JP2003135490A - 歯冠補綴具、有床義歯固定具及びそれを備えた有床義歯、並びに歯冠補綴具の製造方法 - Google Patents

歯冠補綴具、有床義歯固定具及びそれを備えた有床義歯、並びに歯冠補綴具の製造方法

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JP2003135490A
JP2003135490A JP2001342720A JP2001342720A JP2003135490A JP 2003135490 A JP2003135490 A JP 2003135490A JP 2001342720 A JP2001342720 A JP 2001342720A JP 2001342720 A JP2001342720 A JP 2001342720A JP 2003135490 A JP2003135490 A JP 2003135490A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 術者の創意応用によって自在な形状に形成す
ることができ自在性に優れ種々の症例に適用可能で、さ
らに機械的強度が大きく耐久性に優れる歯冠補綴具、有
床義歯固定具及びそれを備えた有床義歯、並びに歯冠補
綴具の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の歯冠補綴具は、支台歯3に被着
された金属製の台部4と、基部が前記台部と一体に形成
された1乃至複数本の軸部5と、前記軸部の各々の他端
部に一体に形成された嵌合部6と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯冠補綴具、有床
義歯固定具及びそれを備えた有床義歯、並びに歯冠補綴
具の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、1歯あるいはそれ以上の歯が
欠損した場合に用いられる有床義歯には、有床義歯が動
いたり外れたりするのを防ぐための種々の維持装置が用
いられている。例えば、金属製で形成された鉤で天然歯
等の鉤歯を抱きこむようにして維持する維持装置(以
下、イ号装置という)が用いられている。
【0003】他の技術としては、特開平6−31975
0号公報(以下、ロ号公報という)に「嵌合部を有し顎
骨の抜歯窩又は新たに切削した窩洞に植立された凸状維
持部材と、有床義歯の義歯床に配設され嵌合部が嵌入す
る凹状嵌合部を有する凹状維持部材と、を備えた有床義
歯の維持装置」が開示されている。
【0004】特開2001−170081号公報(以
下、ハ号公報という)には、「a.歯根等に固着される
固着部を備えたメールと、b.ハウジング部材と、ライ
ダー部と、を備えたフィメールと、を備えた有床義歯ア
タッチメント」が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術においては、以下のような課題を有していた。 (1)イ号装置は、鉤が鉤歯の表面に露出し、特に鉤歯
が切歯や小臼歯等の場合には口元で鉤が目立つので、審
美性に欠けるという課題を有していた。 (2)有床義歯の義歯床や粘膜の沈下、横揺れ等によ
り、鉤が抱き込んでいる鉤歯に側方からの力が加圧さ
れ、鉤歯が動揺したり抜歯されたりすることがあるとい
う課題を有していた。天然歯の歯根を支える歯槽骨や歯
根膜は垂直方向の力に対してはある程度の強さが認めら
れるが、側方からの力に対しては比較的もろいからであ
る。 (3)ロ号公報に開示の技術は、凸状維持部材を顎骨の
抜歯窩又は新たに切削した窩洞に植立する必要があり、
大掛かりな治療を要するとともに患者のコスト負担も大
きいという課題を有していた。 (4)凸状維持部材の形状に制約が生じるので、術者
(歯科医師や歯科技工士)の創意応用の入り込む余地が
少なく適応症例が限られるという課題を有していた。 (5)ハ号公報に開示の技術は、固着部を鋳接等によっ
て金属冠等に固着するので、固着強度が問題になり耐久
性が低下し易く、さらに固着位置に制約が生じ術者の創
意応用の入り込む余地が少なく適応症例が限られるとい
う課題を有していた。 (6)固着部を鋳接等によって金属冠等に固着するの
で、表面に陶材が焼付で形成される金属冠を用い固着部
の材質と金属冠の材質とが異なる場合には、陶材の焼付
の際に金属冠と固着部との間の熱膨脹差によって歪みが
生じ、固着部の固着強度が低下し耐久性に欠けるという
課題を有していた。 (7)ハウジング部を有しているので、ハウジング部と
ライダー部との間の細かな隙間に食べ物のカス等が詰ま
り易く、口臭や炎症等の原因となり易いという課題を有
していた。 (8)イ号装置乃至ハ号公報に開示の技術は、有床義歯
の着脱を鉤の鉤歯への着脱やスナップによって行うもの
であり、有床義歯の維持力の制御は術者の経験や勘によ
って行われているため、維持力が大きすぎて有床義歯の
脱着が困難となったり維持力が小さすぎて容易に脱着さ
れるという問題が発生するという課題を有していた。 (9)ロ号公報又はハ号公報に開示の技術は、有床義歯
を装着したときに義歯床と口内の粘膜が密着しているた
め、粘膜に圧迫感を感じ装着感が悪いという課題を有し
ていた。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、術者の創意応用によって自在な形状に形成すること
ができ自在性に優れ種々の症例に適用可能で、さらに機
械的強度が大きく耐久性に優れる歯冠補綴具を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、術者が症例に応じ
て維持力を最適に調整することが容易で自在性に優れる
有床義歯固定具を提供することを目的とする。また、本
発明は、口内への着脱が容易であるとともに清潔性と外
観に優れ、さらに義歯床が口内の粘膜を圧迫して患者に
不快感を与えることがなく快適な装着感が得られる有床
義歯を提供することを目的とする。さらに、本発明は、
設計の自由度が大きく、症例に応じ術者の創意応用を十
分に生かすことができ自在性に優れるとともに、設備負
荷を要さずコスト性にも優れる歯冠補綴具の製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明の歯冠補綴具、有床義歯固定具及びそれ
を備えた有床義歯、並びに歯冠補綴具の製造方法は、以
下の構成を有している。
【0008】本発明の請求項1に記載の歯冠補綴具は、
支台歯に被着された金属製の台部と、基部が前記台部と
一体に形成された1乃至複数本の軸部と、前記軸部の各
々の他端部に一体に形成された嵌合部と、を備えた構成
を有している。この構成により、以下のような作用が得
られる。 (1)支台歯に被着される台部、軸部、嵌合部が一体に
形成されるので、術者の創意応用によって自在な形状に
形成することができ自在性に優れ、そのため種々の症例
に適用可能である。 (2)支台歯に被着される台部、軸部、嵌合部が金属製
で一体に形成されるので、機械的強度が大きく耐久性に
優れる。
【0009】ここで、支台歯としては、天然歯、顎部に
埋入された人工歯根等が用いられる。支台歯が天然歯の
場合には、台部の被着し易い形状に所定部を削っておく
と好ましい。これにより、歯冠補綴具の被着安定性を高
め、落ち着きをよくしたり動揺するのを防止することが
できる。
【0010】台部としては、支台歯を覆って元の歯の形
状に近づけるように金属製で形成した冠,冠の表面全体
や一部に陶材やレジン等を付着させた前装冠等の金属
冠、複数の金属冠に橋架されたブリッジ、根面を覆うよ
うに形成された根面板、金属冠やブリッジ等から延設さ
れた延設板等が用いられる。台部等が形成される金属材
料としては、20K白金加金等の金合金、金−パラジウ
ム−銀合金等の銀合金、ニッケル−クロム合金、コバル
ト−クロム合金、チタン合金、金系,パラジウム系,ニ
ッケル系等の陶材焼付用合金(ポーセレンメタル)等の
機械的強度が大きく化学的に安定した材料が用いられ
る。
【0011】嵌合部の形状としては、球状,半球状,砲
弾状,半球状や砲弾状と円筒状を組み合わせた形状等の
先端側に膨出面を有する種々の形状が用いられる。特
に、嵌合部が球状に形成されていると、嵌合部の着脱を
容易にするともに維持力の制御が容易で自由度が高く、
さらに顎の咬合運動の際に発生する垂直方向や水平方向
の力を均一に分散させることができるとともに、粘膜の
沈下等によって回転方向に働く力を嵌合部が支点となっ
て回動して緩衝することができるので好適に用いられ
る。
【0012】軸部としては、円筒状,円柱状,角柱状等
の形状に形成され、嵌合部の外径より細く形成されたも
のが用いられる。これにより、嵌合部を確実に嵌合させ
ることができるとともに、嵌合部の外径や形状によって
脱着時の維持力を容易に制御することができ好ましい。
軸部は台部の立設面に対して直交して形成される。
【0013】請求項2に記載の有床義歯固定具は、
(a)合成樹脂製や合成ゴム製の固定台部と、(b)基
部が顎部に埋入され又は支台歯に被着された台部に固着
された嵌合固定部又は請求項1に記載の嵌合部が、着脱
自在に嵌入される前記固定台部に形成された凹状嵌合部
と、(c)前記凹状嵌合部と同心状に前記固定台部の先
端面に付され前記凹状嵌合部に嵌入される前記嵌合固定
部又は前記嵌合部の脱着時の維持力の目安となる維持力
表示部と、を備えた構成を有している。この構成によ
り、以下のような作用が得られる。 (1)維持力表示部を有しているので、維持力表示部を
目安にして術者が症例に応じて現場で凹状嵌合部の内径
を大きくして維持力を最適に調整することができ、自在
性に優れるとともに容易に装着性を高めることができ
る。 (2)固定台部が合成樹脂製や合成ゴム製で形成され弾
性を有しているので、凹状嵌合部への嵌合部等の着脱時
や咬合時に凹状嵌合部が変形し、着脱を容易にするとと
もに咬合による垂直運動及び水平運動を緩衝し安定性を
高めることができ、さらに凹状嵌合部の内壁の切削が容
易で維持力の最適化が容易である。
【0014】ここで、固定台部の材質としては、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリカーボ
ネート,メタクリル樹脂,EPDMやポリウレタン系等
の熱可塑性エラストマー,アクリル樹脂,シリコーン樹
脂,シリコーンゴム等の弾性を有する合成樹脂製や合成
ゴム製が用いられる。固定台部の形状としては、角柱
状、円筒状、截頭角錐状、截頭円錐状やそれらを組み合
わせたもの等の種々の形状が用いられる。特に、截頭角
錐状、截頭円錐状等のように先端面に向かって幅狭に形
成すると、レジン等の接着剤を用いて義歯床に埋入した
際に抜け止め力が働き、維持力が高まるため好ましい。
さらに、固定台部の外側面に嵌合部等が凹状嵌合部に着
脱する方向と略直交する凹溝を形成すると、義歯床に埋
入した際に凹溝にレジン等の接着剤が食い込み、義歯床
から固定台部が脱落し難く維持力がより高まるため好ま
しい。
【0015】凹状嵌合部としては、固定台部の内部に形
成され嵌合部又は嵌合固定部が収納される空洞部と、空
洞部と連通して固定台部の先端面で開口する嵌入孔部
と、を備えたものが用いられる。空洞部としては、内径
が嵌合部等の外径と略同一の大きさに形成され、深さが
嵌合部等の厚みと略同一かそれ以上の大きさに形成され
る。空洞部を嵌合部等の厚み以上の深さに形成すると、
空洞部内で嵌合部等を移動自在にすることができ、有床
義歯固定具が固定された有床義歯の義歯床が食物を咀嚼
するとき等に沈み込むのに対応させることができ、ま
た、未咬合時には義歯床を口内の粘膜から離して保持す
ることができる等自在性が高まるため好ましい。嵌入孔
部としては、内径が嵌合部等の外径よりも小さく形成さ
れたものが用いられる。これにより、嵌合部等の脱着時
には、嵌入孔部の開口縁部が嵌合部等が容易に脱着され
るのを防止し維持力が発生する。
【0016】維持力表示部としては、凹状嵌合部の外周
の固定台部の先端面に同心状に1乃至複数の線状,点
状,模様状等の表示が印刷、刻印、若しくは凸状や溝状
に形成、又は描画等して付されたものが用いられる。空
洞部の内径を固定台部の先端面に投影して得られる維持
力表示部は維持力0gの目安となり、維持力表示部の表
示位置を嵌入孔部に近づけるにつれて大きな維持力の目
安にすることができる。嵌入孔部を内径が大きくなるよ
うに切削するにつれて、嵌合部等が容易に脱着し維持力
が小さくなるからである。従って、凹状嵌合部に嵌入さ
れた嵌合部等を脱着するときの維持力と嵌入孔部の内径
の大きさとの関係を調べることにより、維持力表示部の
位置の設定を容易に行うことができる。なお、維持力表
示部が表示する維持力の範囲としては、0〜500gが
好適に用いられる。健全な鉤歯(支台歯)1歯当りの維
持力の負担能力は350〜500gとされているからで
ある、
【0017】嵌合固定部としては、球状,半球状,砲弾
状,半球状や砲弾状と円筒状を組み合わせた形状等の先
端側に膨出面を有する種々の形状に形成され凹状嵌合部
に嵌入される頭部を備えたもの(例えば、特開2001
−170081号、特開昭58−92348号公報に記
載のもの)が用いられ、必要に応じて頭部に固着又は一
体形成されたネック部を備えたものも用いることができ
る。なお、台部としては、請求項1で説明したものと同
様のものなので、説明を省略する。
【0018】請求項3に記載の発明は、(a)合成樹脂
製や合成ゴム製の固定台部と、(b)基部が顎部に埋入
され又は支台歯に被着された台部に固着された嵌合固定
部又は請求項1に記載の嵌合部が、着脱自在に嵌入され
る前記固定台部に形成された凹状嵌合部と、前記凹状嵌
合部が前記固定台部の先端面で開口して複数形成され、
前記固定台部の前記先端面の前記凹状嵌合部間に形成さ
れ前記固定台部の外側面で開口するスリット部と、を備
えた構成を有している。この構成により、以下のような
作用が得られる。 (1)固定台部の先端面で開口する凹状嵌合部が複数形
成されているので、複数の嵌合部等を凹状嵌合部に嵌入
して固定することができ、安定性をより高めることがで
きる。 (2)スリット部が形成された凹状嵌合部間の固定台部
は薄く、また合成樹脂製や合成ゴム製で形成した場合
は、スリット部で固定台部を容易に切り離すことがで
き、術者が現場で症例に応じて1乃至複数の凹状嵌合部
を有する有床義歯固定具を作成することができ自在性に
優れる。 (3)スリット部は固定台部の外側面で開口しているの
で、義歯床に埋入する場合、レジン等の接着剤がスリッ
ト部内にも充填されてアンカー効果が付与され、抜け止
め力が働き維持力を高めることができる。
【0019】ここで、スリット部としては、固定台部の
高さに対し1/3〜9/10好ましくは1/2〜4/5
の深さで形成されると好ましい。スリット部の深さが固
定台部の高さに対し1/2より小さくなるにつれ切断し
難くなるとともにスリット傾向がみられ、4/5より大
きくなるにつれスリット部の形成された固定台部の機械
的強度が小さく破損し易くなる傾向がみられるため好ま
しくない。特に、スリット部の深さが固定台部の高さに
対し1/3より小さくなるか9/10より大きくなる
と、これらの傾向が著しくなるためいずれも好ましくな
い。なお、スリット部の内壁面を傾斜させて固定台部の
基部に向かって幅狭に形成すると、固定台部を切り離し
た場合でも、義歯床に埋入した際にレジン等の接着剤で
抜け止め力が働き維持力が高まるため好ましい。さら
に、スリット部の内壁面に凹状嵌合部と略直交する凹溝
を形成すると、義歯床に埋入した際に凹溝に接着剤が食
い込み維持力がより高まるため好ましい。固定台部、凹
状嵌合部は請求項2で説明したものと同様のものなの
で、説明を省略する。
【0020】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
2又は3に記載の有床義歯固定具であって、前記固定台
部が、前記凹状嵌合部と連通し前記固定台部の前記先端
面及び外側面で開口する溝部を備えた構成を有してい
る。この構成により、請求項2又は3で得られる作用に
加え、以下のような作用が得られる。 (1)歯冠補綴具等の軸部やネック部等を溝部に位置す
る状態にして、軸部等を溝部に通過させつつ嵌合部等を
凹状嵌合部に嵌入することができるので、口内や支台歯
に様々な角度で固定された嵌合部等と有床義歯固定具と
を自在に着脱することができ自在性に優れる。
【0021】ここで、溝部の長さ(固定台部の外側面か
ら凹状嵌合部までの距離)としては、軸部やネック部の
長さよりやや短めか略同一に形成される。これにより、
軸部やネック部を溝部に通過させて嵌合部等を凹状嵌合
部に確実に嵌入させることができる。溝部の幅として
は、軸部やネック部の太さと同一乃至嵌合部や嵌合固定
部の外径よりも小さな幅に形成することができる。これ
により、凹状嵌合部に嵌入された嵌合部や嵌合固定部が
溝部から脱着することなく安定して凹状嵌合部内に保持
されるとともに、嵌合部等の脱着時の維持力が凹状嵌合
部の大きさのみに依存するので維持力の制御が容易であ
る。
【0022】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
2乃至4の内いずれか1に記載の有床義歯固定具であっ
て、前記固定台部が、前記凹状嵌合部が開口する前記先
端面に形成された嵌入孔部及び/又は前記溝部の、外表
面を拡径するガイド部を備えた構成を有している。この
構成により、請求項2乃至4の内いずれか1で得られる
作用に加え、以下のような作用が得られる。 (1)凹状嵌合部は嵌入孔部の内径が嵌合部や嵌合固定
部の外径より小さく形成されているので嵌入し難いが、
ガイド部を有しているので、嵌合部等を凹状嵌合部や溝
部へ容易に嵌入させることができ、有床義歯固定具が固
定された有床義歯を口内へ容易に装着させることができ
る。
【0023】ここで、ガイド部としては、固定台部の先
端面に形成された嵌入孔部や溝部の開口縁部の角部を除
去するようにすり鉢状等に形成された傾斜面が用いられ
る。
【0024】本発明の請求項6に記載の有床義歯は、請
求項2乃至5の内いずれか1に記載の1乃至複数個の有
床義歯固定具と、前記有床義歯固定具が所定部に埋入固
定された義歯床と、を備えた構成を有している。この構
成により、以下のような作用が得られる。 (1)口内に固定された嵌合部や嵌合固定部と着脱自在
な有床義歯固定具が埋入固定された義歯床を備えている
ので、口内への着脱が容易である。 (2)有床義歯固定具が義歯床に埋入固定され継ぎ目が
なく部品点数も少ないので、口臭や炎症等の原因となる
食べ物のカス等が詰まり難く清潔性に優れる。 (3)有床義歯固定具が義歯床に埋入固定されているの
で、口内に装着すると口内に固定された嵌合部や嵌合固
定部が義歯床に隠れ外観に優れる。 (4)義歯床は容易に加工できるので、有床義歯固定具
の弾性等が劣化し違和感を生じ装着性が低下した場合
は、義歯床や接着剤を切削して古い有床義歯固定具だけ
を取り出し新しいものと交換することができ、義歯床全
体を新たに作り直すコストと手間を要さず患者への負担
が小さい。
【0025】ここで、有床義歯固定具が埋入固定される
所定部としては、口内に固定された嵌合部や嵌合固定部
に対応する位置が用いられる。嵌合部等に対応する位置
であれば、有床義歯固定具は義歯床の1乃至複数箇所に
固定することができる。有床義歯固定具の義歯床への固
定方法としては、嵌合部や嵌合固定部に対応する義歯床
の位置に有床義歯固定具の外形よりもやや大きめの埋入
用孔部を形成し、次いで有床義歯固定具を埋入用孔部に
挿入した後レジン等の接着剤を使用して埋入用孔部と有
床義歯固定具との隙間を充填し固定するのが好ましい。
嵌合部や嵌合固定部と有床義歯固定具との位置関係を確
認しながら、義歯床の正確な位置に有床義歯固定具を固
定できるからである。
【0026】本発明の請求項7に記載の有床義歯は、
(a)合成樹脂製又は合成ゴム製の固定台部と、(b)
基部が顎部に埋入され又は支台歯に被着された台部に固
着された嵌合固定部又は請求項1に記載の嵌合部が、着
脱自在に嵌入され前記固定台部の先端面で開口して終端
部が閉塞する空洞部を有する凹状嵌合部と、を備えた有
床義歯固定具と、前記凹状嵌合部に嵌入された前記嵌合
固定部又は前記嵌合部が、咬合時には前記空洞部の終端
部に当接し未咬合時には前記空洞部内で移動自在な深さ
に前記有床義歯固定具が埋入固定された義歯床と、を備
えた構成を有している。この構成により、以下のような
作用が得られる。 (1)口内に固定された嵌合固定部や嵌合部が未咬合時
には空洞部内で移動自在な深さに有床義歯固定具が義歯
床に埋入固定されているので、義歯床が口内の粘膜を圧
迫して患者に不快感を与えることがなく快適な装着感が
得られる。
【0027】ここで、凹状嵌合部が備える空洞部として
は、長さが嵌合固定部又は嵌合部の厚みよりも長く形成
される。また、空洞部の長手方向と略直交する断面形状
が、嵌合固定部又は嵌合部の断面形状と略同一に形成さ
れ嵌合固定部又は嵌合部が移動自在にされる。なお、固
定台部、嵌合固定部、凹状嵌合部のその他の構成として
は、請求項2で説明したものと同様のものなので、説明
を省略する。
【0028】本発明の請求項8に記載の歯冠補綴具の製
造方法は、支台歯の印象をとり陽型を作成する陽型作成
工程と、前記陽型作成工程で作成された陽型上に前記支
台歯に被着される台部の型を蝋で作成した後、蝋製嵌合
部が固着又は一体形成された蝋製軸部を前記型の所定部
に固着し補綴型を作成する補綴型作成工程と、前記補綴
型作成工程で作成された前記補綴型を埋没材に埋没させ
て鋳型を作成する鋳型作成工程と、前記鋳型作成工程で
作成された前記鋳型に溶融金属を注入する鋳造工程と、
を備えた構成を有している。この構成により、以下のよ
うな作用が得られる。 (1)補綴型作成工程を有しているので、台部の所望す
る位置に角度、大きさ、数量等を任意に選択して軸部及
び嵌合部を形成することができ設計の自由度が大きく、
症例に応じ術者の創意応用を十分に生かすことができ自
在性に優れる。 (2)鋳造工程を有しているので、歯冠補綴具を金属製
で一体に形成することができ機械的強度に優れる。 (3)歯冠補綴具を作成する従来の設備や材料等をその
まま用いることができるとともに、台部,軸部及び嵌合
部を蝋製で作成するので、設備負荷を要しないとともに
コスト性に優れる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、
図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1における歯冠補綴
具が支台歯に被着された状態を示す要部断面図であり、
図2は実施の形態1における有床義歯固定具の要部断面
図及び底面図であり、図3は有床義歯固定具の埋入固定
された有床義歯が歯冠補綴具に固定された状態を示す要
部断面図である。図1において、1は実施の形態1にお
ける歯冠補綴具、2は顎骨や歯肉、粘膜等からなり天然
歯が植立する顎部、3は顎部2に植立する大臼歯等の天
然歯からなる支台歯、4は20K白金加金等の金合金、
金−パラジウム−銀合金等の銀合金等の金属製で略平板
状に形成され天然歯の歯冠を切削して形成された支台歯
3の根面と歯髄腔に被着された根面板からなる台部、
4’は台部4の咬合方向と直交して平面状に形成され軸
部が立設される立設面、5は基部が台部4と一体に立設
面4’に形成され支台歯3の植立方向と略平行に立設さ
れた円柱状等の柱状軸部、6は軸部5の他端部と一体に
形成され外径が軸部5の外径よりも大きく形成された球
状の嵌合部である。
【0030】図2において、10は実施の形態1におけ
る有床義歯固定具、11は基部が略正方形状の略直方状
と先端面11´に向かって幅狭の截頭四角錐状とが組み
合わされてポリエチレン,ポリプロピレン等の合成樹脂
製等で形成された固定台部、12は固定台部11の先端
面11´に形成された凹状嵌合部、13は円柱状に形成
された凹状嵌合部12の空洞部、14は筒状空洞部13
が閉塞し半球状に形成された空洞部13の終端部、15
は空洞部13と連通して固定台部11の先端面11´で
開口する円形状に形成された凹状嵌合部12の嵌入孔
部、16は空洞部13の一端が縮径して嵌入孔部15を
形成する凹状嵌合部12の開口縁部、17は凹状嵌合部
12の嵌入孔部15と同心円状に固定台部11に溝状で
線状に付された維持力表示部である。17aは空洞部1
3の内径を固定台部11に投影して得られた維持力0g
の目安となる維持力表示部、17bは嵌入孔部15と維
持力表示部17aとの略中間部に付された維持力表示部
である。本実施の形態においては、空洞部13,嵌入孔
部15,開口縁部16を有する凹状嵌合部12に、歯冠
補綴具1の嵌合部6を嵌合したときの維持力が約500
gになるように固定台部11の材質、開口縁部16の厚
み、嵌入孔部15の内径の大きさ等が設定されており、
維持力表示部17bは維持力が約350gになるように
設定されている。維持力表示部17は空洞部13の内径
を最大径とし、球状の嵌合部6の軸部5を最小径として
その間を等分に1乃至数個円を描いて表示したもので、
最大径で維持力が0、最小径で最大、その間の1乃至数
個の円で維持力を表現したもの、であればよい。18は
固定台部11の基部側の外側面に全周にわたって断面が
矩形溝状に形成された凹溝である。
【0031】図3において、20は実施の形態1におけ
る有床義歯、21は人工歯(図示しない)が植立され床
用レジン等で形成された義歯床、22は義歯床21に有
床義歯固定具10の固定台部11よりもやや大きめの矩
形状に穿設された埋入孔、23は埋入孔22に埋入され
た有床義歯固定具10を固定する埋入孔22に充填され
たレジン等の接着剤である。本実施の形態においては、
有床義歯固定具10の凹状嵌合部12の深さ(固定台部
11の先端から終端部14までの距離)は、歯冠補綴具
1の軸部5の基部から嵌合部6の先端までの高さ
(l1)と同一かやや深めに形成されており、有床義歯
固定具10の空洞部13の長さ(l2)は、歯冠補綴具
1の嵌合部6の高さ(l3)よりも長めに形成されてい
る。また、有床義歯固定具10は、義歯床21の表面が
顎部2に当接したときに、有床義歯固定具10の先端面
11´が歯冠補綴具1の台部4に当接するような深さで
義歯床21に埋入固定されている。
【0032】以上のように構成された本実施の形態1の
歯冠補綴具及び有床義歯固定具について、以下その使用
方法を説明する。まず、所定部を切削して適当な形状に
加工した支台歯3に歯冠補綴具1の台部4を歯科用セメ
ント等で被着する。歯冠補綴具1は1乃至複数箇所に被
着することができる。次いで、支台歯3に被着された歯
冠補綴具1と略対応する位置に埋入孔22を有床義歯固
定具10の高さよりもやや深く形成し、埋入孔22の底
部にレジン等の接着剤を少量塗布する。次いで、埋入孔
22に塗布した接着剤の上に有床義歯固定具10を置い
て有床義歯固定具10を埋入孔22に仮固定した後、接
着剤が硬化しないうちに有床義歯20を患者の口内の顎
部2に装着するとともに咬合させて、有床義歯固定具1
0の凹状嵌合部12に歯冠補綴具1の嵌合部6を嵌合さ
せる。埋入孔22に塗布した接着剤23が硬化して有床
義歯固定具10が埋入孔22に完全に固定された後、咬
合するのをやめて有床義歯固定具10の凹状嵌合部12
から歯冠補綴具1の嵌合部6を脱着して有床義歯20を
患者の口内の顎部2から取り外す。次いで、埋入孔22
と有床義歯固定具10の固定台部11との隙間にレジン
等の接着剤23を充填し硬化させ、有床義歯固定具10
を義歯床21に形成された埋入孔22に完全に埋入固定
する。有床義歯20の維持力は、固定台部11に付され
た維持力表示部17a,17bを目安に、患者の症例に
応じ歯科用研削器等を用いて開口縁部16を切削して嵌
入孔部15の内径を大きくすることで調整する。この維
持力の調整は、有床義歯固定具10を義歯床21に固定
した後、固定する前のいずれでも行うことができる。
【0033】以上のように本実施の形態1の歯冠補綴
具、有床義歯固定具及び有床義歯は構成されているの
で、以下のような作用が得られる。 (1)歯冠補綴具は、支台歯に被着される台部、軸部、
嵌合部が一体に形成されるので、術者の創意応用によっ
て自在な形状に形成することができ自在性に優れ、その
ため種々の症例に適用可能である。 (2)歯冠補綴具は、支台歯に被着される台部、軸部、
嵌合部が金属製で一体に形成されるので、機械的強度が
大きく耐久性に優れる。 (3)有床義歯固定具が維持力表示部を有しているの
で、維持力表示部を目安にして術者が症例に応じて現場
で凹状嵌合部の内径を大きくして維持力を最適に調整す
ることができ、自在性に優れるとともに容易に装着性を
高めることができる。 (4)有床義歯固定具の固定台部が合成樹脂や合成ゴム
で形成され弾性を有しているので、凹状嵌合部への嵌合
部等の着脱時や咬合時に凹状嵌合部が変形し、着脱を容
易にするとともに咬合による垂直運動及び水平運動を緩
衝し安定性を高めることができ、さらに凹状嵌合部の内
壁の切削が容易で維持力の最適化が容易である。 (5)有床義歯固定具の固定台部が先端面に向かって幅
狭に形成されているので、レジン等の接着剤を用いて義
歯床に埋入した際に抜け止め力が働き、維持力を高める
ことができる。 (6)有床義歯固定具の固定台部の外側面に嵌合部等が
凹状嵌合部に着脱する方向と略直交する凹溝が形成され
ているので、義歯床に埋入した際に凹溝にレジン等の接
着剤が食い込み、義歯床から固定台部が脱落し難く維持
力をより高めることができる。 (7)有床義歯固定具の凹状嵌合部の深さ(固定台部の
先端面から終端部までの距離)は、歯冠補綴具の軸部の
基部から嵌合部の先端までの高さ(l1)と同一かやや
深めに形成されており、空洞部の長さ(l2)は、歯冠
補綴具の嵌合部の高さ(l3)よりも長めに形成されて
おり、さらに、有床義歯固定具は、義歯床の表面が顎部
に当接したときに、有床義歯固定具の先端面が歯冠補綴
具の台部に当接するような深さで義歯床に埋入固定され
ているので、未咬合時には空洞部内で嵌合部が移動自在
になり、有床義歯の義歯床が口内の粘膜を圧迫して患者
に不快感を与えることがなく快適な装着感が得られる。 (8)有床義歯の義歯床に歯冠補綴具の嵌合部と着脱自
在な有床義歯固定具が埋入固定されているので、口内へ
の着脱が容易である。 (9)有床義歯は、有床義歯固定具が義歯床に埋入固定
され継ぎ目がなく部品点数も少ないので、口臭や炎症等
の原因となる食べ物のカス等が詰まり難く清潔性に優れ
る。 (10)有床義歯は、有床義歯固定具が義歯床に埋入固
定されているので、口内に装着すると口内に固定された
嵌合部や嵌合固定部が義歯床に隠れ外観に優れる。 (11)有床義歯の義歯床は容易に加工できるので、有
床義歯固定具の弾性等が劣化し装着性が低下した場合
は、接着剤や義歯床を切削して古い有床義歯固定具だけ
を取り出し新しいものと交換することができ、義歯床全
体を新たに作り直すコストと手間を要さず患者への負担
が小さい。
【0034】なお、本実施の形態においては、支台歯3
が天然歯である場合について説明したが、顎部2に埋入
された人工歯根等の場合も同様である。また、有床義歯
固定具10は、支台歯3に被着された台部4を有する歯
冠補綴具1の嵌合部6が嵌合される場合について説明し
たが、基部が顎部2に埋入され又は支台歯3に被着され
た台部に固着された嵌合固定部を嵌合することもでき
る。この場合も同様の作用が得られる。
【0035】次に、歯冠補綴具の製造方法について、図
面を参照しながら説明する。図4は実施の形態1におけ
る歯冠補綴具を製造する補綴型作成工程を説明する補綴
型の要部断面図であり、図5は歯冠補綴具を製造する鋳
造工程を説明する要部断面図である。なお、図1乃至図
3で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説
明を省略する。図4において、30は歯冠補綴具1の補
綴型、31は支台歯3の印象をとり作成された陽型、3
2は陽型31上に蝋で形成された蝋製台部、33は蝋製
台部32の所定部に形成された軸装着用凹部、34は蝋
で形成され軸装着用凹部33に固着された蝋製軸基部、
35は蝋製軸基部34と一体に形成された蝋製軸部、3
6は蝋製軸部35と一体の球状に形成された蝋製嵌合部
である。図5において、40は歯冠補綴具1の耐熱性を
有する埋没材40aに補綴型30が埋没された鋳型、4
1は湯道42に20K白金加金等の金合金、金−パラジ
ウム−銀合金等の銀合金等の溶融金属を導くために形成
された湯口、42は補綴型30の収納部と連通して形成
された湯道である。
【0036】陽型作成工程において、図4に示すよう
に、支台歯3の印象をとり陽型31を作成する。次い
で、補綴型作成工程において、陽型31上に支台歯3に
被着される台部4の蝋製台部32を作成した後、蝋製嵌
合部36が一体形成された蝋製軸部35の蝋製軸基部3
4を軸装着用凹部33に固着し補綴型30を作成する。
次いで、鋳型作成工程において、図5に示すように、補
綴型30を埋没材40aに埋没させるとともに湯道42
と湯口41とを作成し、補綴型30が埋没された鋳型4
0を作成する。次に、鋳型40を加熱炉内で補綴型30
を形成している蝋が焼失する温度以上に昇温して、補綴
型30に相当する空洞を鋳型40内に形成する。次い
で、鋳造工程において、遠心鋳造や真空加圧鋳造等の方
法を用いて湯口41から溶融金属を注ぎ、鋳型40に埋
没された補綴型30に相当する空洞に金属で形成された
歯冠補綴具1を作成する。
【0037】以上のように本実施の形態の歯冠補綴具の
製造方法は構成されているので、以下のような作用が得
られる。 (1)補綴型作成工程を有しているので、台部の所望す
る位置に角度、大きさ、数量等を任意に選択して軸部及
び嵌合部を形成することができ設計の自由度が大きく、
症例に応じ術者の創意応用を十分に生かすことができ自
在性に優れる。 (2)鋳造工程を有しているので、歯冠補綴具を金属製
で一体に形成することができ機械的強度に優れる。 (3)歯冠補綴具を作成する従来の設備や材料等をその
まま用いることができるとともに、台部,軸部及び嵌合
部を蝋製で作成するので、設備負荷を要しないとともに
コスト性に優れる。
【0038】(実施の形態2)図6は実施の形態2にお
ける歯冠補綴具が支台歯に被着された状態を示す要部断
面図であり、図7(a)は実施の形態2における有床義
歯固定具の正面図であり、図7(b)は実施の形態2に
おける有床義歯固定具の要部側面図及び底面図であり、
図8は有床義歯固定具が埋入固定された有床義歯が歯冠
補綴具に固定された状態を示す要部断面図である。な
お、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同様
の符号を付して説明を省略する。図6,図8において、
1aは実施の形態2における歯冠補綴具、4aは20K
白金加金等の金合金、金−パラジウム−銀合金等の銀合
金等の金属製で冠状に形成され前歯や小臼歯等の天然歯
の歯冠の一部を切削して形成された支台歯3に被着され
た金属冠からなる台部、4bは台部4aの側面に咬合方
向と略平行する平面状に形成された当接平面、5aは基
部が当接平面4bと一体に形成され当接平面4bと略直
交して立設された円柱状の軸部である。
【0039】図2,図7,図8において、10aは実施
の形態2における有床義歯固定具、11aはポリエチレ
ン,ポリプロピレン等の合成樹脂製等で形成された固定
台部である。固定台部11aは、溝部43(後述する)
側に向かって幅狭の略直方体状に形成された基台部19
aと、截頭四角錐状に形成された先端部19bとを組み
合わせた形状を有しており、先端部19bは凹状嵌合部
12の上部側に相当する位置で開始されている。43は
凹状嵌合部12の空洞部13と連通し固定台部11aの
先端面11a´及び一の外側面で開口し軸部5aの外径
よりも幅広に形成された溝部、44は開口縁部16を残
して嵌入孔部15を拡径するすり鉢状に先端面11a´
に形成されたガイド部、44aは溝部43の固定台部1
1aの先端面11a´における開口部を拡径(軸部5a
をガイド)する軸部ガイド部である。本実施の形態にお
いては、有床義歯固定具10aの空洞部13の長さ(l
4)は、歯冠補綴具1aの嵌合部6の高さ(l5)よりも
長めに形成されており、有床義歯固定具10aは、義歯
床21の表面が顎部2又は歯冠補綴具1aの台部4aに
当接したときに、歯冠補綴具1aの嵌合部6が凹状嵌合
部12の終端部14に当接するような深さで義歯床21
に埋入固定されている。また、有床義歯固定具10aの
基台部19aが歯冠補綴具1aの台部4aの当接平面4
bに当接し、先端部19bの壁面が台部4aと角度αに
相当する隙間を形成するように埋入固定されている。α
としては0.5°〜45°好ましくは1〜30°の角度
とされる。角度が1°よりも小さくなるにつれ自由度が
減少し、また30°よりも大きくなるにつれガタツキを
生じ易くなる傾向があり、特に0.5°未満もしくは4
5°よりも大きいとこの傾向が著しい。尚、本実施の形
態では5°〜12°に形成した。
【0040】以上のように構成された本実施の形態2の
歯冠補綴具及び有床義歯固定具の使用方法は、実施の形
態1で説明したものとほぼ同様のものなので、説明を省
略する。以上のように構成された実施の形態2における
歯冠補綴具が実施の形態1と異なる点は、軸部5aが支
台歯3の植立方向と略直交して立設されている点であ
る。また、本実施の形態2における有床義歯固定具が実
施の形態1と異なる点は、凹状嵌合部12と連通し固定
台部11aの先端面11a´及び外側面で開口する溝部
43が形成されている点、先端面11a´に開口縁部1
6を残して嵌入孔部15及び溝部43を拡径するガイド
部44,軸部ガイド部44aが形成されている点であ
る。また、本実施の形態2における有床義歯が実施の形
態1と異なる点は、有床義歯固定具10aの基台部19
aが歯冠補綴具1aの台部4aの当接平面4bに当接
し、先端部19bの壁面が当接平面4bと角度αに相当
する隙間を形成するように埋入固定されている点であ
る。
【0041】以上のように本実施の形態2の歯冠補綴
具、有床義歯固定具及び有床義歯は構成されているの
で、実施の形態1で得られる作用に加え、以下のような
作用が得られる。 (1)有床義歯固定具が溝部を有しているので、歯冠補
綴具の軸部を溝部に位置する状態にして、軸部を溝部に
通過させつつ嵌合部を凹状嵌合部に嵌入することができ
るので、口内や支台歯に様々な角度で固定された嵌合部
と有床義歯固定具とを自在に着脱することができ自在性
に優れる。 (2)有床義歯固定具がガイド部や溝部ガイド部を有し
ているので、嵌合部等を凹状嵌合部や溝部へ容易に嵌入
させることができ、有床義歯固定具が固定された有床義
歯を口内へ容易に装着させることができる。 (3)有床義歯固定具の固定台部が基台部と凹状嵌合部
の上部側に相当する位置から幅狭に形成された先端部と
を有しており、先端部の壁面が当接平面と角度αに相当
する隙間を形成するように埋入固定されているので、咬
合時の顎部の粘膜の沈下等によって有床義歯が回動しよ
うとするのを、角度αに相当する隙間の分だけ嵌合部を
支点として凹状嵌合部が回動して妨げないので、違和感
なく咬合できるとともに歯冠補綴具が被着された支台歯
には横方向の力が加圧され難く支台歯が動揺したり抜歯
されたりするのを防止することができる。 (4)有床義歯固定具の基台部が歯冠補綴具の台部の当
接平面に当接するように有床義歯に埋入固定されている
ので、粘着性を有する食物を咬合したとき等に義歯床が
顎部の粘膜から離れる方向に回動しようとするのを台部
が阻止し安定性に優れる。 (5)有床義歯固定具の固定台部の基台部が溝部に向か
って幅狭に形成されているとともに、先端部も幅狭に形
成されているので、レジン等の接着剤を用いて義歯床に
埋入した際に抜け止め力が働き、維持力を高めることが
できる。 (6)有床義歯固定具の空洞部の長さ(l4)は、歯冠
補綴具の嵌合部の高さ(l5)よりも長めに形成されて
おり、有床義歯固定具は、義歯床の表面が顎部又は歯冠
補綴具の台部に当接したときに、歯冠補綴具の嵌合部が
凹状嵌合部の終端部に当接するような深さで義歯床に埋
入固定されているので、未咬合時には空洞部内で嵌合部
が移動自在になり、有床義歯の義歯床が口内の粘膜を圧
迫して患者に不快感を与えることがなく快適な装着感が
得られる。
【0042】なお、本実施の形態においては、台部4の
当接平面4bが咬合方向と略平行する平面状に形成され
た場合について説明したが、症例によっては当接平面4
bを咬合方向と略平行以外の種々の角度を有するように
形成する場合もある。また、有床義歯固定具に嵌合され
るものとして、嵌合部が一体形成された歯冠補綴具を用
いる場合について説明したが、基部が顎部に埋入され又
は支台歯に被着された台部に固着された嵌合固定部を有
し市販等されているものを用いることもできる。
【0043】(実施の形態3)図9は実施の形態3にお
ける歯冠補綴具の要部断面図であり、図10は実施の形
態3の他の応用例を示す歯冠補綴具の要部断面図であ
り、図11は実施の形態3における有床義歯固定具の要
部断面図であり、図12は実施の形態3における歯冠補
綴具が支台歯に被着された顎部の要部模式図であり、図
13は実施の形態3における有床義歯と歯冠補綴具との
嵌合の様子を示す要部断面模式図である。なお、実施の
形態1で説明したものと同様のものは、同様の符号を付
して説明を省略する。図9において、1bは実施の形態
3における歯冠補綴具、5bは基部が台部4と一体に形
成され支台歯3の植立方向と略平行に複数立設された円
柱状の軸部である。図10において、1cは実施の形態
3の他の応用例である歯冠補綴具、4cは支台歯3に被
着された金属冠と金属冠から板状に延出した延設部とか
らなる台部、5cは基部が台部4cと一体に形成され支
台歯3の植立方向と略平行に複数立設された円柱状の軸
部である。台部4cが延設部を有しているので台部を大
きくすることができ、支台歯3が外径の小さな側切歯等
の場合に軸部5cを複数立設させるような場合に適して
いる。図11において、10bは実施の形態3における
有床義歯固定具、11bは基部が略長方形状に形成され
た基台部19cと先端面11b´に向かう截頭四角錐状
に形成された先端部19dとがポリエチレン,ポリプロ
ピレン等の合成樹脂製等で一体に形成された固定台部、
12aは固定台部11bの先端面11b´に複数形成さ
れた凹状嵌合部、45は凹状嵌合部12a間の先端面1
1b´に固定台部11bの高さに対し1/3〜9/10
の深さで形成され固定台部11bの外側面で開口してい
るスリット部、46は固定台部11bの基部に向かって
幅狭に傾斜して形成されたスリット部45の内壁面、4
7は固定台部11bの外側面及び内壁面46の全周にわ
たって固定台部11bの基部側に矩形溝状に形成された
凹溝である。図12、図13において、48は顎部とし
ての上顎部であり、上顎部48に植立する大臼歯等の支
台歯3に歯冠補綴具1bが被着されている。なお、本実
施の形態においては、歯冠補綴具1bが、2つの嵌合部
6,6を結ぶ線が上顎部48の対向する隆起部48aに
向いて支台歯3に被着されている。49は上顎部48に
装着された有床義歯であり、上顎部48の歯冠補綴具1
bに対応する義歯床49aの所定位置に有床義歯固定具
10bが埋入固定されている。
【0044】以上のように構成された本実施の形態3の
歯冠補綴具、有床義歯固定具及び有床義歯の使用方法
は、実施の形態1で説明したものとほぼ同様のものなの
で、説明を省略する。以上のように構成された実施の形
態3における歯冠補綴具が実施の形態1と異なる点は、
軸部が台部に複数立設されている点である。また、本実
施の形態3における有床義歯固定具が実施の形態1と異
なる点は、軸部が嵌合される凹状嵌合部が複数形成され
ている点と、凹状嵌合部12a間の先端面11b´に固
定台部11bの外側面で開口するスリット部45が形成
されている点である。
【0045】以上のように本実施の形態3の歯冠補綴
具、有床義歯固定具及び有床義歯は構成されているの
で、実施の形態1で得られる作用に加え、以下のような
作用が得られる。 (1)有床義歯固定具の固定台部の先端面で開口する凹
状嵌合部が複数形成されているので、複数の嵌合部等を
凹状嵌合部に嵌入して固定することができ、安定性をよ
り高めることができる。 (2)歯冠補綴具の2つの嵌合部を結ぶ線が上顎部の対
向する隆起部に向いて支台歯に被着されているととも
に、歯冠補綴具に対応する有床義歯の義歯床の所定位置
に複数の凹状嵌合部が形成された有床義歯固定具が埋入
固定されているので、安定性が高められ、咬合時に働く
回転方向の力(図13の矢印方向に働く力)によって歯
冠補綴具が固定されていない顎部の隆起部から義歯床が
離れ易くなるのを防止することができ安定性に優れる。 (3)有床義歯固定具のスリット部が形成された凹状嵌
合部間の固定台部は薄く、また弾性材料で形成されてい
るので、スリット部で固定台部を容易に切り離すことが
でき、術者が現場で症例に応じて1乃至複数の凹状嵌合
部を有する有床義歯固定具を作成することができ自在性
に優れる。 (4)有床義歯固定具のスリット部は固定台部の外側面
で開口しているので、義歯床に埋入する場合、レジン等
の接着剤がスリット部内にも充填されてアンカー効果が
付与され、抜け止め力が働き維持力が高められる。 (5)有床義歯固定具のスリット部が、固定台部の高さ
に対し1/3〜9/10の深さで形成されているので、
切断し易く、かつ、スリット部の形成された固定台部の
機械的強度が大きく破損し難い。
【0046】なお、本実施の形態においては、顎部に1
つの歯冠補綴具が配設固定された場合について説明した
が、患者の症例に応じて複数の歯冠補綴具を配設固定す
る場合もある。また、有床義歯固定具に溝部が形成され
る場合もある。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の歯冠補綴具、有
床義歯固定具及びそれを備えた有床義歯、並びに歯冠補
綴具の製造方法によれば、以下のような有利な効果が得
られる。請求項1に記載の発明によれば、 (1)支台歯に被着される台部、軸部、嵌合部が一体に
形成されるので、術者の創意応用によって自在な形状に
形成することができ自在性に優れ、そのため種々の症例
に適用可能な歯冠補綴具を提供することができる。 (2)支台歯に被着される台部、軸部、嵌合部が金属製
で一体に形成されるので、機械的強度が大きく耐久性に
優れた歯冠補綴具を提供することができる。
【0048】請求項2に記載の発明によれば、 (1)維持力表示部を有しているので、維持力表示部を
目安にして術者が症例に応じて現場で凹状嵌合部の内径
を大きくして維持力を最適に調整することができ、自在
性に優れるとともに容易に装着性を高めることができる
有床義歯固定具を提供することができる。 (2)固定台部が合成樹脂製や合成ゴム製で形成され弾
性を有しているので、凹状嵌合部への嵌合部等の着脱時
や咬合時に凹状嵌合部が変形し、着脱を容易にするとと
もに咬合による垂直運動及び水平運動を緩衝し安定性を
高めることができ、さらに凹状嵌合部の内壁の切削が容
易で維持力の最適化が容易な有床義歯固定具を提供する
ことができる。
【0049】請求項3に記載の発明によれば、 (1)固定台部の先端面で開口する凹状嵌合部が複数形
成されているので、複数の嵌合部等を凹状嵌合部に嵌入
して固定することができ、安定性をより高めることがで
きる有床義歯固定具を提供することができる。 (2)スリット部が形成された凹状嵌合部間の固定台部
は薄く、また合成樹脂製や合成ゴム製で形成されている
ので、スリット部で固定台部を容易に切り離すことがで
き、術者が現場で症例に応じて1乃至複数の凹状嵌合部
を有する有床義歯固定具を作成することができ自在性に
優れた有床義歯固定具を提供することができる。 (3)スリット部は固定台部の外側面で開口しているの
で、義歯床に埋入する場合、レジン等の接着剤がスリッ
ト部内にも充填されてアンカー効果が付与され、抜け止
め力が働き維持力を高めることができる有床義歯固定具
を提供することができる。
【0050】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
又は3の効果に加え、(1)歯冠補綴具等の軸部やネッ
ク部等を溝部に位置する状態にして、軸部等を溝部に通
過させつつ嵌合部等を凹状嵌合部に嵌入することができ
るので、口内や支台歯に様々な角度で固定された嵌合部
等と有床義歯固定具とを自在に着脱することができ自在
性に優れた有床義歯固定具を提供することができる。
【0051】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
乃至4の内いずれか1の効果に加え、(1)凹状嵌合部
は嵌入孔部の内径が嵌合部や嵌合固定部の外径より小さ
く形成されているので嵌入し難いが、ガイド部を有して
いるので、嵌合部等を凹状嵌合部や溝部へ容易に嵌入さ
せることができ、有床義歯を口内へ容易に装着させるこ
とができる有床義歯固定具を提供することができる。
【0052】請求項6に記載の発明によれば、 (1)口内に固定された嵌合部や嵌合固定部と着脱自在
な有床義歯固定具が埋入固定された義歯床を備えている
ので、口内への着脱が容易な有床義歯を提供することが
できる。 (2)有床義歯固定具が義歯床に埋入固定され継ぎ目が
なく部品点数も少ないので、口臭や炎症等の原因となる
食べ物のカス等が詰まり難く清潔性に優れた有床義歯を
提供することができる。 (3)有床義歯固定具が義歯床に埋入固定されているの
で、口内に装着すると口内に固定された嵌合部や嵌合固
定部が義歯床に隠れ外観に優れた有床義歯を提供するこ
とができる。 (4)義歯床は容易に加工できるので、有床義歯固定具
の弾性等が劣化し装着性が低下した場合は、義歯床や接
着剤を切削して古い有床義歯固定具だけを取り出し新し
いものと交換することができ、義歯床全体を新たに作り
直すコストと手間を要さず患者への負担が小さな有床義
歯を提供することができる。
【0053】請求項7に記載の発明によれば、(1)口
内に固定された嵌合固定部や嵌合部が未咬合時には空洞
部内で移動自在な深さに有床義歯固定具が義歯床に埋入
固定されているので、義歯床が口内の粘膜を圧迫して患
者に不快感を与えることがなく快適な装着感が得られる
有床義歯を提供することができる。
【0054】請求項8に記載の発明によれば、 (1)補綴型作成工程を有しているので、台部の所望す
る位置に角度、大きさ、数量等を任意に選択して軸部及
び嵌合部を形成することができ設計の自由度が大きく、
症例に応じ術者の創意応用を十分に生かすことができ自
在性に優れた歯冠補綴具の製造方法を提供することがで
きる。 (2)鋳造工程を有しているので、歯冠補綴具を金属製
で一体に形成することができ機械的強度に優れた歯冠補
綴具の製造方法を提供することができる。 (3)歯冠補綴具を作成する従来の設備や材料等をその
まま用いることができるとともに、台部,軸部及び嵌合
部を蝋製で作成するので、設備負荷を要しないとともに
コスト性に優れた歯冠補綴具の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における歯冠補綴具が支台歯に被
着された状態を示す要部断面図
【図2】実施の形態1における有床義歯固定具の要部断
面図及び底面図
【図3】有床義歯固定具の埋入固定された有床義歯が歯
冠補綴具に固定された状態を示す要部断面図
【図4】実施の形態1における歯冠補綴具を製造する補
綴型作成工程を説明する要部断面図
【図5】歯冠補綴具を製造する鋳造工程を説明する鋳型
の要部断面図
【図6】実施の形態2における歯冠補綴具が支台歯に被
着された状態を示す要部断面図
【図7】(a) 実施の形態2における有床義歯固定具
の正面図 (b) 実施の形態2における有床義歯固定具の要部側
面断面図及び底面図
【図8】有床義歯固定具が埋入固定された有床義歯が歯
冠補綴具に固定された状態を示す要部断面図
【図9】実施の形態3における歯冠補綴具の要部断面図
【図10】実施の形態3の他の応用例を示す歯冠補綴具
の要部断面図
【図11】実施の形態3における有床義歯固定具の要部
断面図
【図12】実施の形態3における歯冠補綴具が支台歯に
被着された顎部の要部模式図
【図13】実施の形態3における有床義歯と歯冠補綴具
との嵌合の様子を示す要部断面模式図
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 歯冠補綴具 2 顎部 3 支台歯 4,4a,4c 台部 4b 当接平面 4’ 立設面 5,5a,5b,5c 軸部 6 嵌合部 10,10a,10b 有床義歯固定具 11,11a,11b 固定台部 11´,11a´,11b´ 先端面 12,12a 凹状嵌合部 13 空洞部 14 終端部 15 嵌入孔部 16 開口縁部 17,17a,17b 維持力表示部 18,18a 凹溝 19a,19c 基台部 19b,19d 先端部 20 有床義歯 21 義歯床 22 埋入孔 23 接着剤 30 補綴型 31 陽型 32 蝋製台部 33 軸装着用凹部 34 蝋製軸基部 35 蝋製軸部 36 蝋製嵌合部 40 鋳型 40a 埋没材 41 湯道 42 湯口 43 溝部 44 ガイド部 44a 軸部ガイド部 45 スリット部 46 内壁面 47 凹溝 48 上顎部 48a 隆起部 49 有床義歯 49a 義歯床

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支台歯に被着された金属製の台部と、基
    部が前記台部と一体に形成された1乃至複数本の軸部
    と、前記軸部の各々の他端部に一体に形成された嵌合部
    と、を備えていることを特徴とする歯冠補綴具。
  2. 【請求項2】 (a)合成樹脂製や合成ゴム製の固定台
    部と、(b)基部が顎部に埋入され又は支台歯に被着さ
    れた台部に固着された嵌合固定部又は請求項1に記載の
    嵌合部が、着脱自在に嵌入される前記固定台部に形成さ
    れた凹状嵌合部と、(c)前記凹状嵌合部と同心状に前
    記固定台部の先端面に付され前記凹状嵌合部に嵌入され
    る前記嵌合固定部又は前記嵌合部の脱着時の維持力の目
    安となる維持力表示部と、を備えていることを特徴とす
    る有床義歯固定具。
  3. 【請求項3】 (a)合成樹脂製や合成ゴム製の固定台
    部と、(b)基部が顎部に埋入され又は支台歯に被着さ
    れた台部に固着された嵌合固定部又は請求項1に記載の
    嵌合部が、着脱自在に嵌入される前記固定台部に形成さ
    れた凹状嵌合部と、前記凹状嵌合部が前記固定台部の先
    端面で開口して複数形成され、前記固定台部の前記先端
    面の前記凹状嵌合部間に形成され前記固定台部の外側面
    で開口するスリット部と、を備えていることを特徴とす
    る有床義歯固定具。
  4. 【請求項4】 前記固定台部が、前記凹状嵌合部と連通
    し前記固定台部の前記先端面及び外側面で開口する溝部
    を備えていることを特徴とする請求項2又は3の内いず
    れか1に記載の有床義歯固定具。
  5. 【請求項5】 前記固定台部が、前記凹状嵌合部が開口
    する前記先端面に形成された嵌入孔部及び/又は前記溝
    部の、外表面を拡径するガイド部を備えていることを特
    徴とする請求項2乃至4の内いずれか1に記載の有床義
    歯固定具。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5の内いずれか1に記載の
    1乃至複数個の有床義歯固定具と、前記有床義歯固定具
    が所定部に埋入固定された義歯床と、を備えていること
    を特徴とする有床義歯。
  7. 【請求項7】 (a)合成樹脂製又は合成ゴム製の固定
    台部と、(b)基部が顎部に埋入され又は支台歯に被着
    された台部に固着された嵌合固定部又は請求項1に記載
    の嵌合部が、着脱自在に嵌入され前記固定台部の先端面
    で開口して終端部が閉塞する空洞部を有する凹状嵌合部
    と、を備えた有床義歯固定具と、 前記凹状嵌合部に嵌入された前記嵌合固定部又は前記嵌
    合部が、咬合時には前記空洞部の終端部に当接し未咬合
    時には前記空洞部内で移動自在な深さに前記有床義歯固
    定具が埋入固定された義歯床と、 を備えていることを特徴とする有床義歯。
  8. 【請求項8】 支台歯の印象をとり陽型を作成する陽型
    作成工程と、前記陽型作成工程で作成された陽型上に前
    記支台歯に被着される台部の型を蝋で作成した後、蝋製
    嵌合部が固着又は一体形成された蝋製軸部を前記型の所
    定部に固着し補綴型を作成する補綴型作成工程と、前記
    補綴型作成工程で作成された前記補綴型を埋没材に埋没
    させて鋳型を作成する鋳型作成工程と、前記鋳型作成工
    程で作成された前記鋳型に溶融金属を注入する鋳造工程
    と、を備えていることを特徴とする歯冠補綴具の製造方
    法。
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