JP2003149004A - リニアエンコーダおよびそれを用いたプリンタ - Google Patents

リニアエンコーダおよびそれを用いたプリンタ

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JP2003149004A
JP2003149004A JP2001345701A JP2001345701A JP2003149004A JP 2003149004 A JP2003149004 A JP 2003149004A JP 2001345701 A JP2001345701 A JP 2001345701A JP 2001345701 A JP2001345701 A JP 2001345701A JP 2003149004 A JP2003149004 A JP 2003149004A
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slit
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light emitting
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JP2001345701A
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English (en)
Inventor
Mikio Shiyouki
幹男 笑喜
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Funai Electric Co Ltd
Original Assignee
Funai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で製造も容易であり、なおかつ受光
感度を上げることができるリニアエンコーダを提供す
る。 【解決手段】固定スケール13に対して相対的に移動す
る可動スケールに、固定スケール13のスリットSと平
行な透光性のスリットSが多数形成された第1のスリッ
ト部4aおよび第2のスリット部4bを設ける。第1の
スリット部4aのスリットSが固定スケール13のスリ
ットSと重なった状態において、第2のスリット部4b
のスリットSが固定スケール13のスリットSに対して
所定の位相差(たとえば90°)に相当する距離dだけ
ずれるように、第1,第2のスリット部4a,4bを配
列する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基準位置からの距
離や移動速度等を検出する場合に用いられるリニアエン
コーダに関し、また、このリニアエンコーダを用いたプ
リンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばインクジェットプリンタにおい
ては、インクキャリアの位置や速度等を検出するために
リニアエンコーダが用いられている。特開平7−214
857号公報や特開平9−277643号公報には、リ
ニアエンコーダを搭載したインクジェットプリンタが記
載されている。
【0003】図8は、インクジェットプリンタの概略機
構を示した上面図である。6はDCモータ、7はインク
キャリアであって、インクキャリア7はDCモータ6と
ともに回転するギヤ15とプーリー16との間に架設さ
れたベルト12によりフォワード方向Fとリバース方向
Rに往復移動可能となっている。8はインクキャリア7
の背面に設けられたリニアエンコーダであって、プリン
タ内に設けられた固定スケール13に沿って、インクキ
ャリア7とともに移動する。10はプリンタの構成部品
が収納されるフレームであって、その一対の側壁10
a、10bに跨ってシャフト11が架設されており、こ
のシャフト11に案内されてインクキャリア7が移動す
るようになっている。14はメンテナンス機構であっ
て、インクキャリア7に設けられている印字ヘッド(図
示省略)に対して、ワイピングやキャッピングなどのメ
ンテナンス動作を行なう。
【0004】図9は、リニアエンコーダ8の概略構成を
示した上面断面図である。リニアエンコーダ8は、固定
スケール13を挟んで対向する発光部21と受光部2
2、および受光部22の前面に設けられた可動スケール
23を備えている。固定スケール13と可動スケール2
3には、後述するように透光性のスリットが多数形成さ
れている。プリンタが動作してインクキャリア7ととも
にエンコーダ8が移動すると、発光部21からの光24
が、固定スケール13および可動スケール23のスリッ
トを介して受光部22で受光され、この受光部22から
出力される電気信号に基づいて、インクキャリア7の位
置や速度等が算出される。
【0005】図10は、固定スケール13と可動スケー
ル23の構造を模式的に示した図である。固定スケール
13には、透明部からなるスリットSと、不透明部から
なる遮蔽部Qとが交互に多数形成されている。また、可
動スケール23にも、透明部からなるスリットSと、不
透明部からなる遮蔽部Qとが交互に多数形成されてい
る。固定スケール13のスリットSと遮蔽部Qは垂直方
向に形成されているのに対し、可動スケール23のスリ
ットSと遮蔽部Qは垂直方向に対して一定の傾斜角をも
って形成されている。また、可動スケール23の背面に
は、4つの受光素子A,B,a,bが配設されている。
【0006】インクキャリア7とともにリニアエンコー
ダ8が移動すると、可動スケール23が固定スケール1
3に対してz方向へ相対的に変位する。このとき、可動
スケール23のスリットSが固定スケール13のスリッ
トSに対し傾斜していることから、可動スケール23と
固定スケール13とによってモアレ縞が形成される。こ
のモアレ縞は、可動スケール23の移動とともに垂直方
向へ変位するので、垂直方向に配列された4つの受光素
子A,B,a,bによりモアレ縞を検出することができ
る。その結果、各受光素子A,B,a,bからは、位相
が90°づつずれた4相の検出信号が得られる。このよ
うなモアレ方式のリニアエンコーダは、たとえば特開平
9−196706号公報に記載されている。
【0007】図11は、上述した検出信号を処理する回
路を示している。また、図12は、図11の回路におけ
る信号波形を示した図である。図11において、22は
図9にも示した受光部であって、フォトトランジスタ等
からなる4つの受光素子A,B,a,bから構成され
る。31および32はコンパレータである。
【0008】受光素子Aからは、図12(a)のような
信号が出力され、受光素子aからは、図12(b)のよ
うな信号が出力される。これらの信号はコンパレータ3
1へ入力される。コンパレータ31は、受光素子Aから
の信号レベルと受光素子aからの信号レベルを比較し
て、前者が後者よりも高い場合に「H」の信号を出力
し、逆の場合は「L」の信号を出力する。したがって、
コンパレータ31の出力(A相信号)は図12(c)の
ようになる。
【0009】また、受光素子Bからは、図12(d)の
ような信号が出力され、受光素子bからは、図12
(e)のような信号が出力される。これらの信号はコン
パレータ32へ入力される。コンパレータ32は、受光
素子Bからの信号レベルと受光素子bからの信号レベル
を比較して、前者が後者よりも高い場合に「H」の信号
を出力し、逆の場合は「L」の信号を出力する。したが
って、コンパレータ32の出力(B相信号)は図12
(f)のようになる。
【0010】このようにして、図11の回路からは、図
12(c)および(f)に示したような位相が90°異
なるA相信号、B相信号が取り出され、これらの2つの
パルス信号を後段の演算処理部で処理することによっ
て、インクキャリアの位置や速度等を検出することがで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなモアレ方式のリニアエンコーダは、4つの受光素
子を用いるために構造が複雑であるとともに、これらの
受光素子の位置精度が非常に厳しく要求され、また、可
動スリット23の取付角度にも厳しい精度が要求される
ことから、製造が容易でないという問題がある。加え
て、図10に示したように、各受光素子A,B,a,b
は垂直方向に配置する必要があり、この場合4つの受光
素子を固定スリット13の縦方向寸法xの範囲内に収め
なければならないために、各受光素子の受光面積が小さ
くなり、十分な受光感度が得られないという問題があ
る。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するものであ
って、その課題とするところは、構造が簡単で製造も容
易であり、なおかつ受光感度を上げることができるリニ
アエンコーダを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るリニアエン
コーダでは、受光素子をエンコーダ本体の移動方向に配
列された第1の受光素子と第2の受光素子とから構成
し、第1および第2の受光素子の前面に、固定スケール
のスリットと平行な透光性のスリットが多数形成された
第1および第2のスリット部を有する可動スケールを設
ける。第1および第2のスリット部は、第1および第2
の受光素子とそれぞれ対向配置され、発光素子からの光
は、固定スケールのスリットから可動スケールの第1お
よび第2のスリット部を介して第1および第2の受光素
子でそれぞれ受光される。そして、第1のスリット部と
第2のスリット部は、第1の受光素子から出力される信
号と、第2の受光素子から出力される信号との間に一定
の位相差(たとえば90°)が生じるような位置関係に
配列される。
【0014】このようなリニアエンコーダにあっては、
可動スケールが固定スケールに対して相対的に移動した
場合、各スケールに形成されているスリットが平行な関
係にあるため、従来のようにモアレ縞を生じることはな
く、スリットの透光と遮光というシャッター作用によっ
て、各受光素子から一定の位相差を持った信号を取り出
すことができる。そして、本発明では受光素子は1組設
けるだけでよく、しかも第1の受光素子は第1のスリッ
ト部を透過する光だけを受光し、第2の受光素子は第2
のスリット部を透過する光だけを受光するので、それぞ
れの受光系は完全に独立したものとなる。この結果、受
光側の構造が非常にシンプルになって、精度を確保しや
すくなるとともに製造も容易となり、動作の安定化とコ
ストの低減を図ることができる。さらに、モアレ方式を
用いないので、受光素子は垂直方向に配列する必要がな
くなり、受光素子の受光面積を大きくして受光感度を上
げることができる。
【0015】本発明では、第1の受光素子から出力され
る信号と、第2の受光素子から出力される信号との間に
一定の位相差を生じさせるために、第1のスリット部の
スリットが固定スケールのスリットと重なった状態にお
いて、第2のスリット部のスリットが固定スケールのス
リットに対して前記位相差に相当する距離だけずれるよ
うに第1,第2のスリット部を配列する。このずれの距
離を適当に設定することによって、2つの信号間の位相
差を任意に選定することができる。
【0016】また、本発明では、従来のように4相の出
力信号のうちの2相づつをレベル比較する必要はなく、
2相の出力信号をそのまま矩形波に変換するだけで済
む。この処理のために、第1の受光素子から出力される
信号をあらかじめ決められた基準電圧と比較して波形整
形し、矩形波のパルス信号を生成する第1の波形整形回
路と、第2の受光素子から出力される信号をあらかじめ
決められた基準電圧と比較して波形整形し、矩形波のパ
ルス信号を生成する第2の波形整形回路とが設けられ
る。
【0017】また、本発明では、発光素子をエンコーダ
本体の移動方向に配列された第1の発光素子と第2の発
光素子とから構成してもよい。この場合、第1の発光素
子からの光は、固定スケールのスリットから可動スケー
ルの第1のスリット部を介して第1の受光素子で受光さ
れ、第2の発光素子からの光は、固定スケールのスリッ
トから可動スケールの第2のスリット部を介して第2の
受光素子で受光される。
【0018】また、本発明では、固定スケールのスリッ
トと、可動スケールの第1および第2のスリット部にお
けるスリットは、ともに垂直方向に形成されるのが望ま
しい。これによると、いずれのスケールのスリットにも
角度を付ける必要がないので、固定スケールと可動スケ
ールの制作が容易となる。
【0019】また、本発明のリニアエンコーダは、プリ
ンタに搭載することができる。この場合、リニアエンコ
ーダはインクキャリアに設けられ、インクキャリアとと
もに移動する。本発明のリニアエンコーダを搭載するこ
とで、インクキャリアの位置や速度等を精度よく検出す
ることができ、また、プリンタ全体としてコストを低減
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。なお、本発明が適用されるプリンタ
の構造は、図8に示したものと基本的に同じであり、リ
ニアエンコーダ8が以下に説明するリニアエンコーダ2
0に替わるだけであるので、以下では図8を本発明の実
施形態として引用することとする。
【0021】図1は、本発明に係るリニアエンコーダの
一例であって、図8の右方向からみた場合の側面断面図
を示している。リニアエンコーダ20は、本体21と、
この本体21から下方へ導出された端子17,18とを
備えており、本体21の一方の立壁21aには、発光部
1と、この発光部1の前面に設けられたレンズ部2とが
内蔵されている。また、本体21の他方の立壁21b
は、立壁21aと対向していて、受光部3と、この受光
部3の前面に設けられた可動スケール4とが内蔵されて
いる。13は先に述べたのと同じ固定スケールであっ
て、この固定スケール13を挟んで、発光部1と受光部
3とが対向している。発光部1から発せられた光は、レ
ンズ部2により平行光5となって、固定スケール13お
よび可動スケール4の各スリットを介して受光部3で受
光される。端子17は発光部1を発光させるための電流
を供給する端子であり、端子18は受光部3から出力さ
れる電気信号を取り出すための端子である。
【0022】図2は、上記リニアエンコーダ20の上面
断面図であって、図8の上方向からみた場合の断面図を
示している。図のように、発光部1には、発光素子1a
(第1の発光素子)と発光素子1b(第2の発光素子)
とが、リニアエンコーダ20の移動方向zに一定間隔を
おいて設けられている。これらの発光素子1a,1b
は、たとえば発光ダイオードから構成されている。ま
た、受光部3には、発光素子1aと対向する受光素子3
a(第1の受光素子)と、発光素子1bと対向する受光
素子3b(第2の発光素子)とが、リニアエンコーダ2
0の移動方向zに一定間隔をおいて設けられている。こ
れらの受光素子3a,3bは、たとえばフォトトランジ
スタから構成されている。5aは、発光素子1aから発
せられ、後述する固定スケール13および可動スケール
4のスリットを介して受光素子3aで受光される光であ
り、5bは、発光素子1bから発せられ、固定スケール
13および可動スケール4のスリットを介して受光素子
3bで受光される光である。なお、図2では、図1のレ
ンズ部2の図示を省いてある。このレンズ部2は、本発
明において必須のものではなく、省略することもでき
る。
【0023】図3(a)は、可動スケール4の正面図を
示しており、図3(b)は、固定スケール13の正面図
を示している。図3(a)のように、可動スケール4
は、透光性のスリットが垂直方向に多数形成された窓部
からなるスリット部4a(第1のスリット部)と、同じ
く透光性のスリットが垂直方向に多数形成された窓部か
らなるスリット部4b(第2のスリット部)とを備えて
いる。各スリット部4a,4bには、透明部からなるス
リットSと、不透明部からなる遮蔽部Qとが交互に形成
されている。可動スケール4は透明な樹脂等の材質から
なり、この表面に印刷や金属蒸着等により遮蔽部Qが形
成される。また、固定スケール13も透光性のスリット
が垂直方向に多数形成されており、図3(b)のよう
に、透明部からなるスリットSと、不透明部からなる遮
蔽部Qとが交互に形成された構造となっている。この固
定スケール13も透明な樹脂等の材質からなり、印刷や
金属蒸着等により遮蔽部Qが形成される。
【0024】可動スケール4は、図2に示したように、
受光素子3a,3bの前面に設けられる。このとき、ス
リット部4aは、受光素子3aの前面に設けられて発光
素子1aと対向し、発光素子1aからの光5aは、固定
スケール13のスリットから可動スケール4のスリット
部4aを介して受光素子3aで受光される。また、スリ
ット部4bは、受光素子3bの前面に設けられて発光素
子1bと対向し、発光素子1bからの光5bは、固定ス
ケール13のスリットから可動スケール4のスリット部
4bを介して受光素子3bで受光される。
【0025】可動スケール4が固定スケール13に沿っ
て移動する場合、スリット部4a,4bのスリットS
と、固定スケール13のスリットSが少なくとも一部重
なるときは、スリット部4a,4bのスリットSは
「開」となり、発光素子1a,1bからの光5a,5b
が受光部3a,3bで受光され、受光部3a,3bから
出力が生じる。この出力は、双方のスリットSが完全に
重なったときに最大となる。一方、スリット部4a,4
bのスリットSが固定スケール13の遮蔽部Qと完全に
重なるときは、スリット部4a,4bのスリットSは
「閉」となり、発光素子1a,1bからの光5a,5b
は受光部3a,3bへは到達しないため、受光部3a,
3bから出力は生じない。このように、可動スケール4
と固定スケール13によるスリット部4a,4bのシャ
ッター作用を利用することによって、受光部3a,3b
から所定の信号を得ることができる。
【0026】図4は、スリット部4aとスリット部4b
との位置関係を示した図である。スリット部4aとスリ
ット部4bは、エンコーダ本体21の移動方向z(図
2)に所定間隔をおいて設けられている。そして、本実
施形態では、各スリット部4a,4bは、受光素子3a
から出力される信号と受光素子3bから出力される信号
との間に90°の位相差が生じるような位置関係に配列
されている。すなわち、図4のようにスリット部4aの
スリットSが固定スケール13のスリットSと重なった
状態にあるとき、スリット部4bのスリットSが固定ス
ケール13のスリットSに対して90°の位相差に相当
する距離dだけずれるように配列されている。固定スケ
ール13および各スリット部4a,4bにおけるスリッ
トS、遮蔽部Qの幅はいずれも同じ幅であって、今この
幅を1/300インチとしたとき、スリットSのピッチ
は1/150インチとなる。このピッチは360°の位
相差に相当する距離であるから、上記の距離dを1/6
00インチとすることによって、受光素子3aからの出
力信号と受光素子3bからの出力信号との間に、90°
の位相差を得ることができる。
【0027】図5は、受光素子からの出力信号の位相差
を説明する図である。図5(a)において、上述したよ
うに、固定スケール13のスリットSの幅が1/300
インチ、スリットSのピッチが1/150インチである
とし、また、各スリット部4a,4bのスリットSの幅
とピッチもそれらの値と同じとして、図4でスリット部
4a,4bが左方向へ移動する場合を考える。この場
合、スリット部4aのスリットSが固定スケール13の
スリットSと重なるタイミングは、スリット部4bのス
リットSが固定スケール13のスリットSに重なるタイ
ミングよりも、常にd=1/600インチ(位相差で9
0°)に相当する分だけ早い。したがって、受光素子3
aからの出力信号は図5(b)のようになり、受光素子
3bからの出力信号は図5(c)のようになって、受光
素子3aからの出力信号のほうが90°位相が進むこと
になる。
【0028】一方、図4においてスリット部4a,4b
が右方向へ移動する場合を考えると、スリット部4bの
スリットSが固定スケール13のスリットSと重なるタ
イミングは、スリット部4aのスリットSが固定スケー
ル13のスリットSに重なるタイミングよりも、常にd
=1/600インチ(位相差で90°)に相当する分だ
け早い。したがって、受光素子3bからの出力信号は図
5(b)のようになり、受光素子3aからの出力信号は
図5(c)のようになって、受光素子3bからの出力信
号のほうが90°位相が進むことになる。こうして、受
光素子3a,3bから出力される2つの信号の位相差か
ら、エンコーダが取り付けられている移動体(ここでは
インクキャリア)の移動方向を判別することができる。
【0029】図6は、リニアエンコーダ20の電気的構
成を示した回路図である。図において、1a,1bは発
光ダイオードからなる発光素子、3a,3bはフォトト
ランジスタからなる受光素子、4a,4bは可動スケー
ルのスリット部、13は固定スケールであって、これら
は図1〜図5に示したものと同じものである。51は、
受光素子3aから出力される信号をあらかじめ決められ
た基準電圧Vsと比較して波形整形し、矩形波のパルス
信号を生成するコンパレータからなる波形整形回路(第
1の波形整形回路)である。また、52は、受光素子3
bから出力される信号をあらかじめ決められた基準電圧
Vsと比較して波形整形し、矩形波のパルス信号を生成
するコンパレータからなる波形整形回路(第2の波形整
形回路)である。61〜68は抵抗を表している。
【0030】図7は、図6の回路における信号の波形図
を示している。ここでは、図7(a)を受光素子3aか
ら出力される信号とし、図7(c)を受光素子3bから
出力される信号としている。これらの信号に対して、図
6の抵抗65と抵抗66の分圧比によって決まる基準電
圧Vsが閾値として設定されている。波形整形回路51
では、受光素子3aから出力される信号のレベルと基準
電圧Vsとを比較し、信号レベルが基準電圧Vsを超え
た場合に、図7(b)のような矩形波のパルス信号(A
相信号)を出力する。また、波形整形回路52も、受光
素子3bから出力される信号のレベルと基準電圧Vsと
を比較し、信号レベルが基準電圧Vsを超えた場合に、
図7(d)のような矩形波のパルス信号(B相信号)を
出力する。これらのパルス信号は、前述したように90
°の位相差を有している。そして、この2相のパルス信
号を後段の演算処理部(図示省略)に送って処理するこ
とにより、インクキャリアの位置、速度、移動方向等が
算出される。
【0031】本発明は、上述した実施形態の他にも種々
の形態を採用することができる。たとえば、上記実施形
態においては、受光素子3aからの出力信号と受光素子
3bからの出力信号との間に90°の位相差を持たせて
いるが、図4における距離dを変えることによって、位
相差を任意に設定することができる。
【0032】また、上記実施形態においては、2つの発
光素子1a,1bを用いたが、1個の発光素子によって
各受光素子3a,3bへ光を投射するようにしてもよ
い。また、受光素子としては、フォトトランジスタに代
えてフォトダイオードを用いてもよい。
【0033】また、上記実施形態においては、固定スケ
ール13のスリットと、可動スケール4のスリット部4
a,4bにおけるスリットは、ともに垂直方向に形成さ
れているが、固定スケール13のスリットと可動スケー
ル4のスリットは平行であればよいのであって、両者の
スリットを同じ角度だけ傾斜して設けても差し支えな
い。
【0034】また、上記実施形態においては、リニアエ
ンコーダの適用例としてインクジェットプリンタを例に
挙げたが、本発明のリニアエンコーダはインクジェット
プリンタ以外のプリンタにも適用が可能であり、さら
に、プリンタ以外の機器にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、受光側の構造が非常に
簡単となるので、精度を出しやすくなるとともに製造も
容易となり、これによって動作の安定化とコストの低減
を図ることができる。また、受光素子を垂直方向に配列
する必要がないので、受光素子の受光面積を大きくして
受光感度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリニアエンコーダの側面断面図で
ある。
【図2】本発明に係るリニアエンコーダの上面断面図で
ある。
【図3】可動スケールと固定スケールの正面図である。
【図4】スリット部の位置関係を示した図である。
【図5】受光素子からの出力信号の位相差を説明する図
である。
【図6】本発明に係るリニアエンコーダの電気的構成を
示した回路図である。
【図7】図6の回路における信号の波形図を示した図で
ある。
【図8】インクジェットプリンタの概略機構を示した上
面図である。
【図9】従来のリニアエンコーダの概略構成を示した上
面断面図である。
【図10】従来のリニアエンコーダにおける固定スケー
ルと可動スケールの構造を模式的に示した図である。
【図11】従来のリニアエンコーダにおける信号処理回
路を示した図である。
【図12】図11の回路における信号波形を示した図で
ある。
【符号の説明】
1a,1b 発光素子 3a,3b 受光素子 4 可動スケール 4a,4b スリット部 7 インクキャリア 13 固定スケール 20 リニアエンコーダ 21 本体 51,52 波形整形回路 S スリット Vs 基準電圧

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性のスリットが垂直方向に多数形成さ
    れた固定スケールを挟んで対向する発光素子と受光素子
    とがエンコーダ本体に設けられ、前記本体が固定スケー
    ルに沿って移動する際に、発光素子からの光が固定スケ
    ールのスリットを介して受光素子で受光され、この受光
    素子から電気信号を出力するようにしたリニアエンコー
    ダにおいて、 前記発光素子は、エンコーダ本体の移動方向に配列され
    た第1の発光素子と第2の発光素子とからなり、 前記受光素子は、第1の発光素子と対向する第1の受光
    素子と、第2の発光素子と対向する第2の受光素子とか
    らなり、 第1および第2の受光素子の前面に、透光性のスリット
    が垂直方向に多数形成された窓部からなる第1および第
    2のスリット部を備えた可動スケールを設け、 第1のスリット部は、第1の受光素子の前面に設けられ
    ていて第1の発光素子と対向し、第1の発光素子からの
    光は、固定スケールのスリットから可動スケールの第1
    のスリット部を介して第1の受光素子で受光され、 第2のスリット部は、第2の受光素子の前面に設けられ
    ていて第2の発光素子と対向し、第2の発光素子からの
    光は、固定スケールのスリットから可動スケールの第2
    のスリット部を介して第2の受光素子で受光され、 第1のスリット部と第2のスリット部は、エンコーダ本
    体の移動方向に所定間隔をおいて設けられていて、第1
    の受光素子から出力される信号と第2の受光素子から出
    力される信号との間に略90°の位相差が生じるよう
    に、第1のスリット部のスリットが固定スケールのスリ
    ットと重なった状態において、第2のスリット部のスリ
    ットが固定スケールのスリットに対して前記位相差に相
    当する距離だけずれるように配列されており、 第1の受光素子から出力される信号をあらかじめ決めら
    れた基準電圧と比較して波形整形し、矩形波のパルス信
    号を生成する第1の波形整形回路と、第2の受光素子か
    ら出力される信号をあらかじめ決められた基準電圧と比
    較して波形整形し、矩形波のパルス信号を生成する第2
    の波形整形回路とを設けた、ことを特徴とするリニアエ
    ンコーダ。
  2. 【請求項2】透光性のスリットが多数形成された固定ス
    ケールを挟んで対向する発光素子と受光素子とがエンコ
    ーダ本体に設けられ、前記本体が固定スケールに沿って
    移動する際に、発光素子からの光が固定スケールのスリ
    ットを介して受光素子で受光され、この受光素子から電
    気信号を出力するようにしたリニアエンコーダにおい
    て、 前記受光素子は、エンコーダ本体の移動方向に配列され
    た第1の受光素子と第2の受光素子とからなり、 第1および第2の受光素子の前面に、固定スケールのス
    リットと平行な透光性のスリットが多数形成された第1
    および第2のスリット部を有する可動スケールを設け、 第1および第2のスリット部を第1および第2の受光素
    子とそれぞれ対向配置して、発光素子からの光を、固定
    スケールのスリットから可動スケールの第1および第2
    のスリット部を介して第1および第2の受光素子でそれ
    ぞれ受光し、 第1のスリット部と第2のスリット部は、第1の受光素
    子から出力される信号と、第2の受光素子から出力され
    る信号との間に一定の位相差が生じるような位置関係に
    配列されていることを特徴とするリニアエンコーダ。
  3. 【請求項3】請求2項に記載のリニアエンコーダにおい
    て、 第1のスリット部と第2のスリット部は、第1のスリッ
    ト部のスリットが固定スケールのスリットと重なった状
    態において、第2のスリット部のスリットが固定スケー
    ルのスリットに対して前記位相差に相当する距離だけず
    れるように配列されていることを特徴とするリニアエン
    コーダ。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載のリニアエ
    ンコーダにおいて、 第1の受光素子から出力される信号をあらかじめ決めら
    れた基準電圧と比較して波形整形し、矩形波のパルス信
    号を生成する第1の波形整形回路と、第2の受光素子か
    ら出力される信号をあらかじめ決められた基準電圧と比
    較して波形整形し、矩形波のパルス信号を生成する第2
    の波形整形回路とを設けたことを特徴とするリニアエン
    コーダ。
  5. 【請求項5】請求項2ないし請求項4のいずれかに記載
    のリニアエンコーダにおいて、 前記発光素子は、エンコーダ本体の移動方向に配列され
    た第1の発光素子と第2の発光素子とからなり、 第1の発光素子からの光は、固定スケールのスリットか
    ら可動スケールの第1のスリット部を介して第1の受光
    素子で受光され、第2の発光素子からの光は、固定スケ
    ールのスリットから可動スケールの第2のスリット部を
    介して第2の受光素子で受光されることを特徴とするリ
    ニアエンコーダ。
  6. 【請求項6】請求項2ないし請求項5のいずれかに記載
    のリニアエンコーダにおいて、 固定スケールのスリットと、可動スケールの第1および
    第2のスリット部におけるスリットは、ともに垂直方向
    に形成されていることを特徴とするリニアエンコーダ。
  7. 【請求項7】透光性のスリットが多数形成された固定ス
    ケールと、この固定スケールを挟んで対向する発光素子
    と受光素子とを備えたエンコーダとを備え、前記エンコ
    ーダがインクキャリアに設けられているプリンタにおい
    て、 前記エンコーダは、請求項1ないし請求項6のいずれか
    に記載のリニアエンコーダであることを特徴とするプリ
    ンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017615A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Ricoh Co Ltd マーク検出装置、回転体駆動装置及び画像形成装置
JP2007090610A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Seiko Epson Corp 位置検出装置および液体吐出装置

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