JP2003147378A - グリース組成物およびそれを用いた転がり軸受 - Google Patents

グリース組成物およびそれを用いた転がり軸受

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転がり軸受の音響性能と耐フレッチング性と
を同時に向上することができる新規なグリース組成物
と、それを用いた転がり軸受とを提供する。 【解決手段】 グリース組成物は、基油としてのエステ
ル油と、Li石けん系増ちょう剤との合計量100重量
部に対して、カルシウムの含有割合が0.2〜20重量
%であるカルシウムスルフォネートを0.5〜10重量
部の割合で配合した。転がり軸受は、かかるグリース組
成物を封入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なグリース組
成物と、それを用いた転がり軸受とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ハードデ
ィスクドライブドライブ(HDD)などの記録装置にお
いて、スピンドルモータに使用する玉軸受などの転がり
軸受の潤滑には、基油としての合成エステル油と、Li
石けん系増ちょう剤とを含むグリース組成物を用いるこ
とが多い。このようなグリース組成物の代表例として
は、ペンタエリスリトールとセバシン酸ジ−2−エチル
ヘキシルとのエステルを基油とし、ステアリン酸リチウ
ムと12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとを増ちょ
う剤としたものなどが挙げられる。
【0003】かかるグリース組成物によれば、通常のも
のに比べて転がり軸受の振動値を低減させ、音響性能
(音響寿命)を向上させることができる。しかし近時、
HDDなどにおける記録密度の増大に伴って、その回転
数をこれまでよりも増加させることが求められており、
それを達成するためには現状よりもさらに高い音響性能
が必要となるが、上記のグリース組成物ではこの要求を
十分に満足できなくなりつつある。
【0004】またとくにHDDでは、記録密度の増大に
伴って、磁気ヘッドのローディング機構がCSS(コン
タクト・スタート・ストップ)方式からランプロードア
ンロード方式に移行しつつある。このため、HDDの輸
送時等に外部振動が加わるとハードディスクが微小振動
して、その回転軸に繋がれたスピンドルモータの、転が
り軸受の転送面にフレッチング摩耗を生じ、回転駆動時
の騒音が大きくなることがある。
【0005】すなわちCSS方式であれば、スピンドル
モータの停止時にも磁気ヘッドがハードディスクに接触
しており、この接触によってハードディスクが固定され
ているため、輸送時等の振動によってハードディスクが
微小振動することは無く、転がり軸受の転送面にフレッ
チング摩耗を生じることはなかった。しかしランプロー
ドアンロード方式では、スピンドルモータの停止時に、
磁気ヘッドがハードディスクから離れてランプに収容さ
れており、ハードディスクはフリーの状態となるため、
前記のように輸送時等の振動によって微小振動して、転
がり軸受の転送面にフレッチング摩耗を生じるのであ
る。
【0006】そこでグリース組成物には、転がり軸受の
耐フレッチング性を向上する機能が求められる傾向にあ
るが、上記従来のグリース組成物ではこの要求にも十分
に対応できないという問題がある。本発明の目的は、転
がり軸受の音響性能と耐フレッチング性とを同時に向上
することができる新規なグリース組成物と、それを用い
た転がり軸受とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するため、発明者は、種々の添加剤について検
討を行った。その結果、カルシウムスルフォネートが、
転がり軸受の音響性能と耐フレッチング性とを同時に向
上するために有効であるとの知見を得た。すなわちカル
シウムスルフォネートは、転がり軸受を形成する鋼表面
に不可逆性の強い単分子吸着膜を形成して、軸受部品の
接触面における表面突起同士の直接的な接触を防止する
機能を有するため、転がり軸受の音響性能と耐フレッチ
ング性とを同時に向上できることを見出した。
【0008】しかしその後の検討によって、同じカルシ
ウムスルフォネートであっても、上記の効果に優れたも
のとそうでないものとがあることが判った。そこで発明
者は、カルシウムスルフォネートの何が、転がり軸受の
音響性能や耐フレッチング性に影響しているかについて
さらに検討した結果、カルシウムスルフォネート中に含
まれるカルシウムの含有割合が、これらの特性と密接に
関わっていることを見出した。
【0009】そこで発明者は、カルシウムの含有割合の
範囲を規定すべくさらに検討した結果、含有割合が0.
2〜20重量%であるカルシウムスルフォネートが、転
がり軸受の音響性能や耐フレッチング性を特異的に向上
することを見出した。また発明者は、上記特定のカルシ
ウムスルフォネートの配合割合についても検討した結
果、当該カルシウムスルフォネートを、基油と増ちょう
剤との合計量100重量部に対して0.5〜10重量部
の割合で配合する必要があることを見出した。
【0010】したがって請求項1記載の発明は、基油と
しての合成エステル油と、Li石けん系増ちょう剤と、
カルシウムスルフォネートとを含み、かつカルシウムス
ルフォネートとして、カルシウムの含有割合が0.2〜
20重量%であるものを用いるとともに、当該カルシウ
ムスルフォネートを、基油と増ちょう剤との合計量10
0重量部に対して0.5〜10重量部の割合で配合した
ことを特徴とするグリース組成物である。
【0011】また発明者は、上記特定のカルシウムスル
フォネートと組み合わせる他の成分についても検討した
結果、転がり軸受の音響性能や耐フレッチング性をさら
に向上するためには、Li石けん系増ちょう剤として、
炭素数18のステアリン酸リチウム、および12−ヒド
ロキシステアリン酸リチウムのうちの少なくとも一方を
用いるのが好ましいこと、基油として、ジエステル油、
トリエステル油、およびテトラエステル油のうちの少な
くとも1種を用いるのが好ましいことを見出した。
【0012】したがって請求項2記載の発明は、Li石
けん系増ちょう剤として、炭素数18のステアリン酸リ
チウム、および12−ヒドロキシステアリン酸リチウム
のうちの少なくとも一方を用いる請求項1記載のグリー
ス組成物である。また請求項3記載の発明は、基油とし
て、ジエステル油、トリエステル油、およびテトラエス
テル油のうちの少なくとも1種を用いる請求項1記載の
グリース組成物である。
【0013】さらに請求項4記載の発明は、上記請求項
1〜3のいずれかに記載のグリース組成物を封入したこ
とを特徴とする転がり軸受である。請求項4の構成によ
れば、以上で説明した作用効果により、これまでよりも
音響性能や耐フレッチング性に優れた転がり軸受が得ら
れる。したがって請求項4の転がり軸受は、とくにラン
プロードアンロード方式の大容量のHDDなどにおけ
る、スピンドルモータ用の軸受として好適に使用するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。 〈グリース組成物〉本発明のグリース組成物は、前述し
たように基油としての合成エステル油と、Li石けん系
増ちょう剤と、カルシウムスルフォネートとを含むもの
である。 (カルシウムスルフォネート)このうちカルシウムスル
フォネートとして、本発明では、前記のようにカルシウ
ムの含有割合が0.2〜20重量%であるものを用いる
必要がある。
【0015】カルシウムの含有割合が0.2重量%未満
であるか、または20重量%を超えるカルシウムスルフ
ォネートは、この何れのものも、転がり軸受の音響性能
や耐フレッチング性を向上することができない。なおこ
れらの特性をさらに向上することを考慮すると、カルシ
ウムスルフォネートとしては、カルシウムの含有割合
が、上記の範囲内でもとくに2〜20重量%であるもの
を用いるのが好ましい。
【0016】 カルシウムスルフォネートは、一般式(1): (RSO3)2Ca (1) 〔式中、Rは有機基を示す。〕で表され、清浄分散剤、
さび止め添加剤などとしてグリース組成物や潤滑油など
に使用されるスルフォン酸のカルシウム塩であって、そ
の原料によって石油系と合成系とに分類されており、そ
のうち合成系には、基Rの基本骨格によってアルキルベ
ンゼン系とジノニルナフタレン系とが含まれる。
【0017】本発明では、上記種々のカルシウムスルフ
ォネートの中から、スルフォン酸を構成する有機基Rの
分子量を調整したり、あるいはオーバーベースにより余
分にCa(OH)2を含有させる場合はその含有量を調
整したりすることで、上記の条件を満たしたものを選択
して使用することができる。上記特定のカルシウムスル
フォネートの配合割合、すなわちカルシウムスルフォネ
ートの、基油と増ちょう剤との合計量100重量部に対
する割合は、0.5〜10重量部である必要がある。
【0018】配合割合が0.5重量部未満では、当該カ
ルシウムスルフォネートを加えたことによる効果が得ら
れず、転がり軸受の音響性能や耐フレッチング性を向上
することができない。また配合割合が10重量部を超え
ても、それ以上の添加効果が得られないだけでなく、過
剰のカルシウムスルフォネートがグリース組成物の他の
特性に影響を及ぼす。なお、グリース組成物の他の特性
に影響を及ぼすことなく、転がり軸受の音響性能や耐フ
レッチング性をさらに向上することを考慮すると、カル
シウムスルフォネートの、基油と増ちょう剤との合計量
100重量部に対する配合割合は、前記の範囲内でもと
くに1〜8重量部であるのが好ましい。
【0019】(基油)基油としては合成エステル油を用
いる。合成エステル油としてはジエステル油、ポリオー
ルエステル油などの種々の合成エステル油がいずれも使
用可能である。とくに前記のようにジエステル油や、あ
るいはポリオールエステル油のうちトリオールを出発原
料とするトリエステル油、テトラオールを出発原料とす
るテトラエステル油などが好ましい。このうちジエステ
ル油としては、例えばセバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、ドデカン二
酸ジ−2−エチルヘキシルなどがあげられる。また、ト
リエステル油としてはトリメチロールプロパンの各種エ
ステル類があげられ、テトラエステル油としてはペンタ
エリスリトールの各種エステル類があげられる。
【0020】なお基油としては、本発明の効果に影響を
及ぼさない範囲で、鉱油、合成炭化水素油、ポリグリコ
ール系合成油、フェニールエーテル系合成油、シリコー
ン油、フッ素系合成油等を少量、併用しても良い。 (増ちょう剤)増ちょう剤としてはLi石けん系増ちょ
う剤を用いる。Li石けん系増ちょう剤としては、例え
ば (a) 炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸のLi
塩 (b) 少なくとも1個のヒドロキシル基を含む、炭素数
12〜24の脂肪族モノカルボン酸のLi塩 (c) 炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸および
/または少なくとも1個のヒドロキシル基を含む、炭素
数12〜24の脂肪族モノカルボン酸と、炭素数2〜1
2の脂肪族ジカルボン酸またはそのジエステル、炭素数
7〜24の芳香族モノカルボン酸またはそのエステル、
リン酸エステル類、およびホウ酸エステル類のうちの少
なくとも1種とのLiコンプレックス塩などがあげられ
る。とくに前記のように、(a)に属する炭素数18のス
テアリン酸リチウム、および(b)に属する12−ヒドロ
キシステアリン酸リチウムのうちの少なくとも一方が好
ましい。
【0021】グリース組成物として適度な混和ちょう度
を得るために、Li石けん系増ちょう剤の配合量は、当
該増ちょう剤と基油との総量中に占める割合で表して5
〜30重量%、すなわちLi石けん系増ちょう剤Tと基
油Oとの配合比T/O(重量比)で表して5/95〜3
0/70であるのが好ましい。これによりグリース組成
物は、25℃における混和ちょう度が250〜320、
好ましくは250〜300の範囲に調整され、例えば前
述したHDDなどの記録装置におけるスピンドルモータ
用として適した、低トルクの転がり軸受を構成すること
が可能となる。
【0022】なお増ちょう剤としては、本発明の効果に
影響を及ぼさない範囲で、他の金属系の石けん系増ちょ
う剤や、あるいは無機系もしくは有機系の非石けん系増
ちょう剤を少量、併用しても良い。(他の添加剤)本発
明のグリース組成物には、上記の各成分の他に、さらに
必要に応じて、例えば酸化防止剤、極圧剤、摩耗防止
剤、さび止め剤、腐食防止剤、構造安定剤、固体潤滑剤
などの、従来公知の種々の添加剤を配合しても良い。各
添加剤の配合量は、それぞれ従来と同程度でよい。
【0023】(グリース組成物の製造)本発明のグリー
ス組成物は、従来と同様にして製造される。すなわち、
あらかじめ別個に合成しておいたLi石けん系増ちょう
剤と基油とを加熱下でかく拌、混合して、増ちょう剤を
基油中に分散もしくは溶解したのち冷却してゲル化さ
せ、さらにミリング処理することでグリース組成物が製
造される。
【0024】カルシウムスルフォネートその他の添加剤
は、増ちょう剤と基油とのかく拌、混合工程から、ミリ
ング処理工程までの任意の工程で配合することができ
る。また、ミリング処理まで完了したグリース組成物
に、さらにその後の工程で添加剤を配合して、本発明の
グリース組成物とすることもできる。 〈転がり軸受〉本発明の転がり軸受は、上記グリース組
成物を封入したことを特徴とするものである。
【0025】転がり軸受の種類は特に限定されず、従来
公知の種々の形式、構造の転がり軸受に、本発明の構成
を適用することができる。例えば前述したHDDなどの
記録装置の、スピンドルモータ用の転がり軸受として
は、深溝玉軸受やアンギュラ型玉軸受などが好適に採用
される。
【0026】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 基油としてのペンタエリスリトールエステル油(40℃
における動粘度30mm2/s)84重量部と、Li石
けん系増ちょう剤としての炭素数18のステアリン酸リ
チウム16重量部と、カルシウムの含有割合が2.1重
量%であるカルシウムスルフォネート1.0重量部とを
用いて、前述した混合法によってグリース組成物を製造
した。製造したグリース組成物の、25℃における混和
ちょう度は281であった。
【0027】実施例2、比較例1 カルシウムスルフォネートの量を5.0重量部(実施例
2)、または0.1重量部(比較例1)としたこと以外
は実施例1と同様にして、グリース組成物を製造した。
製造したグリース組成物の、25℃における混和ちょう
度は296(実施例2)、および276(比較例1)で
あった。 実施例3、4 カルシウムスルフォネートとして、カルシウムの含有割
合が2.3重量%であるものを用い、かかるカルシウム
スルフォネートの量を2.0重量部(実施例3)、また
は7.5重量部(実施例4)としたこと以外は実施例1
と同様にして、グリース組成物を製造した。製造したグ
リース組成物の、25℃における混和ちょう度は286
(実施例3)、および315(実施例4)であった。
【0028】実施例5、6 カルシウムスルフォネートとして、カルシウムの含有割
合が18.5重量%であるものを用い、かかるカルシウ
ムスルフォネートの量を1.0重量部(実施例5)、ま
たは3.0重量部(実施例6)としたこと以外は実施例
1と同様にして、グリース組成物を製造した。製造した
グリース組成物の、25℃における混和ちょう度は28
3(実施例5)、および290(実施例6)であった。
【0029】比較例2 基油として、40℃における動粘度が30mm2/sで
ある鉱油を同量、用いたこと以外は実施例2と同様にし
て、グリース組成物を製造した。製造したグリース組成
物の、25℃における混和ちょう度は295であった。 比較例3 カルシウムスルフォネートとして、カルシウムの含有割
合が25重量%であるものを用い、かかるカルシウムス
ルフォネートの量を2.0重量部としたこと以外は実施
例1と同様にして、グリース組成物を製造した。製造し
たグリース組成物の、25℃における混和ちょう度は2
85であった。
【0030】上記各実施例、比較例で製造したグリース
組成物を、それぞれ呼び番号695の深溝玉軸受(内径
5mm、外径13mm、幅4mm)に封入し、下記の試
験を行ってその特性を評価した。 耐フレッチング性試験 各実施例、比較例のグリース組成物を封入した深溝玉軸
受に、下記の条件で繰り返し微小振動を加えた。
【0031】(微小振動条件) 揺動角:1° 振動周波数:5Hz 振動回数:9000回 軸受与圧(アキシャル荷重):14.7N 環境温度:25℃ そして微小振動を加える前後で軸受を回転させた際の振
動を測定して、振動の上昇幅の大小によって、下記の3
段階で、転がり軸受の転送面にフレッチング摩耗を生じ
たか否かを評価した。
【0032】 ◎:振動の上昇幅が10mG以下。フレッチング摩耗は
ほとんど発生せず。耐フレッチング性極めて良好。 ○:振動の上昇幅が10mGを超え、50mG以下。フ
レッチング摩耗は僅かに発生したものの、実用上差し支
えなし。耐フレッチング性良好。 ×:振動の上昇幅が50mGを超えた。フレッチング摩
耗が発生した。耐フレッチング性不良。
【0033】音響性能試験 各実施例、比較例のグリース組成物を封入した深溝玉軸
受の内輪を固定した状態で、外輪を、下記の条件で連続
回転させた。 (連続回転条件) 外輪回転数:5400rpm 振動時間:20時間 軸受与圧(アキシャル荷重):14.7N 環境温度:70℃ そして連続回転を行う前後で軸受を回転させた際の振動
を測定して、振動の上昇幅の大小によって、下記の3段
階で、転がり軸受の音響性能を評価した。
【0034】◎:振動の上昇幅が5mG以下。音響の上
昇はほとんどなし。音響性能極めて良好。 ○:振動の上昇幅が5mGを超え、20mG以下。音響
が僅かに上昇するものの、実用上差し支えなし。音響性
能良好。 ×:振動の上昇幅が20mGを超えた。音響が上昇し
た。音響性能不良。 以上の結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表より、カルシウムスルフォネートの配合
割合を、基油と増ちょう剤との合計量100重量部に対
して0.5重量部未満とした比較例1、基油として合成
エステル油でなく鉱油を用いた比較例2、ならびにカル
シウムの含有割合が20重量%を超えるカルシウムスル
フォネートを用いた比較例3のグリース組成物を封入し
た転がり軸受はいずれも、耐フレッチング性、音響性能
ともに不良となることがわかった。
【0037】これに対し、各実施例のグリース組成物を
封入した転がり軸受はいずれも、耐フレッチング性、音
響性能ともに良好もしくは極めて良好となることが確認
された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 117/04 C10M 117/04 135/10 135/10 F16C 33/66 F16C 33/66 Z // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 30:00 30:00 Z 40:02 40:02 50:10 50:10 (72)発明者 山谷 知也 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA01 AA62 CA40 EA63 FA01 FA35 GA53 4H104 BB17B BB19B BB31A BB33A BB34A BG06C FA01 FA02 LA20 PA01 QA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基油としての合成エステル油と、Li石け
    ん系増ちょう剤と、カルシウムスルフォネートとを含
    み、かつカルシウムスルフォネートとして、カルシウム
    の含有割合が0.2〜20重量%であるものを用いると
    ともに、当該カルシウムスルフォネートを、基油と増ち
    ょう剤との合計量100重量部に対して0.5〜10重
    量部の割合で配合したことを特徴とするグリース組成
    物。
  2. 【請求項2】Li石けん系増ちょう剤として、炭素数1
    8のステアリン酸リチウム、および12−ヒドロキシス
    テアリン酸リチウムのうちの少なくとも一方を用いる請
    求項1記載のグリース組成物。
  3. 【請求項3】基油として、ジエステル油、トリエステル
    油、およびテトラエステル油のうちの少なくとも1種を
    用いる請求項1記載のグリース組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のグリース
    組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。
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CN105255571A (zh) * 2015-10-15 2016-01-20 安徽中天石化股份有限公司 一种低噪音润滑脂及其制备方法

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