JP2003149644A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半透過型液晶表示装置において、コントラス
トなどの光学特性が良好で、かつ、視野角が広い半透過
型液晶表示装置を実現する。 【解決手段】 反射部と透過部の両方を具備した一方基
板と対向電極が形成された他方電極との間に液晶層を挟
持し、前記一方基板の面に第1の偏光板、前記他方基板
の面に第２の偏光板をそれぞれ有し、前記第１の偏光板
と一方基板の間に第１の４分の１波長板と第２の２分の
１波長板を有し、前記第２の偏光板と他方基板の間に第
３の４分の１波長板と第４の２分の１波長板を有する液
晶表示装置において、前記第１の４分の１波長板として
ネマチック液晶をハイブリッド配向させた液晶フィルム
を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、４分の１波長板と
して液晶フィルムを用い、透過表示時における視野角を
拡大した半透過型液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在使用されている液晶表示素子は大別
して、上下２枚で一対をなす電極基板の表面でネマチッ
ク液晶分子の配列方向を９０度にねじったツイスト・ネ
マチック（以下、ＴＮという）モードを利用したもの、
上下電極基板の間でネマチック分子の配列方向を１８０
度から３００度にねじったスーパーツイスト・ネマチッ
ク（以下、ＳＴＮという）モードを利用したもの、ま
た、強誘電性液晶を用いたものなどが存在する。

【０００３】また、ワードプロセッサ、パーソナルコン
ピュータやモニター等に使用されている液晶表示装置
は、いずれもバックライトを使用したものであり透過型
液晶表示装置という。それに対し、バックライトを使用
せずに液晶表示装置の背面に反射板を使用して外光だけ
で表示可能にする液晶表示装置を反射型液晶表示装置と
いい、電卓などに使用されている。また、昨今の情報通
信技術の進展により、携帯電話やＰＤＡなどの携帯通信
端末が普及し、液晶市場を大きく拡大した。これらの携
帯通信端末は、低消費電力が重要な特性となるため反射
型液晶表示装置が使用されるのが通例である。しかしな
がら、反射型液晶表示装置の輝度は低く、薄くらい環境
では表示が認識されにくいため、画素内に反射部と透過
部の両方を具備し、明るい環境では反射型で、暗い環境
では透過型で表示させることができる半透過型の液晶表
示装置が主流となっている。

【０００４】これらの普及に伴い、画質に対するユーザ
ー要望も益々厳しくなり、特に視野角の拡大について強
く要望されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の半透過型液晶表
示装置では、特に透過表示時の視野角特性が上下左右と
も狭くなるという課題があった。

【０００６】本発明は、このような上記の問題点に鑑み
てなされたもので、従来よりも、コントラストが高く、
上下左右ともに視野角が広い半透過型液晶表示装置を実
現することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、反射部と透過部の両方を具
備した一方基板と対向電極が形成された他方電極との間
に液晶層を挟持し、前記一方基板の面に第1の偏光板、
前記他方基板の面に第２の偏光板をそれぞれ有し、前記
第１の偏光板と一方基板の間に第１の４分の１波長板と
第２の２分の１波長板を有し、前記第２の偏光板と他方
基板の間に第３の４分の１波長板と第４の２分の１波長
板を有する液晶表示装置において、前記第１の４分の１
波長板が液晶フィルムであることを特徴とする液晶表示
装置に関する。

【０００８】請求項２記載の発明は、請求項１記載の液
晶表示装置において、前記液晶フィルムが、ネマチック
液晶をハイブリッド配向させてなる液晶フィルムである
ことを特徴とする液晶表示装置に関する。

【０００９】請求項３記載の発明は、請求項１記載の液
晶表示装置において、前記液晶フィルムを形成するネマ
チック液晶のハイブリッド配向の方向と前記液晶層のｎ
ダイレクター方向が、逆向きに配置されていることを特
徴とする。

【００１０】請求項４記載の発明は、請求項１記載の液
晶表示装置において、前記液晶フィルムの光軸と前記液
晶層のｎダイレクターとのなす角度が５度以内であるこ
とを特徴とする。

【００１１】請求項５記載の発明は、請求項１記載の液
晶表示装置において、前記液晶フィルムの光軸の角度を
ａとし、前記第２の２分の１波長板の光軸の角度をｂと
したとき、（（ａ＋ｂ）／２）の角度で表される軸と、
前記第１の偏光板の吸収軸とのなす角度が３０度から６
０度の間に設定されることを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】（実施の形態）本発明の実施の形
態における液晶表示装置について、図面を用いて説明す
る。図１は本実施の形態の液晶表示装置の概略構成を示
す断面図である。この液晶表示装置１は、反射部と透過
部の両方を具備する一方基板１と対向電極が形成された
他方基板２との間に液晶層３を挟持し、一方基板１の面
に第１の偏光板４を、他方基板の面には第２の偏光板５
をそれぞれ有し、第１の偏光板４と一方基板１の間には
第１の４分の１波長板６と第２の２分の１波長板７を有
し、また、第２の偏光板５と他方基板２の間には第３の
４分の１波長板８と第４の２分の１波長板９が配置され
た構成からなる。このとき、従来例では第１の４分の１
波長板として、第３の４分の１波長板８や第２、第４の
２分の１波長板７、９と同じ材質であるポリカーボネー
トなどの高分子フィルムが使用されていた。これに対し
て、本願の液晶表示装置では、第１の４分の１波長板６
としてネマチック液晶をハイブリッド配向させた液晶フ
ィルムを使用する。その理由を以下に説明する。

【００１３】図２は、本発明の液晶表示装置と従来の液
晶表示装置の透過表示時における視野角特性を示した特
性図である。図２（ａ）は本発明の液晶表示装置、図２
（ｂ）は従来の液晶表示装置の透過表示時における視野
角特性をそれぞれ示す。図２に示したように、本発明の
液晶表示装置における透過表示時の視野角特性は、従来
の液晶表示装置と比較し、上下左右ともに劇的に拡大し
ていることが明確である。本発明の液晶表示装置の視野
角特性が改善される理由を以下に示した。

【００１４】図３は、本発明の液晶表示装置に使用した
液晶フィルム（ＮＨフィルム、日石三菱（株）製）６の
構造を示した模式図である。支持体１０の上にネマチッ
ク液晶１１をハイブリッド配向させた構造をしており、
図中の矢印１２は、ハイブリッド配向の方向を示してい
る。図４は、一方基板１上に配向している液晶層３の液
晶分子と液晶フィルム６の関係を示した一構成図であ
り、実施の形態の一例を示す。矢印１３は液晶層のｎダ
イレクターの方向を示している。液晶層３に電圧が印加
されたとき、一方基板１上に配向している液晶分子は基
板から受けるアンカリングエネルギーのため変化せず、
基板界面から離れ、アンカリングエネルギーの影響が少
ない液晶分子が電圧に応答するため、基板界面の近傍で
はハイブリッド配向に近い状態となっている。従来例の
液晶表示装置では、この界面近傍の液晶分子の複屈折性
のために視野角特性が狭くなる。本発明の液晶表示装置
は、液晶層３の液晶分子のｎダイレクター方向１３と液
晶フィルム６のハイブリッド配向の方向１２を逆向きに
配置することにより、界面近傍の液晶分子の複屈折性を
キャンセルできるため、視野角特性を大きく改善するこ
とが可能になる。また、この液晶フィルム６は複屈折光
の位相差が４分の１波長である位相差板機能も同時に具
備しているため、薄型化も可能となる。

【００１５】図５は、第１の偏光板４の吸収軸、第１の
４分の１波長板である液晶フィルム６の光軸、第２の２
分の１波長板７の光軸、液晶層３のｎダイレクター方向
のそれぞれの配置の関係を示した模式図である。図５
中、ａは第１の４分の１波長板である液晶フィルム６の
光軸の角度、ｂは第２の２分の１波長板７の光軸の角
度、ｃは（（ａ＋ｂ）／２）の角度で表される軸Ａと第
１の偏光板４の吸収軸とのなす角度、ｄは液晶フィルム
６の光軸と液晶層３のｎダイレクターとのなす角度をそ
れぞれ表している。これらの角度については特に限定は
されないが、ｄは５度以内に配置することが好ましく、
また、ｃは３０度から６０度の範囲に配置することがコ
ントラストなどの光学特性と視野角特性とのバランスを
考慮すると好ましい。

【００１６】このように本発明により、コントラストが
良好で視野角が広く、あらゆる環境に適した半透過型液
晶表示装置を提供することが可能である。

【００１７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、反射部と
透過部の両方を具備した一方基板と対向電極が形成され
た他方電極との間に液晶層を挟持し、前記一方基板の面
に第1の偏光板、前記他方基板の面に第２の偏光板をそ
れぞれ有し、前記第１の偏光板と一方基板の間に第１の
４分の１波長板と第２の２分の１波長板を有し、前記第
２の偏光板と他方基板の間に第３の４分の１波長板と第
４の２分の１波長板を有する液晶表示装置において、前
記第１の４分の１波長板としてネマチック液晶をハイブ
リッド配向させた液晶フィルムを使用することにより、
基板界面近傍の液晶分子の複屈折性を光学的に補償する
ことが可能となり、コントラストなどの優れた光学特性
と視野角の拡大を同時に実現することが可能となり、従
来の液晶表示装置と比較し、格段に表示特性が向上した
液晶表示装置を提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における液晶表示装置の概
略構成を示す断面図

【図２】（ａ）本発明の液晶表示装置の視野角特性を示
した特性図 （ｂ）従来の液晶表示装置の視野角特性を示した特性図

【図３】本発明の液晶表示装置に使用した液晶フィルム
の概略構成を示す断面図

【図４】本発明の液晶表示装置の基板上の液晶分子と液
晶フィルムの関係を示した一構成図

【図５】本発明の液晶表示装置における、第１の偏光板
４の吸収軸、第１の４分の１波長板である液晶フィルム
６の光軸、第２の２分の１波長板７の光軸、液晶層３の
ｎダイレクター方向のそれぞれの配置の関係を示した模
式図

【符号の説明】

１ 反射部と透過部の両方を具備した一方基板 ２ 対向電極が形成された他方基板 ３ 液晶層 ４ 一方基板の面に配置された第１の偏光板 ５ 他方基板の面に配置された第２の偏光板 ６ 第１の４分の１波長板 ７ 第２の２分の１波長板 ８ 第３の４分の１波長板 ９ 第４の２分の１波長板 １０ 支持体 １１ 液晶フィルム６中のネマチック液晶 １２ 液晶フィルム６のハイブリッド配向の方向 １３ 液晶層３の液晶分子のｎダイレクター方向 ａ 第１の４分の１波長板である液晶フィルム６の光軸
の角度 ｂ 第２の２分の１波長板７の光軸の角度 Ａ （（ａ＋ｂ）／２）の角度で表される軸 ｃ 軸Ａと第１の偏光板４の吸収軸とのなす角度 ｄ 液晶フィルム６の光軸と液晶層３のｎダイレクター
とのなす角度

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H049 BA02 BA06 BA07 BA42 BB03 BB42 BB63 BC06 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FD10 KA10 LA17

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反射部と透過部の両方を具備した一方基
   板と対向電極が形成された他方電極との間に液晶層を挟
   持し、前記一方基板の面に第1の偏光板、前記他方基板
   の面に第２の偏光板をそれぞれ有し、前記第１の偏光板
   と一方基板の間に第１の４分の１波長板と第２の２分の
   １波長板とを有し、前記第２の偏光板と他方基板の間に
   第３の４分の１波長板と第４の２分の１波長板とを有す
   る液晶表示装置において、前記第１の４分の１波長板が
   液晶フィルムであることを特徴とする液晶表示装置。
2. 【請求項２】 前記液晶フィルムが、ネマチック液晶を
   ハイブリッド配向させてなる液晶フィルムであることを
   特徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
3. 【請求項３】 前記液晶フィルムを形成するネマチック
   液晶のハイブリッド配向の方向と前記液晶層のｎダイレ
   クター方向が、逆向きに配置されていることを特徴とす
   る請求項１記載の液晶表示装置。
4. 【請求項４】 前記液晶フィルムの光軸と前記液晶層の
   ｎダイレクターとのなす角度が５度以内であることを特
   徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
5. 【請求項５】 前記液晶フィルムの光軸の角度をａと
   し、前記第２の２分の１波長板の光軸の角度をｂとした
   とき、（（ａ＋ｂ）／２）の角度で表される軸と、前記
   第１の偏光板の吸収軸とのなす角度が３０度から６０度
   の間に設定されることを特徴とする請求項１記載の液晶
   表示装置。