JP2003133568A - 太陽電池素子およびその製造方法およびそれに用いる電極材料 - Google Patents

太陽電池素子およびその製造方法およびそれに用いる電極材料

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JP2003133568A JP2001326832A JP2001326832A JP2003133568A JP 2003133568 A JP2003133568 A JP 2003133568A JP 2001326832 A JP2001326832 A JP 2001326832A JP 2001326832 A JP2001326832 A JP 2001326832A JP 2003133568 A JP2003133568 A JP 2003133568A
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solar cell
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修一 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な凹凸の凹部に電極材料の銀が入り込
み、電極を焼成するときの応力によって電極の下部の微
細な凹凸部に欠陥を生じるという従来の問題を解消した
太陽電池素子とその製造方法とそれに用いる電極材料を
提供することを目的とする。 【解決手段】 一導電型を呈する半導体基板の表面側に
微細な凹凸を設けるとともに、この半導体基板の表面側
に逆導電型を呈する領域を設け、この半導体基板の表面
側と裏面側に電極を形成した太陽電池素子において、前
記半導体基板の表面凹部の底部に前記電極材料が充填さ
れない空隙部を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池素子とその
製造方法とそれに用いる電極材料に関し、特に半導体基
板の表面に微細な凹凸を形成した太陽電池素子およびそ
の製造方法およびそれに用いる電極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池素子には、単結晶半導体基板を
用いた太陽電池素子、多結晶半導体基板を用いた太陽電
池素子、アモルファス半導体層を用いた太陽電池素子が
ある。このうち、量産性の点では多結晶半導体基板を用
いた太陽電池素子が最も優れている。
【0003】このような多結晶半導体基板を用いた太陽
電池素子の高効率化を図るために、従来から種々の検討
がなされている。例えば半導体基板に照射された光をで
きるだけ多く半導体基板内に取り込むとともに、半導体
基板内に取り込まれた光をできるだけ多く半導体基板内
に閉じ込めるために、半導体基板の表面に微細な凹凸を
形成することが提案されている。
【0004】このような微細な凹凸は、例えば反応性イ
オンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)法で
形成される(例えば特公昭60−27195号、特開平
5−75152号、特開平9−102625号公報参
照)。この方法によると、半導体基板として多結晶シリ
コンを用いた場合でも、結晶の不規則な面方位に左右さ
れることなく、均一な凹凸を形成することができ、特に
多結晶シリコンを用いた太陽電池素子においては、より
効果的に表面反射を低減できるようになる。
【0005】すなわち、単結晶シリコン基板は、結晶の
面方位が均一であることから、例えば濃度が5%程度の
水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液で等方性エ
ッチングを行うと基板の表面の全面にわたって微細な凹
凸を均一に形成することができるが、多結晶シリコン基
板は結晶の面方位が不均一であることから、アルカリ溶
液でエッチングしても凹凸が均一にならず、基板表面で
の反射を効果的に防止することができず、太陽電池の高
効率化を図ることはできない。
【0006】ところが、このような多結晶シリコン基板
でも、反応性イオンエッチング法などのドライエッチン
グ法であれば、その面方位に左右されることなく、微細
な凹凸を均一に形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、シリコン基
板の表面に形成されたこのような微細な凹凸は、高さが
2μm以下で凸部と凸部とのピッチが0.2〜2.0μ
m程度と極めて小さいために、衝撃や応力に対して弱
い。したがって、上記のような方法で形成された微細な
凹凸部に銀ペースト等の導電性ペーストを印刷塗布して
焼成した場合、この微細な凹凸の底部まで隙間がないよ
うに銀ペーストが入り込んだ場合、焼成時の応力によっ
てこの微細な凹凸が崩れ、凹部にマイクロクラック等の
欠陥が多数生じて電気特性を低下させるという問題があ
った。電極の下部にこのような欠陥が生じた場合、キャ
リアの再結合の増大を招き、電気特性、とりわけ開放電
圧の低下を生じる。
【0008】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、微細な凹凸の凹部に電極材料
の銀が入り込み、電極を焼成するときの応力によって電
極の下部の微細な凹凸部に欠陥を生じるという従来の問
題点を解消した太陽電池素子とその製造方法とそれに用
いる電極材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る太陽電池素子では、一導電型を呈す
る半導体基板の表面側に微細な凹凸を設けるとともに、
この半導体基板の表面側に逆導電型を呈する領域を設
け、この半導体基板の表面側と裏面側に電極を形成した
太陽電池素子において、前記半導体基板の表面側の凹部
の底部に前記電極材料が充填されない空隙部を設けたこ
とを特徴とする。
【0010】上記太陽電池素子では、前記凹部の深さが
1μm以下であることが望ましい。
【0011】上記太陽電池素子では、前記半導体基板が
多結晶シリコン基板であることが望ましい。
【0012】また、請求項4に係る太陽電池素子の製造
方法では、前記半導体基板の表面側の微細な凹凸をドラ
イエッチング法で形成することを特徴とする。
【0013】また、請求項5に係る太陽電池素子の電極
材料では、前記半導体基板の表面側に焼き付けられる電
極材料が銀を主成分とし、その銀100重量部のうち、
0.1〜1.0μmの範囲の粒径のものが5重量部以下
であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は本発明の太陽電池素子を示す断
面図である。図1において、1は一導電型を呈する半導
体基板、1aは逆導電型を呈する領域、2は反射防止
膜、3は裏面電極、4は表面電極である。
【0015】半導体基板1は、単結晶又は多結晶シリコ
ンや単結晶ガリウム砒素などから成る。多結晶シリコン
は、大量生産が可能であり製造コスト面で単結晶シリコ
ンや単結晶ガリウム砒素などよりも有利である。この半
導体基板1をシリコンで構成する場合、ボロン(B)な
どの一導電型半導体不純物を1×1016 18atoms
/cm3程度含有し、比抵抗1.5Ω・cm程度の一導
電型を呈する基板とする。単結晶シリコンや単結晶ガリ
ウム砒素の場合は引き上げ法などによって形成され、多
結晶シリコンの場合は鋳造法などによって形成される。
引き上げ法や鋳造法によって形成されたブロックを10
cm×10cmもしくは15cm×15cm程度の大き
さに切断し、300〜500μm程度の厚みにスライス
してシリコン基板とする。
【0016】この半導体基板1の一主面側には、他の導
電型を呈する領域1aが設けられている。この他の導電
型を呈する領域1aは、0.3〜0.5μm程度の深さ
に形成され、シート抵抗が60Ω/□以上になるように
形成される。
【0017】半導体基板1の表面側には、微細な凹凸1
cが多数形成されている。この微細な凹凸1cは、シリ
コン基板1の表面側に照射される光を多重反射させて、
表面反射を減少させるために設ける。この微細な凹凸1
cは、垂直断面形状が円錐形もしくは角錐形を呈し、R
IE法によるガス濃度若しくはエッチング時間を制御す
ることにより、その大きさを変化させることができる。
この微細な凹凸1cの幅と高さはそれぞれ2μm以下に
形成される。この突起1cの幅と高さが2μm以上にな
ると、エッチングの処理時間が長くなる反面、基板1表
面での反射率はさほど低減されない。この微細な凹凸1
cをシリコン基板1の表面側の全面にわたって均一且つ
正確に制御性を持たせて形成するには、その幅と高さは
1μm以下が好適である。
【0018】半導体基板1の一主面側には、反射防止膜
2が形成されている。この反射防止膜2は例えば窒化シ
リコン膜などから成る。この反射防止膜2は、半導体基
板1の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板1
内に光を有効に取り込んだり、半導体基板1の表面部の
界面準位を低下させると共に、半導体基板1の内部の結
晶欠陥を緩和するために設ける。この反射防止膜2は、
半導体基板1としてシリコン基板を用いる場合は、その
シリコン基板1との屈折率差などを考慮して、屈折率が
1.8〜2.3程度になるように形成され、厚み850
Å程度に形成される。
【0019】半導体基板1の他の主面側(裏面側)に
は、裏面電極3が被着形成されている。この裏面電極3
は、粒径が0.1〜5.0μm程度の銀粉末100重量
部に対し、有機ビヒクルが10〜30重量部、ガラスフ
リットが0.1〜5.0重量部から成る電極材料を印刷
塗布して焼き付けることにより、厚み10〜20μm程
度に形成される。
【0020】半導体基板1の一主面側には厚み10〜2
0μm程度に表面電極4が形成されている。半導体基板
1の表面側の凹部1cの底部には、図2に示すように、
電極材料が充填されない空隙部1dが設けられている。
この表面電極4は銀粉末100重量部のうち、0.1〜
1.0μmの粒径のものが5重量部以下とするのが望ま
しい。ペースト中の銀粉末100重量部のうち、0.1
〜1.0μmの粒径のものが5重量部より多い場合に
は、凹部1cの底部まで電極材料が入り込んで焼き付け
る際に、この凹凸部1cにマイクロクラック等の欠陥が
多数発生して、キャリアの再結合の増大を招き、電気特
性、とりわけ開放電圧の低下を生じる。
【0021】次に、本発明に係る太陽電池素子の製造方
法を説明する。まず、半導体基板1を用意する(図3
(a)参照)。この半導体基板1は、一導電型半導体不
純物を1×1016 18atoms/cm3程度含有す
る。引き上げ法や鋳造法によって形成されたブロックを
10cm×10cmもしくは15cm×15cm程度の
大きさに切断し、300〜500μm程度の厚みにスラ
イスして半導体基板とする。
【0022】次に、シリコン基板1の表面側に、微細な
凹凸1cを多数形成する(図3(b)参照)。この微細
な凹凸1cは、例えばRIE法などのドライエッチング
法によって形成することができ、そのガス濃度若しくは
エッチング時間を制御することにより、その大きさを変
化させることができる。
【0023】次に、シリコン基板1を拡散炉中に配置し
て、オキシ塩化リン(POCl3)などの中で加熱する
ことによって、ウェハー1の表面部分にリン原子を拡散
させて他の導電型を呈する領域1aを形成する(図3
(c)参照)。この熱拡散により、シリコン基板1の外
表面全体に他の導電型を呈する領域とリン原子を含むリ
ンガラス層(不図示)が形成されるが、シリコン基板1
の一主面側の他の導電型を呈する領域のみを残して他の
部分は、弗酸(HF)と硝酸(HNO3)を主成分とす
るエッチング液に浸漬して除去した後、純水で洗浄する
(図3(c))。
【0024】次に、シリコン基板1の一主面側に反射防
止膜2を形成する(図3(d))。この反射防止膜2は
例えばシランとアンモニアとの混合ガスを用いたプラズ
マCVD法などで形成される。
【0025】次に、図1に示すように、裏面電極材料3
を塗布して乾燥した後、表面電極材料4を塗布して乾燥
し、600〜800℃で1〜30分程度焼成して焼き付
けることにより、太陽電池素子が完成する。
【0026】
【実施例】比抵抗が1.5Ωcmのシリコン基板の一主
面側をドライエッチング法により表面を微細に粗面化し
たのちリンを1×1017atom/cm3拡散させて、
厚み850Åの窒化シリコン膜からなる反射防止膜を形
成した。その後、銀ペーストの0.1〜5μm程度の銀
粉末のうち、0.1〜1.0μmの銀粉末の重量比が0
%、2%、4%、5%、6%、10%のものを750℃
×15分で焼き付けて、半導体装置の電極部とした。こ
のときの開放電圧を測定した。その結果を示す。
【0027】
【表1】
【0028】0.1〜5μm程度の銀粉末からなる銀ペ
ーストで0.1〜1.0μmの銀粉の重量比の条件を振
った場合の開放電圧の結果は表1に示す通りである。す
なわち、0.1〜1.0μmの銀粉末の重量比が2%の
とき、開放電圧は612mVであった。0.1〜1.0
μmの銀粉末の重量比が5%のとき、開放電圧は610
mVであった。しかし、0.1〜1.0μmの銀粉末の
重量比が10%のとき開放電圧は605mVとなり開放
電圧の低下が生じた。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る太陽電池
素子によれば、半導体基板の表面側に微細な凹凸を設け
るとともに、この凹部の底部に電極材料が充填されない
空隙部を設けたことから、低反射構造で開放電圧が向上
した高効率な太陽電池素子となる。
【0030】また、請求項4に係る太陽電池素子の製造
方法によれば、半導体基板の表面側の微細な凹凸をドラ
イエッチング法で形成することから、半導体基板として
多結晶シリコンを用いる場合でも、微細な凹凸を基板の
全面に均一に形成することができ、多結晶半導体基板を
用いた太陽電池素子の高効率化を図ることができる。
【0031】さらに、請求項5に係る太陽電池素子の電
極材料によれば、半導体基板の表面側に焼き付けられる
電極材料が銀を主成分とし、その銀100重量部のう
ち、0.1〜1.0μmの範囲の粒径のものが5重量部
以下であることから、電極材料が微細な凹凸部の底部部
まで入り込むことを防止して空隙を形成することがで
き、もって微細な凹凸部の結晶欠陥を低減でき、良好な
開放電圧を有する高効率な太陽電池素子を形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池素子を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る太陽電池素子の表面側の凹部を拡
大して示す断面図である。
【図3】本発明に係る太陽電池素子の製造方法を説明す
るための図であり、(a)〜(d)は工程毎の断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・半導体基板、1a・・・逆導電型を呈する領
域、1c・・・微細な凹凸、2・・・反射防止膜、3・
・・裏面電極、4・・・表面電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型を呈する半導体基板の表面側に
    微細な凹凸を設けるとともに、この半導体基板の表面側
    に逆導電型を呈する領域を設け、この半導体基板の表面
    側と裏面側に電極を形成した太陽電池素子において、前
    記半導体基板の表面側の凹部の底部に前記電極材料が充
    填されない空隙部を設けたことを特徴とする太陽電池素
    子。
  2. 【請求項2】 前記凹部の深さが0.2μm以上1μm
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池
    素子。
  3. 【請求項3】 前記電極材料が充填されない空隙部の深
    さが0.2μ以上0.8μm以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の太陽電池素子。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板が多結晶シリコン基板で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    太陽電池素子。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板の表面側の微細な凹凸を
    ドライエッチング法で形成することを特徴とする太陽電
    池素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板の表面側に焼き付けられ
    る電極材料が銀を主成分とし、その銀100重量部のう
    ち、0.1〜1.0μmの範囲の粒径のものが5重量部
    以下であることを特徴とする太陽電池素子の電極材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011004937A1 (en) * 2009-07-06 2011-01-13 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
JP2015109259A (ja) * 2013-09-27 2015-06-11 ヘレウス プレシャス メタルズ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー Ag金属酸化物添加剤を含む高抵抗ウエハおよびペーストから製造される太陽電池

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