JPH06128071A - 含水爆薬組成物及びそれを用いた発破方法 - Google Patents

含水爆薬組成物及びそれを用いた発破方法

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JPH06128071A
JPH06128071A JP28206692A JP28206692A JPH06128071A JP H06128071 A JPH06128071 A JP H06128071A JP 28206692 A JP28206692 A JP 28206692A JP 28206692 A JP28206692 A JP 28206692A JP H06128071 A JPH06128071 A JP H06128071A
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explosive
water
blasting
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explosive composition
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JP28206692A
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Fumihiko Sumiya
文彦 角谷
Akihiro Tanaka
明弘 田中
Kenji Hashimoto
賢二 橋本
Masaharu Tabuchi
雅春 田渕
Koichi Kurokawa
孝一 黒川
Yukio Kato
幸夫 加藤
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06BEXPLOSIVES OR THERMIC COMPOSITIONS; MANUFACTURE THEREOF; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS EXPLOSIVES
    • C06B47/00Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase
    • C06B47/14Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase comprising a solid component and an aqueous phase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含水爆薬としての形状維持ができて製造が容
易であり、しかも水中爆発エネルギーが高く、爆発の威
力の大きい含水爆薬組成物及び威力のある効果的な発破
を行うことができる発破方法を提供する。 【構成】 スラリー爆薬やエマルション爆薬等の含水爆
薬組成物は、硝酸アンモニウム等の酸化剤成分と金属粉
や燃料油等の燃料成分とからなり、酸素バランス値が−
5〜−50である。また、含水爆薬組成物は、燃料成分
としてアルミニウム粉等の金属粉を含み、水中爆発エネ
ルギーが2.0〜5.0MJ/Kgである。さらには、
この爆薬組成物を用い、酸素の供給が十分に行われる、
いわゆるあかり現場において発破作業を行うことによ
り、爆薬組成物の威力が効果的に発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、隧道掘進、採石、採
鉱などの産業用発破作業に広く利用される含水爆薬組成
物及びそれを用いた発破方法に関し、主にあかり現場で
使用する含水爆薬組成物及び発破方法に関する。なお、
ここでいう「あかり現場」とは、発破の自由面即ち被破
壊物体が外界と接している表面が広い野外の現場をいう
が、必ずしも野外の現場とは限らず、坑内においても外
界と換気が十分可能な換気設備を有する現場をもいう。
【0002】
【従来の技術】発破現場、特に坑内現場において、その
換気性の悪さのため、爆薬の爆轟による発生ガス(後ガ
ス)の良・不良は作業者の労働環境に大きく影響を与え
る。
【0003】従って、含水爆薬は、一般にどのような作
業現場においても使用可能となるように、爆轟による発
生ガス(後ガス)を考慮し、各種成分を組み合わせるこ
とにより爆薬組成物が製造されている。この場合、酸素
バランス値、即ち爆薬100g当たりに必要とされる酸
素の過不足量をグラム数で表したものが±0になるよう
に製造されている。
【0004】このように酸素バランス値が±0の場合、
理論的には爆薬の爆轟による後ガス、特に有毒ガスとい
われている一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx )
の発生は最小限に抑えられることが知られている。
【0005】また、酸素バランス値がプラスになった場
合、爆轟による後ガス中におけるNOx の割合が多くな
り、逆に、酸素バランス値がマイナスになった場合、C
Oの割合が多くなることが知られている。なお、NOx
の毒性はCOのそれの数倍に値するといわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】火薬類は一般に、爆発
反応を起こすと多量の熱とガスを発生し、外界に対して
大きな仕事をする。このような作用を仕事効果(静的効
果)という。この効果の大小は発生ガスの量の多少によ
るといっても過言ではない。
【0007】しかし現在は、爆薬組成物の酸素バランス
値を±0に設定しているため、成分単体の発生ガス量の
多いものでさえも、その酸素バランス値が悪いもの、言
い換えればプラス側又はマイナス側に大きくはずれてい
るものは爆薬組成物として使用が困難である。即ち、爆
薬組成物として配合される成分の種類や量が制限され
る。
【0008】また、たとえ爆薬組成物としての酸素バラ
ンス値を±0にしても、発破現場における爆薬の爆轟の
際に、CO、NOx の発生は必ずしも最少限に抑えられ
るとは限らない。即ち、爆薬が理想的な爆轟をしない限
りは、その発破状況、爆轟状態、岩盤の状況、発破切羽
付近の気体の状況などにより、それぞれ発生ガスの状況
は異なってくる。
【0009】さらに現在の発破現場、特に坑内現場にお
いても、発破工法の改良、換気設備の充実及び能力向上
などの目まぐるしい発達により、発破現場の作業環境は
改善され、発破によるどのような発生ガスにも対応しう
る状況にあるといっても過言ではない。
【0010】従って、このような状況においては、より
効率的な、つまり可能な限りの発破作業の減数、1発破
当たりの破砕量の増量が可能な発破形態をとることによ
り、労力、経費などの軽減を図ることができる。
【0011】よって、そのような発破を可能にする仕事
効果の大きな、しかもガス発生量の多い爆薬、すなわ
ち、水中爆発エネルギーの大きな爆薬の出現が大いに望
まれている。
【0012】この発明は上記のような従来の問題に着目
してなされたものであって、その目的は含水爆薬として
の形状維持ができて製造が容易であるとともに、水中爆
発エネルギーが高く、爆発の威力の大きい含水爆薬組成
物及び威力のある効果的な発破を行うことができる発破
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明者等は、この課
題を解決するため、いろいろな方面から鋭意検討を重ね
た結果、従来の酸素バランス値にとらわれた組成成分の
選定ではなく、酸素バランス値を特定のマイナス値にし
たほうが水中爆発エネルギーをより大きくするために効
果的であることを見出してこの発明を完成した。
【0014】すなわち、第1の発明の含水爆薬組成物
は、酸化剤成分と燃料成分とからなり、酸素バランス値
が−5〜−50であることを特徴とする。また、第2の
発明の含水爆薬組成物は、前記燃料成分として金属粉を
含み、水中爆発エネルギーが2.0〜5.0MJ/Kg
であることを特徴とする。さらに、第3の発明の発破方
法は、第1の発明の含水爆薬組成物を用い、あかり現場
において発破作業を行うことを特徴とする。
【0015】ここで含水爆薬とは、例えば一般的な産業
用爆薬であるスラリー爆薬、油中水型エマルション爆薬
等をいう。第1の発明では、含水爆薬組成物の酸素バラ
ンス値を−5〜−50に設定したことから、酸化剤成分
と燃料成分の種類や配合割合を広範囲にわたって適宜設
定することが可能である。従って、含水爆薬としての形
状維持が可能な範囲で水中爆発エネルギーを高めること
ができ、しかも毒性の高いNOx の発生を防止すること
ができる。
【0016】一般に、スラリー爆薬の組成成分は、酸化
剤、燃料、水、粘稠剤、微小中空球体又は化学発泡剤よ
りなり、また油中水型エマルション爆薬の組成成分は、
酸化剤、燃料、乳化剤、微小中空球体又は化学発泡剤よ
りなる。
【0017】含水爆薬組成物における酸素バランス値が
−50よりも小さいと、含水爆薬組成物としての形状が
維持できず、製造が困難となる。また、製造が可能な含
水爆薬組成物であっても、6号雷管での起爆性に乏し
く、爆薬本来の役割を果たさないため不適当である。
【0018】一方、含水爆薬組成物における酸素バラン
ス値が−5を越えて2までの範囲では従来の含水爆薬と
同様な水中爆発エネルギーしか得られない。さらに、含
水爆薬組成物における酸素バランス値が2を越えると、
爆薬の爆轟の際に発生する後ガス中に多くの有毒なNO
x が含有されることとなり、たとえ換気設備の優れた発
破現場といえども、作業者の健康に悪影響を与える。
【0019】さらに第2の発明の含水爆薬組成物では、
燃料成分として金属粉を加えることにより、しかも水中
爆発エネルギーが2.0〜5.0MJ/Kgの範囲内と
なるように金属粉を添加することによって、爆発の威力
を格段に高めることができる。なお、水中爆発エネルギ
ーは、水中における含水爆薬の爆発において得られるエ
ネルギーであり、具体的には水中での気泡に基づくエネ
ルギーとしてのバブルエネルギー等があげられる。
【0020】従来の爆薬組成物においては、その酸素バ
ランス値を±0に設定するため、金属粉を加えることに
おいてその添加量は限られ、高い水中爆発エネルギーは
得られず、せいぜい1.5MJ/Kg程度であった。
【0021】しかし、前述のように酸素バランス値を−
5〜−50に設定したことから、第2の発明において
は、燃料成分として金属粉を相当量加えることが可能と
なった。そのため、爆薬組成物の水中爆発エネルギーが
2.0〜5.0MJ/Kgと格段に高められる。
【0022】この発明に使用される金属粉としては、使
用する際の作業の簡便性を考慮すると、例えば、マグネ
シウム粉、アルミニウム粉、クロム粉、タングステン粉
及びその合金が好ましく、さらに製造の経済性、含水爆
薬組成物としての安定性を考慮すると、アルミニウム粉
が好ましい。その他の粉体はそのコスト及び、酸と反応
しやすいことなどに難点がある。
【0023】アルミニウム粉の形状は、粒状又は球状ア
ルミニウム(いわゆるアトマイズド・アルミ)、鱗片状
アルミニウム(いわゆるペイントグレード・アルミ)が
使用可能であるが、粒状又は球状アルミニウムが好まし
く、さらにその平均粒径が20〜100μmであるもの
がより好ましい。
【0024】鱗片状アルミニウムを使用し、その添加量
が多くなった場合、含水爆薬組成物としての水中爆薬エ
ネルギーは大きいが、薬質がバサツキ、爆薬の形状保持
が困難となる傾向がある。
【0025】それに対して、粒状又は球状アルミニウム
を用いた場合、流動性が良いため添加量を多くすること
ができ、安定した状態で水中爆薬エネルギーを高くする
ことができる。また、このアルミニウムの平均粒径が2
0μm未満のものを使用すると、含水爆薬組成物の水中
爆薬エネルギーは大きいが、製造時における粉塵問題、
金属粉以外の組成成分との混和性に問題が生じる傾向が
ある。
【0026】一方、平均粒径が100μmを越えるもの
を使用すると、製造時の粉塵問題、混和性の問題は生じ
ないが、アルミニウム粉の添加量に相当する水中爆発エ
ネルギーが得られない傾向にあり、爆薬の経済性の面か
らも好ましくない。
【0027】アルミニウム粉の添加量については特に規
定するものではないが、各種アルミニウム粉について含
水爆薬組成物における酸素バランス値が−5〜−50の
範囲で、その水中爆発エネルギーが最大になる添加量が
好ましい。また、水中爆発エネルギーが2.0〜5.0
MJ/Kgという範囲で、所望のエネルギーに応じて添
加量を変化させることができる。
【0028】また、アルミニウム粉は1種でも、又は例
えば平均粒径の異なる2種以上のものを混合して使用し
ても良い。この発明に使用するアルミニウム粉は、必要
に応じて、例えば、ステアリン酸金属塩等を表面に塗布
したものも使用される。
【0029】この発明に使用される酸化剤成分は、硝酸
アンモニウムを主成分とし、他に必要に応じ、例えば、
硝酸ナトリウム、硝酸カルシウムなどのアルカリ金属硝
酸塩類、アルカリ土類金属硝酸塩類又はアルカリ金属塩
素酸塩類、アルカリ土類金属過塩素酸塩類、過塩素酸ア
ンモニウムが混合して使用される。
【0030】この酸化剤成分の配合割合は、含水爆薬組
成物中、例えば5〜90重量%の範囲であり、さらに3
0〜75重量%の範囲であることが望ましい。この割合
が5重量%未満の場合、相対的に他の成分の含有率が増
大し、粘度が低下するため含水爆薬組成物としての形状
の維持が困難となりやすく、90重量%を越えると爆薬
としての感度が低下する傾向がある。
【0031】また、この酸化剤成分に、鋭感剤として例
えば、モノメチルアミン硝酸塩、ヒドラジン硝酸塩、エ
チレンジアミン硝酸塩等を加えることも可能である。こ
の発明に使用される燃料成分は、燃料油及びワックス類
である。燃料油とは、パラフィン系炭化水素、オレフィ
ン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水
素、飽和又は不飽和炭化水素等及びそれら炭化水素誘導
体である。ワックス類とは、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、ペトロラタム等石油質ワッ
クス、鉱物性ワックスであるモンタンワックス、その他
動物性ワックス、植物性ワックスである。これら燃料油
及びワックス類は、いずれも1種又は2種以上のものが
混合して使用される。
【0032】この発明に使用される燃料成分の配合割合
は、全組成成分に対して、例えば、0.1〜10重量%
の範囲であり、さらに0.5〜5重量%の範囲であるこ
とが望ましい。この割合が0.1重量%未満のとき、含
水爆薬としての安定性が悪くなりやすく、10重量%を
越えると同じく含水爆薬としての安定性が悪くなりやす
い上に、粘度が高くなることにより微小中空球体及び燃
料成分としての金属粉との混和が困難となりやすい。
【0033】また、この発明に通常使用される水の配合
割合は、全組成成分に対し、例えば、3〜20重量%の
範囲であることが望ましい。3重量%に満たない場合、
酸化剤の溶解が困難となりやすくなり、20重量%を越
える場合含水爆薬としての威力が低下しやすい。
【0034】この発明に使用される粘稠剤は、グアガ
ム、ビンガム、及びそれらの誘導体、又は澱粉、ポリア
クリルアミドなどの天然又は合成高分子化合物の1種又
は2種以上のものが混合して使用される。
【0035】さらに、上記粘稠剤に粘稠化を促進する目
的で架橋剤を加えることができる。架橋剤としては、例
えば、重クロム酸塩、ホウ酸塩等が使用される。この発
明に使用される粘稠剤又は粘稠剤と架橋剤の配合割合
は、全組成成分に対し、例えば、0.3〜5重量%の範
囲であることが望ましい。0.3重量%より少ないと、
ゲル化が困難になったり、ゲル化した場合でも成分が分
離しやすく、5重量%より多いと爆薬としての感度が低
下する傾向となる。
【0036】この発明においてエマルション爆薬に使用
される乳化剤は、一般に従来から使用されているものが
使用可能であり、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル
類、ソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸
エステル類、脂肪酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金
属塩、1級、2級又は3級アミン塩類等の1種又は2種
以上のものが混合して使用される。
【0037】この発明において、油中水型エマルション
爆薬組成物に使用される乳化剤の配合成分は、全組成成
分に対して、例えば、0.1〜10重量%の範囲であ
り、さらに0.5〜5重量%の範囲であることが望まし
い。
【0038】この発明に使用される微小中空球体は、例
えば、ガラス、シラス、珪砂、ケイ酸ナトリウム等から
得られる無機質系微小中空球体、石炭等から得られる炭
素質系微小中空球体、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン等から得られる合成樹脂系微小中空球体等又はその
表面が処理されたもの又はそれらの集合体である。
【0039】この微小中空球体の配合割合は、全組成成
分に対し、例えば、0.01から10重量%の範囲で使
用されることが望ましい。0.01重量%未満のとき、
爆薬としての感度が低下しやすく、10重量%を越えた
とき、組成物が体積的に大きくなってしまい、含水爆薬
組成物としての形状保持が困難となりやすい。
【0040】この発明に使用される微小気泡は、例え
ば、化学発泡剤を含有させて発泡させて得られる微小気
泡、また含水爆薬組成物の形成時又は形成後の工程で機
械的に空気又はその他のガスを吹き込んで得られる微小
気泡等である。化学発泡剤とは、例えば、アルカリ金属
ホウ素水素化物や亜硝酸ナトリウムと尿素とを組み合わ
せて得られる微小気泡、また含水爆薬組成物の形成時又
は形成後の工程で機械的に空気又はその他のガスを吹き
込んで得られる微小気泡等である。
【0041】この化学発泡剤としては、例えば、アルカ
リ金属ホウ素水素化物や亜硝酸ナトリウムと尿素とを組
み合わせて用いるもの等の無機系化学発泡剤又はN,
N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビス
イソブチロニトリル等の有機系化学発泡剤等である。
【0042】この発明に使用される微小気泡の配合割合
は、全組成成分に対し、例えば、0.001〜1重量%
の範囲であることが望ましい。0.001重量%未満の
とき、爆薬としての感度が低下しやすく、1重量%を越
えたとき、組成物が体積的に大きくなってしまい、含水
爆薬組成物としての形状保持が困難となりやすい。
【0043】第3の発明に示したように、上述した含水
爆薬組成物は、主にあかり現場にて使用する発破方法を
その用途としている。あかり現場としては、前述のよう
に必ずしも発破の自由面が広い野外の現場とは限らず、
坑内においても十分に換気が可能な換気設備を有する現
場も含まれる。具体的には、石炭等の露天堀りの現場、
建築物、橋梁の取り壊しの現場をはじめ、隧道掘進、採
石、採鉱等の現場をいう。
【0044】これらのあかり現場において、含水爆薬組
成物を用いて発破作業を行うことにより、酸素の供給が
十分に行われた状態で発破作業を行うことができること
から、含水爆薬組成物のもつ特性が発揮され、爆発威力
のある効果的な発破作業を行うことができる。
【0045】
【実施例】次に、この発明を実施例及び比較例によって
具体的に説明する。なお、各例中の部数はすべて重量基
準である。 (実施例1)表1に示す配合割合で、スラリー爆薬を次
のように調製した。すなわち、硝酸アンモニウム55
部、モノメチルアミン硝酸塩25部を水15部に加熱溶
解し、約50℃の水溶液とした。次いで、グアガム3部
を加え約2分間混合後、粘稠な溶液を得た。さらに、こ
れに架橋剤として重クロム酸ナトリウム(グアガムに対
して1%)、アルミニウム5部、ガラスマイクロバルー
ン3部を加え、約2分間均一に混合することによりスラ
リー爆薬を得た。
【0046】このスラリー爆薬を用いて、爆薬の仮比重
及び水中爆薬エネルギー測定用人工池にて、水深4mに
試料を敷設し、試料の水上1mの地点から、水平方向に
8m離れたところにマイクロホンを設置して衝撃波を測
定し、その衝撃波からバブル周期を求めバブルエネルギ
ー(MJ/Kg)を算出した。その結果を表1に示し
た。 (実施例2〜3)表1に示す配合割合で、実施例1に準
じてスラリー爆薬を製造し、爆薬の仮比重及びバブルエ
ネルギーを測定した。その結果を表1に示した。 (比較例1〜3)表2に示す配合割合で、実施例1に準
じてスラリー爆薬を製造し、爆薬の仮比重及びバブルエ
ネルギーを測定した。その結果を表2に示した。 (実施例4)表1に示す配合割合で、油中水型エマルシ
ョン爆薬を次のように調製した。即ち、硝酸アンモニウ
ム65.3部、ヒドラジン硝酸塩18部を水11部で加
熱溶解した約85℃の水溶液とした。これを、ソルビタ
ンモノオレート1.5部とマイクロクリスタリンワック
ス3.5部を約85℃で加熱溶融した混合物に、約16
00rpmで2分間撹拌しながら加え、油中水型エマル
ションを得た。これに樹脂バルーン1部を加え、約1分
間均一に混和することにより油中水型エマルション爆薬
を得た。
【0047】この油中水型エマルション爆薬を用いて、
爆薬の仮比重及び水中爆発エネルギー測定用人工池に
て、水深4mに試料を敷設し、試料の水上1mの地点か
ら、水平方向に8m離れたところにマイクロホンを設置
して衝撃波を測定し、その衝撃波からバブル周期を求め
バブルエネルギーを算出した。その結果を表1に示し
た。 (実施例5〜8)表1に示す配合割合で、実施例4に準
じて油中水型エマルション爆薬を製造した。なお、アル
ミニウムは微小中空球体と同時に加えて混和した。その
油中水型エマルション爆薬を用いて、爆薬の仮比重及び
バブルエネルギーを測定した。その結果を表1に示し
た。 (比較例4,5)表2に示す配合割合で、実施例4に準
じて油中水型エマルション爆薬を製造した。なお、アル
ミニウムは微小中空球体と同時に加えて混和した。その
油中水型エマルション爆薬を用いて、爆薬の仮比重及び
バブルエネルギーを測定した。その結果を表2に示し
た。なお、後記表1、表2における記号は次の意味を示
す。
【0048】 アルミニウム 粒状A ;平均粒径25μm アルミニウム 粒状B ;平均粒径40μm アルミニウム 粒状C ;平均粒径90μm アルミニウム 粒状D ;平均粒径120μm ガラスマイクロバルーン;平均粒径80μm、粒子密度
200g/1 樹脂バルーン 1 ;平均粒径90μm、粒子密度
20g/1 樹脂バルーン 2 ;平均粒径450μm、粒子密
度36g/1
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】なお、表2中比較例5は爆薬としての形状
を維持できなかった例である。表1及び表2に示したよ
うに、実施例1と比較例1を比較すると、実施例1のよ
うに酸素バランス値を−5.0にすることにより、比較
例1のバブルエネルギー1.5MJ/kgが4割増の
2.1MJ/Kgにまで上昇することがわかる。
【0052】実施例2と比較例2を比較すると、実施例
2のようにアルミニウムを増量し、酸素バランス値を約
−10にすると、バブルエネルギーが倍増することがわ
かる。
【0053】実施例3と比較例3を比較すると、アルミ
ニウムの量が同量であっても、酸素バランス値を−5以
下にしないと、バブルエネルギーは2.0MJ/Kgを
越えないことがわかる。
【0054】実施例4と比較例4を比較すると、酸素バ
ランス値を−5以下にしないと、バブルエネルギーは
2.0MJ/Kgを越えない。実施例5と実施例6を比
較すると、アルミニウムの量、酸素バランス値が−9.
3で同じ値であっても、アルミニウム粉の粒径が100
μmを越える場合(実施例6)、バブルエネルギーの上
昇は少ない。
【0055】実施例7、8により、酸素バランス値を−
27.6から−45.3まで変化させることにより、バ
ブルエネルギーを3.8から5.0MJ/Kgまで変え
ることができる。
【0056】比較例5により、酸素バランス値が−50
より小さいものは含水爆薬組成物としての形状維持が困
難である。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明によれ
ば、酸素バランス値を−5〜−50に設定したことか
ら、含水爆薬としての形状維持ができて製造が容易にな
るとともに、水中爆発エネルギーを高めることができ、
爆発の威力を向上させることができるという優れた効果
を奏する。
【0058】また、第2の発明によれば、燃料成分とし
て金属粉を用い、かつ水中爆発エネルギーを所定範囲に
設定したことから、爆発の威力を格段に高めることがで
きるという効果が得られる。さらに、第3の発明によれ
ば、含水爆薬組成物を用い、あかり現場において発破作
業を行うことにより、威力のある効果的な発破を行うこ
とができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 孝一 愛知県知多郡阿久比町大字福住字石亀坂1 の12 (72)発明者 加藤 幸夫 愛知県知多郡武豊町字西門8

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤成分と燃料成分とからなり、酸素
    バランス値が−5〜−50であることを特徴とする含水
    爆薬組成物。
  2. 【請求項2】 前記燃料成分として金属粉を含み、水中
    爆発エネルギーが2.0〜5.0MJ/Kgであること
    を特徴とする請求項1に記載の含水爆薬組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の含水爆薬組成物を用
    い、あかり現場において発破作業を行うことを特徴とす
    る発破方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4822587A (en) * 1986-05-02 1989-04-18 Toa Nenryo Kogyo Kabushiki Kaisha High modulus pitch-based carbon fiber and method for preparing same
JP2000178093A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Nippon Koki Co Ltd 油中水滴型エマルション爆薬組成物
KR100713126B1 (ko) * 2007-02-05 2007-05-02 주식회사 스웰테크 폭약과 금속혼합 조성물을 이용한 발파공법

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