JP2003135423A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP2003135423A
JP2003135423A JP2001336887A JP2001336887A JP2003135423A JP 2003135423 A JP2003135423 A JP 2003135423A JP 2001336887 A JP2001336887 A JP 2001336887A JP 2001336887 A JP2001336887 A JP 2001336887A JP 2003135423 A JP2003135423 A JP 2003135423A
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magnetic field
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JP2001336887A
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Hiroyuki Mochizuki
博幸 望月
Hiroyuki Sakamoto
宏幸 坂元
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NMR信号の計測時間間隔が変化する場合で
も、静磁場強度の変動による位相情報の外乱を補償す
る。 【解決手段】 撮像シーケンスの実行前に静磁場空間の
磁気共鳴周波数f1を計測し(ステップ1)、次いで撮
像シーケンスSを実行して各磁気共鳴信号とその計測時
刻を記憶し(ステップ2)、撮像シーケンスの実行後に
磁気共鳴周波数f2を計測し(ステップ3)、磁気共鳴
周波数f1、f2の差Δfに基づいて撮像シーケンスS
の実行期間における磁気共鳴信号の位相変化量Δθ0を
求め(ステップ4)、この位相変化量Δθ0に基づいて
各磁気共鳴信号の計測時刻における位相変化量Δθn,
Δθspを案分により求め(ステップ5,6)、この案分
した位相変化量に基づいてメモリに格納された各磁気共
鳴信号の位相情報を補正する(ステップ7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング装置に係り、具体的には、静磁場変動に起因するN
MR信号の位相情報の外乱を補償する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング(MRI)装置
は、磁気共鳴(NMR)現象を利用して、被検体である
生体の所望部位における原子核スビン(以下スピンと称
する)の密度分布、緩和時間分布等を計測し、その計測
データから被検体の検査部位を画像表示するものであ
る。
【0003】具体的には、静磁場内に置かれた被検体
に、高周波磁場(RF)パルスとスライス傾斜磁場を印
加して被検体の特定のスライス部位の原子核を励起し、
これにより発生する磁気共鳴(NMR)信号に空間位置
情報である位相エンコードと周波数エンコードを付与し
ながら計測し、計測された磁気共鳴信号に基づいて前記
スライス部位の断層像を生成する。そして、スライス部
位の位置情報や、位相エンコードと周波数エンコードを
付与するために傾斜磁場を用いている。これはNMR信
号の周波数ωが磁場強度と線形関係にあることを利用し
ている。すなわち、傾斜磁場の傾斜が空間的に直線性で
あると、計測部位における空間位置と周波数の関係が線
形となることから、時間情報であるNMR信号をフーリ
エ変換して周波数軸に置き換えるだけで、被検体の位置
情報が得られることになり、その位置情報に基づいて画
像を再構成できる。
【0004】したがって、MRI装置においては、磁場
強度が重要な意味を有するが、例えば、永久磁石等で構
成される静磁場強度は、一般に負の温度勾配を持ってい
る。そこで、温度変化によって静磁場強度が変動するの
を防止するため、静磁場発生装置は恒温制御システム内
に配置して、温度を一定に保持するようにしている。
【0005】しかし、恒温制御システムが何らかの原因
で支障を来すと静磁場強度が変動し、その変動がある大
きさを超えると、画像にぼけが生じたり、スライス特性
に変化等が現れる。従来、このような場合、特開平5−
245126号公報に提案されているように、断層像の
撮像シーケンスを実行する計測直前と、その計測直後に
おいて、RFパルスとスライス傾斜磁場を同一の計測部
位に印加して静磁場強度に相関するNMR信号を計測
し、計測前後のNMR信号周波数の差から、静磁場強度
の変化を求めることが行われている。
【0006】すなわち、計測前後のNMR信号周波数ω
の差Δωから、核スピンの位相変化量を演算する。この
演算により求まる位相変化量は、2次元断層像の撮像時
間における静磁場の変動量に対応する全位相変化量であ
る。そこで、全位相変化量から各プ口ジェクション(k
空間における同一位相エンコードの1ライン)毎のNM
R信号の位相変化量を案分し、これに基づいて各プロジ
ェクションのNMR信号の位相ずれを補償することによ
り、画像のぼけや、スライス特性の変化を修正すること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、全位相変化量から各プ口ジェクションにおける
位相変化量を計算する場合、各プロジェクションのNM
R信号の計測時間が等間隔であることを前提としてい
る。そのため、各プロジェクション間の計測時間間隔が
変化する場合には、各プロジェクションの位相変化量に
誤差が含まれることになる。
【0008】すなわち、心臓の動きや、呼吸による腹動
などの体動に同期させて、NMR信号の計測タイミング
を変更する場合がある。このような場合は、体動が一定
でないために、各プロジェクションのNMR信号の計測
タイミングが一定時間間隔にはならないから、各プロジ
ェクションごとの位相変化量を正確に求めることができ
ない。その結果、画像にぼけが生じたり、スライス特性
に変化が見られる等、静磁場強度の変動による位相情報
の外乱による問題が残される。
【0009】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたものであり、NMR信号の計測時間間隔が変化する
場合でも、静磁場強度の変動による位相情報の外乱を補
償することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には従
来と同様に、撮影シーケンスの実行前と実行後に磁気共
鳴周波数の変化(磁気共鳴信号の角速度の変化)を計測
することにより、撮影シーケンス実行期間における磁気
共鳴信号の位相変化量を求める。一方、撮影シーケンス
の実行時に各磁気共鳴信号の計測時刻を記憶しておく。
そして、静磁場の変動は一定の変化率であることを前提
にして、撮影シーケンス実行期間における磁気共鳴信号
の位相変化量に基づいて、各磁気共鳴信号の計測時刻に
おける位相変化量を算出し、これに基づいて各磁気共鳴
信号の位相情報を補正することを特徴とする。
【0011】このように、各磁気共鳴信号の計測時刻に
おける位相変化量を算出しているから、磁気共鳴信号の
計測時間間隔が変化しても適切に位相補正をすることが
でき、位相情報の外乱を補償することができる。
【0012】具体的には、静磁場空間に置かれた被検体
に高周波パルスと傾斜磁場とを印加して前記被検体を励
起し、該励起により発生する磁気共鳴信号を計測する撮
像シーケンスを実行し、計測した前記磁気共鳴信号をメ
モリに格納し、該メモリに格納された前記磁気共鳴信号
に基づいて画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置
において、前記撮像シーケンスの実行前と実行後に前記
静磁場空間の磁気共鳴周波数を計測し、前記撮像シーケ
ンスの実行前後における磁気共鳴周波数の差に基づいて
前記撮像シーケンスの実行期間における前記磁気共鳴信
号の位相変化量を求める一方、前記撮像シーケンスによ
り計測する各磁気共鳴信号の計測時刻を記憶しておき、
前記撮像シーケンスの実行期間における前記位相変化量
に基づいて各磁気共鳴信号の計測時刻における位相変化
量を案分により求め、該案分した位相変化量に基づいて
前記メモリに格納された各磁気共鳴信号の位相情報を補
正する位相補正手段を設けることにより実現できる。
【0013】この場合において、撮像シーケンスとし
て、1枚又は複数枚の2次元画像の再構成に必要な磁気
共鳴信号を連続して計測する撮像シーケンスを適用でき
る。ここで、2次元画像の再構成に必要な磁気共鳴信号
を連続して計測する撮像シーケンスは、静磁場空間に置
かれた被検体に高周波パルスとスライス傾斜磁場とを印
加して被検体を励起し、被検体に位相エンコード傾斜磁
場を印加した後、被検体に周波数エンコード傾斜磁場を
印加して磁気共鳴信号を計測するシーケンスを一単位と
し、この単位シーケンスを一定の周期で位相エンコード
傾斜磁場の強度を変化させながら繰返し実行して2次元
画像の再構成に必要な磁気共鳴信号を計測するものとす
る。なお、単位シーケンスで計測される磁気共鳴信号
は、k空間における同一位相エンコードの1ライン分の
磁気共鳴データに対応するものであり、本明細書ではこ
れをプロジェクションと称して説明する。
【0014】また、単位シーケンスにおける磁気共鳴信
号は、一定の周期でサンプリング計測されるものとす
る。この場合、案分して求めた磁気共鳴信号の計測時刻
における位相変化量を、さらにサンプリング周期で案分
することにより、磁気共鳴信号のサンプリングデータ単
位で位相補正することができる。
【0015】上述のように、本発明によれば、磁気共鳴
信号の計測時間間隔が変化しても適切に位相補正をする
ことができるから、単位シーケンスにおける磁気共鳴信
号の計測時刻を被検体の体動検出信号に同期させても、
適切な位相補償を行なうことができ、画像のぼけなどを
改善することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図1〜図7を用いて説明する。図1は本発明の特
徴部に係る位相補正手段の一実施形態の処理手順を示す
フローチャート、図2は本発明を適用してなる磁気共鳴
イメージング装置の一実施形態の全体構成図、図3と図
4はそれぞれ本発明に係る撮像シーケンスの一実施形態
を示す図である。
【0017】図2に示すように、本実施形態の磁気共鳴
イメージング装置は、静磁場発生装置2、傾斜磁場発生
装置3、シーケンサ4、送信系5、受信系6、信号処理系
7、中央処理装置(CPU)8、及び体動モニター22を
備えて構成される。
【0018】静磁場発生装置2は、被検体1の周りに、そ
の体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を
発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをもっ
た空間に、永久磁石方式又は常電導方式あるいは超電導
方式の磁場発生装置が配置されている。
【0019】傾斜磁場発生装置3は、直交3軸(X、
Y、Z)方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル9
と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源
10とからなる。これらは、シーケンサ4から出力され
る命令に従って傾斜磁場電源10を駆動され、3軸方向
の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを被検体1に印加するよう
になっている。傾斜磁場Gsにより被検体1に対するス
ライス面を設定することができる。
【0020】シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁
場パルスを、所定の撮像シーケンス(一般に、パルスシ
ーケンスと称される。)に従って操返し印加する。シー
ケンサ4は、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層
像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系5及び傾
斜磁場発生装置3並びに受信系6に出力するようになっ
ている。
【0021】送信系5は、被検体1の生体組織を構成す
る原子の原子核に、核磁気共鳴を起こさせるために高周
波磁場パルスを照射するものであり、高周波発信器1
1、変調器12、高周波増幅器13、高周波コイル14
aとからなっている。そして、高周波発信器11から出
力される高周波パルスを、シーケンサ7の命令に従って
変調器12で振幅変調し、高周波増幅器13で増幅した
後、被検体1に近接して配置された高周波コイル14a
に供給する。これにより、高周波磁場パルスが被検体1
に照射される。
【0022】受信系6は、被検体1の生体組織の原子核か
ら発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)を受信するもの
であり、高周波コイル14b、増幅器15、直交位相検
波器16、A/D変換器17とから構成されている。そ
して、被検体1から発生されるNMR信号は被検体1に
近接して配置された高周波コイル14bで検出され、増
幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器
17に入力されてディジタル信号に変換される。A/D
変換器17はシーケンサ7から与えられるタイミング
で、直交位相検波器16により検波された二系列の磁気
共鳴信号をサンプリングしてCPU8を含む信号処理系
7に送られる。
【0023】信号処理系7は、CPU8と、光ディスク
18等の記憶装置と、CRT等のディスプレイ20と、
キーボード21とを含んで構成される。A/D変換器1
7によりサンプリングされた磁気共鳴信号は、CPU8
でフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成等の信号処
理が施される。これにより、任意断面の信号強度分布あ
るいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を
画像化してディスプレイ20に断層像として表示する。
【0024】また、ディスプレイ20には、体動モニタ
22から出力されるモニタ情報に基づいて、腹動波形あ
るいは心臓波形が表示されるようになっている。そし
て、オペレータはその波形を見ながら、キーボード21
を操作してシーケンサ4を制御することができるように
している。また、CPU8は計時機能を備えており、予
め定められた磁気共鳴信号が信号処理系7に送られた計
測時刻を記憶するようになっている。
【0025】体動モニタ22は、心臓の動き、呼吸によ
る腹動等をモニタし、シーケンサ4や信号処理系7にモ
ニタ情報を送るようになっている。これにより、シーケ
ンサ4は、モニタ情報に基づいて傾斜磁場発生装置3、
送信系4、受信系5に撮像シーケンスに従って命令を出
すタイミングを変化させるようにすることができる。
【0026】なお、図2において、送信側および受信側
の高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、
被検体1の周りの空間に配置された静磁場発生装置2の
磁場空間内に配置されている。
【0027】このように構成される磁気共鳴イメージン
グ装置を用いて、本発明の特徴に係る静磁場変動の影響
を補償する磁気共鳴信号の位相補正手段の構成につい
て、動作とともに次に説明する。本実施形態に係る位相
補正手段は、シーケンサ4とCPU8により構成され
る。シーケンサ4には、図3及び図4に示すシーケンス
が組み込まれている。
【0028】図3に示すように、シーケンサ4は、1枚
の2次元画像の再構成に必要な磁気共鳴(NMR)信号
を計測する撮像シーケンスSの実行期間の前後に、静磁
場強度の変化を計測する磁気共鳴(NMR)周波数の計
測シーケンスF1、F2を実行するようになっている。
図3の下段に示すように、NMR周波数の計測シーケン
スF1はF10〜F16の区間に分けることができる。
すなわち、計測開始前の準備期間(F10)の後、90
°RFパルス31とともにスライス断面を選択するスラ
イス傾斜磁場パルス(Gs)32を印加して被検体の所
望のスライス部位を励起する(F11)。次いで、一定
の休止期間(F12)をおいて、スピンエコーを発生さ
せるための180°RFパルス33をスライス傾斜磁場
パルス34と共に印加する(F13)。そして、一定の
休止期間(F14)をおき、エコータイミング(TE/
2)に合わせてNMR信号(Signal)35を計測する
(F15)。次いで、一定の休止期間(F16)をおい
て、撮像シーケンスSを開始する。NMR周波数の計測
シーケンスF2も同様であり、F20〜F26の区間
は、それぞれF10〜16に対応する。これらの計測シ
ーケンスF1、F2では、他の傾斜磁場Gp、Gfは印
加しない。
【0029】一方、撮影シーケンスSは、休止期間(S
0)をおいて、90°RFパルス31とスライス傾斜磁
場パルス32を印加して被検体の所望のスライス部位を
励起する(S1)。その後、休止期間(F3)をおい
て、位相エンコード傾斜磁場(Gp)36と周波数エン
コード傾斜磁場37を印加する(S3)。この周波数エ
ンコード傾斜磁場37を印加するのは、区間S7におい
てNMR信号39を計測する際に、時間原点が区間S7
の中央にくるように、核スピンを予めディフェイズ(dep
hase:位相を拡散させること)させておくためである。次
いで、休止期間(F4)をおいて、180°RFパルス
33をスライス傾斜磁場パルス34と共に印加する(F
5)。その後、休止期間(S6)をおいて、所定のエコ
ータイミングに合わせてリードアウト傾斜磁場(Gf)
38を印加してNMR信号(Signal)39を計測し(S
7)、一定の休止期間(S8)をおいて1プロジェクシ
ョン(k空間における1ライン分)に対応するNMR信
号の計測を終了する。さらに、位相エンコード傾斜磁場
のレベルを変化させて撮像シーケンスSを繰り返し、2
次元画像の再構成に必要な複数ライン分のNMR信号3
9を計測する。なお、Gs、Gp、Gfの各傾斜磁場
は、互いに直交する方向に印加される。
【0030】ここで、撮像シーケンスSにおける周波数
エンコードと位相エンコードとの関係について説明す
る。ある厚みをもった被検体のスライス部位(2次元領
域)の核スピンに、そのスライス面における直交2方向
の空間座標に応じた量の回転を付加することにより、N
MR信号に空間位置をエンコードするためのものであ
る。したがって、スライス面に平行な直交2方向の傾斜
磁場を、周波数エンコード方向と位相エンコード方向と
して印加する。
【0031】周波数エンコード方向には、NMR信号を
読み取る際、視野の両端で位相がNs×πだけずれてい
る必要があり、次式(1)の関係を満たさなければなら
ない。ここで、視野は正方形領域とする。
【0032】 γGf×D×Tf=Ns×π …(1) ここで、 γ:対象核であるプロトンの磁気回転比 Gf:周波数エンコード方向傾斜磁場の強度 D:視野直径 Tf:周波数エンコードパルス印加時間 Ns:NMR信号の計測サンプル数 また、位相エンコード方向には、Np回の位相エンコー
ド付与を行うものとすると、視野の両端での位相がNp
×πだけずれている必要があるので、位相エンコードパ
ルス印加時間をTpとしたとき、次式(2)の関係を満
たさなければならない。
【0033】 γGp×D×Tp=Np×π …(2) ここで、 Gp:位相エンコード方向傾斜磁場の最大値 Np:位相エンコード数 ここで、周波数エンコード方向の傾斜磁場は、各位相エ
ンコードごとに同じ強度を印加し、周波数エンコード方
向の空間座標を周波数軸に符号化する方法をとる。一
方、位相エンコード方向には、各エンコード毎に傾斜磁
場強度が、次式(3)に示す関係になるように、位相エ
ンコード量γGp×D×Tpをπずつ変化するようにG
pを変えてNMR信号を計測する。
【0034】 γGp×D×Tp={―(Np/2)+1}π、…、0、…、(Np/2)π …(3) この撮像シーケンスSの実行によって計測される2次元
画像の再構成に必要な複数のNMR信号は、CPU8内
のメモリに順次格納され、画像再構成のためのNMRデ
ータとなる。ここで、メモリヘの格納は、例えば図5
(a)に示すように、縦方向に位相エンコードを順次変
化させた場合における各プロジェクト(p)をとり、横
方向にそれぞれのプロジェクションにおけるサンプル番
号(s)をとっている。このようにして、周波数エンコ
ード方向にはNsサンプル、位相エンコード方向にはN
pサンプルをもつ2次元配列のNMRデータが収集され
る。このNMRデータは、通常QPS(Quadrature Pha
se Detection)手法を用いていることから,Rsp+jIs
p(jは虚数)で定められるデータとなっている。
【0035】図4に示すシーケンスは、撮像シーケンス
Sの一部のシーケンスを示しており、同図の最上段に示
した心臓の波形40に同期させて撮像シーケンスを実行
する場合のタイミングを示している。心臓の波形40
は、体動モニター21からシーケンサ7及びCPU8に
取り込まれ、これに基づいてシーケンサー7は送信系5、
受信系6、傾斜磁場発生装置3に対し、撮像シーケンス
Sに従って命令を出力するタイミング調整している。図
4において、図3の撮像シーケンスSと同一のものには
同一の符号を付して説明を省略する。同図に示すよう
に、心臓の波形40のピークとなる部分に同期させて1
ライン分の撮像シーケンスSを開始し、心臓の波形40
の周期とずれる場合は、休止期間S8で調整している。
したがって、S0区間からS7区間の期間は常に同一時
間となる。そして、各NMR信号39が信号処理系7に
送られた時の時刻をCPU8内のメモリに、NMR信号
に対応付けて順次格納される。
【0036】次に、NMR信号39を計測する際に、静
磁場強度の変動があった場合の核スピンの位相変動を図
6を用いて説明をする。同図(a)は図3のRFに、同
図(b)は図3のSigna1に、同図(c)は図3のGpにそ
れぞれ対応する。同図(d)は2次元画像の再構成に必
要なNMR信号を計測する撮像シーケンスSを実行する
複数のプロジェクションPrjのうち、第1Prj〜第4P
rjまでを例に示している。同図(d)では、第1Prjに
おける静磁場強度の変動量又はNMR周波数の値を0と
し、例えば静磁場強度の変動量が第2〜第4Prjになる
につれて順次増加していることを示している。このよう
な静磁場強度の変動によって、同図(e)に示すよう
に、核スビンの位相が各Prj毎に本来の位相からずれて
くる。同図(f)はNMR信号のサンプリング期間を示
している。
【0037】ここで、各Prjにおける静磁場強度の値は
一定と見倣し、時間が経過する従って静磁場強度が一定
のピッチで強くなっているものと仮定する。これによ
り、核スピンの位相は第1Prjで0であり、時間が進む
に従い、つまり第2Prj、第3Prj、第4Prjになるに
従い、位相変化量が大きくなっている。なお、同図
(e)は、スピンエコー法の性質から、核スピンの位相
は90゜RFパルスにより励起された時点から進み、180
゜RFパルスにより正負を反転されるから、90゜RF
パルスから180゜RFパルスまでの時間Te1と18
0゜パルスからエコーピーク位置までの時間Te2を等
しくすることにより、NMR信号の位相はピーク位置に
おいて0になることを示している。
【0038】このように、静磁場変動によって核スピン
に位相が変動した場合、NMR信号の位相情報が変動
し、所定の空間位置情報を表すものではなくなる。そこ
で、本実施形態では、図3、図4のシーケンスを実行
し、CPU8において図1に示す手順により位相補正処
理を行うことによって、メモリに格納されたNMR信号
(Rsp+jIsp)を補正する。以下図1のステップに沿
って説明する。 (ステップ1)図3に示すように、撮像シーケンスSの
実行前に計測シーケンスF1を実行し、計測されるNM
R信号の周波数f1を計測する。この周波数は、計測時
の静磁場強度に相関したNMR周波数となっている。 (ステップ2)撮像シーケンスSを実行し、図3の区間
S7にて計測される各NMR信号を計測してメモリに格
納するとともに、各NMR信号の計測時刻を計測してメ
モリに記憶する。ここでは、最初のプロジェクションの
NMR信号を計測した時刻をts、最後のプロジェクシ
ョンのNMR信号を計測した時刻をteとする。 (ステップ3)撮像シーケンスSに実行後に、計測シー
ケンスF2を実行し、計測されるNMR信号の周波数f
1を計測する。 (ステップ4)ここで、計測シーケンスF1とF2で計
測されたNMR信号の周波数f1、f2を求め、それら
の差Δfを次式(4)により求める。
【0039】 Δf=f2−f1 …(4) これにより、撮像シーケンスSの実行期間中に変化した
NMR周波数の変化量がわかる。この周波数差Δfは、
静磁場強度の変化分に相当する値となるものである。
【0040】次いで、撮像シーケンスSの実行期間中に
おける核スピンの位相変化量、つまりNMR信号の位相
変化量を演算する。まず、撮像シーケンスSの開始から
終了までの時間tは次式(5)で表せる。
【0041】 t=te−ts …(5) ここで、前述したように、tsは最初にNMR信号を計
測した時刻、teは最後に計測した時刻である。これに
より、全てのプロジェクションのNMR信号計測に要し
た時間tにおいて変化したNMR信号の相変化量Δθ0
は、次式(6)で表せる。
【0042】 Δθ0=Δf×(t/2)×2π =Δf×t×π …(6) この位相変化量Δθ0は、次のような意味を有するもの
である。つまり、図6において、静磁場発生装置の温度
が、最初のNMR信号を取得した時tsから時間に比例
して変化し、最後のプロジェクションのNMR信号を取
得した時teまでに変化した合計の位相変化量を意味す
る。そこで、各NMR信号が影響を受けた位相変化量を
求めるため、次のステップ5、6を実行する。 (ステップ5)ステップ4で演算した位相変化量Δθ0
と、ステップ2でメモリに記憶した各NMR信号の計測
時刻tnとから、まず各プ口ジェクションにおける位相
変化量Δθnを演算する。この各プロジェクションにお
ける位相変化量とは、図6に示すように、基準とする第
1Prjにおける位相から時間に比例して、各プロジェク
ションにおける位相変化量が増加するものとする。した
がって、第1Prjにおける位相からtn時間後に計測し
た第nプロジェクションの位相変化量Δθnは、次式
(7)で表せる。
【0043】 Δθn=Δθ0/(t/(tn−ts)) …(7) (ステップ6)ステップ5で演算した第nプロジェクシ
ョンにおける位相変化量Δθnから、各プロジェクショ
ン毎のNMR信号の計測時刻における位相変化量Δθsp
を演算する。この演算は、それぞれのプ口ジェクション
においては、各NMR信号のサンプリング周期が一定で
あることに基づいてなされている。すなわち、第1Prj
における位相からtn時間後に計測したNMR信号をサ
ンプリング数Nsで取得した場合、s番目のサンプリン
グデータの位相変化量Δθspは、次式(8)で表せる。
【0044】 Δθsp=Δθn×(s―Ns/2)/(Ns/2) …(8) (ステップ7)ステップ6で演算した各NMRサンプリ
ングデータの位相変化量Δθspに基づいて、メモリに格
納されている各NMRサンプリングデータの位相情報を
補正する。
【0045】すなわち、図5(a)に示した補正前の各
データ(Rsp+jIsp)に、Δθspの位相回転を施す
ように、次式(9)、(10)、(11)のような演算
をおこなう。
【0046】 R’sp+jI’sp=(Rsp+jIsp)(cosΔθsp+jsinΔθsp) =Rsp・cosΔθsp―Isp・sinΔθsp+j(Rsp・sinΔθsp+I sp・cosΔθ sp) …(9) したがって、 R’sp =Rsp・cosΔθsp―Isp・sinΔθsp …(1 0) I’sp =Rsp・sinΔθsp+I sp・cosΔθsp …(1 1) このよううにして補正された図5(b)に示す補正後の
各NMRサンプリングデータに基づいて、周知のように
フーリエ変換して画像再構成を行うことにより、静磁場
強度の変動に対応して変動する位相変動が補償された画
像を再構成することができる。したがって、静磁場強度
変動によって及ぼされる悪影響のない診断画像を得るこ
とができる。
【0047】なお、上記の実施形態では、スピンエコー
(SE)法を適用した例に基づいて説明したが、本発明
は他の撮像シーケンス、例えばグラジェントエコー法に
も適用できる。グラジェントエコー法の場合は、図6に
示したスピンエコー(SE)法と異なり、180°RF
パルスを用いない。そのため、α゜パルスにより励起さ
れた時点から位相が進み始め、NMR信号のサンプリン
グが終了するまで同一方向に位相が進み続ける。そこ
で、撮像シーケンスSの実行期間に変動した共鳴周波数
の差Δfと、時間tの間に進んだ位相変動量Δθ0は、
上述した実施形態と同じであり、Prj方向で第1Prjの
NMR信号を取得した後、tn時に取得したNMR信号
のサンプリング開始時及び終了時の位相変化量Δθa、
Δθbは、サンプル数がNMR信号のビーク位置の前後
で等しいものとすると、次式(12)、(13)で表せ
る。
【0048】 Δθa=(t(tn−ts))×Δf(Te−Tm/2)×2π …(1 2) Δθb=(t(tn−ts))×Δf(Te+Tm/2)×2π …(13 ) この両式から、任意のプロジェクションpの任意のサン
プリング番目sにおける位相変化Δθspは、次式(1
4)で表せる。
【0049】 Δθsp=((Δθb―Δθa)/(Ns−1)×Δθa …(14 )
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、静
磁場強度変動によって及ぼされる悪影響のない診断画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の位相補正処理の手順を
示すフローチャートである。
【図2】本発明が適用された一実施の形態の磁気共鳴イ
メージング装置の全体構成図である。
【図3】本発明に係る共鳴周波数の計測シーケンスを撮
像シーケンスに組合わせた一実施の形態のシーケンス図
である。
【図4】図3の撮像シーケンスを心電に同期させた一例
のシーケンス図である。
【図5】本発明による補正前と補正後の磁気共鳴データ
のメモリ格納状態を説明する図である。
【図6】スピンエコー(SE)法による磁気共鳴信号の
補正前における核スピンの位相変化を説明する図であ
る。
【図7】グラジェントエコー(GE)法による磁気共鳴
信号の補正前における核スピンの位相変化を説明する図
である。
【符号の説明】
2 静磁場発生装置 3 傾斜磁場発生装置 4 シーケンサ 5 送信系 6 受信系 7 信号処理系 8 CPU 22 体動モニタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場空間に置かれた被検体に高周波パ
    ルスと傾斜磁場とを印加して前記被検体を励起し、該励
    起により発生する磁気共鳴信号を計測する撮像シーケン
    スを実行し、計測した前記磁気共鳴信号をメモリに格納
    し、該メモリに格納された前記磁気共鳴信号に基づいて
    画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置において、 前記撮像シーケンスの実行前と実行後に前記静磁場空間
    の磁気共鳴周波数を計測し、前記撮像シーケンスの実行
    前後における磁気共鳴周波数の差に基づいて前記撮像シ
    ーケンスの実行期間における前記磁気共鳴信号の位相変
    化量を求める一方、前記撮像シーケンスにより計測する
    各磁気共鳴信号の計測時刻を記憶しておき、 前記撮像シーケンスの実行期間における前記位相変化量
    に基づいて各磁気共鳴信号の計測時刻における位相変化
    量を案分により求め、該案分した位相変化量に基づいて
    前記メモリに格納された各磁気共鳴信号の位相情報を補
    正する位相補正手段を設けたことを特徴とする磁気共鳴
    イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記撮像シーケンスは、2次元画像の再
    構成に必要な磁気共鳴信号を連続して計測する撮像シー
    ケンスであることを特徴とする請求項1に記載の磁気共
    鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】 前記撮像シーケンスは、前記静磁場空間
    に置かれた前記被検体に高周波パルスとスライス傾斜磁
    場とを印加して前記被検体を励起し、前記被検体に位相
    エンコード傾斜磁場を印加した後、前記被検体に周波数
    エンコード傾斜磁場を印加して前記磁気共鳴信号を計測
    するシーケンスを単位とし、該単位シーケンスを一定の
    周期で前記位相エンコード傾斜磁場の強度を変化させな
    がら繰返し実行して前記2次元画像の再構成に必要な前
    記磁気共鳴信号を計測するものであり、前記単位シーケ
    ンスにおける前記磁気共鳴信号は、一定の周期でサンプ
    リング計測されるものであることを特徴とする請求項2
    に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】 前記単位シーケンスにおける前記磁気共
    鳴信号は、前記被検体の体動検出信号に同期させた時刻
    に計測されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の磁気共鳴イメージング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7358728B2 (en) 2004-03-24 2008-04-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging data processing method
US7656156B2 (en) 2004-03-24 2010-02-02 Kagushiki Kaisha Toshiba MRI apparatus and method for processing MR imaging data

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