JP2003134684A - 組電池の充電状態調整方法及びその装置 - Google Patents

組電池の充電状態調整方法及びその装置

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JP2003134684A JP2001322629A JP2001322629A JP2003134684A JP 2003134684 A JP2003134684 A JP 2003134684A JP 2001322629 A JP2001322629 A JP 2001322629A JP 2001322629 A JP2001322629 A JP 2001322629A JP 2003134684 A JP2003134684 A JP 2003134684A
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    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位セル相互間の充電状態のばらつきを、キ
ャパシタを経由した各単位セル相互間の電荷移動により
解消するに当たり、キャパシタとの間での電荷移動量が
特定の単位セルだけ集中して大きくなるのを抑制乃至防
止すること。 【解決手段】 内部に蓄積された電荷が組電池Aの充電
状態の非調整中に自然放電されるキャパシタCCHG に、
単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn
を、初期充電用接続セル切換手段Bにより、組電池Aの
充電状態の調整を開始する前の組電池Aの開回路状態に
おいて、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換
えて接続するすることで、各単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,…,BATnの蓄積電荷によりキャパシ
タCCHG を、組電池Aの充電状態の調整を開始する前に
予め充電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次電池からなる
単位セルを複数個直列に接続して構成され、負荷や充電
器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う
組電池の充電状態を調整する方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、電動モータを用いて走行する電
気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行す
るハイブリッド電気自動車においては、ニッケル−水素
電池やリチウム電池といった2次電池を単位セルとして
これらを複数個直列接続した組電池が、電動モータの電
源として用いられている。
【0003】そして、上述した組電池には、充放電を繰
り返すうちに、各単位セルの充電状態(SOC)に基づ
く端子電圧にばらつきが生じ、これを放置したまま充電
を行うと一部の単位セルが過充電状態となりかねず、ま
た、そのような状態を繰り返し発生させると、各単位セ
ル毎に劣化の進行にばらつきが生じてしまう、という問
題があることが知られている。
【0004】そこで、従来から、各単位セルの端子電圧
のばらつきを解消するための提案が種々なされている
が、その一例として、特開平10−225005号公報
により提案された二次電池電位均等化回路では、時間に
対しほぼ均等になる割合で各単位セルをコンデンサに順
次切り換えて接続することで、蓄積電荷の多い単位セル
からコンデンサを介して蓄積電荷の少ない単位セルに電
荷を移動させて均等化を図るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した特
開平10−225005号公報の二次電池電位均等化回
路のような形態でコンデンサを用いる場合、各単位セル
の均等化が終了してコンデンサが全ての単位セルから切
り離されると、均等化の動作中にコンデンサに蓄積され
ていた電荷は程なく自然放電により放出されてしまうの
で、次に各単位セルの均等化を行う場合には、コンデン
サがほぼ電荷を蓄積していない状態から動作を開始する
ことになる。
【0006】したがって、上述した特開平10−225
005号公報により提案された従来の方式のように、時
間で区切ってコンデンサに接続する単位セルの順番が常
に同じである場合は、先に接続される単位セルの方が後
から接続される単位セルに比べて、コンデンサに電荷が
蓄積されていない分だけコンデンサとの端子電圧の差が
大きく、それだけ多くの電荷がコンデンサに移動するこ
とになる。
【0007】そのため、先に接続される単位セルの方が
後から接続される単位セルよりも相対的に、均等化動作
の開始時点における放電量が多くなり、その結果、均等
化動作を繰り返せば繰り返すほど、先に接続される単位
セルの方が後から接続される単位セルよりも、放電によ
る劣化が進行してしまうという不具合がある。
【0008】そして、上述した不具合は、車両に搭載さ
れた組電池に限らず、携帯電話や携帯式の家電品等、種
々の分野において使用される組電池について、広く当て
はまるものであった。
【0009】本発明は前記事情に鑑みなされたもので、
本発明の目的は、複数個直列に接続されて組電池を構成
する単位セルの相互間に生じた充電状態のばらつきを、
キャパシタを経由した各単位セル相互間の電荷移動によ
り解消するに当たり、各単位セルとキャパシタとの間で
の電荷移動量が特定の単位セルだけ集中して大きくなっ
てしまうのを極力抑制乃至防止することができる組電池
の充電状態調整方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する請求
項1乃至請求項3に各々記載した本発明は、組電池の充
電状態調整方法に関するものであり、請求項4乃至請求
項6に各々記載した本発明は、組電池の充電状態調整装
置に関するものである。
【0011】そして、請求項1に記載した本発明の組電
池の充電状態調整方法は、負荷や充電器が両端に接続さ
れた閉回路状態において充放電を行う組電池を構成す
る、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セル
を、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前記
充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に順
次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態を
調整するに当たり、内部に蓄積された電荷が前記組電池
の充電状態の非調整中に自然放電される前記キャパシタ
に、前記単位セルを、前記組電池の充電状態の調整を開
始する前の該組電池の開回路状態において、接続時間を
徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続すること
で、前記各単位セルの蓄積電荷により前記キャパシタ
を、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に予め充
電しておくようにしたことを特徴とする。
【0012】また、請求項2に記載した本発明の組電池
の充電状態調整方法は、請求項1に記載した本発明の組
電池の充電状態調整方法において、前記各単位セルを一
巡するまでこれら各単位セルを前記キャパシタに個別に
順次切り換えて接続し終えた時点で、前記組電池の充電
状態の調整を開始する前の前記キャパシタの予充電を終
了するようにした。
【0013】さらに、請求項3に記載した本発明の組電
池の充電状態調整方法は、請求項1又は2に記載した本
発明の組電池の充電状態調整方法において、前記キャパ
シタの端子電圧が前記単位セルの満充電状態における開
回路端子電圧以下となるように、前記組電池の充電状態
の調整を開始する前に前記キャパシタを予め充電してお
くようにした。
【0014】また、請求項4に記載の組電池した本発明
の充電状態調整装置は、図1に基本構成図で示すよう
に、負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態におい
て充放電を行う組電池Aを構成する、複数個直列に接続
された2次電池からなる単位セルBAT1,BAT2,
BAT3,…,BATnを、前記組電池Aの開回路状態
において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成され
たキャパシタCCHG に、個別に順次切り換えて接続する
ことで、前記組電池Aの充電状態を調整する組電池の充
電状態調整装置であって、内部に蓄積された電荷が前記
組電池Aの充電状態の非調整中に自然放電される前記キ
ャパシタCCHG に、前記単位セルBAT1,BAT2,
BAT3,…,BATnを、前記組電池Aの充電状態の
調整を開始する前の該組電池Aの開回路状態において、
接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続
する初期充電用接続セル切換手段Bを備えており、前記
初期充電用接続セル切換手段Bにより前記キャパシタC
CHG に前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnを個別に順次切り換えて接続することで、
前記各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,B
ATnの蓄積電荷により前記キャパシタCCHG を、前記
組電池Aの充電状態の調整を開始する前に予め充電する
ことを特徴とする。
【0015】さらに、請求項5に記載した本発明の組電
池の充電状態調整装置は、請求項4に記載した本発明の
組電池の充電状態調整装置において、前記初期充電用接
続セル切換手段Bにより、前記各単位セルBAT1,B
AT2,BAT3,…,BATnを一巡するまでこれら
各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BAT
nが前記キャパシタCCHG に個別に順次切り換えて接続
され終えた時点で、前記組電池Aの充電状態の調整を開
始する前の前記キャパシタCCHG の予充電を終了する予
充電終了手段11Aをさらに備えるものとした。
【0016】また、請求項6に記載した本発明の組電池
の充電状態調整装置は、請求項4又は5に記載した本発
明の組電池の充電状態調整装置において、前記キャパシ
タC CHG が、前記単位セルBAT1,BAT2,BAT
3,…,BATnの満充電状態における開回路端子電圧
1 ,V2 ,V3 ,…,Vn 以下の端子電圧VCAP とな
るように、前記組電池Aの充電状態の調整を開始する前
に予充電されるものとした。
【0017】請求項1に記載した本発明の組電池の充電
状態調整方法によれば、内部に蓄積された電荷が組電池
の充電状態の非調整中に自然放電されるキャパシタに対
して、組電池の充電状態の調整を開始する前の各単位セ
ルが個別に順次切り換えて接続されると、各単位セルか
らキャパシタに電荷が移動して徐々に蓄積される。
【0018】すると、キャパシタに電荷が徐々に蓄積さ
れることから、後に接続された単位セルほど、単位時間
当たりにキャパシタに移動する電荷の量が徐々に減少す
るが、キャパシタに対する各単位セルの接続時間を徐々
に長くすることから、キャパシタに接続されている間に
各単位セルからキャパシタに移動する電荷の量は、先に
接続された単位セルも後に接続された単位セルも殆ど変
わらないことになる。
【0019】また、請求項2に記載した本発明の組電池
の充電状態調整方法によれば、請求項1に記載した本発
明の組電池の充電状態調整方法において、各単位セルを
一巡するまでこれら各単位セルをキャパシタに個別に順
次切り換えて接続し終えた時点で、各単位セルに蓄積さ
れた電荷によるキャパシタの予充電が終了されることか
ら、この予充電の間にキャパシタに各々移動した電荷の
総量は、先に接続された単位セルも後に接続された単位
セルも殆ど変わらないことになる。
【0020】さらに、請求項3に記載した本発明の組電
池の充電状態調整方法によれば、請求項1又は2に記載
した本発明の組電池の充電状態調整方法において、組電
池の充電状態の調整を開始する時点における各単位セル
の端子電圧とキャパシタの端子電圧とが共に、各単位セ
ルの満充電状態における開回路端子電圧を上回ることが
なく、かつ、組電池の充電状態の調整を開始した後に、
キャパシタとこれに接続された各単位セルとの間で蓄積
電荷の移動が発生し、端子電圧の低い方が蓄積電荷の移
動により充電されても、充電後の端子電圧が、蓄積電荷
を放出した端子電圧の高い方を超えることはないので、
組電池の充電状態の調整を終えた後の単位セルの端子電
圧は、各単位セルの満充電状態における開回路端子電圧
を絶対に上回らないことになる。
【0021】また、請求項4に記載した本発明の組電池
の充電状態調整装置によれば、図1に示すように、内部
に蓄積された電荷が組電池Aの充電状態の非調整中に自
然放電されるキャパシタCCHG に対して、組電池Aの充
電状態の調整を開始する前の各単位セルBAT1,BA
T2,BAT3,…,BATnが、初期充電用接続セル
切換手段Bによって個別に順次切り換えて接続される
と、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,B
ATnからキャパシタCCHG に電荷が移動して徐々に蓄
積される。
【0022】すると、キャパシタCCHG に電荷が徐々に
蓄積されることから、後に接続された単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATnほど、単位時間
当たりにキャパシタCCHG に移動する電荷の量が徐々に
減少するが、キャパシタCCHGに対する各単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATnの接続時間
を、初期充電用接続セル切換手段Bが徐々に長くするこ
とから、キャパシタCCHGに接続されている間に各単位
セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから
キャパシタCCHG に移動する電荷の量は、先に接続され
た単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BAT
nも後に接続された単位セルBAT1,BAT2,BA
T3,…,BATnも殆ど変わらないことになる。
【0023】また、請求項5に記載した本発明の組電池
の充電状態調整装置によれば、請求項4に記載した本発
明の組電池の充電状態調整装置において、初期充電用接
続セル切換手段Bにより、各単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,…,BATnを一巡するまでこれら各単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが
キャパシタCCHG に個別に順次切り換えて接続され終え
た時点で、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnに蓄積された電荷によるキャパシタCCHG
の予充電が予充電終了手段11Aによって終了されるこ
とから、この予充電の間にキャパシタCCHG に各々移動
した電荷の総量は、先に接続された単位セルBAT1,
BAT2,BAT3,…,BATnも後に接続された単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnも
殆ど変わらないことになる。
【0024】さらに、請求項6に記載した本発明の組電
池の充電状態調整装置によれば、請求項4又は5に記載
した本発明の組電池の充電状態調整装置において、組電
池Aの充電状態の調整を開始する時点における各単位セ
ルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの端子
電圧とキャパシタCCHG の端子電圧とが共に、各単位セ
ルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの満充
電状態における開回路端子電圧を上回ることがなく、か
つ、組電池Aの充電状態の調整を開始した後に、キャパ
シタCCHG とこれに接続された各単位セルBAT1,B
AT2,BAT3,…,BATnとの間で蓄積電荷の移
動が発生し、端子電圧の低い方が蓄積電荷の移動により
充電されても、充電後の端子電圧が、蓄積電荷を放出し
た端子電圧の高い方を超えることはないので、キャパシ
タCCHG の蓄積電荷の移動により充電された後の単位セ
ルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの端子
電圧は、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnの満充電状態における開回路端子電圧を絶
対に上回らないことになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による組電池の充電
状態調整方法を、本発明による組電池の充電状態調整装
置と共に、図面を参照して説明する。
【0026】図2は本発明の一実施形態に係る組電池の
充電状態調整装置(以下、「調整装置」と略記する。)
の概略回路構成を一部ブロックにて示す説明図であり、
図2中引用符号1で示す本実施形態の調整装置は、エン
ジンとモータジェネレータ(いずれも図示せず。)を走
行用駆動源として併用するハイブリッド電気自動車(以
下、「車両」と略記する。)において、前記不図示の電
動モータの電源として用いられるメインバッテリA(請
求項中の組電池に相当。)に接続して使用されるもので
ある。
【0027】前記メインバッテリAは、2次電池からな
る単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BAT
nを複数個直列に接続して構成されており、メインバッ
テリAの両端には、電動モータとして機能している状態
のモータジェネレータ等が、必要に応じて負荷として接
続される他、不図示のオルタネータや、発電機として機
能している状態のモータジェネレータが、必要に応じて
充電器として接続される。
【0028】そして、本実施形態の調整装置1は、オル
タネータやモータジェネレータ等とは絶縁して設けられ
た均等充電用コンデンサCCHG (請求項中のキャパシタ
に相当。)と、各単位セルBAT1,BAT2,BAT
3,…,BATnの正負各極を選択的に均等充電用コン
デンサCCHG に接続させるための複数のフォトMOSト
ランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)n
とを有している。
【0029】尚、フォトMOSトランジスタSW01,
SW(n−1)nを除く他のフォトMOSトランジスタ
SW12,…,SW(n−2)(n−1)は、前段の単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−
1の負極選択用と、後段の単位セルBAT2,BAT
3,…,BATnの正極選択用とを兼ねている。
【0030】そのため、本実施形態の調整装置1には、
フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,S
W(n−1)nをオンさせる際に、そのオンにより充電
用コンデンサCCHG に接続するのが、単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の負極であ
るのか、それとも、単位セルBAT2,BAT3,…,
BATnの正極であるのかを選択するための、極性反転
用リレー2a,2b,3a,3bが設けられている。
【0031】また、均等充電用コンデンサCCHG には、
この均等充電用コンデンサCCHG に対する電荷の流入又
は流出の際に、その流入量又は流出量、つまり、電荷の
移動量に応じた電流を、均等充電用コンデンサCCHG
絶縁された回路上で発生させて、電荷の移動量に応じた
電位差を生じさせる電荷移動検出回路部5が接続されて
いる。
【0032】そして、電荷移動検出回路部5に生じた電
位差は、アンプ7で増幅された後、コンパレータ9によ
って、電荷移動量の基準値に相当する電位と比較され、
均等充電用コンデンサCCHG に対する電荷の流入量又は
流出量(電荷の移動量)が基準値に達しているか達して
いないかによってハイ、ローの状態が異なるコンパレー
タ9の比較出力が、マイクロコンピュータ(以下、「C
PU」と称する。)11の入力ポートPORTに入力さ
れる。
【0033】尚、コンパレータ9によってアンプ7の増
幅出力と比較する電荷移動量の基準値は、電荷移動量=
0以上の任意の値に相当する電位に設定可能であるが、
本実施形態では、電荷移動量=0に相当する電位に基準
値が設定されている。
【0034】これら電荷移動検出回路部5、アンプ7、
コンパレータ9、並びに、CPU11も、メインバッテ
リA、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,
…,SW(n−1)n、充電用コンデンサCCHG 、並び
に、極性反転用リレー2a,2b,3a,3bと共に、
調整装置1を構成しており、フォトMOSトランジスタ
SW01,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転
用リレー2a,2b,3a,3bの開閉はCPU11に
よって制御される。
【0035】CPU11は、例えばワンチップマイコン
等からなり、各種データ記憶用のデータエリア及び各種
処理作業に用いるワークエリアを有するRAM(図示せ
ず。)と、CPU11に各種処理動作を行わせるための
制御プログラムが格納されたROM(図示せず。)と
を、内蔵している。
【0036】次に、ROMに格納された制御プログラム
に従いCPU11が行う処理のうち、特に、オルタネー
タや発電機として機能している状態のモータジェネレー
タにより発電された電力によるメインバッテリAの充電
動作が完了した後に実行される、単位セルBAT1,B
AT2,BAT3,…,BATnの充電状態を均等化す
るための均等化充電処理等について、図3のフローチャ
ートを参照して説明する。
【0037】不図示の電源からの給電を受けてCPU1
1が起動しプログラムがスタートすると、まず、前回の
均等化処理の後に蓄積電荷を自然放電した状態にある充
電用コンデンサCCHG の初期充電を開始し(ステップS
1)、RAMのワークエリアに確保された接続セルカウ
ンタのカウント値iを、単位セルBAT1に対応する
「1」に設定すると共に(ステップS2)、RAMのワ
ークエリアに確保された接続時間タイマのタイムアップ
時間tを「0.1msec」に設定する(ステップS
3)。
【0038】次に、フォトMOSトランジスタSW0
1,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレ
ー2a,2b,3a,3bの開閉状態を制御して、接続
セルカウンタのカウント値iに対応する単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電用コ
ンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしを各々接続
させ(ステップS4)、その後、接続時間タイマのタイ
マ値がタイムアップ時間tに達したか否かを確認する
(ステップS5)。
【0039】タイムアップ時間tに達していない場合は
(ステップS5でN)、ステップS4にリターンし、達
した場合は(ステップS5でY)、接続セルカウンタの
カウント値iが、メインバッテリAを構成する単位セル
BAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの個数に
対応する「n」に達したか否かを確認し(ステップS
6)、達していない場合は(ステップS6でN)、接続
時間タイマのタイムアップ時間tを「0.1msec」
増やし(ステップS7)、接続セルカウンタのカウント
値iを「1」インクリメントした後(ステップS8)、
ステップS4にリターンする。
【0040】一方、ステップS5において接続時間タイ
マのタイマ値がタイムアップ時間tに達している場合
(Y)には、充電用コンデンサCCHG の初期充電を終了
し(ステップS9)、引き続き、均等化充電を開始して
(ステップS10)、RAMのワークエリアに確保され
た第2接続セルカウンタのカウント値i´を、単位セル
BAT1に対応する「1」に設定する(ステップS1
1)。
【0041】次に、フォトMOSトランジスタSW0
1,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレ
ー2a,2b,3a,3bの開閉状態を制御して、第2
接続セルカウンタのカウント値i´に対応する単位セル
BAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充
電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしを各
々接続させ(ステップS12)、その後、入力ポートP
ORTに入力されるコンパレータ9の比較出力のハイ、
ローの状態に基づいて、現在接続されている単位セルB
AT1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電
用コンデンサCCH G との間を電荷が移動中であるか否か
を確認し(ステップS13)、移動中である場合は(ス
テップS13でY)、ステップS12にリターンする。
【0042】一方、現在接続されている単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電用コ
ンデンサCCHG との間を電荷が移動中でない場合は(ス
テップS13でN)、第2接続セルカウンタのカウント
値i´が、メインバッテリAを構成する単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATnの個数に対応す
る「n」に達したか否かを確認する(ステップS1
4)。
【0043】第2接続セルカウンタのカウント値i´が
「n」に達していない場合は(ステップS14でN)、
第2接続セルカウンタのカウント値i´を「1」インク
リメントした後(ステップS15)、ステップS12に
リターンし、第2接続セルカウンタのカウント値i´が
「n」に達している場合は(ステップS14でY)、ス
テップS11からステップS15までのルーチンの繰り
返しの際に、全ての単位セルBAT1,BAT2,BA
T3,…,BATnについて、均等充電用コンデンサC
CHG との間に電荷の移動が全くなかったか否かを確認す
る(ステップS16)。
【0044】そして、一部の単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用コン
デンサCCHG との間を移動する電荷があった場合は(ス
テップS16でN)、ステップS11にリターンし、全
ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BA
Tnについて、均等充電用コンデンサCCHG との間に電
荷の移動が全くなかった場合は(ステップS16で
Y)、均等化充電を終了して(ステップS17)、一連
の処理を終わる。
【0045】以上の説明からも明らかなように、本実施
形態の調整装置1では、請求項中の初期充電用接続セル
切換手段Bが、フォトMOSトランジスタSW01,S
W12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレー2
a,2b,3a,3bと、図3中のステップS2乃至ス
テップS8とによって構成されており、図3中のステッ
プS6及びステップS7が、請求項中の予充電終了手段
11Aに対応する処理となっている。
【0046】次に、上述のように構成された本実施形態
の調整装置1の動作(作用)について説明する。
【0047】まず、電動モータとして機能している状態
のモータジェネレータ等の負荷にメインバッテリAが接
続されている閉回路状態では、負荷に対するメインバッ
テリAからの放電が行われ、また、オルタネータや発電
機として機能している状態のモータジェネレータにメイ
ンバッテリAが接続されている閉回路状態では、それら
によって発電された電力によりメインバッテリAの各単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが
充電される。
【0048】ここで、メインバッテリAの各単位セルB
AT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態
(SOC)に基づく端子電圧にばらつきが生じていて、
単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 、単位セル
BAT2の開回路状態端子電圧V2 、単位セルBATn
の開回路状態端子電圧Vn 、並びに、均等充電用コンデ
ンサCCHG の端子電圧VCAP の間に、VB =V1 (=
V)>V2 >Vn の関係(但し、Vは、各単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATnの満充電状態
における開回路端子電圧)が生じているものとする。
【0049】そして、メインバッテリAが負荷やオルタ
ネータ等から切り離された、例えば車両のイグニッショ
ンスイッチのオフ状態において、後述する均等充電用コ
ンデンサVCAP の予備充電動作を行った後、均等化充電
動作に入り、まず、極性反転用リレー2a,3aがオン
されると共に、極性反転用リレー2b,3bがオフさ
れ、この状態で、フォトMOSトランジスタSW01,
SW12のみがオンされて、単位セルBAT1と均等充
電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしが各
々接続される。
【0050】しかし、均等充電用コンデンサCCHG の端
子電圧VCAP と単位セルBAT1の開回路状態端子電圧
1 とが等しいことから、平衡状態にある均等充電用コ
ンデンサCCHG と単位セルBAT1との間では電荷の移
動が起こらず、したがって、均等充電用コンデンサC
CHG の接続対象が即座に次の単位セルBAT2に切り換
えられることになる。
【0051】具体的には、極性反転用リレー2b,3b
がオンされると共に、極性反転用リレー2a,3aがオ
フされ、この状態で、フォトMOSトランジスタSW1
2,SW23のみがオンされて、単位セルBAT2と均
等充電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうし
が各々接続される。
【0052】すると、均等充電用コンデンサCCHG の端
子電圧VCAP が単位セルBAT2の開回路状態端子電圧
2 よりも高いことから、均等充電用コンデンサCCHG
に蓄積された電荷の単位セルBAT2への移動が起こ
り、均等充電用コンデンサCCH G によって単位セルBA
T2が充電されて単位セルBAT2の開回路状態端子電
圧V2 が上がる一方、蓄積電荷を単位セルBAT2に放
出した均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP
放電により下がる。
【0053】そして、両端子電圧V2 ,VCAP の差が小
さくなり、やがて、両端子電圧V2,VCAP が等しくな
って、均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT2
とが平衡状態に至り、均等充電用コンデンサCCHG と単
位セルBAT2との間で電荷の移動が起こらなくなる
と、その時点で即座に、均等充電用コンデンサCCHG
接続対象が次の単位セルBAT3に切り換えられる。
【0054】ここで、均等充電用コンデンサCCHG の端
子電圧VCAP が単位セルBAT3の開回路状態端子電圧
3 よりも高ければ、均等充電用コンデンサCCHG に蓄
積された電荷の単位セルBAT3への移動が起こり、反
対に、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP
単位セルBAT3の開回路状態端子電圧V3 よりも低け
れば、単位セルBAT3に蓄積された電荷の均等充電用
コンデンサCCHG への移動が起こる。
【0055】そして、均等充電用コンデンサCCHG に蓄
積された電荷の単位セルBAT3への移動が起こった場
合は、均等充電用コンデンサCCHG によって単位セルB
AT3が充電されて単位セルBAT3の開回路状態端子
電圧V3 が上がるのに対して、蓄積電荷を単位セルBA
T3に放出した均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧
CAP が放電により下がって、両端子電圧V3 ,VCAP
の差が小さくなる。
【0056】一方、単位セルBAT3に蓄積された電荷
の均等充電用コンデンサCCHG への移動が起こった場合
は、単位セルBAT3によって均等充電用コンデンサC
CHGが充電されて均等充電用コンデンサCCHG の端子電
圧VCAP が上がるのに対して、蓄積電荷を均等充電用コ
ンデンサCCHG に放出した単位セルBAT3の開回路状
態端子電圧V3 が放電により下がって、両端子電圧
3 ,VCAP の差が小さくなる。
【0057】いずれにしても、両端子電圧V3 ,VCAP
の差が小さくなり、やがて、両端子電圧V3 ,VCAP
等しくなって、均等充電用コンデンサCCHG と単位セル
BAT3とが平衡状態に至り、均等充電用コンデンサC
CHG と単位セルBAT3との間で電荷の移動が起こらな
くなると、その時点で即座に、均等充電用コンデンサC
CHG の接続対象が次の単位セルBAT4以降に切り換え
られる。
【0058】その後は、均等充電用コンデンサCCHG
これに接続された単位セルBAT4,…,BATn−1
との間で、その時点での均等充電用コンデンサCCHG
端子電圧VCAP が単位セルBAT4,…,BATn−1
の開回路状態端子電圧V4 ,…,Vn-1 よりも高けれ
ば、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単
位セルBAT4,…,BATn−1への移動が起こり、
反対に、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP
が単位セルBAT4,…,BATn−1の開回路状態端
子電圧V4 ,…,Vn-1 よりも低ければ、単位セルBA
T4,…,BATn−1に蓄積された電荷の均等充電用
コンデンサCCHG への移動が起こる。
【0059】そして、均等充電用コンデンサCCHG に蓄
積された電荷の単位セルBAT4,…,BATn−1へ
の移動が起こった場合は、均等充電用コンデンサCCHG
によって単位セルBAT4,…,BATn−1が充電さ
れて単位セルBAT4,…,BATn−1の開回路状態
端子電圧V4 ,…,Vn-1 が上がるのに対して、蓄積電
荷を単位セルBAT4,…,BATn−1に放出した均
等充電用コンデンサC CHG の端子電圧VCAP が放電によ
り下がって、端子電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,V
n-1 との差が小さくなる。
【0060】これに対し、単位セルBAT4,…,BA
Tn−1に蓄積された電荷の均等充電用コンデンサC
CHG への移動が起こった場合は、単位セルBAT4,
…,BATn−1によって均等充電用コンデンサCCHG
が充電されて均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧V
CAP が上がるのに対して、蓄積電荷を均等充電用コンデ
ンサCCHG に放出した単位セルBAT4,…,BATn
−1の開回路状態端子電圧V4 ,…,Vn-1 が放電によ
り下がって、端子電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,V
n-1 との差が小さくなる。
【0061】いずれにしても、端子電圧VCAP と端子電
圧V4 ,…,Vn-1 との差が小さくなり、やがて、端子
電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,Vn-1 とが等しくなっ
て、均等充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単
位セルBAT4,…,BATn−1と平衡状態に至り、
均等充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セ
ルBAT4,…,BATn−1との間で電荷の移動が起
こらなくなると、その時点で即座に、均等充電用コンデ
ンサCCHG の接続対象が次の単位セルBAT5,…,B
ATnに切り換えられる。
【0062】そして、一回りの最後に単位セルBATn
が均等充電用コンデンサCCHG に接続されると、両者の
端子電圧Vn ,VCAP に差があれば、端子電圧の高い方
から低い方へ電荷が移動し、これにより、電荷を放出し
て放電した側の端子電圧が下がると共に電荷を受け入れ
て充電した側の端子電圧が上がって、両端子電圧Vn
CAP の差が小さくなり、やがて、両端子電圧Vn ,V
CAP が等しくなる。
【0063】また、一回りの最後に単位セルBATnが
均等充電用コンデンサCCHG に接続された時点で、両者
の端子電圧Vn ,VCAP に差がなければ、そもそも両者
の間に電荷の移動は発生しない。
【0064】いずれにせよ、単位セルBATnと均等充
電用コンデンサCCHG との間で電荷の移動が発生しなく
なると、少なくとも、単位セルBAT2が均等充電用コ
ンデンサCCHG に接続されていた際に、均等充電用コン
デンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT2への
移動が発生していたので、全ての単位セルBAT1,B
AT2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用
コンデンサCCHG との間に電荷の移動が全くなかったと
いう状況が満たされていないので、単位セルBATnと
均等充電用コンデンサCCHG との間で電荷の移動がなく
なった時点で、即座に、均等充電用コンデンサCCHG
接続対象が再び最初の単位セルBAT1に切り換えられ
る。
【0065】ところで、単位セルBATnが均等充電用
コンデンサCCHG に接続された時点では、均等充電用コ
ンデンサCCHG の端子電圧VCAP が蓄積電荷の単位セル
BATnへの放出により単位セルBAT1の開回路状態
端子電圧V1 よりも低くなっており、また、単位セルB
ATnの開回路状態端子電圧Vn は元々単位セルBAT
1の開回路状態端子電圧V1 よりも低いことから、均等
充電用コンデンサCCH G と単位セルBATnとのどちら
が蓄積電荷を放出したとしても、この時点で単位セルB
AT1の開回路状態端子電圧V1 が均等充電用コンデン
サCCHG の端子電圧VCAP よりも低くなっていることは
あり得ない。
【0066】したがって、再び単位セルBAT1が均等
充電用コンデンサCCHG に接続された場合には、均等充
電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP よりも開回路状
態端子電圧V1 が高い単位セルBAT1に蓄積された電
荷の均等充電用コンデンサC CHG への移動が起こり、単
位セルBAT1によって均等充電用コンデンサCCHG
充電されて均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧V
CAP が上がるのに対して、蓄積電荷を均等充電用コンデ
ンサCCHG に放出した単位セルBAT1の開回路状態端
子電圧V1 が放電により下がって、両端子電圧V1 ,V
CAP の差が小さくなり、やがて、両端子電圧V1 ,V
CAP が等しくなる。
【0067】以後、今まで接続されていた単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATn−1との間で
電荷の移動が生じなくなる毎に、即座に、均等充電用コ
ンデンサCCHG への接続対象が次の単位セルBAT2,
BAT3,…,BATnに順番に切り換えられ続ける
と、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,B
ATnと充電用コンデンサCCHG との間で、各端子電圧
1 ,V2 ,…,Vn と端子電圧VCAP の高い方から低
い方への蓄積電荷の移動が行われて、各端子電圧V1
2 ,…,Vn と端子電圧VCAP との差が次第に縮小し
て行き、やがては、同じ値に収斂することになる。
【0068】そして、最初の単位セルBAT1から最後
の単位セルBATnまで、均等充電用コンデンサCCHG
への接続対象が一回り切り換えられる間に、全ての単位
セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnにつ
いて、均等充電用コンデンサCCHG との間に電荷の移動
が全くなかったという状況が満たされるようになると、
その時点で、均等化充電動作が終了されて、再び、電動
モータとして機能している状態のモータジェネレータ等
の負荷にメインバッテリAが接続されてその負荷に放電
を行う状態や、オルタネータ等にメインバッテリAが接
続されてメインバッテリAが充電される状態を、いずれ
迎えることになる。
【0069】このような均等化充電動作が実行されてい
る間、充電用コンデンサCCHG に対して各単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATnが各々接続さ
れる時間の長さは、上述したように、充電用コンデンサ
CHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,…,BATnとの間の電荷移動がどのぐ
らいの時間続くかによってまちまちであり、上述した実
施形態の場合のパターンとは必ずしも一致しないが、参
考までにそのパターンの一例を図面によって示すと、例
えば図4のタイミングチャートのようになる。
【0070】ところで、上述したようにして均等化充電
動作が終了し、その後にメインバッテリAの放電状態や
充電状態が発生すると、静電容量がメインバッテリAの
ように大きくない充電用コンデンサCCHG の蓄積電荷
は、程なく自然放電により放出されてしまい、次に均等
化充電動作を行う頃には、充電用コンデンサCCHG には
電荷が全く蓄積されていないに等しい状態にある。
【0071】したがって、このまま均等化充電動作を開
始すると、充電用コンデンサCCHGに最初に接続される
単位セルBAT1が、充電用コンデンサCCHG の端子電
圧V CAP が単位セルBAT1の端子電圧V1 と等しくな
るまで、充電用コンデンサC CHG に接続され続けること
になる。
【0072】すると、均等化充電動作を行うことが原因
で、他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに
比べて単位セルBAT1の放電量が相対的に大きくな
り、単位セルBAT1の劣化が他の単位セルBAT2,
BAT3,…,BATnの劣化よりも相対的に速く進行
してしまうことになりかねない。
【0073】そこで、本実施形態の調整装置1では、均
等化充電動作を開始する前に、先程説明を保留した、以
下に説明する充電用コンデンサCCHG の初期充電動作が
実行される。
【0074】この初期充電動作では、具体的には、均等
化充電動作を開始する前に、単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,BAT4,…の順番で、接続時間を0.
1msec、0.2msec、0.3msec、0.4
msec、…と、図5のタイミングチャートに示すよう
に同じ時間長(本実施形態では0.1msec)ずつ長
くしながら、単位セルBATnまで、充電用コンデンサ
CHG に各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnを一回り、順次切り換えつつ個別に接続し
て行く。
【0075】すると、充電用コンデンサCCHG には当初
電荷が蓄積されていないことから、充電用コンデンサC
CHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT2,
BAT3,…,BATnとの間では、単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コン
デンサCCHG に電荷が移動することになる。
【0076】そして、充電用コンデンサCCHG に先に接
続される単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,
BATn−1の方が、後から充電用コンデンサCCHG
接続される単位セルBAT2,BAT3,…,BATn
よりも、充電用コンデンサC CHG との端子電圧差が大き
いことから、単位時間当たりに単位セルBAT1,BA
T2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサC
CHG に移動する電荷の量は、充電用コンデンサCCHG
先に接続される単位セルBAT1,BAT2,BAT
3,…,BATn−1の方が、後から充電用コンデンサ
CHG に接続される単位セルBAT2,BAT3,…,
BATnよりも、相対的に大きいことになる。
【0077】そこで、充電用コンデンサCCHG に後から
接続される単位セルBAT2,BAT3,…,BATn
ほど、先に接続される単位セルBAT1,BAT2,B
AT3,…,BATn−1よりも、接続時間を長くする
ことで、充電用コンデンサC CHG に接続されている間に
接続相手の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnから充電用コンデンサCCHG に移動する電
荷の量を、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnともほぼ同じ量となるようにしている。
【0078】ちなみに、上述した初期充電動作は、メイ
ンバッテリAが負荷やオルタネータ等から切り離され
た、例えば車両のイグニッションスイッチのオフ状態に
おいて行われるが、仮に、メインバッテリAの充電後に
初期充電動作が行われるとしても、その時点での各単位
セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの端
子電圧V1 ,V2 ,V3 ,…,Vn は、不図示の充電制
御手段の制御によって、少なくとも満充電状態における
開回路端子電圧V以下の値にコントロールされている。
【0079】そのため、上述した初期充電動作の終了時
点、つまり、均等化充電動作の開始時点の均等充電用コ
ンデンサCCHG の端子電圧VCAP は、少なくとも、各単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの
満充電状態における開回路端子電圧V以下の値となる。
【0080】尚、理想的には、均等化充電動作の開始時
点において、均等充電用コンデンサCCHG が、各単位セ
ルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの満充
電状態における開回路端子電圧Vに極めて近く、かつ、
これを上回ることのない端子電圧VCAP となるように、
予め充電されていることが好ましい。
【0081】このように、本実施形態の調整装置1によ
れば、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,
BATnに、オルタネータやモータジェネレータ等の負
荷や充電源とは絶縁して設けられた充電用コンデンサC
CHG を、個別に順次切り換えて接続することで、メイン
バッテリAの各単位セルBAT1,BAT2,BAT
3,…,BATnの充電状態を調整するのに先立って、
単位セルBAT1,BAT2,BAT3,BAT4,…
の順番で、接続時間を同じ時間長ずつ長くしながら、単
位セルBATnまで、充電用コンデンサCCHG に各単位
セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを一
回り、順次切り換えつつ個別に接続し、各単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コ
ンデンサC CHG にほぼ同じ量ずつ電荷を移動させて、充
電用コンデンサCCHG を予め充電しておく構成とした。
【0082】よって、この初期充電動作を均等化充電動
作を開始する前に実行することで、均等化充電動作の開
始直後に最初に単位セルBAT1を充電用コンデンサC
CHGに接続する時点での、両者の端子電位差を縮小して
おき、これにより、均等化充電動作を行うことが原因
で、他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに
比べて単位セルBAT1の放電量が相対的に大きくな
り、単位セルBAT1の劣化が他の単位セルBAT2,
BAT3,…,BATnの劣化よりも相対的に速く進行
してしまうことを、防止することができる。
【0083】しかも、本実施形態の調整装置1によれ
ば、初期充電動作を行う直前の段階で、各単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATnの端子電圧V
1 ,V 2 ,…,Vn にばらつきがあるかどうかは、その
ときの状況によって異なるが、初期充電動作によって各
単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn
から充電用コンデンサCCHG に移動する電荷の量がほぼ
同じであることから、初期充電動作の前よりも後の方
が、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,B
ATnの端子電圧V1 ,V2 ,…,Vn のばらつきが大
きくなって、その後の均等化充電動作による各単位セル
BAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状
態の均等化を遅延させるような悪影響を、初期充電動作
がメインバッテリAに及ぼすことを、確実に防止するこ
とができる。
【0084】尚、上述した実施形態では、調整装置1の
使用を開始する前の初期状態において均等充電用コンデ
ンサCCHG が、各単位セルBAT1,BAT2,BAT
3,…,BATnの満充電状態における開回路端子電圧
Vに極めて近く、かつ、これを上回ることのない端子電
圧VCAP となるように、予め充電されているものとした
が、均等充電用コンデンサCCHG の初期充電状態や容量
は、任意の値を適宜選択することができる。
【0085】しかし、特に本実施形態のように、各単位
セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの満
充電状態における開回路端子電圧Vに極めて近く、か
つ、これを上回ることのない端子電圧VCAP となるよう
に、均等充電用コンデンサCCH G を初期状態において予
め充電しておく構成とすれば、均等充電用コンデンサC
CHG の端子電圧VCAP が各単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,…,BATnの満充電状態における開回
路端子電圧Vを上回らない以上、均等充電用コンデンサ
CHG が仮に放電して各単位セルBAT1,BAT2,
BAT3,…,BATnを充電するにしても、開回路端
子電圧Vを超えて各単位セルBAT1,BAT2,BA
T3,…,BATnを過充電する可能性はないので、各
単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn
の過充電防止を確実にすることができる点で、有利であ
る。
【0086】また、上述した実施形態では、単位セルB
AT1,BAT2,BAT3,BAT4,…の順番で、
接続時間を徐々に長くしながら、単位セルBATnま
で、充電用コンデンサCCHG に各単位セルBAT1,B
AT2,BAT3,…,BATnを一回り、順次切り換
えつつ個別に接続し終えたところで、充電用コンデンサ
CHG の初期充電動作を終了するものとしたが、初期充
電動作の終了は、それ以外のタイミングであってもよ
い。
【0087】例えば、各単位セルBAT1,BAT2,
BAT3,…,BATnの順番で一巡させる動作を1ル
ーチンとし、このルーチンを複数回行った時点で初期充
電動作を終了するようにしてもよく、或は、初期充電動
作の開始から一定の時間が経過したならば、ルーチンの
途中であっても初期充電動作を終了するようにしてもよ
い。
【0088】尚、ルーチンの途中で初期充電動作を終了
するよりは、1つのルーチンが終わったところで初期充
電動作を終了する方が、全ての単位セルBAT1,BA
T2,BAT3,…,BATnが同じ量ずつ蓄積電荷を
放出することになるので、理想的ではある。
【0089】しかし、ルーチンの回数が増えれば増える
ほど、充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP の方が
単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn
の端子電圧V1 ,V2 ,V3 ,…,Vn よりも高くなっ
て、充電用コンデンサCCHGから単位セルBAT1,B
AT2,BAT3,…,BATnに電荷が移動するよう
になり、実質的に初期充電動作が終了する状況が発生し
やすくなるので、初期充電動作の終了タイミングは、必
ず1つのルーチンが終わったところでなければならない
ことはない。
【0090】さらに、上述した実施形態では、メインバ
ッテリAの開回路状態において、各単位セルBAT1,
BAT2,BAT3,…,BATnを充電用コンデンサ
CH G に個別に順次切り換えて接続することで行う均等
化充電動作を、充電用コンデンサCCHG とこれに接続さ
れた単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BA
Tnとの間の電荷移動がなくなった時点で、充電用コン
デンサCCHG に接続する単位セルBAT1,BAT2,
BAT3,…,BATnを、次の単位セルBAT2,B
AT3,…,BATnに切り換えることで、行うものと
した。
【0091】しかし、例えば、従来の技術の欄で例示し
た特開平10−225005号公報の二次電池電位均等
化回路のように、時間に対しほぼ均等になる割合で各単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを
充電用コンデンサCCHG に順次切り換えて接続する形態
で、単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BA
Tnの均等化充電動作を行ってもよく、本発明は、本実
施形態で示した以外の形態で単位セルBAT1,BAT
2,BAT3,…,BATnの均等化充電動作を行う場
合についても、その均等化充電動作を開始する前に充電
用コンデンサC CHG を前もって充電しておく際に用いる
方式として、広く適用可能である。
【0092】また、本実施形態では、初期充電動作や均
等化充電動作の際に、充電用コンデンサCCHG に各単位
セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、
図2中の枝番号の番号順に接続するものとしたが、充電
用コンデンサCCHG に接続する単位セルBAT1,BA
T2,BAT3,…,BATnの順番は、一回りするう
ちに一部の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,
…,BATnが複数回ダブって接続されることのない限
り、ランダムを含めて如何なる順番であってもよい。
【0093】特に、本実施形態の場合、n=偶数である
ならば、単位セルBAT1,BAT3,…,BATn−
1,BAT2,BAT4,…,BATnのように、1つ
置きの順番で全単位セルBAT1,BAT2,BAT
3,…,BATnを充電用コンデンサCCHG に順次接続
するようにしてもよい。
【0094】そして、この順番で切り換えるようにすれ
ば、枝番号が奇数の単位セルBAT1,BAT3,…,
BATn−1の相互間や、枝番号が偶数の単位セルBA
T2,BAT4,…,BATnの相互間で、充電用コン
デンサCCHG への接続対象を切り換える際に、極性反転
用リレー2a,2b,3a,3bの切り換え動作が不要
になるので、極性反転用リレー2a,2b,3a,3b
の制御上有利であると共に、メカ接点の開閉による電力
ロスを極力抑えることができるので、電力効率上も有利
である。
【0095】さらに、フォトMOSトランジスタSW0
1,SW12,…,SW(n−1)nの使用個数を抑え
るためには、本実施形態のように、前段の単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の負極と
充電用コンデンサCCHG とを接続する結線の一部や、後
段の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの正極
と充電用コンデンサCCHG とを接続する結線の一部を、
兼用するのが有効である。
【0096】しかし、本発明を実施する上では、前段の
単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn
−1の負極と充電用コンデンサCCHG とを接続する結
線、及び、後段の単位セルBAT2,BAT3,…,B
ATnの正極と充電用コンデンサCCHG とを接続する結
線を、各々独立して個別に設けても、一向に差し支えな
く、その場合には、極性反転用リレー2a,2b,3
a,3bとその切り換え動作用の制御を省略することが
できる。
【0097】また、均等充電用コンデンサCCHG と各単
位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと
の間に介設されてこれらを選択的に接続させるのは、本
実施形態のようなフォトMOSトランジスタSW01,
SW12,…,SW(n−1)nでなくてもよく、例え
ば、機械式のリレー等であってもよいが、本実施形態の
ようにフォトMOSトランジスタSW01,SW12,
…,SW(n−1)nを用いれば、高電圧系であるメイ
ンバッテリAから低電圧系であるアンプ7、コンパレー
タ9、及び、CPU11を電気的に絶縁させて、これら
を高圧から保護することができるので、有利である。
【0098】さらに、CPU11による各単位セルBA
T1,BAT2,BAT3,…,BATnの均等充電用
コンデンサCCHG に対する切り換え接続は、メインバッ
テリAが充放電を行っていない状態であれば、任意の状
態で行ってよい。
【0099】また、本実施形態では、各単位セルBAT
1,BAT2,BAT3,…,BATnを、図2中の記
号からも明らかなように、単一のセルであるものとした
が、本発明は、各単位セルが複数の直列接続されたセル
ブロックである組電池についても、それらのセルブロッ
ク相互の充電状態を均等化する際の、充電用コンデンサ
CHG の予充電の方式として、適用することができる。
【0100】さらに、本実施形態では、車両(ハイブリ
ッド電気自動車)において用いられる電動モータ用のメ
インバッテリAを例に取って説明したが、車両に限ら
ず、携帯電話や携帯式の家電品等、種々の分野において
使用される組電池を構成する単位セルの充電状態を調整
する際に、本発明が広く適用可能であることは、言うま
でもない。
【0101】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1に記載し
た本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、負荷や
充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を
行う組電池を構成する、複数個直列に接続された2次電
池からなる単位セルを、前記組電池の開回路状態におい
て、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャ
パシタに、個別に順次切り換えて接続することで、前記
組電池の充電状態を調整するに当たり、内部に蓄積され
た電荷が前記組電池の充電状態の非調整中に自然放電さ
れる前記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の
充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態に
おいて、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換
えて接続することで、前記各単位セルの蓄積電荷により
前記キャパシタを、前記組電池の充電状態の調整を開始
する前に予め充電しておくようにした。
【0102】また、請求項4に記載した本発明の組電池
の充電状態調整装置によれば、負荷や充電器が両端に接
続された閉回路状態において充放電を行う組電池を構成
する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セ
ルを、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前
記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に
順次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態
を調整する組電池の充電状態調整装置であって、内部に
蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整中に自
然放電される前記キャパシタに、前記単位セルを、前記
組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回
路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順
次切り換えて接続する初期充電用接続セル切換手段を備
えており、前記初期充電用接続セル切換手段により前記
キャパシタに前記単位セルを個別に順次切り換えて接続
することで、前記各単位セルの蓄積電荷により前記キャ
パシタを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に
予め充電する構成とした。
【0103】このため、請求項1に記載した本発明の組
電池の充電状態調整方法と、請求項6に記載した本発明
の組電池の充電状態調整装置とのいずれによっても、組
電池の充電状態の調整の開始時点でキャパシタが電荷を
蓄積していないが故に、組電池の充電状態が調整される
度に、調整開始後最初にキャパシタに接続される単位セ
ルからキャパシタに電荷移動がなくなるまで電荷が繰り
返し移動され、これにより、調整開始後最初にキャパシ
タに接続される単位セルが、組電池の充電状態を調整す
ればするほど充放電過多となって他の単位セルよりも相
対的に劣化が進行してしまうのを、防止することができ
る。
【0104】しかも、キャパシタに対する各単位セルの
接続時間を徐々に長くすることで、キャパシタに接続さ
れている間に各単位セルからキャパシタに移動する電荷
の量を、先に接続された単位セルも後に接続された単位
セルも殆ど変わらないようにして、組電池の充電状態の
調整の開始前にキャパシタを充電するための、各単位セ
ルからキャパシタへの電荷移動によって、特定の単位セ
ルが他の単位セルよりも相対的に充放電過多となって劣
化が進行してしまうのを、防止することができる。
【0105】また、請求項2に記載した本発明の組電池
の充電状態調整方法によれば、請求項1に記載した本発
明の組電池の充電状態調整方法において、前記各単位セ
ルを一巡するまでこれら各単位セルを前記キャパシタに
個別に順次切り換えて接続し終えた時点で、前記組電池
の充電状態の調整を開始する前の前記キャパシタの予充
電を終了するようにした。
【0106】さらに、請求項5に記載した本発明の組電
池の充電状態調整装置によれば、請求項4に記載した本
発明の組電池の充電状態調整装置において、前記初期充
電用接続セル切換手段により、前記各単位セルを一巡す
るまでこれら各単位セルが前記キャパシタに個別に順次
切り換えて接続され終えた時点で、前記組電池の充電状
態の調整を開始する前の前記キャパシタの予充電を終了
する予充電終了手段をさらに備える構成とした。
【0107】このため、請求項2に記載した本発明の組
電池の充電状態調整方法によれば、請求項1に記載した
本発明の組電池の充電状態調整方法において、また、請
求項5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置に
よれば、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態
調整装置において、いずれも、予充電の間に各単位セル
からキャパシタに各々移動した電荷の総量が、予充電の
際に先に接続された単位セルも後に接続された単位セル
も殆ど変わらないようにして、特定の単位セルが他の単
位セルよりも相対的に充放電過多となって劣化が進行し
てしまうのを、より一層確実に防止することができる。
【0108】また、請求項3に記載した本発明の組電池
の充電状態調整方法によれば、請求項1又は2に記載し
た本発明の組電池の充電状態調整方法において、前記キ
ャパシタの端子電圧が前記単位セルの満充電状態におけ
る開回路端子電圧以下となるように、前記組電池の充電
状態の調整を開始する前に前記キャパシタを予め充電し
ておくようにした。
【0109】さらに、請求項6に記載した本発明の組電
池の充電状態調整装置によれば、請求項4又は5に記載
した本発明の組電池の充電状態調整装置において、前記
キャパシタが、前記単位セルの満充電状態における開回
路端子電圧以下の端子電圧となるように、前記組電池の
充電状態の調整を開始する前に予充電される構成とし
た。
【0110】このため、請求項3に記載した本発明の組
電池の充電状態調整方法によれば、請求項1又は2に記
載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、ま
た、請求項6に記載した本発明の組電池の充電状態調整
装置によれば、請求項4又は5に記載した本発明の組電
池の充電状態調整装置において、いずれも、例え、キャ
パシタの端子電圧が単位セルの端子電圧を上回るまで充
電されたとしても、組電池の充電状態の調整の際に、キ
ャパシタからの蓄積電荷の移動により単位セルが満充電
状態における端子電圧を超える電圧まで過充電されてし
まうことを、確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による組電池の充電状態調整装置の基本
構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る組電池の充電状態調
整装置の概略回路構成を一部ブロックにて示す説明図で
ある。
【図3】図2のマイクロコンピュータがROMに格納さ
れた制御プログラムに従って行う処理のうち、特に、均
等充電用コンデンサの初期充電処理及び各単位セルの均
等化充電処理を示すフローチャートである。
【図4】図2の組電池の充電状態調整装置による各単位
セルの均等化充電処理の際における各単位セルの均等充
電用コンデンサに対する接続時間の状況を例示するタイ
ミングチャートである。
【図5】図2の組電池の充電状態調整装置による均等充
電用コンデンサの初期充電処理の際における各単位セル
の均等充電用コンデンサに対する接続時間の状況を例示
するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 充電状態調整装置 11 マイクロコンピュータ 11A 予充電終了手段 A 組電池 B 初期充電用接続セル切換手段 BAT1,BAT2,BAT3,…,BATn 単位セ
ル VCAP キャパシタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 洋一 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 Fターム(参考) 5G003 AA04 BA03 CA14 CC02 FA06 GA10 GC05 5H030 AA03 AS06 AS08 BB01 BB18 5H115 PA08 PA15 PG04 PI16 PO02 PU01 PU21 SE06 TI01 TI02 TI05 TI06 TR19 TU01 TU04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷や充電器が両端に接続された閉回路
    状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直
    列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電
    池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶
    縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて
    接続することで、前記組電池の充電状態を調整するに当
    たり、 内部に蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整
    中に自然放電される前記キャパシタに、前記単位セル
    を、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電
    池の開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ
    個別に順次切り換えて接続することで、前記各単位セル
    の蓄積電荷により前記キャパシタを、前記組電池の充電
    状態の調整を開始する前に予め充電しておくようにし
    た、 ことを特徴とする組電池の充電状態調整方法。
  2. 【請求項2】 前記各単位セルを一巡するまでこれら各
    単位セルを前記キャパシタに個別に順次切り換えて接続
    し終えた時点で、前記組電池の充電状態の調整を開始す
    る前の前記キャパシタの予充電を終了するようにした請
    求項1記載の組電池の充電状態調整方法。
  3. 【請求項3】 前記キャパシタの端子電圧が前記単位セ
    ルの満充電状態における開回路端子電圧以下となるよう
    に、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に前記キ
    ャパシタを予め充電しておくようにした請求項1又は2
    記載の組電池の充電状態調整方法。
  4. 【請求項4】 負荷や充電器が両端に接続された閉回路
    状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直
    列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電
    池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶
    縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて
    接続することで、前記組電池の充電状態を調整する組電
    池の充電状態調整装置であって、内部に蓄積された電荷
    が前記組電池の充電状態の非調整中に自然放電される前
    記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の充電状
    態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態におい
    て、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて
    接続する初期充電用接続セル切換手段を備えており、 前記初期充電用接続セル切換手段により前記キャパシタ
    に前記単位セルを個別に順次切り換えて接続すること
    で、前記各単位セルの蓄積電荷により前記キャパシタ
    を、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に予め充
    電する、ことを特徴とする組電池の充電状態調整装置。
  5. 【請求項5】 前記初期充電用接続セル切換手段によ
    り、前記各単位セルを一巡するまでこれら各単位セルが
    前記キャパシタに個別に順次切り換えて接続され終えた
    時点で、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の前
    記キャパシタの予充電を終了する予充電終了手段をさら
    に備える請求項4記載の組電池の充電状態調整装置。
  6. 【請求項6】 前記キャパシタは、前記単位セルの満充
    電状態における開回路端子電圧以下の端子電圧となるよ
    うに、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に予充
    電される請求項4又は5記載の組電池の充電状態調整装
    置。
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