JP2003137684A - 硝安油剤爆薬 - Google Patents

硝安油剤爆薬

Info

Publication number
JP2003137684A
JP2003137684A JP2001327753A JP2001327753A JP2003137684A JP 2003137684 A JP2003137684 A JP 2003137684A JP 2001327753 A JP2001327753 A JP 2001327753A JP 2001327753 A JP2001327753 A JP 2001327753A JP 2003137684 A JP2003137684 A JP 2003137684A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonium nitrate
oil
explosive
specific gravity
oil explosive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001327753A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4009084B2 (ja
Inventor
Kyoichi Watanabe
京一 渡辺
Takeshi Kobayashi
武 小林
Toshihiro Okitsu
敏洋 沖津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Koki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Koki Co Ltd filed Critical Nippon Koki Co Ltd
Priority to JP2001327753A priority Critical patent/JP4009084B2/ja
Publication of JP2003137684A publication Critical patent/JP2003137684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4009084B2 publication Critical patent/JP4009084B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、粒子が低密度化され鋭敏になった
ポーラスプリル硝安を使用しても製造直後及び数週間経
過後においても、6号雷管起爆で完爆しない(不完爆)
鈍感化した安全性の高い硝安油剤爆薬を提供することに
ある。また、低密度のポーラスプリル硝安を使用した硝
安油剤爆薬の嵩比重を、起爆感度を上げることなく更に
低下させると共に嵩比重を調節できる硝安油剤爆薬を提
供することにある。 【解決手段】 本発明は、ポーラスプリル硝酸アンモニ
ウムと、燃料油と、燃料油を吸収する物性を有する不活
性な多孔体の比重調節剤兼鈍感化剤とを混合してなる硝
安油剤爆薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設業、砕石、採
鉱等の発破作業に使用される産業用爆薬の硝安油剤爆薬
に関する。
【0002】
【従来の技術】硝安油剤爆薬は、一般にポーラスプリル
硝酸アンモニウム(以下ポーラスプリル硝安という)94
重量%、軽油6重量%からなり、安全性が高く、安価で
あり、また流動性が良い粒状爆薬であることから効率的
な装填作業ができるなど多くの利点があるため、他の産
業爆薬に比べて大量に消費されている。硝安油剤爆薬の
消費コストを低減させる方法としては、硝安油剤爆薬の
価格を下げることが当然考えられるが、もうひとつの方
法として、硝安油剤爆薬の嵩比重を低下させても威力が
ほぼ同等ならば、装薬孔(ボアホール)に装填した場
合、装薬孔単位容積当たりの硝安油剤爆薬の使用重量を
減らすことによって、発破作業における爆薬コストの低
減が可能となる。
【0003】そこで従来、硝安粒子そのものの密度を低
下させたポーラスプリル硝安、例えば、ポーラス度を向
上させたり、或いは粒子内に気泡剤を含有させ密度低下
を図ることにより、得られる硝安油剤爆薬の嵩比重の低
下を図ってきた。なお、ボアホール単位容積当たりの硝
安油剤爆薬の使用重量が減少すれば、破砕効果の低下が
懸念されるが、ポーラス度を向上させ比表面積を大きく
して粒子の密度を低下させたポーラスプリル硝安の使用
により硝安油剤爆薬の反応性が向上するため、硝安油剤
爆薬の使用量を若干減らしても発破作業現場における破
砕効果にはほとんど影響がないことがわかった。
【0004】ポーラスプリル硝安は、粒子内部に連続し
た多数の空隙を持つ多孔性の球体であり、燃料油と混合
した場合、燃料油はこの空隙に浸透、吸着する。上述の
様に粒子密度を低下させたポーラスプリル硝安(嵩比重
が0.75程度以下のもの)は、通常密度(嵩比重が
0.80程度以上のもの)のポーラスプリル硝安と比
べ、粒子内に空隙が多く比表面積が大きいため、粒子が
低密度化されるとともに必然的に燃料油の吸収性が向上
する。このように燃料油の吸収性が向上するため、酸化
剤成分であるポーラスプリル硝安と燃料油との接触面積
が増える。硝安油剤爆薬の爆発反応は、燃料油とポーラ
スプリル硝安との接触面における表面での酸化還元反応
である。したがって、当然、ポーラスプリル硝安と燃料
油との接触面積が大きいほど反応性は良くなる。つま
り、上述の様にしてポーラスプリル硝安の粒子密度を下
げること(比表面積の増大)により、このポーラスプリ
ル硝安を使用した硝安油剤爆薬の反応性は向上する。
【0005】実験によると、このようにして得られた比
表面積の大きなポーラスプリル硝安は、大凡、嵩比重が
0.7付近を下回ると6号雷管起爆性を有する可能性が
極めて強くなる。
【0006】比表面積の大きな低比重ポーラスプリル硝
安は、前述したように反応性が向上し、そのため爆速が
速くなり、威力を向上させるという良い効果をもたらす
反面、同時に感度が鋭敏になる。
【0007】そこで、これを鈍感にするため硝安油剤爆
薬に不活性な物質を混合する方法がある。不活性な物質
を混合することにより、硝安油剤爆薬の反応性は低下
し、鈍感化される。また、この不活性な物質を用いる場
合、硝安油剤爆薬より嵩比重の低いものを用いれば、硝
安油剤爆薬の嵩比重をさらに低下することもできる。使
用される不活性な物質としては、例えば、ガラス中空球
体(グラスマイクロバルーン)、天然ガラスを膨張させた
多泡構造のパーライトなどの無機質中空体、エクスパン
セル、発泡ポリスチレン等の有機質中空体等が知られて
いる。これらガラス中空球体やパーライト等の不活性物
質を混合すると、ポーラスプリル硝安粒子同士の隙間に
入り、爆薬成分中に爆薬でない不活性成分の不連続部が
でき、嵩比重は低下するとともに鈍感化する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして粒子が低密度化され、鋭敏になったポーラスプ
リル硝安(低比重ポーラスプリル硝安)を使用した硝安
油剤爆薬は雷管起爆性を有するようになり、起爆感度試
験にて6号雷管で完爆し、規格(JIS−K−480
1)を満足しなくなる。
【0009】硝安油剤爆薬は、JIS−K−4801に
おいて、塩ビ雨樋法またはカートン法による起爆感度試
験にて6号雷管で完爆しないことと規定されている。
【0010】また、製造直後の起爆感度試験で不爆であ
っても、ポーラスプリル硝安と燃料油の接触面積は時間
の経過と共に拡大していくため、製造後数週間を経過す
ると雷管起爆性が向上し、完爆する虞がある。
【0011】また、不活性な物質の、ガラス中空球体は
表面に細孔がないため硝安油剤爆薬の鈍感化剤として使
用した場合、軽油がガラス中空球体内部に浸透せずガラ
ス中空球体の表面に付着する。そして、軽油の粘性によ
りガラス中空球体同士が接着し大きな固まりを形成して
しまう。そのため、硝安油剤爆薬内に均一に分散しなく
なってしまうという問題がある。均一に分散しないと硝
安油剤爆薬の起爆性、伝爆性にバラツキが生じ、不爆ま
たは爆轟中断を起こす虞がある。
【0012】また、パーライトは、一般的に強度が弱い
ため硝安油剤爆薬製造時に或いは運搬時に粒子が崩れや
すく粉塵が発生するという問題がある。
【0013】また、シラスバルーンは、火砕流などで形
成された天然の多孔体であるが球状体でなく、形状にも
バラツキがあり、粒径が0.5mm以下と極めて微細で
ガラスマイクロバルーン同様、軽油の粘性によりシラス
バルーン同士が接着し大きな固まりを形成してしまう。
そのため、硝安油剤爆薬内に均一に分散しなくなってし
まうという問題がある。
【0014】本発明はこれらの問題を解決するために本
発明で記すところの比重調節剤兼鈍感化剤を加えること
によって、前述の様に粒子が低密度化され鋭敏になった
ポーラスプリル硝安を使用しても、製造直後のみならず
製造後数週間経過後でも、6号雷管起爆で完爆しない
(不完爆)鈍感化した硝安油剤爆薬を提供することにあ
る。
【0015】また、本発明の他の目的は、低密度のポー
ラスプリル硝安を使用した硝安油剤爆薬の嵩比重を、さ
らに低下させると共に、嵩比重を調節できる通常硝安油
剤爆薬を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、嵩比重を低減
した硝安油剤爆薬において、従来より少ない爆薬消費
(重)量であっても、従来の発破と同等の破壊効果を得
ることが出来る硝安油剤爆薬を提供することにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、比重調節剤兼
鈍感化剤を混合しても、製造及び取扱い中に、粉塵の発
生がなく、かつ比重調節剤兼鈍感化剤が硝安油剤爆薬中
に均一に分散する硝安油剤爆薬を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ポーラスプリル硝酸アンモニウムと、燃料油と、燃料油
を吸収する物性を有する不活性な多孔体の比重調節剤兼
鈍感化剤とを混合してなる硝安油剤爆薬である。特に、
粒子が低密度化されたポーラスプリル硝安を使用するこ
とで雷管起爆性を有するようになった硝安油剤爆薬に前
記比重調節剤兼鈍感化剤を混合することにより6号雷管
起爆で不完爆となり鈍感化となることが分かった。請求
項2記載の発明は、比重調節剤兼鈍感化剤が無機質多孔
体である請求項1記載の硝安油剤爆薬である。この無機
質多孔体は不活性であり、硝安油剤爆薬として混合した
場合でも酸素バランスが、更にマイナスとならず安定し
た性能を得ることが分かった。
【0019】請求項3記載の発明は、嵩比重が0.2〜
0.3、平均粒径が1〜2mm、かつ硬度1〜15%であ
る無機質多孔体を、硝安油剤爆薬全体の2〜12%の範
囲で含有する請求項2記載の硝安油剤爆薬である。請求
項4記載の発明は、ポーラスプリル硝安の嵩比重を無機
質多孔体の嵩比重で除した値が2.0〜4.5である請
求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の硝安油剤爆
薬である。請求項5記載の発明は、燃料油を吸収する物
性を有する不活性な多孔体は、平均粒経1〜2mmの球
状体である請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載
の硝安油剤爆薬である。
【0020】請求項6記載の発明は、硝安油剤爆薬製造
直後及び当該製造後2週間〜3週間経過後において、硝
安油剤爆薬の起爆感度試験で不完爆となる請求項1ない
し請求項5のいずれか1項記載の硝安油剤爆薬である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。本発明の硝安油剤爆薬は、低比重のポーラス
プリル硝安に、燃料油を吸収する物性を有する不活性な
無機質多孔体(以下、吸油性不活性無機質多孔体と記
載)を比重調整剤兼鈍感剤として添加し、さらに燃料油
を混合する。
【0022】ポーラスプリル硝安と吸油性不活性無機質
多孔体との混合物に燃料油を混合撹拌すると、吸油性不
活性無機質多孔体は吸油性を有するので、燃料油を吸収
する。また、同時にポーラスプリル硝安も吸油性を有す
るので、燃料油を吸収する。ここで、ポーラスプリル硝
安と吸油性不活性無機質多孔体は、互いの吸油率におい
て燃料油を吸収するため、ポーラスプリル硝安への吸油
量は、無機質多孔体への吸油によって低下する。
【0023】また、用いる吸油性不活性無機質多孔体の
嵩比重が低すぎたり、粒度が微細すぎると、ポーラスプ
リル硝安との比重差、粒度差により分離しやすくなり伝
爆低下や、装填作業時に粉塵が舞いやすくなる虞があ
る。逆に嵩比重が高すぎると、比重低減等の効果が小さ
くなってしまう。また、吸油性不活性無機質多孔体の粒
径については、ポーラスプリル硝安との分離を起こしに
くくするため、ポーラスプリル硝安の平均粒径に近いほ
ど好ましい。また、吸油性不活性無機質多孔体は、製造
において取扱い時の粒子の破壊による粉塵の発生を防ぐ
ため、ある程度の粒子強度(硬度)が必要であり、その
硬度は使用するポーラスプリル硝安と同等か硬い方が好
ましい。
【0024】そこで、吸油性不活性無機質多孔体は、例
えば、嵩比重が0.2〜0.3、平均粒径が1〜2m
m、硬度が1〜15%であって、硝安油剤爆薬中、2−
12重量%の範囲、好ましくは2〜6重量%で配合する
と良い。また、このときのポーラスプリル硝安の平均粒
径は、1.0〜1.5mmの範囲、好ましくは1.2〜
1.4mm、嵩比重は、粒子強度とともに必要な爆速を
維持するため0.60〜0.80の範囲、好ましくは
0.65〜0.75のものを使用すると良い。
【0025】吸油性不活性無機質多孔体の嵩比重は、吸
油性不活性無機質多孔体をロートから容器に流し込み、
容器に入った吸油性不活性無機質多孔体の重量と容器の
容積から算出する。吸油性不活性無機質多孔体の平均粒
径は、吸油性不活性無機質多孔体を目開きの異なる数種
類の篩に通し、その篩毎の重量比により算出する。吸油
性不活性無機質多孔体の硬度は、粒径1〜2mmのもの
を篩により選別して試料とし、受け皿(内径200mm)
と挽き皿(外形196mm、重量1715g)からなる硬
度測定器に試料約40cc(重量は測定しておく)を硬度
測定器の受け皿に投入した後、その上に挽き皿を置き、
挽き皿を10秒間で5回転させる。その後受け皿の中の
試料を目開き1mmの篩に通し、篩を通過した試料(圧
潰品)の重量を測定する。硬度は次の式により算出す
る。 硬度(%)=圧潰品の重量(g)/受け皿に投入した試料の重
量(g)×100
【0026】本発明の硝安油剤爆薬は、吸油性不活性無
機質多孔体の配合比を適正に変えることで、嵩比重を任
意に調整することが可能となり、所望の性能を持った爆
薬商品を得ることが可能となる。
【0027】本発明の硝安油剤爆薬に用いられる燃料油
としては、2号軽油の外、灯油等の鉱物油、植物油、動
物油、ワックス類等を用いても目的は達し得る。 また、本発明の硝安油剤爆薬は、必要に応じてハミング
等の制電防止剤、グアーガム、澱粉等の増粘剤(粘稠
剤)、或いはセメントとの反応を抑制するためリンゴ酸
等の弱酸添加剤を加えることができる。
【0028】
【作用】上述のとおり、粒子が低密度化されたポーラス
プリル硝安に、このポーラスプリル硝安よりも低い嵩比
重の、燃料油を吸収する物性を有する不活性な比重調節
剤兼鈍感化剤を添加する。そして、ここに燃料油を混合
すると不活性物質と硝安両者に燃料油が吸収される。そ
の結果、ポーラスプリル硝安の吸油量が相対的に低下
し、その結果として酸化剤と燃料との接触面積が減少す
るので起爆性が鈍感化され、6号雷管で不完爆となる。
【0029】また、この硝安油剤爆薬は、比重調節剤兼
鈍感化剤が硝安油剤爆薬内の粒子間に均一に分散すると
ともに低嵩比重となるので、同一発破坑内に占める爆薬
容積を一定とするならば、従来より爆薬消費(重)量が
少なくてすむ。
【0030】
【実施例】次に具体的な実施例を挙げて詳細に説明す
る。 実施例1 ポーラスプリル硝安(嵩比重0.69、平均粒径1.3
8mm)92.1重量%と吸油性不活性無機質多孔体
(嵩比重0.23、平均粒径1.50mm、硬度4.0
%)2.0重量%を混合し、その後に燃料油として2号
軽油5.9重量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。なお、
本実施例で使用した吸油性不活性無機質多孔体は、ポラ
バー(DENNERTPORAVER GMBH社商標)である。 ポラバーの物性 (形状:球体、色:乳白色、粒径:1
〜2mm、嵩比重:0.23、主成分:二酸化ケイ素、
水に不溶) 実施例2 ポーラスプリル硝安(実施例1のもの)86.5重量%
と吸油性不活性無機質多孔体(実施例1のもの)8.0
重量%を混合し、その後に2号軽油5.5重量%を加え
て硝安油剤爆薬を得た。 実施例3 ポーラスプリル硝安(嵩比重0.73、平均粒径1.2
0mm)90.2重量%と吸油性不活性無機質多孔体
(実施例1のもの)4.0重量%を混合し、その後に2
号軽油5.8重量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。 実施例4 ポーラスプリル硝安(嵩比重0.62、平均粒径1.4
2mm)90.2重量%と吸油性不活性無機質多孔体
(実施例1のもの)4.0重量%を混合し、その後に2
号軽油5.8重量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。 実施例5 ポーラスプリル硝安(嵩比重0.62、平均粒径1.4
2mm)84.6重量%と吸油性不活性無機質多孔体
(実施例1のもの)10.0重量%を混合し、その後に
2号軽油5.4重量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。
【0031】比較例1 ポーラスプリル硝安(実施例1のもの)94.0重量%
と2号軽油6.0重量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。 比較例2 ポーラスプリル硝安(実施例1のもの)93.1重量%
とガラス中空球体(嵩比重0.08、平均粒径65μ
m))1.0重量%を混合し、その後2号軽油5.9重
量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。 比較例3 ポーラスプリル硝安(実施例1のもの)90.2重量%
とパーライト(嵩比重0.16、平均粒径1.00m
m、硬度66.7%)4.0重量%とを混合し、その後
2号軽油5.8重量%を加えて硝安油剤爆薬を得た。
【0032】実施例1〜5、比較例1〜3で得られた硝
安油剤爆薬について、嵩比重の測定、鋼管爆速測定(JIS
K 4810で規定されているイオンギャップ法)、及び起
爆感度試験(JIS K 4801、起爆感度試験方法A:塩ビ雨
樋法による)を実施した。嵩比重は硝安油剤爆薬をロー
トから容器に流し込み、容器に入った硝安油剤爆薬の重
量と容器の容積から算出した。鋼管爆速はJIS G 3452に
規定されている32A鋼管に硝安油剤爆薬を装填し、イ
オンギャップ法により爆速を測定した。なお、起爆には
6号電気雷管を、伝爆薬として日本工機株式会社製含水
爆薬エナマイト(登録商標)50gを用いた。起爆感度
試験はJIS A 5706に規定されている硬質塩ビ雨樋に硝安
油剤爆薬を入れ、6号雷管を挿入した後、これを起爆さ
せ、硝安油剤爆薬が爆発したかどうかを導爆線により判
定した。なお6号雷管は日本油脂株式会社製6号電気雷
管を用いた。これらの試験結果における、実施例1〜5
を表1に、比較例1〜3を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1〜5の本発明の爆薬が、製造後4
週間を経過しても雷管起爆試験で不爆であった。比較例
1は吸油性不活性無機質多孔体を配合しない爆薬、比較
例2は吸油性不活性無機質多孔体ではなく、ガラス中空
球体を使用した爆薬、これらは製造後2週間を経過した
時点で雷管起爆性を有した。また、比較例3は、パーラ
イトを使用した爆薬で、取り扱い時に粉塵が舞うという
問題が発生した。
【0036】図1および図2は、本発明の硝安油剤爆薬
に使用した実施例1〜5に記載の吸油性不活性無機質多
孔体の配合比と嵩比重、吸油性不活性無機質多孔体の配
合比爆速の関係を実験上から表したものである。図1は
吸油性不活性無機質多孔体の配合比と嵩比重の関係、図
2は吸油性不活性無機質多孔体の配合比と爆速の関係を
示す。図中のポイントで示された部分は実測値であり、
直線は最小二乗法により求めた回帰直線である。
【0037】図1に示すとおり、吸油性不活性無機質多
孔体の配合比が増えると嵩比重は低下する。よって、吸
油性不活性無機質多孔体の配合比を変えることにより、
ある程度自由に嵩比重を変えることが可能となる。しか
し、図2に示すとおり、吸油性不活性無機質多孔体の配
合量を増やすと、爆速は徐々に低下していき、ついには
不爆となる。だだし、吸油性無機質多孔体を添加した硝
安油剤爆薬の爆速と起爆感度には相関性があり、爆速が
低下するに従い、起爆感度も鈍感化する方向にあるた
め、吸油性不活性無機質多孔体の配合により、雷管起爆
性が低下することになる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、吸油性を有する不活性な多孔
体を比重調節剤兼鈍感化剤として用いる(混合する)の
で、嵩密度を低下させることができるとともに、6号雷
管起爆で不完爆となり、またさらに製造後数週間経過後
でも不完爆となる硝安油剤爆薬を得ることができる。
【0039】また、低嵩比重および鈍感化した本発明の
硝安油剤爆薬は、発破効果を落とすことなく2500m/s
以上の所望の爆速を得ることができ、従来より少ない爆
薬消費(重)量であっても十分な破壊効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硝安油剤爆薬の吸油性不活性無機質
多孔体の配合比と嵩比重との関係を示す。
【図2】 本発明の硝安油剤爆薬の吸油性不活性無機質
多孔体の配合比とJIS鋼管爆速との関係を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポーラスプリル硝酸アンモニウムと、燃
    料油と、燃料油を吸収する物性を有する不活性な多孔体
    の比重調節剤兼鈍感化剤とを混合してなることを特徴と
    する硝安油剤爆薬。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硝安油剤爆薬において、
    比重調節剤兼鈍感化剤は、無機質多孔体であることを特
    徴とする硝安油剤爆薬。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の硝安油剤爆薬において、
    無機質多孔体は、嵩比重が0.2〜0.3、平均粒径が
    1〜2mm、かつ硬度が1〜15%であり、硝安油剤爆
    薬全体の2〜12重量%の範囲で含有することを特徴と
    する硝安油剤爆薬。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の硝安油剤爆薬において、ポーラスプリル硝酸アン
    モニウムの嵩比重を無機質多孔体の嵩比重で除した値が
    2.0〜4.5であることを特徴とする硝安油剤爆薬。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の硝安油剤爆薬において、燃料油を吸収する物性を
    有する不活性な多孔体は、平均粒径1〜2mmの球状体
    であることを特徴とする硝安油剤爆薬。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載の硝安油剤爆薬において、硝安油剤爆薬製造直後及
    び当該製造2週間〜4週間経過後、硝安油剤爆薬の起爆
    感度試験で不完爆となることを特徴とする硝安油剤爆
    薬。
JP2001327753A 2001-10-25 2001-10-25 硝安油剤爆薬 Expired - Fee Related JP4009084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327753A JP4009084B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 硝安油剤爆薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327753A JP4009084B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 硝安油剤爆薬

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003137684A true JP2003137684A (ja) 2003-05-14
JP4009084B2 JP4009084B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=19143932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001327753A Expired - Fee Related JP4009084B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 硝安油剤爆薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4009084B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256927A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Chugoku Kayaku Kk 硝安油剤爆薬

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256927A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Chugoku Kayaku Kk 硝安油剤爆薬
JP4677257B2 (ja) * 2005-03-18 2011-04-27 中国化薬株式会社 硝安油剤爆薬

Also Published As

Publication number Publication date
JP4009084B2 (ja) 2007-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0142271B1 (en) Water-in-oil emulsion explosive composition
EP0136081B1 (en) Water-in-oil emulsion explosive composition
CA2965705C (en) Explosive composition for soft and wet ground and method of delivery
CA2882148C (en) Explosive composition comprising heavy anfo and a plant derived, inert bulking and sensitizing additive
CA2842822A1 (en) Improved explosive composition comprising hydrogen peroxide and a sensitizer
JP4009084B2 (ja) 硝安油剤爆薬
CN102992928B (zh) 重硝酸铵燃料油和定制的膨化聚合物密度控制剂
EA015055B1 (ru) Эмульсионное взрывчатое вещество (варианты)
JP3797826B2 (ja) 爆薬組成物
JP2005139036A (ja) 鈍感な高威力非火薬破砕薬剤
JPS62171983A (ja) 貯蔵安定なエマルジヨンブレンド爆薬
JP2003146787A (ja) 硝安油剤系爆薬組成物及びその製造方法
JP2005029447A (ja) 硝安油剤系爆薬組成物及びその製造方法
CA2375217A1 (en) Method of manufacturing an explosive composition
JP3797840B2 (ja) 爆薬組成物
JP2002338383A (ja) 爆薬組成物
JP3599623B2 (ja) 爆薬組成物
RU2237645C1 (ru) Взрывчатый состав
JP2009013000A (ja) 爆薬組成物
JPH06128071A (ja) 含水爆薬組成物及びそれを用いた発破方法
JP2004010412A (ja) 爆薬薬包
JPH1112075A (ja) 油中水滴型エマルション爆薬組成物
JPH09278578A (ja) 爆 薬
JP2002003292A (ja) 粒状爆薬
JP2003183094A (ja) 爆薬組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070831

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4009084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees