JP2003143790A - 電機子及び電機子の製造方法 - Google Patents

電機子及び電機子の製造方法

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JP2003143790A
JP2003143790A JP2001331943A JP2001331943A JP2003143790A JP 2003143790 A JP2003143790 A JP 2003143790A JP 2001331943 A JP2001331943 A JP 2001331943A JP 2001331943 A JP2001331943 A JP 2001331943A JP 2003143790 A JP2003143790 A JP 2003143790A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルク変動や回転ムラを少なくして振動や騒
音の発生を低減することができると共に小型化をも図る
ことができ、かつこれを加工設備やコストの増加を伴う
ことなく実現することができる電機子及び電機子の製造
方法を得る。 【構成】 電機子10では、セグメント24の「1A」
に結線した巻線23は、スロット22の「1B」と「6
B」間にターン数Xを巻き回し、次ぎのセグメント24
の「2A」に結線することなく、スロット22の「2
B」と「7B」の間にターン数Yを巻き回し、しかる状
態で次ぎのセグメント24の「2A」に結線している。
これを順次繰り返して、各スロット22にターン数Rの
巻線23が等しく巻き回されている。このため、給電状
態が切り替わる際には磁界が順次滑らかに切り換わるこ
とになり、電機子10の吸引力または反発力が急激に変
化せず、トルク変動や回転ムラが少なくなり、騒音や振
動が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直流電動機等の回転
電機に適用される電機子及び電機子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】回転電機のうち、界磁として永久磁石を
用いた回転電機(直流電動機)が知られている。この種
の直流電動機では、モータヨークの内側に界磁磁石(一
般的には偶数個)が互いに対向した状態で固定されてお
り、さらに界磁磁石の内方には、巻線を施した電機子が
配置されている。この電機子はコアスロットに巻線が施
されて(巻き回されて)構成されており、各巻線は、電
機子のコアスロットに対応して設けられた整流子の各セ
グメントに電気的にそれぞれ接続されている。整流子の
セグメントには、正極ブラシ及び負極ブラシが圧接され
ている。これにより、電機子の各スロットに各ブラシ及
びセグメントを介して給電(整流)する構成である。
【0003】ところで、このような直流電動機において
は、電動機の振動や騒音の発生を低減させることが重要
である。このため、従来では、低騒音・低振動化に対
し、原因となるトルク変動や回転ムラを低減するための
対策として、電機子コアや界磁磁石に所謂スキュー部を
設けたり、整流子のセグメントを多数化する(コアスロ
ットの数に対し例えば2〜3倍の数の整流子のセグメン
トを設け、この倍数化されたセグメントに、一つのコア
スロットに巻き回された巻線1ターンを2〜3分割する
ようにして結線する)等の方法が考えられ実施されてい
た。しかしながら、このような従来の対策では、何れの
場合も、部品や加工設備が複雑になり、加工が煩雑でコ
スト高になる欠点があった。
【0004】また一方、このような直流電動機の更なる
小型化を図るためには、電機子のコアスロットに巻き回
された巻線の占有率を増加させ(如何に緊密にスペース
の無駄無く巻き回すか)、しかもコイルエンド部分(最
も外側に巻き回される巻線)の高さ(径)寸法を低く抑
えること等により、電機子を小型化することが有効であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、トルク変動や回転ムラを少なくして振動や騒音の
発生を低減することができると共に小型化をも図ること
ができ、かつこれを加工設備やコストの増加を伴うこと
なく実現することができる電機子及び電機子の製造方法
を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の電
機子は、一の整流子セグメントに結線された巻線が所定
の一対のコアスロット間に巻き回され、次ぎの整流子セ
グメントに結線することなく前記所定の一対のコアスロ
ットとは別の他の一対のコアスロット間に巻き回された
後に、前記次ぎの整流子セグメントに結線されて成るこ
とを特徴としている。
【0007】ここで、従来では、一の整流子セグメント
に結線された巻線は所定の一対のコアスロット間に巻き
回された後に(ターン数R)、そのまま次ぎの整流子セ
グメントに結線される。このため、電機子の作動(回
転)中においては、ブラシが一組の整流子セグメントへ
またいで接触する際、すなわち給電状態が切り替わる際
には、各コアスロットに巻き回された巻線のターン数R
分の磁界がそのまま切り替えられていた。
【0008】これに対し、請求項1記載の電機子では、
一の整流子セグメントに結線された巻線は、例えば2つ
に分散して巻き回され(一対のコアスロット間と、別の
他の一対のコアスロット間にそれぞれ巻き回され)、し
かる状態で次ぎの整流子セグメントに結線されている。
換言すれば、請求項1記載の電機子では、各コアスロッ
トに最終的に巻き回される巻線のターン数Rは、従来と
実質的に変わらないものの(所定の一対のコアスロット
間に巻き回す巻線のターン数Xと、別の他の一対のコア
スロット間に巻き回す巻線のターン数Yとの総和ターン
数が、各コアスロットに最終的に巻き回される巻線のタ
ーン数Rとなる)、このターン数Rの巻線は複数のコア
スロット(所定の一対のコアスロットと、別の他の一対
のコアスロット)に直列的でかつ分散して巻き回されて
いる。このため、電機子の作動(回転)中においてブラ
シと整流子セグメントによる給電状態が切り替わる際に
は、各コアスロットに巻き回された巻線のターン数Xと
ターン数Yとによる磁界が順次滑らかに切り換わること
になる。このため、磁界の変動幅が小さくなり、電機子
の吸引力または反発力が急激に変化せずコギングの発生
を低減することができる。したがって、トルク変動や回
転ムラが少なくなり、騒音や振動が低減される。
【0009】しかもこの場合、従来の如く電機子コアや
界磁磁石に所謂スキュー部を設けたり整流子のセグメン
トを多数化する等の構成ではなく、ターン数Rの巻線を
複数のコアスロットに直列的でかつ分散して巻き回した
構成であるため、部品や加工設備が複雑になることがな
く、既存の加工設備で実施可能であり、コストが増加す
ることもない。
【0010】またしかも、各コアスロットに巻き回され
た巻線のターン数Rが従来と実質的に同じであっても、
このターン数Rの巻線を分散しながら順次巻き回した構
成であるため、各コアスロットのスペースに緊密に無駄
なく巻き回すことができ、コアスロットに巻き回された
巻線の占有率が増加すると共に、コイルエンド部分(最
も外側に巻き回される巻線)の高さ(径)寸法が低く抑
えられる。したがって、この電機子すなわち回転電機の
更なる小型化を図ることができる。
【0011】このように、請求項1記載の電機子は、ト
ルク変動や回転ムラを少なくして振動や騒音の発生を低
減することができると共に小型化をも図ることができ、
かつこれを加工設備やコストの増加を伴うことなく実現
することができる。
【0012】なお、ターン数Rの巻線を複数のコアスロ
ット(所定の一対のコアスロットと、別の他の一対のコ
アスロット)に直列的でかつ分散して巻き回す際に、別
の他の一対のコアスロットは、基準とする所定の一対の
コアスロットよりも電気的整流(磁界発生順序)におけ
る「進み角」となるものであっても「遅れ角」となるも
のであっても差し支えなく、また、互いに隣接し合うコ
アスロットでなくても差し支えない。
【0013】さらに、2組のスロット対に巻線を分散し
て巻き回すに限らず、3組以上のスロット対に巻線を分
散して巻き回すように構成してもよい。
【0014】また、分散して巻き回す巻線のターン数
(ターン数Xとターン数Y)は、必ずしも等分にする必
要はなく、要求される電機子(回転電機)の性能等に応
じて異ならせて構成してもよい。
【0015】一方、請求項2に係る発明の電機子の製造
方法は、整流子セグメントに結線された巻線がコアスロ
ットに巻き回されて成る電機子の製造方法において、一
の整流子セグメントに結線された後の巻線を所定の一対
のコアスロット間に巻き回し、その後に、次ぎの整流子
セグメントに結線することなく前記所定の一対のコアス
ロットとは別の他の一対のコアスロット間に巻き回し、
しかる後に前記次ぎの整流子セグメントに結線し、前記
巻線の巻き回し及び結線を、全てのコアスロット及び整
流子セグメントについて、各コアスロットの巻線のター
ン数が等しくなるまで順次繰り返して行う、ことを特徴
としている。
【0016】ここで、従来では、一の整流子セグメント
に結線した巻線を所定の一対のコアスロット間に巻き回
した後に(ターン数R)、そのまま次ぎの整流子セグメ
ントに結線していた。このため、この電機子の作動(回
転)中においては、ブラシが一組の整流子セグメントへ
またいで接触する際、すなわち給電状態が切り替わる際
には、各コアスロットに巻き回された巻線のターン数R
分の磁界がそのまま切り替えられていた。
【0017】これに対し、請求項2記載の電機子の製造
方法では、一の整流子セグメントに結線した巻線は、次
ぎの整流子セグメントに結線することなく例えば2つに
分散して巻き回し(一対のコアスロット間と、別の他の
一対のコアスロット間にそれぞれ巻き回し)、しかる状
態で次ぎの整流子セグメントに結線している。換言すれ
ば、請求項2記載の電機子の製造方法では、各コアスロ
ットに最終的に巻き回す巻線のターン数Rは、従来と実
質的に変わらないものの(所定の一対のコアスロット間
に巻き回す巻線のターン数Xと、別の他の一対のコアス
ロット間に巻き回す巻線のターン数Yとの総和ターン数
が、各コアスロットに最終的に巻き回される巻線のター
ン数Rとなる)、このターン数Rの巻線は複数のコアス
ロット(所定の一対のコアスロットと、別の他の一対の
コアスロット)に直列的でかつ分散して巻き回してい
る。このため、この電機子の作動(回転)中においてブ
ラシと整流子セグメントによる給電状態が切り替わる際
には、各コアスロットに巻き回した巻線のターン数Xと
ターン数Yとによる磁界が順次滑らかに切り換わること
になる。このため、磁界の変動幅が小さくなり、電機子
の吸引力または反発力が急激に変化せずコギングの発生
を低減することができる。したがって、トルク変動や回
転ムラが少なくなり、騒音や振動が低減される。
【0018】しかもこの場合、従来の如く電機子コアや
界磁磁石に所謂スキュー部を設けたり整流子のセグメン
トを多数化する等の構成ではなく、ターン数Rの巻線を
複数のコアスロットに直列的でかつ分散して巻き回した
構成であるため、部品や加工設備が複雑になることがな
く、既存の加工設備で実施可能であり、コストが増加す
ることもない。
【0019】またしかも、各コアスロットに巻き回され
た巻線のターン数Rが従来と実質的に同じであっても、
このターン数Rの巻線を分散しながら順次巻き回した構
成であるため、各コアスロットのスペースに緊密に無駄
なく巻き回すことができ、コアスロットに巻き回された
巻線の占有率が増加すると共に、コイルエンド部分(最
も外側に巻き回される巻線)の高さ(径)寸法が低く抑
えられる。したがって、この電機子すなわち回転電機の
更なる小型化を図ることができる。
【0020】このように、請求項2記載の電機子の製造
方法によれば、トルク変動や回転ムラを少なくして振動
や騒音の発生を低減することができると共に小型化をも
図ることができ、かつこれを加工設備やコストの増加を
伴うことなく実現することができる。
【0021】なお、ターン数Rの巻線を複数のコアスロ
ット(所定の一対のコアスロットと、別の他の一対のコ
アスロット)に直列的でかつ分散して巻き回す際に、別
の他の一対のコアスロットは、基準とする所定の一対の
コアスロットよりも電気的整流(磁界発生順序)におけ
る「進み角」となるものであっても「遅れ角」となるも
のであっても差し支えなく、また、互いに隣接し合うコ
アスロットでなくても差し支えない。
【0022】さらに、2組のスロット対に巻線を分散し
て巻き回すに限らず、3組以上のスロット対に巻線を分
散して巻き回すように構成してもよい。
【0023】また、分散して巻き回す巻線のターン数
(ターン数Xとターン数Y)は、必ずしも等分にする必
要はなく、要求される電機子(回転電機)の性能等に応
じて異ならせて構成してもよい。
【0024】請求項3に係る発明の電機子の製造方法
は、請求項2記載の電機子の製造方法において、電機子
コアの中心部に装着された回転軸を中心として略対向位
置に、前記巻線を複数同時に巻き回す、ことを特徴とし
ている。
【0025】請求項3記載の電機子の製造方法では、所
定量(ターン数R)の巻線を全てのコアスロットに短時
間で巻き回すことができ、加工効率が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2(A)乃至図2
(C)には、本発明の実施の形態に係る電機子10の構
成が断面図にて示されている。
【0027】この電機子10は、例えば、シロッコファ
ンを駆動するための回転電機に適用され、積層コア18
の中央部には回転軸20を有しており、さらに、積層コ
ア18の各ティース間のスロット22には、所定ターン
数Rの巻線23が巻き回されてコイルが構成されてい
る。
【0028】本実施の形態においては、スロット22
(ティース)の数は「12」とされている。また、スロ
ット22に巻き回される巻線23のターン数Rは、例え
ば12ターンとなっている。
【0029】スロット22の巻線23は、セグメント2
4の数が「12」とされた整流子26(図3参照)にそ
れぞれ対応して接続されている。この整流子26には、
正極及び負極一対のブラシ(図示省略)が圧接されてお
り、このブラシと整流子26によって、電機子10の各
スロット22(巻線23)へ給電(整流)する構成であ
る。
【0030】ここで、図3には、スロット22に巻き回
された巻線23、及びこの巻線23が結線された整流子
26の構成が模式的な展開図にて示されている。
【0031】図3に示す如く、この電機子10において
は、セグメント24の「1A」から次ぎのセグメント2
4の「2A」の間には、所定のスロット22の「1B」
とスロット22の「6B」間、及び隣接するスロット2
2の「2B」とスロット22の「7B」の間に、所定の
ターン数Rの巻線23を分散して巻き回している(ター
ン数Xとターン数Y)。なお、本実施の形態において
は、ターン数Xとターン数Yは、それぞれ6ターンとな
っている。
【0032】すなわち、セグメント24の「1A」に結
線した巻線23は、スロット22の「1B」とスロット
22の「6B」間にターン数Xを巻き回し、次ぎのセグ
メント24の「2A」に結線することなく、スロット2
2の「2B」とスロット22の「7B」の間にターン数
Yを巻き回し、しかる状態で次ぎのセグメント24の
「2A」に結線している(図1及び図2(A)図示状
態)。
【0033】さらにその後は、セグメント24の「2
A」からセグメント24の「3A」へは、先に巻線23
が分散して(ターン数Y)巻き回されたスロット22の
「2B」とスロット22の「7B」間、及びスロット2
2の「3B」とスロット22の「8B」間に、セグメン
ト24の「1A」とセグメント24の「2A」の間と同
様に、ターン数Xとターン数Yに分散した巻線23を順
次重ねて巻き回していく(図2(B)図示状態)。
【0034】最終のセグメント24の「12A」と巻始
めのセグメント24の「1A」間は、同様に、スロット
22の「12B」とスロット22の「5B」間にターン
数Xを巻き回すと共に、スロット22の「1B」とスロ
ット22の「6B」間にターン数Yを巻き回して、巻線
23の巻き回しを終了した構成となっている(図2
(C)図示状態)。
【0035】これにより、各スロット22に巻き回され
た総ターン数R(導体数)は、ターン数Xとターン数Y
の総和となり、各スロット22で全て等しくなってい
る。
【0036】なお、図1及び図2(A)乃至図2(C)
に示す電機子10においては、前述の如く巻線23を巻
き回す際に、積層コア18の中心部に装着された回転軸
20を中心として略対向する位置に、巻線23を複数
(2線)同時に巻き回した状態で示してある。
【0037】次に本実施の形態の作用を、電機子10の
製造方法(巻線23の巻き回しの仕方)と共に従来の電
機子と対比しながら説明する。
【0038】本実施の形態に係る電機子10及びその製
造方法においては、セグメント24の「1A」に結線し
た巻線23は、スロット22の「1B」とスロット22
の「6B」間にターン数Xを巻き回し、次ぎのセグメン
ト24の「2A」に結線することなく、スロット22の
「2B」とスロット22の「7B」の間にターン数Yを
巻き回し、しかる状態で次ぎのセグメント24の「2
A」に結線している。さらに、この巻線23の巻き回し
及び結線は、全てのスロット22及びセグメント24に
ついて、各スロット22の巻線23のターン数が等しく
なるまで順次繰り返して行われ、巻線23の巻き回しが
終了した状態では、各スロット22に巻き回された総タ
ーン数R(導体数)は、ターン数Xとターン数Yの総和
となり、各スロット22で全て等しくなっている。
【0039】ここで、図4及び図5(A)乃至図5
(C)には、従来の電機子50の構成が断面図にて示さ
れている。また、図6には、この従来の電機子50にお
けるスロット52に巻き回された巻線54及びこの巻線
54が結線された整流子56の構成が、図3に対応する
模式的な展開図にて示されている。
【0040】従来の電機子50では、整流子56のセグ
メント58の「1A」に結線した巻線54は、スロット
52の「1B」とスロット52の「6B」間にターン数
Rを全て巻き回した後に、そのまま次ぎのセグメント5
8の「2A」に結線していた(図4及び図5(A)図示
状態)。さらにその後は、次ぎのセグメント58からそ
の次ぎのセグメント58へ、順次隣接するスロット52
の「2B」とスロット52の「7B」間にターン数Rの
巻線54を順次重ねて巻き回していく(図5(B)図示
状態)。最終のセグメント58の「12A」と巻始めの
セグメント24の「1A」間も、同様に、スロット52
の「12B」とスロット22の「5B」間にターン数R
の巻線54を巻き回して、巻線54の巻き回しを終了し
た構成となっている(図5(C)図示状態)。
【0041】このため、この従来の電機子50の作動
(回転)中においては、ブラシが整流子56の一組のセ
グメント58へまたいで接触する際、すなわち給電状態
が切り替わる際には、各スロット52に巻き回された巻
線54のターン数R分の磁界がそのまま切り替えられて
いた。このため、磁界の変動幅が大きくなり、電機子5
0の吸引力または反発力が急激に変化してコギングが発
生してトルク変動や回転ムラが生じ、騒音や振動が大き
くなる原因であった。
【0042】またさらに、ターン数R分の巻線54をそ
のまま一度に一対のスロット52間に巻き回す構成であ
ったため、スロット52に巻き回された巻線54の占有
率が不要に低下していた。すなわち、図4に示す如く、
コイルエンド部分(外側に巻き回される巻線54)がそ
の次に巻き回される巻線54の巻回スペースを侵食して
しまい(そのスペースを塞いでしまい)、巻線収容不可
領域(デッドスペース)Dが生じていた。
【0043】これに対し、本実施の形態に係る電機子1
0及びその製造方法によれば、整流子26の一のセグメ
ント24に結線した巻線23は、次ぎのセグメント24
に結線することなく例えば2つに分散して巻き回し(一
対のスロット22間と、別の他の一対のスロット22間
にそれぞれ巻き回し)、しかる状態で次ぎのセグメント
24に結線している。換言すれば、本実施の形態に係る
電機子10及びその製造方法では、各スロット22に最
終的に巻き回す巻線23のターン数Rは、従来と実質的
に変わらないものの(所定の一対のスロット22間に巻
き回す巻線23のターン数Xと、別の他の一対のスロッ
ト22間に巻き回す巻線23のターン数Yとの総和ター
ン数が、各スロット22に最終的に巻き回される巻線2
3のターン数Rとなる)、このターン数Rの巻線23は
複数のスロット22(所定の一対のスロット22と、別
の他の一対のスロット22)に直列的でかつ分散して巻
き回している。
【0044】このため、この電機子10の作動(回転)
中においてブラシと整流子26のセグメント24による
給電状態が切り替わる際には、各スロット22に巻き回
した巻線23のターン数Xとターン数Yとによる磁界が
順次滑らかに切り換わることになる。このため、磁界の
変動幅が小さくなり、電機子10の吸引力または反発力
が急激に変化せずコギングの発生を低減することができ
る。したがって、トルク変動や回転ムラが少なくなり、
騒音や振動が低減される。
【0045】しかもこの場合、従来の如く電機子コアや
界磁磁石に所謂スキュー部を設けたり整流子のセグメン
トを多数化する等の構成ではなく、ターン数Rの巻線2
3を複数のスロット22に直列的でかつ分散して巻き回
した構成であるため、部品や加工設備が複雑になること
がなく、既存の加工設備で実施可能であり、コストが増
加することもない。
【0046】またしかも、各スロット22に巻き回され
た巻線23のターン数Rが従来と実質的に同じであって
も、このターン数Rの巻線23を分散しながら順次巻き
回した構成であるため、各スロット22のスペースに緊
密に無駄なく巻き回すことができる。すなわち、図1に
示す如く、コイルエンド部分(外側に巻き回される巻線
23)がその次に巻き回される巻線23の巻回スペース
を侵食することがなく(そのスペースを塞ぐことがな
く)、巻線収容不可領域(デッドスペース)が生じな
い。したがって、スロット22に巻き回された巻線23
の占有率が増加すると共に、コイルエンド部分(最も外
側に巻き回される巻線23)の高さ(径)寸法が低く抑
えられる。これにより、この電機子10すなわち回転電
機の更なる小型化を図ることができる。
【0047】さらに、図1及び図2(A)乃至図2
(C)に示す如く電機子10においては、巻線23を巻
き回す際に、積層コア18の中心部に装着された回転軸
20を中心として略対向する位置に、巻線23を複数
(2線)同時に巻き回した構成であるため、所定量(タ
ーン数R)の巻線23を全てのスロット22に短時間で
巻き回すことができ、加工効率が向上する。
【0048】このように、本実施の形態に係る電機子1
0及びその製造方法によれば、トルク変動や回転ムラを
少なくして振動や騒音の発生を低減することができると
共に小型化をも図ることができ、かつこれを加工設備や
コストの増加を伴うことなく実現することができる。
【0049】なお、ターン数Rの巻線23を複数のスロ
ット22(所定の一対のスロット22と、別の他の一対
のスロット22)に直列的でかつ分散して巻き回す際
に、別の他の一対のスロット22は、基準とする所定の
一対のスロット22よりも電気的整流(磁界発生順序)
における「進み角」となるものであっても「遅れ角」と
なるものであっても差し支えなく、また、互いに隣接し
合うスロット22でなくても差し支えない。
【0050】さらに、2組のスロット22対に巻線23
を分散して巻き回すに限らず、3組以上のスロット22
対に巻線23を分散して巻き回すように構成してもよ
い。
【0051】また、分散して巻き回す巻線23のターン
数(ターン数Xとターン数Y)は、必ずしも等分にする
必要はなく、要求される電機子10(回転電機)の性能
等に応じて異ならせて構成してもよい。
【0052】またさらに、巻線23を複数(2線)同時
に巻き回しするに限らず、巻線23を単線にて巻き回し
ても何ら差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電機子の構成を示す
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電機子の構成を示す
断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電機子のスロットに
巻き回された巻線及びこの巻線が結線された整流子の構
成を示す模式的な展開図である。
【図4】従来の電機子の構成を示す図1に対応する断面
図である。
【図5】従来の電機子の構成を示す図2に対応する断面
図である。
【図6】従来の電機子のスロットに巻き回された巻線及
びこの巻線が結線された整流子の構成を示す図3に対応
する模式的な展開図である。
【符号の説明】
10 電機子 22 スロット(コアスロット) 23 巻線 24 セグメント 26 整流子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H603 AA03 BB01 BB04 BB12 CA02 CA05 CB02 CB17 CC11 CC17 CD05 EE25 5H604 AA05 BB01 BB07 BB14 CC02 CC05 CC16 QB13 5H615 AA01 BB01 BB04 PP02 PP13 QQ02 QQ15 SS15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一の整流子セグメントに結線された巻線
    が所定の一対のコアスロット間に巻き回され、次ぎの整
    流子セグメントに結線することなく前記所定の一対のコ
    アスロットとは別の他の一対のコアスロット間に巻き回
    された後に、前記次ぎの整流子セグメントに結線されて
    成ることを特徴とする電機子。
  2. 【請求項2】 整流子セグメントに結線された巻線がコ
    アスロットに巻き回されて成る電機子の製造方法におい
    て、 一の整流子セグメントに結線された後の巻線を所定の一
    対のコアスロット間に巻き回し、その後に、次ぎの整流
    子セグメントに結線することなく前記所定の一対のコア
    スロットとは別の他の一対のコアスロット間に巻き回
    し、しかる後に前記次ぎの整流子セグメントに結線し、 前記巻線の巻き回し及び結線を、全てのコアスロット及
    び整流子セグメントについて、各コアスロットの巻線の
    ターン数が等しくなるまで順次繰り返して行う、 ことを特徴とする電機子の製造方法。
  3. 【請求項3】 電機子コアの中心部に装着された回転軸
    を中心として略対向位置に、前記巻線を複数同時に巻き
    回す、ことを特徴とする請求項2記載の電機子の製造方
    法。
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