JP3764667B2 - 組電池の充電状態調整方法及びその装置 - Google Patents

組電池の充電状態調整方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2次電池からなる単位セルを複数個直列に接続して構成され、負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池の充電状態を調整する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電動モータを用いて走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド電気自動車においては、ニッケル−水素電池やリチウム電池といった2次電池を単位セルとしてこれらを複数個直列接続した組電池が、電動モータの電源として用いられている。
【0003】
そして、上述した組電池には、充放電を繰り返すうちに、各単位セルの充電状態(SOC)に基づく端子電圧にばらつきが生じ、これを放置したまま充電を行うと一部の単位セルが過充電状態となりかねず、また、そのような状態を繰り返し発生させると、各単位セル毎に劣化の進行にばらつきが生じてしまう、という問題があることが知られている。
【0004】
そこで、特開平10−257683号公報では、電圧制御回路により検出される各単位セルの端子電圧の差が所定値以上となったならば、端子電圧の高い方の単位セルによってチョークコイルに電流を一時的に流し、その後、チョークコイルに蓄積された電磁エネルギーによって端子電圧の低い方の単位セルを充電することで、各単位セルの端子電圧のばらつきを解消することが提案されている。
【0005】
また、特開2000−83327号公報では、各単位セルの端子電圧の高低に応じて論理回路が出力する信号により放電回路のスイッチを開閉させて、端子電圧の高い単位セルを放電させることで、全ての単位セルを端子電圧の最も低い単位セルと同じ端子電圧にすることで、各単位セルの端子電圧のばらつきを解消することが提案されている。
【0006】
さらに、特開2000−92733号公報では、端子間電圧検出器により検出した各単位セルの端子電圧をMPUに取り込んで比較し、許容範囲を超える差が各単位セルの端子電圧間に生じた際に、バイパス回路を閉成させて端子電圧の高い単位セルを選択的に放電させて、各単位セルの端子電圧の差を許容範囲内に納めることで、各単位セルの端子電圧のばらつきを解消することが提案されている。
【0007】
ところが、特開2000−83327号や特開2000−92733号の各公報により提案された解消法では、いずれも、端子電圧の高い単位セルを放電させるため、電気エネルギーが無駄に消費されてしまうという不具合がある。
【0008】
その点、端子電圧の高い方の単位セルによりチョークコイルに蓄積した電磁エネルギーで端子電圧の低い方の単位セルを充電するという、特開平10−257683号公報により提案された従来の解消法は、電気エネルギーが無駄に消費されることがない分、有利であると言える。
【0009】
しかし、特開平10−257683号、特開2000−83327号、及び、特開2000−92733号の各公報により提案された解消法では、各単位セルの端子電圧の検出や高低比較が必要となることから、低電圧系の端子電圧検出回路や、高低比較のための複雑な論理回路系を、高電圧となる組電池から電気的に分離して、単位セルの数に応じた規模で設けなければならず、それに伴い回路構成が複雑かつ大型化してしまうという不具合がある。
【0010】
この点、特開平10−225005号公報により提案された二次電池電位均等化回路では、時間に対しほぼ均等になる割合で各単位セルをコンデンサに順次切り換えて接続することで、蓄積電荷の多い単位セルからコンデンサを介して蓄積電荷の少ない単位セルに電荷を移動させて均等化を図っていることから、各単位セルの端子電圧の検出や高低比較が不要となり、その分、回路構成はシンプルですむという利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平10−225005号公報により提案された従来の方式では、時間で区切ってコンデンサに接続する単位セルを切り換えているので、コンデンサと各単位セルとの間に電荷の移動を伴うような電位差が存在しない状態では、その単位セルとコンデンサとの接続が無駄に継続されてしまい、充電状態の迅速な均等化の妨げとなってしまうという不具合がある。
【0012】
そして、上述した不具合は、車両に搭載された組電池に限らず、携帯電話や携帯式の家電品等、種々の分野において使用される組電池について、広く当てはまるものであった。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、複数個直列に接続されて組電池を構成する単位セルの相互間に充電状態のばらつきが生じても、これを、簡易でかつ小規模な回路構成により、電気エネルギーを有効に利用して迅速にばらつきの解消を図ることができる組電池の充電状態調整方法及びその装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項3に各々記載した本発明は、組電池の充電状態調整方法に関するものであり、請求項4乃至請求項6に各々記載した本発明は、組電池の充電状態調整装置に関するものである。
【0015】
そして、請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法は、負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態を調整するに当たり、前記キャパシタに前記単位セルが接続されている間、該単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動量に応じた電流乃至電位差を直接監視することで、前記単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動の有無を監視し、前記電流乃至電位差を直接監視することで監視された、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷の移動がなくなった時点で、前記キャパシタに接続する前記単位セルを、次の前記単位セルに切り換えるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法は、請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動が、全ての前記単位セルについてなくなった時点で、前記組電池の充電状態の調整を終了するようにした。
【0017】
さらに、請求項3に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法は、請求項1又は2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、内部に蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整中に自然放電される前記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続することで、前記各単位セルの蓄積電荷により前記キャパシタを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に予め充電するようにした。
【0018】
また、請求項4に記載の組電池した本発明の充電状態調整装置は、図1に基本構成図で示すように、負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池Aを構成する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、前記組電池Aの開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタCCHG に、個別に順次切り換えて接続することで、前記組電池Aの充電状態を調整する組電池の充電状態調整装置であって、前記キャパシタCCHG に前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが接続されている間、該単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと前記キャパシタCCHG との間の電荷移動量に応じた電流乃至電位差を直接監視することで、前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと前記キャパシタC CHG との間の電荷移動の有無を判別する電荷移動有無判別手段Bと、前記キャパシタCCHG と該キャパシタCCHG に接続されている前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間の電荷移動がないと前記電荷移動有無判別手段Bが判別した時点で、前記キャパシタCCHG に接続する前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、次の前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnに切り換える接続セル切換手段Cとを備えることを特徴とする。
【0019】
さらに、請求項5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置は、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、前記電荷移動有無判別手段Bが、全ての前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、前記キャパシタCCHG と該キャパシタCCHG に接続されている前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間の電荷移動がないと判別した時点で、前記組電池Aの充電状態の調整を終了させる終了手段11Aをさらに備えているものとした。
【0020】
また、請求項6に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置は、請求項4又は5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、内部に蓄積された電荷が前記組電池Aの充電状態の非調整中において自然放電される前記キャパシタCCHG に、前記単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、前記組電池Aの充電状態の調整を開始する前の該組電池Aの開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続する初期充電用接続セル切換手段Dをさらに備えているものとした。
【0021】
請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、組電池の開回路状態において、キャパシタとキャパシタに接続された各単位セルとの間で、端子電圧の高い方から低い方への蓄積電荷の移動が行われ、その電荷移動がなくなると、キャパシタに接続される単位セルが次の単位セルに即座に切り換えられて、これらが以後繰り返されることにより、各単位セルとキャパシタとの間の余剰電荷の授受が切れ目なく行われ、やがて、全ての単位セルが、それら各単位セルやキャパシタに蓄積された電荷を用いて同じ充電状態に収斂することになる。
【0022】
また、請求項2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、全ての単位セルについて、キャパシタと接続された際の電荷移動が生じなくなると、組電池の充電状態の調整動作が終了されて、キャパシタに接続する単位セルの次の単位セルへの切り換えが行われなくなることになる。
【0023】
さらに、請求項3に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、請求項1又は2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、内部に蓄積された電荷が組電池の充電状態の非調整中に自然放電されたキャパシタに対して、組電池の充電状態の調整を開始する前の各単位セルが個別に順次切り換えて接続されると、各単位セルからキャパシタに電荷が移動して徐々に蓄積される。
【0024】
すると、キャパシタに電荷が徐々に蓄積されることから、後に接続された単位セルほど、単位時間当たりにキャパシタに移動する電荷の量が徐々に減少するが、キャパシタに対する各単位セルの接続時間を徐々に長くすることから、キャパシタに接続されている間に各単位セルからキャパシタに移動する電荷の量は、先に接続された単位セルも後に接続された単位セルも殆ど変わらないことになる。
【0025】
また、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、図1に示すように、組電池Aの開回路状態において、キャパシタCCHG とキャパシタCCHG に接続された各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間で、端子電圧の高い方から低い方への蓄積電荷の移動が行われた際に、両者の間の電荷移動がないと電荷移動有無判別手段Bにより判別されると、キャパシタCCHG に接続される単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが接続セル切換手段Cにより次の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnに即座に切り換えられて、これらが以後繰り返されることにより、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとキャパシタCCHG との間の余剰電荷の授受が切れ目なく行われ、やがて、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが、それら各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnやキャパシタCCHG に蓄積された電荷を用いて同じ充電状態に収斂することになる。
【0026】
また、請求項5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、キャパシタCCHG と接続された際の電荷移動がないと電荷移動有無判別手段Bにより判別されると、組電池Aの充電状態の調整動作が終了手段11Aにより終了されて、キャパシタCCHG に接続する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの次の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnへの切り換えが行われなくなることになる。
【0027】
さらに、請求項6に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、請求項4又は5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、内部に蓄積された電荷が組電池Aの充電状態の非調整中に自然放電されたキャパシタCCHG に対して、組電池Aの充電状態の調整を開始する前の各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが、初期充電用接続セル切換手段Dによって個別に順次切り換えて接続されると、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnからキャパシタCCHG に電荷が移動して徐々に蓄積される。
【0028】
すると、キャパシタCCHG に電荷が徐々に蓄積されることから、後に接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnほど、単位時間当たりにキャパシタCCHG に移動する電荷の量が徐々に減少するが、キャパシタCCHG に対する各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの接続時間を、初期充電用接続セル切換手段Dが徐々に長くすることから、キャパシタCCHG に接続されている間に各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnからキャパシタCCHG に移動する電荷の量は、先に接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnも後に接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnも殆ど変わらないことになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による組電池の充電状態調整方法を、本発明による組電池の充電状態調整装置と共に、図面を参照して説明する。
【0030】
図2は本発明の一実施形態に係る組電池の充電状態調整装置(以下、「調整装置」と略記する。)の概略回路構成を一部ブロックにて示す説明図であり、図2中引用符号1で示す本実施形態の調整装置は、エンジンとモータジェネレータ(いずれも図示せず。)を走行用駆動源として併用するハイブリッド電気自動車(以下、「車両」と略記する。)において、前記不図示の電動モータの電源として用いられるメインバッテリA(請求項中の組電池に相当。)に接続して使用されるものである。
【0031】
前記メインバッテリAは、2次電池からなる単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを複数個直列に接続して構成されており、メインバッテリAの両端には、電動モータとして機能している状態のモータジェネレータ等が、必要に応じて負荷として接続される他、不図示のオルタネータや、発電機として機能している状態のモータジェネレータが、必要に応じて充電器として接続される。
【0032】
そして、本実施形態の調整装置1は、オルタネータやモータジェネレータ等とは絶縁して設けられた均等充電用コンデンサCCHG (請求項中のキャパシタに相当。)と、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの正負各極を選択的に均等充電用コンデンサCCHG に接続させるための複数のフォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nとを有している。
【0033】
尚、フォトMOSトランジスタSW01,SW(n−1)nを除く他のフォトMOSトランジスタSW12,…,SW(n−2)(n−1)は、前段の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の負極選択用と、後段の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの正極選択用とを兼ねている。
【0034】
そのため、本実施形態の調整装置1には、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nをオンさせる際に、そのオンにより充電用コンデンサCCHG に接続するのが、単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の負極であるのか、それとも、単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの正極であるのかを選択するための、極性反転用リレー2a,2b,3a,3bが設けられている。
【0035】
また、均等充電用コンデンサCCHG には、この均等充電用コンデンサCCHG に対する電荷の流入又は流出の際に、その流入量又は流出量、つまり、電荷の移動量に応じた電流を、均等充電用コンデンサCCHG と絶縁された回路上で発生させて、電荷の移動量に応じた電位差を生じさせる電荷移動検出回路部5が接続されている。
【0036】
そして、電荷移動検出回路部5に生じた電位差は、アンプ7で増幅された後、コンパレータ9によって、電荷移動量の基準値に相当する電位と比較され、均等充電用コンデンサCCHG に対する電荷の流入量又は流出量(電荷の移動量)が基準値に達しているか達していないかによってハイ、ローの状態が異なるコンパレータ9の比較出力が、マイクロコンピュータ(以下、「CPU」と称する。)11の入力ポートPORTに入力される。
【0037】
尚、コンパレータ9によってアンプ7の増幅出力と比較する電荷移動量の基準値は、電荷移動量=0以上の任意の値に相当する電位に設定可能であるが、本実施形態では、電荷移動量=0に相当する電位に基準値が設定されている。
【0038】
これら電荷移動検出回路部5、アンプ7、コンパレータ9、並びに、CPU11も、メインバッテリA、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)n、充電用コンデンサCCHG 、並びに、極性反転用リレー2a,2b,3a,3bと共に、調整装置1を構成しており、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレー2a,2b,3a,3bの開閉はCPU11によって制御される。
【0039】
CPU11は、例えばワンチップマイコン等からなり、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有するRAM(図示せず。)と、CPU11に各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されたROM(図示せず。)とを、内蔵している。
【0040】
次に、ROMに格納された制御プログラムに従いCPU11が行う処理のうち、特に、オルタネータや発電機として機能している状態のモータジェネレータにより発電された電力によるメインバッテリAの充電動作が完了した後に実行される、単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態を均等化するための均等化充電処理等について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0041】
不図示の電源からの給電を受けてCPU11が起動しプログラムがスタートすると、まず、前回の均等化処理の後に蓄積電荷を自然放電した状態にある充電用コンデンサCCHG の初期充電を開始し(ステップS1)、RAMのワークエリアに確保された接続セルカウンタのカウント値iを、単位セルBAT1に対応する「1」に設定すると共に(ステップS2)、RAMのワークエリアに確保された接続時間タイマのタイムアップ時間tを「0.1msec」に設定する(ステップS3)。
【0042】
次に、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレー2a,2b,3a,3bの開閉状態を制御して、接続セルカウンタのカウント値iに対応する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしを各々接続させ(ステップS4)、その後、接続時間タイマのタイマ値がタイムアップ時間tに達したか否かを確認する(ステップS5)。
【0043】
タイムアップ時間tに達していない場合は(ステップS5でN)、ステップS4にリターンし、達した場合は(ステップS5でY)、接続セルカウンタのカウント値iが、メインバッテリAを構成する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの個数に対応する「n」に達したか否かを確認し(ステップS6)、達していない場合は(ステップS6でN)、接続時間タイマのタイムアップ時間tを「0.1msec」増やし(ステップS7)、接続セルカウンタのカウント値iを「1」インクリメントした後(ステップS8)、ステップS4にリターンする。
【0044】
一方、ステップS5において接続時間タイマのタイマ値がタイムアップ時間tに達している場合(Y)には、充電用コンデンサCCHG の初期充電を終了し(ステップS9)、引き続き、均等化充電を開始して(ステップS10)、RAMのワークエリアに確保された第2接続セルカウンタのカウント値i´を、単位セルBAT1に対応する「1」に設定する(ステップS11)。
【0045】
次に、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレー2a,2b,3a,3bの開閉状態を制御して、第2接続セルカウンタのカウント値i´に対応する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしを各々接続させ(ステップS12)、その後、入力ポートPORTに入力されるコンパレータ9の比較出力のハイ、ローの状態に基づいて、現在接続されている単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電用コンデンサCCHG との間を電荷が移動中であるか否かを確認し(ステップS13)、移動中である場合は(ステップS13でY)、ステップS12にリターンする。
【0046】
一方、現在接続されている単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと均等充電用コンデンサCCHG との間を電荷が移動中でない場合は(ステップS13でN)、第2接続セルカウンタのカウント値i´が、メインバッテリAを構成する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの個数に対応する「n」に達したか否かを確認する(ステップS14)。
【0047】
第2接続セルカウンタのカウント値i´が「n」に達していない場合は(ステップS14でN)、第2接続セルカウンタのカウント値i´を「1」インクリメントした後(ステップS15)、ステップS12にリターンし、第2接続セルカウンタのカウント値i´が「n」に達している場合は(ステップS14でY)、ステップS11からステップS15までのルーチンの繰り返しの際に、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用コンデンサCCHG との間に電荷の移動が全くなかったか否かを確認する(ステップS16)。
【0048】
そして、一部の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用コンデンサCCHG との間を移動する電荷があった場合は(ステップS16でN)、ステップS11にリターンし、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用コンデンサCCHG との間に電荷の移動が全くなかった場合は(ステップS16でY)、均等化充電を終了して(ステップS17)、一連の処理を終わる。
【0049】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態の調整装置1では、請求項中の電荷移動有無判別手段Bが、電荷移動検出回路部5、アンプ7、及び、コンパレータ9と、図3のフローチャートにおけるステップS13とによって構成されている。
【0050】
また、本実施形態の調整装置1では、請求項中の接続セル切換手段Cが、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレー2a,2b,3a,3bと、図3中のステップS11、ステップS12、ステップS14、並びに、ステップS15とによって構成されている。
【0051】
さらに、本実施形態の調整装置1では、請求項中の初期充電用接続セル切換手段Dが、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nや極性反転用リレー2a,2b,3a,3bと、図3中のステップS2乃至ステップS8とによって構成されており、図3中のステップS17が、請求項中の終了手段11Aに対応する処理となっている。
【0052】
次に、上述のように構成された本実施形態の調整装置1の動作(作用)について説明する。
【0053】
まず、電動モータとして機能している状態のモータジェネレータ等の負荷にメインバッテリAが接続されている閉回路状態では、負荷に対するメインバッテリAからの放電が行われ、また、オルタネータや発電機として機能している状態のモータジェネレータにメインバッテリAが接続されている閉回路状態では、それらによって発電された電力によりメインバッテリAの各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが充電される。
【0054】
ここで、メインバッテリAの各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態(SOC)に基づく端子電圧にばらつきが生じていて、単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 、単位セルBAT2の開回路状態端子電圧V2 、単位セルBATnの開回路状態端子電圧Vn 、並びに、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP の間に、VB =V1 (=V)>V2 >Vn の関係(但し、Vは、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの満充電状態における開回路端子電圧)が生じているものとする。
【0055】
そして、メインバッテリAが負荷やオルタネータ等から切り離された、例えば車両のイグニッションスイッチのオフ状態において、後述する均等充電用コンデンサVCAP の予備充電動作を行った後、均等化充電動作に入り、まず、極性反転用リレー2a,3aがオンされると共に、極性反転用リレー2b,3bがオフされ、この状態で、フォトMOSトランジスタSW01,SW12のみがオンされて、単位セルBAT1と均等充電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしが各々接続される。
【0056】
しかし、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP と単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 とが等しいことから、平衡状態にある均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT1との間では電荷の移動が起こらず、したがって、均等充電用コンデンサCCHG の接続対象が即座に次の単位セルBAT2に切り換えられることになる。
【0057】
具体的には、極性反転用リレー2b,3bがオンされると共に、極性反転用リレー2a,3aがオフされ、この状態で、フォトMOSトランジスタSW12,SW23のみがオンされて、単位セルBAT2と均等充電用コンデンサCCHG との正極どうし、負極どうしが各々接続される。
【0058】
すると、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が単位セルBAT2の開回路状態端子電圧V2 よりも高いことから、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT2への移動が起こり、均等充電用コンデンサCCHG によって単位セルBAT2が充電されて単位セルBAT2の開回路状態端子電圧V2 が上がる一方、蓄積電荷を単位セルBAT2に放出した均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が放電により下がる。
【0059】
そして、両端子電圧V2 ,VCAP の差が小さくなり、やがて、両端子電圧V2 ,VCAP が等しくなって、均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT2とが平衡状態に至り、均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT2との間で電荷の移動が起こらなくなると、その時点で即座に、均等充電用コンデンサCCHG の接続対象が次の単位セルBAT3に切り換えられる。
【0060】
ここで、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が単位セルBAT3の開回路状態端子電圧V3 よりも高ければ、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT3への移動が起こり、反対に、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が単位セルBAT3の開回路状態端子電圧V3 よりも低ければ、単位セルBAT3に蓄積された電荷の均等充電用コンデンサCCHG への移動が起こる。
【0061】
そして、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT3への移動が起こった場合は、均等充電用コンデンサCCHG によって単位セルBAT3が充電されて単位セルBAT3の開回路状態端子電圧V3 が上がるのに対して、蓄積電荷を単位セルBAT3に放出した均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が放電により下がって、両端子電圧V3 ,VCAP の差が小さくなる。
【0062】
一方、単位セルBAT3に蓄積された電荷の均等充電用コンデンサCCHG への移動が起こった場合は、単位セルBAT3によって均等充電用コンデンサCCHG が充電されて均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が上がるのに対して、蓄積電荷を均等充電用コンデンサCCHG に放出した単位セルBAT3の開回路状態端子電圧V3 が放電により下がって、両端子電圧V3 ,VCAP の差が小さくなる。
【0063】
いずれにしても、両端子電圧V3 ,VCAP の差が小さくなり、やがて、両端子電圧V3 ,VCAP が等しくなって、均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT3とが平衡状態に至り、均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT3との間で電荷の移動が起こらなくなると、その時点で即座に、均等充電用コンデンサCCHG の接続対象が次の単位セルBAT4以降に切り換えられる。
【0064】
その後は、均等充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT4,…,BATn−1との間で、その時点での均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が単位セルBAT4,…,BATn−1の開回路状態端子電圧V4 ,…,Vn-1 よりも高ければ、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT4,…,BATn−1への移動が起こり、反対に、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が単位セルBAT4,…,BATn−1の開回路状態端子電圧V4 ,…,Vn-1 よりも低ければ、単位セルBAT4,…,BATn−1に蓄積された電荷の均等充電用コンデンサCCHG への移動が起こる。
【0065】
そして、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT4,…,BATn−1への移動が起こった場合は、均等充電用コンデンサCCHG によって単位セルBAT4,…,BATn−1が充電されて単位セルBAT4,…,BATn−1の開回路状態端子電圧V4 ,…,Vn-1 が上がるのに対して、蓄積電荷を単位セルBAT4,…,BATn−1に放出した均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が放電により下がって、端子電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,Vn-1 との差が小さくなる。
【0066】
これに対し、単位セルBAT4,…,BATn−1に蓄積された電荷の均等充電用コンデンサCCHG への移動が起こった場合は、単位セルBAT4,…,BATn−1によって均等充電用コンデンサCCHG が充電されて均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が上がるのに対して、蓄積電荷を均等充電用コンデンサCCHG に放出した単位セルBAT4,…,BATn−1の開回路状態端子電圧V4 ,…,Vn-1 が放電により下がって、端子電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,Vn-1 との差が小さくなる。
【0067】
いずれにしても、端子電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,Vn-1 との差が小さくなり、やがて、端子電圧VCAP と端子電圧V4 ,…,Vn-1 とが等しくなって、均等充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT4,…,BATn−1と平衡状態に至り、均等充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT4,…,BATn−1との間で電荷の移動が起こらなくなると、その時点で即座に、均等充電用コンデンサCCHG の接続対象が次の単位セルBAT5,…,BATnに切り換えられる。
【0068】
そして、一回りの最後に単位セルBATnが均等充電用コンデンサCCHG に接続されると、両者の端子電圧Vn ,VCAP に差があれば、端子電圧の高い方から低い方へ電荷が移動し、これにより、電荷を放出して放電した側の端子電圧が下がると共に電荷を受け入れて充電した側の端子電圧が上がって、両端子電圧Vn ,VCAP の差が小さくなり、やがて、両端子電圧Vn ,VCAP が等しくなる。
【0069】
また、一回りの最後に単位セルBATnが均等充電用コンデンサCCHG に接続された時点で、両者の端子電圧Vn ,VCAP に差がなければ、そもそも両者の間に電荷の移動は発生しない。
【0070】
いずれにせよ、単位セルBATnと均等充電用コンデンサCCHG との間で電荷の移動が発生しなくなると、少なくとも、単位セルBAT2が均等充電用コンデンサCCHG に接続されていた際に、均等充電用コンデンサCCHG に蓄積された電荷の単位セルBAT2への移動が発生していたので、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用コンデンサCCHG との間に電荷の移動が全くなかったという状況が満たされていないので、単位セルBATnと均等充電用コンデンサCCHG との間で電荷の移動がなくなった時点で、即座に、均等充電用コンデンサCCHG の接続対象が再び最初の単位セルBAT1に切り換えられる。
【0071】
ところで、単位セルBATnが均等充電用コンデンサCCHG に接続された時点では、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が蓄積電荷の単位セルBATnへの放出により単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 よりも低くなっており、また、単位セルBATnの開回路状態端子電圧Vn は元々単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 よりも低いことから、均等充電用コンデンサCCHG と単位セルBATnとのどちらが蓄積電荷を放出したとしても、この時点で単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 が均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP よりも低くなっていることはあり得ない。
【0072】
したがって、再び単位セルBAT1が均等充電用コンデンサCCHG に接続された場合には、均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP よりも開回路状態端子電圧V1 が高い単位セルBAT1に蓄積された電荷の均等充電用コンデンサCCHG への移動が起こり、単位セルBAT1によって均等充電用コンデンサCCHG が充電されて均等充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が上がるのに対して、蓄積電荷を均等充電用コンデンサCCHG に放出した単位セルBAT1の開回路状態端子電圧V1 が放電により下がって、両端子電圧V1 ,VCAP の差が小さくなり、やがて、両端子電圧V1 ,VCAP が等しくなる。
【0073】
以後、今まで接続されていた単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1との間で電荷の移動が生じなくなる毎に、即座に、均等充電用コンデンサCCHG への接続対象が次の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに順番に切り換えられ続けると、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと充電用コンデンサCCHG との間で、各端子電圧V1 ,V2 ,…,Vn と端子電圧VCAP の高い方から低い方への蓄積電荷の移動が行われて、各端子電圧V1 ,V2 ,…,Vn と端子電圧VCAP との差が次第に縮小して行き、やがては、同じ値に収斂することになる。
【0074】
そして、最初の単位セルBAT1から最後の単位セルBATnまで、均等充電用コンデンサCCHG への接続対象が一回り切り換えられる間に、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnについて、均等充電用コンデンサCCHG との間に電荷の移動が全くなかったという状況が満たされるようになると、その時点で、均等化充電動作が終了されて、再び、電動モータとして機能している状態のモータジェネレータ等の負荷にメインバッテリAが接続されてその負荷に放電を行う状態や、オルタネータ等にメインバッテリAが接続されてメインバッテリAが充電される状態を、いずれ迎えることになる。
【0075】
このような均等化充電動作が実行されている間、充電用コンデンサCCHG に対して各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが各々接続される時間の長さは、上述したように、充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間の電荷移動がどのぐらいの時間続くかによってまちまちであり、上述した実施形態の場合のパターンとは必ずしも一致しないが、参考までにそのパターンの一例を図面によって示すと、例えば図4のタイミングチャートのようになる。
【0076】
ところで、上述したようにして均等化充電動作が終了し、その後にメインバッテリAの放電状態や充電状態が発生すると、静電容量がメインバッテリAのように大きくない充電用コンデンサCCHG の蓄積電荷は、程なく自然放電により放出されてしまい、次に均等化充電動作を行う頃には、充電用コンデンサCCHG には電荷が全く蓄積されていないに等しい状態にある。
【0077】
したがって、このまま均等化充電動作を開始すると、充電用コンデンサCCHG に最初に接続される単位セルBAT1が、充電用コンデンサCCHG の端子電圧VCAP が単位セルBAT1の端子電圧V1 と等しくなるまで、充電用コンデンサCCHG に接続され続けることになる。
【0078】
すると、均等化充電動作を行うことが原因で、他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに比べて単位セルBAT1の放電量が相対的に大きくなり、単位セルBAT1の劣化が他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの劣化よりも相対的に速く進行してしまうことになりかねない。
【0079】
そこで、本実施形態の調整装置1では、均等化充電動作を開始する前に、先程説明を保留した、以下に説明する充電用コンデンサCCHG の初期充電動作が実行される。
【0080】
この初期充電動作では、具体的には、均等化充電動作を開始する前に、単位セルBAT1,BAT2,BAT3,BAT4,…の順番で、接続時間を0.1msec、0.2msec、0.3msec、0.4msec、…と、図5のタイミングチャートに示すように同じ時間長(本実施形態では0.1msec)ずつ長くしながら、単位セルBATnまで、充電用コンデンサCCHG に各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを一回り、順次切り換えつつ個別に接続して行く。
【0081】
すると、充電用コンデンサCCHG には当初電荷が蓄積されていないことから、充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間では、単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサCCHG に電荷が移動することになる。
【0082】
そして、充電用コンデンサCCHG に先に接続される単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の方が、後から充電用コンデンサCCHG に接続される単位セルBAT2,BAT3,…,BATnよりも、充電用コンデンサCCHG との端子電圧差が大きいことから、単位時間当たりに単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサCCHG に移動する電荷の量は、充電用コンデンサCCHG に先に接続される単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の方が、後から充電用コンデンサCCHG に接続される単位セルBAT2,BAT3,…,BATnよりも、相対的に大きいことになる。
【0083】
そこで、充電用コンデンサCCHG に後から接続される単位セルBAT2,BAT3,…,BATnほど、先に接続される単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1よりも、接続時間を長くすることで、充電用コンデンサCCHG に接続されている間に接続相手の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサCCHG に移動する電荷の量を、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnともほぼ同じ量となるようにしている。
【0084】
したがって、この初期充電動作を均等化充電動作を開始する前に実行することで、均等化充電動作の開始直後に最初に単位セルBAT1を充電用コンデンサCCHG に接続する時点での、両者の端子電位差を縮小しておき、これにより、均等化充電動作を行うことが原因で、他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに比べて単位セルBAT1の放電量が相対的に大きくなり、単位セルBAT1の劣化が他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの劣化よりも相対的に速く進行してしまうことを、防止することができる。
【0085】
尚、初期充電動作を行う直前の段階で、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの端子電圧V1 ,V2 ,…,Vn にばらつきがあるかどうかは、そのときの状況によって異なるが、初期充電動作によって各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサCCHG に移動する電荷の量がほぼ同じであることから、初期充電動作の前よりも後の方が、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの端子電圧V1 ,V2 ,…,Vn のばらつきが大きくなって、その後の均等化充電動作による各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態の均等化を遅延させるような悪影響を初期充電動作がメインバッテリAに及ぼすことはない。
【0086】
このように本実施形態の調整装置1によれば、充電や放電を行った後のメインバッテリAの開回路状態において、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnに、オルタネータやモータジェネレータ等の負荷や充電源とは絶縁して設けられた充電用コンデンサCCHG を、個別に順次切り換えて接続することでメインバッテリAの各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態を調整するに当たって、均等充電用コンデンサCCHG に接続された電荷移動検出回路部5に発生する、均等充電用コンデンサCCHG に対する電荷の移動量に応じた電位差の、アンプ7による増幅出力を、コンパレータ9によって、電荷移動量の基準値に相当する電位と比較し、その比較出力に基づいて、充電用コンデンサCCHG に単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが接続されている間の、この単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと充電用コンデンサCCHG との間の電荷移動の有無を、CPU11により監視し、電荷移動がなくなった時点で、充電用コンデンサCCHG に接続する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、次の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに切り換える構成とした。
【0087】
よって、コンデンサやスイッチング素子、及び、そのセレクタ動作を行わせるCPU11といった、簡易でかつ小規模な回路構成により、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnや均等充電用コンデンサCB の蓄積している電気エネルギーを有効に利用して、メインバッテリBの充放電の繰り返しで、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態(SOC)に基づく開回路状態端子電圧V1 ,V2 ,…,Vn に生じたばらつきを解消し、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを均等な充電状態にすることができる。
【0088】
しかも、充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとが、相互の間で電荷移動がある間のみ接続され、電荷移動がなくなると即座に、充電用コンデンサCCHG の接続対象が次の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnに切り換えられるので、充電用コンデンサCCHG と単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとが相互間に電荷移動がないにも拘わらず接続されて続けてしまう時間的な無駄をなくし、充電用コンデンサCCHG を経由した電荷移動による各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態の均等化を、迅速に達成することができる。
【0089】
尚、上述した実施形態では、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの均等化充電動作を開始する前に、単位セルBAT1,BAT2,BAT3,BAT4,…の順番で、接続時間を徐々に長くしながら、単位セルBATnまで、充電用コンデンサCCHG に各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを一回り、順次切り換えつつ個別に接続して行くことで、ほぼ同じ量ずつ電荷を各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサCCHG に移動させて、充電用コンデンサCCHG を前もって充電しておく初期充電動作を行うものとしたが、この初期充電動作は省略してもよい。
【0090】
或は、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの均等化充電動作を開始する前に充電用コンデンサCCHG を前もって充電しておく場合に、例えば、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを充電用コンデンサCCHG に同じ時間ずつ順次切り換えて個別に接続し、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnから充電用コンデンサCCHG に電荷を移動させて、充電用コンデンサCCHG を充電するといった、上述した実施形態で説明した初期充電動作とは異なる形態の動作によって充電用コンデンサCCHG を充電するようにしてもよい。
【0091】
しかし、上述した実施形態の初期充電動作によって、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの均等化充電動作を開始する前に充電用コンデンサCCHG を前もって充電するようにすれば、先に説明したとおり、均等化充電動作を行うことが原因で、他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnに比べて単位セルBAT1の放電量が相対的に大きくなり、単位セルBAT1の劣化が他の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの劣化よりも相対的に速く進行してしまうことを、防止することができるので、均等化充電動作を実行する上で非常に有利である。
【0092】
また、本実施形態では、充電用コンデンサCCHG に接続する対象を、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの順番で一巡させる動作を1ルーチンとし、この1ルーチン中において、どの単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間においても、充電用コンデンサCCHG に対する電荷の移動が発生しなかった場合に、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態が均等化されたものとして、均等化充電処理を終了するものとした。
【0093】
しかし、どの単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間においても、充電用コンデンサCCHG に対する電荷の移動が発生しなかった、という、均等化充電処理の終了条件が満たされているか否かの確認は、本実施形態のように、1つのルーチンが終わる毎にそのルーチン単位で確認する方式に限らず任意である。
【0094】
例えば、充電用コンデンサCCHG に接続する対象の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが切り換わる毎に、充電用コンデンサCCHG に現在接続されている単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを含めて、メインバッテリAを構成する全単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnと充電用コンデンサCCHG との間で、電荷移動のない状態が連続して発生したか否かを確認し、連続して発生していない場合は均等化充電処理を継続し、連続して発生した場合は均等化充電処理を終了する、という方式で確認するようにしてもよい。
【0095】
さらに、均等化充電処理を終了する条件は、本実施形態の調整装置1のような、どの単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間においても、充電用コンデンサCCHG に対する電荷の移動が発生しなかった、という条件でなく、例えば、経験的に定められた時間が経過したならば、遅くともそれ以前の段階で十分に各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態が均等化されているものとして、均等化充電処理を終了する、という、時間的な条件であってもよい。
【0096】
しかし、本実施形態の調整装置1のように、どの単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間においても、充電用コンデンサCCHG に対する電荷の移動が発生しなかった、という条件で均等化充電処理を終了するようにすれば、全ての単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが充電用コンデンサCCHG と同じ端子電圧となって各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの充電状態が均等化されたにも拘わらず、伝送ロスによる蓄積電荷の損失が起こり得る充電用コンデンサCCHG と各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの切り換え接続が、必要以上に継続されてしまうことを防いで、電気エネルギーの損失を極力抑制することができるので、有利である。
【0097】
また、本実施形態では、初期充電動作や均等化充電動作の際に、充電用コンデンサCCHG に各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、図2中の枝番号の番号順に接続するものとしたが、充電用コンデンサCCHG に接続する単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの順番は、一回りするうちに一部の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnが複数回ダブって接続されることのない限り、ランダムを含めて如何なる順番であってもよい。
【0098】
特に、本実施形態の場合、n=偶数であるならば、単位セルBAT1,BAT3,…,BATn−1,BAT2,BAT4,…,BATnのように、1つ置きの順番で全単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを充電用コンデンサCCHG に順次接続するようにしてもよい。
【0099】
そして、この順番で切り換えるようにすれば、枝番号が奇数の単位セルBAT1,BAT3,…,BATn−1の相互間や、枝番号が偶数の単位セルBAT2,BAT4,…,BATnの相互間で、充電用コンデンサCCHG への接続対象を切り換える際に、極性反転用リレー2a,2b,3a,3bの切り換え動作が不要になるので、極性反転用リレー2a,2b,3a,3bの制御上有利であると共に、メカ接点の開閉による電力ロスを極力抑えることができるので、電力効率上も有利である。
【0100】
さらに、フォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nの使用個数を抑えるためには、本実施形態のように、前段の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の負極と充電用コンデンサCCHG とを接続する結線の一部や、後段の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの正極と充電用コンデンサCCHG とを接続する結線の一部を、兼用するのが有効である。
【0101】
しかし、本発明を実施する上では、前段の単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATn−1の負極と充電用コンデンサCCHG とを接続する結線、及び、後段の単位セルBAT2,BAT3,…,BATnの正極と充電用コンデンサCCHG とを接続する結線を、各々独立して個別に設けても、一向に差し支えなく、その場合には、極性反転用リレー2a,2b,3a,3bとその切り換え動作用の制御を省略することができる。
【0102】
また、均等充電用コンデンサCCHG と各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間に介設されてこれらを選択的に接続させるのは、本実施形態のようなフォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nでなくてもよく、例えば、機械式のリレー等であってもよいが、本実施形態のようにフォトMOSトランジスタSW01,SW12,…,SW(n−1)nを用いれば、高電圧系であるメインバッテリAから低電圧系であるアンプ7、コンパレータ9、及び、CPU11を電気的に絶縁させて、これらを高圧から保護することができるので、有利である。
【0103】
さらに、CPU11による各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnの均等充電用コンデンサCCHG に対する切り換え接続は、メインバッテリAが充放電を行っていない状態であれば、任意の状態で行ってよい。
【0104】
また、本実施形態では、各単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnを、図2中の記号からも明らかなように、単一のセルであるものとしたが、本発明は、各単位セルが複数の直列接続されたセルブロックである組電池についても、それらのセルブロック相互の充電状態を均等化する目的で適用することができる。
【0105】
そして、上述したセルブロック相互の充電状態の均等化処理に、各セルブロックを構成する複数のセル単体相互の充電状態を均等化する任意の方式の処理を併用すれば、組電池を構成する全セル単体の均等化を達成することもできる。
【0106】
さらに、本実施形態では、アンプ7の増幅出力をコンパレータ9において、電荷移動量=0なる基準値に相当する電位と比較し、その比較出力をCPU11の入力ポートPORTに入力させて、充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間に電荷移動があるか否かを監視する構成とした。
【0107】
しかし、例えば、本発明の他の実施形態に係る組電池の調整装置の概略回路構成を一部ブロックにて示す図6の説明図に示すように、アンプ7の増幅出力をCPU11のA/D変換ポートA/Dに、アンプ13を介して入力させ、そのA/D値を、電荷移動量=0に相当するデジタルの閾値と比較することで、充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間に電荷移動があるか否かを監視する構成としてもよい。
【0108】
また、電荷の移動量に応じた電位差を生じさせるための構成を、電荷移動検出回路部5以外の構成により実現する等、充電用コンデンサCCHG とこれに接続された単位セルBAT1,BAT2,BAT3,…,BATnとの間に電荷移動があるか否かを監視するための構成は、図2を参照して説明した実施形態の構成に限らず任意である。
【0109】
さらに、本実施形態では、車両(ハイブリッド電気自動車)において用いられる電動モータ用のメインバッテリAを例に取って説明したが、車両に限らず、携帯電話や携帯式の家電品等、種々の分野において使用される組電池を構成する単位セルの充電状態を調整する際に、本発明が広く適用可能であることは、言うまでもない。
【0110】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態を調整するに当たり、前記キャパシタに前記単位セルが接続されている間、該単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動量に応じた電流乃至電位差を直接監視することで、前記単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動の有無を監視し、前記電流乃至電位差を直接監視することで監視された、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷の移動がなくなった時点で、前記キャパシタに接続する前記単位セルを、次の前記単位セルに切り換えるようにした。
【0111】
また、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態を調整する組電池の充電状態調整装置であって、前記キャパシタに前記単位セルが接続されている間、該単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動量に応じた電流乃至電位差を直接監視することで、前記単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動の有無を判別する電荷移動有無判別手段と、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動がないと前記電荷移動有無判別手段が判別した時点で、前記キャパシタに接続する前記単位セルを、次の前記単位セルに切り換える接続セル切換手段とを備える構成とした。
【0112】
このため、請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法と、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置とのいずれによっても、キャパシタとキャパシタに接続された各単位セルとの間で、端子電圧の高い方から低い方への蓄積電荷の移動が行われている間のみ、それらキャパシタと各単位セルとが接続され続けるようにして、各単位セルとキャパシタとの間の余剰電荷の授受が切れ目なく行われるようにし、これにより、複数個直列に接続されて組電池を構成する単位セルの相互間に端子電圧のばらつきが生じても、これを、簡易でかつ小規模な回路構成により、電気エネルギーを有効に利用して迅速に解消し、各単位セルを均等な充電状態にすることができる。
【0113】
また、請求項2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動が、全ての前記単位セルについてなくなった時点で、前記組電池の充電状態の調整を終了するようにした。
【0114】
さらに、請求項5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、全ての前記単位セルについて、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動がないと前記電荷移動有無判別手段が判別した時点で、前記組電池の充電状態の調整を終了させる終了手段をさらに備えている構成とした。
【0115】
このため、請求項2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、請求項1に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、また、請求項5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、請求項4に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、いずれも、全ての単位セルがキャパシタと同じ端子電圧となって各単位セルの充電状態が均等化されたにも拘わらず、伝送ロスによる蓄積電荷の損失が起こり得るキャパシタと各単位セルとの切り換え接続が、必要以上に継続されてしまうことを防いで、電気エネルギーの損失を極力抑制することができる。
【0116】
また、請求項3に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、請求項1又は2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、内部に蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整中に自然放電される前記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続することで、前記各単位セルの蓄積電荷により前記キャパシタを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に予め充電するようにした。
【0117】
さらに、請求項6に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、請求項4又は5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、内部に蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整中において自然放電される前記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続する初期充電用接続セル切換手段をさらに備えている構成とした。
【0118】
このため、請求項3に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法によれば、請求項1又は2に記載した本発明の組電池の充電状態調整方法において、また、請求項6に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置によれば、請求項4又は5に記載した本発明の組電池の充電状態調整装置において、いずれも、組電池の充電状態の調整の開始時点でキャパシタが電荷を蓄積していないが故に、組電池の充電状態が調整される度に、調整開始後最初にキャパシタに接続される単位セルからキャパシタに電荷移動がなくなるまで電荷が繰り返し移動され、これにより、調整開始後最初にキャパシタに接続される単位セルが、組電池の充電状態を調整すればするほど充放電過多となって他の単位セルよりも相対的に劣化が進行してしまうのを、防止することができる。
【0119】
しかも、キャパシタに対する各単位セルの接続時間を徐々に長くすることで、キャパシタに接続されている間に各単位セルからキャパシタに移動する電荷の量を、先に接続された単位セルも後に接続された単位セルも殆ど変わらないようにして、組電池の充電状態の調整の開始前にキャパシタを充電するための、各単位セルからキャパシタへの電荷移動によって、特定の単位セルが他の単位セルよりも相対的に充放電過多となって劣化が進行してしまうのを、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による組電池の充電状態調整装置の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る組電池の充電状態調整装置の概略回路構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータがROMに格納された制御プログラムに従って行う処理のうち、特に、均等充電用コンデンサの初期充電処理及び各単位セルの均等化充電処理を示すフローチャートである。
【図4】図2の組電池の充電状態調整装置による各単位セルの均等化充電処理の際における各単位セルの均等充電用コンデンサに対する接続時間の状況を例示するタイミングチャートである。
【図5】図2の組電池の充電状態調整装置による均等充電用コンデンサの初期充電処理の際における各単位セルの均等充電用コンデンサに対する接続時間の状況を例示するタイミングチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態に係る組電池の充電状態調整装置の概略回路構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【符号の説明】
1 充電状態調整装置
11 マイクロコンピュータ
11A 終了手段
A 組電池
B 電荷移動有無判別手段
C 接続セル切換手段
D 初期充電用接続セル切換手段
BAT1,BAT2,BAT3,…,BATn 単位セル
CAP キャパシタ

Claims (6)

  1. 負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態を調整するに当たり、
    前記キャパシタに前記単位セルが接続されている間、該単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動量に応じた電流乃至電位差を直接監視することで、前記単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動の有無を監視し、
    前記電流乃至電位差を直接監視することで監視された、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷の移動がなくなった時点で、前記キャパシタに接続する前記単位セルを、次の前記単位セルに切り換えるようにした、
    ことを特徴とする組電池の充電状態調整方法。
  2. 前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動が、全ての前記単位セルについてなくなった時点で、前記組電池の充電状態の調整を終了するようにした請求項1記載の組電池の充電状態調整方法。
  3. 内部に蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整中に自然放電される前記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続することで、前記各単位セルの蓄積電荷により前記キャパシタを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前に予め充電するようにした請求項1又は2記載の組電池の充電状態調整方法。
  4. 負荷や充電器が両端に接続された閉回路状態において充放電を行う組電池を構成する、複数個直列に接続された2次電池からなる単位セルを、前記組電池の開回路状態において、前記負荷や前記充電器とは絶縁して構成されたキャパシタに、個別に順次切り換えて接続することで、前記組電池の充電状態を調整する組電池の充電状態調整装置であって、
    前記キャパシタに前記単位セルが接続されている間、該単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動量に応じた電流乃至電位差を直接監視することで、前記単位セルと前記キャパシタとの間の電荷移動の有無を判別する電荷移動有無判別手段と、
    前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動がないと前記電荷移動有無判別手段が判別した時点で、前記キャパシタに接続する前記単位セルを、次の前記単位セルに切り換える接続セル切換手段と、
    を備えることを特徴とする組電池の充電状態調整装置。
  5. 前記電荷移動有無判別手段が、全ての前記単位セルについて、前記キャパシタと該キャパシタに接続されている前記単位セルとの間の電荷移動がないと判別した時点で、前記組電池の充電状態の調整を終了させる終了手段をさらに備えている請求項4記載の組電池の充電状態調整装置。
  6. 内部に蓄積された電荷が前記組電池の充電状態の非調整中において自然放電される前記キャパシタに、前記単位セルを、前記組電池の充電状態の調整を開始する前の該組電池の開回路状態において、接続時間を徐々に長くしつつ個別に順次切り換えて接続する初期充電用接続セル切換手段をさらに備えている請求項4又は5記載の組電池の充電状態調整装置。
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