JP2003140091A - 波長合分波素子 - Google Patents

波長合分波素子

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JP2003140091A JP2001340954A JP2001340954A JP2003140091A JP 2003140091 A JP2003140091 A JP 2003140091A JP 2001340954 A JP2001340954 A JP 2001340954A JP 2001340954 A JP2001340954 A JP 2001340954A JP 2003140091 A JP2003140091 A JP 2003140091A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透過率特性が温度無依存となるように設計さ
れた波長合分波素子を提供する。 【解決手段】 第1の偏光分離・合成手段と、2種類の
複屈折結晶a,bを積層して成る複屈折結晶板と、第2
の偏光分離・合成手段とがこの順序で光路に配置されて
いる波長合分波素子であって、複屈折結晶aの厚みLa
と、複屈折結晶bの厚みLbとの比γは、次式: (但し、αa、nao、nae、naTo、naTe
は、それぞれ、複屈折結晶aにおける、線膨張係数、常
光線屈折率、異常光線屈折率、常光線屈折率の温度依存
係数、異常光線屈折率の温度依存係数を表し、また、α
b、nbo、nbe、nbTo、nbTeは、それぞ
れ、複屈折結晶bにおける、線膨張係数、常光線屈折
率、異常光線屈折率、常光線屈折率の温度依存係数、異
常光線屈折率の温度依存係数を表す)で示される値にな
っている波長合分波素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波長合分波素子に関
し、更に詳しくは、光通信分野や光計測分野で用いられ
る波長合分波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバを用いた光通信システ
ムにおいては、情報量の増大に伴い、単一波長を用いた
伝送では使用者側の要求に応じることが困難になってい
る。そのため、互いに波長が異なる複数の強度変調光を
合波して波長多重光とし、その波長多重光を1本の光フ
ァイバで伝送することにより伝送容量を増加させる波長
多重伝送が開発され、既に実施されている。
【0003】このような伝送システムにおいては、1本
の光ファイバでより多くの信号を伝送することを目的と
して、信号が載っている波長の間隔を狭くすることによ
り伝送の高密度化を実現する試みがなされている。従
来、このような伝送システムでは、図10で示したよう
に、例えば波長λ1の光は透過し、波長λ2の光は反射す
る多層膜フィルタを用いることにより、波長λ1と波長
λ2の光を合波する方法が知られている。
【0004】しかしながら、この方法の場合、信号伝送
に用いる波長の間隔が狭くなるにつれて多層膜フィルタ
の反射帯域幅も狭くすることが必要になるが、帯域幅が
狭くなればなるほどそのような狭帯域の多層膜フィルタ
を高い歩留まりで作成することは困難であるという問題
がある。このような問題を解決するための方法として
は、図11で示したような光合分波素子を使用する方法
がある。
【0005】この光合分波素子は、例えば後述する構成
要素で組み立てられており、1つの入射ポートP0と2
つの出射ポートP1,P2を備えている。この光合分波素
子では、λ1,λ2,λ3,λ4,…λn-1,λnの波長を波
長多重化して成る信号が入射ポートP0から入射される
と、一方の出射ポートP1からは波長λ1,λ3,…λn-1
の信号が出射し、他方の出射ポートP2からは波長λ2
λ4,…λnの信号が出射する。また上記入射ポートと出
射ポートを逆にして、λ 1,λ3,…λn-1の波長が波長
多重化されている信号を一方の出射ポートP1から入射
し、λ2,λ4,…λnの波長が波長多重化された信号を
他方の出射ポートP2から入射することにより、両信号
が合成され、λ1,λ2,λ3,λ4,…λn-1,λnの波長
が波長多重化された信号を入射ポートP0から得ること
ができる。
【0006】この波長合分波素子は、後述する1枚の複
屈折結晶板と例えば偏光ビームスプリッタのような2個
の偏光分離・合成手段と2個のプリズムの各要素で構成
されていて、これら要素の配置の1例は図12で示した
とおりである。すなわち、1枚の複屈折結晶板3が中央
に配置され、その入射ポートP0側に第1の偏光分離・
合成手段1Aと第1の全反射ミラー20Aが配置されて
いる。そして、出射ポートP1,P2側には、前記第1の
偏光分離・合成手段1Aおよび第1のミラー20Aと点
対称の位置に、第2の偏光分離・合成手段1Bと第2の
全反射ミラー20Bのそれぞれが配置されている。
【0007】この波長合分波素子では、λ1,λ2
λ3,λ4,…λn-1,λnの波長が多重化された信号(入
射光)を入射ポートP0から入射すると、その入射光
は、まず、第1の偏光分離・合成手段1Aで互いに直交
する偏光状態にある偏光(1)と偏光(2)に分離され
る。それぞれの偏光は複屈折結晶板3に入射してその複
屈折結晶内を伝搬していくが、そのときに、それぞれの
偏光は複屈折結晶の常光線と異常光線に分離される。そ
して、複屈折結晶板3から出射したそれぞれの偏光は第
2の偏光分離・合成手段1Bで合成される。
【0008】その場合、λ1,λ3,…λn-1の波長の波
長多重光に関しては、第2の偏光分離・合成手段1Bで
合成されたのちは出射ポートP1から出射し、またλ2
λ4,…λnの波長の波長多重光に関しては出射ポートP
2から出射することが必要になる。そのための必要条件
は次のようになる。
【0009】まず、波長λ1,λ3…λn-1の波長多重光
の場合、図13で示したように、複屈折結晶板3から出
射して第2の偏光分離・合成手段1Bに入射する偏光
(1)の偏光面と、第2のミラー20Bで反射して第2
の偏光分離・合成手段1Bに入射する偏光(2)の偏光
面とが互いに直交することである。そしてそのために
は、第1の偏光分離・合成手段1Aで互いに直交する偏
光状態に分離された偏光(1)と偏光(2)の偏光状態
が、いずれも、複屈折結晶板3への入射前と出射後にあ
っても、変わらないことである。
【0010】また、波長λ2,λ4,…λnの波長多重光
の場合は、図14で示したように、第1の偏光分離・合
成手段1Aで分離された偏光(3)が複屈折結晶板3を
透過する前後でその偏光面を90°回転した状態にな
り、また偏光(4)の偏光面も複屈折結晶板を透過する
過程で90°回転した状態になることである。ところ
で、光が複屈折結晶内を伝搬する際には常光線と異常光
線に分離されて進み、複屈折結晶から出射する際には、
元の位相(入射前の位相)とは異なる位相で出射する。
すなわち、複屈折結晶への入射光の偏光状態とそこから
の出射光の偏光状態は異なることになる。
【0011】上記した波長合分波素子は、入射光の波長
が異なると、複屈折結晶内における常光線と異常光線と
の間の位相差が異なることを利用して合分波機能を発揮
している。そして、上記した位相差は、複屈折結晶の常
光線屈折率、複屈折結晶の異常光線屈折率、および複屈
折結晶の厚みに依存する。以上の点を踏まえて、波長λ
1,λ3,…λn-1の波長多重光と、波長λ2,λ4,…λn
の波長多重光のそれぞれが、図13と図14で示した偏
光状態となるように、複屈折結晶板3の種類と厚みが選
択される。
【0012】その結果、波長λ1,λ3,…λn-1の波長
多重は出射ポートP1から出射し、波長λ2,λ4,…λn
の波長多重光は出射ポートP2から出射する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の波長合分波素子には次のような問題がある。す
なわち、その使用環境の温度が変動すると、組み込まれ
ている複屈折結晶の屈折率と厚みも変動することがあ
り、そのことにより、常光線と異常光線の位相差も変化
することである。このような事態が生ずると、波長合分
波素子からの出射波形のプロファイルが変動する。
【0014】例えば、ルチル(TiO2)から成る複屈
折結晶を用いて組み立てた波長合分波素子の場合、その
波長特性は、図15で示したように、温度依存性を備え
ていて、出射ポートP1,P2から出射する光の波長が温
度によって変動している。本発明は、複屈折結晶板が組
み込まれている従来の波長合分波素子における上記した
問題を解決し、環境温度が変化しても出射する光の波長
変動を起こすことのない新規な構造の波長合分波素子の
提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、入射光を、互いに直交する
偏光状態にある偏光に分離する第1の偏光分離・合成手
段と、前記偏光が入射する、2種類の複屈折結晶を積層
して成る複屈折結晶板と、前記複屈折結晶板からの出射
光を合成する第2の偏光分離・合成手段とがこの順序で
光路に配置されている波長合分波素子であって、前記複
屈折結晶板における一方の複屈折結晶(a)の厚み(L
a)と、他方の複屈折結晶(b)の厚み(Lb)との比
(γ)は、次式:
【0016】
【数2】
【0017】(但し、αa、nao、nae、naTo
naTeは、それぞれ、複屈折結晶(a)における、線
膨張係数、常光線屈折率、異常光線屈折率、常光線屈折
率の温度依存係数、異常光線屈折率の温度依存係数を表
し、また、αb、nbo、nbe、nbTo、nbTeは、
それぞれ、複屈折結晶(b)における、線膨張係数、常
光線屈折率、異常光線屈折率、常光線屈折率の温度依存
係数、異常光線屈折率の温度依存係数を表す)で示され
る値になっていることを特徴とする波長合分波素子が提
供される。
【0018】具体的には、前記2種類の複屈折結晶の結
晶軸は、いずれも、各複屈折結晶の入射面と平行配置さ
れ、かつ、前記入射偏光の偏光状態に対して45°傾い
て配置されていて、前記δ式の値が正の場合には、前記
2種類の複屈折結晶における常光線の軸と異常光線の軸
はいずれも互いに平行配置され、また前記δ式の値が負
の場合には、前記2種類の複屈折結晶における常光線の
軸線と異常光線の軸はいずれも互いに直交配置されてい
る波長合分波素子が提供される。
【0019】その場合、前記第1および第2の偏光分離
・合成手段が、いずれも偏光ビームスプリッタである
か、前記第1および第2の偏光分離・合成手段は、対向
する互いに平行な2つの全反射面と、対向する互いに平
行な2つの入出射面と、前記全反射面と平行な1つの偏
光分離・合成部とを備えているか、または、前記第1の
偏光分離・合成手段が複屈折結晶から成り、前記第2の
偏光分離・合成手段が、複屈折結晶とドブプリズムと複
屈折結晶とをこの順序で配列して成る偏光分離・合成手
段である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の波長合分波素子の1例A
に関する構成要素とそれらの配置関係を図1に示す。こ
の波長合分波Aは、複屈折結晶板3として後述する2種
類の複屈折結晶a,bを互いに平行配置したものを用
い、またミラー20A,20Bの代わりにプリズム2
A,2Bを用いていることを除いては、図12で説明し
た従来の波長合分波素子とその構造は同じになってい
る。
【0021】この波長合分波素子Aの入射ポートP1
ら入射した光は、例えば偏光ビームスプリッタである第
1の偏光分離・合成手段1Aで、互いに直交する偏光状
態に分離される。一方の偏光は、第1のプリズム2Aで
全反射したのち、複屈折結晶(a)と複屈折結晶(b)
とから成る複屈折結晶板3に入射し、例えば偏光ビーム
スプリッタである第2の偏光分離・合成手段1Bに至る
光路L1を通る。
【0022】他方の偏光は、まず上記した複屈折結晶板
3を通過し、第2のプリズム2Bで全反射したのち上記
した第2の偏光分離・合成手段1Bに至る光路L2を通
る。そして、2つの偏光は第2の偏光分離・合成手段1
Bで合成され、波長λ1,λ3,…λn-1の波長多重光は
出射ポートP1から出射し、波長λ2,λ4,…λnの波長
多重光は出射ポートP2から出射する。
【0023】この波長合分波素子Aにおける最大の特徴
は、複屈折結晶板3が2つの複屈折結晶(a),(b)
で構成されていて、かつ、両者の間では(1)式と(2)式が
成立するように設計されていることである。すなわち、
複屈折結晶を2つ用いることにより、温度変動に伴って
例えば一方の複屈折結晶の屈折率と厚みが変化した場合
でも、それを他方の複屈折結晶の変化で補償することに
より、両者を通過したのち常光線と異常光線との間の位
相差の変動を抑制するという設計思想に立脚している。
そして、そのための条件が(1)式、(2)式となっている。
【0024】ここで、(2)式の分数式は、用いる複屈折
結晶(a),(b)の種類と組み合わせにより、正負い
ずれかの値として計算される。その場合、上記計算値が
正の値であるときは、図2で示したように、複屈折結晶
(a)と複屈折結晶(b)におけるそれぞれの常光線屈
折率nao、nboの軸、および異常光線屈折率nae
nbeの軸が同一方向を向くように複屈折結晶(a)と
複屈折結晶(b)を平行配置する。
【0025】また、上記計算値が負の値であるときは、
図3で示したように、複屈折結晶(a)と複屈折結晶
(b)におけるそれぞれの常光線屈折率nao、nbo
軸、および異常光線屈折率nae、nbeの軸が互いに直
交するように、複屈折結晶(a)と複屈折結晶(b)を
平行配置する。本発明で用いられる複屈折結晶として
は、例えば、YVO4,LiNbO3,α−BaB24
ルチル(TiO2),水晶(SiO2),方解石(CaC
3)などをあげることができる。
【0026】これらの材料のいずれか2種類を複屈折結
晶(a),(b)として選定し、それらの物性値に基づ
いて上記分数式の値を計算し、その正負いずれかの値に
応じて上記した配置を実現する。そのとき、一方の複屈
折結晶の厚みをある値(La)に設定したとすれば、他
方の複屈折結晶の厚み(Lb)は、(1)式に基づき、次
式: Lb=γ・La …(3) に設定すればよい。
【0027】このようにすることにより、組み立てられ
る波長合分波素子は、温度依存性が抑制された透過率特
性を示すことになる。なお、複屈折結晶(a)と複屈折
結晶(b)の平行配置に関しては、それぞれの入射面と
出射面がいずれも平行な面となり、しかも、それぞれの
複屈折結晶の結晶軸はいずれも入・出射面上に配置さ
れ、かつ、入射する偏光に対して45°傾いた状態で配
置されていることが好ましい。このような配置態様を採
ることにより、波長合分波素子の構成に適した各ポート
の透過波長において、透過率を最大にすることができる
からである。
【0028】また、第1および第2の偏光分離・合成手
段、第1および第2のプリズム、2種類の複屈折結晶の
表面のうち、少なくとも光が通過する領域に反射防止膜
を形成しておくと、光が通過するときの界面における光
反射に基づく光エネルギーの損失を極小化できるので好
適である。次に、本発明の波長合分波素子の別の例Bを
図4に示す。
【0029】この波長合分波素子Bでは、2種類の複屈
折結晶(a),(b)で複屈折結晶板3が構成されてい
ることは前記した波長合分波素子Aと変わらないが、第
1の偏光分離・合成手段1Aと第2の偏光分離・合成手
段1Bそれ自体がプリズム機能も備えた構造になってい
る。すなわち、第1の偏光分離・合成手段1Aは、互い
に平行する全反射面1a1,1a2と、同じく互いに平行
する入射面1a3と出射面1a4とを備え、かつ、前記全
反射面1a1,1a2と平行に配置された、例えば誘電体
多層膜を配置して成る偏光分離・合成手段1a5を備え
ていて、いわば、変形型の偏光ビームスプリッタになっ
ている。
【0030】また、第2の偏光分離・合成手段1Bも第
1の偏光分離・合成手段1Aと同様の構造になってい
る。これらの偏光分離・合成手段は、例えば次のように
して作製することができる。それを図5に基づいて説明
する。まず、透明な基板11を用意する(図5
(a))。そして、この透明基板11の片面に誘電体多
層膜12を例えば蒸着法で成膜する(図5(b))。つ
いで、図5(c)で示したように、その誘電体多層膜1
2の上に同じ透明基板11を貼着して積層体13にす
る。
【0031】ついで、図5(d)で示したように、この
積層体13を厚み方向に切断して偏光分離・合成手段の
前駆体14を切り出す。このとき、前駆体14の各切断
面は互いに平行となるように切断される。ついで、この
前駆体14の切断面を研磨したのち(図5(e))、そ
の研磨面に反射防止膜を成膜して偏光分離・合成手段に
する。
【0032】図4で示した波長合分波素子Bの場合、入
射ポートP0からの波長多重光は、入射面1a3から第1
の偏光分離・合成手段1Aに入射し、偏光分離・合成部
1a5で互いに直交する偏光状態の偏光に分離される。
一方の偏光は、全反射面1a2で全反射したのち出射面
1a4から出射して複屈折結晶(a),(b)を順次通
過して、入射面1b3から第2の偏光分離・合成手段1
Bに入射し、偏光分離・合成部1b5に至る。
【0033】他方の偏光は、第1の偏光分離・合成手段
1Aの出射面1a4から出射し、複屈折結晶(a),
(b)を順次通過したのち、入射面1b3から第2の偏
光分離・合成手段1Bに入射する。そして、反射面1b
1で全反射して偏光分離・合成部1b5に至る。偏光分離
・合成部1b5で合成された両偏光のうち、ある波長群
の波長多重光は全反射面1b2で全反射したのち出射面
1b4を通過して出射ポートP1から出射し、他方の波長
群の波長多重光は出射面1b4を通過して出射ポートP2
から出射する。
【0034】この波長合分波素子Bは、例えば反射プリ
ズムのような光学部品を省略可能な構造であるため、低
コストの光合分波モジュールの作製にとって有用であ
る。次に、本発明の波長合分波素子の更に別の例Cを図
6と図7に示す。ここで、図6は波長合分波素子Cの構
成を示す平面図であり、図7は側面図である。また、図
8は、図6または図7で示した位置d1〜d6における通
過光の偏光状態を示す模式図である。
【0035】この波長合分波素子Cは、第1の偏光分離
・合成手段1Aが複屈折結晶c1で構成されており、第
2の偏光分離・合成手段1Bが複屈折結晶c2とドブプ
リズム4と複屈折結晶c3をこの順序で配列して構成さ
れている。そして、第1の偏光分離・合成手段1Aと第
2の偏光分離・合成手段1Bの間に配置されている複屈
折結晶(a),(b)は式(1)と式(2)の関係を満たして
いる。
【0036】この波長合分波素子Cの場合、入射ポート
0から複屈折結晶c1に入射し、図8の位置d1で示し
た偏光状態にある波長多重光は、常光線と異常光線に分
離される。その伝搬方向は図6で示したとおりであり、
それぞれの偏光状態は図8の位置d2で示したとおりで
ある。これらの常光線と異常光線のそれぞれは本発明に
係る複屈折結晶板3を通過し、出射時には、その偏光状
態が図8の位置d3で示したように変化する。
【0037】これらの偏光は、第2の偏光分離・合成手
段1Bにおける複屈折結晶c2に入射して、図8の位置
4で示したような偏光状態にある常光線と異常光線に
再び分離される。そして、ドブプリズム4で2つの常光
線のみが、図6で示したように、入れ替えられて複屈折
結晶c3に入射し、異常光線は図7で示したように複屈
折結晶c2から直接複屈折結晶c3に入射する。したがっ
て、これらの光の偏光状態は、図8の位置d5で示した
ように、位置d4における偏光状態と同じである。
【0038】そして、複屈折結晶c3で常光線と異常光
線が合成され、一方は出射ポートP1から出射し、他方
は出射ポートP2から出射していく。このときの偏光状
態は図8の位置d6で示したとおりである。この波長合
分波素子Cの場合、波長合分波素子Aの場合と同様に、
透過率特性の温度依存性は抑制されている。また、この
波長合分波素子Cは、波長合分波素子Aの場合のよう
に、光路上に、接着剤を用いて作製した偏光ビームスプ
リッタが配置されていないので、高出力の光パワーにも
対応可能であるという利点を備えている。
【0039】
【実施例】実施例1複屈折結晶(a),(b)として、
YVO4とLiNbO3を選定し、図1で示した波長合分
波素子Aを組み立てた。ここで、各複屈折結晶の特性値
は以下のとおりである。
【0040】YVO4: 線膨張係数(αa):4.43×10-6(1/℃) 常光線屈折率(nao):2.14861 異常光線屈折率(nae):1.94473 常光線屈折率の温度依存係数(naTo):3.0×10
-6(1/℃) 異常光線屈折率の温度依存係数(naTe):8.5×1
-6(1/℃) LiNbO3: 線膨張係数(αb):14.8×10-6(1/℃) 常光線屈折率(nbo):2.1131 異常光線屈折率(nbe):2.13806 常光線屈折率の温度依存係数(nbTo):9.76×1
-6(1/℃) 異常光線屈折率の温度依存係数(nbTe):3.80×
10-6(1/℃) 以上の数値を式(2)に代入すると、分数式の値は0.12
8と正の値になる。そこで、YVO4とLiNbO3の常
光線の軸を合致させて両結晶を平行配置した。
【0041】また、YVO4の厚み(La)を14.93
5mmに設定した。そして、LiNbO3の厚み(Lb)
は式(3)に基づいて1.912mmに設定した。このように
組み立てられた波長合分波素子Aは、各ポートの透過率
最大値の周期が約100GHz間隔になっている。環境温
度を0℃、20℃、40℃、60℃と変化させた状態
で、この波長合分波素子Aにつき、各温度における出射
ポートP1と出射ポートP2での透過率を測定した。その
結果を図9に示す。
【0042】なお、この実施例では全反射プリズムを用
いたが、それに代えて全反射ミラーを用いてもよい。図
9から明らかなように、各出射ポートからの出射波形は
温度無依存であり、温度による波長シフトは全く起こら
ず、一定に保たれている。
【0043】実施例2 YVO4に代えてルチル(TiO2)を用いて波長合分波
素子Aを組み立てた。ここで、ルチル(TiO2)の物
性値は以下のとおりである。 ルチル(TiO2): 線膨張係数(αa):0.714×10-5(1/℃) 常光線屈折率(nao):2.45319 異常光線屈折率(nae):2.70930 常光線屈折率の温度依存係数(naTo):4.0×10
-5(1/℃) 異常光線屈折率の温度依存係数(naTe):9×10
-5(1/℃) であるので、この場合の(2)式の値は−1.443と負の
値になる。
【0044】そこで、ルチルとLiNbO3の常光線の
軸が互いに直交するように両結晶を平行配置した。ま
た、ルチルの厚みを7.8315mmとし、LiNbO3
厚みを11.303mmとした。この場合の波長合分波素
子Aも、各出射ポートからの出射波形は温度無依存であ
った。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
波長合分波素子は、2種類の複屈折結晶を用い、そし
て、各複屈折結晶の厚みに関しては(1)式と(2)式を満た
すように設計されているので、温度の変動があっても常
光線と異常光線との間の位相差の変動が抑制され、出射
波形は温度無依存になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長合分波素子例Aの構成を示す模式
図である。
【図2】δが正の値であるときの複屈折結晶(a)と複
屈折結晶(b)の配置状態を示す斜視図である。
【図3】δが負の値であるときの複屈折結晶(a)と複
屈折結晶(b)の配置状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の波長合分波素子例Bの構成を示す模式
図である。
【図5】波長合分波素子例Bに組み込む偏光分離・合成
手段を作成するときの工程図である。
【図6】本発明の波長合分波素子例Cの構成を示す平面
図である。
【図7】本発明の波長合分波素子例Cの構成を示す側面
図である。
【図8】波長合分波素子Cにおける位置d1〜d6を通過
する偏光の偏光状態を示す模式図である。
【図9】実施例1の波長合分波素子の透過率特性を示す
グラフである。
【図10】従来の波長合分波素子の1例を示す概略図で
ある。
【図11】複屈折結晶が組み込まれている従来の波長合
分波素子を示す概略図である。
【図12】図11の波長合分波素子の構成を示す模式図
である。
【図13】図11の波長合分波素子において、波長
λ1,λ3,…λn-1の波長多重光の偏光分離と合成を示
す模式図である。
【図14】図11の波長合分波素子において、波長
λ2,λ4,…λnの波長多重光の偏光分離と合成を示す
模式図である。
【図15】図11の波長合分波素子の透過率特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
a,b,c1,c2,c3 複屈折結晶 1A 第1の偏光分離・合成手段 1B 第2の偏光分離・合成手段 2A,2B 全反射プリズム 3 複屈折結晶板 4 ドブプリズム 1a1,1a2,1b1,1b2 全反射面 1a3,1b3 入射面 1a4,1b4 出射面 1a5,1b5 偏光分離・合成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 輪湖 杉生 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 池田 和浩 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H042 CA01 CA06 2H099 AA01 BA17 CA05 DA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を、互いに直交する偏光状態にあ
    る偏光に分離する第1の偏光分離・合成手段と、前記偏
    光が入射する、2種類の複屈折結晶を積層して成る複屈
    折結晶板と、前記複屈折結晶板からの出射光を合成する
    第2の偏光分離・合成手段とがこの順序で光路に配置さ
    れている波長合分波素子であって、 前記複屈折結晶板における一方の複屈折結晶(a)の厚
    み(La)と、他方の複屈折結晶(b)の厚み(Lb)
    との比(γ)は、次式: 【数1】 (但し、αa、nao、nae、naTo、naTeは、そ
    れぞれ、複屈折結晶(a)における、線膨張係数、常光
    線屈折率、異常光線屈折率、常光線屈折率の温度依存係
    数、異常光線屈折率の温度依存係数を表し、また、α
    b、nbo、nbe、nbTo、nbTeは、それぞれ、複
    屈折結晶(b)における、線膨張係数、常光線屈折率、
    異常光線屈折率、常光線屈折率の温度依存係数、異常光
    線屈折率の温度依存係数を表す)で示される値になって
    いることを特徴とする波長合分波素子。
  2. 【請求項2】 前記2種類の複屈折結晶の結晶軸は、い
    ずれも、各複屈折結晶の入射面と平行配置され、かつ、
    前記入射偏光の偏光状態に対して45°傾いて配置され
    ていて、前記δ式の値が正の場合には、前記2種類の複
    屈折結晶における常光線の軸と異常光線の軸はいずれも
    互いに平行配置され、また前記δ式の値が負の場合に
    は、前記2種類の複屈折結晶における常光線の軸線と異
    常光線の軸はいずれも互いに直交配置されている請求項
    1の波長合分波素子。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の偏光分離・合成手
    段が、いずれも偏光ビームスプリッタである請求項1ま
    たは2の波長合分波素子。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の偏光分離・合成手
    段は、対向する互いに平行な2つの全反射面と、対向す
    る互いに平行な2つの入出射面と、前記全反射面と平行
    な1つの偏光分離・合成部とを備えている請求項1また
    は2の波長合分波素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の偏光分離・合成手段が複屈折
    結晶から成り、前記第2の偏光分離・合成手段が、複屈
    折結晶とドブプリズムと複屈折結晶とをこの順序で配列
    して成る請求項1または2の波長合分波素子。
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