 2 テトラパック状袋状物 3 円筒状袋状物 4 袋状物充填粉砕発泡体吸音材 (a)袋状物形成素材 (b)ホットメルト接着部 (c)粉砕発泡体 (d−1)固定部材(バノックピン) (d−2)糸状物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡体を形成する気泡が、気泡径0.25
    mm以下の気泡より構成されるスチレン系樹脂発泡体を
    粉砕した粉砕発泡体粒子を、袋状物に充填した吸音材で
    あって、粉砕発泡体粒子1個当たりの平均重量が1mg
    よりも小さいことを特徴とする袋状物充填粉砕発泡体吸
    音材。
  2. 【請求項2】発泡体を形成する気泡が、主として気泡径
    0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡
    より構成され、これらの気泡が気泡膜を介して海島状に
    分散し、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積
    あたり20%以上の占有面積比を有するスチレン系樹脂
    発泡体を粉砕した粉砕発泡体粒子を、袋状物に充填した
    吸音材であって、粉砕発泡体粒子1個当たりの平均重量
    が1mgよりも小さいことを特徴とする袋状物充填粉砕
    発泡体吸音材。
  3. 【請求項3】袋状物充填粉砕発泡体吸音材が式(1)を
    満足する事を特徴とする請求項1又は、2記載の吸音
    材。 0.02≦(M/V)≦0.20 ・・・・・・・・・・・(1) ここに、Mはスチレン系樹脂粉砕発泡体の重量(g)、
    Vは袋状物の容積(cm 3)であり、この数値(M/
    V)の単位は(g/cm3)である。
  4. 【請求項4】粉砕発泡体粒子の最小径が0.2mm以
    上、最大径が20mm以下である粉砕発泡体を使用する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の吸
    音材。
  5. 【請求項5】ASTM E 1050の2マイクロホン
    法によって求まる周波数(Hz)100、125、16
    0、200、250、315、400、500、63
    0、800、1000、1250、1600、200
    0、2500、3150、4000、5000、630
    0での垂直入射吸音率(α)が、500Hz以上の測定
    周波数で0.25以上であり、且つα≧0.5となる測
    定周波数が9点以上、α≧0.8となる測定周波数が5
    点以上存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の吸音材。
  6. 【請求項6】粉砕するスチレン系樹脂発泡体に使用され
    た発泡剤が、非フロン系発泡剤であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項記載の吸音材。
  7. 【請求項7】粉砕するスチレン系樹脂発泡体に使用され
    た発泡剤が、プロパン、n−ブタン、i−ブタンよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素100
    〜0重量%、水0〜80重量%、他の発泡剤0〜100
    重量%であり、発泡剤全量を100重量%とした組成を
    有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記
    載の吸音材。
  8. 【請求項8】粉砕発泡体100重量部に対し、平均粒子
    径1μm以下の微粒子を1〜250重量部混合した混合
    物を袋状物に封入してなる請求項1〜7のいずれか1項
    記載の吸音材。
  9. 【請求項9】粉砕発泡体を充填した袋状物を貫通する固
    定部材で固定したことを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1項記載の吸音材。
  10. 【請求項10】吸音材の厚みが25mm以上であること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の吸音
    材。
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