JP2003137808A - 新規経腸栄養剤の製造法 - Google Patents

新規経腸栄養剤の製造法

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JP2003137808A
JP2003137808A JP2001365331A JP2001365331A JP2003137808A JP 2003137808 A JP2003137808 A JP 2003137808A JP 2001365331 A JP2001365331 A JP 2001365331A JP 2001365331 A JP2001365331 A JP 2001365331A JP 2003137808 A JP2003137808 A JP 2003137808A
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enteral
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enteral nutritional
lactoferrin
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JP2001365331A
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Kunio Ando
邦雄 安藤
Naoharu Komatsu
尚治 小松
Hirohiko Shimizu
洋彦 清水
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KAKUNAI JUYOTAI KENKYUSHO KK
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KAKUNAI JUYOTAI KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】腹部外科手術のように高度侵襲をともなう患者
並びに悪性腫瘍のように免疫能の低下をともなう患者
は、単に栄養を充足させるだけでは疾病から患者を回復
させることは困難である。経腸栄養により代謝面での異
化亢進を抑制するとともに、粘膜の免疫能を回復させる
ことが課題である。 【解決手段】経腸栄養に際し、ラクトフェリン群タンパ
ク質、ないし乳牛から得られる脱脂初乳を含む経腸栄養
剤を投与する。 【効果】本発明にかかわる経腸栄養剤の効果は、単に栄
養を充足させるに止まらず、高度侵襲をともなう患者及
び免疫能の低下した患者における免疫能を改善し、疾病
からの回復を促進する効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消化管内で機能性タ
ンパク質及びペプチドが効果的に生理活性を発揮し、腹
部外科手術のように高度侵襲が加えられた患者の健康回
復を促進し、悪性腫瘍、炎症性腸疾患、慢性感染症、褥
創などの難病を治療可能にする医薬組成物並びに加工食
品の製造方法に関する。すなわち、本発明は生理活性タ
ンパク質及びペプチドを分解されずに小腸以下の下部消
化管に到達させる医薬用経腸栄養剤組成物ないしは食品
用経腸栄養剤の製造方法に関する。さらに、本発明の製
造方法による医薬組成物ないし加工食品が、新たに治療
/予防を可能にした疾病に関する。本発明の医薬組成物
ないし加工食品は、高度に侵襲が加えられた患者の回復
を促進するとともに、悪性腫瘍の転移病巣を縮小/消失
させ、悪性腫瘍患者の延命と生活の質の向上をはかる上
で極めて有用である。また、本発明の製品は外科手術後
の高度外傷、炎症性腸疾患、褥創及び病原性細菌の感染
症等を治療する上できわめて有用である。
【0002】
【従来の技術】
【栄養の重要性】第二次大戦以降、我が国における平均
寿命の延長と青少年の体位向上は著しい。昔は亡国病と
まで云われ、日本の青少年に蔓延していた肺結核は過去
のものとなり、もっぱら免疫能が低下した老人を冒す病
気に変化している。結核が日本人の主要な死亡原因とし
て登場しなくなったのは、栄養が大きく改善されたから
である。食生活の改善は、致命的な病原菌感染症であっ
た結核、肺炎などの流行を終息させるとともに、日本人
の平均寿命を大きく延長して、今日では世界のトップレ
ベルに到達させた。平均寿命の延長は、栄養の改善、医
術の進歩、衛生知識の普及及び抗生物質等の革新的な治
療薬開発などによってもたらされた。これら要因のなか
でも最大の貢献をしたのが、栄養の改善であることは、
識者が等しく認めるところである。平均寿命延長の七〜
八割は、栄養の改善が寄与しているとまで云われてい
る。つまり、栄養の改善は体位向上ばかりでなく、強毒
病原菌が感染しても感染症を未然に封じ込める機能、す
なわち、病原菌の感染に際し免疫能を賦活し、感染症に
発展するのを防御する抵抗力と密接に結びついているの
である。
【0003】低栄養状態が宿主の免疫能を低下させるこ
とが明らかになり、病者の健康回復を促進するため、栄
養充足と免疫能回復を目的とする栄養補給が重視される
ようになったのはごく最近のことである。特に、外科手
術に続発する重症感染症や多臓器不全などの病態は、宿
主の生体反応の強弱に関係していることが判明するに従
い、ここ20年ほどの間に免疫能を回復させる栄養管理
が注目されてきた。一方、感染症の発生なしに過剰な炎
症反応が惹起され、多臓器不全を招来することもあるの
で、高度侵襲あるいは悪性腫瘍にともなう異化反応の亢
進も注目されるようになった。免疫能は、健常人が病原
菌感染症と発ガンから免れる上で必要であるばかりでな
く、病者の健康回復にとっていっそう重要な役割を果た
しているからである。また、代表的な難病である悪性腫
瘍を始め、自己免疫疾患、糖尿病など免疫能を低下させ
る疾患は数多い。肝硬変による食道静脈瘤、結腸ガン及
び食道ガンなどは、食物の通過が物理的に障害され、食
事の摂取を困難にさせる疾病である。末期ガン及び抗ガ
ン剤を投与されている患者は、頻繁に嘔吐が起こり口内
炎に悩まされ、食事の摂取が妨げられる。これらの疾患
は患者の栄養状態が悪化するにつれ加速度的に増悪する
ので、強制的に栄養を充足させることが、疾病から回復
するための必須条件である。
【0004】
【経管栄養の現状】食欲を喪失したり、食事の摂取が困
難な疾病をもつ患者が栄養を補給できるよう、いろいろ
の方法が試みられている。もっとも歴史が古いのは、末
梢静脈経由で栄養を送入する静脈注射である。この方法
の大きな欠点は、一度に送り込める液量が限られ、食物
摂取を代替できないことである。末梢静脈に注射針を挿
入し、少しずつ栄養液を送り込む点滴栄養法も、溶け込
ませる溶質濃度が血液と等張である必要があり、基礎代
謝をまかなう量の栄養を送入しようとすると膨大な水分
を一緒に送り込まねばならない。従って、点滴法も日常
的に非経口ルートで栄養を送り込む方法としては過去の
ものになっている。
【0005】我が国では経口的に栄養摂取が不可能、あ
るいは不十分な患者に、完全経静脈栄養が積極的に施行
されるようになり、完全経静脈栄養は進行性の低栄養治
療とその予防に大きく寄与してきた。末梢静脈からカニ
ューレを中心静脈まで挿入し、栄養を体内に送り込む完
全経静脈栄養法は、ポンプを使って栄養液を大静脈に直
接送入するので、高濃度の栄養物を多量に送入できるの
がメリットである。中心静脈は単位時間あたりの血液流
量が大きく、高濃度の栄養液であっても直ちに希釈され
る。短時間に多量の栄養を送り込めるので、経口的に食
物を摂取しなくても、中心静脈栄養だけで長期間生存す
ることは可能である。また、水に溶けない脂肪でも乳剤
の形で送り込めるので、単位容積あたりのカロリーを大
きくできるメリットもある。一方、欠点としてはカテー
テルを挿入する部分から病原菌が感染しやすく、カテー
テル敗血症は深刻な問題である。さらに、栄養液は完全
に無菌でなければならないので、管理に要するコストが
大きい。それにもまして大きな欠点は、栄養が腸管粘膜
を経由せず体内に送り込まれるので、患者の免疫能低下
が容易に改善されないことである。この方法は必須アミ
ノ酸の補給に重点がおかれており、免疫能を回復させる
と考えられているグルタミンやアルギニンの補充には適
さない。腸管粘膜は体内で最大の免疫臓器であり、粘膜
面からの病原菌侵入を防御する上で大きな役割を果たし
ている。完全経静脈栄養下では腸管の萎縮から腸管の物
理的及び免疫的バリアの機能低下が惹起される。それに
加え、抗生物質やH−ブロッカーの併用も相まって腸
内細菌叢が変化し、バクテリアルトランスロケーション
や易感染状態となる。以上の理由から、腸管が栄養を吸
収できる状態では、経腸栄養が第一選択になってきた。
【0006】
【経腸栄養】経口的に食物を摂取できない患者のため
に、鼻孔から胃までチューブを挿入し、栄養を送り込む
鼻孔経由の経腸栄養法は、外科手術や外傷、熱傷などの
高度侵襲が加えられた患者に昔から適用されていた。こ
の方法は栄養液が無菌である必要はなく、通常の流動食
も使用できるので低コストである。しかし、高度の侵襲
が加えられた患者は、異化が亢進していて、体外からの
十分な栄養補給が行われないと、体蛋白の喪失、実質臓
器の萎縮など、いわゆる「自分で自分の身体を食べる」
autocanibalismの状態に陥りやすい。こ
のような状態に陥ると、さらに、全身状態が悪化して免
疫能が低下する。この悪循環を抑制し、免疫能を改善す
るのが経皮的経腸栄養法である。
【0007】経腸栄養剤を鼻孔から通したチューブ経由
で栄養を送り込む経腸栄養は、患者をベッドに拘束し、
生活の質(Quality of Life:QOL)
を著しく低下させることが大きな欠点であった。また、
チューブを抜きさす際、気管支への食物残渣の誤飲があ
とを絶たず、免疫能が低下した患者に致命的な肺炎を誘
発する。従って、現状でもっとも優れた経腸栄養法は、
腹部皮下から胃ないし空腸に開口する胃瘻にカニューレ
を挿入し、ポンプで栄養液を送入する経皮的な経腸栄養
法、PEG(percutaneous endosc
opic gastrostomy)である。
【0008】感染症の制御を目的として強力な抗生物質
が開発されている。さらに、近年の遺伝子工学の発達
は、炎症性メディエーターやその受容体に対する特異的
な中和抗体の開発、抗炎症性サイトカインの合成を可能
とした。しかし、抗生物質の使用には耐性菌発生の危険
がつきまとい、動物実験では著効を呈する中和抗体など
のメディエーター調節物質も臨床試験では思うような効
果を上げるに至っていない。このような状況にあって
も、免疫栄養による栄養管理は、生体反応の調節という
点において現在のところもっとも成果をあげている。
【0009】栄養状態が良好な患者や、侵襲の加わらな
い状態では、適切な熱量、必須アミノ酸や脂肪酸、ビタ
ミン類などの摂取によって生体の正常な代謝が維持され
ている。しかし、侵襲下あるいは免疫能が低下する消耗
性疾患では、特定の栄養素の必要量が大幅に増加する。
これらの栄養素を補充することによって、生体の免疫能
を高め、生体反応を修飾することができる。このような
栄養素を免疫栄養とよんでいる。免疫栄養には、グルタ
ミン、アルギニン、タウリンなどのアミノ酸、ω−3脂
肪酸、核酸などが含まれるが、栄養投与ルートとしての
経腸(経口を含む)栄養も免疫栄養として重要である。
【0010】
【免疫栄養の欠点】高度外傷患者が経腸的な栄養投与を
受けられないと、肺炎や腹腔内膿瘍などの重症感染症の
発生頻度が著増する。本発明者らはその機序として、経
腸栄養欠如時の腸管免疫の低下とそれに伴う全身の粘膜
免疫の低下に注目してきた。さまざまな抗原は腸管で樹
状細胞に取り込まれ、パイエル板中で循環血中から滲出
してきたナイーブリンパ球に提示され、これを感作す
る。感作されたリンパ球は腸間膜リンパ節で成熟し、胸
管を経て全身血中に戻り、腸管の粘膜固有層や腸管外の
粘膜組織、すなわち、呼吸器、泌尿生殖器、乳腺などに
ホーミングして、粘膜を被覆する免疫グロブリンである
s−IgAを産生する。s−IgAは粘膜免疫では中心
的な地位を占めており、病原体に結合して炎症反応を惹
起することなく病原体の粘膜バリアへの侵入を防ぐ。こ
のように腸管は全身の粘膜免疫の中心として機能してお
り、パイエル板、粘膜固有層、上皮間リンパ球などのリ
ンパ組織は腸管リンパ装置(GALT)とよばれてい
る。経腸栄養はGALTの機能を維持する上で必須であ
る。
【0011】完全経静脈栄養では腸で体液性免疫を亢進
させ、s−IgA産生を高めるサイトカインであるイン
ターロイキン−4、インターロイキン−10のレベルが
低下し、腸のサイトカイン環境が体液性免疫優位から細
胞性免疫優位へ変化する。これらの変化に伴って腸管腔
内のs−IgA量が低下し、さらに腸管外の粘膜組織で
ある上気道へ分泌されるs−IgA量も低下する。以上
のように、経腸的な栄養供給が断たれると、GALTの
萎縮と機能低下、腸管外の粘膜免疫の低下を引き起こす
と推察される。また、経腸栄養には免疫能増強のみなら
ず、小腸や重要遠隔臓器の接着分子の発現を正常化し、
侵襲後に生じる過剰な好中球の活性化による臓器障害を
予防する効果があると考えられる。
【0012】欧米では各種の免疫亢進作用がある経腸栄
養剤を使って多くの臨床試験が施行され、重症患者に投
与された結果が報告されている。臨床試験のエンドポイ
ントとしては、重症感染症の発生頻度、在院日数などが
選択されており、それらの経腸栄養剤によって改善が認
められている。しかし、生存率の改善をみた報告はいま
だなく、また、報告によっては有効性がまったくみられ
なかったとするものもある。臨床試験の対象となる患者
の栄養状態、侵襲の大きさや種類などの因子が結果に大
きな影響を及ぼしているものと推察される。このように
経腸栄養の臨床応用が行われてはいるが、悪性腫瘍、炎
症性腸疾患、慢性感染症、褥創などの治療を目的とした
免疫亢進効果がある経腸栄養剤はいまだ開発されていな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】2001年、米国で開
催された学会(U.S.Summit on Immu
ne Enhancing Enteral Ther
apy)では、これらの臨床試験の結果に基づいて免疫
栄養投与の指針をまとめている。免疫栄養に使用頻度が
高い経腸栄養剤は、アルギニン、核酸、ω−3脂肪酸
を含む製品、グルタミン、アルギニン、核酸、ω−3
脂肪酸、分枝鎖アミノ酸を含む製品、グルタミンを多
量に含有する製品の三つである。しかし、既に感染症か
ら多臓器不全へ移行した患者への免疫栄養投与の臨床効
果ははっきりしていない。臓器障害をすでに生じている
患者では免疫栄養投与によって炎症反応が増強し、むし
ろ臓器障害が増悪する危険性もある。従って、現行の免
疫栄養は不完全で、多臓器不全を起こしている患者、炎
症反応が強く異化反応が亢進している患者にも有効な栄
養剤の開発が望まれている。また、悪性腫瘍、炎症性腸
疾患、褥創、慢性感染症など、経腸栄養が適用される病
態は多いが、現行の経腸栄養剤は積極的な疾病改善の見
地からは未だ不満足である。すなわち、どのような患者
を対象に、どのような免疫栄養を、いつ、どの程度の期
間、どの程度の量を投与すれば、コストにみあった効果
が得られるか検討されていないのである。さらに、グル
タミンやアルギニンなどのすでに有効性が確かめられて
いる栄養素以外の新しい免疫栄養の発見も重要な謀題で
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は免疫栄養剤
の改善を目的として研究した結果、機能性のタンパク質
及び機能性ペプタイドを添加した経腸栄養剤が免疫能を
回復させ、免疫能が低下する病態の治療にきわめて有効
であることを発見し本発明を完成するに至った。本発明
者等が従来の免疫栄養の欠陥を補うために検討したの
は、粘膜免疫の亢進作用がある鉄キレートタンパク質と
脱脂初乳である。ラクトフェリン群タンパク質は、哺乳
動物の初乳及び常乳に含まれ、また、卵白に豊富に含ま
れるコンアルブミンもこの群に属する鉄キレートタンパ
ク質である。さらに、近年、ヒト・ラクトフェリンも遺
伝子操作により糸状菌により産生させることか可能にな
った。ラクトフェリンは、分泌型免疫グロブリンs−I
gA及びリゾチームと並んで粘膜免疫の主役であり、病
原微生物の感染防御と粘膜免疫の賦活に大きな役割を果
たしていることが明らかになってきた。しかも、従来の
免疫栄養では供給されなかった粘膜免疫の賦活物質であ
るラクトフェリン及び初乳に含まれる粘膜免疫刺激物質
は、単に高度侵襲患者の回復を促進するだけでなく、G
ALTを刺激することにより免疫能が低下する難病の改
善に有用であることが本発明により明らかになった。
【0015】哺乳動物にあっては、分娩の際母親が泌乳
する初乳が単に栄養を補給するためだけでなく、新生児
を病原微生物による感染症から守るためきわめて重要な
役割を果たしていることがわかっている。すなわち、初
乳は多量の免疫グロブリン、ラクトフェリンを含み、新
生児を感染症から保護すると同時に、リンパ球、マクロ
ファージ、好中球、プロリン・リッチ・ポリペプタイド
のような細胞性及び体液性の免疫賦活因子を多量に含ん
でいる。さらに注目すべきは、初乳が成長ホルモン、イ
ンスリン様成長因子−1(IGF−1),トランスフォ
ーミング成長因子などの成長因子を多量に含んでいるこ
とである。つまり、外敵の攻撃に対し最も弱い新生児期
を乗り切るために、新生児を急速に成長させる栄養素を
豊富に含んでいるのである。初乳資源としてもっとも大
量、かつ、経済的に得られるのは乳牛が泌乳する初乳で
ある。ウシ初乳にはIGF−1が特に多量に含まれてお
り、消化管で初乳タンパク質が加水分解されるとIGF
−1の量はさらに数十倍増加すると報告されている。成
長ホルモンはIGF−1を介して作用を発揮し、IGF
−1の本質的な作用はタンパク質同化促進である。従っ
て、外科手術後の回復期にある患者と、異化反応の亢進
により体成分が失われるガンのような消耗性疾患の治療
にとって非常に重要である。
【0016】これらのラクトフェリン群タンパク質、ウ
シ脱脂初乳粉末、あるいはその双方を免疫栄養剤に添加
して投与すると、次のような改善効果が認められた。 (1)悪性腫瘍患者:末期の悪性腫瘍患者に投与する
と、ガン転移病巣が縮小/消失し、病状の好転がある。 (2)炎症性腸疾患:実験的なモデルで有意に病態の進
展を抑制する。 (3)侵襲後のバクテリアル・トランスロケーションの
抑制:動物実験モデルで感染から敗血症への進展を有意
に阻止する。 (4)褥創:急速な褥創治癒効果が認められる。 しかも、これらの改善効果は、副作用をともなわない投
与量で認められる。従って、ラクトフェリン群タンパク
質あるいは脱脂初乳粉末が、上記の難病に治療効果を示
すことは明らかである。これらのタンパク質及びペプタ
イドは、胃の蛋白分解酵素であるペプシンにより加水分
解されるので、経腸栄養剤に添加して患者に摂取させる
場合には、カニューレ先端は空腸に開口することが望ま
しい。しかし、流動状の経腸栄養剤は胃内の滞留時間が
短くペプシンの作用を受け難いので、胃内に送入しても
目的を達成することができる。欠点としては、これらの
生理活性タンパク質は加熱すると変性凝固するので、オ
ートクレーブによる湿熱滅菌ができないことである。無
菌の経腸栄養液が必要な場合には、無菌濾過する必要が
ある。また、異種蛋白なので、完全経静脈栄養剤には使
用することができない。
【0017】初乳に含まれる成長ホルモンは、強力な蛋
白同化作用をもち、免疫能が低下した状態における異化
反応亢進を阻止する。成長ホルモンの作用はおもにイン
スリン様成長因子−1(IGF−1)合成を促進するこ
とで発揮されるため、IGF−1にも同様の蛋白代謝改
善効果がある。IGF−1はウシ初乳には多量に含まれ
る成長因子であり、さらに興味深いことに初乳タンパク
質が蛋白分解酵素によって加水分解されると大幅にIG
F−1量が増加する。成長ホルモンやIGF−1は、細
胞性免疫、マクロファージや好中球の貪食能、スーパー
オキシド産生能を増強する。脱脂初乳粉末を運動選手に
一日あたり2〜3グラム摂取させると、体脂肪が減少し
て筋肉が増加し筋力が増強されたため、運動能力が向上
したことが報告されている。また、減量を目的として節
食すると、減量して欲しい皮下脂肪組織だけでなく筋
肉、実質臓器なども萎縮し、免疫能が低下する。脱脂初
乳粉末に含まれるIGF−1は、ダイエット中における
筋肉と実質臓器の萎縮を抑制し、選択的に白色脂肪組織
の中性脂肪を燃焼させる効果が期待できる。蛋白同化効
果と免疫増強作用を示す成長ホルモンとIGF−1の供
給は、高度侵襲、あるいは疾病により免疫能が低下し、
異化が亢進している疾患の治療にとって望ましい。従っ
て、IGF−1を多量に含む初乳を腸管に直接送入する
経腸栄養法は、経腸栄養剤の必須要件と云うことができ
る。
【0018】本発明になる経腸栄養剤は、糖質、タンパ
ク質、アミノ酸、核酸を構成する4種類のヌクレオタイ
ドとヌクレオシド、脂質、電解質、ビタミン、微量元素
などの生体に必要な栄養素をすべて含んでいる。糖質と
しては、ブドウ糖、果糖などの単糖類、蔗糖、乳糖、マ
ルトースのような二糖類、デキストラン、デンプンなど
の多糖類、及び米、麦などの穀粒を粉末化して使用する
ことができる。タンパク質としては、カゼイン、ホエイ
蛋白のような乳タンパク質、大豆タンパク質、卵白のタ
ンパク質並びにこれらのタンパク質を加水分解し、アミ
ノ酸とオリゴペプタイドの混合物として使用することが
できる。アミノ酸としてはタンパク質を構成する18種
類のアミノ酸に加え、免疫能を回復させる上で重要と考
えられるグルタミン、タウリン及びアルギニンなどを添
加することができる。また、核酸を構成する4種類の塩
基、それらのヌクレオシド及びヌクレオタイドを添加す
ることができる。脂質として本発明の経腸栄養剤に添加
できるのは、常温で液体の大豆油、コーン油、サフラワ
ー油、米油、パーム油、ココナッツ油、中鎖脂肪酸のト
リグリセライド、大豆レシチン、卵黄レシチン、月見草
油などである。特に、ω−3に二重結合を有するγ−リ
ノレン酸を多量に含む月見草油は、免疫能を回復させる
ために極めて重要な脂質である。
【0019】本発明のラクトフェリン、コンアルブミン
及び脱脂初乳を含む製品は、通常は粉末の形で提供され
る。ラクトフェリン、コンアルブミン及び脱脂初乳等
は、水溶液とすると著しく不安定であり、水溶液を無菌
状態で室温に暗所保存しても1ヶ月で半分以上が失活す
るほど不安定である。特に、本発明の製品が液状で提供
される場合には、別途にラクトフェリン、コンアルブミ
ン及び脱脂初乳の無菌粉末を添付する形をとる必要があ
る。すなわち、ラクトフェリン、コンアルブミン、脱脂
初乳粉末等は、いったん水に溶解してから無菌濾過し、
無菌濾過液を凍結乾燥した粉末を経腸栄養液に添付し、
使用直前に経腸栄養液と混合しなければならない。乾燥
状態で保存した場合にはラクトフェリン、コンアルブミ
ン、脱脂初乳粉末等はきわめて安定であり、室温暗所保
存で約1年は安定である。
【0020】次に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に拘束されるものでないことは云うまでもない。
【0021】
【実施例】
【実施例1】デキストリン20グラム、ホエイタンパク
質4.5グラム、大豆油0.2グラム、牛乳より抽出し
たラクトフェリン(ニュージーランド、タツア乳業会社
製、純度約87%)0.2グラム、酵母RNAの酵素分
解物0.4グラムにビタミン混合物と電解質混合物を適
量加え、混合して経腸栄養剤とした。
【0022】
【実施例2】デキストリン8グラム、マルトース5グラ
ム、ブドウ糖2グラム、卵白加水分解物2グラム、大豆
蛋白1.5グラム、コンアルブミン(チェコスロバキア
産、純度約83%)0.5グラム、オクチル・デシル・
トリグリセライド1グラム、大豆油1グラム、月見草油
0.3グラム、酵母RNAの酵素分解物0.4グラムに
ビタミン混合物と電解質混合物を適量加え、混合して経
腸栄養剤とした。
【0023】
【実施例3】デキストリン10グラム、蔗糖5.62グ
ラム、牛乳カゼイン3グラム、大豆蛋白1グラム、脱脂
し限外濾過処理したウシ初乳粉末(ニュージーランド、
シンビオティック社製、タンパク質含量約85%)0.
62グラム、大豆油2.1グラム、パーム油0.12グ
ラム、酵母RNAの酵素分解物0.4グラムにビタミン
混合物と電解質混合物を適量加え、混合して経腸栄養剤
とした。
【0024】
【実施例4】マウスを使ってラクトフェリン、コンアル
ブミン、脱脂初乳粉末が、高度侵襲などのストレス及び
抗ガン剤のような毒物に遭遇した場合に生体の腸管に起
こるバクテリアル・トランスロケーションを抑制するか
どうかを試験した。使用したマウスはBALB/c系の
5週令雄性である。このマウスに5−フルオロウラシル
を400mg/kg経口投与すると、最初、腸管粘膜に
グラム陰性の腸内細菌が侵入するバクテリアル・トラン
スロケーションが起こり、次に弱毒のグラム陰性腸内細
菌が強毒のグラム陽性病原菌に交代する菌交代現象を経
て、多臓器不全のために90%以上が死亡する。ちなみ
に、同じBALB/c系マウスであっても、無菌状態で
飼育されている無菌マウスは、400mg/kgの5−
フルオロウラシルを経口投与しても、腸内細菌叢がない
ので感染症が起こらず死亡しない。マウスに5−フルオ
ロウラシル投与と同時にラクトフェリン、コンアルブミ
ン、脱脂初乳粉末を経口投与し、2週後まで生存してい
る個体を感染症から回復したと判定した。結果は表1.
に示すとおりである。 表1から明らかなように、ラクトフェリン、コンアルブ
ミン、脱脂初乳はいずれも腸内細菌のバクテリアル・ト
ランスロケーションによる敗血症死を抑制した。
【0025】
【実施例5】潰瘍性大腸炎のモデルであるモルモットの
デキストラン硫酸による実験的な炎症性腸炎に対しラク
トフェリン、コンアルブミン、脱脂初乳を投与した結果
は表2に示すとおりである。 表から明らかなようにラクトフェリン、コンアルブミ
ン、脱脂初乳粉末は、有意に実験的な炎症性腸炎を抑制
する効果があった。
【0026】
【実施例6】嚢胞性スキルス胃ガンで療養中の52才の
女性に実施例2の経腸栄養剤を胃瘻経由で空腸に送入し
た。このガンは非常にまれで、これまでに世界で73例
しか発見されていない。しかも、外科手術で切除できな
いので、73例の全症例が発見半年以内に死亡している
悪性度が高いガンである。患者はすでに立ち上がれず寝
たままの状態であり、主治医は余命が1〜2ヶ月と宣告
していた。実施例2のコンアルブミンを含む経腸栄養を
開始すると、3日で起床できるようになり、1ヶ月後に
退院して自宅療養に切り替えることができた。1年2ヶ
月経過しても元気で、正常の日常生活を送っている。
【0027】
【実施例7】肺に原発病巣をもつ肺ガン患者(57才男
性)が食欲不振で72kgの体重が45kgまで減少
し、余命が2ヶ月と判定されたので胃瘻を作成し実施例
1の経腸栄養剤投与を開始した。一日の摂取カロリーは
1200Kcalである。その結果、3ヶ月で体重が7
kg増加し、肝臓の転移病巣すべてが消失した。しか
し、原発巣は縮小しなかった。この患者は1年を経過し
た後も生存している。
【0028】
【実施例8】寝たきりで褥創がある患者4名を2群に分
け、第一群の2名に実施例3の経腸栄養液を胃瘻から与
え、第二群には対照として実施例3の脱脂初乳粉末を脱
脂乳に代替した経腸栄養液を胃瘻から与えた。摂取カロ
リーはそれぞれ一日あたり1200Kcalである。1
ヶ月経過した後、第一群には第二群に用いた脱脂乳で代
替した経腸栄養液を与え、第二群は実施例3の処方どお
りの脱脂初乳粉末を添加した経腸栄養液を1ヶ月間与え
た。この間に褥創の状態を観察した。 表3に示すように、脱脂初乳粉末の治療を開始して4〜
11日目に褥創が治癒しており、その効果は明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/02 A61P 29/00 29/00 31/04 31/04 35/00 35/00 37/04 37/04 A23L 1/29 // A23L 1/29 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B018 LB10 MD01 MD14 MD19 MD20 MD23 MD27 MD44 MD71 ME08 ME14 MF02 4C084 AA02 AA03 BA44 CA62 DA36 MA02 MA16 MA52 ZA661 ZA662 ZA891 ZA892 ZB091 ZB092 ZB111 ZB112 ZB261 ZB262 ZB351 ZB352 4C087 AA01 AA02 BB39 CA07 MA02 MA16 MA52 ZA66 ZA89 ZB09 ZB11 ZB26 ZB35

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭水化物、タンパク質、アミノ酸、核酸
    関連物質、脂質、ビタミン及びミネラル等の粉末を混合
    して経腸栄養剤を製造するに際し、ラクトフェリンある
    いはコンアルブミンあるいは脱脂初乳のいずれか一つ、
    あるいは三つから選ばれた二つ、ないし三つを混合する
    ことを特徴とする新規経腸栄養剤及び経腸用加工食品の
    製造法
  2. 【請求項2】 請求項1における経腸栄養剤の製造にお
    いて、患者一人の一日あたりの摂取量が0.1〜15g
    になるようにラクトフェリンを経腸栄養剤に添加するこ
    とを特徴とする経腸栄養剤及び経腸加工食品の製造法
  3. 【請求項3】 請求項1における経腸栄養剤の製造にお
    いて、患者一人の一日あたりの摂取量が0.3〜30g
    になるようにコンアルブミンを経腸栄養剤に添加するこ
    とを特徴とする経腸栄養剤及び経腸加工食品の製造法
  4. 【請求項4】 請求項1における経腸栄養剤の製造にお
    いて、患者一人の一日あたりの摂取量が0.3〜30g
    になるように脱脂初乳粉末を経腸栄養剤に添加すること
    を特徴とする経腸栄養剤及び経腸加工食品の製造法
  5. 【請求項5】 悪性腫瘍患者の皮膚ないし鼻腔からチュ
    ーブを挿入し、胃あるいは腸に開口させたチューブ経由
    で経腸栄養を行うに際し、一日あたり0.1〜15gの
    ラクトフェリンを同時に摂取させることを特徴とする新
    規悪性腫瘍治療薬及び治療用加工食品の製造法
  6. 【請求項6】 悪性腫瘍患者の皮膚ないし鼻腔からチュ
    ーブを挿入し、胃あるいは腸に開口させたチューブ経由
    で経腸栄養を行うに際し、一日あたり0.3〜30gの
    コンアルブミンを同時に摂取させることを特徴とする新
    規悪性腫瘍治療薬及び治療用加工食品の製造法
  7. 【請求項7】 悪性腫瘍患者の皮膚ないし鼻腔からチュ
    ーブを挿入し、胃あるいは腸に開口させたチューブ経由
    で経腸栄養を行うに際し、一日あたり0.3〜30gの
    脱脂初乳粉末を同時に摂取させることを特徴とする新規
    悪性腫瘍治療薬及び治療用加工食品の製造法
  8. 【請求項8】 経腸栄養剤を炎症性腸疾患の患者に摂取
    させるに際し、同時に患者がラクトフェリンとして一日
    あたり0.1〜15g摂取することを可能とする新規炎
    症性腸疾患治療薬及び治療用加工食品の製造法
  9. 【請求項9】 経腸栄養剤を炎症性腸疾患の患者に摂取
    させるに際し、同時に患者がコンアルブミンとして一日
    あたり0.3〜30g摂取することを可能とする新規炎
    症性腸疾患治療薬及び治療用加工食品の製造法
  10. 【請求項10】 経腸栄養剤を炎症性腸疾患の患者に摂
    取させるに際し、同時に患者が脱脂初乳粉末として一日
    あたり0.3〜30g摂取することを可能とする新規炎
    症性腸疾患治療薬及び治療用加工食品の製造法
  11. 【請求項11】 経腸栄養剤を病原菌感染症の患者に摂
    取させるに際し、同時に患者がラクトフェリンとして一
    日あたり0.1〜15g摂取することを可能とする新規
    感染症治療薬及び加工食品の製造法
  12. 【請求項12】 経腸栄養剤を病原菌感染症の患者に摂
    取させるに際し、同時に患者がコンアルブミンとして一
    日あたり0.3〜30g摂取することを可能とする新規
    感染症治療薬及び加工食品の製造法
  13. 【請求項13】 経腸栄養剤を病原菌感染症の患者に摂
    取させるに際し、同時に患者が脱脂初乳粉末として一日
    あたり0.3〜30g摂取することを可能とする新規感
    染症治療薬及び加工食品の製造法
  14. 【請求項14】 褥創患者に経腸栄養剤を与えるに際
    し、同時に患者がラクトフェリンとして一日あたり0.
    1〜15g摂取することを可能とする新規褥創治療剤及
    び加工食品の製造法
  15. 【請求項15】 褥創患者に経腸栄養剤を与えるに際
    し、同時に患者がコンアルブミンとして一日あたり0.
    3〜30g摂取することを可能とする新規褥創治療剤及
    び加工食品の製造法
  16. 【請求項16】 褥創患者に経腸栄養剤を与えるに際
    し、同時に患者が脱脂初乳粉末として一日あたり0.3
    〜30g摂取することを可能とする新規褥創治療剤及び
    加工食品の製造法
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