JP2003136300A - プレス機械のスライド調節装置 - Google Patents

プレス機械のスライド調節装置

Info

Publication number
JP2003136300A
JP2003136300A JP2001340201A JP2001340201A JP2003136300A JP 2003136300 A JP2003136300 A JP 2003136300A JP 2001340201 A JP2001340201 A JP 2001340201A JP 2001340201 A JP2001340201 A JP 2001340201A JP 2003136300 A JP2003136300 A JP 2003136300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
piston
slide
nuts
cylinder chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001340201A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Koshiji
聡 越地
Hideaki Bando
英明 板東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aida Engineering Ltd
Original Assignee
Aida Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aida Engineering Ltd filed Critical Aida Engineering Ltd
Priority to JP2001340201A priority Critical patent/JP2003136300A/ja
Publication of JP2003136300A publication Critical patent/JP2003136300A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/0029Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing means for adjusting the space between the press slide and the press table, i.e. the shut height
    • B30B15/0035Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing means for adjusting the space between the press slide and the press table, i.e. the shut height using an adjustable connection between the press drive means and the press slide

Abstract

(57)【要約】 【課題】下死点精度を向上させ、かつ、製作にかかるコ
ストを低減させたプレス機械のスライド調節装置を提供
することにある。 【解決手段】アジャストスクリュー4のねじ部4aに螺
合し、上下に分割され、その上下がピンにより連結され
るナット7,8と、前記上下に分割されたナットのうち
上側のナット7を上方より押圧する油圧加圧手段と、前
記油圧加圧手段の押圧に抗して前記ナットのうち下側の
ナット8を支持可能に形成される下ナット支持手段であ
るオーバーロードプロテクタ機構のリテーナ33と、前
記ナットのうち下側のナット8とキー9を介して連結す
るウォームホイール12と、前記ウォームホイール12
の外周に形成される中間ブロック12に回転自在に支持
されるとともに、前記ウォームホイール10の外周と螺
合するウォームシャフト11と、で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス機械のスラ
イドの位置を調節可能に形成されるスライド調節装置に
関する。さらに詳細には、ねじ機構にて構成されるスラ
イド調節装置の前記ねじ機構部分のガタ(バックラッ
シ)を除去する機構を具備するスライド調節装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プレス機械のスライドの位置、すなわち
スライドの下面とボルスタの上面との距離を調節するス
ライド調節装置として、従来よりスライドポイント部に
設けられるものが提供されている。このスライド調節装
置には、下部にねじ部を有するプランジャと、プランジ
ャのねじ部に螺合するナットと、このナットにキーを介
して連結されるウォームホイールと、ウォームホイール
に螺合するウォームシャフトと、を主な構成要素として
いるものがある。
【0003】プランジャのねじ部と、これに螺合するナ
ットにはガタ(バックラッシ)が存在する。このガタは
プレス運転中において、スライドがプレス荷重を受ける
前と後で移動する。すなわちプレス加工時において金型
(上型)が材料に接触した時点で金型(上型)が上方に
このガタの分移動する。よって、この現象はスライドの
下死点精度に悪影響を及ぼし、プレス加工、特にコイニ
ング,絞り加工,曲げ加工等においては、製品不良の原
因となる。さらに打抜き加工においては、いわゆるブレ
ークスルー現象により騒音・振動の発生の原因ともな
る。これらの問題を解決すべく、このガタ(バックラッ
シ)を除去する機構を具備したスライド調節装置が特開
平8−174297号公報に開示されている。
【0004】特開平8−174297号公報に開示され
るスライド調節装置によると、プランジャのねじ部に螺
合するナットは上下に分割される(以下「上ナット」,
「下ナット」という。)とともに、上下のナットはピン
により連結される。そして、上ナットの上方にはシリン
ダブロックが形成される。シリンダブロック内にはリン
グ状で矩形断面を有するピストンが設けられる。このピ
ストンの上面及びシリンダブロックとにより形成される
第一シリンダには油圧加圧手段が接続され、油圧が掛け
られる。油圧が掛けられると、このピストンの下面は上
ナットの上面に当接する。
【0005】一方、下ナットの下方にもピストンが設け
られる。下ナットの下面とこのピストンの上面は当接し
ている。また、下ナット下部外周(下側のピストン上面
円縁部)には押圧リングが設けられ、ピストンの上下方
向の動作が規制される。そして、このピストンに対応し
て設けられるシリンダとにより第二シリンダが形成され
る。この第二シリンダにも油圧加圧手段が接続され油圧
が掛けられる。油圧が掛けられると、ピストンの上面は
押圧リングの下面に当接するとともに、下ナットの下面
とも当接する。また、第二シリンダに接続する加圧手段
にはオーバーロードプロテクタ弁が接続されており、プ
レス加工による過負荷が検出される構成とされている。
【0006】尚、上下のナットの外周にはウォームホイ
ールが形成され、ウォームホイールにはウォームシャフ
トが螺合される等のスライド調節に係る機構は前述と同
様である。
【0007】このような構成のスライド調節装置は、通
常状態では下側の第二シリンダに高圧の油圧が掛けられ
ている。一方上側の第一シリンダは、スライド調節操作
の完了後、低圧で油圧が掛けられる。すると、上側のピ
ストンにより上ナットは押下される。ここで、下側のナ
ットは下側のピストンにより支持されている。よって、
上下のナットは、その分割面が圧接される方向に力を受
け、上下のナットとプランジャのねじ部に生じているガ
タ(バックラッシ)が除去されることとなる。
【0008】また、プレス加工中にスライドが過負荷を
受けると、第二シリンダの空間が消滅し、第二シリンダ
内に充填される圧油が放出され、これを検知することに
よりプレス機械を急停止させることができる。このと
き、スライド,シリンダブロック,ウォームホイール及
びウォームシャフトが、第二シリンダのストローク分だ
け上方に移動することとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−17429
7号公報の図1,図2に開示されるスライド調節装置に
おいて、第一シリンダの構造は、上側のシリンダブロッ
ク下面にリング状に溝加工が施され、そこにピストンが
嵌合する形状となっている。このようなシリンダブロッ
クの下面のリング状の溝加工は、ピストンが嵌合するの
で高精度な真円度をもって加工する必要があるが、実際
にこのような加工は難しい。さらに組み付け時、溝加工
部分を下側にしてピストンをはめ込むという作業は、困
難を極める。
【0010】また、特開平8−174297号公報の図
1,図2に開示されるスライド調節装置において当該プ
レス機械のユーザーの仕様等によりスライド調節長さが
長くなった場合、下側のナット及び押圧リングの軸方向
長さを長くすることになる。押圧リングはその部材の機
能から、外周にねじ加工がされていると考えられる。す
なわち、下側のナット及び押圧リングの軸方向長さを長
くするということは、ねじ加工部分も長くなり、加工が
容易ではなくなる。
【0011】本発明の目的は、スライド調節長さの変更
(仕様の変更)に容易に対応可能で、製造に掛かるコス
トを低減することのできる高精度を実現させるスライド
調節装置を提供することに有る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上部
はコンロッドの小端部と連結し、下部はスライドと連結
するスライドポイント部に設けられるアジャストスクリ
ューと、前記アジャストスクリューのねじ部に螺合し、
上下に分割され、その上下がピンにより連結されるナッ
トと、前記上下に分割されたナットのうち上側のナット
を上方より押圧する油圧加圧手段と、前記油圧加圧手段
の押圧に抗して前記ナットのうち下側のナットを支持可
能に形成される下ナット支持手段と、前記ナットのうち
下側のナットとキーを介して連結するウォームホイール
と、前記ウォームホイールの外周に形成される中間ブロ
ックに回転自在に支持されるとともに、前記ウォームホ
イールの外周と螺合するウォームシャフトと、を有する
プレス機械のスライド調節装置において、前記ナットの
うち上側のナットは断面L字形に形成され、前記油圧加
圧手段は、前記上側のナットの外周段部の垂直面に摺動
自在に嵌合する断面L字形の第一ピストンと、前記中間
ブロックの上面に固設され、前記第一ピストンの外周段
部とともに第一シリンダ室を形成する第一シリンダブロ
ックと、前記第一シリンダ室に接続し、前記第一シリン
ダ室に圧油を流入・排出可能に形成される第一油圧回路
と、を有することを特徴とするプレス機械のスライド調
節装置である。
【0013】請求項1記載の発明では、コンロッドの小
端部がスライドのポイント部に設けられるアジャストス
クリュウの上部と連結する。ここで通常コンロッドは、
その大端部をプレス機械の駆動機構に連結されるもので
ある。そして、アジャストスクリュウにはねじ部が設け
られ、このねじ部はナットと螺合し、ナットはウォーム
ホイールとキーを介して連結される。そして、ウォーム
ホイールの外周は、回転自在に支持されるウォームシャ
フトと螺合する。すなわち、ウォームシャフトの回転に
よりウォームホイールが回転し、キーを介してナットが
回転する。すると、アジャストスクリュウのねじ部に対
してナットが昇降することができるので、スライド下面
とボルスタ上面との距離の調節、すなわちスライド調節
をすることができる。
【0014】ここで、アジャストスクリュウのねじ部に
螺合するナットは上下に分割されている。そして、上下
に分割されたナット(以下「上ナット」,「下ナット」
という。)はピンにより連結される。よって、スライド
調節時においては、上下に分割されたナットは共に回転
することとなる。尚、上ナットは断面L字形に形成され
る。
【0015】さらに、上ナットは上方から油圧加圧手段
により押圧される。これに対して下ナットは、下ナット
支持手段により油圧加圧手段による押圧に抗して支持さ
れる。すなわち、油圧加圧手段による上ナットの押圧に
より、上下のナットの分割面は圧接される。すると、上
下のナットとプランジャのねじ部に生じているガタ(バ
ックラッシ)が除去されることとなる。このガタ(バッ
クラッシ)が除去されることにより、プレス加工製品精
度の向上,騒音・振動の抑制等の効果が得られる。
【0016】ここで、油圧加圧手段において、第一シリ
ンダ室は、断面L字形の第一ピストンの外周段部と、ウ
ォームシャフトを支持する中間ブロック上面に固設され
る第一シリンダブロックとで形成される。そして、この
第一シリンダ室に圧油を流入・排出可能に形成される第
一油圧回路が接続される。一方、第一ピストンは、断面
L字形の上ナットの垂直面に摺動自在に嵌合する。換言
すると、第一ピストンの下面と上ナットの段部上面は当
接可能に形成される。よって、油圧加圧手段は上ナット
を押圧することができる。尚、スライド調節時は第一シ
リンダに流入している圧油を排出して、上下ナットの締
め付けを解除する。
【0017】第一ピストンは、断面L字形でリング状に
形成されているので、容易に製作することができる。さ
らに、第一シリンダ室は第一ピストンの外周段部を第一
シリンダブロックで密閉することで形成される。すなわ
ち、第一シリンダブロック下面には従来技術のように第
一ピストンが嵌合するリング状の溝加工を施す必要がな
く、パッキンが嵌められる溝を加工する程度でよいの
で、第一シリンダブロックの製作が容易になる。ゆえ
に、請求項1による発明によると、プレス機械のスライ
ド調節装置の製造に掛かるコストを格段に低減させるこ
とができる。
【0018】請求項2記載の発明は、前記下ナット支持
手段はオーバーロードプロテクタ機構であり、前記オー
バーロードプロテクタ機構は、前記中間ブロックの下方
にスライドに固設されて形成する第二シリンダと、これ
に対応して設けられる第二ピストンと、前記第二シリン
ダと前記第二ピストンとで形成される第二シリンダ室
と、前記第二ピストンの上面円縁付近にリング状に形成
され、当該部分、すなわちメタルシール部をメタルシー
リングするシールリングと、前記シールリングの上面に
形成され、前記シールリングを押圧する押圧リングと、
前記シールリング及び押圧リングの内側に形成され、下
面を前記第二ピストン上面に固設し、上面は前記下側の
ナットの下面にナットが回転可能な程度に接するリテー
ナと、前記シールリング及び前記押圧リングの内周と前
記リテーナの外周間に存在する隙間と、前記第二シリン
ダ室に圧油を流入・排出可能に形成されると共に、前記
第二シリンダ室の油圧を検出することにより過負荷を検
出可能に形成される過負荷検出油圧回路と、を有し、前
記メタルシール部は前記第二シリンダ室が過負荷を受け
ると破断するようにシール圧が設定されることを特徴と
する請求項1記載のプレス機械のスライド調節装置であ
る。
【0019】請求項2記載の発明では、下ナットを支持
する下ナット支持手段は、オーバーロードプロテクタ機
構を構成する。すなわち、中間ブロックの下方に設けら
れる第二シリンダブロックに第二ピストンが嵌合して第
二シリンダ室を形成する。第二シリンダ室には圧油を流
入・排出可能に形成されるとともに過負荷を検出可能に
形成される過負荷検出油圧回路が接続される。そして、
第二ピストン上面と下ナット下面の間にリテーナが設け
られる。このリテーナ上面と下ナット下面とは、(下)
ナットが回転可能な程度に接している。すなわち、前記
上ナットが油圧加圧手段により押圧されると、下ナット
はリテーナを介して第二シリンダ室に掛けられた油圧に
より支持されることとなり、上下のナットが締め付けら
れる。
【0020】ここで、下ナットの下面を第二ピストン上
面に直接接触させず、リテーナを介した。よって、例え
ばユーザーの要求によりスライド調節長さが標準的仕様
から変更され、アジャストスクリュウのねじ部の長さが
長くなった場合でも、(下)ナットの長さを変更する必
要はなく、リテーナの長さを変更すればよい。ここで、
従来技術では、ナットを軸長に加工する必要がある。し
かし、ナットのようにねじ部を有する部材を軸長に加工
するには手間が掛かる上に、ねじ部が長くなる場合は特
に加工が難しい。これに比べてリテーナは高度な加工を
する必要がなく、容易に製作することができる。ゆえ
に、請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明
に加えて、仕様変更にも容易に、かつ、製造に掛かるコ
ストを増加させることなく対応できるスライド調節装置
を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第一実施例を図1及び図
2に示す。図1は昇降自在に設けられるプレス機械のス
ライド1の断面図であり、図2(A),(B)は夫々図
1の2点鎖線円で囲まれるP部,Q部の詳細図である。
【0022】スライド1のポイント部2には、スライド
1の下面とボルスタ上面(図示せず)との距離を調節す
るスライド調節装置3が設けられる。スライド調節装置
3に設けられるアジャストスクリュウ4の上部はコンロ
ッド5の小端部とピン6により連結される。ここで、コ
ンロッド5の大端部はプレス機械の駆動機構(図示せ
ず)と連結され、スライド1は上下に昇降運動される。
【0023】アジャストスクリュウ4の下部にはねじ部
4aが設けられる。ねじ部4aの外周には上下に分割さ
れたナット(上ナット7,下ナット8)が形成され、ね
じ部4aと螺合している。上ナット7は断面L字形に形
成されている。また、上ナット7と下ナット8とは、ピ
ン15により連結されている。ピン15は上下のナット
7,8間に内設される。そして、下ナット8にはキー9
が固設され、このキー9を介してウォームホイール10
が連結される。ウォームホイール10の外周は、ウォー
ムシャフト11と螺合する。ウォームシャフト11は中
間ブロック12に回転自在に支持される。ウォームシャ
フト11の端部には、図示しないプーリが設けられ、ベ
ルトを介してモータに連結されている。
【0024】尚、中間ブロック12は、図示しないボル
ト等によりスライド1に固設する第二シリンダ13の上
面に設けられる。さらに中間ブロック12の上面には第
一シリンダブロック14が設けられる。第一シリンダブ
ロック14,中間ブロック12,第二シリンダブロック
13はスタッドボルト43により一括して連結固定され
る。一方、第一シリンダブロック14上方の筒部14a
の内周は、アジャストスクリュウ4の上部である頭部4
b外周と適度の隙間をもっている。
【0025】断面L字形に形成される上ナット7の外周
と第一シリンダブロック14間には、第一ピストン16
が設けられている[図2(A)]。第一ピストン16は
断面L字形でリング状に形成される。第一ピストン16
の内周面16aは、上ナット7の外周段部の垂直面7a
と摺動自在に嵌合している。また、第一ピストン16の
下面16bと上ナット7の段部上面7bは当接可能に形
成される。そして、第一ピストン16の外周段部16c
と第一シリンダブロック14とで第一シリンダ室17が
形成される。尚、第一シリンダブロック14には第一シ
リンダ室17を密閉するようにパッキン18が2箇所に
設けられている。
【0026】一方、第一ピストン16の上面には規制部
材25が設けられる。第一ピストン16は、通常は上ナ
ット7の段部上面7bにより下方の動作が規制される。
しかし、プレス加工による過負荷発生時にオーバーロー
ドプロテクタ機構(後述)が機能した場合、第一シリン
ダブロック14は上方に移動する。このとき規制部材2
5は、その下面を第一シリンダブロック14に設けられ
る突設部14bの上面と当接することにより、第一ピス
トン16の下方への移動を規制することができる。
【0027】また、第一シリンダブロック14には油路
19が設けられ第一シリンダ室17と接続する。油路1
9は外部から第一油圧回路20が接続される(図1)。
第一油圧回路20は、油タンク21’からポンプ21に
より吐出油を電磁弁22を切換えて第一シリンダ室17
に流入・排出可能に形成される。第一シリンダ室17内
の油圧はリリーフ弁23により調整されるとともに、プ
レッシャースイッチ24により電気的に検出される。
【0028】次に、中間ブロック12の下方に設けられ
るオーバーロードプロテクタ機構について説明する。中
間ブロック12の下方には、図示しないボルト等により
スライド1に固設する第二シリンダ13が設けられる。
第二シリンダ13には、これに対応して第二ピストン2
6が設けられる。第二シリンダ13内周と第二ピストン
26外周とは、若干の隙間を有する。さらに、第二ピス
トン26の上面円縁付近には、リング状に形成されるシ
ールリング30が設けられる[図2(B)]。また、シ
ールリング30の外周にはパッキン31が設けられる。
さらに、シールリング30の上面には押圧リング32が
設けられる。押圧リング32は外周にねじ溝が施されて
おり、第二シリンダブロック13と螺合し、固設するこ
とで、シールリング30を押圧する。
【0029】ここで、シールリング30の下面と第二ピ
ストン26の上面円縁付近は、メタルシーリングにより
シールされている(メタルシール部28)。このメタル
シーリング(メタルシール部28)は、スライド1の下
面からプレス加工による過負荷を受けて第二シリンダ2
7室内に充填される圧油が一定圧以上になると破断(連
通)するように、シール圧が調整されている。
【0030】また、押圧リング32及びシールリング3
0の内側にはリテーナ33が設けられる(図1)。リテ
ーナ33の下面は第二ピストン26の上面と接してボル
ト34で固設されている。リテーナ33の上面は下ナッ
ト8の下面と接しているが、下ナット8(の下面)はリ
テーナ33(の上面)を摺動可能である。さらに、リテ
ーナ33の外周と押圧リング32及びシールリング30
間は、隙間29を有する[図2(B)]。この隙間29
は、押圧リング32上面,リテーナ33外周及び第二シ
リンダブロック13内周とで形成される油室29’へと
連通している。尚、隙間29は、リテーナ33外周に垂
直に施される溝等で形成することもできる。
【0031】また、第二シリンダ室27には油路35
(36)が接続される(図1)。油路35(36)は油
路37と接続し、油路37は外部の過負荷検出油圧回路
38が接続される。過負荷検出油圧回路38には油圧ポ
ンプ39が設けられ、油タンク39’からの圧油が吐出
される。そして、圧油がチェックバルブ40,油路3
7,35(36)を介して第二シリンダ室27に流入可
能に形成される。圧油はリリーフ弁41により一定圧に
調整される。さらに、過負荷検出油圧回路38には第二
シリンダ室27の油圧を電気的に検出可能な圧力検出器
42が設けられている。一方、前述の油室29’には、
油路29’aが設けられる。ただし、この油路29’a
は、油路37(過負荷検出油圧回路38)とは別系統で
ある。そして、図示しない油戻し回路により、油路2
9’aは、油タンク39’と接続される。
【0032】通常のプレス運転中は第二シリンダ室27
に圧油を流入させ、一定の油圧が掛けられている。プレ
ス加工はコンロッド5の押下力がピン6,アジャストス
クリュウ4等を介して第二シリンダ室27に伝達され
て、行われる。つまり、プレス加工の反力はスライド1
の下面を介して第二シリンダ室27の油圧で受けること
になる。ここで、スライド1が過負荷を受けると、第二
シリンダブロック13(スライド1)が上方に力を受
け、第二シリンダ室27内の油圧が上昇し、メタルシー
ル部28が破断(連通)する。すると、第二シリンダ室
27は消滅し、これにより過負荷が吸収される。第二シ
リンダ室27に充填されていた圧油は、破断(連通)し
たメタルシール部28から隙間29を介して油室29’
に流入し、油路29’aから図示しない油戻し回路を介
して油タンク39’に戻される。また、このときの油圧
の上昇を圧力検出器42で電気的に検出することができ
るので、プレス機械は即座に停止される。よって、プレ
ス加工の不具合等により過負荷が発生した場合において
も、プレス機械の損傷等を回避することができる。
【0033】一方、過負荷を受け第二シリンダ室27が
消滅したとき、スライド1,第二シリンダブロック1
3,中間ブロック12,第一シリンダブロック14,ウ
ォームシャフト11及びウォームホイール10は上方に
移動する。さらに第一ピストン16も、前述の規制部材
25と第一シリンダブロック14の突設部14aの作用
により上方に移動する。
【0034】また、本実施例におけるスライド調節装置
3によるスライド調節操作は、図示しないモータの動力
によりウォームシャフト11を回転させ、ウォームホイ
ール10を回転させる。するとキー9を介して下ナット
8及び上ナット7が回転する。すると、アジャストスク
リュー4(ねじ部4a)に対して上下のナット7,8は
昇降する。これにより、スライド調節が行われる。
【0035】またスライド調節操作後、上下のナット
7,8のロック操作を行い、上下のナット7,8とねじ
部4aとの螺合部に存在するガタ(バックラッシ)を解
消させる。本ロック操作は、まず、第一油圧回路20に
より第一シリンダ室17に圧油を流入させる。すると、
第一ピストン16は下方に移動し、下面16bが外周段
部16cに当接し、上ナット7を押圧する。ここで、第
二シリンダ室27には圧油が充填されているので、下ナ
ットはリテーナ33により支持される状態となる。ゆえ
に、上下のナットの分割面は互いに圧接される方向に力
を受け、上下のナットとねじ部4aのガタ(バックラッ
シ)が消滅する。換言すれば、上下のナット7,8が強
固に固定される。ここで、上下のナットの分割面の隙間
は、上下のナットとねじ部4aのガタ(バックラッシ)
よりも若干大きく設定してある。
【0036】このようにして上下のナットとねじ部4a
のガタ(バックラッシ)を消滅させることにより、プレ
ス加工の精度を向上させ、ひいては騒音・振動も抑制す
ることができる。さらに、第一ピストン16が断面L字
形に形成されるので、当該部材の製作には難点がない。
そのうえさらに、第一シリンダブロック14の製作は、
第一シリンダ室17やパッキン18用の溝の加工を要す
るが、その加工に特に難点はない。
【0037】ここで、第一油圧回路20及び過負荷検出
油圧回路38は、その機能を満足する構成であればよ
く、本実施例で示す構成以外の構成でも可能である。さ
らに、本実施例においては、下ナット8はリテーナ3
3、すなわち第二シリンダ室27の圧油により支持され
るが、本実施例で示すこれらのオーバーロードプロテク
タ機構がなくても、下ナット8を支持する機構(部材)
が存在すれば、他の構成によってもよい。
【0038】次に、図3に本発明の第二実施例を示す。
本実施例は、第一実施例に対してスライド調節長さを長
くした場合のスライド調節装置である。尚、第一実施例
で示した第一油圧回路38及び過負荷検出油圧回路38
は図示省略した。また、第一実施例と同様の部材につい
ては、説明を簡略化又は省略し、同じ符号を付す。
【0039】本実施例の作用は第一実施例と同じであ
る。ここで注目すべきは、スライド調節長さが変更にな
った場合においても、部材の変更は第二シリンダブロッ
ク13’,シールリング30’,リテーナ33’のみで
済む。しかも、これらの部材は加工・製作が容易な形状
を呈しているので、非常に経済的にこのような仕様の変
更に対応することができる。さらにまた、これらの部材
を水平方向で分割形状にしておけば、単純な円筒部材の
追加でスライド調節長さの変更に対応することもができ
る。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、アジャス
トスクリュウに螺合する上下に分割されたナットの分割
面を互いに圧接させて、アジャストスクリュウのねじ部
と上下のナットに存在するガタ(バックラッシ)を消滅
させることができる。さらに、第一ピストンの形状を断
面L字形に形成されるので、その相手方の第一シリンダ
ブロックの下面に、加工の難しいピストンを嵌めるリン
グ状の溝加工を施す必要がなく、部材の製造を容易にす
ることができる。ゆえに、製造に掛かるコストを低減し
たスライド調節装置を提供することができる。
【0041】請求項2記載の発明によると、スライド調
節装置の仕様の変更、すなわち、スライド調節長さの変
更に容易に対応することができる。ゆえに、請求項1記
載の発明による効果に加えて、部品の共通化を促進する
ことができ、多種多様なユーザーニーズに即座に対応す
ることのできるスライド調節装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例におけるスライドポイント部の縦断
面図
【図2】(A)は図1のP部詳細図,(B)は図1のQ
部詳細図
【図3】第二実施例におけるスライドポイント部の縦断
面図
【符号の説明】
1…スライド,2…ポイント部,3…スライド調節装
置,4…アジャストスクリュウ,4a…ねじ部,5…コ
ンロッド,6…ピン,7…上ナット,7a…垂直面,7
b…段部上面,8…下ナット,9…キー,10…ウォー
ムホイール,11…ウォームシャフト,12…中間ブロ
ック,13…第二シリンダブロック,14…第一シリン
ダブロック,14a…筒部,15…ピン,16…第一ピ
ストン,16a…内周面,16b…下面,16c…外周
段部,17…第一シリンダ室,18…パッキン,19…
油路,20…第一油圧回路,21…ポンプ,21’…油
タンク,22…電磁弁,23…リリーフ弁,24…プレ
ッシャースイッチ,25…規制部材,26…第二ピスト
ン,27…第二シリンダ室,28…メタルシール部,2
9…隙間,29’…油室,29’a…油路,30…シー
ルリング,31…パッキン,32…押圧リング,33…
リテーナ,34…ボルト,35,36,37…油路,3
8…過負荷検出油圧回路,39…油圧ポンプ,39’…
油タンク,40…チェックバルブ,41…リリーフ弁,
42…圧力検出器,43…スタッドボルト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部はコンロッド(5)の小端部と連結
    し、下部はスライド(1)と連結するスライドのポイン
    ト部(2)に設けられるアジャストスクリュー(4)
    と、前記アジャストスクリュー(4)のねじ部(4a)
    に螺合し、上下に分割され、その上下がピン(15)に
    より連結されるナット(7,8)と、前記上下に分割さ
    れたナットのうち上側のナット(7)を上方より押圧す
    る油圧加圧手段と、前記油圧加圧手段の押圧に抗して前
    記ナットのうち下側のナット(8)を支持可能に形成さ
    れる下ナット支持手段と、前記ナットのうち下側のナッ
    ト(8)とキー(9)を介して連結するウォームホイー
    ル(10)と、前記ウォームホイール(10)の外周に
    形成される中間ブロック(12)に回転自在に支持され
    るとともに、前記ウォームホイール(10)の外周と螺
    合するウォームシャフト(11)と、を有するプレス機
    械のスライド調節装置において、 前記ナットのうち上側のナット(7)は断面L字形に形
    成され、 前記油圧加圧手段は、その内周面(16a)が前記上側
    のナット(7)の外周段部の垂直面(7a)に摺動自在
    に嵌合する断面L字形の第一ピストン(16)と、前記
    中間ブロック(12)の上面に固設され、前記第一ピス
    トン(16)の外周段部(16c)とともに第一シリン
    ダ室(17)を形成する第一シリンダブロック(14)
    と、前記第一シリンダ室(17)に接続し、前記第一シ
    リンダ室(17)に圧油を流入・排出可能に形成される
    第一油圧回路(20)と、を有することを特徴とするプ
    レス機械のスライド調節装置。
  2. 【請求項2】前記下ナット支持手段はオーバーロードプ
    ロテクタ機構であり、前記オーバーロードプロテクタ機
    構は、前記中間ブロック(12)の下方にスライド
    (1)に固設されて形成する第二シリンダブロック(1
    3)と、これに対応して設けられる第二ピストン(2
    6)と、前記第二シリンダブロック(13)と前記第二
    ピストン(26)とで形成される第二シリンダ室(2
    7)と、前記第二ピストン(26)の上面円縁付近にリ
    ング状に形成され、当該部分、すなわちメタルシール部
    (28)をメタルシーリングするシールリング(30)
    と、前記シールリング(30)の上面に形成され、前記
    シールリング(30)を押圧する押圧リング(32)
    と、前記シールリング(30)及び押圧リング(32)
    の内側に形成され、下面を前記第二ピストン(26)上
    面に固設し、上面は前記下側のナット(8)の下面にナ
    ットが回転可能な程度に接するリテーナ(33)と、前
    記シールリング(30)及び前記押圧リング(32)の
    内周と前記リテーナ(33)の外周間に存在する隙間
    (29)と、前記第二シリンダ室(27)に圧油を流入
    ・排出可能に形成されると共に、前記第二シリンダ室
    (27)の油圧を検出することにより過負荷を検出可能
    に形成される過負荷検出油圧回路(38)と、を有し、
    前記メタルシール部(38)は前記第二シリンダ室(2
    7)が過負荷を受けると破断するようにシール圧が設定
    されることを特徴とする請求項1記載のプレス機械のス
    ライド調節装置。
JP2001340201A 2001-11-06 2001-11-06 プレス機械のスライド調節装置 Pending JP2003136300A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340201A JP2003136300A (ja) 2001-11-06 2001-11-06 プレス機械のスライド調節装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340201A JP2003136300A (ja) 2001-11-06 2001-11-06 プレス機械のスライド調節装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003136300A true JP2003136300A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19154440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001340201A Pending JP2003136300A (ja) 2001-11-06 2001-11-06 プレス機械のスライド調節装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003136300A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010207893A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Fuji-Steel Industry Co Ltd プレス機
JP2013052404A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Aida Engineering Ltd スライド駆動装置
CN105835392A (zh) * 2016-06-22 2016-08-10 扬州市工兵机械有限公司 一种行程调节内置式精密快速压力机及其油缸和使用方法
CN106217927A (zh) * 2016-09-19 2016-12-14 南通市腾达锻压机床厂 一种电机压轴液压机上梁移动装置
CN106696328A (zh) * 2017-01-16 2017-05-24 爱克(苏州)机械有限公司 一种双伺服数控转塔冲床的主传动
CN109550825A (zh) * 2019-01-25 2019-04-02 安徽远都机床股份有限公司 一种闭式单点压力机的滑块机构
CN114474837A (zh) * 2021-12-30 2022-05-13 东风锻造有限公司 一种热模锻压力机载荷监控装置及其监控方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010207893A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Fuji-Steel Industry Co Ltd プレス機
JP2013052404A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Aida Engineering Ltd スライド駆動装置
CN105835392A (zh) * 2016-06-22 2016-08-10 扬州市工兵机械有限公司 一种行程调节内置式精密快速压力机及其油缸和使用方法
CN105835392B (zh) * 2016-06-22 2017-10-13 扬州市工兵机械有限公司 一种行程调节内置式精密快速压力机及其油缸和使用方法
CN106217927A (zh) * 2016-09-19 2016-12-14 南通市腾达锻压机床厂 一种电机压轴液压机上梁移动装置
CN106696328A (zh) * 2017-01-16 2017-05-24 爱克(苏州)机械有限公司 一种双伺服数控转塔冲床的主传动
CN109550825A (zh) * 2019-01-25 2019-04-02 安徽远都机床股份有限公司 一种闭式单点压力机的滑块机构
CN114474837A (zh) * 2021-12-30 2022-05-13 东风锻造有限公司 一种热模锻压力机载荷监控装置及其监控方法
CN114474837B (zh) * 2021-12-30 2024-02-09 东风锻造有限公司 一种热模锻压力机载荷监控装置及其监控方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003136300A (ja) プレス機械のスライド調節装置
JP3169247B2 (ja) プレス機械の加圧力自動制御方法とその装置
US6250216B1 (en) Press deflection controller and method of controlling press deflection
EP0659546B1 (en) Apparatus for adjusting B.D.C. position of slide in a mechanical press
JP3459302B2 (ja) リリーフ弁の作動状態検出装置
CA2196937C (en) Press shutheight control through hydraulic pressure
US9713909B2 (en) System for adjusting sliding blocks of a movable crosspiece of a press
JPH08174297A (ja) プレス機械のダイハイト調整装置
KR20000071687A (ko) 기계프레스의 가공력 측정방법 및 그 장치
EP0263721B1 (en) Hydraulic overload protector for mechanical press
US4372144A (en) Wrap ring assembly for precision no-draft forging
US6715409B2 (en) Method and apparatus for eliminating free clearances in a press shutheight adjustment mechanism
CN112004619B (zh) 压缩扭转成型装置
US11826810B2 (en) Die cushion device and method for controlling die cushion device
CN110303110B (zh) 一种锻造液压机及锻造方法
JP3392738B2 (ja) 鍛造用金型装置
JPH07115234B2 (ja) 粉末成形プレスにおける加圧位置の補正方法
JPS63281800A (ja) プレス機械の金型ソフトタツチ制御方法
US20190358692A1 (en) Double-blank detecting apparatus for press machine and die protecting apparatus for press machine
JP3929368B2 (ja) プレス機械のダイハイト検出方法
US4341105A (en) Force multiplier for punch presses
JP2001009600A (ja) 機械プレスの加工力の測定方法およびその装置
US5125332A (en) Non-destructive overload apparatus for a mechanical press
JP2009066643A (ja) カム装置およびプレス機械用の金型
JP2002361362A (ja) 圧造成形機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060927

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070206