JP2003147291A - 光硬化性粘着シート - Google Patents

光硬化性粘着シート

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JP2003147291A
JP2003147291A JP2001347702A JP2001347702A JP2003147291A JP 2003147291 A JP2003147291 A JP 2003147291A JP 2001347702 A JP2001347702 A JP 2001347702A JP 2001347702 A JP2001347702 A JP 2001347702A JP 2003147291 A JP2003147291 A JP 2003147291A
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resin
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pressure
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Satoshi Hayashi
聡史 林
Munehiro Hatakei
宗宏 畠井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い粘着力を有しつつも、剥離時には経時の
粘着力上昇が抑制され糊残りがなく良好な再剥離性を有
する、光硬化性粘着シートを提供する。 【解決手段】 (a)光ラジカル重合反応により得られ
たオキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリル
ポリマーを主成分とする樹脂と、(b)光カチオン型重
合開始剤とからなる粘着剤が用いられ、光ラジカル重合
反応における感応波長域と光カチオン型重合開始剤の感
応波長域とが重複しない光硬化性粘着シートであって、
樹脂(a)が、テトラヒドロフランに溶解しない成分を
含むものであるか、樹脂(a)をテトラヒドロフランの
0.2重量%溶液としたものが、孔径0.2μmのメン
ブレンフィルターを通過しない成分を含むものである
か、又はGPCで測定したスチレン換算重量平均分子量
(Mw)が100万以上である光硬化性粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性粘着シー
トに関し、詳しくは再剥離が必要とされる用途に好適な
光硬化性粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂板、金属板、化粧合板、被覆塗
装鋼板、各種銘板等の加工時及び運搬時に、これらの表
面に汚れが付着したり、傷が付いたりすることを防止す
るために、表面保護フィルム、粘着ラベル、養生テープ
などが多用されている。これらは再剥離型シートと称し
得るが、一般に、熱可塑性樹脂や紙等からなる基材層の
片面に粘着剤層を形成した構造を有する。使用の際に
は、シートの粘着剤層を合成樹脂板等の被着体の表面に
仮着し、それによって被着体表面を保護し、汚れの付着
や傷付きを防止する機能を発揮する。また、被着体が使
用される際には、これらのシートは被着体の表面から剥
離される。
【0003】従って、これら再剥離型シートとしては、
被着体の表面に容易に仮着され得る適度の粘着性を有す
ると共に、使用後には、被着体の表面から容易に剥離し
得る良好な剥離性が必要であり、経時での著しい粘着力
上昇がないことが必要である。
【0004】このような要求を克服するために、従来、
アクリル系粘着剤などを架橋させて凝集力を発現させる
方法が提案されており、例えば、特開平2−12318
2号公報では、アクリル系粘着剤などの非シリコーン系
粘着剤に、架橋性モノマー及びシリコーンマクロモノマ
ーを必須成分としたシリコーン系グラフト共重合体を含
有させた再剥離型粘着剤や、特開平5−43855号公
報では、エポキシ基を含有するアクリル系共重合体と、
カルボキシル基、アミド基、アミノ基などを含有するア
クリル系共重合体及び硬化触媒からなる剥離性粘着剤組
成物等が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の検討によれば、上記の方法においては、何れの粘
着剤も溶液重合の過程で粘着力が調整されるため、粘着
剤内に低分子量分が存在し易く、経時の粘着力抑制とい
う点では、必ずしも十分なものではなかった。
【0006】本発明は、上記従来の再剥離型粘着シート
の問題点を解決するため、粘着剤内の低分子量分をなく
し、経時の粘着力上昇を抑制するために、光ラジカル重
合反応による粘着剤の高分子量化による凝集力向上と、
剥離時の光カチオン型反応の利用に着目してなされたも
のであり、本発明の目的は、高い粘着力を有しつつも、
剥離時には経時の粘着力上昇が抑制され糊残り(被着体
に粘着剤が残存すること)等がない良好な再剥離性を有
する、光硬化性粘着シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光硬化性
粘着シートは、(a)光ラジカル重合反応により得られ
たオキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリル
ポリマーを主成分とする樹脂と、(b)光カチオン型重
合開始剤とからなる粘着剤が用いられ、光ラジカル重合
反応における感応波長域と光カチオン型重合開始剤の感
応波長域とが重複しない光硬化性粘着シートであって、
樹脂(a)が、テトラヒドロフランに溶解しない成分を
含むものであるか、もしくは、樹脂(a)をテトラヒド
ロフランの0.2重量%溶液としたものが、孔径0.2
μmのメンブレンフィルターを通過しない成分を含むも
のであることを特徴とする。請求項2記載の光硬化性粘
着シートは、(a)光ラジカル重合反応により得られた
オキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリルポ
リマーを主成分とする樹脂と、(b)光カチオン型重合
開始剤とからなる粘着剤が用いられ、光ラジカル重合反
応における感応波長域と光カチオン型重合開始剤の感応
波長域とが重複しない光硬化性粘着シートであって、樹
脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定したスチレン換算重量平均分子量(M
w)が100万以上であることを特徴とする。
【0008】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の光硬化性粘着シートは、粘着剤自身がシート状に
賦形された、いわゆる自己支持タイプであってもよく、
支持体(基材)上に粘着剤層が形成されたものであって
もよい。尚、本発明の光硬化性粘着シートには、光硬化
性粘着フィルム及びテープも含まれるものとする。
【0009】本発明における粘着剤は、(a)光ラジカ
ル重合反応により得られたオキシラン環を側鎖又は末端
に有する粘着性アクリルポリマーを主成分とする樹脂と
(b)光カチオン型重合開始剤とからなるものであり、
例えば、主鎖を形成するモノマー(A)、オキシラン環
を有するモノマー(B)、光ラジカル重合開始剤
(C)、及び光カチオン型重合開始剤(D)からなる光
重合性組成物に、光ラジカル重合開始剤(C)のみに感
応する波長域の光を照射し、光ラジカル重合反応させる
ことによって得られる。
【0010】上記主鎖を形成するモノマー(A)として
は、不飽和結合を有する共重合性モノマーであれば特に
限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブ
チル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレー
ト、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エポキ
シアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタン
アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニル
ピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、N−ビニ
ルカプロラクトン、N−ビニルピペリジン、スチレン、
インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−
メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどを挙げ
ることができ、これらは単独で用いられてもよく、2種
以上併用されてもよい。尚、本発明で言う(メタ)アク
リレートとはアクリレートまたはメタクリレートを意味
する。
【0011】オキシラン環を有するモノマー(B)のオ
キシラン環としては、例えば、エポキシ基、オキセタン
基等が挙げられ、それらを有するモノマーとしては、例
えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ートが挙げられ、市販品としては、「サイクロマーA2
00」、「サイクロマーM100」(以上、ダイセル化
学社製)、「UVACURE1561」(ダイセルユー
シービー社製)、「リカレジンESA」(新日本理化社
製)などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよ
く、2種以上併用されてもよい。
【0012】本発明において、光カチオン型重合開始剤
(D)は、本発明の目的である良好な再剥離性を得るた
めに用いられるものであり、本発明の光硬化性粘着シー
トを使用後に再剥離する際に、光カチオン型重合開始剤
(D)の感応波長域を有する光を照射して、粘着剤を硬
化(オキシラン環の開環反応)させ、良好な再剥離性を
発現するためのものである。従って、本発明において
は、光カチオン型重合開始剤(D)の感応波長域が、光
ラジカル重合反応における、例えば、光ラジカル重合開
始剤(C)の感応波長域と重複しないものが用いられ
る。つまり、上記粘着性アクリルポリマーを主成分とす
る樹脂を得るために、光ラジカル重合を行う際の感応波
長域が、光カチオン型重合開始剤(D)の感応波長域と
重複すると、光ラジカル重合反応時に上記粘着性アクリ
ルポリマー中のオキシラン環の開環反応が起こり、本発
明において用いるための粘着剤が得られなくなるためで
ある。
【0013】上記光ラジカル重合開始剤(C)として
は、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノ
ン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル等のベン
ゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等
のケタール誘導体化合物;ホスフィンオキシド誘導体化
合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン
誘導体化合物、α−ケトカルボニル化合物、チオキサン
トン化合物、アントラキノン化合物等が挙げられ、市販
品としては「ダロキュア1116」、「ダロキュア11
73」、「イルガキュア184」、「イルガキュア65
1」、「イルガキュアー819」(以上、チバスペシャ
ルティーケミカルズ社製)、「BEE」(大阪有機社
製)「ダロキュア2959」(メルク社製)、「カンタ
キュアBTC」、「カンタキュアBPQ」、「カンタキ
ュアQTX」(以上、シェル化学社製)、「KAYAC
URE BDMK」、「KAYACURE BP−10
0」、「KAYACURE DETX−S」(以上、日
本化薬社製)、「ベンジル」(黒金化成社製)等が挙げ
られる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併
用されてもよい。
【0014】上記光ラジカル重合開始剤(C)の感応波
長域は370〜800nmであることが好ましく、より
好ましくは370〜420nmである。感応波長域が8
00nmを越えるのものは、熱安定性に乏しく、光照射
前にラジカルを発生することがある。感応波長域が37
0nmに満たない場合は、光カチオン型重合開始剤
(D)と感応波長域が重複することがあり、光カチオン
型重合開始剤(D)の選択できる種類が減る点で好まし
くない。
【0015】上記光カチオン型重合開始剤(D)として
は、光の照射により活性化されてオキシラン環の開環重
合を開始させる化合物であり、上記光ラジカル重合開始
剤(C)の感応波長域と重複しない感応波長域を有する
ものであれば特に限定されず、例えば、イオン性光酸発
生タイプおよび非イオン性光酸発生タイプの何れを用い
てもよい。
【0016】イオン性光酸発生タイプの光カチオン型重
合開始剤(D)としては、例えば、芳香族ヨードニウム
塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピ
リジニウム塩などのオニウム塩化合物;鉄−アレン錯
体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウ
ム錯体などの有機金属錯体類などを挙げることができ
る。非イオン性光酸タイプの光カチオン型重合開始剤
(D)としては、例えば、ニトロベンジルエステル、ス
ルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン
酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミ
ドスルホナート等が挙げられる。これらは単独で用いら
れてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0017】上記の中でも、オニウム塩化合物は、37
0nm未満の波長域の光により活性化され熱に対して安
定であるため、光照射前の粘着剤の熱にたいする安定性
を高める得る上でも有利であり、しかも光照射後の成長
末端の構造は常温で反応するほど活性が高く、かつ停止
反応である失活も少ないため、再剥離する際の硬化反応
が常温で確実に進行し得る点で好ましい。
【0018】上記オニウム塩化合物の市販品としては、
例えば、「オプトマーSP−150」、「オプトマーS
P151」、「オプトマーSP171」、「オプトマー
SP−170」(以上、旭電化工業社製)、「UVE−
1014」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD
−1012」(サートマー社製)、「サンエイドSI−
60L」、「サンエイドSL−80L」、「サンエイド
SI−100L」(以上、三新化学工業社製)、「CI
−2064」、「CI−2639」、「CI−262
4」、「CI−2481」(以上、日本曹達社製)など
が挙げられる。
【0019】上記光カチオン型重合開始剤(D)の配合
量は、特に限定されないが、例えば、主鎖を形成するモ
ノマー(A)とオキシラン環を有するモノマー(B)の
合計100重量部に対し0.01〜10重量部、さらに
好ましくは0.05〜5重量部である。配合量が0.0
1重量部未満であると、硬化時にカチオン重合種の濃度
が低くなり過ぎて、硬化速度が遅くなることがある。ま
た、配合量が10重量部を越えると、それ以上加えても
十分な硬化速度の向上が得られないことがある。
【0020】請求項1記載の本発明においては、(a)
上記オキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリ
ルポリマーを主成分とする樹脂が、テトラヒドロフラン
に溶解しない成分を含むものであるか、もしくは、樹脂
(a)をテトラヒドロフランの0.2重量%溶液とした
ものが、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを通過
しない成分を含むものであることが必要である。
【0021】これは、上記樹脂(a)が化学的に架橋さ
れているか、もしくは超高分子量で存在し分子が相互に
物理的に絡まり合っている状態を示すものと考えられ、
このことにより、従来問題であった貼付後の低分子量分
の被着体表面への移行が起こりにく、その結果、経時で
の著しい粘着力上昇が抑制されるために必要とされるも
のである。
【0022】請求項2記載の本発明においては、(a)
上記オキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリ
ルポリマーを主成分とする樹脂のゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定したスチレン換算
重量平均分子量(Mw)が100万以上であることが必
要である。上記スチレン換算重量平均分子量が100万
に満たない場合は、樹脂内に低分子量分が多くなること
により、低分子量分の被着体表面への移行が起こり易く
なり、経時での著しい粘着力上昇が起こることがある。
【0023】スチレン換算重量平均分子量の代表的な測
定方法としては、分子量が既知の物質を標準物質として
使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)によって、標準物質換算分子量を測定する方法
[詳細は「高速液体クロマトフラフィー」(東京化学同
人社1976年出版)に詳しく説明されており、測定機
器としてはWater社製や島津製作所社製などが通常
使用される]が用いられるが、上記の代用試験として、
テトラヒドロフランに対して不溶分が存在することから
推定する方法を用いても良い。この場合の代用試験の判
定方法としては、テトラヒドロフランに溶解しない成分
が樹脂中に含まれるか、もしくは、テトラヒドロフラン
の0.2重量%溶液としたものが、孔径0.2μmのメ
ンブランフィルターを通過しない成分を含む場合であれ
ば、その樹脂はスチレン換算重量平均分子量が100万
以上であることが実験経験的に明らかとなっている。
【0024】本発明における粘着剤には、本発明の目的
を阻害しない範囲で、公知の粘着付与樹脂、増粘剤、チ
キソトロープ剤、増量剤などが適宜配合されたものであ
ってもよい。上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジ
ン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペン
フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、C5系また
はC9系の石油樹脂、クマロン樹脂等が挙げられるが、
特に、被着体がポリオレフィン類の場合には、強い粘着
力を発現させることができるという点で、ロジン系樹脂
及び石油樹脂が好ましい。
【0025】上記増粘剤としては、例えば、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチル
ゴム等が挙げられ、チキソトロープ剤としては、例え
ば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られ、増量剤としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化
チタン、クレー等が挙げられる。これらは、主として塗
工性を向上させる目的で用いられる。
【0026】さらに、上記粘着剤には、粘着シートとし
た場合に高強度の剪断粘着力を付与する目的で、例え
ば、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバ
ルーン等の無機中空体;ナイロンビーズ、アクリルビー
ズ、シリコンビーズ等の有機球状体;塩化ビニリデンバ
ルーン、アクリルバルーン等の有機中空体;ガラス、ポ
リエステル、レーヨン、ナイロン、セルロース等の繊維
からなる繊維状フィラー等を配合してもよい。上記繊維
状フィラーを用いる場合は、上記組成物中に、繊維状の
チップを添加する方法でもよいし、繊維状フィラーに上
記組成物を含浸させる方法でもよい。
【0027】(作用)本発明の光硬化性粘着シートは、
粘着剤の主成分として、光ラジカル重合反応により得ら
れた、特定の粘着性アクリルポリマーであって、通常、
溶液重合では得ることが難しい高分子量のものを用いる
ので、従来のような、低分子量成分が被着体表面への移
行して濡れの進行等により粘着面積が増加することが抑
えられ、経時の粘着力上昇を抑制することができる。ま
た、光カチオン型重合開始剤の感応波長域が、光ラジカ
ル重合における感応波長域と重複しないので、光ラジカ
ル重合反応における感応波長域と、再剥離時に粘着剤を
硬化(オキシラン環の開環反応)させるための光カチオ
ン型重合開始剤の感応波長域を使い分けることが可能と
なり、良好な再剥離性を発現し得るものとなる。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を示すことによ
り、本発明を具体的に説明する。尚、本発明は下記実施
例のみに限定されるものではない。また、「部」とある
のは「重量部」を意味する。 (実施例1)主鎖を形成するモノマーとしてブチルアク
リレートを70部、オキシラン環を有するモノマーとし
て「サイクロマーA200」(ダイセル化学社製、オキ
シラン環:エポキシ基)を30部、光ラジカル重合開始
剤として「イルガキュア819」(チバスペシャルティ
ーケミカルズ社製)を1部、及び、光カチオン型重合開
始剤として「オプトマーSP170」(旭電化社製、オ
ニウム塩化合物)1部を遮光下で撹拌混合したあと、液
中の溶解酸素を除去するため窒素で10分間バブリング
し光重合性組成物を得た。
【0029】上記光重合性組成物を、表面がコロナ処理
されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚み
50μmとなるように塗工して塗工膜を形成し、さらに
その塗工膜上に、表面が離型処理されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムを被覆し、光重合性組成物からな
る塗工膜が、表面がコロナ処理されたポリエチレンテレ
フタレートフィルム、及び、表面が離型処理されたポリ
エチレンテレフタレートフィルムで狭持された積層体を
得た。
【0030】上記積層体に、400nmに最大発光波長
域を有する蛍光灯を用いて、360nm以下の波長域の
光を実質的に含まない近紫外線を、1mW/cm2の照
射強度で10分間照射し、表面がコロナ処理されたポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に粘着剤が積層され
た、光硬化性粘着シートを得た。
【0031】得られた光硬化性粘着シートの粘着剤を用
いて、粘着剤を構成する粘着性アクリルポリマーの固形
分の濃度が0.2重量%となるようにテトラヒドロフラ
ン溶液を調製し、その溶液をガラス製注射筒にて吸引
し、注射筒先に孔径0.2μmのメンブランフィルター
(ADVANTEC社製、品番DISMIC−13JP
020AN)を装着して濾過を試みたが、フィルターが
詰まり濾過を行うことが出来なかった。このことから、
上記粘着性アクリルポリマーのスチレン換算重量平均分
子量が100万以上であることが判った。
【0032】(比較例1)2Lセパラブルフラスコ内
で、ブチルアクリレートを80部、グリシジルメタクリ
レートを20部、分子量調整剤としてラウリルメルカプ
タンを0.1部、及び、重合溶剤として酢酸エチル10
0部を撹拌混合したあと、液中の溶解酸素を除去するた
め窒素で10分間バブリングしモノマー混合溶液を得
た。
【0033】上記モノマー混合溶液を、内部が窒素ガス
で置換されたセパラブルフラスコ内で、100rpmの
条件で攪拌しつつ、ウオーターバスを用いて昇温した。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤として
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン(商品名「パーヘキサTM
H」、日本油脂社製)0.02部を投入することにより
沸点重合を開始した。
【0034】重合開始から1時間後に上記パーヘキサT
MH0.02部をさらに投入し、次いで2時間後、3時
間後、4時間後に、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサ
ノイル)パーオキシド(商品名「パーロイル355」、
日本油脂社製)をそれぞれ、0.02部、0.1部、
0.3部投入しつつ合計8時間の沸点重合を行いアクリ
ル系共重合体溶液を得た。
【0035】得られたアクリル系共重合体溶液の固形分
100部に対し、光カチオン型重合開始剤として「オプ
トマーSP170」(旭電化社製、オニウム塩化合物)
1部を遮光下で撹拌混合し光重合性組成物を得た。
【0036】上記光重合性組成物を、表面がコロナ処理
されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥
後の厚みが50μmとなるように塗工し、溶剤を揮発さ
せ乾燥させて塗工膜を形成し、さらに、その塗工膜上
に、表面が離型処理されたポリエチレンテレフタレート
フィルムを被覆し、表面がコロナ処理されたポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に粘着剤が積層された、光
硬化性粘着シートを得た。
【0037】得られた光硬化性粘着シートの粘着剤を用
いて、粘着剤を構成するアクリル系共重合体の固形分の
濃度が0.2重量%となるようにテトラヒドロフラン溶
液を調製し、その溶液をガラス製注射筒にて吸引し、注
射筒先に孔径0.2μmのメンブランフィルター(AD
VANTEC社製、品番DISMIC−13JP020
AN)を装着して濾過を試みたところ、スムーズに濾過
を行うことが出来た。このテトラヒドロフラン溶液を用
いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製
作所社製システムコントローラーSCL10A、島津製
作所社製示差屈折検出器RIP−6A、昭和電工社製充
填カラムShodex KE805,KE805,KE
804,KE8025)によってスチレン換算重量平均
分子量を測定したところ、50万であった。
【0038】上記実施例及び比較例により得られた光硬
化性粘着シートについて以下の評価を行った。 (初期粘着力及び剥離性)被着体として厚み0.5mm
の圧延銅板を使用し、JIS Z0237に準じて、光
硬化性粘着シートを貼り付け23℃で20分間放置した
後、180度方向に引っ張り速度300mm/分の条件
で引き剥がし、初期粘着力を測定するとともに剥離状態
を目視観察した。
【0039】(経時粘着力及び剥離性)被着体として厚
み0.5mmの圧延銅板を使用し、JIS Z0237
に準じて、光硬化性粘着シートを貼り付け、60℃オー
ブンに中で1週間放置した後に、高圧水銀灯を用いて、
360nm以下の波長領域の光を10mW/cm2の照
射強度で5分間照射し、23℃で2時間放置冷却した
後、180度方向に引っ張り速度300mm/分の条件
で引き剥がし、経時粘着力を測定するとともに剥離状態
を目視観察した。評価結果は表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1より明らかなように、本発明の実施例
においては、初期粘着力が高水準であり、経時後であっ
ても、粘着力上昇が少なく良好な剥離性を有することが
判る。
【0042】
【発明の効果】本発明の光硬化性粘着シートは、(a)
光ラジカル重合反応により得られた特定の粘着性アクリ
ルポリマーを主成分とする樹脂と、(b)光カチオン型
重合開始剤とからなる粘着剤が用いられ、樹脂(a)
が、テトラヒドロフランに溶解しない成分を含むもので
あるか、もしくは、樹脂(a)をテトラヒドロフランの
0.2重量%溶液としたものが、孔径0.2μmのメン
ブレンフィルターを通過しない成分を含むものであるの
で、粘着剤中の低分子量成分が被着体に移行することな
く経時の粘着力上昇を抑制することができる。また、光
カチオン型重合開始剤の感応波長域が、光ラジカル重合
反応における感応波長域と重複しないので、それぞれの
感応波長域を使い分けることが可能となり、剥離時に光
カチオン型重合開始剤の感応波長域を照射することで、
良好な再剥離性を発現し得るものとなる。また、樹脂
(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で測定したスチレン換算重量平均分子量(Mw)
が100万以上であっても、上記同様の効果を得ること
ができる。以上のことから、表面保護フィルム、粘着ラ
ベル、養生テープなどの再剥離が必要とされる用途に好
適なものとなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)光ラジカル重合反応により得られ
    たオキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリル
    ポリマーを主成分とする樹脂と、(b)光カチオン型重
    合開始剤とからなる粘着剤が用いられ、光ラジカル重合
    反応における感応波長域と光カチオン型重合開始剤の感
    応波長域とが重複しない光硬化性粘着シートであって、
    樹脂(a)が、テトラヒドロフランに溶解しない成分を
    含むものであるか、もしくは、樹脂(a)をテトラヒド
    ロフランの0.2重量%溶液としたものが、孔径0.2
    μmのメンブレンフィルターを通過しない成分を含むも
    のであることを特徴とする光硬化性粘着シート。
  2. 【請求項2】 (a)光ラジカル重合反応により得られ
    たオキシラン環を側鎖又は末端に有する粘着性アクリル
    ポリマーを主成分とする樹脂と、(b)光カチオン型重
    合開始剤とからなる粘着剤が用いられ、光ラジカル重合
    反応における感応波長域と光カチオン型重合開始剤の感
    応波長域とが重複しない光硬化性粘着シートであって、
    樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    (GPC)で測定したスチレン換算重量平均分子量(M
    w)が100万以上であることを特徴とする光硬化性粘
    着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231298A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Nitto Denko Corp 光硬化型粘接着剤組成物、光硬化型粘接着剤層、および光硬化型粘接着シート

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