JP2003141989A - カラー陰極線管の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

カラー陰極線管の製造方法及びその製造装置

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JP2003141989A
JP2003141989A JP2002328333A JP2002328333A JP2003141989A JP 2003141989 A JP2003141989 A JP 2003141989A JP 2002328333 A JP2002328333 A JP 2002328333A JP 2002328333 A JP2002328333 A JP 2002328333A JP 2003141989 A JP2003141989 A JP 2003141989A
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mask
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compressive force
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Masamichi Kimura
正通 木村
Takashi Kinoshita
喬 木下
Tsutomu Uchiumi
勉 内海
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャドウマスクに所定の張力を確実に印加で
き、さらにシャドウマスクのしわの発生を防止できるカ
ラー陰極線管の製造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 枠状に形成されたマスクフレーム2に、
少なくとも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧
縮力を加え、シャドウマスク1に圧縮力と反対方向の引
張力を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスク
フレームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の
製造方法であって、圧縮力を加える位置が前記マスクフ
レームの外側面の上端部である。このことにより、同じ
大きさ圧縮力を下端側に加える場合と比べて、圧縮力解
除後にはシャドウマスク引張方向の反発力が確実に得ら
れるので、シャドウマスクの引張力の低下を防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン、コ
ンピュータディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管
に関し、より詳しくはシャドウマスクに引張力を加えた
状態で、枠体に固着するカラー陰極線管の製造方法及び
製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー陰極線管の前面パネルの平
面化に伴い、シャドウマスクも平面化している。シャド
ウマスクが平面化してくると、従来のようにシャドウマ
スク本体をフレームで支持するのみではシャドウマスク
平面を維持できない。また、このように、単にフレーム
で支持するのみでは、外部からの振動により容易にシャ
ドウマスクが振動してしまいカラー陰極線管の表示画面
に悪影響を与える。このため、シャドウマスクに一定の
テンションを加えてフレームに架張支持することが行わ
れている。
【0003】一方、シャドウマスクに電子ビームが衝突
することにより熱膨脹して、シャドウマスク面が変形す
るドーミング現象においても、シャドウマスク面が平面
化することにより、特に画面両端部近傍においてドーミ
ングによる電子ビームの変位量が大きくなる。このた
め、前記のシャドウマスクの架張保持において、電子ビ
ームの衝突による熱膨脹を吸収させるべく、シャドウマ
スクには、弾性限界に近い実用最大限のレベルのテンシ
ョンを加えることが行われている。
【0004】このような架張保持によれば、シャドウマ
スクの温度が上昇しても外部からの振動によるシャドウ
マスクの振動、及びシャドウマスクの電子ビーム通過孔
と蛍光体スクリーン面の蛍光体ドットとの相互位置のず
れを防止することができる。
【0005】架張保持されたシャドウマスクをテンショ
ン型シャドウマスクと呼び、テンション型シャドウマス
クには、マスクフレームに細条素体を多数架張したアパ
ーチャグリル型、平板に略長方形の電子ビーム通過孔が
多数形成されたスロット型、及び平板に丸形の電子ビー
ム通過孔が多数形成されたドット型がある。
【0006】また、架張保持には一次元テンション方式
と二次元テンション方式とがある。一次元テンション方
式とは、シャドウマスクの縦方向(上下方向)のみに張
力を加える方式のことで、二次元テンション方式とは、
縦方向と横方向の両方向に張力を加える方式のことであ
る。アパーチャグリル型には、一次元テンション方式が
用いられ、スロット型やドット型では、一次元テンショ
ン方式または二次元テンション方式が用いられる。
【0007】シャドウマスクに所定の張力を与えるた
め、シャドウマスクに引張力を加え、かつマスクフレー
ムに圧縮力を加えた状態で、溶接によりシャドウマスク
とマスクフレームとを固着するカラー陰極線管の製造方
法が、種々提案されている(特開昭63−298936
号公報、特開平8−55577号公報、特開平9−75
05号公報参照)。
【0008】また、特開平9−7508号公報には、圧
縮力をマスクフレームの基端側に加える方法が提案され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来のカラー陰極線管の製造方法には、以下のよ
うな問題があった。 (1)マスクフレームに加える圧縮力の印加を複数箇所
で行うと、圧縮力の分布が不均一で、しかも圧縮力印加
箇所とそれ以外の部分とで圧縮力の差が大きくなり、フ
レームが波打つように変形する。このため、溶接後に圧
縮力を解除すると、フレームの波打状の変形がシャドウ
マスクの張力に反映され、シャドウマスクにしわが発生
する。 (2)圧縮力をマスクフレームの基端側に加える方法で
は、シャドウマスクとマスクフレームとを溶接により固
着した後圧縮力を解除すると、シャドウマスクが固着さ
れているマスクフレーム上端部に十分な反発力が加わら
ず、シャドウマスクに所定の張力が維持できない場合が
あった。
【0010】本発明は、前記のような従来の問題を解決
するものであり、シャドウマスクに所定の張力を確実に
印加でき、さらにシャドウマスクのしわの発生を防止で
きるカラー陰極線管の製造方法及び製造装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1のカラー陰極線管の製造方法は、枠状
に形成されたマスクフレームに、少なくとも1対の対向
する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮力を加え、シャドウ
マスクに前記圧縮力と反対方向の引張力を加えた状態
で、前記シャドウマスクを前記マスクフレームの上面に
溶接により固着するカラー陰極線管の製造方法であっ
て、前記圧縮力を加える位置が前記マスクフレームの外
側面の上端部であり、前記マスクフレームの1辺の全長
に亘り、可撓性板状部材の加圧板を介して前記圧縮力を
印加することを特徴とする。
【0012】前記のようなカラー陰極線管の製造方法に
よれば、圧縮力をマスクフレームの外側面の上端部に加
えることにより、同じ大きさの圧縮力を下端側に加える
場合と比べて、圧縮力解除後にはマスクフレームの復元
力によりシャドウマスクの引張力が確実に維持されるの
で、シャドウマスクの引張力の低下を防止できる。
【0013】また、マスクフレームの1辺の全長に亘
り、可撓性板状部材の加圧板を介して圧縮力を印加する
ことにより、圧縮力の分散により、マスクフレーム上の
圧縮力を均一な分布、または滑らかに変化した分布とす
ることができ、圧縮力解除後におけるシャドウマスクの
しわの発生を防止できる。
【0014】また、前記第1のカラー陰極線管の製造方
法においては、前記加圧板は上端部に突起部を有し、前
記突起部が前記マスクフレームの上端部に当接して前記
マスクフレームの上端部に圧縮力を印加することが好ま
しい。
【0015】次に、本発明の第2のカラー陰極線管の製
造方法は、枠状に形成されたマスクフレームに、少なく
とも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮力を
加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引張力
を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスクフレ
ームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の製造
方法であって、前記圧縮力を加える位置が前記マスクフ
レームの外側面の上端部であり、前記シャドウマスクに
引張力を加える前に、磁石又は真空引きによる吸着部を
備えた保持装置に前記シャドウマスクを吸着した後、前
記シャドウマスクを前記マスクフレーム上に張った状態
で前記保持装置に保持し、チャッキング装置で前記シャ
ドウマスクームを挟んだ後、前記チャッキング装置で前
記シャドウマスクに引張力を印加することを特徴とす
る。
【0016】前記のようなカラー陰極線管の製造方法に
よれば、シャドウマスクを所定の位置に確実に保持した
状態で、引張力を加え、溶接することができる。また、
シャドウマスクにしわの無い状態で、引張力を加えるこ
とができるので、溶接後のシャドウマスクに応力の不均
一が生じて熱処理工程後にしわが発生するという不具合
を防止することができる。
【0017】また、前記第2のカラー陰極線管の製造方
法においては、前記チャッキング装置により前記シャド
ウマスクに引張力を印加する前に、前記シャドウマスク
が前記保持装置に吸着して保持された状態で、前記シャ
ドウマスクをその中心に対して外側の向きに引っ張るこ
とにより、前記シャドウマスクを前記マスクフレーム上
に張った状態にすることが好ましい。
【0018】次に、本発明の第3のカラー陰極線管の製
造方法は、枠状に形成されたマスクフレームに、少なく
とも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮力を
加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引張力
を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスクフレ
ームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の製造
方法であって、前記圧縮力を印加する位置が前記マスク
フレームの外側面の上端部であり、前記シャドウマスク
に引張力を加える前に、曲面部が形成された保持装置の
前記曲面部に、前記シャドウマスクを吸着することによ
り、前記シャドウマスクを曲面形状に保持することを特
徴とする。
【0019】次に、本発明の第1のカラー陰極線管の製
造装置は、枠状に形成されたマスクフレームに、少なく
とも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮力を
加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引張力
を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスクフレ
ームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の製造
に用いるカラー陰極線管の製造装置であって、前記圧縮
力を加える加圧装置を備え、前記加圧装置によって前記
圧縮力を加える位置が前記マスクフレームの外側面の上
端部であり、前記加圧装置に、前記マスクフレームの1
辺の全長に亘る長さの可撓性板状部材の加圧板を備え、
前記加圧装置による前記圧縮力の印加を、前記マスクフ
レームの1辺の全長に亘り、前記加圧板を介して行うこ
とを特徴とする。
【0020】前記のようなカラー陰極線管の製造方法に
よれば、圧縮力をマスクフレームの外側面の上端部に加
えることにより、同じ大きさの圧縮力を下端側に加える
場合と比べて、圧縮力解除後にはマスクフレームの復元
力によりシャドウマスクの引張力が確実に維持されるの
で、シャドウマスクの引張力の低下を防止できる。
【0021】また、マスクフレームの1辺の全長に亘
り、可撓性板状部材の加圧板を介して圧縮力を印加する
ことにより、圧縮力の分散により、マスクフレーム上の
圧縮力を均一な分布、または滑らかに変化した分布とす
ることができ、圧縮力解除後におけるシャドウマスクの
しわの発生を防止できる。
【0022】また、前記第1のカラー陰極線管の製造装
置においては、前記加圧板は上端部に突起部を有し、前
記突起部が前記マスクフレームの上端部に当接して前記
マスクフレームの上端部に圧縮力を印加することが好ま
しい。
【0023】次に、本発明の第2のカラー陰極線管の製
造装置は、枠状に形成されたマスクフレームに、少なく
とも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮力を
加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引張力
を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスクフレ
ームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の製造
に用いるカラー陰極線管の製造装置であって、前記圧縮
力を加える加圧装置を備え、前記加圧装置によって前記
圧縮力を加える位置が前記マスクフレームの外側面の上
端部であり、磁石又は真空引きによる吸着部を備えた保
持装置と、前記シャドウマスクを挟むチャッキング装置
とを備え、前記シャドウマスクに引張力を加える前に、
前記保持装置に前記シャドウマスクを吸着した後、前記
シャドウマスクを前記マスクフレーム上に張った状態で
前記保持装置に保持し、前記チャッキング装置で前記シ
ャドウマスクを挟んだ後、前記チャッキング装置で前記
シャドウマスクに引張力を印加することを特徴とする。
【0024】前記のようなカラー陰極線管の製造装置に
よれば、シャドウマスクを所定の位置に確実に保持した
状態で、引張力を加え、溶接することができる。また、
シャドウマスクにしわの無い状態で、引張力を加えるこ
とができるので、溶接後のシャドウマスクに応力の不均
一が生じて熱処理工程後にしわが発生するという不具合
を防止することができる。
【0025】また、前記第2のカラー陰極線管の製造装
置においては、前記チャッキング装置により前記シャド
ウマスクに引張力を印加する前に、前記シャドウマスク
が前記保持装置に吸着して保持された状態で、前記シャ
ドウマスクをその中心に対して外側の向きに引っ張るこ
とにより、前記シャドウマスクを前記マスクフレーム上
に張った状態にすることが好ましい。
【0026】次に、本発明の第3のカラー陰極線管の製
造装置は、枠状に形成されたマスクフレームに、少なく
とも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮力を
加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引張力
を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスクフレ
ームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の製造
に用いるカラー陰極線管の製造装置であって、前記圧縮
力を加える加圧装置を備え、前記加圧装置によって前記
圧縮力を加える位置が前記マスクフレームの外側面の上
端部であり、前記シャドウマスクを吸着して保持する保
持装置を備え、前記シャドウマスクに引張力を加える前
に、前記保持装置に形成された曲面部に、前記シャドウ
マスクを吸着することにより、前記シャドウマスクを曲
面形状に保持することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて具体的に説明する。図1に、シャドウマスクセ
ット工程からマスクフレーム架張工程までを、図2にマ
スクフレーム加圧工程からシャドウマスク切断工程まで
を工程順に示している。
【0028】図3にマスクフレーム加圧装置(以下、
「加圧装置」という。)、シャドウマスクチャッキング
装置(以下、「チャッキング装置」という。)、シャド
ウマスク保持装置(以下、「保持装置」という。)の配
置図を示している。図1、2の工程図では、図3に示し
た各装置の図示は省略した。
【0029】以下、図1〜6を用いて製造工程順に説明
する。図1(a)は、シャドウマスクセット工程を示し
ている。シャドウマスク1は、スロット型の一次元テン
ション方式の例を示している。また、マスクフレーム2
は、長方形の枠体で、互いに対向する断面L字形状の上
下の長辺フレーム2a,2bに、左右の短辺フレーム2
c、2dとがそれぞれ固着されることにより形成されて
いる。
【0030】本工程において、図3に示した保持装置3
を用いてシャドウマスク1を保持し、シャドウマスク1
をマスクフレーム2に対して位置決めする。この位置決
めは、例えばシャドウマスク1に設けた穴または切り欠
きと、保持装置3に設けた突起とを嵌め合わせて行う。
【0031】保持装置3は上面3aが所定の曲面形状、
例えば円筒面である。また、この上面3aには吸着部4
が形成されている。このため、シャドウマスク1は、吸
着部4によって吸着されることにより、所定の曲面形状
に保持されることになる。
【0032】吸着部4による吸着には、例えば磁石、真
空引きが用いられる。磁石による場合は、マスク保持装
置3の上面3aに、磁石を埋め込んだものを用いればよ
く、真空引きによる場合は、保持装置3の上面3aに空
気吸入口を設ければよい。
【0033】保持装置3によってシャドウマスク1を曲
面形状に保持した状態で、シャドウマスク1をその中心
に対して外側の向きに引っ張ることにより十分に張っ
て、シャドウマスク1のしわ、たるみを除去する。シャ
ドウマスク1を張る向きは、シャドウマスク1の架張方
向にのみでも、シャドウマスク1の対角方向にのみで
も、その両方の方向であってもよい。このようなシャド
ウマスク1を張ることは、保持装置3をシャドウマスク
1を架張する方向に移動させたり、シャドウマスク1の
四隅においたマグネット片を放射状に滑らせたりするこ
とにより行う。
【0034】このような方法により、シャドウマスク1
をマスクフレーム2上に張った状態で保持することがで
きる。このことによって、シャドウマスク1をしわの無
い状態で、次工程での引張力の印加ができるので、溶接
後のシャドウマスクに応力の不均一が生じて熱処理工程
後にしわが発生するという不具合を防止することができ
る。
【0035】図1(b)はシャドウマスクチャッキング
の工程を示している。本工程では、図3に示したチャッ
キング装置5を用いる。シャドウマスク1は上側チャッ
キング治具6、下側チャッキング治具7によって、挟ま
れる。
【0036】上側チャッキング治具6の下面6aは曲面
形状(凹状)で、下側チャッキング治具7は上面7aが
曲面形状(凸状)である。このため、シャドウマスク1
は上下のチャッキング治具6,7によって挟まれると、
保持装置3の上面3aと同じ所定の曲面形状に保持され
ることになる。
【0037】図1(c)は、シャドウマスク架張工程を
示している。本工程では、チャッキング装置5よって挟
まれたシャドウマスク1は、矢印a方向に引っ張られ、
張力が印加される。
【0038】図2(a)は、マスクフレーム加圧工程を
示している。本工程で、マスクフレーム1の長辺フレー
ム2a、2bの外側面、すなわちL字形状のうち立ち上
がり部の側面に圧縮力(矢印b)が加えられる。図4
に、本工程で用いる加圧装置の一実施形態の斜視図を示
している。図4では、フレーム2a側しか図示していな
いが、フレーム2b側にも同様の装置が配置されてい
る。
【0039】加圧装置8は、加圧ブロック9とこれに固
定された加圧板10とを備えている。加圧板10は可撓
性材料で、例えばポリアセタール・コポリマー(商品
名:ジュラコン)を用いることができる。マスクフレー
ム2への圧縮力の印加は、加圧ブロック9によって矢印
b方向の力を印加することにより行う。
【0040】加圧板10の上端部には突起部11が形成
されている。このため、マスクフレームに圧縮力が直接
加わるのは、突起部11が当接する長辺フレーム2a,
2bの立ち上り部15側面の上端部である。立ち上り部
15側面の上端部に圧縮力を印加した場合の、マスクフ
レーム2の変形前後の状態を図5(a)に示している。
2点鎖線が圧縮力の印加状態である。
【0041】圧縮力は立ち上り部15側面の上端部に印
加(矢印b)しているので、立ち上り部15側面の上端
部は確実に内側に倒れ込む。この場合立ち上り部15側
面の上端部では、圧縮力と、ばね作用により立ち上り部
15が元の垂直方向に戻ろうとする反発力とがつり合っ
ている。また、シャドウマスク1には引張力(矢印a)
が加わっている。後述するようにこの状態で、立ち上り
部15上面とシャドウマスク1とを溶接し、その後圧縮
力を解除する。圧縮力を解除すると、シャドウマスク1
の引張力と立ち上り部15の反発力とがつり合うことに
なる。
【0042】前記のように、圧縮力印加時は立ち上り部
15側面の上端部では圧縮力と立ち上り部15反発力と
がつり合うので、圧縮力をシャドウマスク1の引張力と
等しくなるように加えておけば、圧縮力の解除後は、立
ち上り部15反発力とシャドウマスク1の引張力とがそ
のままつり合うことになり、立ち上り部15の変位はな
く圧縮力印加時の状態を維持することになる。すなわ
ち、シャドウマスク1の引張力はそのまま維持されるこ
とになり、架張力の低下を防止できる。
【0043】図5(b)に、圧縮力をシャドウマスク1
の引張力と等しい大きさとし、印加位置を立ち上り部1
5側面の下端側とした比較例を示している。この場合
は、立ち上り部15上端部の内側への変位量は、圧縮力
を立ち上り部15側面の上端部に印加した場合と比べる
と減少する。すなわち、圧縮点では力の大きさはシャド
ウマスク1の引張力と等しくても、立ち上り部15側面
の上端部では、立ち上り部15の反発力はシャドウマス
ク1の引張力と等しいだけの力は確保されていないこと
になる。
【0044】このため、圧縮力解除後は、シャドウマス
ク1の引張力の方が、立ち上り部15の反発力よりも大
きいため、立ち上り部15がさらに内側に変位した状態
でつり合うことになる。この状態ではシャドウマスク1
の引張力は、圧縮力解除前と比べて低下してしまうこと
になる。シャドウマスク1の引張力の低下を防止しよう
とすれば、圧縮力を高める必要があり、この場合は適切
な圧縮力をコントロールすることが困難となる上に、設
備が大型化してしまう。
【0045】また、下端側に圧縮力を加えた場合には圧
縮力を高めたとしても、下端側のみが圧縮され、立ち上
り部上端部の内側への変位がほとんどなかったり、立ち
上り部上端部が外側に反る場合も起こり得る。このよう
な場合は、圧縮力を高めても、シャドウマスクの引張方
向の立ち上り部の反発力は得られないことになる。
【0046】以上のように、圧縮力を立ち上り部側面の
上端部に加えることにより、同じ大きさの圧縮力を下端
側に加える場合と比べて、圧縮力解除後にはシャドウマ
スク引張方向の反発力が確実に得られる。また、反発力
の大きさを引張力と等しくすることが容易となるので、
シャドウマスク1の引張力の低下を防止できる。
【0047】圧縮力を加える位置は、図3に示したよう
にフレームの立ち上り部15高さをH、立ち上り部15
上面から突起部11の中心までの距離をAとすると、A
≦0.15Hの関係を満足することが好ましい。本実施
形態では、H=37mm、A=4mmとし、合計200
kgfの引張力をシャドウマスク1に均等に加え、マス
クフレームには合計200kgfの圧縮力を加えたとこ
ろ、溶接後、圧縮力を解除すると、シャドウマスク1に
は必要な引張力が確保されていた。
【0048】また、前記のように長辺フレーム2a、2
bの立ち上り部15面には、加圧板10を介して圧縮力
が加わることになる。加圧板10は、可撓性材料で形成
されているため、マスクフレームの立ち上り部15面に
加わる圧縮力分布の均一度を容易に高めることができ
る。例えば、マスクフレームの複数箇所に直接圧縮力を
加える場合は、各印加箇所の圧縮力は一定であっても、
各印加点箇所の間の部分の圧縮力分布は均一とはなら
ず、圧縮力分布の均一度を高めるためには、印加箇所を
多数にしなければならず、複雑な装置が必要であった。
【0049】可撓性材料の加圧板10を介して印加する
ことによって、圧縮力は分散してマスクフレームに伝わ
るので、印加箇所が同じで加圧板10を介さない場合と
比べて、圧縮力分布の均一度は高まることになる。この
ため、印加箇所を多数にすることなく、マスクフレーム
上の圧縮力の均一な分布が簡単な構造で可能になる。
【0050】また、均一な圧縮力分布であることを必要
としない場合でも、圧縮力分布を滑らかに変化させるこ
とができる。マスクフレームに直接圧縮力を加えた場合
は、印加箇所の圧縮力が突出することになるが、可撓性
材料の加圧板10を介して印加することによって圧縮力
が分散するので、圧縮力分布が滑らに変化する。
【0051】圧縮力分布を均一にしない場合の加圧板に
よる加圧の一実施形態を図6に示した。図6は、加圧状
態の平面図を示しており、加圧板10は加圧ブロック9
から突出した加圧調整ねじ12により湾曲し、加圧面1
0aは曲面形状を形成している。このような加圧板10
により加圧すれば、本図に示したように、長辺フレーム
2a,2bも加圧面10aの曲面形状に沿って変形し、
長辺フレーム上の圧縮力分布を変化させることができ
る。
【0052】前記のように、圧縮力を均一な分布とした
場合、または滑らかに変化させた分布とした場合は、圧
縮力解除後におけるシャドウマスクに加わる引張力も均
一、または滑らかに変化した分布となるので、圧縮力解
除後におけるシャドウマスクのしわの発生を防止でき
る。
【0053】なお、シャドウマスクに加える張力を均一
にし、前記のようにマスクフレームに加える圧縮力が変
化している分布とした場合には、圧縮力解除後に圧縮力
の小さい部分ではシャドウマスクの張力が低下し、圧縮
力の大きい部分ではシャドウマスクの張力が増大する。
シャドウマスク両端部の張力が小さくなるような分布に
設定すれば、シャドウマスクが振動した場合にも、速や
かに減衰させることができる。
【0054】図2(b)は、溶接工程を示している。本
工程において、マスクフレームの長辺フレーム2a,2
bの立ち上り部の上面とシャドウマスク1とを溶接す
る。溶接は、例えば本図に示したようなローラ電極13
によって行う。溶接完了後は、マスクフレームへの圧縮
力を解除する。
【0055】図2(c)は溶接完了後、シャドウマスク
1のマスクフレーム2外側の不要部分を切断した状態を
示している。以上のような工程を経てシャドウマスクの
架張が完了する。
【0056】なお、以上の説明では、シャドウマスクの
縦方向のみに張力を加える一次元テンション方式の場合
を説明したが、縦方向と横方向の両方向に張力を加える
二次元テンション方式でも同様の効果が得られる。
【0057】また、マスクフレームの断面形状はL字形
の場合で説明したが、図3の2点鎖線で示したように、
補強のために斜辺14を追加したものでもよい。
【0058】また、長辺フレームは、一枚の板状部材を
折り曲げて形成しているが、L字の立ち上がり部分に別
途板状部材を溶接等で固着したものでもよい。この場合
は、追加した板状部材にシャドウマスクが溶接されるこ
とになる。
【0059】また、シャドウマスクがスロット型の例を
示したが、ドット型でもアパーチャグリル型でもよい。
【0060】また、シャドウマスクをマスクフレームに
曲面状に固着させる実施形態で説明したが、平面状に固
着させる場合であってもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧縮力
をマスクフレームの外側面の上端部に加えることによ
り、同じ大きさの圧縮力を下端側に加える場合と比べ
て、圧縮力解除後にはシャドウマスクの引張方向の反発
力が確実に得られる。また反発力の大きさを引張力と等
しくすることが容易となるので、シャドウマスクの引張
力の低下を防止できる。
【0062】また、マスクフレームの1辺の全長に亘
り、可撓性の板状部材を当接させて圧縮力を加えること
により、圧縮力の分散により、マスクフレーム上の圧縮
力を均一な分布、または滑らかに変化した分布とするこ
とができ、マスクフレームの波打ち状の変形を防止でき
るので、圧縮力解除後におけるシャドウマスクのしわの
発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシャドウマスクセット工程からマ
スクフレーム架張工程までの一実施形態を示す斜視図
【図2】本発明に係るマスクフレーム加圧工程からシャ
ドウマスク切断工程までの一実施形態を示す斜視図
【図3】本発明に係る加圧装置、チャッキング装置及び
保持装置の一実施形態の配置図
【図4】本発明に係る加圧装置の一実施形態の斜視図
【図5】(a)本発明の一実施形態に係るマスクフレー
ムの変形前後を示す側面図 (b)比較例に係るマスクフレームの変形前後を示す側
面図
【図6】本発明に係る加圧装置の加圧板による加圧の一
実施形態を示す平面図
【符号の説明】
1 シャドウマスク 2 マスクフレーム 2a,2b 長辺フレーム 2c,2d 短辺フレーム 3 保持装置 3a 保持装置上面 4 吸着部 5 チャッキング装置 6 上側チャッキング治具 6a 上側チャッキング治具下面 7 下側チャッキング治具 7a 下側チャッキング治具上面 8 加圧装置 9 加圧ブロック 10 加圧板 11 突起部 12 加圧調整ねじ 13 ローラ電極 14 斜辺 15 立ち上り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内海 勉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 HH23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状に形成されたマスクフレームに、少
    なくとも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮
    力を加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引
    張力を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスク
    フレームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の
    製造方法であって、 前記圧縮力を加える位置が前記マスクフレームの外側面
    の上端部であり、 前記シャドウマスクに引張力を加える前に、磁石又は真
    空引きによる吸着部を備えた保持装置に前記シャドウマ
    スクを吸着した後、前記シャドウマスクを前記マスクフ
    レーム上に張った状態で前記保持装置に保持し、 チャッキング装置で前記シャドウマスクームを挟んだ
    後、前記チャッキング装置で前記シャドウマスクに引張
    力を印加することを特徴とするカラー陰極線管の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記チャッキング装置により前記シャド
    ウマスクに引張力を印加する前に、前記シャドウマスク
    が前記保持装置に吸着して保持された状態で、前記シャ
    ドウマスクをその中心に対して外側の向きに引っ張るこ
    とにより、前記シャドウマスクを前記マスクフレーム上
    に張った状態にする請求項1に記載のカラー陰極線管の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 枠状に形成されたマスクフレームに、少
    なくとも1対の対向する各辺間の間隔が縮む方向に圧縮
    力を加え、シャドウマスクに前記圧縮力と反対方向の引
    張力を加えた状態で、前記シャドウマスクを前記マスク
    フレームの上面に溶接により固着するカラー陰極線管の
    製造に用いるカラー陰極線管の製造装置であって、 前記圧縮力を加える加圧装置を備え、前記加圧装置によ
    って前記圧縮力を加える位置が前記マスクフレームの外
    側面の上端部であり、 磁石又は真空引きによる吸着部を備えた保持装置と、 前記シャドウマスクを挟むチャッキング装置とを備え、 前記シャドウマスクに引張力を加える前に、前記保持装
    置に前記シャドウマスクを吸着した後、前記シャドウマ
    スクを前記マスクフレーム上に張った状態で前記保持装
    置に保持し、 前記チャッキング装置で前記シャドウマスクを挟んだ
    後、前記チャッキング装置で前記シャドウマスクに引張
    力を印加することを特徴とするカラー陰極線管の製造装
    置。
  4. 【請求項4】 前記チャッキング装置により前記シャド
    ウマスクに引張力を印加する前に、前記シャドウマスク
    が前記保持装置に吸着して保持された状態で、前記シャ
    ドウマスクをその中心に対して外側の向きに引っ張るこ
    とにより、前記シャドウマスクを前記マスクフレーム上
    に張った状態にする請求項4に記載のカラー陰極線管の
    製造装置。
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CN103695840A (zh) * 2013-11-25 2014-04-02 昆山允升吉光电科技有限公司 一种掩模组件的组装方法

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