JP2003135426A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP2003135426A JP2001343852A JP2001343852A JP2003135426A JP 2003135426 A JP2003135426 A JP 2003135426A JP 2001343852 A JP2001343852 A JP 2001343852A JP 2001343852 A JP2001343852 A JP 2001343852A JP 2003135426 A JP2003135426 A JP 2003135426A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速スピンエコー法でスキャンの間に運動す
る核スピンがスライス方向の速度成分と加速度成分を持
つ場合に生じる画像アーチファクトを抑制する。 【解決手段】 傾斜磁場パルスとして、それぞれの印加
時間τが一定で符号付き強度比が−1:3:3:−1と
なっており、再収束用の高周波磁場パルス(RF再収束
パルス)40を中心として左右対称な形状であるスライ
スリフェイズパルスを印加することによって、運動する
核スピンのスライス方向に印加される傾斜磁場パルスに
よる位相変化の速度項と加速度項を取得する各エコー信
号の中心で補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体組織を画像化
する磁気共鳴イメージング装置に係り、特に高速スピン
エコー法のスライス方向流れアーチファクトの補正方式
に改良を加えた磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング(MRI)装置
は、核磁気共鳴現象を利用して被検体内を画像化するも
ので、被検体の断面画像が得られる他に、被検体内の血
管の映像も鮮明に得られるようになったことに加え、各
種の高速計測法が開発されたことも相まって、医療用画
像診断機器としての有用性が認知されている。
【0003】磁気共鳴イメージング装置が今日のような
普及をもたらすに至った礎は、二次元フーリエ変換イメ
ージング法が案出されたことにある。二次元フーリエ変
換イメージング法の最も代表的なものが、スピンエコー
法と称されているものである。このスピンエコー法は、
被検体の検査断面部位の核スピンを90°,180°の
高周波磁場パルス(RFパルス)で励起・反転するとと
もに、励起された核スピンへ位相情報と周波数情報を与
えて、NMR信号を計測し、この一連の操作を位相情報
の付与を変えつつ複数回実行することにより1枚の画像
を得るものである。
【0004】図1は、この二次元フーリエ変換イメージ
ング法のうち、代表的なスピンエコー法の模式的なパル
スシーケンスを示す。このパルスシーケンスでは、まず
図1(f)に示す区間P1において、同図(a)に示す
ように、スライス方向傾斜磁場30を印加すると共に9
0°パルス28を印加して、被検体内の所望スライス面
内の核スピンを静磁場の方向(Z方向)から90°励起
する。その後、エコー時間TEとしたときのTE/2時
間経過後に、区間P3においてスライス方向傾斜磁場3
0と180°パルス29を印加する。90°パルス28
が回転座標系(x’y’z系)のx’軸方向に沿って加
えられることによって、各スピンはそれぞれに固有の速
度で静止座標系(xyz系)のx−y面内で回転を始め
るが、時間の経過とともに各スピン間に位相差が生じ
る。ここで、区間P3において180°パルス29が
y’軸方向に沿って加わると、各スピンはy’軸につい
て対称に反転し、その後も同じ速度で回転を続けるため
にエコー時間TE経過後の区間P4において再び収束
し、図1(e)に示すように、エコー信号35を発生す
る。
【0005】図2は、マルチエコー計測のパルスシーケ
ンスの模式図を示す。このマルチエコー計測では、図2
(a)に示すように、図1の180°パルス291〜2
94を図示のようにTE時間毎に複数回印加し、時刻2
TE,3TE,4TEでも核スピンを収束させて、図2
(e)に示すように、複数のエコー信号351〜354
を計測するものである。
【0006】このようにしてエコー信号351〜354
が計測されるので、これに基づいて断層像を構成するた
めにはエコー信号351〜354の空間的な分布を求め
なければならない。空間的な分布を求めるためには、線
形的な傾斜磁場を用いている。これは、均一な静磁場内
に傾斜磁場を重畳することによって空間的な磁場勾配を
形成している。このとき、核スピンの回転周波数は磁場
強度に比例しているので、この傾斜磁場が加わった状態
では、各スピンの回転周波数は空間的に異なることにな
る。従って、この回転周波数を調べることによって各ス
ピンの位置を知ることができる。この各スピンの位置を
知るために、図1及び図2において、位相エンコード方
向傾斜磁場31及び周波数エンコード方向傾斜磁場3
3、341〜344が用いられている。なお、周波数エ
ンコード方向傾斜磁場33は、エコー信号35において
計測される核スピンの位相が信号収集の中心で収束する
ように予め分散させておくために印加されるものであ
る。
【0007】以上に述べたパルスシーケンスを基本単位
として、位相エンコード方向傾斜磁場31の強度を毎回
変えながら、一定の繰り返し時間(TR)ごとに所定回
数、例えば256回繰り返す。このようにして計測され
たエコー信号351〜354を二次元逆フーリエ変換す
ることにより、巨視的磁化の空間的分布が求められる。
なお、このようなMRI基本原理に関しては、「NMR
医学」(基礎と臨床)(核磁気共鳴医学研究会編,丸善
株式会社,昭和59年1月20日発行)に詳述されてい
る。
【0008】図3は、高速スピンエコー法のパルスシー
ケンスの模式図を示す。高速スピンエコー法は、上述の
マルチエコー計測の各エコーを生データのk空間上に振
り分けることにより、撮像時間を短縮する手法である。
同図において、高速スピンエコー法は、マルチエコー計
測のように180°パルス291〜294を複数回かけ
ることにより行う。そして、各エコー信号351〜35
4の計測毎に位相エンコード方向に所定の傾斜磁場32
1〜324を所定の時間印加することにより、各エコー
信号351〜354を生データ空間上の位相エンコード
方向(ky方向)に振り分けるようになっている。これ
によって、撮像時間が短縮される。振り分け方は、使用
するエコー数、及び画質を決定する実効エコー時間TE
effにより決められる。その決め方は、k空間の直流
部分(中央付近)を所望のTEeffのデータとし、そ
の隣接する部分は、隣接するエコー番号のデータとして
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の方法にてMRI
画像を撮影した場合、イメージング対象である核スピン
がスライス方向に運動することによって、再構成された
画像にアーチファクト(偽像)が生じることがある。こ
のような運動は、例えば、脳脊髄液(CSF)の拍動及
び血流の結果としてスキャン中に生じることがある。あ
るいは、このような運動はスキャン中の患者の呼吸によ
って生じることもある。核スピンがスライス方向に運動
することによって、取得されたエコー信号に位相誤差が
導入されることがあり、その結果再構成された画像で関
心領域のSNR(Signal to Noise R
atio)が低下したり、ゴーストやぼけが生じたりす
ることがある。このような、画像誤差を運動アーチファ
クト(motion artifact)と言う。この
運動アーチファクトは、特にカー・パーセル・メイブー
ム・ギル(Carr−Purce11−Meiboom
−Gi11)パルス系列(以下「CPMGパルス系列」
とする)で顕著に現れる。
【0010】MRI画像の運動アーチファクトを減らす
ための一つの方法は、例えば、特開平6−22919号
公報の「高速スピンエコーNMRパルス系列での勾配モ
ーメントナリング法」に開示されている。この方法で
は、パルス系列に傾斜磁場パルスを付加することにより
運動する核スピンが磁気共鳴信号位相に及ぼす影響を相
殺している。スライス方向の流れ補正法としては、スラ
イス方向に一定の印加時間で−1:1:1:−1の強度
比の傾斜磁場パルスを印加する方法や、スライス方向に
同じく一定の印加時間で1:−2:1:1:−2:1の
強度比の傾斜磁場パルスを印加する方法がある。
【0011】しかしながら、このようなスライス方向に
−1:1:1:−1や1:−2:1:l:−2:1の強
度比の傾斜磁場パルスを用いる方法は、運動する核スピ
ンのスライス方向の傾斜磁場による位相変化の速度項を
再収束パルスの中心で零にすることができるが、核スピ
ンの位相変化における加速度項を補償することはできな
かった。脳脊髄液(CSF)の拍動や血流などのような
生体内の流れは等速度の流れではないため、これらの方
法では核スピンの運動、特に加速度によって生じる画像
のアーチファクトを十分に抑制することはできなかっ
た。また、l:−2:1:l:−2:lの強度比の傾斜
磁場パルスを使用する方法は−1:1:1:−1の強度
比の傾斜磁場パルスを使用する方法に比べて、パルス印
加時間が長いために読み出し時間を減少させ、再構成し
た画像のSNRを低下させてしまうという問題もあっ
た。
【0012】本発明の目的は、高速スピンエコー法のス
キャン中に運動する核スピンがスライス方向の速度成分
と加速度成分を持つ場合に生じる画像アーチファクトを
抑制することのできる磁気共鳴イメージング装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る磁気共鳴
イメージング装置は、被検体に静磁場及び傾斜磁場を与
える磁場発生手段と、上記被検体を構成する原子の核ス
ピンに核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場パルス
を照射する送信系と、核磁気共鳴により放出されるエコ
ー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコ
ー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを備
えた磁気共鳴イメージング装置において、前記磁場発生
手段が、再収束用の高周波磁場パルスの前後で対称な形
状であり、印加時間が一定で強度比が−1:3:3:−
1の連続する4個のパルスからなるスライスリフェイズ
パルスを印加するものである。
【0014】本発明は、パルス系列のスライス方向に傾
斜磁場パルスを付加し、スライス方向に運動する核スピ
ンの位相変化の速度項と加速度項を取得するエコー信号
の中心で補償するものである。付加された傾斜磁場パル
スとスライス選択傾斜磁場パルスは、図4に示すように
4個の傾斜磁場パルス41 42、43、44が連続し
て印加されたものと考えることができ、それぞれの傾斜
磁場パルスの印加時間τは一定で符号付き強度比は−
1:3:3:−1となっており、再収束用の高周波磁場
パルス(RF再収束パルス)40を中心として左右対称
な形状である。以下、これらの4個の連続して印加され
る傾斜磁場パルス群45がスライスリフェイズパルスで
ある。このスライスリフェイズパルス45は、RF再収
束パルス40により核スピンの位相(の符号)が反転す
るため、その強度比は、−1:3:−3:1となり、ス
ライスリフェイズパルス45の傾斜磁場パルス43,4
4が反転した形状となる。一定の印加時間で、−1:
3:−3:lの強度比の傾斜磁場パルスを連続して印加
することによって、運動する核スピンの傾斜磁場パルス
による位相変化の加速度項を補償することができること
は、例えば、「MRI「再」入門」(荒木力著南江堂
p.234)などに記載されている。本発明はこのよう
な現象を前述のスライスリフェイズパルス45とRF再
収束パルス40とによって形成することを見いだし、そ
れをパルスシーケンスに応用したものである。
【0015】スライスリフェイズパルスの印加前後での
核スピンの位相変化φは下に示した式(1)のようにな
る。 t0+4τ φ=∫γG(t)(z+vt+at2/2)dt・・・・(1) t0 但し、G(t)=−p:(t0≦t≦t0+τ,t0+3τ
≦t≦t0+4τ) G(t)=3p:(t0+τ≦t≦t0+3τ) ここで、γは核磁気共鳴比、tは時間、G(t)はスラ
イス方向の傾斜磁場強度、zは核スピンの初期位置、v
は核スピンの速度のスライス方向成分、aは核スピンの
加速度のスライス方向成分を示す。
【0016】特に、核スピンの速度のスライス方向成分
vは励起された核スピンがt=t0+2τの時点で一定
のスライス厚を持つスライス面から流れにより抜け出て
しまう割合が大きくない程度と仮定し、核スピンの加速
度のスライス方向成分aも同様に仮定する。図4に示す
ように、核スピンの位相変化において速度項46は、t
2 に従って変化し加速度項47はt3 に従って変化す
る。t=t0 +2τでRF再収束パルス40が印加され
るため、上で述べたように核スピンの位相は符号が反転
する。この点に注意して式(1)を計算すると、核スピ
ンの位相変化は速度項と加速度項共にt=t0 +4τで
零となりφ=0となる。即ち、スライス選択傾斜磁場を
スライスリフェイズパルスに変更することにより、核ス
ピンの運動においてスライス方向の傾斜磁場パルスによ
り生じる位相変化の速度項と加速度項はスライスリフェ
イズパルスの場合共に補償される。以上説明したように
本発明の磁気共鳴イメージング装置によれば、CPMG
パルス系列でスライス方向の傾斜磁場パルスの印加時間
を−1:l:1:−1の強度比の傾斜磁場パルスの場合
と比べて延長することなく、スライス方向に運動する核
スピンの位相変化の速度項と加速度項を取得するエコー
中心で補償することができる。
【0017】請求項2に係る磁気共鳴イメージング装置
は、請求項1において、前記関心がある領域の核スピン
に印加する前記再収束用の高周波磁場パルス及びそれに
伴いスライス方向に印加される前記スライスリフェズパ
ルスを連続的に複数印加し、それらに対応する横磁化を
再収束させて複数のエコー信号を生じさせるようにした
ものである。これは、RF再収束パルスを複数にしそれ
に伴い傾斜磁場パルスの印加方法も変更することにより
パルス系列を高速スピンエコー法としたものである。運
動する核スピンの速度のスライス方向成分は、励起され
た核スピンのうち実効的エコー時間TEeff(位相エ
ンコード傾斜磁場パルスの大きさが零の場合のエコー時
間)の時点で一定のスライス厚を持つスライス面から流
れにより抜け出てしまう核スピンの割合が大きくない程
度と仮定できる。核スピンの加速度も同様に仮定するこ
とができる。これによって、高速スピンエコー法の場合
にもスライス方向に運動する核スピンの位相変化の速度
項と加速度項を取得するエコー中心で補償することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る磁気共鳴イメージング装置の好ましい実施の形態につ
いて説明する。図5は、本発明による磁気共鳴イメージ
ング装置の全体構成を示すブロック図である。この磁気
共鳴イメージング装置は、図示のように、中央処理装置
(CPU)1と、シーケンサ2と、送信系3と、磁場発
生系4と、受信系5と、信号処理系6とを備えて構成さ
れている。
【0019】CPU1は、予め定められたプログラムに
従って、シーケンサ2、送信系3、受信系5、信号処理
系6の各々を制御するものであり、シーケンサ2は、C
PU1からの制御指令に基づいて動作し、被検体7の断
層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系3、磁
場発生系4及び受信系5に出力するものである。
【0020】シーケンサ2は、被検体7の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁
場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加
する制御手段であり、CPU1の制御の下で動作し、被
検体7の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を送信
系3、磁場発生系4及び受信系5に出力する。
【0021】送信系3は、シーケンサ2から送出される
高周波磁場パルスにより被検体1の生体組織を構成する
原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波パ
ルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し照射する
ものであり、高周波発信器8と変調器9と高周波コイル
としての照射コイル11とを有している。送信系3は、
シーケンサ2の指令に基づいて高周波発信器8から出力
される高周波パルスを変調器9で振幅変調し、この振幅
変調された高周波パルスを高周波増幅器10によって増
幅した後に被検体7に近接した配置された照射コイル1
1に供給し、所定のパルス状の電磁波を被検体7に照射
するものである。
【0022】磁場発生系4は、被検体7の回りにその体
軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生
させるものであり、被検体1の周りのある広がりをもっ
た空間に永久磁石方式又は常電導方式あるいは超電導方
式の静磁場発生磁石(図示せず)を有している。この静
磁場発生磁石の内部には、照射コイル11の他に、傾斜
磁場を発生させる傾斜磁場コイル13と、受信系5の受
信コイル14が設置されている。傾斜磁場発生系21
は、互いに直交するデカルト座標軸方向にそれぞれ独立
にスライス方向傾斜磁場、位相方向傾斜磁場、周波数方
向傾斜磁場を被検体1に印加できる構成を有する傾斜磁
場コイル13と傾斜磁場コイルに電流を供給する傾斜磁
場電源12とから構成されている。傾斜磁場電源12
は、シーケンサ2によって制御される。この傾斜磁場の
印加によって、被検体1に対するスライス面を設定する
ことができる。
【0023】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信
号)を検出するものであり、高周波コイルとしての受信
コイル14と、この受信コイル14によって受信された
信号を増幅する増幅器15と、直交位相検波器16と、
A/D変換器17とを有している。受信系5は、送信側
の照射コイル11から照射された電磁波によって被検体
7から発生された電磁波(NMR信号)を被検体1に近
接して配置された受信コイル14で検出すると、その信
号を増幅器15、直交位相検波器16及びA/D変換器
17を介し所定のデジタル量に変換するとともに、シー
ケンサ2からの指令によるタイミングで直交位相検波器
16によってサンプリングされた二系列の収集データに
変換してCPU1に送るようになっている。
【0024】信号処理系6は、CPU1と、磁気ディス
ク20及び光ディスク19等の外部記憶装置と、CRT
等からなるディスプレイ18とを有している。信号処理
系6は、受信系5からのデダシルデータを入力したCP
U1が実行するフーリエ変換、補正係数計算等の信号処
理、、画像再構成等の処理に基づいた結果である任意断
面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行
って得られた分布を画像化してディスプレイ18に断層
像として表示するとともに、外部記憶装置の磁気ディス
ク20や光ディスク19等に記録するものである。
【0025】以下この発明の好ましい実施例として、本
発明をCPMGパルス系列に適用した場合を例にとって
図6を参照して説明する。すなわち、シーケンサ2には
図6に示すようなパルスシーケンスが組み込まれ、この
パルスシーケンスの繰返しによって磁気共鳴イメージン
グ装置が駆動され、各パルスシーケンス毎に、例えば、
エコー信号131、132、・・・が検出される。
【0026】図において、まず被検体7内の核スピンを
励起して信号を発生させるための90°パルス100
と、所望の断層面の位置を特定するためのスライス選択
傾斜磁場110,111が同時に印加される。図示して
いないがタイミングT0 +bでは位相方向傾斜磁場(G
p)と周波数方向傾斜磁場(Gf)とが印加される。位
相方向傾斜磁場は、後に得られる第1エコー信号131
をk空間上の所望の位置に配置するために印加されるも
のである。周波数方向傾斜磁場は、第1エコー信号13
1において計測される核スピンの位相が信号収集の中心
で収束するように予め分散させておくために印加される
ものである。
【0027】スライス選択傾斜磁場パルス110の後半
部であるスライス選択傾斜磁場パルス111と、反転さ
れたスライス選択傾斜磁場パルス112の符号付き面積
(傾斜磁場パルスの符号付き強度と印加時間の積)比は
1:−1であり、図6ではそれぞれの印加時間を共にb
として表示してある。従って、スライス選択傾斜磁場パ
ルス111によりタイミングT0 からT0 +bの間に核
スピンの位相分散が生じるが、スライス選択傾斜磁場パ
ルス112によりタイミングT0 +2bで再収束する。
【0028】タイミングT0 から時間βが経過したタイ
ミングT0 +βで、スライスリフェイズパルス121が
印加される。このスライスリフェイズパルス121は、
傾斜磁場パルス113,116とスライス選択傾斜磁場
パルス114,115とから構成される。傾斜磁場パル
ス113は、タイミングT0 +βに対して時間2τだけ
前のタイミングで立ち下がり、その強度は後述するスラ
イス選択傾斜磁場パルス114,115の−1/3であ
り、時間τの間だけその強度を維持している。図では、
τはスライス選択傾斜磁場パルス112の印加時間とほ
ぼ同じbであるが、これに限定されるものではない。ス
ライス選択傾斜磁場パルス114,115は、タイミン
グT0 +βに対して時間τだけ前のタイミングで立ち上
がり、その強度はスライス選択傾斜磁場パルス110,
111と同じであり、時間2τの間だけその強度を維持
している。傾斜磁場パルス116は、タイミングT0
βに対して時間τだけ後のタイミングで立ち下がり、そ
の強度は傾斜磁場パルス113と同じ、スライス選択傾
斜磁場パルス114,115の−1/3であり、時間τ
だけその強度を維持している。傾斜磁場パルス113,
116とスライス選択傾斜磁場パルス114,115の
強度比は、113:114:115:116=−1:
3:3:−1である。
【0029】そして、このスライスリフェイズパルス1
21と同じ印加パターンの傾斜磁場パルス122、12
3、・・・が、系列内の残りのRF再収束パルス10
2、103、・・・の各々のタイミングT0 +3β、T
0 +5β、・・・に同期して繰り返されて印加される。
RF励起パルス100と第1のRF再収束パルス101
との間の時間をβとすると、その後に続くRF再収束パ
ルスとエコー信号との間、つまり101と131、13
1と102、102と132、132と103、・・・
との間の時間はすべてβである。
【0030】スライス選択傾斜磁場パルス111と11
2の印加前後の核スピンの位相変化は速度項と加速度項
が共に無視できるほど小さい。スライスリフェイズパル
ス121の印加後の核スピンの位相変化は速度項と加速
度項共に傾斜磁場パルス112の印加後の値を維持し、
ほぼ零である。RF再収束パルスの不完全性がない場合
は、RF再収束パルスにより反転した核スピンの横磁化
がRF励起パルスにより倒された面内から外れないの
で、各スライスリフェイズパルス121,122、12
3、・・・印加後の核スピンの位相変化は速度項と加速
度項共に印加前と一致しほぼ零である。また、RF再収
束パルスに不完全性がある場合でも、核スピンの運動が
穏やかな場合を仮定すると隣り合うRF再収束パルスの
間、例えばRF再収束パルス101と102の間などで
の核スピンの位相変化は速度項と加速度項共に小さくな
りCPMG条件(RF励起パルスと第一のRF再収束パ
ルスとの間の核スピンの位相変化をθとするとその後の
各再収束パルス間の核スピンの位相変化が2θとなるこ
と)はほぼ満たされるので不完全なRF再収束パルスに
より生じる核スピンの位相誤差は補正される。この結
果、各スライスリフェイズパルス121,122、12
3、・ ・ ・印加前後の核スピンの位相変化は速度項
と加速度項共に小さくなり、スライスリフェイズパルス
が印加されている間に運動する核スピンが取得するエコ
ー信号に与える位相誤差が補償される。
【0031】なお、上述の実施の形態は一例であり、他
の形態として、例えば、RF再収束パルスは180°で
ある必要はなく核スピンの位相を反転する効果を持つR
Fパルスであれば良い。また、CPMGパルス系列を基
礎としてこの系列の前にプリパルスとして適当なフリッ
プ角を持ったRFパルスを印加する場合やこの系列の後
に同様なRFパルスを印加するような場合でも、上述の
実施の形態と同様の効果が得られる。スライス方向傾斜
磁場112と113の間に時間的余裕がある場合は、ス
ライス方向傾斜磁場111と112をその強度が1:−
1から、1:−2:1のパルスに変更することができ、
運動する核スピンの位相変化をさらに補償することがで
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高速スピンエコー法の
スキャン中に運動する核スピンがスライス方向の速度成
分と加速度成分を持つ場合に生じる画像アーチファクト
を抑制することができ、臨床的に有効な画像を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のスピンエコー法のパルスシーケンスを
示す図
【図2】 従来のマルチエコー法のパルスシーケンスを
示す図
【図3】 従来の高速スピンエコー法のパルスシーケン
スを示す図
【図4】 本発明による傾斜磁場印加方法のパルス系列
の一部、及びこのパルス系列を実施した際の核スピンの
位相変化の様子を示す時間線図。
【図5】 本発明の一実施の形態に係る磁気共鳴イメー
ジング装置の概略構成を示すブロック図
【図6】 本発明による傾斜磁場印加方法のCPMGパ
ルス系列の一部、及びこのパルス系列を実施した際のエ
コー信号の様子を示す時間線図。
【符号の説明】
1 中央処理装置 2 シーケンサ 3 送信系 4 磁場発生系 5 受信系 6 信号処理系 7 被検体 100 RF励起パルス 131、132 エコー信号 40,101,102,103 RF再収束パルス 110,111,114,115 スライス選択傾斜磁
場パルス 112,113,116 スライス方向傾斜磁場パルス 121,122,123 スライスリフェイズパルス 46 核スピンの位相変化の速度項 47 核スピンの位相変化の加速度項

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に静磁場及び傾斜磁場を与える磁
    場発生手段と、上記被検体を構成する原子の核スピンに
    核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場パルスを照射
    する送信系と、核磁気共鳴により放出されるエコー信号
    を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信号
    を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを備えた磁
    気共鳴イメージング装置において、 前記磁場発生手段が、再収束用の高周波磁場パルスの前
    後で対称な形状であり、印加時間が一定で強度比が−
    1:3:3:−1の連続する4個のパルスからなるスラ
    イスリフェイズパルスを印加することを特徴とする磁気
    共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記関心がある領域
    の核スピンに印加する前記再収束用の高周波磁場パルス
    及びそれに伴いスライス方向に印加される前記スライス
    リフェズパルスを連続的に複数印加し、それらに対応す
    る横磁化を再収束させて複数のエコー信号を生じさせる
    ようにしたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015205132A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 磁気共鳴装置

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