JP2003149247A - コレステロール測定プローブとコレステロール測定方法 - Google Patents
コレステロール測定プローブとコレステロール測定方法Info
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Abstract
プローブと、このプローブを利用して簡便かつ高精度に
コレステロールを測定するための新しい測定方法を提供
する。 【解決手段】 コレステロール結合活性を有するが、コ
レステロールに対する酸化・異性化反応活性の低いコレ
ステロール酸化酵素変異体と、レポーター物質とからな
ることを特徴とするコレステロール測定プローブと、こ
のコレステロール測定プローブと被験物質とを反応さ
せ、測定プローブに結合したレポーター物質から発せら
れる検出信号の変化量を測定することを特徴とするコレ
ステロール測定方法。
Description
や食品中に含まれるコレステロールを簡便かつ高精度に
検出することのできるコレステロール測定方法とそのた
めの材料に関するものである。
的な動物性代謝産物である。副腎皮質ホルモン、性ホル
モン、胆汁酸生合成の原料であり、また細胞膜等の生体
膜や血漿リポタンパク質の構成成分である。
は体内で合成されるが(約1.5〜2.0g)、食物からも約
0.3g程度供給される。食品中のコレステロールは他の脂
肪とともに消化・吸収され、キロミクロンに取り込まれ
るが、吸収されたコレステロールの大部分(80〜90%)
は長鎖脂肪酸でエステル化され、このコレステロールエ
ステルはしばしば、他の脂肪とともに血管内壁に付着
し、動脈硬化症等の重い疾患の原因となる。
のコレステロール、あるいは食品に含まれるコレステロ
ール量を正確に把握することは、過剰コレステロールを
原因とする各種疾患の予防や治療方法の方針決定にとっ
て重要である。
のための試薬が様々に開発されている。特に、コレステ
ロールとの結合活性に優れたコレステロール酸化酵素を
用いた測定試薬として、特開平10-080300号公報、特開
平10-311833号公報、特開2001-231597号公報等が知られ
ている。また、コレステロール酸化酵素の変異体(特開
平08-242860号公報)と、この酵素変異体を用いたコレ
ステロール測定法(特開2000-224999号公報)も知られ
ている。
テロール測定のために、コレステロール酸化酵素を使用
することが多く試みられている。このようなコレステロ
ール酸化酵素やその変異体を使用したコレステロール測
定は、コレステロール酸化酵素による基質(コレステロ
ール)の分解、修飾などの変化を物理的な信号として検
出することによって、コレステロールの測定を行うもの
である。
定する方法としては、そのタンパク質等に対して高い親
和性を有するリガンドをプローブとしてターゲットタン
パク質の有無を検出したり、あるいはその濃度を定量し
たりする方法が広くしられているが、コレステロールに
関しては、そのようなプローブは知られていない。
なされたものであって、コレステロールに対して高い親
和性を有するプローブと、このプローブを利用して簡便
かつ高精度にコレステロールを測定するための新しい測
定方法を提供することを課題としている。
を解決する発明として、コレステロール結合活性を有す
るが、コレステロールに対する酸化・異性化反応活性の
低いコレステロール酸化酵素変異体と、レポーター物質
とからなることを特徴とするコレステロール測定プロー
ブを提供する。
ステロール酸化酵素変異体が、配列番号1のアミノ酸配
列における1以上のアミノ酸残基の欠失または付加、も
しくは1以上のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換
したアミノ酸配列を有すること、さらに詳しくは、コレ
ステロール酸化酵素変異体が、配列番号1のアミノ酸配
列における第145番バリン残基がグルタミン残基に置換
されたアミノ酸配列を有することを好ましい態様として
いる。
変異体が、N末端アセチル化、糖鎖付加、ミリストイル
化、イソプレニル化、またはリン酸化されたコレステロ
ール酸化酵素であることを別の好ましい態様としてい
る。
においては、レポーター物質が、酵素、蛍光タンパク質
または蛍光物質であることをさらに別の態様としてい
る。この出願の発明は、また、前記いずれかのコレステ
ロール測定プローブと被験物質とを反応させ、測定プロ
ーブに結合したレポーター物質から発せられる検出信号
の変化量を測定することを特徴とするコレステロール測
定方法と、前記いずれかのコレステロール測定プローブ
を必須として含むことを特徴とするコレステロール測定
キットをそれぞれ提供する。
する。
測定とは、コレステロールの有無の検出と、コレステロ
ール量(濃度)の定量を意味する。また、測定対象であ
るコレステロールは、コレステロールそれ自体のほか、
コレステロールエステル、LDL-コレステロール、HDL-コ
レステロール等のコレステロール誘導体が含まれる。
は、コレステロール酸化酵素変異体と、レポーター物質
とからなることを特徴とする。コレステロール酸化酵素
変異体は、コレステロール結合活性は野生型酵素と同程
度であるが、コレステロールに対する酸化・異性化反応
活性(触媒活性)が低下するように人為的に改変した酵
素変異体である。このような変異体は、例えば、野生型
コレステロール酸化酵素のアミノ酸配列(配列番号1)
における1以上のアミノ酸残基の欠失、または付加、も
しくは1以上のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換
したアミノ酸配列を有するものを使用することができ
る。このようなコレステロール酸化酵素変異体は、コレ
ステロール酸化酵素をコードするポリヌクレオチド(例
えば、GenBank Accession No. M31939として登録されて
いるDNA)に変異を導入して適当な宿主−ベクター系に
より発現させ、得られた変異酵素のコレステロールとの
結合活性および触媒活性を評価し、必要に応じてこれを
繰り返し、より好ましい(すなわち、高いコレステロー
ル結合活性と低い触媒活性を有する)変異酵素を選択す
ることによって得られる。
多くの方法が知られており、例えば、トランスポゾンや
変異剤(mutagen)を利用する古典的な方法(Science,
229:1193-1201, 1985)、Error-prone PCR法(Techniqu
e, 1:11-15, 1985)、DNAのランダム化学合成により特
定の領域をランダム配列に置き換える方法(Nature Str
uct. Biol. 3:446-451, 1996; Proc.Natl. Acad. Sci.
USA. 93:5590-5594,1996)、セクシャルPCR法(Nature
370:389-391, 1994)などが挙げられる。
第145番バリン残基がグルタミン残基に置換されたコレ
ステロール酸化酵素変異体を特に好ましい態様として提
供する。
には、N末端アセチル化、糖鎖付加、ミリストイル化、
イソプレニル化、またはリン酸化等の各種修飾を受けた
コレステロール酸化酵素も含まれる。このような変異体
は、それぞれの修飾に応じた公知の方法によって作成す
ることができる。また、例えばコレステロール酸化酵素
をコードするDNA配列を宿主−ベクター系で発現させた
場合に、宿主細胞内での翻訳後のタンパク質修飾によっ
ても得ることができる。
結合一体化するレポーター物質としては、具体的には、
酵素、蛍光タンパク質、蛍光物質等である。さらに具体
的には、酵素としては、例えば、基質と特異的に結合し
て反応を触媒する能力を有するものであれば特に制限は
ないが、例えば、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、アルカ
リホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ、クロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ等が挙げられる。これらの
酵素活性による基質の分解、修飾などの変化を物理的な
信号として検出することができる。
色蛍光タンパク質(GFP)やその変異体(EGFP)等が挙
げられる。外来性の蛍光物質としては、フルオレセイン
系列、ローダミン系列、エオシン系列、NBD(7-nitrobe
nz-2-oxa-1,3-diazole)系列などの蛍光色素が挙げられ
る。これらの蛍光が周囲の環境によって敏感に変化する
ため、その変化を物理学的手法で検出することができ
る。
ーブは、前記のコレステロール酸化酵素変異体とレポー
ター物質とが結合一体化したものであってもよい。レポ
ーター物質として前記の標識酵素や蛍光タンパク質を用
いる場合には、例えばそれぞれのタンパク質をコードす
るポリヌクレオチドを連結して、変異酵素−標識酵素の
融合タンパク質、あるいは変異酵素−蛍光タンパク質融
合タンパク質として発現させるようにすればよい。蛍光
色素をレポーター物質とする場合には、例えば、ヘモグ
ロビンのヘムを蛍光色素で修飾するなどの方法による非
共有結合を介した方法や、変異酵素のシステイン残基を
蛍光色素で化学的に修飾するなどの方法による共有結合
を介した方法等により両者を結合一体化することができ
る。あるいはまた、コレステロール酸化酵素変異体とレ
ポーター物質とは別体であって、コレステロール測定時
に一体化するような形態であってもよい。例えば、コレ
ステロール酸化酵素変異体に特異的に結合するリガンド
(例えば、抗体)をレポーター物質で標識化し、コレス
テロール測定の際に、コレステロール酸化酵素変異体と
標識抗体とを混合させるようにしてもよい。
記のコレステロール測定プローブと被験物質とを反応さ
せ、測定プローブのレポーター物質から発せられる検出
信号の変化量を測定することによって、被験物質に含ま
れるコレステロールを検出、定量することを特徴とす
る。
(細胞、血液)、あるいは各種食品等である。また、測
定されるコレステロールは、コレステロールそれ自体の
ほか、コレステロールエステル、LDL-コレステロール、
HDL-コレステロール等が含まれる。
ステロール酸化酵素変異体と被験物質とを反応させ、さ
らにコレステロール酸化酵素変異体に対するリガンドを
結合させ、この抗体に標識化されたレポーター物質から
発せられる検出信号(蛍光強度や酵素活性)の変化を公
知の手段で測定することである。コレステロール酸化酵
素変異体に対するリガンドは例えば、野生型コレステロ
ール酸化酵素またはその変異体を抗原として公知の方法
により作製されたポリクローナル抗体またはモノクロー
ナル抗体である。
ル酸化酵素変異体とレポーター物質とが一体化したコレ
ステロール測定プローブを被験物質に反応させ、このプ
ローブのレポーター物質が発する信号の変化を公知の手
段で測定する。
の変化」は信号「強度」の増大・減少の他に、信号の
「性質」の変化も含まれる。具体的には、吸光度、蛍光
強度などの増大・減少以外に、蛍光波長のシフトなどが
挙げられる。
前記のコレステロール測定プローブを必須として含むこ
とを特徴とするものであり、上記のコレステロール測定
方法に使用することができる。この様な測定キットは、
通常のレセプタータンパク質とリガンドとの反応を利用
した測定キットと同様の構成によって提供される。すな
わち、この発明の測定キットは、少なくとも前記のコレ
ステロール測定プローブを含み、さらに任意の要素とし
て、希釈液、洗浄液、陽性コントロール用のコレステロ
ールを含んでいてもよい。
有無を検出する場合には、例えば被験物質にプローブを
添加した時としない時でそのレポーター物質の信号強度
を比較するか、必要に応じて陽性コントロールを用いた
場合のレポーター物質の信号強度等と比較すればよい。
また、コレステロールの濃度を定量する場合には、例え
ば適当な試料により検量線を作成し、これに基づき定量
すればよい。
いてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発
明は以下の例によって限定されるものではない。
601, 1989 )に由来するコレステロール酸化酵素遺伝子
を、文献(Protein Eng. 11(11):1075-1081, 1998)の
記載と同様の方法により変異させ、コレステロール酸化
酵素のアミノ酸配列(配列番号1)における第145番バ
リン残基をグルタミン残基に置換した変異型酵素V145Q
を作成した。野生型およびV145Q酵素の発現および精製
は文献(Protein Eng. 11(11):1075-1081, 1998)記載
の方法により行ったが、Escherichiacoliの培養のみ18
℃15時間の条件下で、最終濃度10mMのisopropyl-β-D-t
hiogalactopyranoside(IPTG)を用いた誘導後に発現、
精製を行った。酵素純度の評価は、Laemmli(Nature 22
7:680-685, 1970)の方法により10%(w/v)アクリルアミ
ドを含むゲル上でSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により行い、CoomassieブリリアントブルーR-250を用い
て染色した。抗コレステロール酸化酵素ポリクローナル
抗体は、オスウサギに対し、Freundの完全アジュバント
(Calbiochem社)中で乳化した精製野生型酵素200mgを
用いた免疫を行うことにより産生した。2週間後、この
ウサギにFreundの不完全アジュバント(Calbiochem)中
で乳化した200mgの精製コレステロール酸化酵素を追加
免疫した。その2週間後に、このウサギから採血を行
い、5時間37℃で凝固させることによって血清を得た。
標準ウエスタンブロッティングを行い、この酵素に対す
る抗コレステロール酸化酵素抗体の免疫反応を確認した
(Antibodies: A laboratory manual. Cold Spring Har
bor laboratoriy, Cold Spring Harbor, New York, 198
8)。 1.2. リポソームの調製 巨大リポソーム(Giant liposome)の調製は基本的には
文献(Biophys. J. 64:676-685, 1993; Biophys. J. 7
1:3242-3250, 1996)の記載に従った。すなわち、ホス
ファチジルコリンおよびホスファチジルセリンをクロロ
フォルム中で重量比19:1となるよう混合し、10mg/mlの
対照脂質溶液を調製した。ホスファチジルコリン、ホス
ファチジルセリンおよびコレステロールをクロロフォル
ム中で重量比15:1:4となるよう混合し、10mg/mlのコレ
ステロール含有脂質溶液を調製した。ガラス試験管中に
入れた脂質混合液100mlをN2ガス流で乾燥させてクロロ
フォルムを除去した。試験管底部に形成された脂質薄層
に、室温で0.1Mスクロースを4ml穏やかに添加した。37
℃2時間のインキュベーション後、巨大リポソームを含
むこの溶液を0.1Mグルコースで希釈し、フルオレセイン
ニソチオシアネート(FITC)で標識した変異酵素V145Q
を用いた反応に適用した。 1.3. 免疫染色 高張条件:10%胎仔ウシ血清を含むDMEM中で育成したECV
304細胞と1%ペニシリン/ストレプトマイシンを、最終濃
度が0.45Mスクロースとなる高張条件下で37℃5分インキ
ュベーションした。この媒質に精製コレステロール酸化
酵素を最終濃度が10ng/mlとなるように5分37℃条件で添
加した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて洗浄し
た後、カバーグラス上の細胞を4%パラホルムアルデヒド
を用いて室温・1時間の条件で固定し、PBSで3回洗浄
(各10分)、そして0.1Mグリシンで15分間処置した。細
胞はPBSで2回洗浄し(各5分)、PBSに溶解した5%スキム
ミルクを用いてブロックした。 正常条件:ECV304細胞は10%胎仔ウシ血清および1%ペニ
シリン/ストレプトマイシンを含むDMEM中で育成し、4%
パラホルムアルデヒドを用いて1時間・室温条件で固
定、PBSで3回洗浄し(各10分)、0.1Mグリシンを用い
て15分間処理を行った。カバーグラス上の細胞はPBSを
用いて2回洗浄し(各5分)、精製コレステロール酸化酵
素を最終濃度が30ng/mlとなるように加えて60分37℃の
条件でインキュベーションした。PBSを用いてリンスし
た後、細胞を冷却メタノールで3分-20℃の条件で固定
し、PBSを用いて3回洗浄し(各5分)、PBSに溶解した5%
スキムミルクを用いてブロックした。
いて15時間4℃の条件下で反応を行い、PBSで3回洗浄し
(各10分)、ローダミン結合二次抗体(Cappel)を加え
て3時間室温条件下でインキュベーションした。3回のP
BSによる洗浄後(各5分)、試料をPermaFluor(Themo
Shandon)を用いて包埋した。蛍光映像の撮影はAxiopho
t顕微鏡(Carl Zeiss)上の冷却CCDカメラ(MetaView)
あるいはLMS410共焦点レーザスキャニング顕微鏡(Carl
Zeiss)を用いて行った。 2.結果 2.1. リポソームのコレステロール測定 変異体コレステロールオキシダーゼは巨大リポソーム内
部のコレステロールに対し特異的に結合した。この実施
例では、アミノ酸置換(V145Q)を有するコレステロー
ル酸化酵素変異体を用いた。この変異型V145Qを選択し
た理由は、野生型酵素と比べて酸化-異性化活性のレベ
ルが低く(1/4)、それにも関わらずコレステロールに
対する正常な結合活性を保持しているためである。この
ため、V145Qはコレステロールにいったん結合するとす
ぐには解離しない。アフィニティーカラムクロマトグラ
フィーで精製した野生型およびV145Q酵素には、硫酸ド
デシルナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル中で
分子量約55kDaとなる単一バンドが含まれ、これは野生
型酵素に対し作成した抗体を用いて特異的に検出された
(図1)。精製V145Qの膜上コレステロールに対する結
合能力を調べるために、単層リポソームを調整し、FITC
ラベルしたV145Qと共にインキュベートした。図2に示
すように、変異型酵素はコレステロール含有巨大リポソ
ームに結合するが、コレステロール非含有リポソームに
は結合しない。これらの結果から、V145Qを用いて単層
リポソーム上のコレステロールを特異的に検出できるこ
とが確認された。 2.2. 細胞膜のコレステロール測定 コレステロール酸化酵素変異体は、原形質膜上コレステ
ロールに安定結合するが、膜コレステロールは急速に細
胞内オルガネラ中に内在化されるため、細胞内への取り
込みにより検出シグナルが増加する可能性がある。従っ
て、エンドサイトーシスによる取り込みを抑えること
が、原形質膜上コレステロールのみを特異的に検出する
ためには必要になる。そこで、ECV304細胞を高張溶媒中
でインキュベートし、細胞内への取り込みを抑えた状態
でコレステロール酸化酵素変異体と反応させた。その結
果、原形質膜中コレステロールに対して変異酵素V145が
安定結合することが確認された(図3)。
るmethyl-β-cyclodextrinは、コレステロールを原形質
膜から除去する(J. Biol. Chem. 270:17250-17256, 19
95;J. Biol. Chem. 271:16026-16034, 1996)が、このm
ethyl-b-cyclodextrinを用いて細胞膜よりコレステロー
ルを除去すると、変異酵素V145Qおよびその抗体の組み
合わせにより検出されるシグナルが減衰した(図3)。
これらの結果からも、V145Qが原形質膜上コレステロー
ルに特異的に結合することが確認された。
発明によって、生体試料や食品中に含まれるコレステロ
ールを簡便かつ高精度に測定することが可能となる。こ
の発明は、コレステロールが原因となる疾患の予防や診
断、治療法の方針決定等に有用である。
レステロール酸化酵素変異体(V145)のSDS-PAGEおよび
ウエスタンブロッティング分析の結果である。
レステロール酸化酵素変異体が結合することを示した顕
微鏡写真である。
cyclodextrinで処理した場合と処理しない場合の免疫染
色の結果を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 コレステロール結合活性を有するが、コ
レステロールに対する酸化・異性化反応活性の低いコレ
ステロール酸化酵素変異体と、レポーター物質とからな
ることを特徴とするコレステロール測定プローブ。 - 【請求項2】 コレステロール酸化酵素変異体が、配列
番号1のアミノ酸配列における1以上のアミノ酸残基の
欠失または付加、もしくは1以上のアミノ酸残基を他の
アミノ酸残基に置換したアミノ酸配列を有する請求項1
のコレステロール測定プローブ。 - 【請求項3】 コレステロール酸化酵素変異体が、配列
番号1のアミノ酸配列における第145番バリン残基がグ
ルタミン残基に置換されたアミノ酸配列を有する請求項
2のコレステロール測定プローブ。 - 【請求項4】 コレステロール酸化酵素変異体が、N末
端アセチル化、糖鎖付加、ミリストイル化、イソプレニ
ル化、またはリン酸化されたコレステロール酸化酵素で
ある請求項1のコレステロール測定プローブ。 - 【請求項5】 レポーター物質が、酵素、蛍光タンパク
質または蛍光物質である請求項1から4のいずれかのコ
レステロール測定プローブ。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかのコレステロ
ール測定プローブと被験物質とを反応させ、測定プロー
ブに結合したレポーター物質から発せられる検出信号の
変化量を測定することを特徴とするコレステロール測定
方法。 - 【請求項7】 請求項1から5のコレステロール測定プ
ローブを必須として含むことを特徴とするコレステロー
ル測定キット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001352225A JP3705763B2 (ja) | 2001-11-16 | 2001-11-16 | コレステロール測定プローブとコレステロール測定方法 |
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WO2018212095A1 (ja) * | 2017-05-16 | 2018-11-22 | 東栄新薬株式会社 | β-1,6-グルカナーゼ変異体とβ-1,6-グルカンの測定方法 |
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- 2001-11-16 JP JP2001352225A patent/JP3705763B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2018212095A1 (ja) * | 2017-05-16 | 2020-04-02 | 東栄新薬株式会社 | β−1,6−グルカナーゼ変異体とβ−1,6−グルカンの測定方法 |
JP7052967B2 (ja) | 2017-05-16 | 2022-04-12 | 東栄新薬株式会社 | β-1,6-グルカナーゼ変異体とβ-1,6-グルカンの測定方法 |
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