JP2003145428A - 表面微細研削方法及び表面微細研削装置 - Google Patents

表面微細研削方法及び表面微細研削装置

Info

Publication number
JP2003145428A
JP2003145428A JP2001344752A JP2001344752A JP2003145428A JP 2003145428 A JP2003145428 A JP 2003145428A JP 2001344752 A JP2001344752 A JP 2001344752A JP 2001344752 A JP2001344752 A JP 2001344752A JP 2003145428 A JP2003145428 A JP 2003145428A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
work
grindstone
grinding
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001344752A
Other languages
English (en)
Inventor
Muneyuki Hashimoto
宗到 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001344752A priority Critical patent/JP2003145428A/ja
Publication of JP2003145428A publication Critical patent/JP2003145428A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gear Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高面圧強度の歯車等の機械要素部品を製造す
るため,荒れた表面を滑らかに微細研削でき,且つ効率
的に行うことができる手法と装置を提供する. 【解決手段】 切削や研削加工処理,またはその後のシ
ョットピーニング加工の冷間加工処理して荒れた表面を
持つ歯車等の機械要素部品ワーク2と,圧力タンクを経
たジェット部19の水等の圧力媒体と砥石の混合体を噴
射可能なノズル20が装置1内に所定間隔に定置し,更
にワーク2は装置1下部に備わるモーター9とエアーシ
リンダー14にて,回転とともに上下運動を行うことが
可能である.上記関係にて,装置1内のノズル20から
所定圧力にて上記混合体をワーク2へ噴き付けることに
より,表面微細研削が可能とされている.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造、鍛造、転造
ないしは研削、切削処理、または、その後のショットピ
ーニング処理によって荒れた表面を有する被加工材(例
えば、歯車、軸、カム、ピン、ローラ等の回転摺動する
一般産業機械の機械要素,伝動装置、自動車用トランス
ミッションやデフ部等の自動車部品)の表面を円滑にす
る表面微細研削技術に関する。特に、被加工材が複雑な
形状を有する場合にも、表面全体を効率的に均一な表面
粗度とするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に歯車等の機械部品では、その強
度を向上するために金属球を機械部品の表面に衝突させ
るショットピーニング処理が施される。ショットピーニ
ング処理では、機械部品の表面に圧縮残留応力が付与さ
れることで強度向上が図れるものの、金属球の衝突によ
り表面性状が劣化して面圧強度が低下する。このような
表面性状の劣化に対しては、一般の機械研削方法により
表面を円滑化する方法もあるが、機械部品の形状が複雑
となると長時間の加工が必要となったり、また、大がか
りな装置が必要となる等の問題がある。このため、機械
部品等の荒れた表面を円滑化する表面研削技術が種々開
発されている。従来の表面研削技術のとして、回転機械
装置の中の槽にワークと砥粒を充填し、槽の回転により
砥粒に作用する遠心力と回転時のワーク(被加工材)と
砥粒の速度差を利用して研削する方法(バレル処理)
や、アルミナ等のセラミックス砥粒をワークと押し冶具
の間に介在させ、所定圧で押し冶具を押してワークを研
削する遊離砥粒研削方法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のバレル処理は、
主に金属やセラミックス等のコーナー部のバリ取り方法
として広く工業分野にて用いられている。このバレル処
理は、ジャイロ法、遠心法、回転法、振動法等がある
が、いずれの方法も遠心力や砥石とワークの運動速度差
を利用しているため、研削力を大きくするためには装置
がおおがかりとなる傾向にある。このバレル処理を、図
1を参照して具体的に説明する。図1ではジャイロ法に
よるバレル処理を示している。図1に示すように、中心
冶具3aに固定されたバレル槽1aには、砥石49と溶
剤50との混合液が充填される。ワーク2は冶具3bに
保持され、冶具3bが回転することによって回転するよ
うになっている。ワーク2を研削するためには、冶具3
bが回転することでワーク2を回転させ、同時に中心冶
具3aを冶具3bの回転方向と反対方向へ回転させるこ
とでバレル槽1aを回転させ、この状態で、ワーク2を
バレル槽1a内に挿入する。したがって、ワーク2の自
転(冶具3bの回転)とバレル槽1aの反対方向への自
転(中心冶具3aの回転)によって生じたワーク2に対
する砥石49の相対速度差、及びバレル槽1aの回転に
よって砥石49に作用する遠心力によって、ワーク2の
表面が砥石49により研削される。したがって、バレル
槽1aの大型化(大型化による遠心力の増大)すること
なく研削能力を上げるためには、ワーク2の回転速度を
上げたり、バレル槽1aの回転速度を上げる必要が生じ
る。しかしながら、ワーク2の回転速度を上げたり、バ
レル槽1aの回転速度を上げると砥石49に作用する遠
心力等も大きくなる。したがって、ワーク2の形状が複
雑となると、砥石49がワーク2の凹部(例えば、歯車
における歯元部)に侵入しづらくなり、ワーク2の凸部
(例えば、歯車における歯先部)のみが優先的に研削さ
れる(ワーク2の表面研削状態にムラが生じる)。した
がって、ワーク2の回転速度やバレル槽1aの回転速度
には限界があり、その結果、装置全体を大きくすること
なく研削能力を上げることは困難であった。一方、遊離
砥粒研削方法(代表的にはベルト研削やバフ研削)で
は、押し冶具の押し付け圧のコントロールが容易でな
く、また、複雑な形状(例えば、歯車等)のワークの研
削加工は困難であった。
【0004】本発明は上述した点に鑑みてなされたもの
であり、複雑な形状の被加工材であってもその表面全体
を研削することができ、かつ、装置を大型化することな
く研削能力を上げることができる表面研削技術を提供す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段及び効果】上記課題を解決
するため本発明の表面研削方法は、砥石と低圧力溶媒と
の混合体を被加工物に向って噴射し、その噴射された混
合体を被加工物の表面に衝突させることで被加工物の表
面を研削する。上記の方法によると、砥石と低圧力溶媒
との混合体を被加工物に向って噴射するため、被加工材
の形状によらず被加工材の全面を加工することができ
る。また、混合体を噴射する圧力等を調整するだけで砥
石に与えられる運動エネルギー(研削能力)を調整する
ことができ、これによって装置を大型化することなく研
削能力を向上することができる。
【0006】前記砥石の比重(水に対する比重)は、2
〜5で、かつ、その径が1〜12mmの範囲内であるこ
とが好ましく、より好ましくは比重が3〜4で、かつ、
その径が2〜6mmの範囲内であること好ましい。砥石
の比重が2より小さくなると研削能力が低くなりすぎ、
逆に、比重が5を超えると研削能力が大きくなりすぎて
被加工材の表面性状が悪化するためである。特に、比重
が3〜4の場合には、被加工材の表面性状を良好としな
がら表面研削能力を高くすることができる。同様に、砥
石の径が1mmより小さくなると研削能力が低くなりす
ぎ、逆に、砥石の径が12mmを超えると研削能力が大
きくなりすぎて被加工材の表面性状が悪化したり、被加
工材の細部(凹部)を研削できないためである。特に、
砥石の径は2〜6mmの範囲内であると、効率的に表面
を検索加工することができる。このような砥石として
は、例えば、セラミックス焼結またはセラミックス焼成
した砥石や、ガラスビーズ等を好適に用いることができ
る。
【0007】前記低圧力溶媒は比重(水に対する比重)
が0.91〜1.00であることが好ましく、より好ま
しくは比重0.95〜1.00の範囲内であることが好
ましい。低圧力溶媒の比重が0.91より小さいと、砥
石が被加工材の表面に衝突したときの衝撃を緩和するこ
とができず砥石の寿命が短くなり、逆に、比重が1.0
0を超えると砥石が被加工材の表面に衝突したときの衝
撃が緩和されすぎて被加工材の表面が研削されないため
である。このような低圧力溶媒としては、例えば、水溶
性溶剤を用いることができる。
【0008】前記混合体の噴射圧力は、0.1〜10.
0MPaであることが好ましい。噴射圧力が0.1MP
aより小さいと研削能力が小さくなりすぎ、逆に、噴射
圧力が10.0MPaを超えると研削能力が大きくなり
すぎて被加工材の表面性状を悪化させるためである。
【0009】さらには、前記混合体を被加工物表面に衝
突させる際に、被加工物を回転させながら、混合体の噴
射方向に対して略直交する方向に往復運動させることが
好ましい。このような構成によると、被加工材が回転し
ながら、さらに噴射方向に対して略直交する方向に往復
運動するため、被加工材の表面にできる研削跡がランダ
ムとなり面圧強度を向上することができる。
【0010】上記方法は、請求項8に記載の装置で好適
に実施することができる。すなわち、請求項8に記載の
装置は、砥石と低圧力溶媒との混合体を被加工物に向っ
て噴射し、その噴射された混合体を被加工物の表面に衝
突させることで被加工物の表面を研削する表面研削装置
である。この装置は、被加工物を保持する冶具と、冶具
に保持される被加工物と対向する位置に設けられる混合
体の噴射装置と、冶具を噴射装置から噴射される混合体
の噴射方向に対して略直交する方向に往復運動させ、か
つ、往復運動方向周りに回転運動させる往復回転駆動装
置とを有する。上記装置によると、上述した本発明に係
る方法を好適に実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の表面研削方法の一実施の形
態を説明する。本発明の一実施の形態では、従来の技術
を克服して、ミクロンオーダーの表面粗さを保持した高
面圧強度の歯車を得るため,バレル処理での研削能,つ
まり一個の砥石の持つ速度(1.5〜3.0m/s)による運動
エネルギーmv2/2(m:質量,v:速度)と同等のエネル
ギーを砥石に与えて,その研削能を利用して歯車表面を
高速で研削する方法を用いた.つまり水と砥石との混合
状態にして(30〜100m/s)0.3〜1.0MPaの低圧力にて,
ノズルより噴射する方法を用いた.図2に当該法の基本
原理を示す.つまり,従来のバレル法の考えを利用した
方法である.バレル法では砥石に遠心力を与え,その力
やワークと砥石との速度差を利用して研削していたが,
本手法ではその遠心力と同等のエネルギーを水の圧力と
砥石に与えて回転ワークへ噴き付け,衝突とその時の研
削削食力を行かして研削する方法である.ワーク2を回
転させ,砥石と水の混合体をノズル20からワーク2表
面に吹き付ける.その衝撃の際,砥石の持つエネルギー
をベースにした回転力を利用して,金属表面を研削す
る.つまりミクロ現象的には一般の砥石による機械研削
と同等のことを行うこととなる.このときの砥石スピー
ドはバレル式(ジャイロ式)の10倍以上である.従っ
て高速処理が可能となる.衝突の際の水は砥石とワーク
の衝突による衝撃力を緩和する役目をし,砥石粉砕を防
ぐ.さらに,ワーク表面をランダム方向に研削するため
にワークに乗せた治具をエアー,または油圧の作用にて
ワーク回転とともに連続的に上下動(0.8〜1.6m/s)す
ることにより,図3に示される正弦状の研削痕が形成さ
れることになる.逆回転や速度調節にて任意の大きさの
正弦波曲線が描け,限りなくランダム状の研削痕形成が
可能となる.このランダム状の研削痕により,潤滑油が
容易にランダム方向へ流れることを可能にし,潤滑,摩
耗,面圧強度上有利に作用する.このようにして,任意
形状の歯車が容易に高速で表面研削が可能となり,歯車
等の高面圧強度部材が作成できる.さらに,一般の金属
球等によるショットピーニング処理にて高曲げ強度部材
を作成し,その後荒れた表面に当該処理を行うことによ
り,曲げ強度,面圧強度の大きい部材が容易に創出可能
となる.
【0012】当該処理方式を用いれば,歯車等の任意形
状の表面の微細研削処理速度が従来の約1/30〜1/60に短
縮できることとなる.また本方式の基本技術はショット
ピーニング処理と類似しており,ショットピーニング処
理過程での逐次1個処理と同様に,連続一個ずつの処理
が可能である.従って,ショットピーニング後に微細研
削する際,高速で且つ連続で処理できることとなり,量
産効果が飛躍的に上がる.これらは従来のバレル処理
(遠心式やジャイロ式)では得られない高速処理で,且
つ連続一個処理を克服する歯車表面微細研削方法といえ
る.このようにして面圧強度,曲げ強度を同時に具備し
た歯車が容易に作成可能となる.また,従来上述のバレ
ル処理法における大がかりな装置が必要でなく,シンプ
ルな装置で処理可能である.更に,従来のバレル処理で
困難であった歯元部(凹部)の処理も,ノズルの角度や
位置を微調整することにより,容易に行える.当該装置
に上下動の機構を付加することにより,ランダム方向の
研削が可能であり,摩耗,潤滑等,歯車強度上,更に有
利となる.浸炭歯車へ当該処理(0.3MPa,アルミナ系砥
石)を施して得られた表面粗さ例を図4に示す.
【0013】
【実施例】本発明の実施例を装置概要とともに図5に示
す.基本動作は次のステップよりなる. 1.ワークのセット :図に示されないロボット等に
よるワークの当該装置へのセット 2.ワークの回転 :インバーター付きモーターの
ON,OFFによる速度調整(10〜1800rpm) 3.ワークの上下動 :エアーシリンダーの上下動
(ON,OFF)(ストローク20〜100mm) 4.ウォータージェット:砥石径2〜10mmと水混在のウ
ォータージェット(圧力0.3〜1.0MPa) 5.砥石回収 :噴射衝突後の水と砥石の分離と
砥石の回収及びベルトコンベアーによる砥石タンクへの
運搬) 6.ワークのエアー処理:エアーによる水,及び砥石の
排除 7.ワーク取り出し :ロボット等によるワークの装
置外への取り出し ワーク(歯車)2は,微細加工装置1bのハウジング下
部台11aの中の鋼製治具3aの所定位置へ,図に示さ
れないロボットアームにて運搬,設置される.その後,
蓋15が自動に閉まる.治具3aはスプライン4の軸4
aを介してハウジング11aの下部に設置したシール部6
を通過してモーターフランジ継手8にリンクしている.
治具3aの下に,アンギュラー玉軸受け5が軸受け台5
aの上に設置されている.継手8はモーター出力軸8aに
繋がり,モーター出力を伝動している.インバーター制
御モーター9は側面にモーターの上下方向の移動をガイ
ドする治具11bと併設して設置されている.モーター
9の下部は,モーター固定台10で固定され,さらにモ
ーター固定台10は軸付きフランジ12にリンクされて
いる.つまり,インバーター制御モーター9のコントロ
ールにて,ワーク2は設定速度(10〜100rpm)の正逆回
転が可能である.更にフランジ12の軸固定部にはエア
ーシリンダー14の出力軸が貫入可能な構造となってお
り,エアーシリンダー14は当該装置1の下部カバー部
13bとカバー治具13aにて固定されている.このエ
アーシリンダーは,コンプレッサー24,逆止弁26,
28,及びリリーフ弁30のON,OFF制御,及び変位計
31とのフィードバック制御にてエアーがシリンダー部
へ供給排除され,コントロールされている(移動距離10
〜100mm).従って,全体の上下動がエアーシリンダー
のON,OFF制御にて可能である.
【0014】上述の上下動と回転動作との混合モード
を,同時に作用させることにより,ワーク2は回転しな
がら上下動が行えることになる.更に,ワーク2へのジ
ェット流(水と砥石(砥石径2〜10mm)の混合流体)の
吹き付けは砥石タンク16中のコック17を開にするこ
とにより,砥石をジェット部19へ導入し,高圧タンク
23の先のバルブ29を開にすることにより,直圧式的
に,ノズル20により吹き付ける.高圧水22はコンプ
レッサー24とブースト部23の機構にて中圧(10気
圧)まで上昇できる.噴き出したジェットはワーク(歯
車)2の歯面へ衝突し,砥石の回転力と衝撃力にて歯面
を研削する.ここでは衝突時の速度は100m/s,圧力0.3
〜1.0MPa以上に保たれており,衝突時の砥石の衝撃力は
この水の作用により緩和され,粉砕は生じない.ジェッ
トの狙いを歯面に対してできる限り法線方向から30°
以内に向けると効果が大きい.この自動制御はジェット
先端にチルト機構を加えボールネジとのモーター制御に
て電気機械的に容易に行える.ジェット後の水と砥石は
ドレン部32bを通過後,図に示されないフィルターに
て分離され,微粉は沈殿槽へ沈殿し,所定の大きさの砥
石(2〜10mm)はバスケット付きエレベーター33b,ま
たはベルトコンベアー33aにて砥石タンク16へ回収
される.処置後のワークは図に示されない別のエアーブ
ローにて吹き付け乾燥される.その後ワーク2は蓋15
開後,図に示されないロボットアームにて自動的に装置
外へ搬送される.
【0015】本装置を用いた実験例を図6と図7に示
す.その際に圧力媒体と砥石等との関係及び適切な圧力
範囲等の条件を表1に示す.
【表1】 図6は噴き付ける圧力と処理されるスチール材の表面粗
さ改善能(1/処理後の表面粗さ/初期硬さ(5ミクロ
ンメートル最大表面粗さ)との関係を圧力媒体と砥石
(径2〜6mm)を変化させた場合の例として示している.
例えば水溶性溶剤(比重=0.95〜1)と砥石(比重=3〜
4,砥石径2〜6mm)の場合,圧力が0.1から1MPaの範囲で
表面粗さ改善能が大きくなり,特に0.2〜0.4MPaで大き
い傾向を示している.圧力媒体が油(比重=0.91)で砥
石(比重=2〜4)の組み合わせでは,上記組み合わせの
場合より表面粗さ改善能はやや低下している程度である
が,空気が圧力媒体の場合の表面粗さ改善能は,上記二
つの組み合わせの場合より低下している.これらの場合
の砥石寿命を比較した結果を図7に示す.水溶性溶剤と
砥石(比重=3〜4)の組み合わせが,他の二つの組み合
わせの場合(油と砥石(比重=2〜4),空気と砥石(比
重=2〜5))より砥石寿命が長くなっている.全体とし
て1MP以下で急激に寿命は伸びていて,0.2〜0.4MPa
以下の範囲で寿命は安定域に入っている.圧力媒体が水
または油の場合,処理材と砥石との衝撃の際の緩衝の役
割を果たし,相対寿命が長くなっている.表1及び上記
図6,図7の結果から,特に処理材が歯車等のスケール
の場合,処理上の最適条件は水溶性溶剤(比重=0.95〜
1),砥石(比重=3〜4)のアルミナ,シリカを用いた
場合で,その圧力範囲は0.2〜0.4MPaである.
【0016】
【応用例】当該装置を用いた処理システム応用例を示
す.連続処理が可能なショットピーニング装置と当該装
置を併設,または結合することにより,ワーク(歯車)
を連続的に短時間(30秒から1分間)処理が可能であ
る.これにより,ショットピーニング処理にて圧縮残留
応力付与や表面硬化現象にて強化された歯車の歯元や歯
面部を,次のプロセスである当該装置による表面微細加
工にて歯車表面をランダム研削し,表面粗さを円滑にす
ることにより耐摩耗性と潤滑性を向上させ,結果的に面
圧強度が向上する.上記システム処理による浸炭歯車材
のピッチングに関する面圧強度向上例を図8に示す.ま
た,図9,図10にショットピーニング装置と組み合わ
せた例を示す.図7の応用タイプとして,ショットピー
ニング用ノズルと表面微細加工用ノズルを同一室に設置
し,ショットピーニング処理と表面微細加工処理を同一
室で処理することも可能である.この場合,装置のコン
パクト化が計れる.図11に,そのシステム概要のみを
示す.
【0017】図9では,図に示されないワーク(歯車)
供給部を経てロボットアーム46にて搬送されてきたワ
ーク2が,ショットピーニング処理室39の治具3aへ
設置される.このロボットアーム46は,ここではロボ
ット本体のアーム部のみ略して示されている.ロボット
は台45及び荷台44に設置されている.治具3cの下
部にはモーター部42があり,正逆回転可能である.ノ
ズル40からはショットピーニング制御部41にて制御
された所定圧力(速度)の金属鋼球が噴射される.この
部分は一般のショットピーニング装置と同等である.図
の右側には,当該装置が設置され,ショットピーニング
処理後のワーク2はロボットアームにて表面微細加工処
理装置16へ運搬され,蓋15が開いた状態で治具3a
へ設置される.その後蓋15は閉じ,以下既述の表面微
細加工処理が施される.処理後は装置蓋15が開き,ワ
ーク2はロボットアーム46にて搬出される.
【0018】図10では,ショットピーニング処理と表
面微細加工処理が一つの装置上で連続処理できる例を示
す.荷台35に設置されたリニアニアモーター47が設
置され,そのガイド34の上に左右へ移動可能な台37
が載っている.台37の上にワーク(歯車)2が設置さ
れている.この設置は,前述の例のロボット装置にて蓋
15を開閉することにより可能である.まず,ショット
ピーニング処理装置39に設置されたワークへは,ショ
ットピーニング制御部41とリンクしたノズル40から
金属球の噴射にてショットピーニング処理が行われる.
ワークは台37内に固定されたインバーター付きモータ
ー9とエアーシリンダー14の運動にて,正逆回転と上
下動が可能である.処理後,台37はカーテン38を貫
通して,表面微細加工装置1bへリニアガイド上を移動
する.所定位置に進んだ後は,既述と同様の表面微細加
工処理が施される.処理後は蓋15が開き,その後図に
示されないロボットアームにより掴まれ搬出される.
【0019】図11に応用例として合併タイプを示す.
図に示されないロボットアームにて搬送されてきたワー
ク2は蓋15開状態にて治具3aへ設置されている.そ
の後,蓋15は閉じられる.モーター9とエアーシリン
ダー14の作動にて,回転,及び上下動が行われ,ノズ
ル40からショットピーニング制御系統から制御された
金属球がワーク目がけて噴射される.この処理後,ノズ
ル20から既述の表面微細加工用の砥石と水との混合流
体が噴射され,処理される.モーター9,エアーシリン
ダー14の回転と上下動の運動制御は既述と同様であ
る.処理後は,ロボットアームにて搬出される.ここで
上記の砥石,または水との混合流体をガラスビーズに変
えても,同様な効果が得られる処理が可能である.
【0020】さらに上記[請求項3]の後工程に,セラ
ミックス焼成,または焼結砥石を用いた従来のバレル処
理を行うことにより,さらにサブミクロンの超仕上げ状
態が容易に得られる.従って,ショットピーニング装置
から当該装置を経て,バレル装置までの複合処理及びそ
の装置も可能である.本装置による処理,及び本応用シ
ステムによる処理は金属歯車のみならず,機械要素部品
(軸,軸受け,カム,CVT等)及びプラスチック,複合
材,表面被覆材にも適用可能である.また,IC部品や電
子部品の表面微細加工にも適用可能である.
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法(表面微細加工)
【図2】金属表面微細研削法
【図3】処理ワーク表面研削痕状態
【図4】表面粗さ例
【図5】表面微細加工研削法を用いた装置例
【図6】表面粗さ改善能
【図7】相対砥石寿命
【図8】当該処理歯車の面圧強度評価例(浸炭歯車材)
【図9】ショットピーニング処理装置と併設したシステ
ム例1
【図10】システム例2(結合タイプ)
【図11】システム例3(合併タイプ)
【符号の説明】
1b・・・装置 2 ・・・ワーク 9 ・・・モーター 14・・・エアーシリンダー 19・・・ジェット部 20・・・ノズル 23・・・圧力タンク 39・・・ショットピーニング装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石と低圧力溶媒との混合体を被加工物
    に向って噴射し、その噴射された混合体を被加工物の表
    面に衝突させることで被加工物の表面を研削する表面研
    削方法。
  2. 【請求項2】 前記砥石の比重が2〜5で、かつ、その
    径が1〜12mmであることを特徴とする請求項1に記
    載の表面研削方法。
  3. 【請求項3】 前記砥石の比重が3〜4で、かつ、その
    径が2〜6mmであることを特徴とする請求項2に記載
    の表面研削方法。
  4. 【請求項4】 前記低圧力溶媒が比重0.91〜1.0
    0であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の表面研削方法。
  5. 【請求項5】 前記低圧力溶媒が比重0.95〜1.0
    0の水溶性溶剤であることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の表面研削方法。
  6. 【請求項6】 前記混合体の噴射圧力が0.1〜10.
    0MPaであることを特徴とする請求項1乃5のいずれ
    かに記載の表面研削方法。
  7. 【請求項7】 前記混合体を被加工物表面に衝突させる
    際に、被加工物を回転させながら、混合体の噴射方向に
    対して略直交する方向に往復運動させることを特徴とす
    る請求項1に記載の表面研削方法。
  8. 【請求項8】 砥石と低圧力溶媒との混合体を被加工物
    に向って噴射し、その噴射された混合体を被加工物の表
    面に衝突させることで被加工物の表面を研削する表面研
    削装置であって、被加工物を保持する冶具と、冶具に保
    持される被加工物と対向する位置に設けられる混合体の
    噴射装置と、冶具を噴射装置から噴射される混合体の噴
    射方向に対して略直交する方向に往復運動させ、かつ、
    往復運動方向周りに回転運動させる往復回転駆動装置
    と、を有する表面研削装置。
JP2001344752A 2001-11-09 2001-11-09 表面微細研削方法及び表面微細研削装置 Pending JP2003145428A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001344752A JP2003145428A (ja) 2001-11-09 2001-11-09 表面微細研削方法及び表面微細研削装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001344752A JP2003145428A (ja) 2001-11-09 2001-11-09 表面微細研削方法及び表面微細研削装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003145428A true JP2003145428A (ja) 2003-05-20

Family

ID=19158224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001344752A Pending JP2003145428A (ja) 2001-11-09 2001-11-09 表面微細研削方法及び表面微細研削装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003145428A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004345022A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Fuji Heavy Ind Ltd 歯車およびその製造方法
JP2006224298A (ja) * 2005-01-19 2006-08-31 Showa Denko Kk 液体ホーニング加工装置
CN107322488A (zh) * 2017-09-05 2017-11-07 济南大学 一种立轴式抛丸机
KR101829238B1 (ko) * 2011-04-20 2018-02-20 주식회사 토비스 블라스트 가공 장치
CN111843851A (zh) * 2020-07-21 2020-10-30 广州大学 一种用于轴承加工的混合强化研磨方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004345022A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Fuji Heavy Ind Ltd 歯車およびその製造方法
JP4502594B2 (ja) * 2003-05-22 2010-07-14 富士重工業株式会社 歯車の製造方法
JP2006224298A (ja) * 2005-01-19 2006-08-31 Showa Denko Kk 液体ホーニング加工装置
KR101829238B1 (ko) * 2011-04-20 2018-02-20 주식회사 토비스 블라스트 가공 장치
CN107322488A (zh) * 2017-09-05 2017-11-07 济南大学 一种立轴式抛丸机
CN107322488B (zh) * 2017-09-05 2019-08-16 济南大学 一种立轴式抛丸机
CN111843851A (zh) * 2020-07-21 2020-10-30 广州大学 一种用于轴承加工的混合强化研磨方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5341971B2 (ja) 金属成品の瞬間熱処理法
CN107597365A (zh) 一种防堵型硬质合金加工金属粉末研磨装置
US11607757B2 (en) Machining system, apparatus and method
JPWO2012020517A1 (ja) ブラスト加工装置
KR101779659B1 (ko) 화학적 및 기계적 입자 유동 베드 가공 시스템
CN110695838B (zh) 一种精密轴零件的无心超精研抛加工装置
JP2003145428A (ja) 表面微細研削方法及び表面微細研削装置
CN106256717A (zh) 一种旋转式连续上下料的阀片加工装置
CN101733707A (zh) 一种机械表面强化研磨加工的方法
CN107378795B (zh) 一种汽车半轴喷丸工艺
CN112872974B (zh) 基于结构化磨粒砂轮的超高强钢磨削强化平台及强化方法
JP5059386B2 (ja) 車両用アルミニウムホイールの塗装方法
JP2002001664A (ja) 表面微細加工処理装置
WO2020044585A1 (ja) 金属製品表面部材及びそのバニシング加工方法
CN104924193B (zh) 一种工作台可上下翻转的表面强化研磨机
CN108274385B (zh) 一种小齿类精冲零件齿内残余毛刺的去除工艺
CN114131299B (zh) 一种耐磨球阀铸件的加工工艺
RU2748597C1 (ru) Способ гидродробеструйного упрочнения деталей
Tsai et al. Abrasive jet polishing of micro groove using compound SiC abrasives with compound additives
CN106985077A (zh) 一种基于射流的表面强化设备及方法
CN214025266U (zh) 一种工件表面处理均匀喷砂机
CN214265224U (zh) 用于管件的喷砂装置
JP5481432B2 (ja) 液圧回転機のシリンダブロック製造方法及び液圧回転機
CN219413428U (zh) 一种驱动装置及其抛丸机
JP7317279B2 (ja) 微細気泡によるタービンブレードの自動研削運転方法