JP2003131124A - 撮像レンズ - Google Patents

撮像レンズ

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JP2003131124A
JP2003131124A JP2001324609A JP2001324609A JP2003131124A JP 2003131124 A JP2003131124 A JP 2003131124A JP 2001324609 A JP2001324609 A JP 2001324609A JP 2001324609 A JP2001324609 A JP 2001324609A JP 2003131124 A JP2003131124 A JP 2003131124A
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aspherical
image pickup
shape
image
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JP2001324609A
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Takatoshi Yamada
隆俊 山田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超小型の撮像素子に対応した撮像レンズにお
いて、設計の自由度を増すことによって設計を容易にす
ると共に、本来必要な光学性能に妥協点を残さないよう
にする。 【解決手段】 撮像レンズ10において、絞りSTPと
プラスチック製の単玉非球面レンズ11とによってレン
ズ系を構成し、単玉非球面レンズの物体側の面R 及び
像側の面Rのうちの一方を、非球面形状に少なくとも
1つの波紋状のうねりを付加された形状の面で構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、携帯電話、携帯情
報端末等の各種携帯機器に内蔵される超小型の撮像素子
を用いた撮像装置に使用される撮像レンズに関し、結像
性能を最適化する為の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話や携帯情報端末等の携帯
機器において、小型の撮像装置が内蔵されたものが増え
ている。
【0003】上記携帯機器に内蔵された小型の撮像装置
においては、撮像素子としては、一般的に、サイズが1
/4インチ以下の超小型のC−MOS(Complementary M
etalOxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coup
led Device:電荷結合素子)が使用されている。
【0004】そして、上記超小型の撮像素子を使用する
撮像装置に対応した撮像レンズ(以下、「超小型の撮像
素子に対応した撮像レンズ」と略記)は、光学系の全長
を小さくして撮像装置自体の光軸方向のサイズを小さく
する必要があるので、レンズ枚数も余り多くできないと
いう制約があった。そこで、超小型の撮像素子に対応し
た撮像レンズにおいては、プラスチック製又はガラス製
の成形レンズを用いた単玉構成で、各種収差を補正する
ために非球面を採用したものが用いられることが多かっ
た。しかし、撮像レンズとして単玉非球面レンズを使用
すると、光学系の各種値、即ち、焦点距離、射出瞳位置
等の条件によって面形状が殆ど決まってしまうため、撮
像レンズの設計の自由度が少なくなってしまうという問
題があった。
【0005】一方、上記超小型の撮像素子は、CIF
(352×288)規格やVGA(640×480)規格の画像を撮影
する、10万乃至35万画素程度の画素数を有する比較
的低解像度のものであるため、撮像レンズには高い解像
度が要求されるわけではない。そのため、超小型の撮像
素子に対応した撮像レンズの設計には、解像度をある程
度犠牲にしても、レンズ枚数の削減と小型化を図ること
が必要である。
【0006】また、超小型の撮像素子に対応した撮像レ
ンズにおいては、超小型の撮像素子の大きさに対応して
外径も小さくなってしまうため、超小型の撮像素子に対
応した撮像レンズに特有の問題、即ち、最小曲率や面の
深さ等の制約事項が多いために、加工上の制約も発生し
てしまうという問題があった。
【0007】従って、従来、超小型の撮像素子に対応し
た撮像レンズは、その特有の問題、即ち、設計の自由度
が少ないことや、加工上の制約が多いという問題によっ
て設計が困難であるため、本来必要な光学性能に妥協点
を残したものしか得ることができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、超小型の撮像素子を用いた撮像装置に使用され
る撮像レンズにおいて、設計の自由度を増すことによっ
て設計を容易にすると共に、本来必要な光学性能に妥協
点を残さないようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明撮像レンズは、絞りとプラスチック製の単玉非
球面レンズとによって構成し、単玉非球面レンズの物体
側の面及び像側の面のうちの一方を、非球面形状に少な
くとも1つの波紋状のうねりを付加された形状の面で構
成したものである。
【0010】従って、単玉非球面レンズの物体側の面及
び像側の面のうちの一方を、非球面形状に少なくとも1
つの波紋状のうねりを付加された形状の面で構成するこ
とによって、高次の球面収差を発生させることが可能に
なる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明撮像レンズの実施の
形態について、添付図面を参照して説明する。
【0012】本発明撮像レンズ10は、図1に示すよう
に、撮像素子にサイズが1/4インチ以下の超小型のC
−MOSセンサやCCDを用いる小型で各種機器内蔵型
の撮像装置に用いられるものであって、物体側より順
に、絞りSTPと、像面側に曲率の大きな凸面を向けた
プラスチック製の単玉非球面レンズ11とから成り、該
単玉非球面レンズ11の像側には、赤外線カットフィル
タFLが配置されている。また、赤外線カットフィルタ
FLと撮像素子12の撮像面IMGとの間には、撮像素
子12のカバーガラスCGが位置している。
【0013】そして、上記非球面単玉レンズ11の物体
側の面R及び像側の面Rのうちの一方は、基礎とな
る非球面形状(以下、単に「基礎非球面形状」とい
う。)に少なくとも1つの波紋状のうねりを付加された
形状の面によって構成され、当該面の形状によって高次
の球面収差を発生させるようになっている。
【0014】上記基礎非球面形状に少なくとも1つの波
紋状のうねりを付加された形状の面とは、面形状を関数 z=f(r) で表すとき、上記f(r)の3階微分に関する方程式 δf(r)/δr=0 が原点以外でレンズの有効径内に解を1つ以上有するよ
うにされた面である。但し、光軸方向における変位量を
zとし、該光軸に直交すると共に互いに直交する2方向
の変位量をx及びyとするとき、 r=(x+y1/2 である。
【0015】以下、本発明撮像レンズ10の発明に至る
経緯について説明する。
【0016】尚、以下の説明において、「画角が大き
い」及び「高画角」という表現は、レンズの中心である
光軸上を通る光は、屈折角が0°であるので画角も0°
とし、レンズの光軸から離れた部分を通過する光程、レ
ンズによって屈折される角度が比例的に大きくなるの
で、光軸から最も遠いレンズ周縁部及びレンズ周縁部付
近を通過した光に対しては「画角が大きい」及び「高画
角」であるという表現を使用するものとする。また、
「中画角」等の表現は、上記規定に沿い、レンズの光軸
から最も遠いレンズ周縁部付近と光軸近傍との中間部分
及び該中間部分を通過した光に対する表現とする。
【0017】例えば、以下の表1に示す要求仕様を有す
る単玉構成のレンズから成る撮像レンズについて考えて
みる。
【0018】
【表1】
【0019】上記1次仕様に像面湾曲及び球面収差を減
らすという新たな条件を設定し、実際に設計したもの
が、図6に構成を示す撮像レンズ1であり、物体側より
順に、絞りSTPと、像面側に曲率の大きな凸面を向け
たプラスチック製の単玉非球面レンズ2とから成り、該
単玉非球面レンズ2の像側には、赤外線カットフィルタ
FLが配置されている。また、赤外線カットフィルタF
Lと撮像素子3の撮像面IMGとの間には、撮像素子3
のカバーガラスCGが位置している。以下の表2に、上
記撮像レンズ1の各種数値を示す。
【0020】
【表2】
【0021】尚、上記表2及び以下に示す同様の表にお
いて、「R」は物体側から数えてn番目の面及びその
曲率半径、「D」は物体側から数えてi番目の面とi
+1番目の面との間の面間隔、「N」は物体側から数
えてi番目のレンズ又はフィルタの屈折率とする。ま
た、非球面は、zを面の光軸方向における変位(サグ)
量(光軸方向における非球面の深さ)、ARをj次の
非球面係数とすると、以下の数式1によって定義される
ものとする。
【0022】
【数1】
【0023】また、表3は、上記撮像レンズ1の、非球
面によって構成されている非球面単玉レンズ2の物体側
の面R及び像側の面Rそれぞれの、円錐定数k、4
次、6次、8次及び10次の非球面係数AR、A
、AR、AR10及びA、B、C、Dを示す。
尚、表3において、非球面係数がA、B、C及びDの時
は、上記数式1の非球面式中の「j」が4乃至10の偶
数項の係数に相当するものとし、また、「E」は10を
底とする指数表現を意味するものとする(以下において
も同様)。
【0024】
【表3】
【0025】図7及び図8に上記表2及び表3に示す撮
像レンズ1の縦収差図及び横収差図を、図9にMTF(M
odulation Transfer Function)値の図を示す。尚、図7
の非点収差図において、実線はサジタル像面湾曲、破線
はメリディオナル像面湾曲を示すものである(以下にお
いても同様)。
【0026】図9から明らかなように、上記撮像レンズ
1では、軸上のMTFは、前記表1に示す要求仕様に比
べて良すぎ、画角が大きくなるにつれて、非点収差が目
立つようになるという特性である。通常は、ここから、
必要な特性を有するようにするため、上記撮像レンズ1
に、新たな拘束条件を付加した仕様を設定して細部を調
整することになる。
【0027】上記撮像レンズ1と同様の目的を達成する
ために、従来手法によって自動的に設計させたものが、
図10に構成を示す撮像レンズ1Aであり、物体側より
順に、絞りSTPと、像面側に曲率の大きな凸面を向け
たプラスチック製の単玉非球面レンズ2Aとから成り、
該単玉非球面レンズ2Aの像側には、赤外線カットフィ
ルタFLが配置されている。また、赤外線カットフィル
タFLと撮像素子3の撮像面IMGとの間には、撮像素
子3のカバーガラスCGが位置している。以下の表4
に、上記撮像レンズ1Aの各種数値を示す。
【0028】
【表4】
【0029】また、表5は、上記撮像レンズ1Aにおい
て、非球面によって構成されている非球面単玉レンズ2
Aの物体側の面Rの円錐定数kと、4次、6次、8次
及び10次の非球面係数A、B、C及びDと、像側の面
の3次、4次、5次、6次、8次、10次の非球面
係数AR、AR、AR、AR、AR、AR
10を示す。
【0030】
【表5】
【0031】図11に上記表4及び表5に示す撮像レン
ズ1Aの縦収差図を、図12にMTF値の図を示す。
【0032】上記撮像レンズ1Aは、非球面単玉レンズ
2Aの像側の面Rに奇数次の非球面係数を付加した奇
数次非球面を使用したので、前記撮像レンズ1と比べる
と、収差のバランスが改善されているが、図12に示す
ように、中画角以上での非点収差によるMTFの劣化が
目立つことが判る。
【0033】ところで、一般的に、非球面単玉レンズか
ら成る撮像レンズの場合では、像面湾曲、非点収差及び
歪曲収差を最適な状態になるように制御するための構成
要件及び要素が少ない。しかし、従来の技術の欄でも述
べたように、撮像素子としてサイズが1/4インチ以下
の超小型のC−MOSセンサやCCDが採用された、小
型で各種機器内蔵型の撮像装置に用いられる撮像レンズ
では、軸上での結像性能はそれ程要求されている訳では
ない。従って、各種収差を制御するための構成要件及び
要素が少ない非球面単玉レンズの場合では、軸上におけ
る結像性能等を落とすことによって、その他の各種収差
を制御する方法が有効である。
【0034】そこで、本発明撮像レンズ10は、前記撮
像レンズ1を基礎として、これに、軸上における結像性
能等を落とすことによってその他の各種収差を制御する
方法を適用したものである。
【0035】本発明撮像レンズ10に適用した、軸上に
おける結像性能等を落とすことによってその他の各種収
差を制御する方法としては、前記表2及び表3に示す撮
像レンズ1の単玉非球面レンズの物体側の面Rの複数
箇所に波紋状のうねり(以下、「摂動」という。)を与
えることによって、高次球面収差を付加するようにした
ものである。このようなレンズの面形状によって高次の
球面収差を発生させると、軸上のMTFを抑えること
と、軸外の非点収差を目立たなくするという効果が期待
できる。尚、面形状に摂動を与えて高次の球面収差を発
生させる面は、基本的には撮像レンズ1の非球面単玉レ
ンズの両面のうちどちらでも良いが、本発明において物
体側の面Rとしたのは、当然のことながら、物体側の
面Rの方が絞りに近いので、球面収差をコントロール
するのに都合がよいからである。
【0036】ここで、前記撮像レンズ1の単玉非球面レ
ンズの物体側の面Rの面形状が関数z=ψ(r)で表
されているとする。撮像レンズ1においては、物体側の
面R の面形状は非球面であるので、関数ψ(r)は非
球面式である。そして、この非球面形状を表す関数ψ
(r)に適用され、摂動が与えられた面形状とする関数
p(x)(以下、「摂動関数」という。)を考える。こ
の摂動関数p(x)は、図13に示す摂動関数作成用点
列を用いて作成された図14に示す曲線であり、式で表
すと、以下の数式2に示す通りである。尚、摂動関数p
(x)としては、以下の数式2に示すようなベキ関数を
用いると、元の非球面式ψ(r)との相性も良くなる。
【0037】
【数2】
【0038】上記数式2の関数p(x)は、例えば、以
下の表6に示すような係数aを持つ。これらの係数a
は、全く恣意的なものである。最初に、図13の摂動
関数作成用点列を作り、これに上記数式2を適用するこ
とによって決定されたものである。
【0039】
【表6】
【0040】図13に示す摂動関数作成用点列は、10
次までの多項式で表現可能であり、必要な高次収差を近
似する形状として設定されたものである。即ち、面R
の形状を最終的に以下の数式3のように設定し、この
後、原始点列(図13及び上記表6の係数)及び数式3
中の係数αをパラメータとして収差を評価して、最適な
高次の収差を求めたものである。
【0041】
【数3】
【0042】上記数式3において、sag(y)は面の光軸方
向のサグ量、ψ(y)は基礎非球面の式、αは振幅を制御
する係数、βは光学有効径にマップする係数である。
【0043】以上のような経緯で作成されたものが、本
発明撮像レンズ10である。撮像レンズ10は、前述の
ように、物体側から順に、絞りSTP、像面側に凸面を
向けたプラスチック製の単玉非球面レンズ11、IR
(赤外線)カットフィルタFLが配置されて成るもので
ある。また、上記IRカットフィルタFLの像側にある
のは撮像素子12であり、撮像面IMGと、該撮像面I
MGの物体側に配置された撮像素子12のカバーガラス
(リッドガラス)CGとを有する。
【0044】そして、上記単玉非球面レンズ11の物体
側の面Rは、上記数式3によって、面形状に摂動が与
えられている。
【0045】即ち、光軸方向をz、この光軸方向zに直
交すると共に互いに直交する2方向をそれぞれx方向及
びy方向とし、r=(x+y1/2とすると、面
が、関数z=f(r)を光軸を中心として回転させ
て成る面形状を有するものとする時、上記関数f(r)
の3階微分に関する方程式δf(r)/δr=0が
原点以外でレンズの有効径内に解を1つ以上有するよう
にされた面とされている。
【0046】表7に上記撮像レンズ10の各数値を示
す。
【0047】
【表7】
【0048】表8に、非球面によって構成されている単
玉非球面レンズ11の物体側の面R の円錐定数k、3
次乃至10次の非球面係数AR乃至AR10と、像側
の面Rの4次、6次、8次及び10次の非球面係数
A、B、C及びDを示す。
【0049】
【表8】
【0050】上記表7及び表8から明らかなように、撮
像レンズ10においては、単玉非球面レンズ11の像側
の面Rは、図6、表2及び表3に示す撮像レンズ1の
非球面レンズの像側の面Rと全く同じであることが判
る。尚、撮像レンズ10では、上記数式3におけるα及
びβはそれぞれ、0.00105、1.7とした。
【0051】図2及び図3に撮像レンズ10の縦収差図
及び横収差図を、図4にMTF値の図を示す。
【0052】図2と図7の比較からも明らかなように、
単玉非球面レンズ11の物体側の面Rの形状が球面収
差に反映しているのが判る。縦収差の光軸に近い付近の
振る舞いが、高画角での横収差にも影響を与えるので、
数式3におけるα及びβを上手く選ぶことによって、高
次球面収差の発生の効果によって非点収差を減らすこと
ができるようになる。
【0053】また、図4に示すように、撮像レンズ10
においては、軸上のMTFもかなり悪化しており、5割
の画角の時と略同程度になっている。しかし、撮像レン
ズ10は、軸上から7割像高程度まで75本/mmで2
0%以上の変調度を有し、表1に示す要求仕様の軸上の
解像度75本は十分達成していることが判る。
【0054】また、見かけ上は、非点収差が減少してい
ることも判る。これは、図3の横収差図に示すように、
広画角でのサジタル方向の収差が、高次球面収差の影響
を受けて、特に、光線高さの低い部分で減少し、単玉非
球面レンズ11の物体側の面Rの面形状に摂動を与え
る前に比べて、非点収差が曖昧になっているからであ
る。
【0055】このように、単玉非球面レンズ11の物体
側の面Rの面形状に摂動を与え、高次の球面収差を発
生させるようにした結果、撮像レンズ10においては、
軸上及びその近傍での結像性能を劣化させることによっ
て、軸上での結像性能と高画角での結像性能とを接近さ
せて、全体的な結像性能を向上させたということができ
る。このような性能を有する単玉非球面レンズ11の物
体側の面Rの面形状を自動設計によって導き出すこと
は困難であるが、元のレンズの結像性能を落とすのであ
るから、以上に記載した手法によって、非常に簡単に望
ましい結果を得ることができるようになる。
【0056】上記撮像レンズ10における単玉非球面レ
ンズ11の物体側の面Rの形状について詳細に説明す
る。
【0057】単玉非球面レンズ11の物体側の面R
に、関数ψ(y)によって表される基礎非球面に前記
数式2及び図14に示す摂動関数p(x)によって摂動
を与えたのであるから、面Rの実際の面形状も図14
に示す関数p(x)に類似した形状になっている。図5
に単玉非球面レンズ11の物体側の面Rの面形状f
(r)と、その2階微分値δf(r)/δr、及び
3階微分値δf(r)/δ・rを示す。単玉非球面
レンズ11の面Rの形状は、小さいながらも微係数を
見れば、面Rの摂動の形状がそのまま現れて、微妙に
うねっていることが判る。摂動の振幅は最大で0.3μ
m程度であるが、この値を微分すると値が全く変化して
しまうことが判る。
【0058】特に、3階微分の値が0を越えて正負に大
きく振れている。図5中、矢印で示す位置が、3階微分
に関する方程式δf(r)/δ・r=0に解になっ
ているポイントである。3階微分の値が0ということ
は、2階微分の値が極値を持つということである。即
ち、2階微分の値は局所的な曲率の近似値を与えるもの
であり、これは、面Rの局所的な曲率があるところで
は正(像側に凸)、また、あるところでは負(物体側に
凸)と、場所によって面の凹凸が入れ替わっているとい
うことである。
【0059】尚、上記したように、局所的な曲率がある
ところでは正(像側に凸)、また、あるところでは負
(物体側に凸)と、場所によって面の凹凸が入れ替わっ
ている形状は、加工誤差が出やすい、切削加工によって
作成する場合では面粗度が悪化し易い、という弊害を引
き起こしやすいものであるが、この弊害は、ベースとな
る面の曲率を大きくして、3階微分の値が0を越えて正
負に大きく振れないようにすることによって回避するこ
とができる。
【0060】このような面Rの曲率の変化が、上述し
た縦収差や横収差にそのまま影響しているのである。こ
のような面Rの形状は、通常の非球面に、前記数式2
のベキ多項式を適用させることによって作成することが
可能である。
【0061】本発明は、以上に説明したように、撮像レ
ンズに使用される非球面単玉レンズに、必要な高次の球
面収差を、基礎非球面形状に少なくとも1つの波紋状の
うねり(摂動)の形状として面に直接付加することがで
きる。
【0062】従って、本発明においては、従来の要求仕
様に基づく自動設計によって各種収差を調整するより
も、各種収差の調整を効率よく行うことが可能になり、
基本となる特性を変化させずに高次球面収差だけを付加
させることもできるので、所望のMTF解像度に設定す
ることが可能になる。尚、本発明においては、面への摂
動形状の付加によって、同時に、軸外特性にも影響を与
えられることになるので、摂動形状の決定は、これらを
考慮しながら行うと良い。
【0063】また、本発明は、摂動が与えられた面形状
によって高次の球面収差を発生させて、各種収差のバラ
ンスを取るという構成であるので、非球面単玉レンズを
使用した撮像レンズの設計の自由度が増し、中画角での
MTF解像度のバラツキが減少し、軸上のMTF解像度
を落とすことによって中画角のMTF解像度とのバラン
スが取れるようになるので、本来必要な光学性能に妥協
点を残さないようにしながら、全体としての光学性能を
向上させることが可能になる。
【0064】更に、本発明においては、面形状に摂動を
与える関数の定義域をある程度広く取ることによって、
偏芯による光学性能の劣化を抑えることもできるように
なる。
【0065】尚、前記実施の形態において示した各部の
具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当
たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、こ
れらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈される
ことがあってはならないものである。
【0066】
【発明の効果】以上に説明したところから明らかなよう
に本発明撮像レンズは、絞りとプラスチック製の単玉非
球面レンズとによって構成し、単玉非球面レンズの物体
側の面及び像側の面のうちの一方を、非球面形状に少な
くとも1つの波紋状のうねりを付加された形状の面で構
成したことを特徴とする。
【0067】従って、本発明撮像レンズは、単玉非球面
レンズの物体側の面及び像側の面のうちの一方を、非球
面形状に少なくとも1つの波紋状のうねりを付加された
形状の面で構成することによって、高次の球面収差を発
生させることが可能になるので、従来の要求仕様に基づ
く自動設計によって各種収差を調整するよりも、各種収
差の調整を効率よく行うことができる。
【0068】請求項2に記載した発明にあっては、光軸
方向における変位量をzとし、該光軸に直交すると共に
互いに直交する2方向の変位量をx及びyとし、r=
(x+y1/2とすると、非球面形状に少なくと
も1つの波紋状のうねりを付加された形状の面が、面形
状を関数z=f(r)で表すとき、f(r)の3階微分
に関する方程式δf(r)/δr=0が原点以外で
レンズの有効径内に解を1つ以上有するようにした面で
あるので、基本となる特性を変化させずに高次球面収差
だけを付加させることが可能なので、所望のMTF解像
度に設定することができる。
【0069】請求項3に記載した発明にあっては、単玉
非球面レンズの物体側に絞りを配置すると共に、単玉非
球面レンズの物体側の面を非球面形状に少なくとも1つ
の波紋状のうねりを付加された形状の面によって構成し
たので、球面収差のコントロールを容易に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図5と共に、本発明撮像レンズの実施
の形態を示すものであり、本図はレンズ構成を概略的に
示す図である。
【図2】縦収差図である。
【図3】横収差図である。
【図4】各画角でのMTF解像度を示す図である。
【図5】面形状とその微分値を示す図である。
【図6】図7乃至図9と共に、撮像レンズの要求仕様に
基づく1次仕様に像面湾曲及び球面収差を減らすという
新たな条件を設定し、実際に設計を行った撮像レンズの
一例を示すものであり、本図は、レンズ構成を概略的に
示す図である。
【図7】縦収差図である。
【図8】横収差図である。
【図9】各画角でのMTF解像度を示す図である。
【図10】図11及び図12と共に、従来手法によって
自動的に設計させた撮像レンズの一例のレンズ構成を概
略的に示す図である。
【図11】縦収差図である。
【図12】各画角でのMTF解像度を示す図である。
【図13】摂動関数作成用点列を示す図である。
【図14】摂動関数p(x)を示す図である。
【符号の説明】
10…撮像レンズ、11…単玉非球面レンズ、STP…
絞り、R…(単玉非球面レンズの)物体側の面、R
…(単玉非球面レンズの)像側の面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞りと、プラスチック製の単玉非球面レ
    ンズとから成り、上記単玉非球面レンズの物体側の面及
    び像側の面のうちの一方が、非球面形状に少なくとも1
    つの波紋状のうねりを付加された形状の面によって構成
    されていることを特徴とする撮像レンズ。
  2. 【請求項2】 非球面形状に少なくとも1つの波紋状の
    うねりを付加された形状の面は、面形状を関数 z=f(r) で表すとき、上記f(r)の3階微分に関する方程式 δf(r)/δr=0 が原点以外でレンズの有効径内に解を1つ以上有するよ
    うにされた面であることを特徴とする請求項1に記載の
    撮像レンズ。但し、光軸方向における変位量をzとし、
    該光軸に直交すると共に互いに直交する2方向の変位量
    をx及びyとするとき、 r=(x+y1/2 である。
  3. 【請求項3】 単玉非球面レンズの物体側に絞りが配置
    されていると共に、単玉非球面レンズの物体側の面が、
    非球面形状に少なくとも1つの波紋状のうねりを付加さ
    れた形状の面によって構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の撮像レンズ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011518341A (ja) * 2008-02-29 2011-06-23 グローバル バイオニック オプティクス リミテッド 単一レンズの拡張被写界深度の撮像システム
US8422139B2 (en) 2010-02-23 2013-04-16 Sharp Kabushiki Kaisha Imaging lens and imaging module

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