JP2003140385A - 重合法トナーの製造方法 - Google Patents

重合法トナーの製造方法

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JP2003140385A
JP2003140385A JP2001342809A JP2001342809A JP2003140385A JP 2003140385 A JP2003140385 A JP 2003140385A JP 2001342809 A JP2001342809 A JP 2001342809A JP 2001342809 A JP2001342809 A JP 2001342809A JP 2003140385 A JP2003140385 A JP 2003140385A
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washing water
colored resin
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Takeshi Naka
毅 中
Hiroshi Koyama
浩 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合法によるトナーの製造方法において、重
合により得られたトナー粒子を効率よく洗浄し、良好な
画像形成が可能なトナーを提供する。 【解決手段】 酸に可溶な無機系酸化物を分散安定剤と
して含有する媒体中において単量体組成物を重合し、得
られたトナー粒子を、中性洗浄水と酸性洗浄水を併用し
たフィルタープレスによって濾別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法などに用いられ
る重合法トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて
紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力な
どにより転写材上にトナー画像を定着して複写物または
印刷物を得るものである。
【0003】また、トナーを用いて現像する方法、或い
は、トナー画像を定着する方法としては、従来各種の方
法が提案されている。
【0004】従来のトナーの製造方法としては、一般的
に熱可塑性樹脂中に染料または顔料からなる着色剤を溶
融混練し、均一に分散させた後、微粉砕装置により微粉
砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を有
するトナー粒子を製造してきた。
【0005】この製造方法ではかなり優れたトナーを製
造し得るが、ある種の制限、即ち、トナー用材料の選択
範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が十分に
脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでな
ければならない。ところがこれらの要求を満たすために
樹脂着色剤分散体を脆くすると、該分散体を実際に高速
で微粉砕した場合、形成された粒子の粒経範囲が広くな
り易く、特に比較的大きな割合で微粒子がこれに含まれ
るという問題が生じる。
【0006】さらに、このように脆性の高い材料から得
られるトナーは、複写機等の現像器中でさらなる微粉砕
乃至は粉化を受け易い。また、この方法では、着色剤等
の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難
であり、その分散の度合によっては、画像形成時におけ
るカブリの増大、画像濃度低下、混色性或いは透明性の
不良の原因となるので、着色剤の分散には十分な注意を
払わなければならない。また、粉砕粒子の破断面に着色
剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす
場合もある。
【0007】一方、これら粉砕法によるトナーの問題点
を克服するため、特公昭36−10231号公報、同4
3−10799号公報及び同51−14895号公報等
には、懸濁重合法トナーを初めとして、各種重合法トナ
ーやその製造方法が提案されている。
【0008】例えば、懸濁重合法トナーの製造方法にお
いては、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型
剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を
添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグライン
ダー、超音波分散機などで重合性単量体中に上記各種構
成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶
解或いは分散された重合性単量体を、ホモミキサーやホ
モジナイザー等を使用して、分散安定剤を含有した水系
媒体中に、所望の大きさの油滴になるように分散させ
る。その後、撹拌機構を有する反応装置へ移し、加熱す
ることで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定
剤を除去し、ろ過、洗浄し、さらに乾燥することで所望
の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0009】この方法では、粉砕工程が全く含まれない
ため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の
材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤
の露出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得
られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度
分布が比較的シャープなことから分級工程を省略また
は、分級したとしても、高収率でトナーが得られる。
【0010】しかしながら、重合反応終了後の分散安定
剤除去方法としては、重合反応終了後の媒体(スラリ
ー)をタンクに移送し、その後該スラリーに酸を添加
し、該スラリーを酸性状態とした上で撹拌装置により撹
拌し、分散安定剤を溶解させることが一般的であるが、
前述した方法では、該スラリーを溶解させるためのタン
ク及び撹拌装置、該スラリー輸送機器等が別途必要とな
り、トナー生産性上好ましくない。
【0011】また、重合法トナーは媒体中で直接トナー
粒子を生成させるため、トナー表面が媒体の影響を受け
易い。
【0012】例えば、媒体が水系媒体の場合、一般に極
性の高い極性樹脂や荷電制御剤は、トナー表面近傍に局
在化し易くなる。その結果として粉砕トナーと比較し
て、非常に少量の荷電制御剤で、均一で高い帯電性をト
ナーに付与できるが、荷電制御剤のような極性の高い材
料は、極一部ではあるが、水系媒体中へ溶解してしまう
ものもある。そのため、重合反応終了後の媒体からトナ
ー粒子をろ別する工程で、非常に注意を払う必要があ
る。
【0013】即ち、如何に効率良く各トナー粒子の表面
を均一に洗浄するかということが重要である。トナー粒
子の表面が均一に洗浄されていないと、トナーの帯電量
分布がブロードとなり、特に、高温多湿下などの、トナ
ーが帯電しにくい環境下では、画像濃度低下、カブリ等
の問題が発生し易くなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、重合反応終了後の分散安定剤除去方法
を、トナー生産性上好ましいものとできる重合法トナー
の製造方法を提供することである。
【0015】さらに本発明の目的は、上記問題点を解決
し、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄し、画像
形成時に高い画像濃度で、カブリ等の画像欠陥が生じな
い、優れた画像特性を有するトナーが得られる重合法ト
ナーの製造方法を提供することである。
【0016】さらに本発明の目的は、高温多湿の環境下
においても安定して高品質画像を得ることができ、耐久
性に富むトナーが得られる重合法トナーの製造方法を提
供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。
【0018】即ち、本発明は、少なくとも重合性単量
体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定
剤を含有する媒体中で重合して着色樹脂粒子を生成さ
せ、該着色樹脂粒子を上記媒体からろ別し、乾燥して重
合法トナーを製造する方法であり、上記分散安定剤が酸
に可溶な無機系酸化物であり、上記着色樹脂粒子の上記
媒体からのろ別をフィルタープレスによって行い、該フ
ィルタープレスにおいて少なくとも酸性洗浄水を使用す
ることを特徴とする重合法トナーの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】本発明者らは、上記した従来技術の課題を
解決すべく鋭意検討の結果、ろ過手段をフィルタープレ
スとし、該フィルタープレスによりスラリーからトナー
粒子を分離する際、少なくとも酸性洗浄水を使用するこ
とで、前述したタンク及び撹拌装置による分散安定剤除
去工程を省略できることを知見して本発明に至った。さ
らに該フィルタープレスによりスラリーからトナー粒子
を分離する際、中性洗浄水と酸性洗浄水とを併用するこ
とで、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄でき、
中性洗浄水を酸性洗浄水と併用しない洗浄方法と比較し
て、総洗浄水量を低減することができることを知見して
本発明に至った。
【0021】本発明の重合法トナーの製造方法は、少な
くとも重合性単量体と着色剤とを含む単量体組成物を、
分散安定剤を含有する水相中に分散せしめ、該単量体組
成物からなる液滴を所望のトナー粒子のサイズが得られ
るまで造粒し、該重合性単量体組成物を上記媒体中で重
合して着色樹脂粒子(トナー粒子)を生成させた後、上
記媒体のpH調整を行って上記分散安定剤を溶解せし
め、生成した着色樹脂粒子をろ過・洗浄し、乾燥させて
トナーを得る。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明に用いられる好ましい重合性単量体
としては、具体的には、スチレン、o(またはm、p)
−メチルスチレン、m(またはp)−エチルスチレン等
のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノ
エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタ
ジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリ
ロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ま
しく用いられる。これら単量体は、単独、または一般的
には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P13
9〜192(John Wiley&Sons社製)に
記載の、理論ガラス転移温度(Tg)が40〜75℃を
示す重合体が得られるように2種以上の単量体を適宜混
合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の
場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の
面から問題が生じ、一方75℃を超える場合は定着点の
上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合において
は各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、
さらにOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面
から好ましくない。
【0023】かかる重合性単量体を重合して得られる結
着樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの
測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を
用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリ
ーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、さらに低軟
化点物質は溶解するが結着樹脂は溶解し得ない有機溶
剤、例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、
THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径
が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過し
たサンプルを、ウォーターズ社製150Cを用い、カラ
ム構成は昭和電工製A−801、802、803、80
4、805、806、807を連結し、標準ポリスチレ
ン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。得られ
た樹脂成分の数平均分子量(Mn)が5000〜100
000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が2〜100を示す結着樹
脂が本発明には好ましい。
【0024】本発明において、コア/シェル構造を有す
るトナーを製造する場合には、低軟化点物質を内包化せ
しめるため、結着樹脂中にさらに極性樹脂を添加せしめ
ることが特に好ましい。
【0025】本発明に用いられる上記極性樹脂として
は、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイ
ン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が
好ましく用いられる。該極性樹脂は、結着樹脂または該
樹脂を構成する単量体と反応しうる不飽和基を分子中に
含まないものが特に好ましい。仮に多くの不飽和基を有
する極性樹脂を含む場合においては、結着樹脂層を構成
する単量体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナ
ーとしては、極めて高分子量になり4色トナーの混色に
は不利となり、好ましくない。
【0026】また、本発明においては、トナーの表面に
さらに最外殻樹脂層を設けても良い。該最外殻樹脂層の
ガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上の
ため該結着樹脂層のガラス転移温度以上に設計されるこ
と、さらに定着性を損なわない程度に架橋されているこ
とが好ましい。また、該最外殻樹脂層には帯電性向上の
ため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ま
しい。
【0027】該最外殻層を設ける方法としては、特に限
定されるものではないが例えば以下のような方法が挙げ
られる。
【0028】(1)重合反応後半、または終了後、反応
系中に、必要に応じて、前記極性樹脂及び荷電制御剤、
架橋剤等を溶解、分散した重合性単量体を添加し、重合
粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し、重合を行う方
法。
【0029】(2)必要に応じて、前記極性樹脂、荷電
制御剤、架橋剤等を含有した重合性単量体からなる乳化
重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加
し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱等により固着
させる方法。
【0030】(3)必要に応じて、前記極性樹脂、荷電
制御剤、架橋剤等を含有した重合性単量体からなる乳化
重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的に
トナー粒子表面に固着させる方法。
【0031】本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤
としてカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー
/マゼンタ/シアン着色剤、或いはこれら着色剤を用い
て黒色に調色されたものが利用される。
【0032】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、等が好適に
用いられる。
【0033】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
22、144、146、166、169、177、18
4、185、202、206、220、221、254
が特に好ましい。
【0034】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
利用できる。これらの着色剤は、単独または混合して、
さらには固溶体の状態で用いることができる。
【0035】本発明に用いられる着色剤は、カラートナ
ーの場合、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明
性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤
の添加量は、重合体単量体100質量部に対し1〜20
質量部添加して用いられる。
【0036】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、重合性単量体100質量部に
対し4〜150質量部添加して用いられる。
【0037】本発明においては、必要に応じて荷電制御
剤が用いられる。該荷電制御剤としては、公知のものが
利用できるが、カラートナーの場合は、特に、無色でト
ナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して
維持できる荷電制御剤が好ましい。具体的には、ネガ系
としてサリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属化
合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化
合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリ
ークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモ
ニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子
型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が
好ましく用いられる。該荷電制御剤は重合性単量体10
0質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。
【0038】本発明においては、必要に応じて重合開始
剤が用いられ、具体的には、例えば、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビ
ス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベ
ンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシ
ド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒ
ドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開
始剤が用いられる。
【0039】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合
度により変化するが、一般的には重合性単量体100質
量部に対し0.5〜20質量部添加され用いられる。開
始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半
減期温度を参考に、単独または混合して利用される。ま
た、重合度を制御するため公知の架橋剤、連鎖移動剤、
重合禁止剤等をさらに添加し用いることも可能である。
【0040】また、本発明においては、必要に応じて離
型剤を用いることもできる。該離型剤としては、室温で
固体状態のワックスが好ましく、特に融点が40乃至1
00℃の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多
数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
【0041】上記ワックスとしては、パラフィンワック
ス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメ
チレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖ア
ルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合
物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは
低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピ
ークがシャープなものが好ましい。
【0042】好ましく用いられるワックスとしては、炭
素数が15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコー
ル、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステル或
いは、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックス
から液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも
好ましい。
【0043】さらに、好ましく用いられるワックスは、
アルキレンを高圧下でラジカル重合或いは低圧下でチー
グラー触媒、またはその他の触媒を用いて重合した低分
子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリ
マーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキ
レンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマ
ーを分離精製したもの;一酸化炭素及び水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの
蒸留残分から、或いは、蒸留残分を水素添加して得られ
る合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメ
チレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化
防止剤が添加されていても良い。
【0044】また、定着画像の透光性を向上させるため
には、固体エステルワックスが好ましく、該固体エステ
ルワックスとしては、融点が40乃至100℃を有する
ものが特に良い。
【0045】本発明に用いられるエステル系ワックス
は、下記一般式(1)乃至(6)で示される化合物から
形成され、融点が40乃至100℃を有するものが用い
られる。
【0046】
【化1】
【0047】上記式中、a及びbは0〜4の整数であ
り、a+bは4である。R1及びR2は炭素数が1〜40
の有機基であり、R1とR2との炭素数が3以上である。
m及びnは0〜25の整数であり、mとnは同時に0に
なることはない。
【0048】
【化2】
【0049】上記式中、a及びbは0〜3の整数であ
り、a+bは1〜3である。R1及びR2は炭素数が1〜
40の有機基であり、R1とR2との炭素数が3以上であ
る。R3は水素原子、炭素数が1以上の有機基であり、
a+b=2の時、R3のどちらか一方は、炭素数が1以
上の有機基である。kは1〜3の整数であり、m及びn
は0〜25の整数であり、mとnは同時に0になること
はない。
【0050】
【化3】
【0051】上記式中、R1及びR3は独立に炭素数が6
〜32の有機基であり、R2は炭素数が1〜20の有機
基である。
【0052】
【化4】
【0053】上記式中、R1及びR3は独立に炭素数が6
〜32の有機基であり、R2は−CH2CH2OC64
CH2CH2−、
【0054】
【化5】 である。mは1〜10の整数、nは1〜20の整数であ
る。
【0055】
【化6】
【0056】上記式中、aは0〜3の整数であり、bは
1〜4の整数であり、a+bは4である。R1は炭素数
が1〜40の有機基である。m及びnは0〜25の整数
であり、mとnが同時に0になることはない。
【0057】一般式(6) R1−COO−R2 上記式中、R1及びR2は独立に炭素数が15〜45の炭
化水素基である。
【0058】上記エステル系ワックスの融点としては4
0乃至100℃が好ましく、該融点が40℃未満ではト
ナーの耐ブロッキング性及び保形性が不十分であり、1
00℃を超えると離型効果が不十分となる。エステル化
合物からなる離型剤としてのエステルワックスとして以
下のものが例示される。
【0059】
【化7】
【0060】離型剤No.5 CH3(CH220COO
(CH221CH3 離型剤No.6 CH3(CH216COO(CH221
CH3 離型剤No.7 CH3(CH239COO(CH217
CH3 離型剤No.8 CH3(CH220COO(CH217
CH3
【0061】
【化8】
【0062】離型剤No.11 H3C−(H2C)17−OOC−(H2C)18−COO−
(CH217−CH3 離型剤No.12 H3C−(H2C)16−OOC−(H2C)9−COO−
(CH216−CH3
【0063】上記離型剤が、上記構造式を有するエステ
ル化合物を有するエステルワックスの場合、良好な透明
性を発現すると共に、トナー粒子中に含有せしめた場合
には良好な定着性を示すものである。
【0064】また、離型剤は、本発明においては重合性
単量体100質量部に対して5乃至40質量部、より好
ましくは10乃至30質量部配合することが好ましい。
【0065】本発明のトナーの製造方法においては、重
合時に用いる分散安定剤を、酸に可溶な無機系酸化物と
する。さらに、該無機系酸化物はリン酸化合物であるこ
とが好ましく、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マ
グネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、等が挙
げられる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100
質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用すること
が好ましい。
【0066】さらに、該分散安定剤は、市販のものをそ
のまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散
粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機
化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カ
ルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウ
ム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁
重合方法に好ましい分散安定剤を得ることができる。ま
た、これら分散安定剤の微細化のため、水系媒体100
質量部に対して、0.001〜0.1質量部の界面活性
剤を併用しても良い。
【0067】該界面活性剤として、具体的には、市販の
ノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用で
き、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸
ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫
酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム
等が好ましく用いられる。
【0068】本発明の重合法トナーの製造方法は、具体
的には以下のように行われる。
【0069】少なくとも重合性単量体中に着色剤、及
び、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、重合開始剤その
他の添加剤を加え、ホモジナイザー・超音波分散機等に
よって均一に溶解または分散せしめた単量体組成物を、
分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモ
ミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。
【0070】懸濁重合法においては、通常単量体組成物
100質量部にたいして水300〜3000質量部を分
散媒として使用するのが好ましい。
【0071】次いで、好ましくは単量体組成物からなる
液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速
度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作
用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止
される程度の撹拌を行えば良い。
【0072】重合温度は40℃以上、一般的には50〜
90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後
半に昇温しても良く、さらに、未反応の重合性単量体、
副生成物等を除去するために反応後半、または、反応終
了後に一部水系媒体を留去しても良い。
【0073】反応終了後、生成した着色樹脂粒子(トナ
ー粒子)をスラリーとして得る。
【0074】本発明の製造方法においては、上記スラリ
ーからの分散安定剤除去及び着色樹脂粒子の分離を、加
圧ろ過機の1種であるフィルタープレスによって行う。
【0075】加圧ろ過機の1種であるフィルタープレス
では、液圧によるろ過、さらに、圧搾による脱水が連続
して行え、ケーキのひび割れが起きにくく、このケーキ
に、洗浄水を流すことで、連続して、ろ過、洗浄工程が
行えることから、非常に効率が良い。さらに、洗浄水
量、洗浄水流速、圧搾圧力など制御し易く、トナーの帯
電性を損なうことなく、ろ過が可能となる。このためト
ナー生産性及び画像特性という面から好ましい。
【0076】即ち、本発明の重合法トナーの製造方法に
おいては、該スラリーより分散安定剤を除去する方法と
して、該フィルタープレスを使用する。即ち、上述した
フィルタープレスの利点を生かし、該スラリーをフィル
タープレス内でケーキ形成させ、該ケーキに酸性洗浄水
を流すことにより、分散安定剤を除去することができ
る。従って、従来行われていたタンク及び撹拌装置によ
る分散安定剤除去工程を省略することができ、トナーの
生産性において好ましい。
【0077】さらに該フィルタープレスにおいて、スラ
リーから着色樹脂粒子を分離する際、中性洗浄水と酸性
洗浄水とを併用して用いる。即ち、該フィルタープレス
内に充填されたケーキを酸性洗浄水で洗浄した後、中性
洗浄水で洗浄することにより、通常の中性洗浄水による
洗浄のみの運転では洗浄しきれなかった残存分散安定剤
を溶解でき、各着色樹脂粒子の表面に残存している分散
安定剤を流しきることができる。従って、酸性洗浄水に
よる洗浄後の中性洗浄水による洗浄は、少ない水量で済
み、総洗浄水量を低減することができ、トナーの生産性
において好ましい。
【0078】尚、酸性洗浄水による洗浄と中性洗浄水に
よる洗浄は1台のフィルタープレスで行っても良いが、
酸性洗浄水による洗浄後、フィルタープレスを一旦開板
し、得られたケーキを水道水等でリスラリーし、同じフ
ィルタープレスで再度中性洗浄水により洗浄するという
方法をとっても構わない。
【0079】本発明において使用する酸性洗浄水は、p
H値が3以下とすることが好ましい。該酸性洗浄水のp
H値が3以下、より好ましくは、1.5以下とすること
で、着色樹脂粒子表面を効率良く均一に洗浄することが
でき、画像濃度低下やカブリの発生のない優れた画像特
性を持ったトナーが得られる。酸性洗浄水のpH値が3
を超える場合、分散安定剤の除去が不十分となり、得ら
れたトナーの吸湿性が高く、帯電性が低下し、画像濃度
の悪化を招くこととなり、画質という点から好ましくな
い。
【0080】尚、本発明において使用する中性洗浄水と
は、pH値が6〜8のものを指す。
【0081】本発明の特徴である着色樹脂粒子のろ過、
洗浄方法について、図1を参照しながら具体的に説明す
る。
【0082】図1は本発明に使用するフィルタープレス
の概略的断面図を示す。
【0083】図1に示すフィルタープレスにおいて、重
合反応終了後のスラリーは、送液口3よりろ過室内に供
給される。ろ布2を通過したろ液は、ろ液口/洗浄水口
4より排出される。圧搾後、酸性洗浄水を送液口3より
ろ過室内に供給し、ケーキの酸性洗浄水による洗浄を行
い、ろ液口/洗浄水口4よりろ液を排出する。酸性洗浄
水による洗浄後、中性洗浄水(水道水)を、ろ液口/洗
浄水口4より、ろ布2を介して供給し、ケーキの水洗浄
を行い、洗浄水口5よりろ液を排出する。全ての洗浄終
了後、4または5を使用して通気を行う。また、通気圧
力及び時間を調整することにより、ケーキの水分量を調
整することが可能である。
【0084】全ての工程を終了した後、各ろ板1同士を
分離し、ケーキを排出する。排出されたケーキは、流動
層乾燥機、気流乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機で乾燥
される。
【0085】本発明の製造方法により得られるトナーに
は、各種トナー性能付与のために、外添剤を添加しても
良い。使用される外添剤としては、例えば、金属酸化物
(酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチ
ウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、
酸化錫、酸化亜鉛、など)、窒化物(窒化ケイ素な
ど)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)、脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムな
ど)、カーボンブラック、シリカなどが用いられる。
【0086】これら外添剤は、着色樹脂粒子100質量
部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましく
は、0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤
は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。それ
ぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0087】本発明により得られるトナーの平均粒径及
び粒度分布の測定は、測定装置として、コールターカウ
ンタTA−II或いはコールターマルチサイザーII
(コールター社製)を用いて行う。電解液は、1級塩化
ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調整す
る。
【0088】測定方法としては、前記電解水溶液100
〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは
アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、
さらに測定試料を2〜20mg加える。
【0089】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、ア
パーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、ト
ナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出
する。
【0090】それから重量基準の重量平均粒径(D4)
(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とす
る)を求める。
【0091】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例によっ
て本発明が何ら限定されるものではない。
【0092】[実施例1]イオン交換水700質量部
に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入
し、60℃に加温した後、クレアミックスCLS−30
S(エム、テクニック社製)を用いて、4500rpm
にて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68
質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩を含む水系
媒体を得た。
【0093】一方、 モノマー:スチレン 170質量部 n−ブチルアクリレート 30質量部 着色剤:C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部 荷電制御剤:ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 2質量部 極性レジン:飽和ポリエステル 15質量部 (酸価;10、ピーク分子量;8500) 離型剤:エステル系ワックス(融点65℃) 40質量部 を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。
【0094】これに、重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を溶解
し、重合性単量体組成物を調製した。
【0095】前記、水系媒体中に上記重合性単量体組成
物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、クレアミ
ックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単
量体組成物を造粒した。
【0096】その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70
℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、8
0℃/減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、フィル
タープレス(NR−PF−BL型:則武鉄工所製)を用
い、表1に示した条件で、ろ過、pH=1.0の酸性洗
浄水による洗浄、水道水(中性洗浄水、pH=7.0)
による洗浄、を行った。その後、乾燥をして着色樹脂粒
子を得た。
【0097】この際、酸性洗浄水による洗浄後の水道水
による洗浄運転時において、洗浄水口より排出されるろ
液のpHをpHメーター(TOA社製「HM−12
P」)を使って随時測定した。その結果、水道水による
洗浄開始から85分で中性付近の値(pH=7.0)を
示したので水道水による洗浄を終了した。
【0098】その結果、本実施例における総洗浄水量は
2000Lであり、洗浄水量比は0.8であった。尚、
洗浄水量比とは、後述する比較例3の総洗浄水量を1.
0としたときの各条件での総洗浄水量の比率である。
【0099】[洗浄状態の評価]上記で得られたトナー
を、(1)残存分散安定剤量、(2)着色樹脂粒子表面
観察の2点について確認し、洗浄状態について下記の評
価方法で、及び下記の評価基準で評価した。
【0100】(1)残存分散安定剤量 残存分散安定剤量については、蛍光X線分析装置(RI
X3000)を用い、定量分析した。この残存分散安定
剤量の値が200ppm未満の場合は、実質的な問題は
ないが、200ppm以上であるとトナーの帯電性が低
下する。本実施例では、下記の基準で、残存分散安定剤
量から洗浄状態を評価したが、表1に示したように、低
いレベルで安定していた。 A:残存分散安定剤量が100ppm未満。 B:残存分散安定剤量が100ppm以上150ppm
未満。 C:残存分散安定剤量が150ppm以上200ppm
未満。 D:残存分散安定剤量が200ppm以上。
【0101】(2)着色樹脂粒子表面観察 着色樹脂粒子の表面観察については、電界放射型走査電
子顕微鏡(FE−SEM:日立製作所社製「S−80
0」)を用い、倍率を100000倍とし、粒子表面上
の残存分散安定剤の有無を目視にて観察し確認した。本
実施例では、下記の基準で、着色樹脂粒子表面上の残存
分散安定剤の有無を評価したが、表1に示したように、
粒子表面上に残存分散安定剤はなかった。 A:着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤はない。 B:かすかに着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤はあ
るがほとんどわからない。 C:着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤がやや見られ
る。 D:着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤が多数見られ
る。
【0102】上記で得られた該着色樹脂粒子100質量
部に対して、BET法による比表面積が、200m2
gである疎水性シリカを1.0質量部を添加し、混合機
にて混合し、トナーを得た。
【0103】[画像評価]上記トナーをキヤノン社製
「LBP−2030」改造機を用いて、画出し試験を行
い、トナーの画像特性を評価した。温度30℃、湿度8
0%の環境下で連続3000枚の耐久テストを行い、
(1)画像濃度、(2)カブリの2点について、下記の
評価方法及び下記の評価基準で評価した。
【0104】(1)画像濃度 画像濃度については、ベタ黒画像(5mm角、5mm
丸、ベタ)を形成し、画像形成の初期と、耐久後の画像
濃度を夫々マクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測
定し、その画像濃度の差で評価した(値が小さいほど良
い)。本実施例においては、表1に示したように、濃度
差0.05以下であった。 A:濃度差0.05以下。 B:濃度差0.06〜0.10。 C:濃度差0.11〜0.15。 D:濃度差0.16以上。
【0105】(2)カブリ 紙上のカブリについては、反射式濃度計(TOKYO
DENSHOKU CO.,LTD社製「REFLEC
TOMETER ODEL TC−6DS」)を用いて
測定した。即ち、反射濃度計で測定したプリント後の白
地部の反射濃度最悪値をDsとし、プリント前の用紙に
ついて反射濃度計で測定した反射濃度平均値をDrとし
た時に、これらの値の差(Ds−Dr)を求め、これを
紙上カブリとした。この紙上カブリ量が0.5%以下の
場合は、実質的に紙上カブリのない良好な画像であった
が、2%を超えると紙上カブリが目立つ不鮮明な画像で
あった。本実施例においては、表1に示したように、カ
ブリの差は0.5%以下であった。 A:カブリ0.5%以下。 B:カブリ0.6〜1.2%。 C:カブリ1.3〜1.9%。 D:カブリ2.0%。
【0106】[実施例2]着色剤としてC.I.ピグメ
ントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントイエ
ロー17を用いた以外は、実施例1と同様にして重合性
単量体組成物を調製し、水系媒体中で造粒、重合反応さ
せ、酸性洗浄水による洗浄を行った。その後、フィルタ
ープレスを開板し、ケーキを得た。
【0107】得られたケーキに水道水を加えてリスラリ
ーし、同じフィルタープレスを再度用いて、表1に示し
た条件でろ過、水道水(中性洗浄水、pH=7.0)に
よる洗浄を行った。その後、乾燥をして着色樹脂粒子を
得た。
【0108】本実施例では、酸性洗浄水による洗浄後の
水道水による洗浄を、洗浄開始から90分(洗浄水口よ
り排出されるろ液のpHが中性付近の値(pH=7.
0)を示した時点)で終了した。本実施例における総洗
浄水量は2100Lであった。従って、洗浄水量比は
0.9であった。
【0109】上記で得られた着色樹脂粒子を、実施例1
と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、
表1に示したように、残存分散安定剤量は問題ないレベ
ルであり、着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤は見ら
れなかった。
【0110】得られた着色樹脂粒子に実施例1と同様に
して疎水性シリカを外添し、評価トナーを得た。
【0111】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、高品質の画像を安定して得る
ことができた。
【0112】[実施例3]着色剤として、10質量部の
C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにシランカ
ップリング処理磁性体180質量部を用い、離型剤を8
質量部とし、重合開始剤としてtert−ブチルペルオ
キシ−2−エチルヘキサネートを8質量部用いた以外は
実施例1と同様にして重合性単量体組成物を調製し、造
粒、重合反応させた。重合反応終了後、重合開始剤の残
渣物を溶解する目的で炭酸ナトリウムを添加し、80℃
/減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、フィルター
プレス(NR−PF−BL型:則武鉄工所製)を用い、
水道水(中性洗浄水、pH=7.0)による重合開始剤
の残渣物の除去洗浄、を行った後、フィルタープレスを
開板し、ケーキを得た。
【0113】得られたケーキに水道水を加えてリスラリ
ーし、同じフィルタープレスを再度用いて、ろ過、pH
=1.0の酸性洗浄水による洗浄、水道水(中性洗浄
水、pH=7.0)による洗浄を行った。その後、乾燥
をして着色樹脂粒子を得た。
【0114】本実施例では、酸性洗浄水による洗浄後の
水道水による洗浄を、洗浄開始から80分(洗浄水口よ
り排出されるろ液のpHが中性付近の値(pH=7.
0)を示した時点)で終了した。本実施例における総洗
浄水量は1900Lであった。従って、洗浄水量比は
0.8であった。
【0115】上記で得られた着色樹脂粒子を、実施例1
と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、
表1に示したように、残存分散安定剤量は問題ないレベ
ルであり、着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤は見ら
れなかった。
【0116】得られた着色樹脂粒子に実施例1と同様に
して疎水性シリカを外添し、評価トナーを得た。
【0117】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、高品質の画像を安定して得る
ことができた。
【0118】[実施例4]酸性洗浄水のpHを3.0と
した以外は実施例1と同様の操作を行い着色樹脂粒子を
得た。
【0119】本実施例では、酸性洗浄水による洗浄後の
水道水による洗浄を、洗浄開始から80分(洗浄水口よ
り排出されるろ液のpHが中性付近の値(pH=7.
0)を示した時点)で終了した。本実施例における総洗
浄水量は1900Lであった。従って、洗浄水量比は
0.8であった。
【0120】上記で得られた着色樹脂粒子を、実施例1
と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、
表1に示したように、残存分散安定剤量及び着色樹脂粒
子表面上の残存分散安定剤は、実施例1に比べ若干劣る
ものの、高品質の画像を安定して得ることができた。
【0121】得られた着色樹脂粒子に実施例1と同様に
して疎水性シリカを外添し、評価トナーを得た。
【0122】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、実施例1に比べ若干劣るもの
の、高品質の画像を安定して得ることができた。
【0123】[実施例5]酸性洗浄水のpHを4.0と
した以外は実施例1と同様の操作を行い着色樹脂粒子を
得た。
【0124】本実施例では、酸性洗浄水による洗浄後の
水道水による洗浄を、洗浄開始から75分(洗浄水口よ
り排出されるろ液のpHが中性付近の値(pH=7.
0)を示した時点)で終了した。本実施例における総洗
浄水量は1800Lであった。従って、洗浄水量比は
0.8であった。
【0125】上記で得られた着色樹脂粒子を、実施例1
と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、
表1に示したように、残存分散安定剤量及び着色樹脂粒
子表面上の残存分散安定剤は、実施例1に比べ劣る結果
となり、満足な結果が得られなかった。
【0126】本実施例において、得られた着色樹脂粒子
に実施例1と同様にして疎水性シリカを外添し、評価ト
ナーを得た。
【0127】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、実施例1に比べ劣る結果とな
り、満足な結果が得られなかった。
【0128】[比較例1]重合反応終了後、80℃/減
圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリ
ン酸カルシウム塩を溶解させた後、フィルタープレス
(NR−PF−BL型:則武鉄工所製)を用い、実施例
1のろ過条件を表1に示したとおり変更(酸性洗浄水に
よる洗浄なし)した以外は実施例1と同様の操作を行い
着色樹脂粒子を得た。
【0129】この際、酸性洗浄水による洗浄後の水道水
による洗浄時間を60分とした。本比較例における総洗
浄水量は1200Lであった。従って、洗浄水量比は
0.5であった。
【0130】上記で得られた着色樹脂粒子を、実施例1
と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、
表1に示したように、残存分散安定剤量は多く、着色樹
脂粒子表面上の残存分散安定剤も見られた。
【0131】本比較例において、得られた着色樹脂粒子
に実施例1と同様にして疎水性シリカを外添し、比較評
価トナーを得た。
【0132】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、実施例1と比較すると大きく
劣る結果であり、満足な結果は得られなかった。
【0133】[比較例2]重合反応終了後、80℃/減
圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリ
ン酸カルシウム塩を溶解させた後、フィルタープレス
(NR−PF−BL型:則武鉄工所製)を用い、実施例
1のろ過条件を表1に示したとおり変更(酸性洗浄水に
よる洗浄なし)した以外は実施例1と同様の操作を行い
着色樹脂粒子を得た。
【0134】この際、酸性洗浄水による洗浄後の水道水
による洗浄時間を90分とした。本比較例における総洗
浄水量は1800Lであった。従って、洗浄水量比は
0.8であった。
【0135】上記で得られた着色樹脂粒子を、実施例1
と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、
表1に示したように、残存分散安定剤量はやや多く、着
色樹脂粒子表面上の残存分散安定剤もやや見られた。
【0136】本比較例において、得られた着色樹脂粒子
に実施例1と同様にして疎水性シリカを添加し、比較評
価トナーを得た。
【0137】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、実施例1と比較すると劣る結
果であり、満足な結果は得られなかった。
【0138】[比較例3]重合反応終了後、80℃/減
圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリ
ン酸カルシウム塩を溶解させた後、フィルタープレス
(NR−PF−BL型:則武鉄工所製)を用い、実施例
1のろ過条件を表1に示したとおり変更(酸性洗浄水に
よる洗浄なし)した以外は実施例1と同様の操作を行い
着色樹脂粒子を得た。
【0139】本比較例では、酸性洗浄水による洗浄後の
水道水による洗浄時間を120分とした。従って本比較
例における総洗浄水量は2400Lであった。
【0140】上記で得られたトナーを、実施例1と同様
にして、洗浄状態について評価した。その結果、表1に
示したように、残存分散安定剤量は問題ないレベルであ
り、着色樹脂粒子表面上に残存分散安定剤は見られなか
った。
【0141】本比較例において、得られた着色樹脂粒子
に実施例1と同様にして疎水性シリカを外添し、比較評
価トナーを得た。
【0142】上記で得られたトナーを用いて、画出し試
験を行い、画像濃度及びカブリについて確認したとこ
ろ、表1に示したように、高品質の画像を安定して得る
ことができた。
【0143】しかし、実施例1と比較すると、本比較例
は分散安定剤除去工程(機器)が別途必要であり、また
総洗浄水量においても、本比較例は実施例1より洗浄水
量が多く、トナー生産性上好ましくない結果となった。
【0144】
【表1】
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の分散安定剤除去工程(機器)を省略することがで
き、トナーの生産性において好ましい重合法トナーの製
造方法が提供される。
【0146】さらに本発明によれば、少ない洗浄水量
で、効率良く各着色樹脂粒子の表面を均一に洗浄でき、
高い画像濃度が安定して提示され、カブリ等の画像欠陥
等を生じない、優れた画像特性を有する重合法トナーが
得られるトナーの製造方法が提供される。
【0147】さらに本発明によれば、高温多湿の環境下
においても安定して高品質画像を得ることができ、耐久
性のある重合法トナーが得られるトナーの製造方法が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるフィルタープレスの概略的
断面図である。
【符号の説明】
1 ろ板 2 ろ布 3 送液口 4 ろ液口/洗浄水口 5 洗浄水口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合性単量体、着色剤を含有
    する重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する媒体
    中で重合して着色樹脂粒子を生成させ、該着色樹脂粒子
    を上記媒体からろ別し、乾燥して重合法トナーを製造す
    る方法であり、上記分散安定剤が酸に可溶な無機系酸化
    物であり、上記着色樹脂粒子の上記媒体からのろ別をフ
    ィルタープレスによって行い、該フィルタープレスにお
    いて少なくとも酸性洗浄水を使用することを特徴とする
    重合法トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フィルタープレスにおいて中性洗浄
    水と酸性洗浄水とを併用することを特徴とする請求項1
    に記載の重合法トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記無機系酸化物がリン酸化合物である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の重合法トナ
    ーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性洗浄水のpH値が3以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の重
    合法トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルタープレスにおけるケーキ洗
    浄を、酸性洗浄水により行い、酸性洗浄水による洗浄が
    終了した後、中性洗浄水で洗浄することを特徴とする請
    求項2乃至4のいずれかに記載の重合法トナーの製造方
    法。
JP2001342809A 2001-11-08 2001-11-08 重合法トナーの製造方法 Withdrawn JP2003140385A (ja)

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