JP2003131049A - 光導波路型回折格子素子製造方法および装置 - Google Patents

光導波路型回折格子素子製造方法および装置

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JP2003131049A
JP2003131049A JP2001331191A JP2001331191A JP2003131049A JP 2003131049 A JP2003131049 A JP 2003131049A JP 2001331191 A JP2001331191 A JP 2001331191A JP 2001331191 A JP2001331191 A JP 2001331191A JP 2003131049 A JP2003131049 A JP 2003131049A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率変調の振幅分布が一定でない場合にも
容易に光導波路型回折格子素子を製造することができる
光導波路型回折格子素子製造方法等を提供する。 【解決手段】 光源321から出力された屈折率変化誘
起光UVは、位相格子マスク200を介して光ファイバ
110へ照射される。光ファイバ110と位相格子マス
ク110との相対的位置関係に関して2つの状態(第1
状態、第2状態)それぞれが設定される。第1状態に対
して第2状態では、屈折率変調による回折格子の半周期
(Λ/2)だけz方向に相対的にずれて位相格子マスク
200が配置される。第1状態では、屈折率変化誘起光
UVの照射位置は、z方向に沿って屈折率変調形成範囲
に亘って第1照射時間分布T1(z)で走査される。第2
状態では、屈折率変化誘起光UVの照射位置は、z方向
に沿って屈折率変調形成範囲に亘って第2照射時間分布
2(z)で走査される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路の長手方
向に沿った所定範囲に亘って屈折率変調による回折格子
が形成された光導波路型回折格子素子を製造する方法お
よび装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路型回折格子素子は、光導波路
(例えば光ファイバ)における長手方向に沿った所定範
囲に亘って屈折率変調による回折格子が形成されたもの
であって、この光導波路を導波する光のうち所定の反射
波長の光を回折格子により選択的に反射することができ
る。また、この光導波路型回折格子素子を含む合分波モ
ジュールは、光導波路型回折格子素子により反射波長の
光を選択的に反射することで光を合波または分波するこ
とができ、波長多重した多波長の信号光を用いて光伝送
を行う波長分割多重(WDM: Wavelength Division Mu
ltiplexing)伝送システム等において用いられる。
【0003】一般に、光導波路型回折格子素子は、光導
波路における長手方向に沿った所定範囲に亘って一定周
期Λの屈折率変調による回折格子が形成されていて、こ
の回折格子により、λ=2n0Λ なる式で表されるブラ
ッグ条件式を満たす反射波長λの光を選択的に反射し、
他の波長の光を透過する。ここで、n0は光導波路の屈
折率変調領域における平均の実効屈折率である。
【0004】このような光導波路型回折格子素子では、
屈折率変調領域において長手方向に沿った屈折率変調の
振幅分布は、一定であってもよいが、変化していてもよ
い。屈折率変調の振幅分布が長手方向に沿って変化して
いることで、光導波路型回折格子素子の反射特性の改善
が図られる。また、屈折率変調の振幅分布が位相反転部
を有するものとすることにより、更に光導波路型回折格
子素子の反射特性の改善が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、屈折率
変調の振幅分布が位相反転部を有する光導波路型回折格
子素子は、これまで幾つかの文献で構造が提案され反射
特性のシミュレーション結果が示されているものの、製
造方法または製造装置については開示されていない。
【0006】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、屈折率変調の振幅分布が一定でない場
合(更には、屈折率変調の振幅分布が位相反転部を有す
る場合)にも容易に光導波路型回折格子素子を製造する
ことができる光導波路型回折格子素子製造方法および装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路型
回折格子素子製造方法は、光導波路の長手方向に沿った
所定範囲に亘って屈折率変調による回折格子が形成され
た光導波路型回折格子素子を製造する方法であって、
(1) 光導波路の側方に位相格子マスクが配置された第1
状態で、一定強度の屈折率変化誘起光の照射位置を長手
方向に沿って所定範囲に亘って第1照射時間分布で走査
して、位相格子マスクを介して光導波路に屈折率変化誘
起光を照射する第1工程と、(2) 第1状態に対して回折
格子の半周期だけ長手方向に相対的にずれて位相格子マ
スクが配置された第2状態で、一定強度の屈折率変化誘
起光の照射位置を長手方向に沿って所定範囲に亘って第
2照射時間分布で走査して、位相格子マスクを介して光
導波路に屈折率変化誘起光を照射する第2工程と、を備
えることを特徴とする。そして、第1工程および第2工
程それぞれを1回または複数回繰り返して行って光導波
路型回折格子素子を製造することを特徴とする。
【0008】本発明に係る光導波路型回折格子素子製造
装置は、光導波路の長手方向に沿った所定範囲に亘って
屈折率変調による回折格子が形成された光導波路型回折
格子素子を製造する装置であって、(1) 光導波路の側方
に配置された位相格子マスクを長手方向に沿って光導波
路に対して相対的に移動させる移動手段と、(2) 屈折率
変化誘起光の照射位置を長手方向に沿って所定範囲に亘
って走査して、位相格子マスクを介して光導波路に屈折
率変化誘起光を照射する照射手段と、(3) 移動手段およ
び照射手段それぞれを制御する制御手段と、を備えるこ
とを特徴とする。そして、制御手段は、(1) 光導波路の
側方に位相格子マスクを配置させた第1状態となるよう
移動手段を制御し、この第1状態で一定強度の屈折率変
化誘起光の照射位置を長手方向に沿って第1照射時間分
布で走査するよう照射手段を制御し、(2) 第1状態に対
して回折格子の半周期だけ長手方向に相対的にずれて位
相格子マスクを配置させた第2状態となるよう移動手段
を制御し、この第2状態で一定強度の屈折率変化誘起光
の照射位置を長手方向に沿って第2照射時間分布で走査
するよう照射手段を制御する、ことを特徴とする。
【0009】この本発明に係る光導波路型回折格子素子
製造方法または装置によれば、光導波路(例えばコア領
域にGeO2が添加された石英系の光ファイバ)の側方
に位相格子マスクが配置される。このとき、光導波路と
位相格子マスクとの相対的位置関係に関して第1状態お
よび第2状態それぞれが設定される。第1状態に対して
第2状態では、形成されるべき屈折率変調による回折格
子の半周期(Λ/2)だけ長手方向に相対的にずれて位
相格子マスクが配置される。第1状態では、一定強度の
屈折率変化誘起光の照射位置は、長手方向に沿って屈折
率変調形成範囲に亘って第1照射時間分布で走査され
る。第2状態では、一定強度の屈折率変化誘起光の照射
位置は、長手方向に沿って屈折率変調形成範囲に亘って
第2照射時間分布で走査される。第1照射時間分布と第
2照射時間分布とは互いに異なる。第1状態および第2
状態それぞれで位相格子マスクを介して光導波路に屈折
率変化誘起光が照射されることにより、第1照射時間分
布と第2照射時間分布との差に比例した屈折率変調振幅
分布を有する光導波路型回折格子素子が製造される。
【0010】本発明に係る光導波路型回折格子素子製造
方法または装置では、第1照射時間分布と第2照射時間
分布との和が長手方向に沿って一定であるのが好適であ
る。この場合には、光導波路型回折格子素子の屈折率変
調形成範囲における平均の実効屈折率は、長手方向の位
置に依らず一定値となる。
【0011】本発明に係る光導波路型回折格子素子は、
上記の本発明に係る光導波路型回折格子素子製造方法に
より製造されたことを特徴とする。この光導波路型回折
格子素子は、長手方向に沿って屈折率変調の振幅分布が
適切に設計されたものであり、例えば、屈折率変調の振
幅分布が位相反転部を有する。これにより、この光導波
路型回折格子素子は、例えば、多波長の光を選択的に反
射することができ、或いは、波長分散が抑制されたもの
となる。
【0012】本発明に係る合分波モジュールは、上記の
本発明に係る光導波路型回折格子素子を含み、この光導
波路型回折格子素子により反射波長の光を選択的に反射
して、光を合波または分波することを特徴とする。本発
明に係る光伝送システムは、波長多重した多波長の信号
光を用いて光伝送を行う光伝送システムであって、上記
の本発明に係る合分波モジュールを含み、この合分波モ
ジュールにより多波長の信号光を合波または分波するこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る分散調整モジュール
は、上記の本発明に係る光導波路型回折格子素子を含
み、この光導波路型回折格子素子により反射された光の
波長分散を調整することを特徴とする。本発明に係る光
伝送システムは、波長多重した多波長の信号光を用いて
光伝送を行う光伝送システムであって、上記の本発明に
係る分散調整モジュールを含み、この分散調整モジュー
ルにより多波長の信号光の波長分散を調整することを特
徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0015】先ず、本発明に係る光導波路型回折格子素
子の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に
係る光導波路型回折格子素子100の構成図である。こ
の図は、光軸を含む面で切断したときの光導波路型回折
格子素子100の断面図を示している。この光導波路型
回折格子素子100は、光導波路である光ファイバ11
0に回折格子113が形成されたものである。光ファイ
バ110は、石英ガラスを主成分とするものであって、
光軸中心を含むコア領域111にGeO2が添加されて
おり、このコア領域111を取り囲んでクラッド領域1
12が設けられている。この光ファイバ110における
長手方向に沿った所定範囲(以下「屈折率変調形成範
囲」という。)に亘って屈折率変調による回折格子11
3が形成されている。
【0016】光ファイバ110の長手方向に沿ってz軸
を設定し、そのz軸の原点を屈折率変調形成範囲の中心
位置とする。屈折率変調形成範囲において形成された屈
折率変調の格子間隔は一定値Λであり、屈折率変調形成
範囲において、回折格子113の屈折率分布n(z)は、
【数1】 なる式で表される。ここで、n0は、屈折率変調形成範
囲における光ファイバ110の平均実効屈折率である。
また、F(z)は、屈折率変調形成範囲における屈折率変
調の振幅分布であり、例えば sinc関数やcos関数などで
ある。
【0017】図2は、本実施形態に係る光導波路型回折
格子素子100の長手方向に沿った屈折率分布の説明図
である。この図に示されるように、光導波路型回折格子
素子100の屈折率変調形成範囲における長手方向に沿
った屈折率変調は一定周期である。しかし、その屈折率
変調振幅分布F(z)は、長手方向に沿って一様ではなく
変化しており、或る位置を境に符号(すなわち位相)が
反転している。屈折率変調振幅の符号が反転する位置が
位相反転部である。
【0018】この光導波路型回折格子素子100は、回
折格子113により、反射波長λ(=2n0Λ)の光を
選択的に反射することができる。また、屈折率変調振幅
分布F(z)を最適化することにより、この光導波路型回
折格子素子100は、波長分散が抑制されたものであっ
たり、波長分散が一定であったり、或いは、複数の波長
の信号光を選択的に反射したりすることができる。
【0019】次に、本発明に係る光導波路型回折格子素
子製造装置の実施形態について説明する。図3は、本実
施形態に係る光導波路型回折格子素子製造装置300の
構成図である。この光導波路型回折格子素子製造装置3
00は、上述した光導波路型回折格子素子100を製造
する際に位相格子マスク200とともに好適に用いられ
るものである。
【0020】この光導波路型回折格子素子製造装置30
0は、固定部材310、光源321、シャッタ322、
光学系323、ミラー324、圧電素子330および制
御部340を備えている。これらのうち、光源321、
シャッタ322、光学系323およびミラー324は、
位相格子マスク200を介して光ファイバ110に屈折
率変化誘起光を照射する照射手段を構成している。ま
た、圧電素子330は、光ファイバ110の側方に配置
された位相格子マスク200をz軸方向に光ファイバ1
10に対して相対的に移動させる移動手段を構成してい
る。
【0021】光源321は、光ファイバ110のコア領
域111の屈折率変化を誘起せしめる波長の一定強度の
屈折率変化誘起光UVを出力する。この光源321とし
て、例えば、波長248nmのレーザ光を屈折率変化誘
起光UVとして出力するKrFエキシマレーザ光源や、
波長488nmのレーザ光の第2高調波光(波長244
nm)を出力するArレーザ光源が用いられ、その他、
YAGレーザ光源や銅蒸気レーザ光源などが好適に用い
られる。シャッタ322は、光源321とミラー324
との間に設けられ、光源321から出力された屈折率変
化誘起光UVの通過/遮断の制御を行う。このシャッタ
322として音響光学素子が好適に用いられ、この場合
には、屈折率変化誘起光UVの通過/遮断の制御が高速
に行われる。
【0022】光学系323は、シャッタ322とミラー
324との間に設けられ、光ファイバ110への屈折率
変化誘起光UVの照射の際に屈折率変化誘起光UVのz
軸方向の光束幅を所定値(好適には500μm以下、更
に好適には100μm以下)とする為のものである。こ
の光学系323として、集光レンズが好適に用いられ、
或いは、所定の開口幅を有する開口も好適に用いられ
る。光学系323として集光レンズが用いられる場合に
は、屈折率変化誘起光UVのエネルギが有効に利用され
るので、回折格子の作成効率が優れる。また、光学系3
23として開口が用いられる場合には、光ファイバ11
0が被る機械的ダメージが低減される。
【0023】ミラー324は、z軸方向に対して45度
だけ傾斜した反射面を有していて、光学系323を経て
z軸方向に進んできた屈折率変化誘起光UVを、z軸に
垂直な方向に反射させる。そして、ミラー324は、そ
の反射させた屈折率変化誘起光UVを、位相格子マスク
200を介して光ファイバ110に照射する。また、こ
のミラー324は、z軸方向に移動自在に固定部材31
0に固定されている。固定部材310に対してミラー3
24が移動することにより、屈折率変化誘起光UVの照
射位置は長手方向に沿って屈折率変調形成範囲に亘って
走査される。この移動機構としては、ピッチングが小さ
いエアスライダや、絶対位置精度が高いリニアモータを
用いたものが好適である。
【0024】位相格子マスク200は、石英ガラス平板
の一方の面に格子間隔2Λの位相格子が形成されたもの
であり、その位相格子が形成された面が光ファイバ11
0に対向して配置される。この位相格子マスク200の
格子間隔は、光ファイバ110に形成されるべき回折格
子113の格子間隔Λの2倍とされる。また、この位相
格子マスク200は、圧電素子330を介して固定部材
310と固定されており、圧電素子330の作用により
z軸方向に移動可能である。
【0025】制御部340は、固定部材310に対して
ミラー324をz軸方向に移動させる。これにより、制
御部340は、光ファイバ110への屈折率変化誘起光
UVの照射位置を、光ファイバ110の所定範囲(屈折
率変調形成範囲)に亘って走査する。このとき、制御部
340は、屈折率変化誘起光UVの照射位置を所定の速
度分布で走査する。また、制御部340は、圧電素子3
30を制御して、位相格子マスク200をz軸方向に光
ファイバ110に対して相対的に移動させる。この移動
距離は、光ファイバ110に形成されるべき回折格子1
13の格子間隔Λの1/2で充分である。
【0026】次に、本実施形態に係る光導波路型回折格
子素子製造装置1の動作について説明するとともに、本
実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造方法につい
て説明する。この光導波路型回折格子素子製造装置1
は、制御部340による制御の下に以下のように動作す
る。
【0027】光源321から出力された一定強度の屈折
率変化誘起光UVは、シャッタ322および光学系32
3を経てミラー324に入射し、このミラー324によ
り反射されて、位相格子マスク200を介して光ファイ
バ110へ照射される。このとき、格子間隔2Λの位相
格子マスク200の回折作用により+1次回折光と−1
次回折光とが発生し、これら2つの回折光が干渉するこ
とにより縞間隔Λの干渉縞が生じる。また、ミラー32
4がz軸方向に所定範囲に亘って移動することにより、
位相格子マスク200を介した光ファイバ110への屈
折率変化誘起光UVの照射位置が走査される。そして、
光ファイバ110のコア領域111には、この干渉縞に
おける光エネルギの空間的な分布に応じて格子間隔Λの
屈折率変調が形成されて、回折格子113が形成され
る。
【0028】このような屈折率変化誘起光UVの照射に
際して、光ファイバ110と位相格子マスク110との
相対的位置関係に関して2つの状態(第1状態、第2状
態)それぞれが設定される。第1状態に対して第2状態
では、屈折率変調による回折格子の半周期(Λ/2)だ
けz方向に相対的にずれて位相格子マスク200が配置
される。第1状態では、屈折率変化誘起光UVの照射位
置は、z方向に沿って屈折率変調形成範囲に亘って第1
照射時間分布T1(z)で走査される(この工程を「第1
工程」と呼ぶ。)。第2状態では、屈折率変化誘起光U
Vの照射位置は、z方向に沿って屈折率変調形成範囲に
亘って第2照射時間分布T2(z)で走査される(この工
程を「第2工程」と呼ぶ。)。
【0029】なお、各照射時間分布は、各位置zに屈折
率変化誘起光UVが照射される時間の分布を表してお
り、走査速度分布の逆数に比例する。すなわち、第1工
程における第1照射時間分布T1(z)と第1走査速度分
布V1(z)との間、および、第2工程における第2照射
時間分布T2(z)と第2走査速度分布V2(z)との間それ
ぞれには、
【数2】 なる関係式が成り立つ。ここで、Δzは、z軸方向につ
いての屈折率変化誘起光UVの光束幅である。
【0030】したがって、第1工程により形成される屈
折率変調成分Δn1(z)は、
【数3】 なる式で表される。一方、第2工程により形成される屈
折率変調成分Δn2(z)は、
【数4】 なる式で表される。
【0031】そして、第1工程および第2工程の双方に
より形成される屈折率変調Δnall(z)は、上記(3)式と
上記(4)式との和で表され、
【数5】 なる式で表される。また、この(5)式と前述の(1)式とを
比較して判るように、屈折率変調振幅分布F(z)は、
【数6】 なる式で表される。
【0032】この(6)式から判るように、第1照射時間
分布T1(z)および第2照射時間分布T2(z)それぞれが
適切に設定されることにより、所望の屈折率変調振幅分
布F(z)(すなわち、所望の反射特性)を有する光導波
路型回折格子素子100が製造される。また、T1(z)
とT2(z)との大小関係を或る位置z0を境に反転させる
ことで、屈折率変調振幅分布F(z)は、その位置z0
境に符号(すなわち位相)が反転する。その位置z0
位相反転部となる。
【0033】また、第1照射時間分布T1(z)と第2照
射時間分布T2(z)との和は、位置zに依らず一定値T0
であるのが好適である。このとき、
【数7】 なる式で表される。このようにすることで、屈折率変調
形成範囲における平均の実効屈折率n0は、位置zに依
らず一定値となる。
【0034】第1工程は複数回繰り返されてもよく、第
2工程も複数回繰り返されてもよい。第1工程が複数回
繰り返された場合には全ての第1工程の第1照射時間分
布の和が上記T1(z)であり、第2工程が複数回繰り返
された場合には全ての第2工程の第2照射時間分布の和
が上記T2(z)である。所望の反射特性を有する光導波
路型回折格子素子100が得られるまで、第1工程と第
2工程とが交互に行われることが好ましい。
【0035】なお、屈折率変化誘起光UVが光ファイバ
110に照射されて屈折率変化が誘起されると、これに
より、光ファイバ110内の水素が消費されて、その後
の屈折率変化誘起光UV照射に対する屈折率変化の効率
が低下する場合がある。このような場合には、初めに第
1工程を1回または複数回繰り返して行った後に、第2
工程を複数回繰り返して行うようにするのが好適であ
る。
【0036】次に、図2に示された屈折率分布を有する
光導波路型回折格子素子100を製造する場合につい
て、図4〜図7を用いて更に説明する。図4は、本実施
形態に係る光導波路型回折格子素子製造方法における各
工程の走査速度分布を示す図である。図5は、本実施形
態に係る光導波路型回折格子素子製造方法における各工
程の照射時間分布を示す図である。図6は、本実施形態
に係る光導波路型回折格子素子製造方法における各工程
の照射時間の和および差それぞれを示す図である。図7
は、本実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造方法
による屈折率変調を示す図である。図7(a)は第1工
程により形成される屈折率変調成分Δn1(z)を示し、
同図(b)は第2工程により形成される屈折率変調成分
Δn2(z)を示し、同図(c)は第1工程および第2工
程の双方により形成される屈折率変調Δnall(z)を示
す。
【0037】図4に示された走査速度分布V1(z),V2
(z)と、図5に示された照射時間分布T1(z),T2(z)
との間には、上記(2)式の関係がある。図6に示される
ように、第1照射時間分布T1(z)と第2照射時間分布
2(z)との和(T1(z)+T2(z))は一定値T0とされ
(上記(7)式)、これにより、図2に示されたように屈
折率変調形成範囲における平均の実効屈折率n0は位置
zに依らず一定値となる。また、図6に示されるよう
に、第1照射時間分布T1(z)と第2照射時間分布T
2(z)との差(T1(z)−T2(z))は、図2に示された
屈折率変調振幅分布F(z)に比例するように設定される
(上記(6)式)。
【0038】第1工程では、位相格子マスク200を介
して光ファイバ110に照射される屈折率変化誘起光U
Vは、図5に示された第1照射時間分布T1(z)(図4
に示された第1走査速度分布V1(z))でz軸方向に走
査される。これにより、図7(a)に示された屈折率変
調成分Δn1(z)が形成される。この第1工程により形
成される屈折率変調成分Δn1(z)の振幅分布は、第1
照射時間分布T1(z)に比例している(上記(3)式)。
【0039】第2工程では、位相格子マスク200を介
して光ファイバ110に照射される屈折率変化誘起光U
Vは、図5に示された第2照射時間分布T2(z)(図4
に示された第2走査速度分布V2(z))でz軸方向に走
査される。これにより、図7(b)に示された屈折率変
調成分Δn2(z)が形成される。この第2工程により形
成される屈折率変調成分Δn2(z)の振幅分布は、第2
照射時間分布T2(z)に比例している(上記(4)式)。
【0040】第1工程と第2工程とでは、位相格子マス
ク200の配置位置が半周期(Λ/2)だけz方向に相
対的にずれているので、図7(a)と同図(b)とを比
較して判るように、第1工程による屈折率変調成分Δn
1(z)と第2工程による屈折率変調成分Δn2(z)とは、
位相が互いに反転している(上記(3)式および上記(4)
式)。その結果、同図(c)に示されるように、第1工
程および第2工程の双方により形成される屈折率変調Δ
all(z)の振幅分布は、第1照射時間分布T1(z)と第
2照射時間分布T2(z)との差(T1(z)−T2(z))に
比例したものとなり、図2に示された屈折率変調振幅分
布F(z)に比例したものとなる。
【0041】したがって、所望の屈折率変調振幅分布F
(z)が得られまで第1工程および第2工程それぞれを交
互に繰り返して行うことにより、所望の光学特性を有す
る光導波路型回折格子素子100を製造することができ
る。
【0042】次に、本発明に係る合分波モジュールの実
施形態について説明する。以下に説明する各実施形態に
係る合分波モジュールに含まれる光導波路型回折格子素
子は、上記の実施形態に係る光導波路型回折格子素子1
00であって、位相反転部を有するものであり、多波長
の光を選択的に反射することができるものである。以下
では、この光導波路型回折格子素子100が波長λ2m
光を反射する一方で波長λ2m+1の光を透過するものとし
て説明する。ただし、mは1以上M以下の整数であり、
Mは2以上の整数であり、各波長は
【数8】 なる関係式を満たすものとする。
【0043】図8は、第1の実施形態に係る合分波モジ
ュール10の構成図である。この合分波モジュール10
は、光導波路型回折格子素子100の一端に光サーキュ
レータ120が接続され、光導波路型回折格子素子10
0の他端に光サーキュレータ130が接続されて構成さ
れている。光サーキュレータ120は、第1端子12
1、第2端子122および第3端子123を有してお
り、第1端子121に入力した光を第2端子122より
光導波路型回折格子素子100へ出力し、第2端子12
2に入力した光を第3端子123より出力する。また、
光サーキュレータ130は、第1端子131、第2端子
132および第3端子133を有しており、第1端子1
31に入力した光を第2端子132より光導波路型回折
格子素子100へ出力し、第2端子132に入力した光
を第3端子133より出力する。
【0044】この合分波モジュール10では、光サーキ
ュレータ120の第1端子121に波長λ2m+1の光が入
力すると、これらの光は、光サーキュレータ120の第
2端子122より光導波路型回折格子素子100へ出力
され、光導波路型回折格子素子100を透過して、光サ
ーキュレータ130の第2端子132に入力し、光サー
キュレータ130の第3端子133より出力される。ま
た、光サーキュレータ130の第1端子131に波長λ
2mの光が入力すると、これらの光は、光サーキュレータ
130の第2端子132より光導波路型回折格子素子1
00へ出力され、光導波路型回折格子素子100で反射
されて、光サーキュレータ130の第2端子132に入
力し、光サーキュレータ130の第3端子133より出
力される。すなわち、この場合には、この合分波モジュ
ール10は、合波器として動作し、光サーキュレータ1
20の第1端子121に入力した波長λ2m+1の光と、光
サーキュレータ130の第1端子131に入力した波長
λ2mの光とを合波して、その合波した波長λ1〜λ2M
光を光サーキュレータ130の第3端子133より出力
する。なお、合分波モジュール10が合波器としてのみ
用いられる場合には光サーキュレータ120は不要であ
る。
【0045】また、この合分波モジュール10では、光
サーキュレータ120の第1端子121に波長λ1〜λ
2Mの光が入力すると、これらの光は、光サーキュレータ
120の第2端子122より光導波路型回折格子素子1
00へ出力される。そして、これらの光のうち、波長λ
2mの光は、光導波路型回折格子素子100で反射され
て、光サーキュレータ120の第2端子122に入力
し、光サーキュレータ120の第3端子123より出力
される。一方、波長λ2m+1の光は、光導波路型回折格子
素子100を透過して、光サーキュレータ130の第2
端子132に入力し、光サーキュレータ130の第3端
子133より出力される。すなわち、この場合には、こ
の合分波モジュール10は、分波器として動作し、光サ
ーキュレータ120の第1端子121に入力した波長λ
1〜λ2Mを分波して、波長λ2mの光を光サーキュレータ
120の第3端子123より出力し、波長λ2m+1の光を
光サーキュレータ130の第3端子133より出力す
る。なお、合分波モジュール10が分波器としてのみ用
いられる場合には光サーキュレータ130は不要であ
る。
【0046】さらに、この合分波モジュール10は、合
波器として動作するとともに、分波器としても動作する
ことにより、光ADM(Add-Drop Multiplexer)として
も動作する。すなわち、この合分波モジュール10は、
光サーキュレータ120の第1端子121に入力した波
長λ1〜λ2Mのうち波長λ2mの光を光サーキュレータ1
20の第3端子123より出力(Drop)するとともに、
他の情報を担う波長λ 2mの光を光サーキュレータ130
の第1端子131より入力(Add)する。そして、光サ
ーキュレータ120の第1端子121に入力した波長λ
1〜λ2Mのうちの波長λ2m+1の光と、光サーキュレータ
130の第1端子131に入力した波長λ2mの光とを合
波して、その合波した波長λ1〜λ2Mの光を光サーキュ
レータ130の第3端子133より出力する。
【0047】図9は、第2の実施形態に係る合分波モジ
ュール20の構成図である。この合分波モジュール20
は、光ファイバ110Aと光ファイバ110Bとが光カ
プラ114Aおよび114Bそれぞれを介して光結合さ
れていて、光カプラ114Aと光カプラ114Bとの間
の光ファイバ110Aの所定範囲に回折格子113Aが
形成されて光導波路型回折格子素子100Aとされてお
り、また、光カプラ114Aと光カプラ114Bとの間
の光ファイバ110Bの所定範囲に回折格子113Bが
形成されて光導波路型回折格子素子100Bとされてい
る。これら光導波路型回折格子素子100Aおよび10
0Bそれぞれは、既述した光導波路型回折格子素子10
0と同等のものである。
【0048】この合分波モジュール20では、光ファイ
バ110Aの第1端115Aに波長λ2m+1の光が入力す
ると、これらの光は、光カプラ114Aにより分岐さ
れ、光導波路型回折格子素子100A,110Bを透過
して、光カプラ114Bにより合波され、光ファイバ1
10Aの第2端116Aより出力される。また、光ファ
イバ110Bの第2端116Bに波長λ2mの光が入力す
ると、これらの光は、光カプラ114Bにより分岐さ
れ、光導波路型回折格子素子100A,110Bで反射
されて、光カプラ114Bにより合波され、光ファイバ
110Aの第2端116Aより出力される。すなわち、
この場合には、この合分波モジュール20は、合波器と
して動作し、光ファイバ110Aの第1端115Aに入
力した波長λ 2m+1の光と、光ファイバ110Bの第2端
116Bに入力した波長λ2mの光とを合波して、その合
波した波長λ1〜λ2Mの光を光ファイバ110Aの第2
端116Aより出力する。
【0049】また、この合分波モジュール20では、光
ファイバ110Aの第1端115Aに波長λ1〜λ2M
光が入力すると、これらの光は、光カプラ114Aによ
り分岐され光導波路型回折格子素子100A,110B
へ出力される。そして、これらの光のうち、波長λ2m
光は、光導波路型回折格子素子100A,110Bで反
射されて、光カプラ114Aにより合波され、光ファイ
バ110Bの第1端115Bより出力される。一方、波
長λ2m+1の光は、光導波路型回折格子素子100A,1
10Bを透過して、光カプラ114Bにより合波され、
光ファイバ110Aの第2端116Aより出力される。
すなわち、この場合には、この合分波モジュール20
は、分波器として動作し、光ファイバ110Aの第1端
115Aに入力した波長λ1〜λ2Mを分波して、波長λ
2mの光を光ファイバ110Bの第1端115Bより出力
し、波長λ2m+1の光を光ファイバ110Aの第2端11
6Aより出力する。
【0050】さらに、この合分波モジュール20は、合
波器として動作するとともに、分波器としても動作する
ことにより、光ADMとしても動作する。すなわち、こ
の合分波モジュール20は、光ファイバ110Aの第1
端115Aに入力した波長λ 1〜λ2Mのうち波長λ2m
光を光ファイバ110Bの第1端115Bより出力(Dr
op)するとともに、他の情報を担う波長λ2mの光を光フ
ァイバ110Bの第2端116Bより入力(Add)す
る。そして、光ファイバ110Aの第1端115Aに入
力した波長λ1〜λ2Mのうちの波長λ2m+1の光と、光フ
ァイバ110Bの第2端116Bに入力した波長λ2m
光とを合波して、その合波した波長λ1〜λ2Mの光を光
ファイバ110Aの第2端116Aより出力する。
【0051】図10は、第3の実施形態に係る合分波モ
ジュール30の構成図である。この合分波モジュール3
0は、光ファイバ110Cと光ファイバ110Dとが光
カプラ114Cを介して光結合されていて、その光カプ
ラ114Cにおける光ファイバ110Cと光ファイバ1
10Dとの融着部の所定範囲に回折格子113Cが形成
されて光導波路型回折格子素子100Cとされている。
この光導波路型回折格子素子100Cは、既述した光導
波路型回折格子素子100と同等のものである。ただ
し、回折格子113Cは、光ファイバ110Cのコア領
域および光ファイバ110Dのコア領域の双方に形成さ
れている。
【0052】この合分波モジュール30では、光ファイ
バ110Cの第1端115Cに波長λ2m+1の光が入力す
ると、これらの光は、光導波路型回折格子素子100C
を透過して、光ファイバ110Cの第2端116Cより
出力される。また、光ファイバ110Dの第2端116
Dに波長λ2mの光が入力すると、これらの光は、光導波
路型回折格子素子100Cで反射されて、光ファイバ1
10Cの第2端116Cより出力される。すなわち、こ
の場合には、この合分波モジュール30は、合波器とし
て動作し、光ファイバ110Cの第1端115Cに入力
した波長λ2m+1の光と、光ファイバ110Dの第2端1
16Dに入力した波長λ2mの光とを合波して、その合波
した波長λ1〜λ2Mの光を光ファイバ110Cの第2端
116Cより出力する。
【0053】また、この合分波モジュール30では、光
ファイバ110Cの第1端115Cに波長λ1〜λ2M
光が入力すると、これらの光は光導波路型回折格子素子
100Cに到達する。そして、これらの光のうち、波長
λ2mの光は、光導波路型回折格子素子100Cで反射さ
れて、光ファイバ110Dの第1端115Dより出力さ
れる。一方、波長λ2m+1の光は、光導波路型回折格子素
子100Cを透過して、光ファイバ110Cの第2端1
16Cより出力される。すなわち、この場合には、この
合分波モジュール30は、分波器として動作し、光ファ
イバ110Cの第1端115Cに入力した波長λ1〜λ
2Mを分波して、波長λ2mの光を光ファイバ110Dの第
1端115Dより出力し、波長λ2m+1の光を光ファイバ
110Cの第2端116Cより出力する。
【0054】さらに、この合分波モジュール30は、合
波器として動作するとともに、分波器としても動作する
ことにより、光ADMとしても動作する。すなわち、こ
の合分波モジュール30は、光ファイバ110Cの第1
端115Cに入力した波長λ 1〜λ2Mのうち波長λ2m
光を光ファイバ110Dの第1端115Dより出力(Dr
op)するとともに、他の情報を担う波長λ2mの光を光フ
ァイバ110Dの第2端116Dより入力(Add)す
る。そして、光ファイバ110Cの第1端115Cに入
力した波長λ1〜λ2Mのうちの波長λ2m+1の光と、光フ
ァイバ110Dの第2端116Dに入力した波長λ2m
光とを合波して、その合波した波長λ1〜λ2Mの光を光
ファイバ110Cの第2端116Cより出力する。
【0055】以上の合分波モジュール10,20および
30それぞれに含まれる光導波路型回折格子素子は、既
述した本実施形態に係る光導波路型回折格子素子100
であって、位相反転部を有しており、反射特性が優れ
る。光導波路型回折格子素子100において、反射波長
帯域内における透過率が小さく、且つ、反射波長帯域外
における反射率が小さいことから、合分波モジュール1
0,20および30の何れも、反射波長λ2mと透過波長
λ2m+1との差が小さい場合であっても、クロストークが
生じ難く、受信エラー発生率が低く、また、反射波長λ
2mの光のパワーロスが小さい。
【0056】次に、本発明に係る分散調整モジュールの
実施形態について説明する。以下に説明する本実施形態
に係る分散調整モジュールに含まれる光導波路型回折格
子素子は、上記の実施形態に係る光導波路型回折格子素
子100であって、反射した光の波長分散を調整するこ
とができるものである。
【0057】図11は、本実施形態に係る分散調整モジ
ュール40の構成図である。この分散調整モジュール4
0は、光導波路型回折格子素子100の一端に光サーキ
ュレータ140が接続されて構成されている。光サーキ
ュレータ140は、第1端子141、第2端子142お
よび第3端子143を有しており、第1端子141に入
力した光を第2端子142より光導波路型回折格子素子
100へ出力し、第2端子142に入力した光を第3端
子143より出力する。
【0058】この分散調整モジュール40では、光サー
キュレータ140の第1端子141に光が入力すると、
この光は、光サーキュレータ140の第2端子142よ
り光導波路型回折格子素子100へ出力され、光導波路
型回折格子素子100で反射されて、光サーキュレータ
140の第2端子142に入力し、光サーキュレータ1
40の第3端子143より出力される。光導波路型回折
格子素子100で反射される際に光の波長分散が調整さ
れる。したがって、この分散調整モジュール40は、例
えば光伝送システムにおいて、信号光を伝送する光ファ
イバ伝送路の波長分散を補償することができる。
【0059】次に、本発明に係る光伝送システムの実施
形態について説明する。図12は、本実施形態に係る光
伝送システム1の概略構成図である。この光伝送システ
ム1は、送信局2と中継局3との間が光ファイバ伝送路
5で接続され、中継局3と受信局4との間も光ファイバ
伝送路6で接続されている。また、中継局3に合分波モ
ジュール10が設けられており、中継局4に分散調整モ
ジュール40が設けられている。
【0060】送信局2は、波長λ1〜λ2Mの信号光を波
長多重して光ファイバ伝送路5へ送出する。中継局3
は、光ファイバ伝送路5を伝搬してきた波長λ1〜λ2M
の信号光を入力し、これらを合分波モジュール10によ
り分波して、波長λ2m+1の信号光を光ファイバ伝送路6
へ送出し、波長λ2mの信号光を他の光ファイバ伝送路へ
送出する。また、中継局3は、合分波モジュール10に
より、他の光ファイバ伝送路を経て入力した波長λ2m
信号光を光ファイバ伝送路6へ送出する。受信局4は、
光ファイバ伝送路6を伝搬してきた波長λ1〜λ2Mの信
号光を入力し、分散調整モジュール40により各波長の
信号光の波長分散を調整して、これらを各波長に分波し
て受信する。
【0061】この光伝送システム1は、上記の本実施形
態に係る合分波モジュール10を用いて、波長λ1〜λ
2Mの信号光を合波または分波するものである。したがっ
て、この合分波モジュール10に含まれる光導波路型回
折格子素子100において、反射波長λ2mと透過波長λ
2m+1との差が小さい場合であっても、クロストークが生
じ難く、受信エラー発生率が低く、また、反射波長λ2m
の光のパワーロスが小さい。なお、合分波モジュール1
0に替えて合分波モジュール20または30を設けても
よい。
【0062】また、この光伝送システム1は、上記の本
実施形態に係る分散調整モジュール40を用いて、波長
λ1〜λ2Mの信号光の波長分散を調整するものである。
したがって、送信局2から受信局4へ到るまでの光ファ
イバ伝送路5および光ファイバ伝送路6の波長分散が分
散調整モジュール40により補償されるので、累積波長
分散に因る信号光波形劣化が抑制されて、高品質の信号
光伝送が可能となる。
【0063】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施
形態の光導波路型回折格子素子は、光導波路である光フ
ァイバに屈折率変調による回折格子が形成されたもので
あった。しかし、これに限られず、平面基板上に形成さ
れた光導波路に屈折率変調による回折格子が形成された
ものであってもよい。
【0064】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、光導波路の側方に位相格子マスクが配置され
る。このとき、光導波路と位相格子マスクとの相対的位
置関係に関して第1状態および第2状態それぞれが設定
される。第1状態に対して第2状態では、形成されるべ
き屈折率変調による回折格子の半周期(Λ/2)だけ長
手方向に相対的にずれて位相格子マスクが配置される。
第1状態では、屈折率変化誘起光の照射位置は、長手方
向に沿って屈折率変調形成範囲に亘って第1照射時間分
布で走査される。第2状態では、屈折率変化誘起光の照
射位置は、長手方向に沿って屈折率変調形成範囲に亘っ
て第2照射時間分布で走査される。第1照射時間分布と
第2照射時間分布とは互いに異なる。第1状態および第
2状態それぞれで位相格子マスクを介して光導波路に屈
折率変化誘起光が照射されることにより、第1照射時間
分布と第2照射時間分布との差に比例した屈折率変調振
幅分布を有する光導波路型回折格子素子が製造される。
このようにして製造される光導波路型回折格子素子は、
長手方向に沿って屈折率変調の振幅分布が適切に設計さ
れたものであり、例えば、屈折率変調の振幅分布が位相
反転部を有する。これにより、この光導波路型回折格子
素子は、例えば、多波長の光を選択的に反射することが
でき、或いは、波長分散が抑制されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子10
0の構成図である。
【図2】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子10
0の長手方向に沿った屈折率分布の説明図である。
【図3】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造
装置300の構成図である。
【図4】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造
方法における各工程の走査速度分布を示す図である。
【図5】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造
方法における各工程の照射時間分布を示す図である。
【図6】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造
方法における各工程の照射時間の和および差それぞれを
示す図である。
【図7】本実施形態に係る光導波路型回折格子素子製造
方法による屈折率変調を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る合分波モジュール10の
構成図である。
【図9】第2の実施形態に係る合分波モジュール20の
構成図である。
【図10】第3の実施形態に係る合分波モジュール30
の構成図である。
【図11】本実施形態に係る分散調整モジュール40の
構成図である。
【図12】本実施形態に係る光伝送システム1の概略構
成図である。
【符号の説明】
1…光伝送システム、2…送信局、3…中継局、4…受
信局、5,6…光ファイバ伝送路、10,20,30…
合分波モジュール、40…分散調整モジュール、100
…光導波路型回折格子素子、110…光ファイバ(光導
波路)、111…コア領域、112…クラッド領域、1
13…回折格子、120,130,140…光サーキュ
レータ、200…位相格子マスク、300…光導波路型
回折格子素子製造装置、310…固定部材、321…光
源、322…シャッタ、323…光学系、324…ミラ
ー、330…圧電素子、340…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 6/293 G02B 6/28 D Fターム(参考) 2H047 LA02 LA19 PA30 2H049 AA02 AA06 AA33 AA45 AA51 AA59 AA62 2H050 AC82 AC84 AD00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路の長手方向に沿った所定範囲に
    亘って屈折率変調による回折格子が形成された光導波路
    型回折格子素子を製造する方法であって、 前記光導波路の側方に位相格子マスクが配置された第1
    状態で、一定強度の屈折率変化誘起光の照射位置を長手
    方向に沿って前記所定範囲に亘って第1照射時間分布で
    走査して、前記位相格子マスクを介して前記光導波路に
    屈折率変化誘起光を照射する第1工程と、 前記第1状態に対して前記回折格子の半周期だけ長手方
    向に相対的にずれて前記位相格子マスクが配置された第
    2状態で、一定強度の屈折率変化誘起光の照射位置を長
    手方向に沿って前記所定範囲に亘って第2照射時間分布
    で走査して、前記位相格子マスクを介して前記光導波路
    に屈折率変化誘起光を照射する第2工程と、 を備え、 前記第1工程および前記第2工程それぞれを1回または
    複数回繰り返して行って前記光導波路型回折格子素子を
    製造する、 ことを特徴とする光導波路型回折格子素子製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1照射時間分布と前記第2照射時
    間分布との和が長手方向に沿って一定である、ことを特
    徴とする請求項1記載の光導波路型回折格子素子製造方
    法。
  3. 【請求項3】 光導波路の長手方向に沿った所定範囲に
    亘って屈折率変調による回折格子が形成された光導波路
    型回折格子素子を製造する装置であって、 前記光導波路の側方に配置された位相格子マスクを長手
    方向に沿って前記光導波路に対して相対的に移動させる
    移動手段と、 屈折率変化誘起光の照射位置を長手方向に沿って前記所
    定範囲に亘って走査して、前記位相格子マスクを介して
    前記光導波路に屈折率変化誘起光を照射する照射手段
    と、 前記移動手段および前記照射手段それぞれを制御する制
    御手段と、 を備え、 前記制御手段は、 前記光導波路の側方に位相格子マスクを配置させた第1
    状態となるよう前記移動手段を制御し、この第1状態で
    一定強度の屈折率変化誘起光の照射位置を長手方向に沿
    って第1照射時間分布で走査するよう前記照射手段を制
    御し、 前記第1状態に対して前記回折格子の半周期だけ長手方
    向に相対的にずれて前記位相格子マスクを配置させた第
    2状態となるよう前記移動手段を制御し、この第2状態
    で一定強度の屈折率変化誘起光の照射位置を長手方向に
    沿って第2照射時間分布で走査するよう前記照射手段を
    制御する、 ことを特徴とする光導波路型回折格子素子製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第1照射時間分布と前記第2照射時
    間分布との和が長手方向に沿って一定である、ことを特
    徴とする請求項3記載の光導波路型回折格子素子製造装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光導波路型回折格子素子
    製造方法により製造されたことを特徴とする光導波路型
    回折格子素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光導波路型回折格子素子
    を含み、この光導波路型回折格子素子により反射波長の
    光を選択的に反射して、光を合波または分波することを
    特徴とする合分波モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の光導波路型回折格子素子
    を含み、この光導波路型回折格子素子により反射された
    光の波長分散を調整することを特徴とする分散調整モジ
    ュール。
  8. 【請求項8】 波長多重した多波長の信号光を用いて光
    伝送を行う光伝送システムであって、請求項6記載の合
    分波モジュールを含み、この合分波モジュールにより前
    記多波長の信号光を合波または分波することを特徴とす
    る光伝送システム。
  9. 【請求項9】 波長多重した多波長の信号光を用いて光
    伝送を行う光伝送システムであって、請求項7記載の分
    散調整モジュールを含み、この分散調整モジュールによ
    り前記多波長の信号光の波長分散を調整することを特徴
    とする光伝送システム。
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