JP2003147690A - 高白色度の非木材機械パルプの製造方法 - Google Patents

高白色度の非木材機械パルプの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高白色度の高品質の短繊維及び長繊維の非木材
パルプを排水の環境負荷を少なくして製造する方法を提
供する 【解決手段】第1段で漂白し第2段で解繊することでパ
ルプ化を可能とする。漂白液は主として過炭酸ナトリウ
ム又は過酸化水素のアルカリ金属の炭酸塩水溶液からな
り、所望により少量の助剤を用い調製する。非木材セル
ロース原料を漂白した後、叩解機等の解繊機で処理して
単繊維化することにより、高白色度の非木材機械パルプ
を高収率でかつ環境負荷を極めて小さくして、製造する
ことを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非木材繊維原料から
高白色度の機械パルプを製造する方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】砕木パルプ(GP)で代表される機械パル
プは、本来針葉樹の丸太を水で濡らしながら回転式のグ
ラインダーで機械的に磨り潰して作るもので、90%を
越す高収率を示すが白色度と強度は低い。GPは極度に高
収率であるのでリグニンの含有量が木粉並みに多い。高
度の漂白をすれば収率が激減するので、軽度の漂白をし
て半晒しのGPを得、半晒しのNKP(針葉樹のクラフトパ
ルプ)を20%程度配合して新聞用紙などの下級印刷用
紙の製造に供され、大きな需要があった。
【0003】針葉樹資源の枯渇に伴い、針葉樹に比べて
繊維が短い広葉樹のチップを用いて良質の機械パルプを
製造する研究が盛んになった。例えばホットリファイナ
ーを用い広葉樹チップを高温高圧下で磨砕するパルプ化
法(TMP法)や、さらに化学薬品を用い広葉樹チップを
熱処理して軟化させ、機械的に繊維を取り出すことによ
ってパルプの強度をTMP法のパルプより向上させるパル
プ化法(CTMP法)などが出現した。しかし、このように
熱処理によって得られるパルプの白色度は一般に低下す
るので、その漂白は更に困難な問題であった。
【0004】バガス(砂糖きびの絞り粕)やバナナの古
木などの農産廃棄物で代表される短繊維及び長繊維を有
する非木材セルロース原料は、毎年大量に発生するが高
度の利用がなされてない。短繊維原料を利用して良質の
短繊維パルプが製造出来れば、木材パルプの製造に使わ
れてきた年間約5.5億mの木材の大半が節約できる
し、長繊維原料から良質の長繊維パルプが製造できれば
特殊紙や不織布の原料として需要が生まれるとして、幾
多の困難の中で非木材パルプの新しい製造法が種種試み
られている。なかでも簡単な装置、単純な工程で高白色
度のGP,TMP及びCTMP等の高収率パルプ(本発明では以下
機械パルプと総称)を製造することは極めて困難であっ
たが、その成功に大きな期待が寄せられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題とは非木
材セルロース原料を用い、ありふれた設備、容易に入手
し得る薬品と極めて単純な方法で高白色度の機械パルプ
を環境負荷が極度に小さい状態で製造可能な方法を提供
することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】発明者は、非木材繊維原
料から高白色度の機械パルプを得るため多年努力してき
た。製糖工場から大量に排出されるバガスは、色が白
く、組織が柔らかく、繊維質に富むが、水分と残糖が多
く残り極めて腐り易く変色しやすく、貯蔵と輸送が困難
で、大半が利用されずに廃棄されていた。多くの研究者
がバガスのパルプ化に挑戦し、その結果収率はかなり低
いが高白色度の化学パルプの製造に成功し、一部では工
業生産が行われている。
【0007】一般に非木材繊維原料は木材に比べて木化
が進んでないのでリグニン含有量が少なくなくヘミセル
ロースが多く、組織が柔らかくポーラスなため、化学パ
ルプ化法や、セミケミカル法(半化学パルプ化法)で軽
度の蒸解を行ったのでは、得られるパルプはべたべたし
やすく、抄紙適性が悪くなるので約30%ものピス(髄
質)を除き強度の蒸解を行うので、通常最終の収率は3
0%程度まで低下する。また純粋な機械パルプ化法に頼
れば繊維が粉々になりやすくここでも、約30%ものピ
ス(髄質)を取り除き、白色度の低下を犠牲にしてもTM
P法又はCTMP法で高温パルプ化処理を行わなければ、抄
紙の際の水抜けが悪くパルプは使い勝手が悪いので通常
最終収率は60%程度と機械パルプとしては極めて悪
く、白色度を上げることも困難で用途は限られていた。
【0008】このように、バガスを含め非木材繊維原料
の機械パルプ化法については多くの努力にも関わらず成
功例の報告のないことに発明者は疑問を抱き、自分の研
究を含め従来の研究開発の実績を丹念に調査し或ものは
追試した結果、木材パルプの手法及び手順が非木材のパ
ルプ化では逆の効果を示すものが多い事に気付き、逆転
の発想を持って最初から取組んだ結果、当初に期待した
以上の成果が得られるようになった。更に改良を重ねる
ことにより、従来この分野の技術の常識では考えられな
い程プロセスを簡略化することに成功した。
【0009】上述のように非木材繊維原料は、化学パル
プ化法や、セミケミカル法(半化学パルプ化法)で蒸解
を行ったのでは、得られるパルプはべたべたして水切れ
が悪く、抄紙適性が悪くなるのでピス(髄質)を除き強
度の蒸解を行うのでその分、収率は大きく低下する。し
かも高白色度に漂白するため、グニンを蒸解で完全に除
こうとすれば、繊維原料中のヘミセルロースをはじめと
する50%近くの有機物は可溶化して廃液固形分に変る
ので最終の収率は30%程度まで低下する。そのため環
境負荷が極めて大きくなる。色の白いバガスは蒸解中に
色が付くので、未晒パルプは白くするために塩素系漂白
剤による多段漂白が必要となる。しかして、世間の期待
に反して非木材パルプの製造は環境問題との大きな戦い
でもあった。
【0010】またパルプの収率を上げるため純粋な機械
パルプ化法に頼れば繊維が粉ごなになり強度は落ち、抄
紙の際の水抜けが悪く、パルプは使い勝手が悪いので、
ここでも大量のピスを取り除き、更に白色度を犠牲にし
てTMP法又はCTMP法等で高温パルプ化処理を行わなけれ
ばならなかった。そのため最終の収率は60%程度と木
材の機械パルプの90%台と比べて極度に悪くなる、リ
グニン含有量が極めて多いため、漂白で白色度を上げる
ことも困難なため用途は限られていた。
【0011】今回、発明者は脱ピスをしないバガスを約
10cmに切り過炭酸ナトリウムを添加した。バガスは
保存性が良くなり2ケ月以上たっても腐敗せず、白いバ
ガスが更に漂白されて白くなり、さらに柔軟になること
を知った。この予め漂白したバガスをビーターに掛けた
ところ容易に解繊して白色度75.2%で微かに黄色味
のある砕木パルプ状のものを得た。このパルプ状のもの
は所望により亜硫酸ナトリウムで処理することにより黄
色味は消え白色度は83.4%に達した。前者のパルプ
にNBKP(針葉樹の晒クラフトパルプ)を20%配合して
漉いてみたところ高白色度で丈夫な下級印刷用紙を白色
度78.3%で得るることに成功した。
【0012】すなわち本発明では、従来常識とされてき
た製造工程を逆転させることにより、組織が柔らかい非
木材セルロース原料は、第1工程では解繊していなくて
も漂白が行え更に柔らかくなった。第2工程で白くかつ
柔らかくなった非木材セルロース原料を常温か又はそれ
に近い温度で解繊すことによって高白色度の機械パルプ
の製造が可能となった。さらに詳しく述べれば、硬質繊
維原料のバガスに限らず葉繊維のアバカ、靭皮繊維の楮
(こうぞ)を始め、非木材セルロース原料の殆どが木材
チップに比べポーラスであるか繊維状であり、何れも組
織が濡れ易く、漂白液の浸透が容易である。漂白剤の添
加とともに白色度の向上と組織の膨潤軟化が同時に進む
ので、機械処理による解繊が可能となり、パルプ化の目
的が一挙に達成できるようになった。しかして非木材パ
ルプを得ようとする人々は、従来のように高温で解繊し
て得られる白色度の低い未晒パルプに対し、報いられる
ことの少ない漂白作業を夢中で行う空しさから解放され
るようになった。
【0013】
【発明の実施の形態】
【0014】本発明に適用できる非木繊維原料の種類は
極めて広い。リグニン含有量が比較的多くて硬い、いわ
ゆる硬質のパルプ原料とされてきたバガス(砂糖きびの
絞り粕)や葦(あし)、エスパルトや、稲、麦等のわら
類等種類が多い。リグニン含有量の少なく、いわゆる軟
質のパルプ原料としてはアバカやバナナのような葉繊
維、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がん
ぴ)、亜麻やジュート、ケナフのような靭皮繊維等が、
含まれる。これら非木材繊維原料はパルプ化に際し常圧
下で攪拌されるので、原料の長さは3〜300mm、好
ましくは30〜100mmである。
【0015】湿潤バガスは残糖の他と水分が約50%も
あり、稲、麦等は収穫の時は未だ水分が15〜35%も残
るため腐敗し易く着色して、繊維原料として劣化が急速
に進むためパルプ原料としての評価は低く、特に機械パ
ルプの原料と見なされていなかった。
【0016】本発明を小型工場で行う場合、漂白液の調
製に過炭酸ナトリウムを用いれば反応が温和で安定した
固体の粒子として取り扱えるので、反応の過激な過酸化
水素の水溶液を専用のタンクに入れたり取り扱う不便さ
がなくなる。大型工場では、コスト削減のため、当然大
型のタンクと計量ポンプを設備することも、更には自家
生産することも可能であろ。その使用量は過炭酸ナトリ
ウムの形であれば3〜100%、好ましくは5〜30%
である。また過酸水素化水素の形で加えるなら、H2O2
として0.3〜10%、好ましくは1〜5%である。ア
ルカリの使用量はNa2COとH2O2 のモル比で0.5〜
5、好ましくは1.2〜3である。カリウム塩を用いる
場合もK2CO3とH2O2との使用量の比はナトリウム塩と同
様のモル比が推奨される。
【0017】漂白の際、助剤として以下の少なくとも1
種以上を添加することが望ましい。過酸化水素の安定剤
として水ガラス、DTPA(ディエチレン.トリアミン.ペン
タ.アセティックアシド又はそのナトリウム塩)、EDTA
(エチレン.ディアミン.テトラアセティックアシド又は
そのナトリウム塩)及び、ディフォスフォン酸等のキレ
ート剤及びアントラキノン、アミノアントラキノン等の
アントラキノン類が挙げられる。NMP(ノルマルメチル
ピロリドン)の添加は樹脂の溶出を助け樹脂障害を防ぐ
効果がある。薬品の使用量として、水ガラスは 0.1
〜3%、好ましくは0.3〜1%で、キレート剤は0.0
5〜2%、好ましくは0.1〜0.5%で、アントラキ
ノン類は0.02〜0.5%、好ましくは0.03〜
0.2%である。NMPの添加量は0.03〜0.5%で、
好ましくは0.06〜0.2%である。
【0018】液比は0.7〜10 L/kg で, 好ましくは
1.5〜3.5 L/kg である。
【0019】非木材セルロース原料の漂白は、温度は0
〜110℃、好ましくは室温から90℃で、時間は90
℃であれば1時間で極めて薄いクリーム色で高白色度に
漂白され柔軟になる。なお室温又は低温で長時間保持す
る方がパルプを更に高白色度で得るためには望ましい。
バガスや湿潤稲わら等の貯蔵に際して漂白液を用いるこ
とは保存性を高め原料を安定供給するうえでも、原料を
柔軟にする上でも、また高白色度の機械パルプを得るう
えでも好ましい。また漂白後もしくは解繊後に亜硫酸塩
の水溶液で常温又は高温で処理することは黄色味のない
純白のパルプを得る上で好ましい。
【0020】本発明では、漂白後の繊維原料は大規模生
産の場合にはディスクリファイナー又は及びニーダータ
イプの強制攪機付きの反応容器を用い高濃度で繊維を傷
めずに解繊処理をして大量のパルプを連続的に生産可能
である。また、多品種小ロット生産で、特にビーターを
用いれば極少量の原料による低濃度解繊で極少量生産が
可能である。エッジランナーを用いれば少量高濃濃度処
理により繊維を傷めずにパルプ化が可能である。長繊
維、及び短繊維非木材繊維原料は何れも解繊作用を受け
単繊維状になり、それぞれ長繊維及び短繊維の高白色度
の非木材機械パルプを高収率で、かつ環境負荷を少なく
して得ることが出来る。
【0021】本発明の実施に必要な設備について特筆で
きることは第1段の漂白工程は常温漂白または弱い加温
漂白を行うのみであるから、既存のパルプ工場にあって
はまったく新たな設備を必要としない。また第2段の解
繊工程も紙パルプ工場にあってはまったく当然の設備で
あるので、本発明の実施に伴う初期投資を必要とせずに
済ますことができる。長繊維および短繊維いずれの非木
材繊維原料からでも従来技術では到底考えられなかった
高収率で高白色度の機械パルプが得られる。特に原料の
精選が行われ熱水抽出物の少ないアバカやバナナの繊維
を原料とする場合には90%以上の高収率で白色度85
%もの未晒パルプが得られた。
【0022】
【実施例】以下実施例をもって本発明をさらに説明す
る。ただし、本発明は当該実施例のみに限定されるもの
ではない。また、特に指定しない限り「%」は重量%を
指す。また本発明では、パルプ廃液に移行する繊維原料
の有機物の量を減らして環境負荷を減らすのが最大の目
的の一つでもあるので、パルプの収率はパルプ絶乾量/
繊維原料絶乾量で表示した。
【0023】
【実施例1】葉繊維原料としてバナナの古木から採取し
た良質のバナナ繊維を長さ55mmに切断したものを絶
乾量で100kg用いた。漂白液としては炭酸ナトリウ
ムをNa2CO3 として8kgと、過酸化水素を H2O2とし
て3kg、DTPAを200g、アントラキノン30g、NM
Pを100gを水200Lと混合し60℃に加温して加
え.5時間漂白した。 漂白後ビーターで30分間処理
して離解してパルプ化した。得られた長繊維パルプはC.
S. F.650 mL 、白色度82.2%で収率は92.
5%を示したた。これを従来のAP法で蒸解し、総塩素使
用量5%で漂白し収率53%で長繊維の晒パルプ1トン
生産するのと本発明でパルプを1トン生産するのとを、
収率と原料中の有機物の溶出量で比較すれば、本発明実
施例により収率は1.7倍に、廃棄物量は1/10以下
に低減し得ることが明らかになった。得られたパルプ
は、篩分け試験の結果14メッシュオン38.2%、2
8メッシュオン21.8%、100メッシュオン13.
2%、200メッシュオン10.2%、200メッシュ
パス16.6%であった。残りのパルプは更にビーター
C.S.F.500mLまで叩解し、手漉きを行い坪量70g/m
2のバナナの厚手和紙を得た。
【0024】
【実施例2】硬質のセルロース原料としてバガスのパル
プ化を行った。バガスは製糖工場で排出する水分49.
5%で長さ5cmの湿潤バガス200kgを用いた。こ
れに漂白剤として過炭酸ナトリウム 10kg、DTPA 3
0g, 硫酸マグネシウムをMgO として100g アン
トラキノン30gを予め混合した物を漂白剤として直接
添加混合し、30日間貯蔵後トラックで300km輸送
し、実験工場の土場で10日間貯蔵した(この13日間
の温度23〜32℃)のち解繊に供した。解繊工程は緩圧
式の強制攪拌装置付きのニーダーで液比1.3 L/kgで20
分間処理し、ぼそぼその状態にほぐした。この間発熱に
より原質の最高温度は80℃に達した。水を加えて原質
濃度25%としてディスクリファイナーに掛けて精砕し
パルプ化した。得られたパルプは白色度が79.2%
裂断長が2.8km、比破裂強度 1.9で収率は90.
1%であった。同パルプにKBKPを20%配合して抄紙試
験を行い極めて白い新聞用紙(白色度82.2%)が得
られた。もしバガスを脱ピスして従来のKP法で未晒パル
プを得、これを塩素系の漂白剤を用いて4段漂白で同じ
白色度まで漂白してパルプを37%で得るとしたのと比
べ、パルプの収量は2.5倍近くになることが明らかに
なった。
【0025】
【実施例3】セルロース原料として楮を長さ30mmに
切断したものを絶乾量で10.0kg用いた。漂白液と
しては過炭酸ナトリウムを1.2kg、しゅう酸ナトリ
ウム500g、水ガラス100g、DTPA10g、硫酸マグ
ネシウム15g、を水80Lに溶かしたものを漂白液と
して調製した。150L容のステンレス製の容器に楮と
80℃に予め加温した漂白液を入れて2.5時浸漬し漂
白した。漂白後ビーターで30分間処理して解繊し、白
色度86.9%の未晒の長繊維機械パルプを収率91.
8%で得た。この際副生するパルプ廃液固形分とNSP法
で収率65%でパルプを得る際に副生する廃液固形分量
を製品パルプ1トン当たりで比較したが、1/3以下に軽
減し得ることが分かった。得られたパルプは更にビータ
ーでC.S.F350mLまで叩解して手漉きを行い、
得られた紙は断長11.1km、比破裂強さ5.8、
比引き裂き強さ221を示した。
【0026】
【発明の効果】巨大なパルプ工場から零細なパルプ工場
に至るまで既存の設備を殆どそのまま用いて、高白色度
で良質の長繊維及び短繊維の非木材の機械パルプが極め
て高収率で、かつ排水の環境負荷を大幅に削減できる簡
便な製造方法を提供することが出来るようになった。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過炭酸ソーダ又はアルカリ金属の炭酸塩と
    過酸化水素のモル比で0.5〜2.0の混合液を漂白液
    として、非木材植物繊維原料に加え、加温せずに漂白処
    理するか、又は所望により加温して漂白処理するのを第
    1工程とし、漂白された繊維原料を機械的に解繊してパ
    ルプ状にすることを第2工程とし、第1工程から第2の
    順に繊維原料を処理することを特徴とする、高白色度の
    非木材機械パルプの製造方法。
  2. 【請求項2】非木材繊維原料が靭皮で、第1工程におい
    て漂白液にアルカリ金属のしゅう酸塩を添加することを
    特徴とする請求項1の方法、
  3. 【請求項3】第1工程において漂白液にパルプ収率増加
    剤としてアントラキノン類、過酸化水素安定剤として水
    ガラス又は及びキレート剤、、セルロース安定剤としてマ
    グネシウム化合物、脱樹脂剤としてNMP(ノルマルメチル
    ピロリドン)のうち少なくとも1種以上を添加すること
    を特徴とする請求項1及び2の方法。
  4. 【請求項4】非木材繊維原料の保存に漂白液の一部又は
    全部を使うことを特徴とする請求項1、2及び3の方法
  5. 【請求項5】第1工程における漂白処理が常圧下の沸点
    以下でかつ2時間以内であることを特徴とする請求項
    1、2,3及び4の方法。
  6. 【請求項6】漂白後の機械的解繊にビーター又はエッジ
    ランナーを用いることを特徴とする請求項1、2,3,
    4及び5の方法。
  7. 【請求項7】漂白後の機械的解繊にディスクリファイナ
    ーを用いることを特徴とする請求項1、2,3,4,及
    び5の方法。
  8. 【請求項8】第2工程で、ディスクリファイナーを用い
    る前にニーダータイプの高濃度の強制攪拌機で処理する
    ことを特徴とする請求項1、2,3,4、5及び6の方
    法。
  9. 【請求項9】漂白後又は解繊後にアルカリ金属の亜硫酸
    塩で処理することを特徴とする請求項1、2,3,4,
    5,6及び7の方法
  10. 【請求項10】パルプ廃液に第1鉄塩を加え、所望によ
    り空気を送入しつつ攪拌して処理することを特徴とする
    請求項1,2,3、4、5、6、7及び8の方法。
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