JP2003148593A - ベルト伝動装置およびプーリ - Google Patents
ベルト伝動装置およびプーリInfo
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Abstract
を防止して、異音発生を抑制する。 【解決手段】 Vリブドベルト10をオルタネータ用プ
ーリ20に巻き掛け、Vリブドベルト10のV状突起1
02をオルタネータ用プーリ20のV溝202に係合さ
せる。オルタネータ用プーリ20のVリブドベルト10
に当接する外周面にポリテトラフルオロエチレンを主成
分とするコート層を設け、注水時にVリブドベルト10
およびオルタネータ用プーリ20間におけるスティック
スリップを防止して、異音発生を抑制する。
Description
のベルト伝動装置に関し、特にそのベルト伝動装置に適
用されるプーリに関するものである。
は複数の補機を単一の無端ベルトで多軸駆動するベルト
伝動装置が採用され、特にその専有スペースをコンパク
ト化するために無端ベルトとしてVリブドベルトが広く
利用されている。
は、雨天走行時にはエンジンの下部に位置するタイヤの
跳ね上げ等による水飛沫を浴び易く、エンジンルーム内
に水が飛散するあるいは浸水するとベルトとプーリとの
間でスティックスリップ現象と呼ばれる微小滑りが生
じ、特有の異音を生じることが知られている。この異音
は近年の自動車の静粛化にとって好ましいものではな
い。従来では、ベルト張力を高める、ベルトの表面に微
小短繊維を突出させて浸入した水を積極的に掃き出す、
あるいはベルトのリブを高くしてグリップを向上させる
こと等により、ベルト−プーリ間のスリップを防止して
いるが、これらの対策では異音発生を十分に抑制するこ
とができない。
に鑑みてなされたものであり、回転変動の大きいベルト
伝動装置において注水時でも異音の発生を防止すること
を目的としている。
装置は、Vリブドベルトと、Vリブドベルトが巻きかけ
られる面にポリテトラフルオロエチレンを主成分とする
コート層が形成されるプーリとを備えることを最も主要
な特徴とする。これによりVリブドベルトおよびプーリ
間で積極的な滑りを発生させスティックスリップを抑え
ることにより、注水時においても異音の発生を防止する
ことができる。
形成されるプーリは異音の音源となるプーリであること
が好ましく、例えばベルト伝動装置に用いられるプーリ
の中で最も小径のプーリ、あるいはベルト伝動装置に用
いられるプーリの中で最も大きい負荷を受けるプーリで
あることが好ましい。一般的には相対的に小径で大きい
負荷が作用するオルタネータプーリである。
ルトを用いたベルト伝動装置に設けられるプーリであっ
て、Vリブドベルトが巻きかけられる面にポリテトラフ
ルオロエチレンを主成分とするコート層が形成されるこ
とを特徴とする。
添付図面を参照して説明する。
装置を簡単に示すレイアウト図である。このベルト伝動
装置は図示しない自動車のエンジンルーム内に設けら
れ、無端のVリブドベルト10を複数のプーリ12、1
4、16、18および20の周囲に巻回して成る。駆動
源であるエンジンのクランク軸に連結されたクランクプ
ーリ12が回転させられると、Vリブドベルト10を介
してその回転駆動力がエアーコンディショナー用プーリ
14、パワーステアリング用プーリ16、ウォーターポ
ンプ用プーリ18およびオルタネータ用プーリ20の順
に伝達され、各補機が作動させられる。クランクプーリ
12とウォーターポンプ用プーリ18との間にはVリブ
ドベルト10を背面から弾性を持って押圧するオートテ
ンショナが配されており、このオートテンショナのテン
ショナプーリ22が実線位置と破線位置との間で揺動す
ることにより、走行中のVリブドベルト10に適切な張
力を与えられると共に、回転数の変動等により生じるV
リブドベルト10の振動が抑制される。
動装置において相対的に最も小径のプーリであり、エン
ジン回転数の変動即ちクランクプーリ12の角速度変動
の影響を受けやすい。なぜなら、オルタネータ用プーリ
20はクランクプーリ12より小径であるため、その回
転速度はクランクプーリ12の回転速度より大きく、角
速度変動がさらに顕著となるからである。また、オルタ
ネータは発電のためにベルト伝動装置の中で相対的に大
きい負荷を発生し、またオルタネータ用プーリ20自身
の回転慣性が大きいため、Vリブドベルト10の速度変
動が大きいとVリブドベルト10との間で微小な位置ず
れ、即ち微小滑りが生じやすい。
角速度変動および負荷が大きいプーリでは、Vリブドベ
ルト10との間にスティックスリップが生じ易く、特有
の異音が発生しやすい。本実施形態においてはこのステ
ィックスリップを防止するために、以下に説明するよう
にオルタネータ用プーリ20の改良を行っている。
20をVリブドベルト10の一部と共に示す斜視図であ
る。Vリブドベルト10の内周面にはベルト長手方向に
延びるV状突起102が複数個形成され、オルタネータ
用プーリ20の外周面にはこれらV状突起102に対応
する寸法形状のV溝202が形成される。V状突起10
2および対応するV溝202がそれぞれ係合することに
より、Vリブドベルト10からオルタネータ用プーリ2
0へ駆動力が伝達される。
から形成されるベルト本体104と、このベルト本体1
04に埋設された心線コード106とを備え、必要に応
じてベルト表面は帆布108により覆われる。ベルト本
体104は、耐熱性および耐オゾン性に優れた合成ゴ
ム、例えばクロロプレンゴムやエチレン−プロピレン−
ジエン三元共重合体(EPDM)を主成分とする配合ゴ
ムから形成され、配合ゴムには必要に応じて短繊維、例
えば綿やアラミド繊維等が混入される。心線コード10
6は引張強度に優れたポリエステル繊維やアラミド繊維
等の素材からなる。
ポリテトラフルオロエチレンを主成分とするコート層2
04が形成される。このコート層204は図2のように
少なくともVリブドベルト10に当接する外周面に設け
られていればよく、コート層の設ける領域は本実施形態
に特に限定されない。
チレンを主成分とする配合材料から生成され、特に高硬
度で耐磨耗性、非粘着性に優れたデュポン社製のセラミ
ックフッ素塗料から形成されることが好ましい。コート
層204は、オルタネータ用プーリ20の本体部206
を成形した後、その外周面にセラミックフッ素塗料の接
着性を向上させるための前処理を行った後、吹き付け等
によってセラミックフッ素塗料を付着させ、さらにセラ
ミックフッ素塗料が塗布された本体部206を焼成す
る。これにより、コート層204が形成される。なお、
コート層204が磨耗に十分耐え得るだけの厚みを有す
るように上記工程を複数回繰り返してもよい。本体部2
06は、成形が容易で高強度、かつセラミックフッ素塗
料の焼成温度(約420℃)に耐え得る金属材料、例え
ば鉄系合金から形成されることが好ましい。
亜鉛メッキ処理あるいはカチオン塗装処理が施され、ポ
リテトラフルオロエチレンを主成分とするコート層は設
けられていなかった。このような従来のオルタネータ用
プーリを用いたベルト伝動装置においては、自動車の雨
天走行時などエンジンルームに水、あるいは氷結防止の
電解質成分(塩分)を含んだ水が浸入すると、ベルト−
プーリ間に水が付着して微小滑りを生じる、所謂スティ
ックスリップ現象を生じ、異音が発生することが知られ
ている。このスティックスリップ現象は、エンジン回転
数の変動即ちクランクプーリ12の角速度変動が大きい
ことに起因し、クランクプーリ12より小径であってか
つ電気負荷によって回転軸にかかる負荷が相対的に大き
いオルタネータ用プーリ20で生じやすい。
ベルトのV状突起の高さ(以下、リブ高さと記載する)
を従来のベルトのリブ高さより大きく設定することによ
り、Vリブドベルトのオルタネータ用プーリ側への押圧
力を高めてスティックスリップを防止する、あるいはV
リブドベルトの構造または材質を改良したり一方向クラ
ッチを設けてVリブドベルトに無理な応力が作用するの
を防止することにより騒音の低下を図る等、種々の改良
が試みられてきた。しかし、これらの試みは異音の発生
を抑制することについては効果的でない場合もあった。
リ20の外周面に、摩擦係数が小さくスティックスリッ
プを生じ難いという摩擦特性を有するポリテトラフルオ
ロエチレンを主成分とするコート層を設け、Vリブドベ
ルト10およびオルタネータ用プーリ20間をある程度
積極的に滑らせている。この構成により、Vリブドベル
ト10の材質を従来と変えることなくまた構成の複雑な
一方向クラッチを設けることなく、注水時であってもス
ティックスリップを防止し、異音の発生を低減すること
ができる。なお、ベルト張力はVリブドベルト10から
オルタネータ用プーリ20に確実に動力伝達できる値に
調整される。
用いて注水実験を行ったところ、異音発生現象がみられ
なかったことが確認された。この注水試験において、オ
ルタネータ用プーリ20のコート層として、耐熱性25
0℃、ビッカース硬度77kgf/mm2のセラミック
フッ素塗料(デュポン社)が用いられ、その膜厚は約5
0μmであった。注水はウォーターポンプ用プーリ18
とオルタネータ用プーリ20との間(図1の矢印A〜E
が示す位置)で行われた。
ーリ20についてのみコート層を設けているが、特にオ
ルタネータ用プーリ20に限定されることはなく、ベル
ト伝動装置において異音が生じ易いプーリに適用しても
よい。
装置は、相対的に小径で負荷の大きいオルタネータ用プ
ーリの外周面にポリテトラフルオロエチレンを主成分と
するコート層を設けているため、Vリブドベルト10お
よびオルタネータ用プーリ20間を積極的に滑らせてス
ティックスリップを防止することができるので、回転変
動の大きいベルト伝動装置において注水時でも異音の発
生を防止できるという利点がある。
レイアウト図である。
て示す図であって、Vリブドベルトの一部と共に示す斜
視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 Vリブドベルトと、前記Vリブドベルト
が巻きかけられる面にポリテトラフルオロエチレンを主
成分とするコート層が形成されるプーリとを備えること
を特徴とするベルト伝動装置。 - 【請求項2】 前記プーリが前記ベルト伝動装置に用い
られるプーリの中で最も小径のプーリであることを特徴
とする請求項1に記載のベルト伝動装置。 - 【請求項3】 前記プーリが前記ベルト伝動装置に用い
られるプーリの中で最も大きい負荷を受けるプーリであ
ることを特徴とする請求項1に記載のベルト伝動装置。 - 【請求項4】 前記プーリがオルタネータプーリである
ことを特徴とする請求項1に記載のベルト伝動装置。 - 【請求項5】 Vリブドベルトを用いたベルト伝動装置
に設けられるプーリであって、前記Vリブドベルトが巻
きかけられる面にポリテトラフルオロエチレンを主成分
とするコート層が形成されることを特徴とするプーリ。
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---|---|---|---|
JP2001344181A JP3771166B2 (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | ベルト伝動装置およびプーリ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009299883A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-12-24 | Unimatec Co Ltd | 歯付ベルト及び歯付ベルトの製造方法 |
JP2011095124A (ja) * | 2009-10-30 | 2011-05-12 | Nsk Ltd | 軸受試験装置 |
WO2019208740A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 三ツ星ベルト株式会社 | Vリブドベルト及びその用途 |
US11906016B2 (en) | 2018-04-27 | 2024-02-20 | Mitsuboshi Belting Ltd. | V-ribbed belt and application thereof |
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2001
- 2001-11-09 JP JP2001344181A patent/JP3771166B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN112005029B (zh) * | 2018-04-27 | 2022-02-18 | 三之星机带株式会社 | 多楔带及其用途 |
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