JP2003133764A - 2軸ヒンジ装置 - Google Patents

2軸ヒンジ装置

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JP2003133764A JP2001327902A JP2001327902A JP2003133764A JP 2003133764 A JP2003133764 A JP 2003133764A JP 2001327902 A JP2001327902 A JP 2001327902A JP 2001327902 A JP2001327902 A JP 2001327902A JP 2003133764 A JP2003133764 A JP 2003133764A
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    • H04M1/021Portable telephones comprising a plurality of mechanically joined movable body parts, e.g. hinged housings characterized by the relative motions of the body parts using combined folding and rotation motions
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2軸ヒンジを用いる電子機器のフレキシブル
基板の破損等を防止して電気的接続を確実なものとする
2軸ヒンジ装置を提供する。 【解決手段】 第1の筐体24と第2の筐体22とを有
し、第1の筐体24が第2の筐体22に対して第1の回
動軸42の軸線xを中心に回動可能となるように、且つ
第1の筐体24が第2の筐体22に対して第1の回動軸
42の軸線x方向と直交する方向に延びる第2の回動軸
44の軸線yを中心に回動可能となるように設けられた
電子機器に用いられる2軸ヒンジ装置40において、第
1の筐体24と第2の筐体22との間を電気的に接続す
べく配置されているフレキシブル基板50を具備し、フ
レキシブル基板50には、第1の回動軸42の軸線x上
に巻回された第1巻回部52と、第2の回動軸44の軸
線y上に巻回された第2巻回部54とが形成されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つ以上の筐体が
2つの軸で回動可能に設けられている電子機器、特に折
り畳み式携帯電話や、モニタ画面を展開可能なビデオカ
メラ等において使用される2軸ヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラなどの電子機器にお
いては、モニタ画面などが本体から展開し、且つこのモ
ニタ画面が表裏反転するような構造のものが開発されて
いる。このような電子機器においては、互いに直交する
2方向に2本の回動軸を有する2軸ヒンジ装置が用いら
れ、この2軸ヒンジ装置内にはモニタ画面と本体とを配
線するためのフレキシブル基板が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電子機器にお
いて、上述してきたような2軸ヒンジを用いた場合にあ
っては、電子機器の各筐体を何度も回動させることによ
り、電気的に接続するフレキシブル基板が何度も折り曲
げられ、強度が劣化してフレキシブル基板が破損してし
まうというおそれがあるという課題があった。
【0004】また近年では、画面部分と、テンキー部分
とを有する本体部分とを別体として、画面部分とテンキ
ー部分とを折畳み可能とした折畳み式携帯電話が急増し
ている。さらに、この折畳み式携帯電話の画面部分を2
軸ヒンジを設けることによって表裏回転可能に設けた機
種も考えられてきている。このような携帯電話におい
て、画面部分と、テンキー部分を有する本体部分とを接
続する配線は、ビデオカメラにおけるモニタ画面と本体
とを接続する場合よりもはるかに多い配線となる。この
ような携帯電話に、2軸ヒンジ装置を用いた場合には、
配線数が多い幅広のフレキシブル基板を用いることが必
要となってくる。かかる場合には、ビデオカメラに2軸
ヒンジを採用したときよりもさらにフレキシブル基板の
取り扱いが難しく、フレキシブル基板の破損防止はもち
ろんのこと、画面部分の回動の邪魔にならないようにス
ペース効率よく2軸ヒンジ内に収納する必要があるとい
う課題があった。
【0005】そこで、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、2軸ヒンジを用いる電
子機器のフレキシブル基板の破損等を防止して電気的接
続を確実なものとする2軸ヒンジ装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明にかか
る2軸ヒンジ装置によれば、第1の筐体と第2の筐体と
を有し、前記第1の筐体が前記第2の筐体に対して第1
の回動軸の軸線を中心に回動可能となるように、且つ第
1の筐体が第2の筐体に対して前記第1の回動軸の軸線
方向と直交する方向に延びる第2の回動軸の軸線を中心
に回動可能となるように設けられた電子機器に用いられ
る2軸ヒンジ装置において、前記第1の筐体と前記第2
の筐体との間を電気的に接続すべく配置されているフレ
キシブル基板を具備し、該フレキシブル基板には、前記
第1の回動軸の軸線上に巻回された第1巻回部と、前記
第2の回動軸の軸線上に巻回された第2巻回部とが形成
されていることを特徴としている。この構成を採用する
ことによって、第1の回動軸の軸線および第2の回動軸
の軸線を中心にして、電子機器の第1の筐体が第2の筐
体に対して回動した場合であっても、第1巻回部および
第2巻回部が、各巻回部の径が縮小される方向または径
が拡大される方向に作動するだけであるので、フレキシ
ブル基板に折曲による負荷がかからずフレキシブル基板
の破損等を防止することができる。
【0007】また、前記第1巻回部および前記第2巻回
部の各中心に対応する位置には、各巻回部に対応する回
動軸の軸線方向に延びる第1平板部および第2平板部が
設けられ、前記第1平板部および前記第2平板部の延出
方向から直交する方向に曲折する第1巻回片および第2
巻回片が設けられ、該第1巻回片および第2巻回片が前
記第1平板部および第2平板部の周囲を巻回することに
よって前記第1巻回部および第2巻回部とが形成されて
いることを特徴とする。この構成によれば、第1の回動
軸および第2の回動軸のシャフト部分ではない部位にフ
レキシブル基板を配置すること、つまり各回動軸の軸線
上で中空に形成された部位にフレキシブル基板の巻回部
を配置することが可能となる。そして、フレキシブル基
板に負荷をかけずに破損等を防止しつつ、スペース効率
よくフレキシブル基板の配置ができる。
【0008】さらに、前記第1平板部および/または第
2平板部には、円周方向に巻回している軸線の軸線方向
に沿って、フレキシブル基板の折曲を防止するように補
強する補強板が取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1巻回部および/または第2巻回
部を形成する際に巻回を容易に行なうことができ、各巻
回部を巻回した後に巻回部が変形したりしないように強
度維持も図ることができる。
【0009】なお、前記補強板は、前記第1平板部と第
2平板部にわたって取り付けられるようにL字状に形成
されていることを特徴とするので、各巻回部の強度維持
を単一の部材で図ることができるので部品点数の削減に
寄与し、さらに両巻回部の強度維持をさらに確実なもの
とすることができる。さらに、前記フレキシブル基板
の、第1の筐体および第2の筐体に接続される一方の端
部および他方の端部にはコネクタが設けられているよう
にしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1〜図
3に基づいて、2軸ヒンジ装置を用いた電子機器の一例
を示す。ここで説明する電子機器の一例は、携帯電話で
ある。すなわち、この携帯電話20は、テンキー部分が
設けられた本体22と、液晶画面が設けられた表示部2
4とから構成される。本体22と表示部24が特許請求
の範囲にいう第1の筐体または第2の筐体である。2軸
ヒンジ装置30は、本体22と表示部24とを連結する
部位に設けられている。
【0011】図1は、携帯電話20が待機状態であると
ころを示している。携帯電話20は、待機状態のときに
は本体22と表示部24はテンキーが設けられている面
22aと液晶画面が設けられている面24aとが互いに
向かい合うように折り畳まれている。通話等を行なう際
には、図2に示すように本体22に対して表示部24を
開いて通話を行なう。表示部24の展開は、2軸ヒンジ
装置30の第1回動軸32の軸線xを中心に表示部24
を回動させて行なう。
【0012】本携帯電話20は、図3に示すように表示
部24を、2軸ヒンジ装置30の第1回動軸32に直交
する方向に軸線を有する回動軸(図示せず)の軸線yを
中心に回動可能に設けられている。言い換えると、表示
部24は、携帯電話20の長手方向に平行な軸線yを中
心として回動可能であって、液晶画面が設けられている
面24aを本体22に対して表裏反転させることができ
るのである。
【0013】このように、折り畳み式の携帯電話20の
折畳み機構に2軸ヒンジ装置30を採用することによ
り、表示部24を表裏反転させて使用することができる
ようになり、例えば表示部24にCCDカメラ等を取り
付けた場合等にあっても写真撮影がしやすくできるよう
になる。
【0014】(第1実施形態)次に、図4〜図8に基づ
いて、上述したような電子機器の一例としての携帯電話
に用いた2軸ヒンジ装置の第1実施形態について説明す
る。図4は2軸ヒンジ装置の斜視図、図5は2軸ヒンジ
装置の組立て分解図、図6はヒンジの一部断面図、図7
はフレキシブル基板の展開図、図8はフレキシブル基板
の巻回部を側面からみた側面図を示している。第1実施
形態の2軸ヒンジ装置40は、本体部41と、該本体部
41に対して軸線xを中心に回動する2つのヒンジ42
と、ヒンジ42の軸線x方向と直交する方向に軸線yを
有し、軸線yを中心に回動するヒンジ44とを具備して
いる。この本体部41を軸線x方向および軸線y方向を
通ってフレキシブル基板50が配置されている。フレキ
シブル基板50の一方の端部50aは、電子機器の一方
の筐体に接続される。そして、他方の端部50bは、電
子機器の一方の筐体に対して折畳み(または展開)可能
であって且つ表裏反転するように回動可能な他方の筐体
に接続される。
【0015】本体部41は、ヒンジ42を取り付けるた
めの取付部45が、軸線xに沿って2個所に形成されて
いる。さらに、本体部41の2つの取付部45同士を連
結している本体部41のベース41aには、軸線yに沿
ってヒンジ44を取り付け可能な取付部46が形成され
ている。本体部41にはカバー37が装着される。取付
部46は、ベース41aから軸線x方向と直交する軸線
y方向へ所定距離突出して、ベース41aの平面上に直
交する方向にヒンジ44が取り付けられるように形成さ
れている。取付部46とベース41aとの間は、円筒の
一部を切り欠いて形成した形状の取付けアーム部82が
設けられている。取付けアーム部82には、後述するフ
レキシブル基板50の巻回部54が収納される。
【0016】なお、本実施形態ではヒンジ42とヒンジ
44とは同一の構造のものを採用している。ヒンジ4
2,44は、第1部材43と、第2部材39とがそれぞ
れ同一の軸線方向に沿って配置され、互いに軸線を中心
に回動自在となるように取り付けられて構成されてい
る。さらに詳細に説明すると、ヒンジ42,44の第2
部材39は、図6に示すように内部が中空部73に形成
されたボディ71と、ボディ71の中空部73内にボデ
ィ71に対して回動可能に一端が配置されたシャフト7
0と、ボディ71に対して隙間hを空けて第1部材43
側に配置されると共にボディ71に対しては回動しない
よう且つシャフト70の軸線方向には移動可能なカムプ
レート74と、が設けられている。
【0017】また、第1部材43は、シャフト70の他
端が固定されていると共に、カムプレート74に対して
所定位置で停止状態で保持するクリック機能を有するカ
ム76と、本体部41の取付部45に取付けられるフィ
ット部78とを備えている。また、第1部材43から第
2部材39にかけてシャフト70の周囲には、圧縮ばね
80が設けられている。圧縮ばね80は、カムプレート
74とボディ71の上端部との間で圧縮されて装着さ
れ、カムプレート74をカム76へ常時押しつけるよう
にしている。カムプレート74には、カム76方向へ向
けて突出する複数個の突起(図示せず)が設けられ、カ
ム76にはカムプレート74の突起をそれぞれ収納可能
な位置に配置された複数個の凹部(図示せず)が設けら
れている。
【0018】第1部材43に対して第2部材39が回動
するときの動作について説明する。圧縮ばね80に押圧
されたカムプレート74がカム76に当接しつつ、第1
部材43に対して第2部材39が回動すると、圧縮ばね
80に押圧されたカムプレート74により回動時に所定
のトルクが生じる。また、カムプレート74とカム76
との間において突起が凹部にはまりこむ(収納される)
と、圧縮ばね80の押圧力に抗して圧縮ばね80の移動
方向にカムプレート74を移動させないとシャフト70
が回動しなくなる。このため、この位置でシャフト70
の回動が一旦停止状態に維持される。このようにして、
カムプレート74の突起がカム76の凹部にはまりこむ
位置で回動動作が一旦停止するクリック動作を実現でき
る。
【0019】このようなヒンジ42,44の第1部材4
3は、本体部41の取付部45または46に取付けられ
る。第1部材43の取付部45,46への取付けは、フ
ィット部78が各取付部45,46の取付穴81内に抜
け止めとして挿入されると共に、取付部45,46に形
成された係合突起47が、第1部材43に形成された溝
部49へ嵌め込められ固定される。したがって、各ヒン
ジ42,44は、本体部41に取付けられると、第2部
材39に対して本体部41が各軸線x,yを中心として
回動可能となるのである。
【0020】次に、フレキシブル基板について説明す
る。フレキシブル基板50は、自身を巻いて形成した2
つの巻回部52,54が形成されている。巻回部52
は、軸線x上で軸線xを中心にした円の周方向に巻くよ
うに形成しており、一方の巻回部54は、軸線y上で軸
線yを中心にした円の周方向に巻くように形成してい
る。言い換えると、巻回部52,54は、フレキシブル
基板50を各ヒンジ42,44の回動の軸線x,yを中
心として軸線x,yのそれぞれの周囲にほぼ円形を描い
て丸めて形成されている。かかる巻回部52は本体部4
1の両取付部45,45の間に配置され、ヒンジ42の
軸線xを中心とした回動に対応する。そして、一方の巻
回部54は、ベース部41aと取付部46との間に配置
され、ヒンジ44の軸線yを中心とした回動に対応す
る。
【0021】フレキシブル基板50の両巻回部52,5
4を展開して広げた平面図である図7に基づいて、フレ
キシブル基板50の構造について説明する。フレキシブ
ル基板50は、ポリイミド等の薄膜に銅箔を形成して配
線基板としたものであって、自由に曲げることができる
ことができる点が特徴である。本実施形態に採用するフ
レキシブル基板50は、2軸ヒンジ装置40のヒンジ4
2の回動軸の軸線xに沿って配置される平板部55と、
ヒンジ44の回動軸の軸線yに沿って配置される平板部
57とを有している。軸線x,yは互いに直交する方向
であるので、平板部55と平板部57も互いに直交する
ように形成され、平板部55と平板部57を合わせて平
面視L字状のアングル部59として形成されている。
【0022】平板部55と平板部57を合わせたアング
ル部59には、アングル部59の形状に合わせてL字状
の補強板60がその表面に接着剤等により貼り付けられ
ている。補強板60は具体的にはガラスエポキシ等で構
成されている。補強板60は、取り付けられた平板部5
5と平板部57とが曲げられたり捻られたりされないよ
うに、平板状に固定するものである。
【0023】平板部55の、平板部57の接続側と反対
側の端部からは軸線xに直交する方向に向けて延びる巻
回片62が形成されている。この巻回片62が、平板部
55を中心に巻き付けるようにして巻かれていくことに
より(図7の矢印A参照)、巻回部52が形成される。
一方、平板部57の、平板部55との接続側と反対側の
端部からは軸線yに直交する方向に向けて延びる巻回片
64が形成されている。この巻回片64が、平板部57
を中心に巻き付けるようにして巻かれていくことにより
(図7の矢印B参照)、巻回部54が形成される。
【0024】巻回部52と54を上述したように形成す
ることで、図7に示すように巻回部52の中心には、軸
線x方向に延び、軸線x−y平面上で該x−y平面と平
行となるように配置された平板部55が位置する。同様
に巻回部54の中心には、軸線y方向に延び、軸線x−
y平面上で該x−y平面と平行となるように配置された
平板部57が位置する。
【0025】次に両巻回部の2軸ヒンジ内での配置につ
いて説明する。巻回部52は、巻回の中心が軸線xを形
成する2つのヒンジ42,42の間に形成された空間部
89に位置している。空間部89は、本体部41におい
て2つの取付部45の間に形成された中空の部分であ
る。このように巻回部52は、軸線x上で中空の位置に
配置される。このとき巻回部52の中心には補強板60
が取付けられた平板部55が存しているので、空間部8
9内に配置されていても、巻回部52は軸線x上からず
れたり巻回片62の巻きがゆるんでしまったりといった
ようなことが防止できる。
【0026】一方、巻回部54は、巻線の中心がヒンジ
44の軸線y上となるように、ベース41aと取付部4
6の間に形成された取付けアーム部82上に載置され
る。ただし、この取付けアーム部82は取付部46をベ
ース41aに取付ける目的で形成されているものである
ため、巻回部54にとってはこの取付けアーム部82は
存在していなくともよい。このとき、巻回部54の中心
には補強板60が取付けられた平板部57が存している
ので、取付けアーム部82上に単に載置されているだけ
であっても、巻回部54は軸線y上からずれたり巻回片
64の巻きがゆるんでしまったりといったようなことが
防止できる。
【0027】図9および図10には、上述してきた第1
実施形態の2軸ヒンジ装置を図1〜図3に示した携帯電
話20に装着したところを示している。図9ではヒンジ
44を携帯電話20の表示部24に取付けたところを示
し、図10ではヒンジ42を携帯電話20の本体22の
ヒンジ装着部84に装着したところを示している。な
お、ここではフレキシブル基板50の両端部50a,5
0bには、それぞれ携帯電話20の両筐体22,24に
接続するためのコネクタ126a,126bが装着され
ている。表示部24内ではヒンジ44が表示部24内に
固定され、2軸ヒンジ装置40の本体部41は表示部2
4に対して軸線yを中心に回動可能に保持される。本体
22のヒンジ装着部84にはヒンジ42が固定される。
このため、2軸ヒンジ装置40の本体部41は、携帯電
話の本体22に対して軸線xを中心に回動可能に保持さ
れる。
【0028】(第2実施形態)次に、本発明の2軸ヒン
ジ装置において、上述した第1実施形態とは異なる形態
を有する第2実施形態について、図11〜図13に基づ
いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の構
成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場
合がある。
【0029】図11は2軸ヒンジ装置の斜視図、図12
は2軸ヒンジ装置の組立分解図、図147はフレキシブ
ル基板の展開図を示している。第2実施形態の2軸ヒン
ジ装置90は、電子機器の筐体と2軸ヒンジ装置に連通
して配置されるシャフトを第2回動軸に設けた点が第1
実施形態とは異なり、第1回動軸は上述した実施形態と
同一のヒンジ42が採用されている。なお、ここではフ
レキシブル基板100の両端部100a,100bに
は、それぞれコネクタ126a,126bが装着されて
いる。
【0030】かかる2軸ヒンジ装置90は、本体部91
と、該本体部91に対して軸線xを中心に回動する2つ
のヒンジ42と、ヒンジ42の軸線x方向と直交する方
向に軸線yを有し、軸線yを中心に回動するヒンジユニ
ット94とを具備している。この本体部91を軸線x方
向および軸線y方向を通ってフレキシブル基板100が
配置されている。フレキシブル基板100の一方の端部
100aは、電子機器の一方の筐体に接続される。そし
て、他方の端部100bは、電子機器の一方の筐体に対
して折畳み(または展開)可能であって且つ表裏逆に回
動可能な他方の筐体に接続される。
【0031】本体部91には、ヒンジ42を取り付ける
ための取付部95が、軸線xに沿って2個所に形成され
ている。さらに、本体部91には、ヒンジユニット94
がネジ止めされる取付部96が形成されている。具体的
には、取付部96は、ヒンジユニット94をネジ止めす
るネジ穴99、本体部91のカバー97と合わせてヒン
ジユニット94を保持する半割状の保持部110とから
成る。
【0032】ヒンジユニット94について説明する。ヒ
ンジユニット94は、本体部91に固定されるブラケッ
ト111と、電子機器の第2の筐体に固定されるブラケ
ット112と、ブラケット111とブラケット112と
の間において、一端がブラケット111に固定され、他
端がクリック板114を介してブラケット112に回動
可能に取付けられたシャフト115と、から構成されて
いる。
【0033】クリック板114は、シャフト115の回
動が所定角度になると、この所定角度で回動が停止する
ように設けられている。ブラケット112には、クリッ
ク板114が位置する側に向けて突出する突起117を
有する付勢板116が設けられている。付勢板116は
常時クリック板114方向に突出するように付勢され、
突起117がクリック板114に常時接触しているよう
に設けられている。一方、クリック板114には、突起
部117を収納可能な切欠部118が形成される。
【0034】ヒンジユニット94のクリック機能につい
て説明する。シャフト115を回動させると、突起11
7がクリック板114に摺接してシャフト115の回動
に所定のトルクが発生する。さらに、突起117がクリ
ック板114の切欠部118にはまりこむ(収納され
る)と、付勢板116の付勢力に抗して突起117を押
下げないとシャフト115が回動しなくなるので、この
位置でシャフトの回動が一旦停止状態に維持される。
【0035】次に、第2実施形態のフレキシブル基板に
ついて説明する。フレキシブル基板100は、自身を巻
いて形成した巻回部102と、シャフト115の周囲に
巻き付けて形成された巻回部104とが形成されてい
る。つまり、巻回部102は、軸線x上で軸線xを中心
にした円の周方向に巻くように形成しており、一方の巻
回部104は、軸線y上で軸線yを中心にした円の周方
向に巻くように形成している。言い換えると、巻回部1
02,104は、フレキシブル基板100をヒンジ42
およびヒンジユニット94の回動の軸線x,yを中心と
して軸線x,yのそれぞれの周囲にほぼ円形を描いて丸
めて形成されている。かかる巻回部102は本体部91
の両取付部45,45の間に配置され、ヒンジ42の軸
線xを中心とした回動に対応する。そして、一方の巻回
部104は、ヒンジユニット94のシャフト115の軸
線yを中心とした回動に対応する。
【0036】フレキシブル基板100の両巻回部10
2,104を展開して広げた平面図である図13に基づ
いて、フレキシブル基板100の構造について説明す
る。本実施形態に採用するフレキシブル基板100は、
2軸ヒンジ装置90のヒンジ42の回動軸の軸線xに沿
って配置される平板部105と、ヒンジユニット94の
回動軸の軸線yに沿って配置される平板部107とを有
している。軸線x,yは互いに直交する方向であるの
で、平板部105と平板部107も互いに直交するよう
に形成されている。
【0037】平板部105には、補強板120がその表
面に接着剤等により貼り付けられている。補強板120
は上述したようにガラスエポキシ等で構成されている。
補強板120は、取り付けられた平板部105とが曲げ
られたり捻られたりされないように、平板状に固定する
ものである。
【0038】平板部105の、平板部107の接続側と
反対側の端部からは軸線xに直交する方向に向けて延び
る巻回片122が形成されている。この巻回片122
が、平板部105を中心に巻き付けるようにして巻かれ
ていくことにより(図13の矢印A参照)、巻回部10
2が形成される。一方、平板部107の、平板部105
との接続側と反対側の端部からは軸線yに直交する方向
に向けて延びる巻回片124が形成されている。この巻
回片124が、ヒンジユニット94のシャフト115の
周囲に巻回されることで(図13の矢印B参照)、巻回
部104が形成される。
【0039】巻回部102を上述したように形成するこ
とで、巻回部102の中心には、軸線x方向に延び、軸
線x−y平面上で該x−y平面と平行となるように配置
された平板部105が位置する(図13参照)。
【0040】次に両巻回部の2軸ヒンジ内での配置につ
いて説明する。巻回部102は、巻回の中心が軸線xを
形成する2つのヒンジ42,42の間に形成された空間
部89に位置している。空間部89は、本体部91にお
いて2つの取付部45の間に形成された中空の部分であ
る。このように巻回部102は、軸線x上で中空の位置
に配置される。このとき巻回部102の中心には補強板
120が取付けられた平板部105が存しているので、
空間部89内に配置されていても、巻回部102は軸線
x上からずれたり巻回片122の巻きがゆるんでしまっ
たりといったようなことが防止できる。
【0041】一方、巻回部104は、ヒンジユニット9
4の回動軸の軸線yであるシャフト115の周囲に巻回
片124が巻回されているので、巻回部104は軸線y
上からずれたり巻回片124の巻きがゆるんでしまった
りといったようなことが防止できる。
【0042】図14および図15には、上述してきた第
1実施形態の2軸ヒンジ装置を図1〜図3に示した携帯
電話20に装着したところを示している。図14ではヒ
ンジユニット94を携帯電話20の表示部24に取付け
たところを示し、図15ではヒンジ42を携帯電話20
の本体22のヒンジ装着部84に装着したところを示し
ている。表示部22内ではヒンジユニット94が表示部
24内に固定され、2軸ヒンジ装置90の本体部91は
表示部24に対して軸線yを中心に回動可能に保持され
る。本体22のヒンジ装着部84にはヒンジ42が固定
される。このため、2軸ヒンジ装置90の本体部91は
本体22に対して軸線xを中心に回動可能に保持され
る。
【0043】なお、上述してきた2つの実施形態では主
として携帯電話に用いる2軸ヒンジ装置についての例を
説明してきた。しかし、本発明の2軸ヒンジ装置は、携
帯電話に用いるものに限定されることはなく、他の電子
機器に用いても良い。
【0044】また、2軸ヒンジ装置の構成としては、ヒ
ンジの形態が上述してきたようなものに限定されること
はなく、他の形態のヒンジまたはヒンジユニットを採用
したものであっても好適である。さらに、上述したヒン
ジ42を採用した場合であっても、軸線x方向に沿って
ヒンジ42を1個だけ設ける構成としてもよい。
【0045】以上本発明につき好適な実施例を挙げて種
々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を
施し得るのはもちろんである。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る2軸ヒンジ装置によれば、
第1の筐体と第2の筐体との間を電気的に接続すべく配
置されているフレキシブル基板を具備し、フレキシブル
基板には、第1の回動軸の軸線上に巻回された第1巻回
部と、第2の回動軸の軸線上に巻回された第2巻回部と
が形成されていることにより、電子機器の第1の筐体が
第2の筐体に対して回動した場合であっても、フレキシ
ブル基板の第1巻回部および第2巻回部が、各巻回部の
径が縮小される方向または径が拡大される方向に作動す
るだけであるので、フレキシブル基板に折曲による負荷
がかからずフレキシブル基板の破損等を防止することが
できる。
【0047】また、請求項2に係る2軸ヒンジ装置によ
れば、第1巻回部および第2巻回部の各中心に対応する
位置には、第1平板部および第2平板部が設けられ、第
1平板部および第2平板部の延出方向から直交する方向
に曲折する第1巻回片および第2巻回片が設けられ、第
1巻回片および第2巻回片が第1平板部および第2平板
部の周囲を巻回することによって第1巻回部および第2
巻回部とを形成しているので、第1の回動軸および第2
の回動軸のシャフト部分ではない部位にフレキシブル基
板を配置すること、つまり各回動軸の軸線上で中空に形
成された部位にフレキシブル基板の巻回部を配置するこ
とができるようななる。このためフレキシブル基板に折
曲による負荷をかけず破損等を防止しつつ、スペース効
率よくフレキシブル基板の配置ができる。
【0048】請求項3に係る2軸ヒンジ装置によれば、
第1平板部および/または第2平板部には、円周方向に
巻回している軸線の軸線方向に沿って、フレキシブル基
板の折曲を防止するように補強する補強板が取り付けら
れているので、第1巻回部および/または第2巻回部を
形成する際に第1巻回片および第2巻回片を容易に平面
図の周囲に巻き付けることができる。さらに、各巻回部
を巻回した後に巻回部が変形したりしないように強度維
持も図ることができる。
【0049】請求項4記載の2軸ヒンジ装置によれば、
補強板は、第1平板部と第2平板部にわたって取り付け
られるようにL字状に形成されていることを特徴とする
ので、各巻回部の強度維持を単一の部材で図ることがで
きるので部品点数の削減に寄与し、さらに両巻回部の強
度維持をさらに確実なものとすることができる。さら
に、請求項5記載の2軸ヒンジ装置によれば、フレキシ
ブル基板の、第1の筐体および第2の筐体に接続される
一方の端部および他方の端部にはコネクタが設けられて
いるので、当該2軸ヒンジを用いた電子機器の組立てに
おいては組立て時間の短縮を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる2軸ヒンジ装置を用いた携帯電
話において折り畳まれた所を示す説明図である。
【図2】図1に示した携帯電話の表示部を開いたところ
を示す説明図である。
【図3】図1に示した携帯電話の表示部を表裏反転させ
ているところを示す説明図である。
【図4】本発明にかかる2軸ヒンジ装置の第1実施形態
の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる2軸ヒンジ装置の第1実施形態
の部品構成を示す組立分解図である。
【図6】ヒンジの構造を説明するヒンジの一部断面図で
ある。
【図7】フレキシブル基板の形態を説明するフレキシブ
ル基板の平板部である。
【図8】フレキシブル基板の巻回部の構造を説明する巻
回部の側面図である。
【図9】第1実施形態の2軸ヒンジ装置を携帯電話に取
り付ける所を示した説明図である。
【図10】第1実施形態の2軸ヒンジ装置を携帯電話に
取り付ける所を示した説明図である。
【図11】本発明にかかる2軸ヒンジ装置の第1実施形
態の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明にかかる2軸ヒンジ装置の第2実施形
態の部品構成を示す組立分解図である。
【図13】第2実施形態のフレキシブル基板を説明する
フレキシブル基板の平板部である。
【図14】第2実施形態の2軸ヒンジ装置を携帯電話に
取り付ける所を示した説明図である。
【図15】第12施形態の2軸ヒンジ装置を携帯電話に
取り付ける所を示した説明図である。
【符号の説明】
20 携帯電話 22 本体 24 表示部 37,97 カバー 39 第2部材 30,40,90 2軸ヒンジ装置 41,91 本体部 41a べース 42,44 ヒンジ 43 第1部材 45,46 取付部 47 係合突起 49 溝部 50 フレキシブル基板 52,54,102,104 巻回部 55,57,105,107 平板部 59 アングル部 60 補強板 62,64,122,124 巻回片 70 シャフト 71 ボディ 73 中空部 74 カムプレート 76 カム 78 フィット部 80 圧縮ばね 81 取付穴 84 ヒンジ装着部 94 ヒンジユニット 99 ネジ穴 100 フレキシブル基板 110 保持部 111,112 ブラケット 114 クリック板 115 シャフト 116 付勢板 117 突起部 118 切欠部 126 コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E360 AA02 AB12 AB17 AB20 AB42 BB02 BB12 BB17 BB22 BC05 CA04 EC11 EC14 ED04 ED17 ED23 ED27 GA02 GA35 GA46 GB06 GB26 5E348 AA02 AA29 AA30 CC05 CC08 CC09 EE30 EE31 EE34 EF04 EF16 EH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の筐体と第2の筐体とを有し、前記
    第1の筐体が前記第2の筐体に対して第1の回動軸の軸
    線を中心に回動可能となるように、且つ第1の筐体が第
    2の筐体に対して前記第1の回動軸の軸線方向と直交す
    る方向に延びる第2の回動軸の軸線を中心に回動可能と
    なるように設けられた電子機器に用いられる2軸ヒンジ
    装置において、 前記第1の筐体と前記第2の筐体との間を電気的に接続
    すべく配置されているフレキシブル基板を具備し、 該フレキシブル基板には、前記第1の回動軸の軸線上に
    巻回された第1巻回部と、前記第2の回動軸の軸線上に
    巻回された第2巻回部とが形成されていることを特徴と
    する2軸ヒンジ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1巻回部および前記第2巻回部の
    各中心に対応する位置には、各巻回部に対応する回動軸
    の軸線方向に延びる第1平板部および第2平板部が設け
    られ、 前記第1平板部および前記第2平板部の延出方向から直
    交する方向に曲折して形成された第1巻回片および第2
    巻回片が設けられ、 該第1巻回片および第2巻回片が前記第1平板部および
    第2平板部の周囲を巻回することによって前記第1巻回
    部および第2巻回部とが形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の2軸ヒンジ装置。
  3. 【請求項3】 前記第1平板部および/または第2平板
    部には、円周方向に巻回している軸線の軸線方向に沿っ
    て、フレキシブル基板の折曲を防止するように補強する
    補強板が取り付けられていることを特徴とする請求項2
    記載の2軸ヒンジ装置。
  4. 【請求項4】 前記補強板は、前記第1平板部と第2平
    板部にわたって取り付けられるようにL字状に形成され
    ていることを特徴とする請求項3記載の2軸ヒンジ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記フレキシブル基板の、第1の筐体お
    よび第2の筐体に接続される一方の端部および他方の端
    部にはコネクタが設けられていることを特徴とする請求
    項1,2,3または4記載の2軸ヒンジ装置。
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