JP2003140708A - 学習制御空調装置の教師データ作成方法 - Google Patents

学習制御空調装置の教師データ作成方法

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JP2003140708A
JP2003140708A JP2001339454A JP2001339454A JP2003140708A JP 2003140708 A JP2003140708 A JP 2003140708A JP 2001339454 A JP2001339454 A JP 2001339454A JP 2001339454 A JP2001339454 A JP 2001339454A JP 2003140708 A JP2003140708 A JP 2003140708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニューラルネットワークにより空調制御を行
う空調装置において、人的ミスが無く、かつ、早く、容
易に教師データを作成できるようにする。 【解決手段】 ニューラルネットワークの出力を汎用コ
ンピュータ20でシフトさせ、シフトされた出力と、そ
の出力に対応する入力とを反映して教師データ21をコ
ンピュータ20に作成させる。これにより、人的ミスが
無く、かつ、早く、容易に教師データ21を作成するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニューラルネット
ワークによって学習制御される空調装置において、教師
データを作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平11−301239号公報では、
上記学習制御空調装置を車両用の空調装置に適用したも
のが記載されている。この空調装置は、乗員の設定温度
操作等に基づいて学習するニューラルネットワークを備
えており、このニューラルネットワークにより算出され
た空調制御量に基づいて空調制御を行うものである。
【0003】このような学習制御空調装置では、空調装
置を市場に出荷する前段階において、数万点〜数十万点
からなる教師データによりニューラルネットワークを学
習させて、ニューラルネットワークの結合係数を予め初
期設定しておくといったチューニング作業が必要とな
る。ここで、上記教師データに不具合があると、空調装
置の作動に対する乗員の温感、音感等の不満が多くなっ
てしまう。そこで従来では、以下の手順で教師データの
良否を評価しつつ、チューニング作業を行うようにして
いる。
【0004】初めに、所定の教師データに基づいて学習
したニューラルネットワークを用いて空調装置を実際に
作動させる。そして、この作動に対する温感、音感等の
評価を、環境条件(例えば外気温度、日射量等)や乗員
操作(例えば設定温度等)の設定毎に行う(空調評
価)。なお、上記評価は、ニューラルネットワークの出
力項目(例えばフェイス吹出温度、風量、吹出口モー
ド)毎に行う。
【0005】その後、上記評価に基づいて、温感、音感
等の評価に不満があったポイントを抽出し、教師データ
をどのように変更したら不満が解消されるかを検討する
(空調評価結果検討)。そして、上記検討に基づいて
前記所定の教師データを変更して作成する(教師デー
タ作成)。
【0006】そして、変更作成された教師データに基づ
いて再度ニューラルネットワークを学習させる(学
習)。そして、再度学習したニューラルネットワークの
出力と教師データの出力データとの誤差が、所定の誤差
範囲に収まっているか否かを検証する(学習誤差検
証)。なお、所定誤差範囲に収まっていない場合には、
再度教師データ作成および学習の作業を行い、所定
誤差範囲に収まるようにする。
【0007】そして、所定誤差範囲に収まった状態のニ
ューラルネットワークをROMに搭載し(ROM搭
載)、ROMに搭載されたニューラルネットワークによ
り実際に空調装置を作動させてみて不具合の有無をチェ
ックする(ROMチェック)。その後、上記空調評
価の作業を再度行う(再空調評価)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記手番〜
のうち、手番の空調評価結果検討の作業は、手作業
で評価結果を解析して教師データ改良ポイントを割り出
す作業となるため、非常に繁雑な作業であり、人的ミス
が発生しやすい。
【0009】さらに、手番の空調評価において、環境
条件や乗員操作の設定を変えると、1つの出力項目(例
えばフェイス吹出温度)のみならず、他の出力項目(例
えば風量や吹出口モード)も変化してしまうため、最適
な出力を探すのが困難であり、作業時間も増大する。
【0010】本発明は、上記点に鑑み、ニューラルネッ
トワークにより空調制御を行う空調装置において、人的
ミスが無く、かつ、早く、容易に教師データを作成でき
るようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、ニューラルネットワー
クによって算出された空調制御量に基づいて空調制御を
行う学習制御空調装置において、ニューラルネットワー
クの結合係数を計算するために用いる教師データの作成
方法であって、ニューラルネットワークの出力をコンピ
ュータ(20)でシフトさせ、シフトされた出力と、そ
の出力に対応する入力とを反映して教師データ(21)
をコンピュータ(20)に作成させることを特徴とす
る。
【0012】これにより、人的ミスが無く、かつ、早
く、容易に教師データ(21)を作成することができ
る。
【0013】請求項2に記載の発明では、ニューラルネ
ットワークによって算出された空調制御量に基づいて空
調制御を行う学習制御空調装置において、ニューラルネ
ットワークの結合係数を計算するために用いる教師デー
タの作成方法であって、ニューラルネットワークの出力
項目毎に、その出力をコンピュータ(20)でシフトさ
せることを特徴とする。
【0014】これにより、人的ミスが無く、かつ、早
く、容易に教師データ(21)を作成することができ
る。
【0015】請求項3に記載の発明では、コンピュータ
は、学習制御空調装置と通信可能な外部のコンピュータ
(20)であることを特徴とする。これにより、例え
ば、フェイス目標吹出温度や日射補正量などのように、
通常の学習制御空調装置では操作できない空調制御量を
も外部のコンピュータ(20)を用いてシフト操作でき
る。
【0016】請求項4に記載の発明では、作成した教師
データ(21)の内容をコンピュータ(20)で確認可
能としたことを特徴とする。これにより、シフト操作し
た結果、教師データ(21)の変更度合がどのくらいの
範囲に影響したかを確認することができる。
【0017】ところで、空調制御量の変化が急激である
部分の学習は困難である。これに対し、請求項5に記載
の発明では、シフトされた出力が空調制御量の変化を急
激にさせるものとなった場合には、急激になった部分の
変化が緩やかになるように補正して教師データ(21)
を作成することを特徴とするので、学習の困難な、空調
制御量の変化が急激な部分を、教師データ(21)作成
時点で無くすことができる。よって、学習を容易に行え
る。
【0018】また、請求項6に記載の発明では、シフト
された出力が空調制御量の変化を急激にさせるものとな
った場合には、急激になった部分付近の教師データ数を
増やして教師データ(21)を作成することを特徴とす
るので、学習の困難な、空調制御量の変化が急激な部分
の教師データ(21)の数を増やして、学習時になるべ
く学習結果が教師データ(21)にフィットするように
できる。
【0019】請求項7に記載の発明では、ニューラルネ
ットワークによって算出された空調制御量に基づいて空
調制御を行う学習制御空調装置において、ニューラルネ
ットワークの結合係数を計算するために用いる教師デー
タ(21)の作成をコンピュータ(20)に実行させる
ためのプログラムであって、ニューラルネットワークの
出力をコンピュータ(20)でシフトさせ、シフトされ
た出力と、その出力に対応する入力とを反映して教師デ
ータ(21)をコンピュータ(20)に作成させること
を特徴とする。これにより、請求項1に記載の発明の効
果と同様の効果をコンピュータに発揮させることができ
る。
【0020】また、請求項8に記載の発明では、ニュー
ラルネットワークの出力項目毎に、その出力を前記コン
ピュータ(20)でシフトさせることを特徴とする。こ
れにより、請求項2に記載の発明の効果と同様の効果を
コンピュータに発揮させることができる。
【0021】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。
【0023】(第1実施形態)本実施形態は、ニューラ
ルネットワークによって学習制御される空調装置のうち
車両用空調装置に、本発明の教師データの作成方法を適
用したものである。図1は、車両用空調装置に備えられ
た空調用電子制御装置(以下、エアコンECUという)
10および本実施形態の教師データ作成方法を行うため
の汎用コンピュータ20等のハード構成を示す模式図で
あり、前記車両用空調装置は特開平11−301239
号公報に記載の車両用空調装置と同様のものである。
【0024】このエアコンECU10は、乗員の設定温
度操作等に基づいて学習するニューラルネットワークを
備えており、このニューラルネットワークにより算出さ
れた空調制御量に基づいて車両用空調装置の空調制御を
行うものである。なお、エアコンECU10は、特開平
11−301239号公報に記載のECUと同様のもの
であり、周知のマイクロコンピュータ(空調用コンピュ
ータ)とその周辺回路との組み合わせからなるものであ
る。
【0025】なお、この車両用空調装置には、車室内の
設定温度tsetを設定する温度設定器が設けられてい
る。この温度設定器は車両計器盤の空調操作パネルに設
けられ、手動操作される温度設定手段である。また、車
両用空調装置には、車室内の内気温trを検出する内気
センサと車室外の外気温tamを検出する外気センサが
設けられ、さらに、車室内への日射量tsを検出する日
射センサ、エバポレータの冷却温度(吹出空気温度)t
eを検出するエバポレータ温度センサ、およびヒータコ
アに流入する温水の温度Twを検出する水温センサが設
けられている。
【0026】そして、エアコンECU10は、温度設定
信号tset、内気温センサ信号tr、および外気温セ
ンサ信号tam等を入力とし、ニューラルネットワーク
により目標吹出温度tao、ブロワ電圧VM等を算出す
る算出手段として機能する。
【0027】次に、ニューラルネットワークの概要につ
いて簡単に説明すると、ニューラルネットワークは、あ
る入力信号(例えば、tset、tam、tr)を与え
たときに、その出力が、予め設定された所望の値(教師
データ)になるように、ニューラルネットワークの結合
係数(シナプス荷重)を修正するという誤差逆伝播学習
機能(バックプロパーゲーション機能)を備えた階層構
造のネットワークである。
【0028】そして、教師データを変更した場合は、再
び、ある入力信号に対する出力が変更後の教師データと
なるように、繰り返し「学習」させることにより、結合
係数(シナプス荷重)を修正する。つまり、多量のデー
タ(教師データ)からその相関関数(結合係数)を自動
生成する特徴を持っている。
【0029】ところで、このような学習制御機能を有す
る車両用空調装置では、空調装置を市場に出荷する前段
階において、数万点〜数十万点からなる教師データによ
りニューラルネットワークを学習させて、ニューラルネ
ットワークの結合係数を予め初期設定しておくといった
チューニング作業が必要となる。ここで、上記教師デー
タに不具合があると、空調装置の作動に対する乗員の温
感、音感等の不満が多くなってしまう。
【0030】そこで本実施形態では、図2のフローチャ
ートに示す手順で、教師データの良否を評価しつつチュ
ーニング作業を行っている。
【0031】初めに、所定の教師データに基づいて学習
したニューラルネットワークを用いて空調装置を実際に
作動させる。そして、この作動に対する温感、音感(例
えば送風機の騒音に対する音感)等の評価を、環境条件
(例えば、tam、tr、ts等)や乗員操作(例えば
tset等)の設定毎に行う(空調評価(ステップS1
0))。
【0032】その後、上記評価に基づいて、温感、音感
等の評価に不満があったポイントを抽出し、教師データ
をどのように変更したら不満が解消されるかを検討する
(空調評価結果検討(ステップS20))。
【0033】そして、汎用コンピュータ20を用いて、
上記検討に基づいて前記所定の教師データを、後に詳述
する方法で変更して作成する(教師データ作成(ステッ
プS30))。なお、図1の符号21は、ステップS3
0で変更作成された教師データ群を示しており、汎用コ
ンピュータ20のディスプレイ(表示装置)22に表示
されている。
【0034】また、この教師データ21の入力値は、車
室内温度trと設定温度tsetdとの差から決定され
る偏差値tdd、外気温度tam、日射量tsであり、
出力値(空調制御量)はブロワ電圧VMである。なお、
本実施形態の車両用空調装置は車室内の運転席側と助手
席側とを左右独立に空調可能なものであり、前記偏差値
tddは、運転席側の前席設定温度tsetdと前席車
室内温度trとの偏差値tdである。
【0035】ところで、エアコンECU10は、当該車
両に搭載された他のECUと通信線Wにより接続されて
おり、所定の通信プロトコル(例えばCAN)により通
信可能になっている。そして、汎用コンピュータ10に
は通信線Wを接続するための通信線接続用カード22が
備えられており、このカード22に通信線Wを接続する
ことにより、エアコンECU10と汎用コンピュータ2
0とが、上記通信プロトコルで通信可能になっている。
【0036】これにより、ステップS30では、エアコ
ンECU10からtr、tam、ts等のデータを汎用
コンピュータ20に入力し、これらの入力データを用い
て教師データ21を作成することができる。そして、車
両にもともと存在する通信線Wおよび通信プロトコルを
利用することにより、空調用コンピュータのハード改造
を無くすことができる。或いは、このようなハード改造
を最小限に抑えることができる。よって、学習制御空調
装置の設計費のコストダウンを図ることができる。
【0037】次に、変更作成された教師データ21の入
力値と出力値とをデータ補間(例えば線形補間、最近傍
点補間、キュービック補間等)して最適化関数を計算
し、空調装置作動中の入力値(この場合はtdd、ta
m、ts)に対する最適化関数の演算値を出力値(この
場合はVM)とする(エミュレータ組み込み(ステップ
S40))。本実施形態ではデータ補間として線形補間
を採用しているため、最適化関数を計算する時間は、従
来の手番によりニューラルネットワークを学習させる
時間に比べて極めて短時間で済む。
【0038】なお、汎用コンピュータ10には上記のよ
うにデータ補間して最適化関数を計算するアプリケーシ
ョンソフト(例えばMATLAB)がインストールされ
ている。
【0039】次に、最適化関数の演算値である出力値
(taod)をエアコンECU10に送信し、この送信
された出力値(taod)に基づいて、実際に車両用空
調装置を作動させてみる。そして、通信入出力値、演算
値に不具合がないかを検証する(作動チェック(ステッ
プS50))。
【0040】ここで、このように検証するにあたり、空
調装置の作動が教師データ21のうちいずれの部分のデ
ータに基づくものかを、図1の符号22aに示すように
ディスプレイ22に表示するようにしている。これによ
り、空調内容に不満があった時、教師データ21が悪い
のか、ニューラルネットワーク以外の制御が悪いのかが
判断しやすくなる。
【0041】次に、空調の再評価を行い、ステップS2
0での不満が軽減されているかを確認する(再空調評価
(ステップS60))。
【0042】なお、入出力値はセンサ信号等をそれぞれ
0〜1に規格化(正規化)されたものであり、実際に出
力された値は、0〜1から逆変換する作業が必要であ
る。例えば、内気センサにより検出される内気温Trの
実際の検出範囲は、通常、0℃〜50℃であり、この検
出値を規格化部で0〜1に割り当て、ニューラルネット
ワークの入力層に入力する。出力層からの出力結果も0
〜1の値が出力されるので、出力変換部において予め設
定された変換マップによってセンサ信号等に対応する実
際の値に逆変換される。
【0043】次に、本発明の要部である、ステップS3
0における教師データ21の作成方法を説明する。
【0044】図3は、汎用コンピュータ20により教師
データ21を作成させる作動を示すフローチャートであ
り、初めに、ステップS10で用いた所定の教師データ
21を汎用コンピュータに読み込む(ステップS31
0)。
【0045】次に、専用プログラムを用いて、読み込ん
だ所定の教師データ21を線形補間して制御パターンを
作成する(ステップS320)。以下にその作成手順を
説明すると、図4は、ブロワ電圧VMの制御パターンを
示す、偏差値tddとブロワ電圧VMとの特性図であ
り、この特性図は、図1に示すように汎用コンピュータ
20のディスプレイ22に表示される。
【0046】また、ディスプレイ22には、空調装置の
作動が教師データ21のうちいずれの部分のデータに基
づくものかが、図1の符号22aに示すように表示され
る。これにより、空調内容に不満があった時、教師デー
タ21が悪いのか、ニューラルネットワーク以外の制御
が悪いのかが判断しやすくなる。
【0047】さらに、ディスプレイ22には、ブロワ電
圧VMの制御パターンをシフトさせるツールバーAと、
フェイス吹出温度TAVの制御パターンをシフトさせる
ツールバーBとが表示される。ここで、図4(a)に示
す特性図中の点線は、ステップS10で用いた所定の教
師データ21によるオリジナル制御パターンを示してお
り、上記ツールバーA、Bを操作することにより、制御
パターンをシフトさせることができる。
【0048】具体的には、ツールバーAを用いて、オリ
ジナル制御パターン上のデータD1をデータD2に変更
する1回目の操作を行うと、データD2を通るようにオ
リジナル制御パターンの傾斜の部分が平行移動(シフ
ト)する。この1回目の変更操作を学習した後のブロワ
電圧特性VMは図4(a)の実線に示す制御パターンと
なる。
【0049】次に、ステップS320にて上記ツールバ
ーAの操作によりブロワ電圧VMの制御パターンが変更
されているか否かを判定する(ステップS330)。そ
して、変更があったと判定されればステップS340に
進み、上記ツールバーAの操作を学習し、制御パターン
を変更する。
【0050】この変更の具体例を以下に説明すると、図
4(b)に示す特性図中の一点鎖線は、1回目の学習後
の制御パターンを示しており、1回目学習後制御パター
ン上のデータD3をデータD4に変更する2回目の操作
を行うと、データD2およびデータD4を通るように1
回目学習後制御パターンの傾斜の傾きを変更する。この
2回目の変更操作を学習した後のブロワ電圧特性VMは
図4(b)の実線に示す制御パターンとなる。
【0051】図4(c)に示す特性図中の二点鎖線は、
2回目の学習後の制御パターンを示しており、2回目学
習後制御パターン上のデータD5をデータD6に変更す
る3回目の操作を行うと、2回目学習後制御パターン
を、データD2、データd4、データD6を最小二乗近
似する傾きに変更して線形補間する。この3回目の変更
操作を学習した後のブロワ電圧特性VMは図4(c)の
実線に示す制御パターンとなる。
【0052】そして、3回目以上の変更操作に対して
は、変更後の各データを最小二乗近似する傾きを求めて
制御パターンを作成する。そして、以上の学習が終了し
た場合およびステップS330にて変更がなかったと判
定された場合には、ステップS350に進む。
【0053】そして、ステップS350にて評価試験が
終了したか否かを判定し、終了していなければステップ
S330に戻り、終了していればステップS360に進
み、ステップS340で学習した制御パターンから、所
定間隔でデータをサンプリングし、これらのサンプリン
グデータに基づいて教師データ21を専用プログラムを
用いて作成する。
【0054】以上により本実施形態によれば、ステップ
S30において、シフトされた出力であるブロワ電圧V
Mと、そのブロワ電圧VMに対応する偏差値tdd等と
を反映して最終的な教師データ21を汎用コンピュータ
20に作成させて、その教師データ21を用いてニュー
ラルネットワークを学習させることができる。よって、
人的ミスが無く、かつ、早く、容易に教師データ21を
作成することができる。
【0055】また、本実施形態によれば、作成した教師
データ21の内容を汎用コンピュータ20のディスプレ
イ22で確認可能となるので、シフト操作した結果、教
師データ21の変更度合がどのくらいの範囲に影響した
かをディスプレイ22上で確認することができる。
【0056】また、本実施形態によれば、学習制御空調
装置と通信可能な外部の汎用コンピュータ20を用いて
教師データ21を作成するので、例えば、フェイス目標
吹出温度TAVや日射補正量tsなどのように、通常の
学習制御空調装置では操作できない空調制御量をも、汎
用コンピュータ20を用いてシフト操作できる。
【0057】また、本実施形態によれば、汎用コンピュ
ータ20におけるツールバーBを用いて、フェイス吹出
温度TAVの制御パターンを設定できるので、通常、車
両計器盤の空調操作パネルからは設定操作できない空調
制御量(TAV)を設定でき、教師データ21の作成を
容易にできる。
【0058】また、本実施形態によれば、ステップS4
0がエミュレート手段として機能し、教師データ21を
用いて、エアコンECU10に代わって汎用コンピュー
タ20が出力値(VM)を直接算出することができる。
よって、従来膨大な時間がかかっていた手番の学習作
業を省いて教師データ21の良否を評価できるととも
に、時間のかからない簡易な手法で出力値(VM)を直
接算出できるので、教師データ21の評価日数を短縮す
ることができ、ひいては学習制御空調装置の設計費のコ
ストダウンを図ることができる。
【0059】(第2実施形態)図5は、本実施形態のエ
アコンECU10および汎用コンピュータ20等のハー
ド構成を示す模式図であり、ハード構成は第1実施形態
と同様である。そして、第1実施形態ではディスプレイ
22に、ブロワ電圧VMの制御パターンをシフトさせる
ツールバーAと、フェイス吹出温度TAVの制御パター
ンをシフトさせるツールバーBとを表示させていたが、
本実施形態では、これらのツールバーA、Bに加え、ツ
ールバーC、D、E、Fをも表示させている。
【0060】これらのツールバーA〜Fは、ニューラル
ネットワークの出力項目毎に、その出力をコンピュータ
20でシフトさせるものであり、具体的には、ツールバ
ーCは運転席側の目標吹出温度taodの制御パターン
を、ツールバーDは助手席側の目標吹出温度taopの
制御パターンを、ツールバーEは日射量tsの制御パタ
ーンを、ツールバーFは吹出口モード算出値sの制御パ
ターンを、それぞれシフトさせるものである。
【0061】図6は、本実施形態に係る、汎用コンピュ
ータ20により教師データ21を作成させる作動を示す
フローチャートであり、第1実施形態の図3に示すフロ
ーチャートのステップS330を図6に示すステップS
331に変更したものであり、その他のステップは第1
実施形態と同様である。
【0062】そして、ステップS320ではツールバー
A〜Fの操作により各制御パターンを変更できるように
なっており、ステップS331にて、これらのツールバ
ーA〜F操作により制御パターンの変更がなされたか否
かを判定するようになっている。
【0063】(第3実施形態)図7は、本実施形態に係
る、汎用コンピュータ20により教師データ21を作成
させる作動を示すフローチャートであり、第1実施形態
の図3に示すフローチャートのステップS340を図7
に示すステップS341、S342、S343に変更し
たものである。
【0064】ステップS341では、第1実施形態の図
4に示す要領で制御パターンを変更させたのと同じよう
に制御パターンを変更させる。そして、この変更により
シフトされた制御パターンがブロワ電圧VMの変化を急
激にさせたか否かを、ステップS342にて判定する。
本実施形態では、偏差値tdd1℃当たりのブロワ電圧
VMの変化が1.6Vより大きいか否かにより上記判定
を行うようにしている。
【0065】そして、ステップS342にて、ブロワ電
圧VMの変化が急激に変化する制御パターンであると判
定した場合には、図7のステップS343に示すよう
に、ステップS343にて急激になった部分の変化が緩
やかになるように補正する。その後、第1実施形態の図
3に示すステップS350に進み、以降、第1実施形態
と同様のフローチャートで作動する。
【0066】以上により、本実施形態によれば、シフト
された出力が空調制御量の変化を急激にさせるものとな
った場合には、急激になった部分の変化が緩やかになる
ように補正して教師データ21を作成するので、学習の
困難な、空調制御量の変化が急激な部分を、教師データ
21作成時点で無くすことができる。よって、学習を容
易に行える。
【0067】(第4実施形態)図8は、本実施形態に係
る、汎用コンピュータ20により教師データ21を作成
させる作動を示すフローチャートであり、第3実施形態
の図7に示すフローチャートのステップS342、S3
43を廃止し、第1実施形態の図3に示すフローチャー
トのステップS350とステップS360との間に、図
8に示すステップS351およびS352を追加したも
のである。
【0068】ステップS351では、図7に示すステッ
プS342と同様にして、ステップS341にて変更さ
れた制御パターンがブロワ電圧VMの変化を急激にさせ
たか否かを判定する。
【0069】そして、ステップS352にて、ブロワ電
圧VMの変化が急激に変化する制御パターンであると判
定した場合には、図8のステップS352に示すよう
に、ステップS343にて急激になった部分付近の教師
データ数を増やす。なお、図中のアンダーラインに示す
教師データが増加されたデータである。
【0070】これにより、シフトされた出力が空調制御
量の変化を急激にさせるものとなった場合には、急激に
なった部分付近の教師データ数を増やして教師データ2
1を作成するので、学習の困難な、空調制御量の変化が
急激な部分の教師データの数を増やして、学習時になる
べく学習結果が教師データ21にフィットするようにで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエアコンECUお
よび汎用コンピュータ等のハード構成を示す模式図であ
る。
【図2】第1実施形態に係る教師データの良否を評価し
つつチューニング作業を行う手順を示すフローチャート
である。
【図3】第1実施形態に係る汎用コンピュータにより教
師データを作成させる作動を示すフローチャートであ
る。
【図4】第1実施形態に係るブロワ電圧VMの制御パタ
ーンを示す特性図であり、(a)は1回目学習後の制御
パターンを示す特性図であり、(b)は2回目学習後の
制御パターンを示す特性図であり、(c)は3回目学習
後の制御パターンを示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るエアコンECUお
よび汎用コンピュータ等のハード構成を示す模式図であ
る。
【図6】第2実施形態に係る汎用コンピュータにより教
師データを作成させる作動を示すフローチャートであ
る。
【図7】本発明の第3実施形態に係る汎用コンピュータ
により教師データを作成させる作動を示すフローチャー
トである。
【図8】本発明の第4実施形態に係る汎用コンピュータ
により教師データを作成させる作動を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
20…汎用コンピュータ、21…教師データ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニューラルネットワークによって算出さ
    れた空調制御量に基づいて空調制御を行う学習制御空調
    装置において、前記ニューラルネットワークの結合係数
    を計算するために用いる教師データ(21)の作成方法
    であって、 前記ニューラルネットワークの出力をコンピュータ(2
    0)でシフトさせ、 前記シフトされた出力と、その出力に対応する入力とを
    反映して前記教師データ(21)を前記コンピュータ
    (20)に作成させることを特徴とする教師データ作成
    方法。
  2. 【請求項2】 ニューラルネットワークによって算出さ
    れた空調制御量に基づいて空調制御を行う学習制御空調
    装置において、前記ニューラルネットワークの結合係数
    を計算するために用いる教師データ(21)の作成方法
    であって、 前記ニューラルネットワークの出力項目毎に、その出力
    をコンピュータ(20)でシフトさせることを特徴とす
    る教師データ作成方法。
  3. 【請求項3】 前記コンピュータは、前記学習制御空調
    装置と通信可能な外部のコンピュータ(20)であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の教師データ作
    成方法。
  4. 【請求項4】 作成した教師データ(21)の内容を前
    記コンピュータ(20)で確認可能としたことを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の教師デー
    タ作成方法。
  5. 【請求項5】 前記シフトされた出力が前記空調制御量
    の変化を急激にさせるものとなった場合には、前記急激
    になった部分の変化が緩やかになるように補正して教師
    データ(21)を作成することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1つに記載の教師データ作成方法。
  6. 【請求項6】 前記シフトされた出力が前記空調制御量
    の変化を急激にさせるものとなった場合には、前記急激
    になった部分付近の教師データ数を増やして教師データ
    (21)を作成することを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれか1つに記載の教師データ作成方法。
  7. 【請求項7】 ニューラルネットワークによって算出さ
    れた空調制御量に基づいて空調制御を行う学習制御空調
    装置において、前記ニューラルネットワークの結合係数
    を計算するために用いる教師データ(21)の作成をコ
    ンピュータ(20)に実行させるためのプログラムであ
    って、 前記ニューラルネットワークの出力を前記コンピュータ
    (20)でシフトさせ、 前記シフトされた出力と、その出力に対応する入力とを
    反映して前記教師データ(21)を前記コンピュータ
    (20)に作成させることを特徴とするプログラム。
  8. 【請求項8】 ニューラルネットワークによって算出さ
    れた空調制御量に基づいて空調制御を行う学習制御空調
    装置において、前記ニューラルネットワークの結合係数
    を計算するために用いる教師データ(21)の作成をコ
    ンピュータ(20)に実行させるためのプログラムであ
    って、 前記ニューラルネットワークの出力項目毎に、その出力
    を前記コンピュータ(20)でシフトさせることを特徴
    とするプログラム。
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