JP2003147639A - 芯鞘型複合繊維及び該繊維からなる繊維構造体とその製造方法 - Google Patents

芯鞘型複合繊維及び該繊維からなる繊維構造体とその製造方法

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JP2003147639A
JP2003147639A JP2001347381A JP2001347381A JP2003147639A JP 2003147639 A JP2003147639 A JP 2003147639A JP 2001347381 A JP2001347381 A JP 2001347381A JP 2001347381 A JP2001347381 A JP 2001347381A JP 2003147639 A JP2003147639 A JP 2003147639A
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fiber
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composite fiber
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Masakazu Ochi
将一 越智
Tomoji Saeki
知司 佐伯
Tetsuhiro Yoshida
哲弘 吉田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】快適性に優れ、かつ保温性と軽量感に優れてい
てソフト(心地良い)でしっとり感のある独特な風合を
有する芯鞘型複合繊維および該繊維からなる繊維構造体
とその製造方法を提供すること。 【解決手段】芯成分Aが共重合成分を共重合されてなる
ポリエステルポリマーで、かつ、鞘成分Bがポリカプラ
ミドポリマーであって、少なくとも2成分からなる芯鞘
型複合繊維であって、且つ繊維の物性が、下記条件
(1)〜(5)を満足することを特徴とする芯鞘型複合
繊維。 繊維の物性 (1)繊度・・・・0.9dtex以上11.0dte
x (2)捲縮数・・・5山/25mm以上25山/25m
m以下 (3)捲縮率・・・5%以上30%以下 (4)乾強度・・・0.5cN/dtex以上10.0
cN/dtex以下 (5)乾伸度・・・5%以上100%以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芯鞘型複合繊維お
よび該繊維を用いてなる繊維構造体とその製造方法に関
する。更に詳しくは保温性や軽量感及びソフトな(心地
良い)風合い、生産性(生産収率)に優れたナイロン中
空繊維からなる繊維構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合繊維はポリエステルをはじ
め、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等、あらゆる繊維素材で生産されており、今日におい
てもなお、国内外を問わずさまざまな合繊企業等で研究
・開発されている。
【0003】しかしながら複合繊維の製造プロセスは主
として単一成分ポリマのみを用いた非複合繊維と比較す
ると複雑となり生産性は高くない。特に紡糸工程で溶融
条件、紡糸後の糸冷却(チムニ)等の条件設定が、複数
の成分ポリマを扱うため非複合繊維と比べて複雑とな
り、その製造条件及びプロセスは、より高度な技術が必
要となっている。
【0004】更に、近年にはこの複合繊維に加えて添加
剤をポリマに含有させた抗菌、消臭、防汚、難燃、吸放
湿繊維や2成分のポリマを張り合せたストレッチ繊維、
また芯鞘構造を利用した防透け、熱接着繊維、特殊な口
金(ノズル)を使用して紡糸させた異型断面繊維等の機
能性を持たせた複合繊維が数多く開発され広く知られて
いる。
【0005】この中でも保温性と軽量感とを両方持ち合
せた中空断面繊維は布団綿等の寝装具(ファイバーフィ
ル)用途やジャンパー・コート中入れ綿等の衣料用途に
幅広く用いられている。該用途に適した合成繊維素材と
しては、その優れた強さ・イージーケア性などの面から
ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
【0006】しかしながら、ポリエステルは安価でドラ
イ感があり、中空繊維としても嵩が高くボリュームがあ
る反面、吸放湿性、風合(肌触り)に乏しい。一方、ナ
イロン繊維は吸放湿性が高く、風合が良好である反面、
ポリマが高価でまた中空繊維とする際にポリマ自体の比
熱が高いために紡糸製造時において中空部が熱によって
融着し高中空構造になりにくい。これに加えて、ナイロ
ンポリマー自体のモジュラスが低いことから、高次加工
(カード工程、ニードルパンチ工程、樹脂含浸工程、染
色工程等)を通過する際に中空構造が潰れてしまうとい
う問題点があり、軽量感・保温性を生かすのに最適な繊
維及びその製造方法は無かった。
【0007】これまで中空繊維はポリエステル製を用い
たものがあるが、風合の点に乏しくまたナイロン製のも
のについても前記に記述した同様の理由で高い中空率を
持った中空繊維を得ることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような従来技術では得ることができなかった快適性
に優れ、かつ保温性と軽量感に優れていてソフト(心地
良い)でしっとり感のある独特な風合を有する芯鞘型複
合繊維および該繊維からなる繊維構造体とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】芯成分Aが共重合成分を
共重合されてなるポリエステルポリマーで、かつ、鞘成
分Bがポリカプラミドポリマーであって、少なくとも2
成分からなる芯鞘型複合繊維であって、且つ繊維の物性
が、下記条件(1)〜(5)を満足することを特徴とす
る芯鞘型複合繊維。
【0010】繊維の物性 (1)繊度・・・・0.9dtex以上11.0dte
x (2)捲縮数・・・5山/25mm以上25山/25m
m以下 (3)捲縮率・・・5%以上30%以下 (4)乾強度・・・0.5cN/dtex以上10.0
cN/dtex以下 (5)乾伸度・・・5%以上100%以下
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の芯鞘型複合繊維に
ついて、詳細に説明をする。
【0012】本発明の芯鞘型複合繊維は、芯成分と鞘成
分を有し、芯成分Aが共重合成分を0.5wt%以上2
0.0wt%以下の範囲で共重合されてなるポリエステ
ルポリマーで、もう一方の鞘成分Bがポリカプラミドポ
リマーであって、少なくとも2成分からなるものであ
る。
【0013】本発明において、芯成分Aの共重合成分と
は生産性、アルカリ溶出除去性が良好であることからス
ルフォン化芳香族ジカルボン酸が好ましい。このスルフ
ォン化芳香族ジカルボン酸の代表的なものとしては、5
−ナトリウムスルフォイソフタル酸ジメチルが挙げら
れ、本発明でも好ましいものとして使用することができ
る。
【0014】本発明において、芯成分Aのポリエステル
ポリマーは変性ポリエステルの結晶構造の安定性(紡糸
性の安定化)及びアルカリによって保温性及び軽量感が
良好となる観点から共重合成分を0.5wt%以上2
0.0wt%以下の範囲で共重合されたものが好まし
く、3.0wt%以上10.0wt%以下であればより
好ましい。
【0015】本発明において、芯成分Aを構成するポリ
エステルとしては、染色加工工程にてアルカリ処理を行
い溶出除去する関係上、易溶性ポリマーであることが好
ましい。
【0016】かかる易溶性ポリエステルポリマーとして
は、例えば、スルフォン化芳香族酸変性ポリエステルで
あり、スルフォン基を有する化合物がポリエステルの連
鎖または末端の一部に含まれ、変性されたポリエステル
を用いることができる。より具体的には、ポリエチレン
テレフタレート(PET)あるいはポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、あるいは、これらを主成分とする
共重合ポリエステル等にスルフォン化芳香族ジカルボン
酸、あるいはその塩を共重合させてなる変性されたポリ
エステル等を用いることが好ましい。
【0017】一方、鞘成分Bを構成するポリカプラミド
はポリε−カプラミド(ナイロン6)からなるポリカプ
ラミドが好適であるが、セバシン酸、イソフタル酸、パ
ラキシレンジアミドなどを構成成分とするポリカプラミ
ドあるいはこれらの共重合ポリカプラミド等を用いても
良い。
【0018】本発明において、不活性粒子として、例え
ば酸化チタン(二酸化チタンを含む)、コイダイルシリ
カ、湿式シリカ、乾式シリカ等の酸化ケイ素、カリオ
ン、炭酸カルシウム、ジルコニアを用いることができ
る。その中でも酸化チタンは紡糸性、繊維風合い(柔ら
かさ・ソフト風合い)の点で好ましい。
【0019】また、本発明の芯鞘型複合繊維を構成する
ポリマーAとポリマーBに含まれる不活性粒子の含有率
の和(A+B)は紡糸性、繊維風合い(柔らかさ・ソフ
ト風合い)が良好であるという観点から0.05wt%
以上5wt%以下の範囲であることが必要であり、0.
30wt%以上1wt%以下であれば好ましい。また、
紡糸性が良好であるという観点から、一方の成分に含ま
れる不活性粒子の含有率を他方の成分Bに含まれる不活
性粒子の含有率で除した(割り算した)数値A/Bが
0.1以上10.0以下の範囲であることが必要で、好
ましくは0.4以上1.5以下である。
【0020】次に本発明の複合繊維の物性について、該
繊維における単糸の繊度は風合いが良好であるという観
点から0.9デシテックス以上11.0デシテックス以
下であることが必要で、1.3デシテックス以上6.6
デシテックス以下であれば好ましく、繊維の風合がより
良好となる理由から1.5デシテックス以上2.0デシ
テックス以下であれば、より好ましい。もし繊度が0.
9T未満の場合、紡糸性(紡糸製造時の収率)、及びカ
ード通過性が悪くなり、11.0Tより高い場合、風合
いが悪くなる。
【0021】本発明の複合繊維において、捲縮形態は特
に限定はされないが、カード通過性が良好であるという
観点から、2次元捲縮、スパイラル捲縮が好ましく、そ
の中でも2次元捲縮がより好ましい。捲縮数については
カード通過性の観点から5山/25mm以上25山/2
5mm以下であることが必要であり、好ましくは12山
/25mm以上20山/25mm以下である。捲縮率に
ついてはカード通過性の観点から、5%以上30%以下
であることが必要で好ましくは10%以上20%以下で
ある。
【0022】捲縮数が5山/25mm未満で、かつ、捲
縮率が5%未満であると、短繊維(ステープル)同士の
絡合性が低いため高次加工時にカード通過性が悪くなる
ので好ましくない。捲縮数が25山/25mmを越え、
捲縮率が30%よりも高くてもカード通過性が悪くな
る。
【0023】また、乾強度については、本発明の複合繊
維を用いた繊維構造体(不織布)の耐久性の観点から
0.5cN/dtex以上10.0cN/dtex以下
であることが必要であり、好ましくは2.0cN/dt
ex以上3.0cN/dtex以下である。乾強度が
0.5cN/dtexよりも低いと、破裂強度が低くな
るので好ましくない。逆に乾強度が10cN/dtex
を超えると繊維の風合いが硬くなるので好ましくない。
【0024】本発明の複合繊維において、乾伸度はカー
ド通過性の観点から5%以上100%以下であることが
必要であり、好ましくは20%以上50%以下である。
【0025】乾伸度が5%より低いと、繊維の風合いが
硬くなるので好ましくない。100%よりも高いと繊維
構造体(不織布)にした場合の絡合強度が低下するので
好ましくない。
【0026】本発明における繊維形態としては、低コス
ト、加工のしやすさという点から短繊維(ステープル)
が望ましく、繊維の切断長である繊維長についてはカー
ド通過性が良好となる観点から考慮して20mm以上1
15mm以下の範囲であれば好ましく、30mm以上7
0mm以下であればより好ましい。
【0027】本発明の複合繊維の繊維断面形状について
は、芯鞘構造であれば良く、特に限定されるものではな
いが、同心円状の芯鞘型複合繊維が代表的であり生産性
(紡糸性)が好ましい。しかしながら、芯鞘が相対的に
偏芯しているものや、全体が丸型・四角型・三角型・五
角形以上の多角形、十字型、雲形等のいずれの形でもよ
い。また、芯が、単一の芯ではなく多芯状であってもよ
い。
【0028】芯鞘型複合繊維における「芯成分(A)/
鞘成分(B)」の複合割合(重量%:wt%)は(A)
20/(B)80〜(A)80/(B)20の範囲が好
ましく、(A)40/(B)60〜(A)60/(B)
40の範囲であれば精度良く(紡糸生産性が良好で)、
良好な軽量感または保温性を得られるという観点からよ
り好ましいものである。
【0029】なお、本発明では芯成分をアルカリによっ
て溶出除去するため、芯成分の複合割合とは該繊維の中
空率を意味する。
【0030】A成分の重量%=繊維単糸の中空率 また、本発明で言う中空率とは、該繊維の断面を顕微鏡
付きカメラで約400倍の倍率で撮影し、でき上がった
写真から下記式にて算出された値を言う。
【0031】繊維単糸の中空率(%)=中空部分の面積
/繊維断面全体の面積×100 つまり、A成分の割合(重量%)が高いほど中空率は高
くなり、該繊維からなる繊維構造体(不織布等)の保温
性や軽量感が良好なものとなる。したがって、保温性の
わりに高度な軽量感と低目付感が実現できる。
【0032】本発明で言う繊維構造体には、糸や、織物
や編物、不織布、フェルト、植毛加工品(立毛品)、毛
皮ライクなパイル立毛品、モケット(カーシート)等が
挙げられるが、軽量感・保温性を兼ね備えた素材である
ため、不織布が好ましい。
【0033】また、用途としては、衣料用途や資材用途
に好適に用いられ、本発明で言う衣料用途とは身体に着
用する布地製品を指し、冬物・春物・秋物のカジュアル
衣料(防寒着を含む)や、アウトドアー衣料(キャンプ
衣料、登山服等)・スポーツ衣料(スキー、スノーボー
ド等のウインタースポーツ衣料、バイクのライダーウェ
ア等のモータースポーツ衣料等)、帽子生地、スラック
ス(靴下)に、より好適に用いられる。また本発明で言
う資材用途とは衣料用途以外で、全ての物を作る素とな
る材料を指し、具体的には鞄地(旅行鞄、スポーツバッ
ク、手提げ袋、通学鞄、通勤鞄、ビジネス鞄等)、寝装
具(布団カバー、枕カバー、シーツ等)、タオル(ハン
ドタオル、ハンカチ、バスタオル等)、椅子・ソファー
カバー、椅子・ソファー表層材、マスク等に好ましく用
いることができる。
【0034】次に、本発明にかかる繊維の製造方法につ
いて説明する。
【0035】一般的な方法で、紡糸、延伸更には切断し
芯鞘型複合繊維を短繊維(ステープル)として得ること
が好ましい。また繊維形態(種類)について長繊維(フ
ィラメント)と短繊維(ステープル)とがあるが捲縮に
よるボリューム感で良好な風合が得られる短繊維(ステ
ープル)が好ましい。
【0036】次に、該繊維からなる繊維構造体(不織布
等)の製造方法については詳細に説明する。本発明は、
いずれの製法でも好ましく用いられ、例えば、長繊維不
織布でも、短繊維不織布でも差し支えない。また、ニー
ドルパンチ、ウォータージェットパンチ、熱ロールや熱
エンボスによる熱圧着、接着剤による接着、あるいは低
融点繊維の混用による熱接着など、いずれの製法でも差
し支えない。
【0037】上述の通り本発明における繊維構造体の製
造方法は特に限定しないが、ポリエステルとポリカプラ
ミドポリマーの芯鞘型複合原綿をオープナーで開繊後、
カードマシンでウェブを作成し、それを樹脂含浸してア
ルカリ処理を行い、芯部のポリエステルを溶出して中空
構造を形成することにより、単位面積あたりの繊維構造
体(不織布等)の重さ(目付)が軽く、かつ中空部に熱
伝導率の小さい空気層が存在することによって、軽量か
つ保温性に優れた繊維構造体(不織布等)を得るのが好
ましい。
【0038】芯部の変性ポリエステルなどポリエステル
成分を溶出除去するためのアルカリ処理には、薬剤とし
て苛性アルカリ、例えば、苛性ソーダ、苛性カリなどを
用いれば良い。その処理条件は、芯鞘複合比率や布帛を
構成する該原綿の混用比率などによっても相違するが、
一般的には苛性アルカリ濃度は10〜80g/リット
ル、処理温度は常温で溶出しても良いが、80〜120
℃の条件を用いることが好ましい。染色は無くてもあっ
ても差し支えないが、染色する場合にはポリカプラミド
染着のために通常用いられる染料および染色条件を採用
すればよい。
【0039】本発明に係る繊維構造体(不織布等)にお
いて、目付は300g/m2 以下でかつ保温性を示すC
LO値が人が一般的に暖かいという感覚を得ることがで
きる観点から0.75以上あることが好ましい。
【0040】一般に、衣服の保温性が高いときの要因フ
ァクターとして考えられることは、その素材自体の熱伝
導率が低いこと、その繊維構造体(不織布等)の厚みが
大きいこと、すなわち、空気層を多く含むこと等が挙げ
られる。従って、保温性を高めるためには目付が大きく
なるように繊維構造体(不織布等)設計をすればよい。
しかし、それでは繊維構造体としての密度が高いものと
なり、軽量感が損なわれる。更に不織布重量の他にも各
種の副素材の重量が加わり最終製品としてかなりの重量
となる。従って生地の目付としては300g/m2 以下
とすることが好ましく、更に好ましくは260g/m2
以下である。
【0041】本発明に係る繊維構造体(不織布等)は、
かかる軽量感を実現した上で、保温性を表すCLO値が
0.75以上との高い値を呈するのであり、該CLO値
が0.75以上とは、冬季下(15℃以下)での軽い運
動時に必要と言われる保温性能を満足するものである。
【0042】本発明における不織布とは、芯鞘型複合繊
維の短繊維(ステープル)を用いて高次加工(カードマ
シン、ニードルパンチマシンを通過)後に得られる不織
布を言う。高次加工において、上述の原綿を100%で
使用することが本発明の本来のねらいである保温性、軽
量感などの特性を十分に発揮する上でより効果的である
が、本発明にかかる繊維構造体(不織布等)は、該原綿
100%使いのものに限られず、他の原綿との混紡品で
あっても良く、いずれにあっても従来技術では得られな
い特徴ある繊維構造体(不織布等の)商品を創出できる
ものである。
【0043】この際に、染色加工工程でアルカリ処理に
よる溶出を行うため、アルカリに対して耐久性のある素
材との組合せを考慮することが実際的である。
【0044】本発明により得られる構造体(不織布等)
は、その軽量感・保温性を兼ね備えた特徴から、衣料用
途や資材用途等に好適に用いられ、その機能特性を十分
に発揮できるものである。
【0045】すなわち、該用途に使用される繊維構造体
(不織布等)について、従来は高密度、太番手で繊維構
造体(不織布等)に形成されることから必然的に高重量
となり、一般的には400g/m2 前後の目付が普通で
あったものであるが、該重量感は快適性を著しく損ねる
結果となっていた。
【0046】かかる問題が、本発明によれば、例えば4
0%のポリエステル成分の複合比率にした場合には、そ
のまま40%程度の軽量化を実現できことになる。
【0047】更に、これが使用されるシーンを想定すれ
ば、保温性も必要不可欠なものであり、軽量感と保温性
との両方をも有する繊維構造体(不織布等)を提供でき
る。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0049】表1に実施例、比較例の結果を示す。また
表1に示す条件および特性は、以下の方法により求め
た。
【0050】なお、表1においては、ポリマー種類名を
下記の表現にて表している。
【0051】A.ポリエステルポリマー:PET B.ポリカプラミドポリマー:N6 (1)芯成分割合 芯成分割合を下記式で表す。
【0052】芯成分割合(wt%)=ポリエステルポリ
マーの重量/(ポリエステルポリマーの重量+ポリカプ
ラミドポリマーの重量)×100 (2)鞘成分割合 鞘成分割合を下記式で表す。
【0053】鞘成分割合(wt%)=ポリカプラミドポ
リマーの重量/(ポリエステルポリマーの重量+ポリカ
プラミドポリマーの重量)×100 <繊維の物性> (1)捲縮数:短繊維弾性試験機を用い、試料に単糸繊
度(デシテックス)当たり0.18mNの初荷重を与え
たときの繊維長さと掴み間隔内の山数を読み取り、25
mmあたりの捲縮数(山数)に換算して求めた。
【0054】 捲縮数(山/25mm)=(Cn×25)/(2×L) Cn:捲縮の山と谷の数の平均値(山) L :初荷重を掛けたときの繊維長の平均値(mm) (2)捲縮率 単糸繊度(デシテックス)当たり13.23mNの規定
荷重を与えて、捲縮が伸ばされたときの繊維長さを測
り、0.18mNの初荷重を与えたときの繊維の長さと
の差を規定荷重を掛けたときの長さに対する百分率で求
めた。
【0055】 捲縮率(%)=(L2−L1)/L2×100 L1:初荷重2mgを掛けたときの繊維長さの平均値
(mm) L2:規定荷重150mgを掛けたときの繊維長さの平
均値(mm) (3)乾強度および乾伸度 短繊維(ステープル)を滑沢紙に貼り付け、マッケンジ
ー短繊維引張試験機または自動引張試験機を用いて引張
速度20g/分のスピードで、短繊維(ステープル)を
引張り、繊維が切断したときの強力および伸度を求め
た。
【0056】なお、前提条件としてこのときの引っ張り
速度は20g/分とした。
【0057】 乾強度(cN/dtex)=0.9807×S/d 注)dtex:デシテックス S:標準状態(室温20℃、湿度65%RH)における
切断強力の平均値(g) d:試料の単糸繊度(dtex) 乾伸度(%)=(E2−E1)/(L+E1)×100 L :繊維単糸の掴み間隔(mm) E1 :緩み長平均値(mm) E2 :標準状態(室温20℃、湿度65%RH)にお
ける切断伸び平均値(mm) (4)繊維長 グリセリン塗布したスケール板上で繊維の捲縮がなくな
る程度に伸ばして繊維の長さを標準状態(室温20℃、
湿度65%RH)下で測り100本の平均値で平均繊維
長を求めた。
【0058】平均繊維長(mm)=L/100 L:100本の短繊維長の和 以下、生産性・繊維構造体の性能について下記に表す基
準で評価を実施した。 <評価基準> ◎:著しく良い。
【0059】 ○:良い。
【0060】 △:悪い。
【0061】 ×:著しく悪い <繊維・繊維構造体の生産性> (5)紡糸性(繊維の生産性) 複合口金で紡出せしめた糸条を9℃±2℃の範囲内で冷
却器で均一に冷却し、次いで800〜1500m/分の
速度で引取って未延伸糸とする紡糸工程において、生産
量1tに対して口金直下での単糸切れの回数を測定し
た。
【0062】なお、単糸切れとは紡糸生産におけるトラ
ブルであり、これによってマシン正常復帰まで屑が発生
する。従って、糸切れ回数が増加することは、生産収率
の低下を意味するものである。
【0063】 ◎:0.5回/t未満のもの。
【0064】 ○:0.5回/t以上1.0回/t未満のもの。
【0065】 △:1.0回/t以上5.0回/t未満のもの。
【0066】 ×:5.0回/t以上のもの。 (6)カード通過性(繊維構造体の生産性) 高次加工(カード通過時)においてウエブ切れ、ネップ
発生、シリンダー巻き付きなどのトラブルが無く順調に
紡出できたものを◎:優良、上記のトラブルが発生する
最高紡出速度が130〜140m/分のものを○:良
好、更に100〜130m/分のものを△:通過可、1
00m/分未満のものを×:通過不良、の4段階で表し
た。 <繊維構造体の性能> (7)軽量感(目付) 本発明の繊維構造体から25cm×25cmの不織布
(布帛試験片)を作成し、平衡水分率以下となるまで十
分に乾燥後、20℃、65%RHの室内に24時間放置
し、水分平衡とした後に、その試験片の重量を測定し
た。得られた試験片の重量を1m2 あたりに換算し、布
帛片2枚について平均値で表した。
【0067】 ◎:200g/m2 未満のもの。
【0068】 ○:200g/m2 以上、260g/m2 未満のもの。
【0069】 △:260g/m2 以上、300g/m2 未満のもの。
【0070】 ×:300g/m2 以上のもの。 (8)破裂強度試験 破裂強度試験とは編み地の強度を評価するものであり、
ミューレン形法でJIS L1018(A法)に準じた
方法で試験を実施し、以下の4段階で表したものであ
る。
【0071】 ◎:5.0kg/cm2 以上のもの。
【0072】 ○:4.0kg/cm2 以上5.0kg/cm2 未満の
もの。
【0073】 △:3.0kg/cm2 以上4.0kg/cm2 未満の
もの。
【0074】 ×:3.0kg/cm2 未満のもの。 (9)風合い 全ての実施例・比較例で得られた不織布を10人の判定
者が手の平での触感により官能判定したものであり、以
下の4段階で表したものである。
【0075】 ◎:10人全員が風合い良好と判定した。
【0076】 ○:7人〜9人が良好と判定したもの。
【0077】 △:4人〜6人が良好と判定したもの。
【0078】 ×:3人以下が良好と判定したもの。 (10)CLO値(保温性) 50cm×50cm試験片を2枚採取する。ASTM保
温性試験器を用い、熱板温度40℃の熱板に試験片を取
り付けて60分間放置する。測定時間放置後の積算電力
計の通電時間(秒)、および測定器の外気温度(℃)を
読みとる。
【0079】試験片を取り付けない状態積算電力計の通
電時間(秒)を読みとる。上記で求めた試験片を取り付
けないときの通電時間(秒)、試験片を取り付けたとき
の通電時間(秒)および外気温度から次式により、CL
O値を求め2枚の平均値で表す。 保温率(%)=(a−b)/a×100 CLO値={(6.54×(40−t)}/b/0.1
8 ここで、a:試験片を取り付けないときの通電時間(s
ec/Hr) b:試験片を取り付けたときの通電時間 (sec/
Hr) t:測定器の示す外気温度(℃) CLO値での保温性判定基準 ◎:0.80以上のもの。
【0080】 ○:0.75以上、0.80未満のもの。
【0081】 △:0.50以上、0.75未満のもの。
【0082】 ×:0.50未満のもの。
【0083】なお、CLO値についてはその数値が高い
ほど、暖かく保温性に優れているものである。 <総合判定>総合判定として、以下の4段階で表示し
た。
【0084】 ◎:著しく良い。
【0085】 ○:良い。
【0086】 △:悪い。
【0087】 ×:著しく悪い。 実施例1 芯成分に5−ナトリウムスルフォン酸ジメチルを8wt
%共重合し、酸化チタン粒子を0.30wt%添加した
ポリエステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化
チタン粒子を0.38wt%添加したポリカプラミドポ
リマー(N6)を用いて「芯成分(A)/鞘成分
(B)」の複合割合(重量%)を45%(A)/55%
(B)として紡糸速度を1300m/分で紡糸した後、
3.0倍で通常の延伸を行い、捲縮付与後、カットして
下記の原綿物性(短繊維の品質)を有する芯鞘型複合繊
維を得た。
【0088】 (1)繊度・・・・1.7dtex (2)捲縮数・・・18山/25mm (3)捲縮率・・・18% (4)乾強度・・・2.5cN/dtex (5)乾伸度・・・40% (6)繊維長・・・38mm この複合繊維原綿100%を用いて、通常の高次加工方
式でオープナー、カード、クロスラッパーを用いてウェ
ブを作製し、ニードルパンチにて片面50本/cm2
仮交絡を行なった後、ウォータージェットパンチにおい
て水圧90kgf/cm2 で表裏1回ずつ処理し、不織
布を作製した。
【0089】こうして得られた不織布を、液流染色機に
よって、苛性ソーダ水溶液50g/リットルの濃度と
し、処理温度110℃、処理時間60分で処理し、芯の
ポリエステル成分の溶出除去を行った。 実施例2 芯成分に5−ナトリウムスルフォン酸ジメチルを12w
t%共重合したポリエステル(PET)を用いた以外
は、実施例1と同様な方法および条件で高次加工を得て
不織布を作成した。 実施例3 芯成分に5−ナトリウムスルフォン酸ジメチルを2wt
%共重合したポリエステル(PET)を用いた以外は実
施例1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布
を作成した。 実施例4 芯成分に酸化チタン粒子を1.00wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を1.27wt%添加したポリカプラミドポリマ
ー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法および
条件で高次加工を得て不織布を作成した。 実施例5 芯成分に酸化チタン粒子を0.05 wt%添加したポ
リエステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チ
タン粒子を0.063wt%添加したポリカプラミドポ
リマー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法お
よび条件で高次加工を得て不織布を作成した。 実施例6 芯成分に酸化チタン粒子を0.30wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を0.12wt%添加したポリカプラミドポリマ
ー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法および
条件で高次加工を得て不織布を作成した。 実施例7 芯成分に酸化チタン粒子を0.30wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を0.50wt%添加したポリカプラミドポリマ
ー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法および
条件で高次加工を得て不織布を作成した。 実施例8 芯鞘型複合繊維の単糸繊度を9.9Tとした以外は実施
例1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を
作成した。 実施例9 芯鞘型複合繊維の単糸繊度を1.1Tとした以外は実施
例1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を
作成した。 実施例10 芯鞘型複合繊維の捲縮数を22.0山/25mm、捲縮
率を22.0%とした以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で、高次加工を得て不織布を作成した。 実施例11 芯鞘型複合繊維の捲縮数8.0山/25mm、捲縮率を
8.0%とした以外は実施例1と同様な方法および条件
で高次加工を得て不織布を作成した。 実施例12 芯鞘型複合繊維の乾強度を5.0cN/dtexとした
以外は実施例1と同様な方法および条件で高次加工を得
て不織布を作成した。 実施例13 芯鞘型複合繊維の乾強度を1.0cN/dtexとした
以外は実施例1と同様な方法および条件で高次加工を得
て不織布を作成した。 実施例14 芯鞘型複合繊維の乾伸度を70%とした以外は実施例1
と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作成
した。 実施例15 芯鞘型複合繊維の乾伸度を10%とした以外は実施例1
と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作成
した。 実施例16 芯鞘型複合繊維の繊維長を80mmとした以外は実施例
1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作
成した。 実施例17 芯鞘型複合繊維の繊維長を25mmとした以外は実施例
1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作
成した。 実施例18 芯鞘型複合繊維の芯鞘比率(芯成分:鞘成分の割合)を
30%:70%とした以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で高次加工を得て不織布を作成した。 実施例19 芯鞘型複合繊維の芯鞘比率(芯成分:鞘成分の割合)を
70%:30%とした以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例1 芯成分に5−ナトリウムスルフォン酸ジメチルを共重合
していない(共重合率:0wt%)ポリエステル(PE
T)を用いた以外は実施例1と同様な方法および条件で
高次加工を得て織物を作成した。 比較例2 芯成分に酸化チタン粒子を6.00wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を7.59wt%添加したポリカプラミドポリマ
ー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法および
条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例3 芯成分に酸化チタン粒子を0.02wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を0.025wt%添加したポリカプラミドポリ
マー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例4 芯成分に酸化チタン粒子を0.30wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を6.00wt%添加したポリカプラミドポリマ
ー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法および
条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例5 芯成分に酸化チタン粒子を0.30wt%添加したポリ
エステル(PET)を用い、一方の鞘成分には酸化チタ
ン粒子を0.02wt%添加したポリカプラミドポリマ
ー(N6)を用いた以外は実施例1と同様な方法および
条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例6 芯鞘型複合繊維の芯鞘比率(芯成分:鞘成分の割合)を
10%:90%とした以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例7 芯鞘型複合繊維の芯鞘比率(芯成分:鞘成分の割合)を
90%:10%とした以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例8 芯鞘型複合繊維の単糸繊度を15.5Tとした以外は実
施例1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布
を作成した。 比較例9 芯鞘型複合繊維の単糸繊度を0.7Tとした以外は実施
例1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を
作成した。 比較例10 芯鞘型複合繊維の捲縮数を30.0山/25mm、捲縮
率を35.0%とした以外は実施例1と同様な方法およ
び条件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例11 芯鞘型複合繊維の捲縮数を4.0山/25mm、捲縮率
を4.0%とした以外は実施例1と同様な方法および条
件で高次加工を得て不織布を作成した。 比較例12 芯鞘型複合繊維の乾強度を14.0cN/dtexとし
た以外は実施例1と同様な方法および条件で高次加工を
得て不織布を作成した。 比較例13 芯鞘型複合繊維の乾強度を0.1cN/dtexとした
以外は実施例1と同様な方法および条件で高次加工を得
て不織布を作成した。 比較例14 芯鞘型複合繊維の乾伸度を120%とした以外は実施例
1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作
成した。 比較例15 芯鞘型複合繊維の乾伸度を3%とした以外は実施例1と
同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作成し
た。 比較例16 芯鞘型複合繊維の繊維長を130mmとした以外は実施
例1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を
作成した。 比較例17 芯鞘型複合繊維の繊維長を10mmとした以外は実施例
1と同様な方法および条件で高次加工を得て不織布を作
成した。 比較例18 ポリカプラミドポリマー(N6)を100%用いて、す
なわち、芯鞘複合とはせず、実施例1と同様な方法で不
織布を得て、該不織布を染色加工において精錬、リラッ
クス後、通常のナイロン染色条件にて加工し不織布を得
た。 比較例19 ポリヘキサメチレンアジパミドポリマー(N66)を1
00%用いて、すなわち、芯鞘複合とはせず、実施例1
と同様な方法で不織布を得て、該不織布を染色加工にお
いて精錬、リラックス後、通常のナイロン染色条件にて
加工し不織布を得た。 比較例20 5−ナトリウムスルフォン酸ジメチルが共重合されてい
ないポリエステル(PET)を100%用いて、すなわ
ち芯、鞘複合とはせず、実施例1と同様な方法で不織布
を得て、該不織布を染色加工において精錬、リラックス
後、通常のナイロン染色条件にて加工し不織布を得た。 比較例21 ポリカプラミドポリマー(N6)を100%用いて、す
なわち、中空構造を有した口金(ノズル)を用いて直接
的に中空繊維として紡糸し、実施例1と同様な方法で不
織布を得て、該不織布を染色加工において精錬、リラッ
クス後、通常のナイロン染色条件にて加工し不織布を得
た。 比較例22 ポリヘキサメチレンアジパミドポリマー(N66)を1
00%用いて、すなわち、中空構造を有した口金(ノズ
ル)を用いて直接的に中空繊維として紡糸し、実施例1
と同様な方法で不織布を得て、該不織布を染色加工にお
いて精錬、リラックス後、通常のナイロン染色条件にて
加工し不織布を得た。 比較例23 5−ナトリウムスルフォン酸ジメチルが共重合されてい
ないポリエステル(PET)を100%用いて、すなわ
ち、中空断面糸の紡糸可能な構造を有した口金(ノズ
ル)を用いて直接的に中空繊維として紡糸し、実施例1
と同様な方法で不織布を得て、該不織布を染色加工にお
いて精錬、リラックス後、通常のナイロン染色条件にて
加工し不織布を得た。
【0090】以上の実施例、比較例の条件等を表1、表
2に示した。また、それぞれについて評価した結果を表
3、表4に示した。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では得ること
が困難であった、快適性に優れ、かつ保温性と軽量感に
優れていてソフト(心地良い)でしっとり感のある独特
な風合を有する芯鞘型複合繊維および該繊維からなる繊
維構造体(織物、立毛、パイル織物、不織布等)を得る
ことができ、該繊維構造体は、衣料用途(防寒衣料
等)、各種の資材用途(鞄地等)などに好適に用いられ
得るものである。
【0096】本発明の方法は、上記の芯鞘型複合繊維と
繊維構造体を製造良好な紡糸性、高次加工性(カード通
過性等)を実現し、高い生産収率性と生産性に優れたも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:32 D06M 101:34 101:34 9/04 Fターム(参考) 4L031 AA18 AA20 AB06 AB10 AB34 BA11 CA01 DA00 DA01 4L041 AA07 AA20 BA02 BA05 BA21 BA49 BA59 BC20 BD11 CA10 CA21 CB05 CB25 DD01 DD11 DD14 DD23 EE05 EE15 EE20 4L047 AA21 AA23 AA27 AB07 AB09 BA03 BA04 CC01 DA00 4L048 AA20 AA24 AA28 AA33 AA34 AA48 AA49 AA55 AA56 AB01 AC19 DA01 EB04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分Aが共重合成分を共重合されてなる
    ポリエステルポリマーで、かつ、鞘成分Bがポリカプラ
    ミドポリマーであって、少なくとも2成分からなる芯鞘
    型複合繊維であって、且つ繊維の物性が、下記条件
    (1)〜(5)を満足することを特徴とする芯鞘型複合
    繊維。 繊維の物性 (1)繊度・・・・0.9dtex以上11.0dte
    x (2)捲縮数・・・5山/25mm以上25山/25m
    m以下 (3)捲縮率・・・5%以上30%以下 (4)乾強度・・・0.5cN/dtex以上10.0
    cN/dtex以下 (5)乾伸度・・・5%以上100%以下
  2. 【請求項2】芯成分Aの共重合成分が0.5wt%以上
    20.0wt%以下の範囲で共重合されてなることを特
    徴とする請求項1に記載の芯鞘型複合繊維。
  3. 【請求項3】芯鞘型複合繊維における芯成分(A)/鞘
    成分(B)の複合割合(重量%)が(A)20/(B)
    80〜(A)80/(B)20の範囲であることを特徴
    とする請求項1に記載の芯鞘型複合繊維。
  4. 【請求項4】AポリマまたはBポリマ中に不活性粒子が
    含有されていることを特徴とする請求項1に記載の芯鞘
    型複合繊維であって、且つAポリマとBポリマ中に含ま
    れる不活性粒子の含有率及び含有比率が、下記条件
    (6)、(7)を満足することを特徴とする芯鞘型複合
    繊維。 (6)[Aの含有率(%)]/[Bの含有率(%)]=0.
    1以上10.0以下 (7)[Aの含有率(%)]+[Bの含有率(%)]=0.
    05wt%以上5wt%以下
  5. 【請求項5】芯鞘型複合繊維の繊維長が20mm以上1
    15mm以下の短繊維であることを特徴とする請求項1
    に記載の芯鞘型複合繊維。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5に記載の芯
    鞘型複合繊維が用いられて、しかる後、該芯鞘型複合繊
    維から芯成分Aが除去された繊維から構成されているこ
    とを特徴とする繊維構造体。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4または5に記載の芯
    鞘型複合繊維が100%用いられ、しかる後、該芯鞘型
    複合繊維から芯成分Aが除去された繊維から構成されて
    いて、かつ目付が300g/m2 以下で保温性を示すC
    LO値が0.75以上であることを特徴とするナイロン
    不織布。
  8. 【請求項8】衣料用途に使用されるものであることを特
    徴とする請求項6に記載の繊維構造体。
  9. 【請求項9】資材用途に使用されるものであることを特
    徴とする請求項6に記載の繊維構造体。
  10. 【請求項10】請求項1〜5のいずれかに記載の芯鞘型
    複合繊維を用いて繊維構造体を形成し、しかる後、該芯
    鞘型複合繊維中の芯成分(A)を溶液等により溶出し該
    繊維を中空化せしめ、繊維構造体を得ることを特徴とす
    る繊維構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜5のいずれかに記載の芯鞘型
    複合繊維中の芯成分(A)をアルカリ溶液により溶出せ
    しめ、繊維構造体を得ることを特徴とする繊維構造体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜5のいずれかに記載の芯鞘型
    複合繊維を用いて繊維構造体を形成し、しかる後、該芯
    鞘型複合繊維中の芯成分(A)をアルカリ溶液により溶
    出せしめ、繊維構造体を得ることを特徴とする繊維構造
    体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105814249A (zh) * 2013-09-27 2016-07-27 可乐丽可乐富丽世股份有限公司 保液片及面膜

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