JP2003136213A - ダイカストマシン用射出スリーブの構造 - Google Patents
ダイカストマシン用射出スリーブの構造Info
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Abstract
る熱変形を抑制して射出スリーブ内周面のプランジャチ
ップによる磨耗を少なくし、溶湯の差し込みを抑え且つ
真空鋳造における吸引の効果を持続させるダイカストマ
シン用射出スリーブの構造を提供する。 【解決手段】 溶湯注湯口から給湯される溶湯の落下部
分近傍において前記射出スリーブの本体内に冷却媒体通
路を形成する。この冷却媒体通路として、前記射出スリ
ーブ本体内の軸方向に形成された流路内に配設した温度
調節用のパイプであって同パイプ外周面には螺旋状の溝
が形成され同パイプ外周面と接する前記流路の内周面と
で螺旋状の冷却媒体通路を形成して冷却媒体による射出
スリーブの溶湯落下部分の近傍が過度に冷却されないよ
う温度調節を可能とするものである。
Description
ストマシン用射出スリーブに係わり、特に溶湯注湯口か
ら落下された溶湯による同落下部分近傍における射出ス
リーブの熱変形を防止可能な射出スリーブの構造に関す
る。
いては、射出スリーブ内周面とプランジャチップ外周面
の間の間隙が所定値を超えると溶湯の差し込みが発生す
ることの他に、吸引力の効果を減殺する問題が生じる。
図２（ａ）には、一対の金型１へ溶湯を射出充填するた
めの射出スリーブ２と同射出スリーブ２内へ注湯口７を
介して給湯された溶湯を左方へ押出すプランジャチップ
３とこのプランジャチップ３と螺合・固着されたプラン
ジャロッド４ならびにカップリング６を介して射出シリ
ンダユニット８のロッド５がそれぞれ示されている。
又、同図２（ｂ）にはプランジャロッド４と射出スリー
ブ２の中心軸が一致しない、すなわち、芯ずれがあると
きプランジャチップ３の外周の一部が射出スリーブ２の
内周面を磨耗する状態を示す。本発明者は先に、特許第
３１８０２８０号において上述の射出スリーブ２とプラ
ンジャチップ３およびプランジャロッド４の芯ずれのた
め結果として射出スリーブ内周面が初期磨耗により磨耗
し、真空鋳造における吸引力を減殺するという問題点に
対しプランジャチップとプランジャロッドを球面で支承
し且つプランジャチップとプランジャロッドの螺合部に
ガタを持たせる方式を提案している。しかしながら、前
記特許第３１８０２８０号においては射出スリーブ自体
が熱変形することへの対応を特に提案しているものでは
なかった。一方、従来より射出スリーブを冷却すること
は図３に示すように行われているが、しかしこれは射出
スリーブ９の左方先端部に残るビスケットＢＳＱを冷却
固化するために射出スリーブ先端部のみを冷却するもの
であって、金型を冷却するのと同じ考え方に基づくもの
である。図３の例では溶湯の落下部分の近傍Ｘにはショ
ット毎溶湯が到来し、溶融状態のまま金型キャビティへ
射出充填される必要があるため溶湯落下部分の近傍をさ
らに冷却しようとする技術思想はなかった。従って、溶
湯の熱による射出スリーブの熱変形が落下部分の近傍Ｘ
と上方の注湯口近傍とでは異なるため結果として上方へ
反るような熱変形ｄとなる。このような射出スリーブの
熱変形は上述したように好ましいことではなくプランジ
ャチップとの間に間隙を発生させることとなる。
内に注湯された溶湯は重力下で射出スリーブ内周下面に
位置するのでその部分での射出スリーブ本体の下側と上
側とに大きな温度差が発生し、それに基づく熱膨張の差
による熱変形のため弓形状となり、この現象によりプラ
ンジャチップの射出スリーブ内周面との摺動特性が悪化
することとなる。この対策としては、射出スリーブとプ
ランジャチップ間のクリアランスを予め大きくすること
によりプランジャロッド接続部分の嵌合シロを大きくし
てこれを吸収することも考えられるが、やはりプランジ
ャチップの初期磨耗は不可避でありこのことがさらに間
隙を大きくしこの間隙に溶湯が差し込んで射出スリーブ
及びプランジャチップの寿命を著しく低下させることと
なる。本発明者は上述した従来射出スリーブにおいては
熱変形が不可避であり、そのことが射出スリーブ内周面
の磨耗を引き起こす原因ともなっていることに鑑み、こ
の点を改善するためには射出スリーブ自体の熱変形を低
く抑えることがどうしても必要であるという考えに達し
た。
は射出スリーブ内に注湯される溶湯による熱変形を低く
抑えることが可能なダイカストマシン用射出スリーブの
構造を提供するものである。
め、本発明の請求項１に係るダイカストマシン用射出ス
リーブの構造は、ダイカストマシンの固定ダイプレート
内にて水平方向に配置された射出スリーブであって、そ
の上部には溶湯注湯口が形成されると共に前記溶湯注湯
口から給湯される溶湯の落下部分近傍において前記射出
スリーブの本体内に形成した冷却媒体通路を有する。
出スリーブ本体内の軸方向に形成された流路内に配設し
た温度調節用のパイプであって同パイプ外周面には螺旋
状の溝が形成され同パイプ外周面と接する前記流路の内
周面とで螺旋状の冷却媒体通路を形成することが好まし
い。
ブ本体より熱伝導率の小さい材質で形成される。
射出スリーブの中心軸を通る鉛直線に関しほぼ対称な一
対の温度調節用のパイプを配設すると共に前記射出スリ
ーブのプランジャロッド側端面には前記各パイプの一方
の端部と連通する冷却媒体の供給及び排出用の開口部を
形成し、前記各パイプの他端部間には前記射出スリーブ
のビスケット部冷却用流路を接続して冷却媒体の循環路
を形成することができる。
落下部分の近傍において、射出スリーブの軸方向に形成
した流路を冷却媒体が流れるようにして射出スリーブの
注湯口近傍と溶湯落下部分の近傍との温度差を少なく
し、熱変形を低く抑えることが可能である。特に、前記
流路を温度調節用のパイプで構成し、同パイプ外周面に
螺旋状溝を形成して、冷却媒体の一部を主流路から分岐
して螺旋状溝へ与えるようにし、そのパイプを射出スリ
ーブ本体より熱伝導率の小さい材質とすることにより、
主流路即ち、パイプ内部を流れる冷却媒体により射出ス
リーブの本体を直接冷却しない構造とするものである。
リーブの中心軸を通る鉛直線に関しほぼ対称な一対の温
度調節用のパイプを配設すると共に前記射出スリーブの
プランジャロッド側端部には前記各パイプの一方の端部
と連通する冷却媒体供給及び排出用の開口部を形成し、
前記各パイプの他端部間に前記射出スリーブのビスケッ
ト部冷却用流路を接続しているので射出スリーブのビス
ケット部の冷却と溶湯落下部分近傍の冷却とを１つの循
環流路として形成し、冷却媒体の流路を簡素化するもの
である。
照して説明する。図１（ａ）は射出スリーブの軸方向に
沿った断面を示す。同図１（ａ）において、参照番号１
０は射出スリーブである。参照番号１２はダイカストマ
シンの固定ダイプレートであって、間隔部材１４を介し
て射出スリーブ１０を固着している。射出スリーブ１０
の上部には溶湯注湯用の開口１６が形成されている。ま
た一点鎖線で示す参照番号１８、２０はそれぞれプラン
ジャチップ、プランジャロッドである。射出スリーブ１
０の下方即ち、前記開口１６の下方には射出スリーブ本
体内にあって、その軸方向に右端面位置ｓ１から左方に
向かって位置ｓ２まで伸びる冷却媒体供給側の流路２１
が形成され、この流路２１内には温度調節用のパイプ２
２が配設されている。さらに、位置ｓ２からｓ３までは
パイプ２２の内径を有する通路２４が形成され同通路２
４は射出スリーブ１０外周面とスペーサ部材２８内周面
との間に形成される環状路２６に通じている。この環状
路２６とビスケット部ＢＳＱの冷却用環状路３０とは図
示のように射出スリーブ１０の上部で通じている。図示
しないが、流路２１の後方には同流路２１と並行にもう
１つの排出側流路が設けられそこにもパイプ２２と同様
なパイプが配設されている。参照番号３２は、前記通路
２４に対応する後方側流路に通じている通路であって、
破線で示すように、下方に位置している前記冷却用環状
路３０と通じている。即ち、図１（ａ）のＺ方向から見
た図１（ｂ）に示すように射出スリーブ１０の右側端面
には射出スリーブ１０の中心軸線を通る鉛直線１に関し
左右対称位置に冷却媒体の供給、排出用の開口部３４、
３６が形成されている。従って、前記図１（ａ）の流路
３２は開口部３６の左端部と連通している。図１（ｃ）
は、前記パイプ２２の構造を拡大して示す。同図１
（ｃ）において、パイプ２２の内経部は冷却媒体の主流
路である。パイプ２２の外周面には螺旋状に溝２２Ａが
刻設されており射出スリーブ１０の内周面とにより螺旋
状の流路が形成される。又、溝２２Ａの最右端溝２３と
最左端溝２５はそれぞれパイプ２２内側に通じており、
従って、主流路を流れる冷却媒体の一部は図示のごとく
最右端溝２３へ分岐し螺旋状の流路を通って最左端溝２
５から再びパイプ内側の主流路へ戻るようになってい
る。なお、パイプ２２の材質は射出スリーブの材質より
熱伝導率が小さいステンレス系の材料を使用するのが好
ましい。その理由としては、射出スリーブ１０の内周面
は螺旋状の溝２２Ａによる螺旋状の流路を流れる冷却媒
体のみにより冷却され、主流路を流れる冷却媒体によっ
て直接冷却されないからである。即ち、射出スリーブ１
０の溶湯落下部分の近傍を冷やし過ぎとならないように
するものである。又、パイプ２２の溝形状、螺旋状の溝
の数およびピッチを種々変更することにより、射出スリ
ーブ１０の内周面との接触面積、換言すれば熱交換率を
可変とすることができるので種々のパイプ２２を用意し
て図１（ｂ）の開口部３４、３６を介して差し替えるこ
とが可能である。
は、冷却媒体を供給する開口部３４から供給された冷却
媒体の一部がパイプ２２の内側から最右端溝２３へ到り
螺旋状溝２２Ａを通って最左端溝２５に到る間に射出ス
リーブ１０の本体内周面を直接冷却するようになってお
り、溝２５から再び主流路に戻った冷却媒体は通路２４
を経て環状路２６を経由してビスケット部ＢＳＱ近傍の
射出スリーブ本体を冷却し、さらに、通路３２からもう
一方の戻り用のパイプ(図示せず)を経て排出用の開口部
３６に到るようになっている。その場合、パイプ２２の
材質を射出スリーブ１０本体より熱伝導率の小さい例え
ばステンレス系材質とすることにより、主流路を流れる
冷却媒体が直接射出スリーブ１０の本体を冷却しないよ
うにしている。
シン用の射出スリーブの構造は、ダイカストマシンの固
定ダイプレート内にて水平方向に配置された射出スリー
ブであって、その上部には溶湯注湯口が形成されると共
に前記溶湯注湯口から給湯される溶湯の落下部分近傍に
おいて前記射出スリーブの本体内に冷却媒体通路を形成
したので射出スリーブの溶湯落下部分の近傍を適宜冷却
してその熱変形を抑制し、プランジャチップと射出スリ
ーブ内周面との磨耗を少なくして溶湯の差し込みを防止
し、真空鋳造における真空吸引力の効果の減殺を防止可
能とするものである。
は、前記冷却媒体通路として、前記射出スリーブ本体内
の軸方向に形成された流路内に配設した温度調節用のパ
イプであって同パイプ外周面には螺旋状の溝が形成され
同パイプ外周面と接する前記流路の内周面とで螺旋状の
冷却媒体通路を形成したので冷却媒体による射出スリー
ブの溶湯落下部分の近傍が過度に冷却されないよう温度
調節可能である。
いては、前記パイプは射出スリーブ本体より熱伝導率の
小さい材質で形成したので前記温度調節に際しては、主
流路を流れる冷却媒体の流量に直接影響されず螺旋状の
溝の数、ピッチ、溝の形状によって冷却の程度を調節可
能とするものである。
は、前記射出スリーブ本体内に前記射出スリーブの中心
軸を通る鉛直線に関しほぼ対称な一対の温度調節用のパ
イプを配設すると共に前記射出スリーブのプランジャロ
ッド側端部には前記各パイプの一方の端部と連通する冷
却媒体の供給及び排出用の開口部を形成し、前記各パイ
プの他端部間に前記射出スリーブのビスケット部冷却用
の環状路を接続して冷却媒体の循環流路を形成したので
従来行われていたビスケット部近傍の冷却と溶湯落下部
分の近傍の冷却とを１つの循環流路で対応可能となり、
特に冷却媒体の供給口、排出口を射出スリーブのプラン
ジャロッド側端部に設けたので従来のようにビスケット
部近傍に冷却媒体の供給口、排出口や管路を設ける必要
がなくその周辺部の構造を簡素化できるという効果を奏
する。
あって、（ａ）は射出スリーブのＡ−Ａ線（図１
（ｂ））に沿った軸方向縦断面図を示し、（ｂ）は
（ａ）におけるＺ矢視図を示し、さらに、（ｃ）は温度
調節用のパイプの詳細縦断面図である。
ーブとその周辺の構造を示す図、（ｂ）は射出スリーブ
とプランジャチップ及びプランジャロッドの間に芯ずれ
がある場合を示す図である。
傍が落下した溶湯により熱変形を生ずることを説明する
図である。
Claims (4)
- 【請求項１】 ダイカストマシンの固定ダイプレート内
にて水平方向に配置された射出スリーブであって、その
上部には溶湯注湯口が形成されると共に前記溶湯注湯口
から給湯される溶湯の落下部分近傍において前記射出ス
リーブの本体内に冷却媒体通路を形成したことを特徴と
するダイカストマシン用射出スリーブの構造。 - 【請求項２】 請求項１において、前記冷却媒体通路と
して、前記射出スリーブ本体内の軸方向に形成された流
路内に配設した温度調節用のパイプであって同パイプ外
周面には螺旋状の溝が形成され同パイプ外周面と接する
前記流路の内周面とで螺旋状の冷却媒体通路を形成した
ことを特徴とするダイカストマシン用射出スリーブの構
造。 - 【請求項３】 請求項２において、前記パイプは射出ス
リーブ本体より熱伝導率の小さい材質で形成したことを
特徴とするダイカストマシン用射出スリーブの構造。 - 【請求項４】 請求項２または３において、前記射出ス
リーブ本体内に前記射出スリーブの中心軸を通る鉛直線
に関しほぼ対称な一対の温度調節用のパイプを配設する
と共に前記射出スリーブのプランジャロッド側端部には
前記各パイプの一方の端部と連通する冷却媒体の供給及
び排出用の開口部を形成し、前記各パイプの他端部間に
前記射出スリーブのビスケット部冷却用環状路を接続し
て冷却媒体の循環流路を形成したことを特徴とするダイ
カストマシン用射出スリーブの構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001335813A JP3592287B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | ダイカストマシン用射出スリーブの構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2001335813A JP3592287B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | ダイカストマシン用射出スリーブの構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JP2003136213A true JP2003136213A (ja) | 2003-05-14 |
| JP3592287B2 JP3592287B2 (ja) | 2004-11-24 |
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ID=19150748
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001335813A Expired - Lifetime JP3592287B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | ダイカストマシン用射出スリーブの構造 |
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-
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- 2001-10-31 JP JP2001335813A patent/JP3592287B2/ja not_active Expired - Lifetime
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