JP2003136126A - 金属細線の伸線方法及び伸線装置 - Google Patents

金属細線の伸線方法及び伸線装置

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JP2003136126A JP2001327369A JP2001327369A JP2003136126A JP 2003136126 A JP2003136126 A JP 2003136126A JP 2001327369 A JP2001327369 A JP 2001327369A JP 2001327369 A JP2001327369 A JP 2001327369A JP 2003136126 A JP2003136126 A JP 2003136126A
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Tatsuhiko Kita
辰彦 北
Takayuki Ueda
登侑 上田
Kagekimi Nishibayashi
景仁 西林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーン式スリップ型伸線機による金属細線の
伸線において、最終ダイスにおける引抜き条件を最適化
しつつ巻き取り張力を低減し、さらに伸線後の金属細線
表面に発生する表面疵を低減することのできる金属細線
の伸線方法及び伸線装置を提供する。 【解決手段】 コーン式スリップ型伸線機による金属細
線の伸線方法において、1対のキャプスタン2及び最終
ダイス4は潤滑液9中に浸漬し、最終ダイス4通過後の
金属細線1は前記1対のキャプスタン2と接触したのち
に巻き取りボビン7に巻き取ることを特徴とする金属細
線の伸線方法。最終ダイス通過4後の金属細線1とキャ
プスタン2との間のスリップ率を5〜80%とする。キ
ャプスタン2からワイヤ巻き取りボビン7に到る途中の
プーリー5に付着して飛散する潤滑液の液滴11がワイ
ヤ巻き取りボビン7に飛散するのを防止するように液滴
付着防止カバー10を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーン式スリップ
型伸線機による金属細線の伸線方法及び伸線装置に関す
るものであり、特に金ボンディングワイヤの伸線方法及
び伸線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金ボンディングワイヤをはじめとする金
属細線の伸線加工においては、コーン式スリップ型伸線
機が用いられることが多い。コーン式スリップ型伸線機
は、図3に示すように、左右で対となったキャプスタン
(2R、2L)を有し、伸線される金属細線は、右キャ
プスタン2Rに接触した後に右キャプスタン2Rを半周
し、更に左キャプスタン2Lを半周し、その後第1のダ
イス3bを通過して同じように左右のキャプスタンを各
半周することを繰り返し、各ダイスで伸線されて次第に
線径を細くしていく。左右のキャプスタンは同一方向に
回転しており、その回転方向は、キャプスタン2に接す
る金属細線1の進行方向と一致する方向である。スリッ
プ型伸線機においては、キャプスタンと金属細線とが接
触するいずれの位置においても、キャプスタンの周速が
金属細線の線速よりも速く、キャプスタン表面とそれに
接する金属細線との間にはスリップが生じている。
【0003】キャプスタン2の形状として、1対のキャ
プスタンのそれぞれが円筒形をしているもの、あるいは
直径の異なる多数のプーリーを同軸で結合したものを用
いることができる。金ボンディングワイヤの伸線におい
ても、キャプスタンの形状として上記円筒形のものある
いは直径の異なる多数のプーリーを結合したもののいず
れをも用いることができる。金ボンディングワイヤの最
終径まで伸線する仕上げ伸線工程においては、円筒形の
キャプスタン2が用いられることが多い。
【0004】細線が最後にキャプスタンを通過した後、
通常は更に仕上りダイス(最終ダイス4)を通過して伸
線を行ない、その後巻き取り装置6に装着した巻き取り
ボビン7に巻取られる。巻取り回数に応じてボビンがそ
の軸方向に移動(トラバース20)することにより、あ
るいは巻取られる細線がボビンの軸方向に移動すること
により、細線はボビンに整列して巻取られる。ボビンあ
るいは細線をボビンの軸方向に移動するための装置がト
ラバーサである。1段目の細線がボビンの全幅に整列し
て巻取られた後、ボビンあるいは細線が逆方向に移動し
て2段目の巻取りを行なう。このようにして、ボビンに
多数の段数で細線が整列して巻取られる。一般的には、
巻取り段数の増加とともに整列幅を減少することによ
り、巻取り形状を台形形状として巻きくずれの発生を防
止することができる。
【0005】上記のような構成の伸線機を用いた伸線に
おいては、伸線時の引抜き速度は細線のボビンへの巻取
り速度によって定まる。通常の伸線においては、伸線の
過程において引抜き速度を一定に保つため、ボビンへの
巻取り段数の増加によって巻取り径が増大するに伴い、
ボビンの回転速度を低下させることにより、細線のボビ
ンへの巻取り速度を一定に保つ制御を行なっている。
【0006】仕上りダイスを出た細線がそのままボビン
に巻取られる伸線装置においては、仕上りダイスにおけ
る引抜き張力とボビンの巻取り張力とは等しい張力とな
る。仕上りダイスにおける引抜き張力は、仕上りダイス
における減面率等の引抜き条件及び仕上りダイス入り側
の逆張力とによって主に定まる。従って、ボビンの巻取
り張力は、このようにして定まる仕上りダイスの引抜き
張力によって決定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ボビンへの金属細線の
巻取りにおいて、巻取り張力が強すぎると巻締まりが発
生し、逆に巻取り張力が小さすぎると巻ゆるみや巻くず
れが発生することとなる。上記のように、ボビンへの巻
取り張力は仕上りダイスにおける引抜き張力と等しくな
るので、ボビンへの巻取り張力を適正化するためには仕
上りダイスにおける引抜き張力を調整しなければならな
い。例えば、巻取り張力を低くしようとする場合は、例
えば仕上りダイスの減面率を2〜5%とスキンパス並み
の少ない減面率とすれば、仕上りダイスにおける引抜き
張力が低くなるので結果として巻取り張力をも低くする
ことができる。しかし、これでは仕上りダイスにおける
伸線を最適化することができない。
【0008】従来の金属細線の伸線、特に金ボンディン
グワイヤの伸線においては、伸線後の金属細線に表面疵
が発生することがあった。金ボンディングワイヤの表面
に表面疵が存在すると、この金ボンディングワイヤを用
いて半導体を製造するに際し、ボンディングの途中でワ
イヤが破断するトラブルの原因となるので、表面疵は極
限まで低減することが必要である。
【0009】本発明は、コーン式スリップ型伸線機によ
る金属細線の伸線において、最終ダイスにおける引抜き
条件を最適化しつつ巻き取り張力を低減し、さらに伸線
後の金属細線表面に発生する表面疵を低減することので
きる金属細線の伸線方法及び伸線装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、その要旨とするところ
は以下のとおりである。 (1)コーン式スリップ型伸線機による金属細線の伸線
方法において、1対のキャプスタン2及び最終ダイス4
は潤滑液9中に浸漬し、最終ダイス4通過後の金属細線
1は前記1対のキャプスタン2と接触したのちに巻き取
りボビン7に巻き取ることを特徴とする金属細線の伸線
方法。 (2)最終ダイス4通過後の金属細線1とキャプスタン
2との間のスリップ率を5〜80%とすることを特徴と
する上記(1)に記載の金属細線の伸線方法。 (3)キャプスタン2と最後に接触してからワイヤ巻き
取りボビン7に到る途中の金属細線1をプーリー5で保
持し、プーリー5に付着して飛散する潤滑液の液滴11
がワイヤ巻き取りボビン7に飛散するのを防止するよう
に液滴付着防止カバー10を配置することを特徴とする
上記(1)又は(2)に記載の金属細線の伸線方法。 (4)コーン式スリップ型伸線機による金属細線の伸線
装置において、伸線用のダイスと1対のキャプスタン2
と潤滑液槽8と巻き取り装置6とを有し、前記1対のキ
ャプスタン2及び最終ダイス4は潤滑液槽8の潤滑液9
中に浸漬し、最終ダイス4通過後の金属細線1は前記1
対のキャプスタン2と接触したのちに巻き取り装置6に
よって巻き取られることを特徴とする金属細線の伸線装
置。 (5)キャプスタン2と最後に接触してからワイヤ巻き
取り装置6までの金属細線1を保持するプーリー5と、
液滴付着防止カバー10とを有し、液滴付着防止カバー
10はプーリー5に付着して飛散する潤滑液液滴11の
ワイヤ巻き取り装置6への飛散を防止するごとく構成さ
れてなることを特徴とする上記(4)に記載の金属細線
の伸線装置。
【0011】従来、図3に示すような方法で行われてい
た金属細線の伸線において、伸線後の金属細線に表面疵
が発生する理由は、仕上りダイス(最終ダイス4)通過
後の金属細線1fに振動が生じ、この振動が原因となっ
て生じることが判明した。本発明においては、図1に示
すように、1対のキャプスタン2及び最終ダイス4がと
もに潤滑液9中に浸漬しているので、最終ダイス4を通
過した金属細線1fはさらにキャプスタン2との接触時
も含めて潤滑液9中に浸漬している。従来のように仕上
りダイス(最終ダイス4)通過後の極細金属細線1fが
空気中に張られていると金属細線1fに振動が発生する
が、同じ極細金属細線でも最終ダイス通過後に潤滑液中
に浸漬していれば振動は発生しないのである。このた
め、本発明によれば従来の仕上りダイス通過後の金属細
線に発生していた振動が発生しない。金属細線はキャプ
スタン2と最後に接触した後に潤滑液9から出て最終的
に巻き取りボビン7に巻き取られるが、仕上りダイス
(最終ダイス4)通過後からキャプスタン2Rまでの金
属細線に振動が発生することがないので、結局金属細線
の振動に起因する表面疵の発生を防止することができる
のである。
【0012】本発明はさらに、最終ダイス通過後の金属
細線がスリップ型伸線機の1対のキャプスタン2と接触
し、キャプスタン2の周速は接触する金属細線の速度よ
りも速い速度で回転しているので、巻き取りボビン7の
巻き取り張力は最終ダイス4の引抜き張力よりも低い張
力とすることができる。これにより、最終ダイス4にお
ける引抜き張力は最適張力を維持しつつ、巻き取りボビ
ン7の巻き取り張力を最終ダイス引抜き張力より低い最
適張力とすることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1、2に示すような、1
対の円筒形のキャプスタン(2R、2L)を有するコー
ン式スリップ型伸線機を用いた場合について、本発明を
詳細に説明する。1台の伸線機で1対のキャプスタン2
を用いて伸線を行なう場合、4〜10個のダイス3及び
最終ダイス4を用いて伸線が行われる。図1、2の例に
おいては、4個のダイス(3b〜3d、4)を用いてい
る。伸線機はキャプスタン2及びダイスを潤滑液9中に
浸漬するための潤滑液槽8を有する。1対のキャプスタ
ン2は潤滑液9中に浸漬し、ダイスについては少なくと
も最終ダイス4は潤滑液9中に浸漬する。潤滑液9とし
ては、通常は純水、鉱物油を用いることができる。純水
に界面活性剤を添加しても良い。また、キャプスタン2
の金属細線1と接触する部分の材質としてはステンレス
鋼、クロムメッキ材、セラミックス(ジルコニア、アル
ミナ、サイアロン等)を用いると好ましい。
【0014】伸線前の元ワイヤ1aは、図示しないワイ
ヤ供給装置から供給され、その後潤滑液9中に浸漬す
る。金属細線1は潤滑液中において、右キャプスタン2
R、左キャプスタン2Lをそれぞれ約半周回って、1番
目のダイス3bを通過して減面し、更に右キャプスタン
2R、左キャプスタン2Lをそれぞれ約半周回り、これ
を繰り返した後に最終ダイス4による減面を受けて最終
線径となり、最後に右キャプスタン2R、左キャプスタ
ン2Lをそれぞれ約半周回った上で、潤滑液9から出
る。金属細線1はその後巻き取り装置6において巻き取
りボビン7に巻き取られる。
【0015】キャプスタン2は、キャプスタン2と接す
る金属細線1のいずれの線速よりも速い周速で回転し、
キャプスタン2と金属細線1との間にはスリップが発生
している。このスリップによる摩擦力で金属細線1に引
張り張力を与えている。金属細線1は、ダイス3におけ
る引抜き及びキャプスタン2とのスリップで発熱するの
で、ダイス(3b〜3d、4)及び1対のキャプスタン
はいずれも潤滑液中に浸漬され、該潤滑液9によって冷
却される。金ボンディングワイヤの伸線においては、キ
ャプスタン2は外径40mm程度のセラミックスを使用
するのが一般的であり、左右キャプスタン(2R、2
L)の周速は同一になっている。
【0016】例えば仕上り線径25μmの金ボンディン
グワイヤの場合、最終ダイス4の減面率については8〜
15%程度とすると好ましい。減面率が8%未満では伸
線に偏りが生じカールが発生するからであり、一方、減
面率が15%を超えると引抜き力が高くなり、断線し、
巻き張力が高くなり、巻締りが発生するからである。こ
の場合、最終ダイス4の引張張力は7〜15gf程度と
なる。一方、同様の金ボンディングワイヤにおける巻き
取りボビン7への巻き取り張力は0.5〜3gf程度と
すると好ましい。巻き取りボビンへの巻き取り張力が
0.5gf未満では巻きくずれが発生し、巻き取り張力
が3gfを超えると巻締りが発生するからである。本発
明においては、最終ダイス4と巻き取りボビン7との間
において金属細線1が1対のスリップキャプスタン2と
接触しており、ここで金属細線1はキャプスタン2から
引張張力を受けることができる。最終ダイス通過後の金
属細線1とキャプスタン2との間のスリップ率を5〜8
0%とすると好ましい。これにより、最終ダイス4の引
張張力が7〜15gfである場合の巻き取りボビン7へ
の巻き取り張力を0.5〜3gfとすることができる。
同じ金ボンディングワイヤにおいて、仕上り線径が5〜
50μmの範囲であっても、上記好適なスリップ率の範
囲には変化はない。
【0017】最終ダイス4を通過し1対のキャプスタン
2と接触した後の金属細線1は、潤滑液9から出た後、
通常はプーリー5によって支持することによって進行方
向を変え、最適経路をたどって巻き取りボビン7に到着
する。プーリー5の外周には金属細線1をガイドするた
めの溝が構成されている。
【0018】潤滑液9から出た金属細線表面には潤滑液
9が付着している。図3に示すような従来方法では潤滑
液9から出た後に仕上りダイス(最終ダイス4)で伸線
する際に付着した潤滑液9も除去されるが、本発明では
潤滑液9から出た後には仕上りダイスが存在しないの
で、金属細線1に付着した潤滑液9はそのまま金属細線
1とともに運ばれ、主に前記プーリー5外周の溝に蓄積
する。プーリー5の外周は金属細線1の進行速度と同じ
周速で回転しているので、プーリー外周の溝に蓄積した
潤滑液9は遠心力によって液滴11となってプーリー5
の周囲に飛散する。プーリー5は巻き取りボビン7の近
傍に設けられるので、このままではプーリー5から飛散
した液滴11によって巻き取りボビン7と巻き取りボビ
ンに巻き取られた金属細線とに濡れが発生することにな
る。
【0019】本発明の上記(3)(5)においては、図
2に示すようにワイヤ巻き取り装置6付近に液滴付着防
止カバー10を配置する。液滴付着防止カバー10は前
記プーリー5に付着して飛散する潤滑液液滴11のワイ
ヤ巻き取り装置6への飛散を防止するごとく構成されて
いるので、ワイヤ巻き取り装置6、ワイヤ巻き取りボビ
ン7及び巻き取られた金属細線への液滴11の被着を防
止することができる。液滴付着防止カバー10は、図2
に示すように液滴11が飛来する方向のみに配置すれば
良く、プーリー5及びワイヤ巻き取り装置6の配置に基
づき、伸線装置を運転する上での作業性を損なうことの
ない適切な形状を選択することができる。また、図2に
示すように、液滴付着防止カバー10が可動範囲12に
おいて移動可能としておけば、ワイヤ巻き取り装置6へ
のワイヤ巻き取りボビン7の着脱時には液滴付着防止カ
バー10を作業の支障を生じない位置に移動しておくこ
とができ、好ましい。
【0020】
【実施例】図2に示すような円筒形キャプスタン2を有
するコーン式スリップ型伸線機を用いて、金ボンディン
グワイヤの仕上げ伸線に本発明を実施した。元ワイヤ1
aの線径は30μm、仕上りワイヤ1fの線径は25μ
mである。3個のダイス(3b〜3d)及び最終ダイス
4を有し、巻き取りボビン7でワイヤを巻取る。潤滑液
槽8に満たす潤滑液9としては水を用いた。ダイス(3
b〜3d)、最終ダイス4、左右のキャプスタン(2
R、2L)はいずれも潤滑液9中に浸漬している。最終
ダイス4での伸線が完了した金属細線1は、プーリー
(5a、5b)を経由して巻き取りボビン7に巻き取ら
れる。
【0021】最終ダイス4通過後の金属細線1fの線速
は200m/min、左右のキャプスタン2の周速は2
40m/minであり、最終ダイス4通過後の金属細線
におけるスリップ率は20%である。その結果、最終ダ
イス4の引張張力は10gfであり、巻き取りボビン7
における巻き取り張力は1.5gfとすることができ
た。巻き取り張力を低く抑えることができた結果とし
て、ワイヤにストレスがかからず、また巻締りを防止す
ることができた。
【0022】図3に示すような従来の伸線装置を用いた
場合、伸線後の金属細線には表面疵の発生が見られた
が、本発明を用いた結果として、表面疵は見られなかっ
た。
【0023】潤滑液9から出た金属細線1の表面には潤
滑液が付着しており、この潤滑液がプーリー(5a、5
b)の外周の溝に蓄積され、プーリーの回転にともなっ
てプーリーの周囲に液滴11として飛散する。本実施例
においては、図2に示すような液滴付着防止カバー10
を配置しているので、飛散した液滴11が巻き取り装置
6や巻き取りボビン7に被着することなく伸線を行うこ
とができた。
【0024】
【発明の効果】本発明においては、1対のキャプスタン
2及び最終ダイス4がともに潤滑液9中に浸漬している
ので、仕上りダイス(最終ダイス4)通過後からキャプ
スタン2Rまでの金属細線に振動が発生することがない
ので、結局金属細線の振動に起因する表面疵の発生を防
止することができる。
【0025】本発明はまた、最終ダイス通過後の金属細
線がスリップ型伸線機の1対のキャプスタンと接触し、
キャプスタンの周速は接触する金属細線の速度よりも速
い速度で回転しているので、最終ダイスにおける引抜き
張力は最適張力を維持しつつ、巻き取りボビンの巻き取
り張力を最終ダイス引抜き張力より低い最適張力とする
ことが可能になる。
【0026】本発明はさらに、ワイヤ巻き取り装置付近
に液滴付着防止カバーを配置しているので、プーリーに
付着して飛散する液滴がワイヤ巻き取り装置、ワイヤ巻
き取りボビン及び巻き取られた金属細線に被着するのを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伸線方法の概要を示す斜視図である。
【図2】本発明の伸線方法の概要を示す斜視図である。
【図3】従来の伸線方法の概要を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 金属細線 1a 元ワイヤ 1f 仕上りワイヤ 2 キャプスタン 2R 右キャプスタン 2L 左キャプスタン 3 ダイス 4 最終ダイス(仕上りダイス) 5 プーリー 6 巻き取り装置 7 巻き取りボビン 8 潤滑液槽 9 潤滑液 10 液滴付着防止カバー 11 液滴 12 可動範囲 20 トラバース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西林 景仁 埼玉県入間市狭山ヶ原158−1 株式会社 日鉄マイクロメタル内 Fターム(参考) 4E096 EA01 EA13 FA01 GA04 GA18 HA10 HA12 JA01 JA13 JA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーン式スリップ型伸線機による金属細
    線の伸線方法において、1対のキャプスタン及び最終ダ
    イスは潤滑液中に浸漬し、最終ダイス通過後の金属細線
    は前記1対のキャプスタンと接触したのちに巻き取りボ
    ビンに巻き取ることを特徴とする金属細線の伸線方法。
  2. 【請求項2】 最終ダイス通過後の金属細線とキャプス
    タンとの間のスリップ率を5〜80%とすることを特徴
    とする請求項1に記載の金属細線の伸線方法。
  3. 【請求項3】 キャプスタンと最後に接触してからワイ
    ヤ巻き取りボビンに到る途中の金属細線をプーリーで保
    持し、該プーリーに付着して飛散する潤滑液がワイヤ巻
    き取りボビンに飛散するのを防止するように液滴付着防
    止カバーを配置することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の金属細線の伸線方法。
  4. 【請求項4】 コーン式スリップ型伸線機による金属細
    線の伸線装置において、伸線用のダイスと1対のキャプ
    スタンと潤滑液槽と巻き取り装置とを有し、前記1対の
    キャプスタン及び最終ダイスは潤滑液槽の潤滑液中に浸
    漬し、最終ダイス通過後の金属細線は前記1対のキャプ
    スタンと接触したのちに巻き取り装置によって巻き取ら
    れることを特徴とする金属細線の伸線装置。
  5. 【請求項5】 キャプスタンと最後に接触してからワイ
    ヤ巻き取り装置までの金属細線を保持するプーリーと、
    液滴付着防止カバーとを有し、前記液滴付着防止カバー
    は前記プーリーに付着して飛散する潤滑液のワイヤ巻き
    取り装置への飛散を防止するごとく構成されてなること
    を特徴とする請求項4に記載の金属細線の伸線装置。
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