JP2003130949A - 目標追尾装置及び目標追尾方法 - Google Patents

目標追尾装置及び目標追尾方法

Info

Publication number
JP2003130949A
JP2003130949A JP2001327920A JP2001327920A JP2003130949A JP 2003130949 A JP2003130949 A JP 2003130949A JP 2001327920 A JP2001327920 A JP 2001327920A JP 2001327920 A JP2001327920 A JP 2001327920A JP 2003130949 A JP2003130949 A JP 2003130949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
observation
vector
covariance matrix
matrix
prediction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001327920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4080722B2 (ja
Inventor
Takeshi Amishima
武 網嶋
Masayoshi Ito
正義 系
Yoshio Kosuge
義夫 小菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2001327920A priority Critical patent/JP4080722B2/ja
Publication of JP2003130949A publication Critical patent/JP2003130949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4080722B2 publication Critical patent/JP4080722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運動モデル及び観測モデルを北基準直交座標
系で構成して、直交座標系での目標追尾装置の構成を可
能とした目標追尾装置および方法を提供する。 【解決手段】 前時刻平滑誤差共分散行列と駆動雑音共
分散行列値119から現時刻予測誤差共分散行列を算出
する117、予測ベクトル103から現時刻観測行列を
算出する125、117と115の行列と観測行列から
残差共分散行列を算出する111、103と125から
予測観測ベクトルを算出する101、101、103か
ら残差ベクトルを算出かつ111から103が追尾目標
の探知データか否かのゲート判定を行う107、117
と111の行列と観測行列からフィルタのゲイン行列を
算出する113、残差ベクトル、予測ベクトル、ゲイン
行列から平滑ベクトルを算出する109、115と11
7の行列と観測行列から平滑誤差共分散行列を算出する
121で成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーダなどのセ
ンサからなる目標観測装置を用いて航空機や船舶などの
移動体の目標位置を観測値(ベクトルデータ)として取得
し、観測ベクトルから追尾目標の航跡を算出する目標追
尾装置及び目標追尾方法に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】直線状周波数変調方式によるパルス圧縮
を用いたレーダなどのセンサにおける目標追尾方法に関
する従来の技術に示すものとして、「Fitzgerald R.J
著、”'Effects of Range-Doppler Coupling on Chirp
Radar Tracking Accuracy”IEEETransactions on Aeros
pace and Electronic Systems, Vol. AES-10, No.4, Ju
ly 1974」という文献がある。
【0003】直線状周波数変調方式によるパルス圧縮レ
ーダを用いたレーダなどのセンサでは、センサにより目
標までの距離を観測した場合、距離成分に加え、距離変
化率にある定数(ドップラシフト時定数と呼ぶ)を乗算し
た分だけ加算された観測値が得られる。よって、距離成
分だけを独立に観測することができない。センサと目標
間の距離の真値をR、距離変化率を(ドット)R、ドップ
ラシフト時定数をΔT、観測雑音値をvとすると、観測
値は以下の数式(1)で表される。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、ΔTは、直線状周波数変調方式で
決まる定数である。上記文献では、この加算分ΔT(ド
ット)Rを考慮した数式モデルを用いた追尾方法を提案
している。
【0006】以下、図面を参照しながら、従来の技術に
ついて詳細に説明する。図17は従来のこの種の目標追
尾装置のブロック構成図であり、図18はその処理動作
を示すフローチャート、図19は従来の技術における動
作を説明するための概念図である。
【0007】図17において、目標観測装置20は空間
中の目標位置を観測するセンサからなる装置、目標追尾
装置10は目標観測装置20からの観測データに基づい
て目標追尾処理を実行する装置、航跡表示装置30は目
標追尾装置10の処理結果である航跡を運用者に示す装
置である。
【0008】目標追尾装置10は、予測観測ベクトル算
出部101、予測ベクトル算出部103、平滑ベクトル
用メモリ105、ゲート判定部107、平滑ベクトル算
出部109、残差共分散行列算出部111、ゲイン行列
算出部113、観測雑音共分散行列設定部115、予測
誤差共分散行列算出部117、駆動雑音共分散行列設定
部119、平滑誤差共分散行列算出部121、平滑誤差
共分散行列用メモリ123を備えている。
【0009】目標追尾装置10内において、平滑ベクト
ル用メモリ105は、平滑ベクトル算出部109による
平滑ベクトルの計算結果を格納する。また、平滑誤差共
分散行列用メモリ123は、平滑誤差共分散行列算出部
121による平滑誤差共分散行列の計算結果を格納す
る。予測ベクトル算出部103は、平滑ベクトル用メモ
リ105に格納された前時刻の平滑ベクトルから現時刻
の予測ベクトルを算出する。駆動雑音共分散行列設定部
119は、駆動雑音共分散行列を設定する。予測誤差共
分散行列算出部117は、平滑誤差共分散行列用メモリ
123に格納された前時刻の平滑誤差共分散行列の計算
結果と、駆動雑音共分散行列設定部119により設定さ
れた駆動雑音共分散行列の値とから、現時刻の予測誤差
共分散行列を算出する。
【0010】観測雑音共分散行列設定部115は、目標
観測装置20から入力された観測ベクトルの精度評価に
関連したパラメータに基づいて、観測雑音共分散行列を
設定する。残差共分散行列算出部111は、予測誤差共
分散行列算出部117により算出された予測誤差共分散
行列と、観測雑音共分散行列設定部115により設定さ
れた観測雑音共分散行列とから、残差共分散行列を算出
する。予測観測ベクトル算出部101は、予測ベクトル
算出部103により算出された予測ベクトルから予測観
測ベクトルを算出する。ゲート判定部107は、予測観
測ベクトル算出部101により算出された予測観測ベク
トルと、目標観測装置20からの観測ベクトルとに基づ
いて、残差ベクトルを算出するとともに、残差共分散行
列算出部111により算出された残差共分散行列を用い
て、観測ベクトルが追尾目標の探知データであるか否か
のゲート判定を行う。
【0011】ゲイン行列算出部113は、予測誤差共分
散行列算出部117により算出された予測誤差共分散行
列と、残差共分散行列算出部111により算出された残
差共分散行列とを用いて、フィルタのゲイン行列を算出
する。平滑ベクトル算出部109は、ゲート判定部10
7により出力された観測ベクトルと、予測ベクトル算出
部103より算出された予測ベクトルと、予測観測ベク
トル算出部101より算出された予測観測ベクトルと、
ゲイン行列算出部113により算出されたゲイン行列と
を用いて、平滑ベクトルを算出する。平滑誤差共分散行
列算出部121は、予測誤差共分散行列算出部117に
より算出された予測誤差共分散行列と、観測雑音共分散
行列設定部115により算出された観測雑音共分散行列
とを用いて、平滑誤差共分散行列を算出する。
【0012】図18において、初期値設定ステップS1
は、平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列の初期値を設定
する。観測ベクトルの入力ステップS2は、目標観測装
置20から現時刻の観測ベクトルを読み込む。予測ベク
トルの算出ステップS3は、前時刻の平滑ベクトルから
予測ベクトルを算出する。駆動雑音共分散行列の設定ス
テップS4は、駆動雑音共分散行列を設定する。
【0013】予測誤差共分散行列の算出ステップS5
は、前時刻の平滑誤差共分散行列と駆動雑音共分散行列
とから予測誤差共分散行列を算出する。予測観測ベクト
ルの算出ステップS6は、予測ベクトルから予測観測ベ
クトルを算出する。観測雑音共分散行列の設定ステップ
S7は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル
の精度評価に関連したパラメータに基づいて観測雑音共
分散行列を設定する。残差共分散行列の算出ステップS
8は、予測誤差共分散行列と観測雑音共分散行列とを用
いて残差共分散行列を算出する。
【0014】ゲート判定ステップS9は、予測観測ベク
トルと目標観測装置20からの観測ベクトルとを用いて
残差ベクトルを算出するとともに、残差共分散行列を用
いて、観測ベクトルが追尾目標の探知データであるか否
かのゲート判定を行う。ゲイン行列の算出ステップS1
0は、予測誤差共分散行列と残差共分散行列とを用い
て、フィルタゲイン行列を算出する。平滑ベクトルの算
出ステップS11は、ゲート判定で追尾目標の探知デー
タと判定された観測ベクトル、予測ベクトル、予測観測
ベクトル、及びゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算
出する。平滑誤差共分散行列の算出ステップS12は、
予測誤差共分散行列と観測雑音共分散行列とを用いて、
平滑誤差共分散行列を算出する。追尾終了判定ステップ
S13は、追尾処理終了か否かを判定して、追尾処理を
続行する場合には、観測ベクトルの入力ステップS1に
戻る。
【0015】ここで、従来の技術について、カルマンフ
ィルタの理論で仮定される目標及びセンサの数式モデル
について簡単に説明する。カルマンフィルタの理論で
は、目標運動諸元の推定を行うために、目標の運動モデ
ルとセンサの観測モデルを以下のように設定する。ま
ず、目標の運動モデルを以下の数式(2)のように表す。
【0016】
【数2】
【0017】数式(2)において、(アンダーバー)x(k)
はサンプリング時刻(以下、単に「時刻」という)t(k)
における目標運動諸元の真値を表すn次元状態ベクト
ル、Ф(k−1)は時刻t(k−1)からt(k)への状態ベ
クトルの推移を表すn行n列の推移行列である。また、
(アンダーバー)w(k)は時刻t(k)におけるn次元駆動
雑音ベクトルであり、平均(アンダーバー)0、共分散行
列Q(k)のn変量正規分布に従う白色雑音系列である。
【0018】時刻t(k)における目標運動諸元の真値
(アンダーバー)x(k)を定義する際、座標系が必要とな
る。図20は北基準直交座標と極座標を示し、図20で
レーダを原点に配置し、x軸を東(east)、y軸を北(nor
th)、水平面鉛直上方をz軸にとった直交座標を北基準
直交座標、また、レーダから目標までの距離をR、水平
面より目標までの仰角をE、水平面内で北方向より目標
までの方位角をAzとした座標系を極座標系と呼ぶ。従
来の技術では、目標の基本的な運動を、距離方向につい
て等速運動すると仮定し、極座標系における数式(2)の
運動モデルにおける状態ベクトルと推移行列を、以下の
数式(3)及び数式(4)に示すように設定する。
【0019】
【数3】
【0020】数式(3)及び数式(4)において、駆動雑音
ベクトル(アンダーバー)w(k)は、現実の目標運動を距
離方向についての等速運動に近似したことにともなう誤
差項を表す。また、数式(3)において、文字上の「ドッ
ト」は微分を表し、「T」は行列の転置を表す。
【0021】次に、センサの観測モデルを以下の数式
(5)のように表す。
【0022】
【数4】
【0023】数式(5)において、(アンダーバー)z(k)
は時刻t(k)におけるm次元観測ベクトル、H(k)はm
行n列の観測行列である。また、(アンダーバー)v(k)
は観測ベクトル(アンダーバー)z(k)に対応した時刻t
(k)のm次元観測雑音ベクトルで、平均(アンダーバー)
0、共分散行列R(k)のm変数量正規分布にしたがう白
色雑音系列である。但し、観測雑音ベクトル(アンダー
バー)v(k)と駆動雑音ベクトル(アンダーバー)w(k)
は互いに独立であるとする。
【0024】従来の技術では、直線状周波数変調方式に
よるパルス圧縮を用いたレーダなどのセンサにおいて、
極座標系における目標距離方向の観測結果が得られると
し、観測モデルにおける観測行列と観測ベクトルを以下
の通りに設定する。
【0025】
【数5】
【0026】ここで、ΔTは直線状周波数変調方式によ
って決まる定数である。また、H(k)は定数行列であ
る。数式(6)および数式(7)のように、観測値(アンダ
ーバー)z(k)は、距離R(k)と、距離変化率(ドット)
R(k)を定数ΔTで乗算した値の和に、観測雑音(アン
ダーバー)v(k)が加えられた値となる。この観測モデ
ルを用いることにより、ドップラシフト分ΔT(ドット)
R(k)を考慮にいれたカルマンフィルタを構成すること
が可能となる。
【0027】初期時刻t(0)より時刻t(k)までの観測
ベクトル(アンダーバー)z(k)の全体を、以下の数式
(8)のように表す。
【0028】
【数6】
【0029】周知のように、カルマンフィルタは、上記
運動モデル及び観測モデルに基づき、観測ベクトルの時
系列データを用いて、推定誤差の分散が最小となる意味
で最適な状態ベクトル推定値を算出する逐次アルゴリズ
ムである。
【0030】以下、図18を参考にしながら、図17に
示した従来の目標追尾装置による動作について説明す
る。なお、ここでは、カルマンフィルタの理論に従い、
時刻t(k−1)までの観測結果に基づき時刻t(k)の状
態ベクトル(アンダーバー)x(k)を推定した予測ベクト
ルを(上下バー)x(k)と表し、時刻t(k)までの観測結
果に基づき時刻t(k)の状態ベクトル(アンダーバー)x
(k)を推定した平滑ベクトルを(アンダーバー・ハット)
x(k)と表す。また、予測ベクトルの誤差共分散行列で
ある予測誤差共分散行列を(バー)P(k)、平滑ベクトル
の誤差共分散行列である平滑誤差共分散行列をP(k)と
表す。
【0031】さらに、予測ベクトル(上下バー)x(k)よ
り得られる時刻t(k)の観測ベクトル(アンダーバー)z
(k)を推定した予測観測ベクトルを(上下バー)z(k)、
センサから得られた観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
と上記予測観測ベクトル(上下バー)z(k)との誤差を表
す残差ベクトルを(アンダーバー)r(k)、残差ベクトル
の共分散行列である残差共分散行列をS(k)と表す。こ
こで、予測誤差共分散行列及び平滑誤差共分散行列は、
以下の数式(9)及び数式(10)で定義される。
【0032】
【数7】
【0033】数式(9)及び数式(10)において、E[・|
Z(k)]は、時刻t(k)までの観測ベクトルを得たもと
での条件付き期待値を表す記号である。
【0034】まず、平滑ベクトル用メモリ105と平滑
誤差共分散行列用メモリ123とに、それぞれ、平滑ベ
クトルの初期値(アンダーバー・ハット)x(0)と平滑誤
差共分散行列の初期値P(0)とを設定し、追尾処理を開
始する(初期値の設定ステップS1)。
【0035】以降、k=1,2,・・・の各時刻毎の処理を実
行する。時刻t(k)の処理において、目標観測装置20
から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)が入力される
(観測ベクトルの入力ステップS2)と、予測ベクトル算
出部103は、平滑ベクトル用メモリ105から前時刻
t(k−1)の平滑ベクトル(アンダーバー・ハット)x
(k−1)を読み出し、以下の数式(11)にしたがって予
測ベクトルを算出する(予測ベクトルの算出ステップS
3)。
【0036】
【数8】
【0037】次に、駆動雑音共分散行列設定部119
は、駆動雑音共分散行列Q(k−1)を設定する(駆動雑
音共分散行列の設定ステップS4)。通常、この駆動雑
音共分散行列の値は、目標追尾装置10の運用上で想定
される最大の目標機動能力を考慮して、サンプリング間
隔t(k)−t(k−1)の大きさに応じて決定される。次
に、予測誤差共分散行列算出部117は、平滑誤差共分
散行列用メモリ123から、前時刻t(k−1)の平滑誤
差共分散行列P(k−1)を読み出し、上記駆動雑音共分
散行列Q(k−1)を用いて、以下の数式(12)に従い予
測誤差共分散行列を算出する(予測誤差共分散行列の算
出ステップS5)。
【0038】
【数9】
【0039】さらに、観測雑音共分散行列設定部115
は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)の観測雑音共分散行列R(k)を設定
し、残差共分散行列算出部111及び平滑誤差共分散行
列算出部121に送出する(観測雑音共分散行列の設定
ステップS7)。なお、観測雑音共分散行列設定部11
5は、観測ベクトル(アンダーバー)z(k)の精度評価に
関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列R(k)
を設定する。例えば、目標観測装置20が距離により目
標を探知するレーダの場合、レーダの測距離精度の情報
に基づいて観測雑音共分散行列R(k)を設定することが
できる。ここで、上記測距離精度は、レーダが時刻t
(k)に検出した目標信号の強度(または信号対雑音比)に
基づいて推定することができる。予測観測ベクトル算出
部101は、予測ベクトル算出部103から入力された
予測ベクトル(上下バー)x(k)を用いて、以下の数式
(13)により予測観測ベクトル(上下バー)z(k)を算出
する(予測観測ベクトルの算出ステップS6)。
【0040】
【数10】
【0041】次に残差共分散行列算出部111は、観測
雑音行列R(k)と、予測誤差共分散行列(バー)P(k)と
を読み込み、以下の数式(14)にしたがって残差共分散
行列S(k)を算出し、ゲート判定部107およびゲイン
行列算出部113に伝送する(残差共分散行列の算出ス
テップS8)。
【0042】
【数11】
【0043】ゲート判定部107では、以下の数式(1
5)により観測ベクトル(アンダーバー)z(k)に対する
残差ベクトルを算出した後、残差共分散行列S(k)を読
み込み、以下の数式(16)によりゲート判定処理を実行
する(ゲート判定ステップS9)。
【0044】
【数12】
【0045】ただし、数式(16)において、dはパラメ
ータである。なお、ゲート判定部107により用いられ
るゲートは、予測観測ベクトル(上下バー)z(k)を中心
として空間範囲であって、追尾目標からの観測ベクトル
を所望の確率で捕捉可能な空間範囲である。上記のゲー
トの大きさや形状は、予測ベクトルの誤差の評価値であ
る予測誤差共分散行列(バー)P(k)と観測誤差の評価値
である観測雑音共分散行列R(k)から計算される上記数
式(14)の残差共分散行列S(k)によって決定される。
上記数式(16)は、上記ゲート内に目標観測装置20か
らの観測ベクトルが存在するか否かを判定する基準条件
である。たとえば、ゲート判定部107は、残差ベクト
ル(アンダーバー)r(k)が数式(16)を満たす場合、目
標観測装置20から入力された観測ベクトル(アンダー
バー)z(k)が追尾目標の探知結果であることを判定
し、数式(16)を満たす観測ベクトル(アンダーバー)z
(k)を平滑ベクトル算出部109に送出する。一方、目
標観測装置20から数式(16)を満たす観測ベクトルが
得られなかった場合、ゲート判定部107は、追尾目標
の観測ベクトルは探知されなかったものと見なし、平滑
ベクトル算出部109への観測ベクトルの送出を実行し
ない。
【0046】次に、ゲイン行列算出部113は、予測誤
差共分散行列(バー)P(k)と残差共分散行列S(k)とを
読み込み、以下の数式(17)にしたがって、フィルタゲ
インを算出する(ゲイン行列の算出ステップS10)。
【0047】
【数13】
【0048】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力された場合に、予測観測ベクトル(上下バー)z
(k)、予測ベクトル(上下バー)x(k)、およびゲイン行
列K(k)とを読み込み、以下の数式(18)にしたがって
平滑ベクトルを算出する。
【0049】
【数14】
【0050】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力されなかった場合は、以下の数式(19)に示すよ
うに、予測ベクトル(上下バー)x(k)を平滑ベクトルと
する(平滑ベクトルの算出ステップS11)。
【0051】
【数15】
【0052】上記数式(18)または数式(19)により、
平滑ベクトル算出部109で算出された平滑ベクトル
(アンダーバー・ハット)x(k)は、平滑ベクトル用メモ
リ105に格納されるとともに、航跡表示装置30に伝
送され、運用者に対して表示される。
【0053】一方、平滑誤差共分散行列算出部121
は、ゲート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得
られたと判定された場合には、予測誤差共分散行列(バ
ー)P(k)と観測雑音共分散行列R(k)とを用いて、以
下の数式(20)により平滑誤差共分散行列を算出し、ゲ
ート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得られな
かったと判定された場合には、以下の数式(21)に示す
ように、予測誤差共分散行列(バー)P(k)を平滑誤差共
分散行列とする(平滑誤差共分散行列の算出ステップS
12)。
【0054】
【数16】
【0055】数式(20)及び数式(21)に従う平滑誤差
共分散行列の算出結果は、平滑誤差共分散行列用メモリ
123に格納される。以上で時刻t(k)における処理が
終了する。以降、追尾終了が判定されるまで、上記一連
の処理ステップを繰り返し実行する(追尾終了ステップ
13)。
【0056】このように、カルマンフィルタを用い、極
座標系でドップラシフト項ΔT(ドット)R(k)を観測モ
デルに記述した従来の目標追尾装置10は、事前に仮定
された等距離変化率運動モデルを用い、追尾航跡を算出
する。図19に、従来の技術を用いた平滑ベクトルの距
離成分(平滑値)、予測観測ベクトル(ゲート中心)、およ
び観測ベクトル(観測値)の時間推移を示す。図の実線
は、状態ベクトルの距離成分の真の軌跡を表し、点線
は、ドップラシフトの影響を受けた観測ベクトルの真値
を示す。図のように、予測観測ベクトルは、ドップラシ
フトを考慮した観測行列を用いることにより、予測ベク
トルをドップラシフト分だけシフトした値となり、ドッ
プラシフトの影響を受けた観測値の近くに算出される。
平滑ベクトルの距離成分は状態ベクトルの真の軌跡付近
に算出される。
【0057】以上のように、従来の技術では、目標が距
離方向のみに運動すると仮定し追尾を行う場合には有効
である。しかしながら、目標の運動モデルが距離方向の
1次元空間のみでなく、3次元空間に及ぶ場合、距離方
向のみで仮定された運動モデル及び観測モデルでは、フ
ィルタを構成することが困難である。特に、目標の運動
が北基準直交座標系で定義される場合、従来の運動およ
び観測モデルを用いることはできない。
【0058】さらに、上記従来の技術のドップラシフト
を考慮したフィルタを追尾開始時から用いると、距離変
化率の推定値が揺らぐため、距離変化率推定値の劣化が
生じる。フィルタは、本質的に、距離変化率の推定値を
用いて、観測値に含まれているドップラシフト分を補正
し、距離推定値を算出する。よって、距離変化率推定精
度の劣化が距離推定精度の劣化につながる。上記の理由
から、距離推定精度の劣化を防ぐため、追尾初期は、ド
ップラシフトを考慮しないフィルタを用い、距離変化率
推定精度が安定後、フィルタの切り替えを行うことが考
えられる。図21に、距離平滑値、予測観測値、および
観測値の、切り替え前と切り替え後の推移に関する概念
図を示す。ドップラシフトを考慮しないフィルタとは、
観測行列を、数式(7)の代わりに、以下の数式(22)を
用いて構成されたカルマンフィルタである。
【0059】
【数17】
【0060】この場合、ドップラシフト分の補正を行わ
ないため、ドップラシフト分の補正による、フィルタ開
始時の距離変化率精度劣化の距離精度に対する影響がな
い。ここで、問題となるのは、矢印Aで示すように切り
替え時のゲート中心が観測値と離れた所に算出され、観
測値がゲートに収まらない可能性があることである。こ
の図に示すように、まず、ドップラシフトの影響を受け
た観測値を入力としてドップラシフトを考慮しないフィ
ルタを用いると、フィルタの平滑位置が目標の真の位置
からずれて算出されてしまう。次に、フィルタの切り替
え直後にその平滑値を用いて予測観測値を算出すると、
ドップラシフト分だけずれた位置に予測観測値(ゲート
中心)が算出されてしまい、結果的に予測観測値と観測
値の距離が長くなってしまう。距離がながくなると、ゲ
ート判定の際に、観測値をゲートに捕捉できない危険性
が生じる。
【0061】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標追尾装置は
以上のように、目標の運動モデルが極座標系の距離方向
で記述され、観測モデルが極座標系の距離方向で構成さ
れる場合、追尾装置を構成することが可能であるが、目
標の運動が直交座標系で定義され、観測モデルもそうで
ある場合、従来の運動及び観測モデルでは正確な目標追
尾が困難であった。
【0062】さらに、ドップラシフトを考慮しないフィ
ルタからドップラシフトを考慮したフィルタへの切り替
え時に、予測観測値(ゲート中心)と観測値の距離がなが
くなり、観測値がゲート内に捕捉できない可能性があっ
た。
【0063】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、運動モデル及び観測モデルを北基準直
交座標系で構成することにより、直交座標系での目標追
尾装置の構成を可能とし、さらに、ドップラシフトを考
慮しない観測モデルを用いたフィルタからドップラシフ
ト補正を考慮した観測モデルを用いたフィルタの切り替
え時に、観測値とゲート中心の距離が増大する問題を解
消した目標追尾装置および目標追尾方法を提供すること
を目的とする。
【0064】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑み、この
発明は、目標観測装置から入力される観測ベクトルに基
づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾装置で
あって、平滑ベクトルの計算結果を格納するための平滑
ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の計算結果を
格納するための平滑誤差共分散行列用メモリと、前時刻
の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを算出す
る予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行列を設定す
る駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平滑誤差共分
散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列の値とを用
いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共
分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度評価に関連
したパラメータを用いて観測雑音共分散行列を設定する
観測雑音共分散行列設定部と、前記予測ベクトルを用い
て現時刻の観測行列を算出する観測行列算出部と、前記
予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及び前
記観測行列を用いて残差共分散行列を算出する残差共分
散行列算出部と、前記予測ベクトル及び前記観測行列か
ら予測観測ベクトルを算出する予測観測ベクトル算出部
と、前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用い
て残差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行
列を用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知デ
ータであるか否かのゲート判定を行うゲート判定部と、
前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出する
ゲイン行列算出部と、前記残差ベクトル、前記予測ベク
トルおよび前記ゲイン行列をもちいて前記平滑ベクトル
を算出する平滑ベクトル算出部と、前記観測雑音共分散
行列、前記予測誤差共分散行列、及び前記観測行列とを
用いて前記平滑誤差共分散行列を算出する平滑誤差共分
散行列算出部と、を備えたことを特徴とする目標追尾装
置にある。
【0065】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成
されたフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデ
ルにより構成されたフィルタへの切り替えタイミングを
出力する切り替え制御部と、切り替え制御部よりフィル
タの切り替え時刻情報を得、現時刻が切り替えを行う時
刻の場合、前記平滑ベクトル用メモリからの1時刻前に
おける平滑ベクトルを用いて、擬似平滑値を算出し、切
り替えを行う時刻でない場合、1時刻前の平滑値をその
まま出力する切り替え直前の擬似平滑値算出部と、前時
刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを算出
する予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行列を設定
する駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平滑誤差共
分散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列の値とを
用いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する予測誤差
共分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度評価に関
連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列を設定す
る観測雑音共分散行列設定部と、前記切り替え制御部か
らのフィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラ
シフトを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタ
に切り替わる時刻以後は、前記予測ベクトル算出部より
算出された予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した
現時刻の観測行列を算出し、切り替わる時刻より前は、
ドップラシフトを考慮しない現時刻の観測モデルを算出
する観測行列算出部と、前記予測誤差共分散行列、前記
観測雑音共分散行列、及び前記観測行列を用いて残差共
分散行列を算出する残差共分散行列算出部と、前記予測
ベクトル及び前記観測行列を用いて、ゲート判定部で用
いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測観測ベク
トル算出部と、前記予測観測ベクトル及び前記観測ベク
トルを用いて残差ベクトルを算出するとともに、前記残
差共分散行列を用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目
標の探知データであるか否かのゲート判定を行うゲート
判定部と、前記平滑ベクトル用メモリからの1時刻前に
おける平滑ベクトル及び観測行列算出部からの入力であ
る観測行列より、平滑ベクトル算出部で用いる予測観測
ベクトルを算出する平滑ベクトル算出用予測観測ベクト
ル算出部と、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散
行列、及び前記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行
列を算出するゲイン行列算出部と、前記残差ベクトル、
前記予測ベクトルおよび前記ゲイン行列をもちいて前記
平滑ベクトルを算出する前記平滑ベクトル算出部と、前
記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及び
前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算出
する平滑誤差共分散行列算出部と、を備えたことを特徴
とする目標追尾装置にある。
【0066】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクト
ルを算出する予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行
列を設定する駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平
滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列
の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する
予測誤差共分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度
評価に関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列
を設定する観測雑音共分散行列設定部と、ドップラシフ
トを考慮しない観測モデルにより構成されたフィルタか
らドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成され
たフィルタへの切り替えタイミングを出力する切り替え
制御部と、この切り替え制御部からのフィルタの切り替
え時刻情報を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測
モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時刻より
後は、前記予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した
観測行列を算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出
部、後記残差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出
用予測観測ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算
出部、後記行列算出部、に出力し、切り替わる時刻より
前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共
分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベク
トル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイ
ン行列算出部、に出力し、さらに、切り替わる時刻に
は、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共
分散行列算出部、にドップラシフトを考慮しない観測モ
デルを算出及び出力し、後記平滑ベクトル算出用予測観
測ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後
記ゲイン行列算出部にドップラシフトを考慮した観測行
列を算出及び出力する観測行列算出部と、前記予測誤差
共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及び前記観測行
列を用いて残差共分散行列を算出する前記残差共分散行
列算出部と、前記予測ベクトル及び前記観測行列を用い
て、ゲート判定部で用いる予測観測ベクトルを算出する
前記ゲート用予測観測ベクトル算出部と、前記予測観測
ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残差ベクトルを
算出するとともに、前記残差共分散行列を用いて、前記
観測ベクトルが前記追尾目標の探知データであるか否か
のゲート判定を行う前記ゲート判定部と、前記予測ベク
トル及び前記観測行列より、後記平滑ベクトル算出部で
用いる予測観測ベクトルを算出する前記平滑ベクトル算
出用予測観測ベクトル算出部と、前記予測誤差共分散行
列、前記残差共分散行列、及び前記観測行列をもちいて
フィルタのゲイン行列を算出する前記ゲイン行列算出部
と、前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲ
イン行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する前記平
滑ベクトル算出部と、前記観測雑音共分散行列、前記予
測誤差共分散行列、及び前記観測行列とを用いて前記平
滑誤差共分散行列を算出する前記平滑誤差共分散行列算
出部と、を備えたことを特徴とする目標追尾装置にあ
る。
【0067】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクト
ルを算出する予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行
列を設定する駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平
滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列
の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する
予測誤差共分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度
評価に関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列
を設定する観測雑音共分散行列設定部と、ドップラシフ
トを考慮しない観測モデルにより構成されたフィルタか
らドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成され
たフィルタへの切り替えタイミングを出力する切り替え
制御部と、この切り替え制御部からのフィルタの切り替
え時刻情報を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測
モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時刻より
後は、前記予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した
観測行列を算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出
部、後記残差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出
用予測観測ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算
出部、後記ゲイン行列算出部、に出力し、切り替わる時
刻より前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを
算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残
差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測
ベクトル算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベク
トル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイ
ン行列算出部、に出力し、切り替わる時刻には、後記ゲ
ート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共分散行列算
出部、にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
及び出力し、後記ゲイン行列算出部、にドップラシフト
を考慮した観測行列を算出及び出力する観測行列算出部
と、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行
列、及び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出す
る前記残差共分散行列算出部と、前記予測ベクトル及び
前記観測行列を用いて、ゲート判定部で用いる予測観測
ベクトルを算出する前記ゲート用予測観測ベクトル算出
部と、前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用
いて残差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散
行列を用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知
データであるか否かのゲート判定を行う前記ゲート判定
部と、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成
されたフィルタに切り替わる時刻より前及び後は、予測
ベクトル算出部からの予測ベクトル及び観測行列算出部
からの入力である観測行列より、平滑ベクトル算出部で
用いる予測観測ベクトルを算出し、ドップラシフトを考
慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切り替わ
る時刻では、予測ベクトル算出部からの予測ベクトルよ
り、平滑ベクトル算出部で用いる予測観測ベクトルを算
出する前記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部
と、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及
び前記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出
する前記ゲイン行列算出部と、前記残差ベクトル、前記
予測ベクトルおよび前記ゲイン行列をもちいて前記平滑
ベクトルを算出する前記平滑ベクトル算出部と、前記観
測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及び前記
観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算出する
前記平滑誤差共分散行列算出部と、を備えたことを特徴
とする目標追尾装置にある。
【0068】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成
されたフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデ
ルにより構成されたフィルタへの切り替えタイミングを
出力する切り替え制御部と、前時刻の平滑ベクトルを用
いて現時刻の予測ベクトルを算出する予測ベクトル算出
部と、駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行
列設定部と、前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と
前記駆動雑音共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤
差共分散行列を算出する予測誤差共分散行列算出部と、
前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
設定部と、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分
散行列、及び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算
出する残差共分散行列算出部と、前記切り替え制御部に
よるフィルタの切り替え時刻を入力とし、フィルタに用
いる観測モデルに設定するドップラシフト時定数を算出
し、後記観測行列算出部へ出力するフィルタ用ドップラ
シフト時定数算出部と、前記フィルタ用ドップラシフト
時定数算出部からのドップラシフト時定数を入力とし、
前記予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した観測行
列を算出する観測行列算出部と、前記予測ベクトル及び
前記観測行列から予測観測ベクトルを算出する予測観測
ベクトル算出部と、前記予測観測ベクトル及び前記観測
ベクトルを用いて残差ベクトルを算出するとともに、前
記残差共分散行列を用いて、前記観測ベクトルが前記追
尾目標の探知データであるか否かのゲート判定を行うゲ
ート判定部と、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分
散行列、及び前記観測行列をもちいてフィルタのゲイン
行列を算出するゲイン行列算出部と、前記残差ベクト
ル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン行列をもちいて
前記平滑ベクトルを算出する平滑ベクトル算出部と、前
記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及び
前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算出
する平滑誤差共分散行列算出部と、を備えたことを特徴
とする目標追尾装置にある。
【0069】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾方法であって、平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列
の初期値を設定する初期値の設定ステップと、前記目標
観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む観測ベク
トルの入力ステップと、前時刻の平滑ベクトルから予測
ベクトルを算出する予測ベクトルの算出ステップと、駆
動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列の設定
ステップと、前時刻の平滑誤差共分散行列と前記駆動雑
音共分散行列とから予測誤差共分散行列を算出する予測
誤差共分散行列の算出ステップと、前記予測ベクトルか
ら観測行列を算出する観測行列の算出ステップと、前記
予測ベクトル及び前記観測行列から予測観測ベクトルを
算出する予測観測ベクトルの算出ステップと、前記観測
ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基づいて観
測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列の設定
ステップと、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共
分散行列、及び前記観測行列とを用いて残差共分散行列
を算出する残差共分散行列の算出ステップと、前記予測
観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残差ベクト
ルを算出するとともに、前記残差共分散行列を用いて、
前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであるか否か
のゲート判定を行うゲート判定ステップと、前記予測誤
差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前記観測行列
とを用いて、フィルタゲイン行列を算出するゲイン行列
の算出ステップと、前記ゲート判定で追尾目標の探知デ
ータと判定された観測ベクトル、前記予測ベクトル、前
記予測観測ベクトル、及び前記ゲイン行列を用いて、平
滑ベクトルを算出する平滑ベクトルの算出ステップと、
前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
び前記観測行列とを用いて、前記平滑誤差共分散行列を
算出する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、追尾処
理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場合に
は、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終了判
定ステップと、を備えたことを特徴とする目標追尾方法
にある。
【0070】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾方法であって、平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列
の初期値を設定する初期値の設定ステップと、前記目標
観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む観測ベク
トルの入力ステップと、現時刻が切り替えを行う時刻の
場合、1時刻前における平滑ベクトルを用いて、擬似平
滑値を算出し、現時刻が切り替えを行う時刻でない場
合、1時刻前における後記平滑ベクトルをそのまま出力
とする切り替え直前の擬似平滑値の算出ステップと、前
時刻の後記平滑ベクトルから予測ベクトルを算出する予
測ベクトルの算出ステップと、駆動雑音共分散行列を設
定する駆動雑音共分散行列の設定ステップと、前時刻の
後記平滑誤差共分散行列と前記駆動雑音共分散行列とか
ら予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分散行列の
算出ステップと、ドップラシフトを考慮した観測モデル
により構成されたフィルタに切り替わる時刻以後は、前
記予測値を用いて、観測行列を算出し、切り替わる以前
は、ドップラシフトを考慮しない観測行列を出力する観
測行列算出ステップと、前記予測ベクトルと、前記観測
行列を用いて、ゲート判定に用いる予測観測ベクトルを
算出するゲート用予測観測ベクトルの算出ステップと、
前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基
づいて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行
列の設定ステップと、前記予測誤差共分散行列、前記観
測雑音共分散行列、及び前記観測行列とを用いて残差共
分散行列を算出する残差共分散行列の算出ステップと、
前記予測観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残
差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
用いて、前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであ
るか否かのゲート判定を行うゲート判定ステップと、1
時刻前における後記平滑ベクトルと、前記観測行列を用
いて、後記平滑ベクトルの算出に用いる予測観測ベクト
ルを算出する平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算
出ステップと、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分
散行列、及び前記観測行列とを用いて、フィルタゲイン
行列を算出するゲイン行列の算出ステップと、ゲート判
定で追尾目標の探知データと判定された前記観測ベクト
ル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクトル、及び前
記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出する平滑ベ
クトルの算出ステップと、前記予測誤差共分散行列、前
記観測雑音共分散行列、及び前記観測行列とを用いて、
平滑誤差共分散行列を算出する平滑誤差共分散行列の算
出ステップと、追尾処理終了か否かを判定して、追尾処
理を続行する場合には、前記観測ベクトルの入力ステッ
プに戻る追尾終了判定ステップと、を備えたことを特徴
とする目標追尾方法にある。
【0071】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾方法であって、後記平滑ベクトルと後記平滑誤差共
分散行列の初期値を設定する初期値の設定ステップと、
前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
観測ベクトルの入力ステップと、前時刻の後記平滑ベク
トルから予測ベクトルを算出する予測ベクトルの算出ス
テップと、駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分
散行列の設定ステップと、前時刻の後記平滑誤差共分散
行列と前記駆動雑音共分散行列とから予測誤差共分散行
列を算出する予測誤差共分散行列の算出ステップと、フ
ィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラシフト
を考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切り
替わる時刻より後は、後記予測値を用いて、ドップラシ
フトを考慮した観測行列を算出し、ゲート用予測観測ベ
クトル算出ステップ、残差共分散行列算出ステップ、平
滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出ステップ、平滑
誤差共分散行列算出ステップ、ゲイン行列算出ステッ
プ、に出力し、切り替わる時刻より前は、ドップラシフ
トを考慮しない観測モデルを算出し、ゲート用予測観測
ベクトル算出ステップ、残差共分散行列算出ステップ、
平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出ステップ、平
滑誤差共分散行列算出ステップ、ゲイン行列算出ステッ
プ、に出力し、さらに、切り替わる時刻には、ゲート用
予測観測ベクトル算出ステップ、残差共分散行列算出ス
テップ、にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算
出及び出力し、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算
出ステップ、平滑誤差共分散行列算出ステップ、ゲイン
行列算出ステップに、ドップラシフトを考慮した観測行
列を算出及び出力する観測行列算出ステップと、前記予
測ベクトルと、前記観測行列を用いて、ゲート判定に用
いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測観測ベク
トルの算出ステップと、前記観測ベクトルの精度評価に
関連したパラメータに基づいて観測雑音共分散行列を設
定する観測雑音共分散行列の設定ステップと、前記予測
誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及び前記観
測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残差共分散
行列の算出ステップと、前記予測観測ベクトルと前記観
測ベクトルとを用いて残差ベクトルを算出するととも
に、前記残差共分散行列を用いて、前記観測ベクトルが
追尾目標の探知データであるか否かのゲート判定を行う
ゲート判定ステップと、前記予測ベクトルと、前記観測
行列を用いて、後記平滑ベクトルの算出に用いる予測観
測ベクトルを算出する平滑ベクトル算出用予測観測ベク
トルの算出ステップと、前記予測誤差共分散行列、前記
残差共分散行列、及び前記観測行列とを用いて、フィル
タゲイン行列を算出するゲイン行列の算出ステップと、
ゲート判定で追尾目標の探知データと判定された前記観
測ベクトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクト
ル、及び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出
する平滑ベクトルの算出ステップと、前記予測誤差共分
散行列、前記観測雑音共分散行列、及び前記観測行列と
を用いて、平滑誤差共分散行列を算出する平滑誤差共分
散行列の算出ステップと、追尾処理終了か否かを判定し
て、追尾処理を続行する場合には、前記観測ベクトルの
入力ステップに戻る追尾終了判定ステップと、を備えた
ことを特徴とする目標追尾方法にある。
【0072】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾方法であって、後記平滑ベクトルと後記平滑誤差共
分散行列の初期値を設定する初期値の設定ステップと、
前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
観測ベクトルの入力ステップと、前時刻の後記平滑ベク
トルから予測ベクトルを算出する予測ベクトルの算出ス
テップと、駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分
散行列の設定ステップと、前時刻の後記平滑誤差共分散
行列と前記駆動雑音共分散行列とから予測誤差共分散行
列を算出する予測誤差共分散行列の算出ステップと、フ
ィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラシフト
を考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切り
替わる時刻より後は、前記予測値を用いて、ドップラシ
フトを考慮した観測行列を算出し、後記ゲート用予測観
測ベクトル算出ステップ、後記残差共分散行列算出ステ
ップ、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出ス
テップ、後記平滑誤差共分散行列算出ステップ、後記ゲ
イン行列算出ステップ、に出力し、切り替わる時刻より
前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出ステップ、後記
残差共分散行列算出ステップ、後記平滑ベクトル算出用
予測観測ベクトル算出ステップ、後記平滑ベクトル算出
用予測観測ベクトル算出ステップ、後記平滑誤差共分散
行列算出ステップ、後記ゲイン行列算出ステップ、に出
力し、切り替わる時刻には、後記ゲート用予測観測ベク
トル算出ステップ、後記残差共分散行列算出ステップ、
にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出及び出
力し、後記ゲイン行列算出ステップ、にドップラシフト
を考慮した観測行列を算出及び出力する観測行列算出ス
テップと、前記予測ベクトルと、前記観測行列を用い
て、ゲート判定に用いる予測観測ベクトルを算出するゲ
ート用予測観測ベクトルの算出ステップと、前記観測ベ
クトルの精度評価に関連したパラメータに基づいて観測
雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列の設定ス
テップと、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分
散行列、及び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を
算出する残差共分散行列の算出ステップと、前記予測観
測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残差ベクトル
を算出するとともに、前記残差共分散行列を用いて、前
記観測ベクトルが追尾目標の探知データであるか否かの
ゲート判定を行うゲート判定ステップと、ドップラシフ
トを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切
り替わる時刻より前及び後は、前記予測ベクトル及び前
記観測行列より、後記平滑ベクトル算出ステップで用い
る予測観測ベクトルを算出し、ドップラシフトを考慮し
た観測モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時
刻では、前記予測ベクトルより、後記平滑ベクトル算出
ステップで用いる予測観測ベクトルを算出する平滑ベク
トル算出用予測観測ベクトルの算出ステップと、前記予
測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前記観測
行列とを用いて、フィルタゲイン行列を算出するゲイン
行列の算出ステップと、ゲート判定で追尾目標の探知デ
ータと判定された前記観測ベクトル、前記予測ベクト
ル、前記予測観測ベクトル、及び前記ゲイン行列を用い
て、平滑ベクトルを算出する平滑ベクトルの算出ステッ
プと、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行
列、及び前記観測行列とを用いて、平滑誤差共分散行列
を算出する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、追尾
処理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場合に
は、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終了判
定ステップと、を備えたことを特徴とする目標追尾方法
にある。
【0073】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾方法であって、後記平滑ベクトルと後記平滑誤差共
分散行列の初期値を設定する初期値の設定ステップと、
前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
観測ベクトルの入力ステップと、前時刻の平滑ベクトル
から予測ベクトルを算出する予測ベクトルの算出ステッ
プと、駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行
列の設定ステップと、前時刻の平滑誤差共分散行列と前
記駆動雑音共分散行列とから予測誤差共分散行列を算出
する予測誤差共分散行列の算出ステップと、フィルタの
切り替え時刻を入力とし、フィルタに用いる観測モデル
に設定するドップラシフト時定数を算出するフィルタ用
ドップラシフト時定数の算出ステップと、フィルタの切
り替え時刻情報を入力とし、ドップラシフトを考慮した
観測モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時刻
以後は、前記予測値を用いて、観測行列を算出し、切り
替わる以前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデル
を出力する観測行列算出ステップと、前記予測ベクトル
及び前記観測行列から予測観測ベクトルを算出する予測
観測ベクトルの算出ステップと、前記観測ベクトルの精
度評価に関連したパラメータに基づいて観測雑音共分散
行列を設定する観測雑音共分散行列の設定ステップと、
前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残
差共分散行列の算出ステップと、前記予測観測ベクトル
と前記観測ベクトルとを用いて残差ベクトルを算出する
とともに、前記残差共分散行列を用いて、前記観測ベク
トルが追尾目標の探知データであるか否かのゲート判定
を行うゲート判定ステップと、前記予測誤差共分散行
列、前記残差共分散行列、及び前記観測行列とを用い
て、フィルタゲイン行列を算出するゲイン行列の算出ス
テップと、ゲート判定で追尾目標の探知データと判定さ
れた観測ベクトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベ
クトル、及び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを
算出する平滑ベクトルの算出ステップと、前記予測誤差
共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及び前記観測行
列とを用いて、前記平滑誤差共分散行列を算出する平滑
誤差共分散行列の算出ステップと、追尾処理終了か否か
を判定して、追尾処理を続行する場合には、前記観測ベ
クトルの入力ステップに戻る追尾終了判定ステップと、
を備えたことを特徴とする目標追尾方法にある。
【0074】
【発明の実施の形態】以下この発明を各実施の形態に従
って説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による目
標追尾装置を示すブロック構成図であり、図2はその処
理動作を示すフローチャートである。図1において、目
標追尾装置10aは、従来の技術を示す図2のブロック
構成図と同様に、予測観測ベクトル算出部101、予測
ベクトル算出部103、平滑ベクトル用メモリ105、
ゲート判定部107、平滑ベクトル算出部109、残差
共分散行列算出部111、ゲイン行列算出部113、観
測雑音共分散行列設定部115、予測誤差共分散行列算
出部117、駆動雑音共分散行列設定部119、平滑誤
差共分散行列算出部121、平滑誤差共分散行列用メモ
リ123、を備えている。また、目標追尾装置10a
は、上記構成要素に加えて、観測行列算出部125を備
えている。観測行列算出部125は、予測ベクトル算出
部103より算出された予測値を用いて、観測行列を算
出する。
【0075】図2において、観測行列算出ステップS5
aは、予測ベクトルを用いて、観測行列を算出するステ
ップである。但し、図5の各処理部、メモリ、及び図2
の処理ステップについて、従来の技術で説明した距離と
距離変化率を用いた二次元の状態ベクトルを用いず、北
基準直交座標系で定義した6次元の状態ベクトルを用い
るため、従来の技術とベクトル及び行列の次数が異な
る。
【0076】実施の形態1において、カルマンフィルタ
の理論で仮定される目標及びセンサの数式モデルについ
て説明する。カルマンフィルタの理論では、目標運動諸
元の推定を行うために、目標の運動モデルとセンサの観
測モデルを以下のように設定する。まず、目標の運動モ
デルを以下の数式(23)のように表す。
【0077】
【数18】
【0078】数式(23)において、(アンダーバー)x
(k)はサンプリング時刻(以下、単に「時刻」という)t
(k)における目標運動諸元の真値を表すn次元状態ベク
トル、Ф(k−1)はt(k−1)からt(k)への状態ベク
トルの推移を表すn行n列の推移行列である。また、
(アンダーバー)w(k)は時刻t(k)におけるn次元駆動
雑音ベクトルであり、平均(アンダーバー)0、共分散行
列Q(k)のn変量正規分布に従う白色雑音系列である。
時刻t(k)における目標運動諸元の真値(アンダーバー)
x(k)を、図20における北基準直交座標において定義
する。目標の基本的な運動を、等速運動すると仮定し、
北基準直交座標における数式(23)の運動モデルにおけ
る状態ベクトルと推移行列を、以下の数式(24)及び数
式(25)に示すように設定する。
【0079】
【数19】
【0080】数式(23)、数式(24)及び数式(25)に
おいて、駆動雑音ベクトル(アンダーバー)w(k)は、現
実の目標運動を等速直進に近似したことにともなう誤差
項を表す。次に、センサの観測モデルを以下の数式(2
6)のように表す。
【0081】
【数20】
【0082】数式(26)において、(アンダーバー)z
(k)は時刻t(k)におけるm次元観測ベクトル、H(k)
はm行n列の観測行列である。また、(アンダーバー)v
(k)は観測ベクトル(アンダーバー)z(k)に対応した時
刻t(k)のm次元観測ベクトルで、平均(アンダーバー)
0、共分散行列R(k)のm変数量正規分布にしたがう白
色雑音系列である。但し、観測雑音ベクトル(アンダー
バー)v(k)と駆動雑音ベクトル(アンダーバー)w(k)
は互いに独立であるとする。
【0083】センサにより、北基準直交標系における目
標の位置の観測結果が得られる場合、数式(26)の観測
モデルにおける観測行列を以下の通りに設定する。
【0084】
【数21】
【0085】
【数22】
【0086】上記、数式(27)に示されている観測行列
H(k)は、北基準直交座標系で距離方向に生じるドップ
ラシフトの影響を反映した観測値を記述するための行列
であり、観測値が距離方向にドップラシフトの影響分で
あるΔT(ドット)R(k)だけシフトすることを表してい
る。数式(27)に示されている観測行列H(k)は、北基
準直交座標系で与えられた状態ベクトル(アンダーバー)
x(k)を極座標系に変換した変数R(k)、E(k)、Az
(k)、(ドット)R(k)、(ドット)E(k)、(ドット)Az
(k)を用いて算出される。数式(31)及び数式(32)
は、北基準直交座標系から極座標への変換の式を表して
いる。数式(28)におけるΔTは、予め与えられる時定
数である。但し、実際には、真の目標の運動諸元である
状態ベクトル(アンダーバー)x(k)は未知であるため、
その予測値である(上下バー)x(k)を用いて観測行列を
算出する。
【0087】以下、図2を参照しながら、図1に示した
この発明の実施の形態1による処理動作について詳細に
説明する。まず、平滑ベクトル用メモリ105と平滑誤
差共分散行列用メモリ123とに、それぞれ、平滑ベク
トルの初期値(アンダーバー・ハット)x(0)と平滑誤差
共分散行列の初期値P(0)とを設定し、追尾処理を開始
する(初期値の設定ステップS1)。ここで、状態ベクト
ル(アンダーバー)x(k)は、北基準直交座標系で定義さ
れる、数式(33)の6次元ベクトルである。
【0088】
【数23】
【0089】また、平滑誤差共分散行列は6行6列の行
列である。以降、k=1,2,・・・の各時刻毎の処理を実行
する。時刻t(k)の処理において、目標観測装置20か
ら観測ベクトル(アンダーバー)z(k)が入力される(観
測ベクトルの入力ステップS2)と、予測ベクトル算出
部103は、平滑ベクトル用メモリ105から前時刻t
(k−1)の平滑ベクトル(アンダーバー・ハット)x(k
−1)を読み出し、以下の数式(34)にしたがって予測
ベクトルを算出する(予測ベクトルの算出ステップS
3)。
【0090】
【数24】
【0091】ここで、観測ベクトル(アンダーバー)z
(k)は、ドップラシフトの影響を受けた、北基準直交座
標系で得られる3次元ベクトルである。状態推移行列
は、数式(35)の行列で与えられる。
【0092】
【数25】
【0093】次に、駆動雑音共分散行列設定部119
は、駆動雑音共分散行列Q(k−1)を設定する(駆動雑
音共分散行列の設定ステップS4)。通常、この駆動雑
音共分散行列の値は、目標追尾装置10aの運用上で想
定される最大の目標機動能力を考慮して、サンプリング
間隔t(k)−t(k−1)の大きさに応じて決定される。
次に、予測誤差共分散行列算出部117は、平滑誤差共
分散行列用メモリ123から、前時刻t(k−1)の平滑
誤差共分散行列P(k−1)を読み出し、上記駆動雑音共
分散行列Q(k−1)を用いて、以下の数式(36)に従い
予測誤差共分散行列を算出する(予測誤差共分散行列の
算出ステップS5)。
【0094】
【数26】
【0095】次に、観測行列算出部125は、予測ベク
トル算出部103から出力された予測ベクトル(上下バ
ー)x(k)から、観測行列を算出する(観測行列の算出ス
テップS5a)。
【0096】
【数27】
【0097】
【数28】
【0098】上記、数式(37)に示されている観測行列
H(k)は、北基準直交座標系で距離方向に生じるドップ
ラシフトの影響を反映した観測値を記述するための行列
であり、観測値が距離方向にドップラシフトの影響分で
あるΔT(ドット)R(k)だけシフトすることを表してい
る。数式(37)に示されている観測行列H(k)は、北基
準直交座標系で与えられた予測ベクトル(上下バー)x
(k)を極座標系に変換した変数(バー)R(k)、(バー)E
(k)、(バー)Az(k)、(バー・ドット)R(k)、(バー
・ドット)E(k)、(バー・ドット)Az(k)を用いて算
出される。数式(41)及び数式(42)は、北基準直交座
標系から極座標への変換の式を表している。数式(38)
におけるΔTは、予め与えられる時定数である。
【0099】予測観測ベクトル算出部101は、予測ベ
クトル算出部103から入力された予測ベクトル(上下
バー)x(k)と観測行列算出部125から入力された観
測行列を用いて、以下の数式(43)により予測観測ベク
トル(上下バー)z(k)を算出する(予測観測ベクトルの
算出ステップS6)。
【0100】
【数29】
【0101】さらに、観測雑音共分散行列設定部115
は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)の観測雑音共分散行列R(k)を設定
し、残差共分散行列算出部111及び平滑誤差共分散行
列算出部121に送出する(観測雑音共分散行列の設定
ステップS7)。なお、観測雑音共分散行列設定部11
5は、観測ベクトル(アンダーバー)z(k)の精度評価に
関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列R(k)
を設定する。例えば、目標観測装置20が北基準直交座
標系におけるx,y,z軸方向について目標を探知する
レーダの場合、レーダの角軸の観測精度の情報に基づい
て観測雑音共分散行列R(k)を設定することができる。
ここで、上記観測精度は、レーダが時刻t(k)に検出し
た目標信号の強度(または信号対雑音比)に基づいて推定
することができる。
【0102】次に残差共分散行列算出部111は、観測
雑音共分散行列R(k)、予測誤差共分散行列(バー)P
(k)、観測行列H(k)とを読み込み、以下の数式(44)
にしたがって残差共分散行列S(k)を算出し、ゲート判
定部107およびゲイン行列算出部113に伝送する
(残差共分散行列の算出ステップS8)。
【0103】
【数30】
【0104】ゲート判定部107は、予測観測ベクトル
算出部101から入力された予測観測ベクトル(上下バ
ー)z(k)を用いて、以下の数式(45)により観測ベク
トル(アンダーバー)z(k)に対する残差ベクトルを算出
した後、残差共分散行列S(k)を読み込み、以下の数式
(46)によりゲート判定処理を実行する(ゲート判定ス
テップS9)。
【0105】
【数31】
【0106】ただし、数式(46)において、dはパラメ
ータである。なお、ゲート判定部107により用いられ
るゲートは、予測観測ベクトル(上下バー)z(k)を中心
として空間範囲であって、追尾目標からの観測ベクトル
を所望の確率で捕捉可能な空間範囲である。上記のゲー
トの大きさや形状は、予測ベクトル誤差の評価値である
予測誤差共分散行列(バー)P(k)、観測誤差の評価値で
ある観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列算出部1
25で算出される観測行列H(k)から計算される上記数
式(44)の残差共分散行列S(k)によって決定される。
上記数式(46)は、上記ゲート内に目標観測装置20か
らの観測ベクトルが存在するか否かを判定する基準条件
である。たとえば、ゲート判定部107は、残差ベクト
ル(アンダーバー)r(k)が数式(46)を満たす場合、目
標観測装置20から入力された観測ベクトル(アンダー
バー)z(k)が追尾目標の探知結果であることを判定
し、追尾目標からのであると判定された観測べクトル
(アンダーバー)z(k)を平滑ベクトル算出部109に送
出する。一方、目標観測装置20から数式(46)を満た
す観測ベクトルが得られなかった場合、ゲート判定部1
07は、追尾目標の観測ベクトルは探知されなかったも
のと見なし、平滑ベクトル算出部109への観測ベクト
ルの送出を実行しない。
【0107】次に、ゲイン行列算出部113は、予測誤
差共分散行列(バー)P(k)、残差共分散行列S(k)、お
よび観測行列H(k)を読み込み、以下の数式(47)にし
たがって、フィルタゲインを算出する(ゲイン行列の算
出ステップS10)。
【0108】
【数32】
【0109】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力された場合に、予測ベクトル(上下バー)x(k)、
予測観測ベクトル(上下バー)z(k)、及びゲイン行列K
(k)とを読み込み、以下の数式(48)にしたがって平滑
ベクトルを算出する。
【0110】
【数33】
【0111】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力されなかった場合は、以下の数式(49)に示すよ
うに、予測ベクトル(上下バー)x(k)を平滑ベクトルと
する(平滑ベクトルの算出ステップS11)。
【0112】
【数34】
【0113】上記数式(48)または数式(49)により、
平滑ベクトル算出部109で算出された平滑ベクトル
(アンダーバー・ハット)x(k)は、平滑ベクトル用メモ
リ105に格納されるとともに、航跡表示装置30に伝
送され、運用者に対して表示される。
【0114】一方、平滑誤差共分散行列算出部121
は、ゲート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得
られたと判定された場合には、予測誤差共分散行列(バ
ー)P(k)、観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列
H(k)を用いて、以下の数式(50)により平滑誤差共分
散行列を算出し、ゲート判定部107で追尾目標の観測
ベクトルが得られなかったと判定された場合には、以下
の数式(51)に示すように、予測誤差共分散行列(バー)
P(k)を平滑誤差共分散行列とする(平滑誤差共分散行
列の算出ステップS12)。
【0115】
【数35】
【0116】数式(50)及び数式(51)に従う平滑誤差
共分散行列の算出結果は、平滑誤差共分散行列用メモリ
123に格納される。
【0117】以上で時刻t(k)における処理が終了す
る。以降、追尾終了が判定されるまで、上記一連の処理
ステップを繰り返し実行する(追尾終了ステップS1
3)。
【0118】このように、カルマンフィルタを用い、北
基準直交座標系でドップラシフト項を観測モデルに記述
した実施の形態1の目標追尾装置10aは、事前に仮定
された等距離直線運動モデルを用い、追尾航跡を算出す
る。図3に実施の形態1を用いた平滑ベクトルの位置成
分(平滑値)、予測観測ベクトル(ゲート中心)、および観
測ベクトル(観測値)の時間推移を示す。図の実線は、状
態ベクトルの位置成分の真の軌跡を表し、点線は、ドッ
プラシフトの影響を受けた観測ベクトルの真値を示す。
図のように、予測観測ベクトルは、ドップラシフトを考
慮した観測行列を用いることにより、予測ベクトルをド
ップラシフト分だけシフトした値となり、ドップラシフ
トの影響を受けた観測値の近くに算出される。平滑ベク
トルの距離成分は状態ベクトル真の軌跡付近に算出され
る。
【0119】このように、ドップラシフト補正を考慮し
たフィルタを北基準直交座標系で構成するために、従来
の技術で用いた極座標系の距離軸で表現した観測モデル
ではなく、北基準直交座標系における観測モデルを構成
することにより、ドップラシフト補正を北基準直交座標
系で行うことが可能となる。
【0120】実施の形態2.実施の形態1で示したよう
に、カルマンフィルタを用い、北基準直交座標系でドッ
プラシフト項を観測モデルに記述した目標追尾装置は、
事前に仮定された等速直線運動モデルを用い、追尾航跡
を算出する。しかし、上記実施の形態1のドップラシフ
トを考慮したフィルタを追尾開始時から用いると、速度
(ドット)x,(ドット)y,(ドット)zの推定値が揺らぐ
ため、これらの推定値を極座標表示することによって得
られる距離変化率成分の劣化が生じる。フィルタは、本
質的に、距離変化率の推定値を用いて、観測値に含まれ
ているドップラシフト分を補正し、距離推定値を算出す
る。よって、距離変化率推定精度の劣化が距離推定精度
の劣化につながる。上記の理由から、距離推定精度の劣
化を防ぐため、追尾初期は、ドップラシフトを考慮しな
いフィルタを用い、速度(ドット)x,(ドット)y,(ド
ット)z推定値より得られる距離変化率推定精度が安定
後、フィルタの切り替えを行うことが考えられる。図2
1に、位置平滑値、予測観測値、および観測値の、切り
替え前と切り替え後の推移に関する概念図が示されてい
る。ドップラシフトを考慮しないフィルタとは、観測行
列を、数式(37)の代わりに、以下の数式(52)を用い
て構成されたカルマンフィルタである。
【0121】
【数36】
【0122】この場合、ドップラシフト分の補正を行わ
ないため、ドップラシフト分の補正による、フィルタ開
始時の距離変化率精度劣化の距離精度に対する影響がな
い。ここで、問題となるのは、切り替え時のゲート中心
が観測値と離れた所に算出され、観測値がゲートに収ま
らない可能性があることである。図21に示すように、
まず、ドップラシフトの影響を受けた観測値を入力とし
てドップラシフトを考慮しないフィルタを用いると、フ
ィルタの平滑位置が目標の真の位置からずれて算出され
てしまう。次に、フィルタの切り替え直後にその平滑値
を用いて予測観測値を算出すると、ドップラシフト分だ
けずれた位置に予測観測値が算出されてしまい、結果的
に予測観測値と観測値の距離が長くなってしまう。距離
がながくなると、ゲート判定の際に、観測値をゲートに
捕捉できない危険性が生じる。この問題を解決するた
め、以後、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを用
いたフィルタからドップラシフト補正を考慮した観測モ
デルを用いたフィルタの切り替え時に、観測値とゲート
中心の距離が増大する問題を解決することを目的とす
る。
【0123】図4はこの発明の実施の形態2による目標
追尾装置を示すブロック構成図であり、また図5はその
処理動作を示すフローチャートである。上記図1、図2
と同様のものについては、詳述を省略する。また、図6
はこの発明の実施の形態2における効果を示す概念図で
ある。
【0124】図4において目標追尾装置10aは、実施
の形態1を示す図1と同様に、平滑ベクトル用メモリ1
05、予測ベクトル算出部103、ゲート判定部10
7、平滑ベクトル算出部109、残差共分散行列算出部
111、ゲイン行列算出部113、観測雑音共分散行列
設定部115、予測誤差共分散行列算出部117、駆動
雑音共分散行列設定部119、平滑誤差共分散行列算出
部121、平滑誤差共分散行列用メモリ123を備えて
いる。
【0125】また、目標追尾装置10aは、上記構成要
素に加えて、切り替え制御部127、観測行列算出部1
25a(実施の形態1の図1におけるそれと動作が異な
る)、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部13
1、ゲート用予測観測ベクトル算出部129、切り替え
直前の擬似平滑値算出部133を備えている。切り替え
制御部127は、ドップラシフトを考慮しない観測モデ
ルにより構成されたフィルタからドップラシフトを考慮
した観測モデルにより構成されたフィルタへの切り替え
タイミングを、観測行列算出部125aおよび切り替え
直前の擬似平滑値算出部133に出力する。
【0126】観測行列算出部125aは、切り替え制御
部127からのフィルタの切り替え時刻情報を入力と
し、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成さ
れたフィルタに切り替わる時刻以後は、予測ベクトル算
出部103より算出された予測値を用いて、ドップラシ
フトを考慮した観測行列を算出する。切り替わる時刻よ
り前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
する。平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部13
1は、平滑ベクトル用メモリ105からの1時刻前にお
ける平滑ベクトル及び観測行列算出部125aからの入
力である観測行列より、平滑ベクトル算出部109で用
いる予測観測ベクトルを算出する。
【0127】ゲート用予測観測ベクトル算出部129
は、予測ベクトル算出部103からの入力である予測ベ
クトル及び観測行列算出部125aからの入力である観
測行列を用いて、ゲート判定部107で用いる予測観測
ベクトルを算出する。
【0128】切り替え直前の擬似平滑値算出部133
は、切り替え制御部127よりフィルタの切り替え時刻
情報を得、現時刻が切り替えを行う時刻の場合、平滑ベ
クトル用メモリ105からの1時刻前における平滑ベク
トルを用いて、擬似平滑値を算出する。切り替えを行う
時刻でない場合、1時刻前の平滑値をそのまま出力す
る。
【0129】図5において、実施の形態1の処理動作を
示すフローチャートである図2と同様に、初期値の設定
ステップS1、観測ベクトルの入力ステップS2、予測
ベクトルの算出ステップS3、駆動雑音共分散行列の設
定ステップS4、予測誤差共分散行列の算出ステップS
5、観測雑音共分散行列の設定ステップS7、残差共分
散行列の算出ステップS8、ゲート判定ステップS9、
ゲイン行列の算出ステップS10、平滑ベクトルの算出
ステップS11、平滑誤差共分散行列の算出ステップS
12を備えている。
【0130】また、図5は上記処理ステップに加えて、
切り替え直前の擬似平滑値の算出ステップS2a、ゲー
ト用予測観測ベクトルの算出ステップ5b、平滑ベクト
ル算出用予測観測ベクトルの算出ステップ9a、観測行
列算出ステップ5aa(実施の形態1の処理動作を示す
図2のそれと処理が異なる)、が挿入されている。
【0131】図5において、切り替え直前の擬似平滑値
の算出ステップS2aは、切り替え制御部127よりフ
ィルタの切り替え時刻情報を得、現時刻が切り替えを行
う時刻の場合、平滑ベクトル用メモリ105からの1時
刻前における平滑ベクトルを用いて、擬似平滑値を算出
するステップである。現時刻が切り替えを行う時刻でな
い場合、平滑ベクトル用メモリ105からの1時刻前に
おける平滑ベクトルをそのまま出力とする。
【0132】ゲート用予測観測ベクトルの算出ステップ
S5bは、予測ベクトル算出部103で算出された予測
ベクトルと、観測行列算出部125aで算出された観測
行列を用いて、ゲート判定に用いる予測観測ベクトルを
算出するステップである。
【0133】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算
出ステップS9aは、平滑ベクトル用メモリ105から
の1時刻前における平滑ベクトルと、観測行列算出部1
25aで算出された観測行列を用いて、平滑ベクトルの
算出に用いる予測観測ベクトルを算出するステップであ
る。
【0134】観測行列算出ステップS5aaは、切り替
え制御部127からのフィルタの切り替え時刻情報を入
力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構
成されたフィルタに切り替わる時刻以後は、予測ベクト
ル算出部103より算出された予測値を用いて、観測行
列を算出し、切り替わる以前は、ドップラシフトを考慮
しない観測モデルを出力するステップである。
【0135】以下、図4、図5を参照しながら、実施の
形態2による処理動作について詳細に説明する。まず、
平滑ベクトル用メモリ105と平滑誤差共分散行列用メ
モリ123とに、それぞれ、平滑ベクトルの初期値(ア
ンダーバー・ハット)x(0)と平滑誤差共分散行列の初
期値P(0)とを設定し、追尾処理を開始する(初期値の
設定ステップS1)。ここで、状態ベクトル(アンダーバ
ー)x(k)は、北基準直交座標系で定義される、数式(5
3)の6次元ベクトルである。
【0136】
【数37】
【0137】また、平滑誤差共分散行列は6行6列の行
列である。以降、k=1,2,・・・の各時刻毎の処理を実行
する。時刻t(k)の処理において、目標観測装置20か
ら観測ベクトル(アンダーバー)z(k)が入力される(観
測ベクトルの入力ステップS2)。ここで、観測ベクト
ル(アンダーバー)z(k)は、ドップラシフトの影響を受
けた、北基準直交座標系で得られる3次元ベクトルであ
る。次に、切り替え直前の擬似平滑値の算出ステップ2
aでは、まず、平滑ベクトル用メモリ105から前時刻
t(k−1)の平滑ベクトル(アンダーバー・ハット)x
(k−1)を読み出す。次に、切り替え制御部127よ
り、フィルタの切り替え時刻情報を得、切り替え時刻よ
り前及び切り替え時刻より後の場合、数式(54)のよう
に、1時刻前の擬似平滑値(アンダーバー・ハット)x’
(k−1)に、1時刻前の平滑値を設定する。
【0138】
【数38】
【0139】現時刻が切り替え時刻の場合、以下の数式
(55)、数式(56)、数式(57)、数式(58)、数式
(59)に従い擬似平滑ベクトル(アンダーバー・ハット)
x’(k−1)を算出する。
【0140】
【数39】
【0141】
【数40】
【0142】ここで、数式(55)は、距離変化率につい
ての北基準直交座標系から極座標系への変換式であり、
数式(56)は、位置についての北基準直交座標系から、
極座標系への変換式であり、数式(58)は、極座標系か
ら北基準直交座標系への変換式である。数式(57)は、
ドップラシフトの影響を受けた平滑値の距離成分に対
し、ドップラシフト分を補正するための処理である。数
式(57)は、ドップラシフトの影響を受けた平滑値の距
離成分に対し、ドップラシフトを考慮しない観測モデル
で構成されたフィルタを用いることによる距離方向への
平滑誤差を補正することを意味する。
【0143】次に、以下の数式(60)にしたがって予測
ベクトルを算出する(予測ベクトルの算出ステップS
3)。
【0144】
【数41】
【0145】状態推移行列は、数式(61)の行列で与え
られる。
【0146】
【数42】
【0147】次に、駆動雑音共分散行列設定部119
は、駆動雑音共分散行列Q(k−1)を設定する(駆動雑
音共分散行列の設定ステップS4)。通常、この駆動雑
音共分散行列の値は、目標追尾装置10aの運用上で想
定される最大の目標機動能力を考慮して、サンプリング
間隔t(k)−t(k−1)の大きさに応じて決定される。
次に、予測誤差共分散行列算出部117は、平滑誤差共
分散行列用メモリ123から、前時刻t(k−1)の平滑
誤差共分散行列P(k−1)を読み出し、上記駆動雑音共
分散行列Q(k−1)を用いて、以下の数式(62)に従い
予測誤差共分散行列を算出する(予測誤差共分散行列の
算出ステップS5)。
【0148】
【数43】
【0149】次に、観測行列の算出ステップS5aaに
おいて、切り替え制御部127からフィルタの切り替え
時刻の情報を得、切り替え時刻より前については、観測
行列を以下の数式(64)として出力する。
【0150】
【数44】
【0151】ここで、I3x3は3行3列の単位行列、0
3x3は3行3列の零行列である。切り替え時刻以後にお
いて、観測行列算出部125aは、予測ベクトル算出部
103から出力された予測ベクトル(上下バー)xh(k)
から、観測行列を算出する(観測行列の算出ステップS
5aa)。
【0152】
【数45】
【0153】
【数46】
【0154】上記、数式(65)に示されている観測行列
H(k)は、北基準直交座標系で距離方向に生じるドップ
ラシフトの影響を反映した観測値を記述するための行列
であり、観測値が距離方向にドップラシフトの影響分で
あるΔT(ドット)R(k)だけシフトすることを表してい
る。数式(65)に示されている観測行列H(k)は、北基
準直交座標系で与えられた予測ベクトル(上下バー)x
h(k)を極座標系に変換した変数(バー)R(k)、(バー)
E(k)、(バー)Az(k)、(バー・ドット)R(k)、(バ
ー・ドット)E(k)、(バー・ドット)Az(k)を用いて
算出される。数式(69)及び数式(70)は、北基準直交
座標系から極座標への変換の式を表している。数式(6
6)におけるΔTは、予め与えられる時定数である。
【0155】ゲート用予測観測ベクトルの算出ステップ
5bでは、ゲート用予測観測ベクトル算出部129は、
予測ベクトル算出部103から入力された予測ベクトル
(上下バー)xh(k)と観測行列算出部125aから入力
された観測行列を用いて、以下の数式(71)により予測
観測ベクトル(上下バー)zg(k)を算出する(予測観測ベ
クトルの算出ステップS5b)。
【0156】
【数47】
【0157】さらに、観測雑音共分散行列設定部115
は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)の観測雑音共分散行列R(k)を設定
し、残差共分散行列算出部111及び平滑誤差共分散行
列算出部121に送出する(観測雑音共分散行列の設定
ステップS7)。なお、観測雑音共分散行列設定部11
5は、観測ベクトル(アンダーバー)z(k)の精度評価に
関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列R(k)
を設定する。例えば、目標観測装置20が北基準直交座
標系におけるx,y,z軸方向について目標を探知する
レーダの場合、レーダの角軸の観測精度の情報に基づい
て観測雑音共分散行列R(k)を設定することができる。
ここで、上記観測精度は、レーダが時刻t(k)に検出し
た目標信号の強度(または信号対雑音比)に基づいて推定
することができる。
【0158】次に残差共分散行列算出部111は、観測
雑音共分散行列R(k)、予測誤差共分散行列(バー)P
(k)、観測行列H(k)とを読み込み、以下の数式(72)
にしたがって残差共分散行列S(k)を算出し、ゲート判
定部107およびゲイン行列算出部113に伝送する
(残差共分散行列の算出ステップS8)。
【0159】
【数48】
【0160】ゲート判定部107は、予測観測ベクトル
算出部129から入力された予測観測ベクトル(上下バ
ー)zg(k)を用いて、以下の数式(73)により観測ベク
トル(アンダーバー)z(k)に対する残差ベクトルを算出
した後、残差共分散行列S(k)を読み込み、以下の数式
(74)によりゲート判定処理を実行する(ゲート判定ス
テップS9)。
【0161】
【数49】
【0162】ただし、数式(74)において、dはパラメ
ータである。なお、ゲート判定部107により用いられ
るゲートは、予測観測ベクトル(上下バー)zg(k)を中
心として空間範囲であって、追尾目標からの観測ベクト
ルを所望の確率で捕捉可能な空間範囲である。上記のゲ
ートの大きさや形状は、予測ベクトル誤差の評価値であ
る予測誤差共分散行列(バー)P(k)、観測誤差の評価値
である観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列算出部
125aで算出される観測行列H(k)から計算される上
記数式(72)の残差共分散行列S(k)によって決定され
る。上記数式(74)は、上記ゲート内に目標観測装置2
0からの観測ベクトルが存在するか否かを判定する基準
条件である。たとえば、ゲート判定部107は、残差ベ
クトル(アンダーバー)r(k)が数式(74)を満たす場
合、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)が追尾目標の探知結果であることを
判定し、追尾目標からのであると判定された観測べクト
ル(アンダーバー)z(k)を平滑ベクトル算出部109に
送出する。一方、目標観測装置20から数式(74)を満
たす観測ベクトルが得られなかった場合、ゲート判定部
107は、追尾目標の観測ベクトルは探知されなかった
ものと見なし、平滑ベクトル算出部109への観測ベク
トルの送出を実行しない。
【0163】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算
出ステップS9aでは、平滑ベクトル算出部109へ出
力する予測観測ベクトルを以下の数式(75)及び数式
(76)で算出する。
【0164】
【数50】
【0165】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル(上
下バー)zh(k)は、平滑ベクトル算出部109におい
て、観測値との差である残差を計算するために用いられ
る。
【0166】次に、ゲイン行列算出部113は、予測誤
差共分散行列(バー)P(k)、残差共分散行列S(k)、お
よび観測行列H(k)を読み込み、以下の数式(77)にし
たがって、フィルタゲインを算出する(ゲイン行列の算
出ステップS10)。
【0167】
【数51】
【0168】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力された場合に、予測ベクトル(上下バー)x
h(k)、予測観測ベクトル(上下バー)zh(k)、及びゲイ
ン行列K(k)とを読み込み、以下の数式(78)にしたが
って平滑ベクトルを算出する。
【0169】
【数52】
【0170】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力されなかった場合は、以下の数式(79)に示すよ
うに、予測ベクトル(上下バー)xh(k)を平滑ベクトル
とする(平滑ベクトルの算出ステップS11)。
【0171】
【数53】
【0172】上記数式(78)または数式(79)により、
平滑ベクトル算出部109で算出された平滑ベクトル
(アンダーバー・ハット)x(k)は、平滑ベクトル用メモ
リ105に格納されるとともに、航跡表示装置30に伝
送され、運用者に対して表示される。
【0173】一方、平滑誤差共分散行列算出部121
は、ゲート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得
られたと判定された場合には、予測誤差共分散行列(バ
ー)P(k)、観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列
H(k)を用いて、以下の数式(80)により平滑誤差共分
散行列を算出し、ゲート判定部107で追尾目標の観測
ベクトルが得られなかったと判定された場合には、以下
の数式(81)に示すように、予測誤差共分散行列(バー)
P(k)を平滑誤差共分散行列とする(平滑誤差共分散行
列の算出ステップS12)。
【0174】
【数54】
【0175】数式(80)及び数式(81)に従う平滑誤差
共分散行列の算出結果は、平滑誤差共分散行列用メモリ
123に格納される。
【0176】以上で時刻t(k)における処理が終了す
る。以降、追尾終了が判定されるまで、上記一連の処理
ステップを繰り返し実行する(追尾終了ステップS1
3)。
【0177】図6に、実施の形態2を用いた平滑ベクト
ルの位置成分(平滑値)、予測観測ベクトル(ゲート中
心)、および観測ベクトル(観測値)の時間推移を示す。
図の実線は、状態ベクトルの位置成分の真の軌跡を表
し、点線は、ドップラシフトの影響を受けた観測ベクト
ルの真値を示す。上記の処理ステップにより、図6のよ
うに、ドップラシフトを考慮しない観測モデルで構成さ
れたフィルタから、ドップラシフトを考慮した観測モデ
ルを考慮したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲートの
中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離が
離れてしまう問題を改善するため、切り替え時に、前時
刻の平滑ベクトルに対し、予めドップラ補正を施して擬
似平滑ベクトルを算出することにより、擬似平滑ベクト
ルを用いて算出したゲート用予測観測ベクトルと観測ベ
クトルとの距離が短くなる効果がある。さらに、平滑ベ
クトルを算出する際の予測観測ベクトルに、上記で算出
したゲート用予測観測ベクトルと異なり、ドップラシフ
トの影響を受けた予測ベクトルから算出した予測観測ベ
クトル値を用いることにより、残差ベクトルが大きくな
り、切り替え時における平滑ベクトルの過渡応答の収束
速度が速くなる効果がある。
【0178】なお、本実施の形態の考え方を用いれば、
ドップラシフトを考慮した観測モデルで構成されたフィ
ルタからドップラシフトを考慮しない観測モデルを用い
たフィルタへの切り替えに対する対応も可能であること
は明らかであるので、説明は省略する。
【0179】実施の形態3.図7はこの発明の実施の形
態3による目標追尾装置を示すブロック構成図であり、
また図8はその処理動作を示すフローチャートである。
上記図4、図5と同様のものについては、詳述を省略す
る。また、図9はこの発明の実施の形態3における効果
を示す概念図である。
【0180】図7において、目標追尾装置10aは、実
施の形態2を示すブロック構成図である図4と同様に、
平滑ベクトル用メモリ105、予測ベクトル算出部10
3、ゲート用予測観測ベクトル算出部129、ゲート判
定部107、平滑ベクトル算出部109、残差共分散行
列算出部111、ゲイン行列算出部113、切り替え制
御部127、観測雑音共分散行列設定部115、予測誤
差共分散行列算出部117、駆動雑音共分散行列設定部
119、平滑誤差共分散行列算出部121、平滑誤差共
分散行列用メモリ123を備えている。
【0181】また、目標追尾装置10aは、上記構成要
素に加えて、観測行列算出部125b(実施の形態2の
図4におけるそれと動作が異なる)、平滑ベクトル算出
用予測観測ベクトル算出部131a(実施の形態2の図
4におけるそれと動作が異なる)を備えている。
【0182】観測行列算出部125bは、切り替え制御
部127からのフィルタの切り替え時刻情報を入力と
し、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成さ
れたフィルタに切り替わる時刻より後は、予測ベクトル
算出部103より算出された予測値を用いて、ドップラ
シフトを考慮した観測行列を算出し、ゲート用予測観測
ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部111、
平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部131a、
平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出部1
13、に出力する。切り替わる時刻より前は、ドップラ
シフトを考慮しない観測モデルを算出し、ゲート用予測
観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部11
1、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部131
a、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出
部113に出力する。切り替わる時刻には、ゲート用予
測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部1
11にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出及
び出力し、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部
131a、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行
列算出部113にドップラシフトを考慮した観測行列を
算出及び出力する。平滑ベクトル算出用予測観測ベクト
ル算出部131aは、予測ベクトル算出部103からの
予測ベクトル及び観測行列算出部125bからの入力で
ある観測行列より、平滑ベクトル算出部109で用いる
予測観測ベクトルを算出する。
【0183】図8において、実施の形態2の処理動作を
示すフローチャートである図5と同様に、初期値の設定
ステップS1、観測ベクトルの入力ステップS2、予測
ベクトルの算出ステップS3、駆動雑音共分散行列の設
定ステップS4、予測誤差共分散行列の算出ステップS
5、ゲート用予測観測ベクトルの算出ステップS5b、
観測雑音共分散行列の設定ステップS7、残差共分散行
列の算出ステップS8、ゲート判定ステップS9、ゲイ
ン行列の算出ステップS10、平滑ベクトルの算出ステ
ップS11、平滑誤差共分散行列の算出ステップS1
2、を備えている。
【0184】また、図8は上記処理ステップに加えて、
平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算出ステップS
9aa(実施の形態2の処理動作を示す図5のそれと処
理が異なる)、観測行列算出ステップS5aaa(実施の
形態2の処理動作を示す図5のそれと処理が異なる)、
が挿入されている。
【0185】図8において、平滑ベクトル算出用予測観
測ベクトルの算出ステップS9aaは、予測ベクトル算
出部103からの予測ベクトルと、観測行列算出部12
5bで算出された観測行列を用いて、平滑ベクトルの算
出に用いる予測観測ベクトルを算出するステップであ
る。
【0186】観測行列算出ステップS5aaaは、切り
替え制御部127からのフィルタの切り替え時刻情報を
入力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより
構成されたフィルタに切り替わる時刻より後は、予測ベ
クトル算出部103より算出された予測値を用いて、ド
ップラシフトを考慮した観測行列を算出し、ゲート用予
測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部1
11、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部13
1a、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算
出部113、に出力する。切り替わる時刻より前は、ド
ップラシフトを考慮しない観測モデルを算出し、ゲート
用予測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出
部111、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部
131a、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行
列算出部113、に出力する。切り替わる時刻には、ゲ
ート用予測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列
算出部111、にドップラシフトを考慮しない観測モデ
ルを算出及び出力し、平滑ベクトル算出用予測観測ベク
トル算出部131a、平滑誤差共分散行列算出部12
1、ゲイン行列算出部113に、ドップラシフトを考慮
した観測行列を算出及び出力するステップである。
【0187】以下、図7および図8を参照しながら、実
施の形態3による処理動作について詳細に説明する。ま
ず、平滑ベクトル用メモリ105と平滑誤差共分散行列
用メモリ123とに、それぞれ、平滑ベクトルの初期値
(アンダーバー・ハット)x(0)と平滑誤差共分散行列の
初期値P(0)とを設定し、追尾処理を開始する(初期値
の設定ステップS1)。ここで、状態ベクトル(アンダー
バー)x(k)は、北基準直交座標系で定義される、数式
(82)の6次元ベクトルである。
【0188】
【数55】
【0189】また、平滑誤差共分散行列は6行6列の行
列である。以降、k=1,2,・・・の各時刻毎の処理を実行
する。時刻t(k)の処理において、目標観測装置20か
ら観測ベクトル(アンダーバー)z(k)が入力される(観
測ベクトルの入力ステップS2)。ここで、観測ベクト
ル(アンダーバー)z(k)は、ドップラシフトの影響を受
けた、北基準直交座標系で得られる3次元ベクトルであ
る。まず、予測ベクトルの算出ステップS3では、平滑
ベクトル用メモリ105から前時刻t(k−1)の平滑ベ
クトル(アンダーバー・ハット)x(k−1)を読み出し、
以下の数式(83)にしたがって予測ベクトルを算出する
(予測ベクトルの算出ステップS3)。
【0190】
【数56】
【0191】状態推移行列は、数式(84)の行列で与え
られる。
【0192】
【数57】
【0193】次に、駆動雑音共分散行列設定部119
は、駆動雑音共分散行列Q(k−1)を設定する(駆動雑
音共分散行列の設定ステップS4)。通常、この駆動雑
音共分散行列の値は、目標追尾装置10aの運用上で想
定される最大の目標機動能力を考慮して、サンプリング
間隔t(k)−t(k−1)の大きさに応じて決定される。
次に、予測誤差共分散行列算出部117は、平滑誤差共
分散行列用メモリ123から、前時刻t(k−1)の平滑
誤差共分散行列P(k−1)を読み出し、上記駆動雑音共
分散行列Q(k−1)を用いて、以下の数式(85)に従い
予測誤差共分散行列を算出する(予測誤差共分散行列の
算出ステップS5)。
【0194】
【数58】
【0195】次に、観測行列の算出ステップS5aaa
において、切り替え制御部127からフィルタの切り替
え時刻の情報を得、切り替え時刻より前については、観
測行列を以下の数式(86)として、ゲート用予測観測ベ
クトル算出部129、残差共分散行列算出部111、平
滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部131a、平
滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出部11
3へ出力する。
【0196】
【数59】
【0197】ここで、I3x3は3行3列の単位行列、0
3x3は3行3列の零行列である。切り替え時刻より後に
おいては、観測雑音行列算出部は、予測ベクトル算出部
103から出力された予測ベクトル(上下バー)xh(k)
から、以下の数式(87)、数式(88)、数式(89)、数
式(90)、数式(91)、数式(92)により観測行列を算
出し、ゲート用予測観測ベクトル算出部129、残差共
分散行列算出部111、平滑ベクトル算出用予測観測ベ
クトル算出部131a、平滑誤差共分散行列算出部12
1、ゲイン行列算出部113へ出力する。
【0198】
【数60】
【0199】
【数61】
【0200】上記、数式(87)に示されている観測行列
H(k)は、北基準直交座標系で距離方向に生じるドップ
ラシフトの影響を反映した観測値を記述するための行列
であり、観測値が距離方向にドップラシフトの影響分で
あるΔT(ドット)R(k)だけシフトすることを表してい
る。数式(87)に示されている観測行列H(k)は、北基
準直交座標系で与えられた予測ベクトル(上下バー)x
h(k)を極座標系に変換した変数(バー)R(k)、(バー)
E(k)、(バー)Az(k)、(バー・ドット)R(k)、(バ
ー・ドット)E(k)、(バー・ドット)Az(k)を用いて
算出される。数式(91)及び数式(92)は、北基準直交
座標系から極座標への変換の式を表している。数式(8
8)におけるΔTは、予め与えられる時定数である。
【0201】切り替え時刻の場合、観測行列算出部12
5bは、観測行列を数式(86)として、ゲート用予測観
測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部111
へ出力し、予測ベクトル算出部103から出力された予
測ベクトル(上下バー)xh(k)から、数式(87)、数式
(88)、数式(89)、数式(90)、数式(91)、数式
(92)により観測行列を算出し、平滑ベクトル算出用予
測観測ベクトル算出部131a、平滑誤差共分散行列算
出部121、ゲイン行列算出部113へ出力する。
【0202】ゲート用予測観測ベクトルの算出ステップ
5bでは、ゲート用予測観測ベクトル算出部129は、
予測ベクトル算出部103から入力された予測ベクトル
(上下バー)xh(k)と観測行列算出部125bから入力
された観測行列を用いて、以下の数式(93)により予測
観測ベクトル(上下バー)zg(k)を算出する(予測観測ベ
クトルの算出ステップ5b)。
【0203】
【数62】
【0204】さらに、観測雑音共分散行列設定部115
は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)の観測雑音共分散行列R(k)を設定
し、残差共分散行列算出部111及び平滑誤差共分散行
列算出部121に送出する(観測雑音共分散行列の設定
ステップS7)。なお、観測雑音共分散行列設定部11
5は、観測ベクトル(アンダーバー)z(k)の精度評価に
関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列R(k)
を設定する。例えば、目標観測装置20が北基準直交座
標系におけるx,y,z軸方向について目標を探知する
レーダの場合、レーダの角軸の観測精度の情報に基づい
て観測雑音共分散行列R(k)を設定することができる。
ここで、上記観測精度は、レーダが時刻t(k)に検出し
た目標信号の強度(または信号対雑音比)に基づいて推定
することができる。
【0205】次に残差共分散行列算出部111は、観測
雑音共分散行列R(k)、予測誤差共分散行列(バー)P
(k)、観測行列H(k)とを読み込み、以下の数式(94)
にしたがって残差共分散行列S(k)を算出し、ゲート判
定部107およびゲイン行列算出部113に伝送する
(残差共分散行列の算出ステップS8)。
【0206】
【数63】
【0207】ゲート判定部107は、予測観測ベクトル
算出部129から入力された予測観測ベクトル(上下バ
ー)z(k)を用いて、以下の数式(95)により観測ベク
トル(アンダーバー)z(k)に対する残差ベクトルを算出
した後、残差共分散行列S(k)を読み込み、以下の数式
(96)によりゲート判定処理を実行する(ゲート判定ス
テップS9)。
【0208】
【数64】
【0209】ただし、数式(96)において、dはパラメ
ータである。なお、ゲート判定部107により用いられ
るゲートは、予測観測ベクトル(上下バー)zg(k)を中
心として空間範囲であって、追尾目標からの観測ベクト
ルを所望の確率で捕捉可能な空間範囲である。上記のゲ
ートの大きさや形状は、予測ベクトル誤差の評価値であ
る予測誤差共分散行列(バー)P(k)、観測誤差の評価値
である観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列算出部
125bで算出される観測行列H(k)から計算される上
記数式(94)の残差共分散行列S(k)によって決定され
る。上記数式(96)は、上記ゲート内に目標観測装置2
0からの観測ベクトルが存在するか否かを判定する基準
条件である。たとえば、ゲート判定部107は、残差ベ
クトル(アンダーバー)r(k)が数式(96)を満たす場
合、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)が追尾目標の探知結果であることを
判定し、追尾目標からのであると判定された観測べクト
ル(アンダーバー)z(k)を平滑ベクトル算出部109に
送出する。一方、目標観測装置20から数式(96)を満
たす観測ベクトルが得られなかった場合、ゲート判定部
107は、追尾目標の観測ベクトルは探知されなかった
ものと見なし、平滑ベクトル算出部109への観測ベク
トルの送出を実行しない。
【0210】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算
出ステップS9aaでは、平滑ベクトル算出部109へ
出力する予測観測ベクトルを以下の数式(97)で算出す
る。
【0211】
【数65】
【0212】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル(上
下バー)zh(k)は、平滑ベクトル算出部109におい
て、観測値との差である残差を計算するために用いられ
る。
【0213】次に、ゲイン行列算出部113は、予測誤
差共分散行列(バー)P(k)、残差共分散行列S(k)、お
よび観測行列H(k)を読み込み、以下の数式(98)にし
たがって、フィルタゲインを算出する(ゲイン行列の算
出ステップS10)。
【0214】
【数66】
【0215】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力された場合に、予測ベクトル(上下バー)x
h(k)、予測観測ベクトル(上下バー)zh(k)、及びゲイ
ン行列K(k)とを読み込み、以下の数式(99)にしたが
って平滑ベクトルを算出する。
【0216】
【数67】
【0217】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力されなかった場合は、以下の数式(100)に示す
ように、予測ベクトル(上下バー)xh(k)を平滑ベクト
ルとする(平滑ベクトルの算出ステップS11)。
【0218】
【数68】
【0219】上記数式(99)または数式(100)によ
り、平滑ベクトル算出部109で算出された平滑ベクト
ル(アンダーバー・ハット)x(k)は、平滑ベクトル用メ
モリ105に格納されるとともに、航跡表示装置30に
伝送され、運用者に対して表示される。
【0220】一方、平滑誤差共分散行列算出部121
は、ゲート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得
られたと判定された場合には、予測誤差共分散行列(バ
ー)P(k)、観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列
H(k)を用いて、以下の数式(101)により平滑誤差共
分散行列を算出し、ゲート判定部107で追尾目標の観
測ベクトルが得られなかったと判定された場合には、以
下の数式(102)に示すように、予測誤差共分散行列
(バー)P(k)を平滑誤差共分散行列とする(平滑誤差共
分散行列の算出ステップS12)。
【0221】
【数69】
【0222】数式(101)及び数式(102)に従う平滑
誤差共分散行列の算出結果は、平滑誤差共分散行列用メ
モリ123に格納される。
【0223】以上で時刻t(k)における処理が終了す
る。以降、追尾終了が判定されるまで、上記一連の処理
ステップを繰り返し実行する(追尾終了ステップS1
3)。
【0224】図9に実施の形態3を用いた平滑ベクトル
の位置成分(平滑値)、予測観測ベクトル(ゲート中心)、
および観測ベクトル(観測値)の時間推移を示す。図の実
線は、状態ベクトルの位置成分の真の軌跡を表し、点線
は、ドップラシフトの影響を受けた観測ベクトルの真値
を示す。上記の処理ステップにより、図9のように、ド
ップラシフトを考慮しない観測モデルで構成されたフィ
ルタから、ドップラシフトを考慮した観測モデルを考慮
したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲートの中心であ
る予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離が離れてし
まう問題を改善するため、切り替え時に、ゲート用予測
観測ベクトルの算出においてドップラシフトを考慮しな
い観測モデルを用いることにより、ゲート用予測観測ベ
クトルと観測ベクトルとの距離が短くなる効果がある。
さらに、平滑ベクトルを算出する際の予測観測ベクトル
に、上記で算出したゲート用予測観測ベクトルと異な
り、ドップラシフトを考慮した観測モデルを用いること
により、残差ベクトルが大きくなり、切り替え時におけ
る平滑ベクトルの過渡応答の収束速度が速くなる効果が
ある。
【0225】なお、本実施の形態の考え方を用いれば、
ドップラシフトを考慮した観測モデルで構成されたフィ
ルタからドップラシフトを考慮しない観測モデルを用い
たフィルタへの切り替えに対する対応も可能であること
は明らかであるので、説明は省略する。
【0226】実施の形態4.図10はこの発明の実施の
形態4による目標追尾装置を示すブロック構成図であ
り、また図11はその処理動作を示すフローチャートで
ある。上記図7、図8と同様のものについては、詳述を
省略する。また、図12はこの発明の実施の形態3にお
ける効果を示す概念図である。
【0227】図10において、目標追尾装置10aは実
施の形態3を示すブロック構成図である図7と同様に、
平滑ベクトル用メモリ105、予測ベクトル算出部10
3、ゲート用予測観測ベクトル算出部129、ゲート判
定部107、平滑ベクトル算出部109、残差共分散行
列算出部111、ゲイン行列算出部113、切り替え制
御部127、観測雑音共分散行列設定部115、予測誤
差共分散行列算出部117、駆動雑音共分散行列設定部
119、平滑誤差共分散行列算出部121、平滑誤差共
分散行列用メモリ123、を備えている。
【0228】また目標追尾装置10aは、上記構成要素
に加えて観測行列算出部125c(実施の形態3の図7
におけるそれと動作が異なる)、平滑ベクトル算出用予
測観測ベクトル算出部131b(実施の形態3の図7に
おけるそれと動作が異なる)、を備えている。
【0229】観測行列算出部125cは、切り替え制御
部127からのフィルタの切り替え時刻情報を入力と
し、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成さ
れたフィルタに切り替わる時刻より後は、予測ベクトル
算出部103より算出された予測値を用いて、ドップラ
シフトを考慮した観測行列を算出し、ゲート用予測観測
ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部111、
平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部131b、
平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出部1
13、に出力する。切り替わる時刻より前は、ドップラ
シフトを考慮しない観測モデルを算出し、ゲート用予測
観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部11
1、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部131
b、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出
部113、に出力する。切り替わる時刻には、ゲート用
予測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部
111、にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算
出及び出力し、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイ
ン行列算出部113、にドップラシフトを考慮した観測
行列を算出及び出力する。
【0230】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出
部131bは、ドップラシフトを考慮した観測モデルに
より構成されたフィルタに切り替わる時刻より前及び後
は、予測ベクトル算出部103からの予測ベクトル及び
観測行列算出部125cからの入力である観測行列よ
り、平滑ベクトル算出部109で用いる予測観測ベクト
ルを算出する。ドップラシフトを考慮した観測モデルに
より構成されたフィルタに切り替わる時刻では、予測ベ
クトル算出部103からの予測ベクトルより、平滑ベク
トル算出部109で用いる予測観測ベクトルを算出す
る。
【0231】図11において、実施の形態3の処理動作
を示すフローチャートである図8と同様に、初期値の設
定ステップS1、観測ベクトルの入力ステップS2、予
測ベクトルの算出ステップS3、駆動雑音共分散行列の
設定ステップS4、予測誤差共分散行列の算出ステップ
S5、ゲート用予測観測ベクトルの算出ステップ5b、
観測雑音共分散行列の設定ステップS7、残差共分散行
列の算出ステップS8、ゲート判定ステップS9、ゲイ
ン行列の算出ステップS10、平滑ベクトルの算出ステ
ップS11、平滑誤差共分散行列の算出ステップS1
2、を備えている。
【0232】また、図11は上記処理ステップに加え
て、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算出ステッ
プQ9aaa(実施の形態3の処理動作を示す図8のそ
れと処理が異なる)、観測行列算出ステップS5aaa
a(実施の形態3の処理動作を示す図 14のそれと処理が
異なる)、が挿入されている。図 17において、平滑ベク
トル算出用予測観測ベクトルの算出ステップは、ドップ
ラシフトを考慮した観測モデルにより構成されたフィル
タに切り替わる時刻より前及び後は、予測ベクトル算出
部103からの予測ベクトル及び観測行列算出部125
cからの入力である観測行列より、平滑ベクトル算出部
109で用いる予測観測ベクトルを算出する。ドップラ
シフトを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタ
に切り替わる時刻では、予測ベクトル算出部103から
の予測ベクトルより、平滑ベクトル算出部109で用い
る予測観測ベクトルを算出するステップである。
【0233】観測行列算出ステップS5aaaaは、切
り替え制御部127からのフィルタの切り替え時刻情報
を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルによ
り構成されたフィルタに切り替わる時刻より後は、予測
ベクトル算出部103より算出された予測値を用いて、
ドップラシフトを考慮した観測行列を算出し、ゲート用
予測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部
111、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部1
31b、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列
算出部113、に出力する。切り替わる時刻より前は、
ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出し、ゲー
ト用予測観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算
出部111、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出
部131b、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン
行列算出部113、に出力する。切り替わる時刻には、
ゲート用予測観測ベクトル算出部129、残差共分散行
列算出部111、にドップラシフトを考慮しない観測モ
デルを算出及び出力し、平滑誤差共分散行列算出部12
1、ゲイン行列算出部113、にドップラシフトを考慮
した観測行列を算出及び出力するステップである。
【0234】以下、図10、図11を参照しながら、実
施の形態4による処理動作について詳細に説明する。ま
ず、平滑ベクトル用メモリ105と平滑誤差共分散行列
用メモリ123とに、それぞれ、平滑ベクトルの初期値
(アンダーバー・ハット)x(0)と平滑誤差共分散行列の
初期値P(0)とを設定し、追尾処理を開始する(初期値
の設定ステップS1)。ここで、状態ベクトル(アンダー
バー)x(k)は、北基準直交座標系で定義される、数式
(103)の6次元ベクトルである。
【0235】
【数70】
【0236】また、平滑誤差共分散行列は6行6列の行
列である。以降、k=1,2,・・・の各時刻毎の処理を実行す
る。時刻t(k)の処理において、目標観測装置20から
観測ベクトル(アンダーバー)z(k)が入力される(観測
ベクトルの入力ステップS2)。ここで、観測ベクトル
(アンダーバー)z(k)は、ドップラシフトの影響を受け
た、北基準直交座標系で得られる3次元ベクトルであ
る。まず、予測ベクトルの算出ステップS3では、平滑
ベクトル用メモリ105から前時刻t(k−1)の平滑ベ
クトル(アンダーバー・ハット)x(k−1)を読み出し、
以下の数式(104)にしたがって予測ベクトルを算出す
る(予測ベクトルの算出ステップS3)。
【0237】
【数71】
【0238】状態推移行列は、数式(105)の行列で与
えられる。
【0239】
【数72】
【0240】次に、駆動雑音共分散行列設定部119
は、駆動雑音共分散行列Q(k−1)を設定する(駆動雑
音共分散行列の設定ステップS4)。通常、この駆動雑
音共分散行列の値は、目標追尾装置10aの運用上で想
定される最大の目標機動能力を考慮して、サンプリング
間隔t(k)−t(k−1)の大きさに応じて決定される。
次に、予測誤差共分散行列算出部117は、平滑誤差共
分散行列用メモリ123から、前時刻t(k−1)の平滑
誤差共分散行列P(k−1)を読み出し、上記駆動雑音共
分散行列Q(k−1)を用いて、以下の数式(106)に従
い予測誤差共分散行列を算出する(予測誤差共分散行列
の算出ステップS5)。
【0241】
【数73】
【0242】次に、観測行列の算出ステップS5aaa
aにおいて、切り替え制御部127からフィルタの切り
替え時刻の情報を得、切り替え時刻より前については、
観測行列を以下の数式(107)として、ゲート用予測観
測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部11
1、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部131
b、平滑誤差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出
部113へ出力する。
【0243】
【数74】
【0244】ここで、I3x3は3行3列の単位行列、0
3x3は3行3列の零行列である。切り替え時刻より後に
おいては、観測行列算出部125cは、予測ベクトル算
出部103から出力された予測ベクトル(上下バー)x
h(k)から、以下の数式(108)、数式(109)、数式
(110)、数式(111)、数式(112)、数式(113)
により観測行列を算出し、ゲート用予測観測ベクトル算
出部129、残差共分散行列算出部111、平滑ベクト
ル算出用予測観測ベクトル算出部131b、平滑誤差共
分散行列算出部121、ゲイン行列算出部113へ出力
する。
【0245】
【数75】
【0246】
【数76】
【0247】上記、数式(108)に示されている観測行
列H(k)は、北基準直交座標系で距離方向に生じるドッ
プラシフトの影響を反映した観測値を記述するための行
列であり、観測値が距離方向にドップラシフトの影響分
であるΔT(ドット)R(k)だけシフトすることを表して
いる。数式(108)に示されている観測行列H(k)は、
北基準直交座標系で与えられた予測ベクトル(上下バー)
h(k)を極座標系に変換した変数(バー)R(k)、(バ
ー)E(k)、(バー)Az(k)、(バー・ドット)R(k)、
(バー・ドット)E(k)、(バー・ドット)Az(k)を用い
て算出される。数式(112)及び数式(113)は、北基
準直交座標系から極座標への変換の式を表している。数
式(109)におけるΔTは、予め与えられる時定数であ
る。
【0248】切り替え時刻の場合、観測行列算出部12
5cは、観測行列を数式(107)として、ゲート用予測
観測ベクトル算出部129、残差共分散行列算出部11
1へ出力し、予測ベクトル算出部103から出力された
予測ベクトル(上下バー)xh(k)から、数式(108)、
数式(109)、数式(110)、数式(111)、数式(1
12)、数式(113)により観測行列を算出し、平滑誤
差共分散行列算出部121、ゲイン行列算出部113へ
出力する。
【0249】ゲート用予測観測ベクトルの算出ステップ
S5bでは、ゲート用予測観測ベクトル算出部129
は、予測ベクトル算出部103から入力された予測ベク
トル(上下バー)xh(k)と観測行列算出部125cから
入力された観測行列を用いて、以下の数式(114)によ
り予測観測ベクトル(上下バー)zg(k)を算出する(予測
観測ベクトルの算出ステップS5b)。
【0250】
【数77】
【0251】さらに、観測雑音共分散行列設定部115
は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)の観測雑音共分散行列R(k)を設定
し、残差共分散行列算出部111及び平滑誤差共分散行
列算出部121に送出する(観測雑音共分散行列の設定
ステップS7)。なお、観測雑音共分散行列設定部11
5は、観測ベクトル(アンダーバー)z(k)の精度評価に
関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列R(k)
を設定する。例えば、目標観測装置20が北基準直交座
標系におけるx,y,z軸方向について目標を探知する
レーダの場合、レーダの角軸の観測精度の情報に基づい
て観測雑音共分散行列R(k)を設定することができる。
ここで、上記観測精度は、レーダが時刻t(k)に検出し
た目標信号の強度(または信号対雑音比)に基づいて推定
することができる。
【0252】次に残差共分散行列算出部111は、観測
雑音共分散行列R(k)、予測誤差共分散行列(バー)P
(k)、観測行列H(k)とを読み込み、以下の数式(11
5)にしたがって残差共分散行列S(k)を算出し、ゲー
ト判定部107およびゲイン行列算出部113に伝送す
る(残差共分散行列の算出ステップS8)。
【0253】
【数78】
【0254】ゲート判定部107は、予測観測ベクトル
算出部129から入力された予測観測ベクトル(上下バ
ー)z(k)を用いて、以下の数式(116)により観測ベ
クトル(アンダーバー)z(k)に対する残差ベクトルを算
出した後、残差共分散行列S(k)を読み込み、以下の数
式(117)によりゲート判定処理を実行する(ゲート判
定ステップS9)。
【0255】
【数79】
【0256】ただし、数式(117)において、dはパラ
メータである。なお、ゲート判定部107により用いら
れるゲートは、予測観測ベクトル(上下バー)zg(k)を
中心として空間範囲であって、追尾目標からの観測ベク
トルを所望の確率で捕捉可能な空間範囲である。上記の
ゲートの大きさや形状は、予測ベクトル誤差の評価値で
ある予測誤差共分散行列(バー)P(k)、観測誤差の評価
値である観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列算出
部125cで算出される観測行列H(k)から計算される
上記数式(94)の残差共分散行列S(k)によって決定さ
れる。上記数式(117)は、上記ゲート内に目標観測装
置20からの観測ベクトルが存在するか否かを判定する
基準条件である。たとえば、ゲート判定部107は、残
差ベクトル(アンダーバー)r(k)が数式(117)を満た
す場合、目標観測装置20から入力された観測ベクトル
(アンダーバー)z(k)が追尾目標の探知結果であること
を判定し、追尾目標からのであると判定された観測べク
トル(アンダーバー)z(k)を平滑ベクトル算出部109
に送出する。一方、目標観測装置20から数式(117)
を満たす観測ベクトルが得られなかった場合、ゲート判
定部107は、追尾目標の観測ベクトルは探知されなか
ったものと見なし、平滑ベクトル算出部109への観測
ベクトルの送出を実行しない。
【0257】平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算
出ステップS9aaでは、現時刻が移管時刻より前また
の場合、平滑ベクトル算出部109へ出力する予測観測
ベクトルを以下の数式(118)で算出する。
【0258】
【数80】
【0259】現時刻が移管時刻の場合、以下の数式(1
19)、数式(120)、数式(121)、数式(122)、
数式(123)で予測観測ベクトルを算出する。
【0260】
【数81】
【0261】数式(120)は、北基準直交座標系から極
座標系への変換式であり、数式(122)は極座標系から
北基準直交座標系での変換式である。数式(121)は、
ドップラシフトの影響を受けた予測ベクトルの距離成分
にドップラシフトを与える式である。こうすることによ
り、平滑ベクトルの算出ステップにおける残差を大きく
することが可能となる。
【0262】次に、ゲイン行列算出部113は、予測誤
差共分散行列(バー)P(k)、残差共分散行列S(k)、お
よび観測行列H(k)を読み込み、以下の数式(124)に
したがって、フィルタゲインを算出する(ゲイン行列の
算出ステップS10)。
【0263】
【数82】
【0264】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力された場合に、予測ベクトル(上下バー)x
h(k)、予測観測ベクトル(上下バー)zh(k)、及びゲイ
ン行列K(k)とを読み込み、以下の数式(125)にした
がって平滑ベクトルを算出する。
【0265】
【数83】
【0266】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力されなかった場合は、以下の数式(126)に示す
ように、予測ベクトル(上下バー)xh(k)を平滑ベクト
ルとする(平滑ベクトルの算出ステップS11)。
【0267】
【数84】
【0268】上記数式(125)または数式(126)によ
り、平滑ベクトル算出部109で算出された平滑ベクト
ル(アンダーバー・ハット)x(k)は、平滑ベクトル用メ
モリ105に格納されるとともに、航跡表示装置30に
伝送され、運用者に対して表示される。
【0269】一方、平滑誤差共分散行列算出部121
は、ゲート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得
られたと判定された場合には、予測誤差共分散行列(バ
ー)P(k)、観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列
H(k)を用いて、以下の数式(127)により平滑誤差共
分散行列を算出し、ゲート判定部107で追尾目標の観
測ベクトルが得られなかったと判定された場合には、以
下の数式(128)に示すように、予測誤差共分散行列
(バー)P(k)を平滑誤差共分散行列とする(平滑誤差共
分散行列の算出ステップS12)。
【0270】
【数85】
【0271】数式(127)及び数式(128)に従う平滑
誤差共分散行列の算出結果は、平滑誤差共分散行列用メ
モリ123に格納される。
【0272】以上で時刻t(k)における処理が終了す
る。以降、追尾終了が判定されるまで、上記一連の処理
ステップを繰り返し実行する(追尾終了ステップS1
3)。
【0273】図12に、実施の形態1を用いた平滑ベク
トルの位置成分(平滑値)、予測観測ベクトル(ゲート中
心)、および観測ベクトル(観測値)の時間推移を示す。
図の実線は、状態ベクトルの位置成分の真の軌跡を表
し、点線は、ドップラシフトの影響を受けた観測ベクト
ルの真値を示す。上記の処理ステップにより、図12の
ように、ドップラシフトを考慮しない観測モデルで構成
されたフィルタから、ドップラシフトを考慮した観測モ
デルを考慮したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲート
の中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離
が離れてしまう問題を改善するため、切り替え時に、ゲ
ート用予測観測ベクトルの算出においてドップラシフト
を考慮しない観測モデルを用いることにより、ゲート用
予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離が短くなる効
果がある。さらに、平滑ベクトルを算出する際の予測観
測ベクトルに、上記で算出したゲート用予測観測ベクト
ルと異なり、ドップラシフトを考慮した観測モデルを用
いることにより、残差ベクトルが大きくなり、切り替え
時における平滑ベクトルの過渡応答の収束速度が速くな
る効果がある。
【0274】なお、本実施の形態の考え方を用いれば、
ドップラシフトを考慮した観測モデルで構成されたフィ
ルタからドップラシフトを考慮しない観測モデルを用い
たフィルタへの切り替えに対する対応も可能であること
は明らかであるので、説明は省略する。
【0275】実施の形態5.図13はこの発明の実施の
形態5による目標追尾装置を示すブロック構成図であ
り、また図14はその処理動作を示すフローチャートで
ある。上記図1、図2と同様のものについては、詳述を
省略する。また、図15はこの発明の実施の形態3にお
ける効果を示す概念図である。
【0276】図13において、目標追尾装置10aは、
実施の形態1を示すブロック構成図である図1と同様
に、平滑ベクトル用メモリ105、予測ベクトル算出部
103、予測観測ベクトル算出部101、ゲート判定部
107、平滑ベクトル算出部109、残差共分散行列算
出部111、ゲイン行列算出部113、観測雑音共分散
行列設定部115、予測誤差共分散行列算出部117、
駆動雑音共分散行列設定部119、平滑誤差共分散行列
算出部121、平滑誤差共分散行列用メモリ123、を
備えている。
【0277】また、目標追尾装置10aは、上記構成要
素に加えて、切り替え制御部127、フィルタ用ドップ
ラシフト時定数算出部135、観測行列算出部125d
(実施の形態1の図1におけるそれと動作が異なる)、を
備えている。
【0278】切り替え制御部127は、ドップラシフト
を考慮しない観測モデルにより構成されたフィルタから
ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成された
フィルタへの切り替えタイミングをフィルタ用ドップラ
シフト時定数算出部135に出力する。
【0279】フィルタ用ドップラシフト時定数算出部1
35は、切り替え制御部127によるフィルタの切り替
え時刻を入力とし、フィルタに用いる観測モデルに設定
するドップラシフト時定数を算出し、観測行列算出部1
25dへ出力する。
【0280】観測行列算出部125dは、フィルタ用ド
ップラシフト時定数算出部135からのドップラシフト
時定数を入力とし、予測ベクトル算出部103より算出
された予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した観測
行列を算出する。
【0281】図14において、実施の形態1の処理動作
を示すフローチャートである図2と同様に、初期値の設
定ステップS1、観測ベクトルの入力ステップS2、予
測ベクトルの算出ステップS3、駆動雑音共分散行列の
設定ステップS4、予測誤差共分散行列の算出ステップ
S5、予測観測ベクトルの算出ステップS6、観測雑音
共分散行列の設定ステップS7、残差共分散行列の算出
ステップS8、ゲート判定ステップS9、ゲイン行列の
算出ステップS10、平滑ベクトルの算出ステップS1
1、平滑誤差共分散行列の算出ステップS12、を備え
ている。
【0282】また、図14は上記処理ステップに加え
て、フィルタ用ドップラシフト時定数の算出ステップS
5c、観測行列算出ステップS5aaaaa(実施の形
態1の処理動作を示す図2のそれと処理が異なる)、が
挿入されている。
【0283】図14において、フィルタ用ドップラシフ
ト時定数の算出ステップS5cは、切り替え制御部12
7によるフィルタの切り替え時刻を入力とし、フィルタ
に用いる観測モデルに設定するドップラシフト時定数を
算出し、観測行列算出部125dへ出力するステップで
ある。
【0284】観測行列算出ステップS5aaaaaは、
切り替え制御部127からのフィルタの切り替え時刻情
報を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルに
より構成されたフィルタに切り替わる時刻以後は、予測
ベクトル算出部103より算出された予測値を用いて、
観測行列を算出し、切り替わる以前は、ドップラシフト
を考慮しない観測モデルを出力するステップである。
【0285】以下、図14を参照しながら、図13に示
したこの発明の実施の形態5よる処理動作について詳細
に説明する。まず、平滑ベクトル用メモリ105と平滑
誤差共分散行列用メモリ123とに、それぞれ、平滑ベ
クトルの初期値(アンダーバー・ハット)x(0)と平滑誤
差共分散行列の初期値P(0)とを設定し、追尾処理を開
始する(初期値の設定ステップS1)。ここで、状態ベク
トル(アンダーバー)x(k)は、北基準直交座標系で定義
される、数式(129)の6次元ベクトルである。
【0286】
【数86】 また、平滑誤差共分散行列は6行6列の行列である。以
降、k=1,2,・・・の各時刻毎の処理を実行する。時刻t
(k)の処理において、目標観測装置20から観測ベクト
ル(アンダーバー)z(k)が入力される(観測ベクトルの
入力ステップS2)と、予測ベクトル算出部103は、
平滑ベクトル用メモリ105から前時刻t(k−1)の平
滑ベクトル(アンダーバー・ハット)x(k−1)を読み出
し、以下の数式(130)にしたがって予測ベクトルを算
出する(予測ベクトルの算出ステップS3)。
【0287】
【数87】
【0288】ここで、観測ベクトル(アンダーバー)z
(k)は、ドップラシフトの影響を受けた、北基準直交座
標系で得られる3次元ベクトルである。状態推移行列
は、数式(131)の行列で与えられる。
【0289】
【数88】
【0290】次に、駆動雑音共分散行列設定部119
は、駆動雑音共分散行列Q(k−1)を設定する(駆動雑
音共分散行列の設定ステップS4)。通常、この駆動雑
音共分散行列の値は、目標追尾装置10aの運用上で想
定される最大の目標機動能力を考慮して、サンプリング
間隔t(k)−t(k−1)の大きさに応じて決定される。
次に、予測誤差共分散行列算出部117は、平滑誤差共
分散行列用メモリ123から、前時刻t(k−1)の平滑
誤差共分散行列P(k)を読み出し、上記駆動雑音共分散
行列Q(k−1)を用いて、以下の数式(132)に従い予
測誤差共分散行列を算出する(予測誤差共分散行列の算
出ステップS5)。
【0291】
【数89】
【0292】次に、フィルタ用ドップラシフト時定数の
算出ステップS5cにおいて、切り替え制御部127に
より切り替え時刻情報を得、現時刻が切り替え時刻の場
合、その時刻を基点として、徐々に、所望のドップラシ
フト時定数になるように、観測モデルに与えるドップラ
シフト時定数を算出する(フィルタ用ドップラシフト時
定数の算出ステップS5c)。たとえば、フィルタ用の
観測モデルを構成するドップラシフト時定数を以下の数
式(133)で算出する。またこれを図16に示す。
【0293】
【数90】
【0294】ここで、ΔT(k)は観測モデルを算出する
際に用いるドップラシフト時定数、ΔTは所望のドップ
ラシフト時定数、kaはフィルタ切り替え時刻、kbは切
り替え開始後、観測モデル算出用の時定数を所望の値に
する時刻である。kbは、設計者が定めるパラメータで
ある。こうすることにより、予測観測ベクトルをはじめ
とする変数が、切り替え前と切り替え後で大きく変化す
る現象を防ぐことが可能である。
【0295】次に、観測行列算出部125dは、予測ベ
クトル算出部103から出力された予測ベクトル(上下
バー)x(k)及び、フィルタ用ドップラシフト時定数算
出部135から出力されたドップラシフト時定数ΔT
(k)から、観測行列を算出する(観測行列の算出ステッ
プS5aaaaa)。
【0296】
【数91】
【0297】
【数92】
【0298】上記、数式(134)に示されている観測行
列H(k)は、北基準直交座標系で距離方向に生じるドッ
プラシフトの影響を反映した観測値を記述するための行
列であり、観測値が距離方向にドップラシフトの影響分
であるΔT(ドット)R(k)だけシフトすることを表して
いる。数式(134)に示されている観測行列H(k)は、
北基準直交座標系で与えられた予測ベクトル(上下バー)
x(k)を極座標系に変換した変数(バー)R(k)、(バー)
E(k)、(バー)Az(k)、(バー・ドット)R(k)、(バ
ー・ドット)E(k)、(バー・ドット)Az(k)を用いて
算出される。数式(137)及び数式(138)は、北基準
直交座標系から極座標への変換の式を表している。数式
(135)におけるΔTは、予め与えられる時定数であ
る。
【0299】予測観測ベクトル算出部101は、予測ベ
クトル算出部103から入力された予測ベクトル(上下
バー)x(k)と観測行列算出部125dから入力された
観測行列を用いて、以下の数式(140)により予測観測
ベクトル(上下バー)z(k)を算出する(予測観測ベクト
ルの算出ステップS6)。
【0300】
【数93】
【0301】さらに、観測雑音共分散行列設定部115
は、目標観測装置20から入力された観測ベクトル(ア
ンダーバー)z(k)の観測雑音共分散行列R(k)を設定
し、残差共分散行列算出部111及び平滑誤差共分散行
列算出部121に送出する(観測雑音共分散行列の設定
ステップS7)。なお、観測雑音共分散行列設定部11
5は、観測ベクトル(アンダーバー)z(k)の精度評価に
関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列R(k)
を設定する。例えば、目標観測装置20が北基準直交座
標系におけるx,y,z軸方向について目標を探知する
レーダの場合、レーダの角軸の観測精度の情報に基づい
て観測雑音共分散行列R(k)を設定することができる。
ここで、上記観測精度は、レーダが時刻t(k)に検出し
た目標信号の強度(または信号対雑音比)に基づいて推定
することができる。
【0302】次に残差共分散行列算出部111は、観測
雑音共分散行列R(k)、予測誤差共分散行列(バー)P
(k)、観測行列H(k)とを読み込み、以下の数式(14
1)にしたがって残差共分散行列S(k)を算出し、ゲー
ト判定部107およびゲイン行列算出部113に伝送す
る(残差共分散行列の算出ステップS8)。
【0303】
【数94】
【0304】ゲート判定部107は、予測観測ベクトル
算出部101から入力された予測観測ベクトル(上下バ
ー)z(k)を用いて、以下の数式(142)により観測ベ
クトル(アンダーバー)z(k)に対する残差ベクトルを算
出した後、残差共分散行列S(k)を読み込み、以下の数
式(143)によりゲート判定処理を実行する(ゲート判
定ステップS9)。
【0305】
【数95】
【0306】ただし、数式(143)において、dはパラ
メータである。なお、ゲート判定部107により用いら
れるゲートは、予測観測ベクトル(上下バー)z(k)を中
心として空間範囲であって、追尾目標からの観測ベクト
ルを所望の確率で捕捉可能な空間範囲である。上記のゲ
ートの大きさや形状は、予測ベクトル誤差の評価値であ
る予測誤差共分散行列(バー)P(k)、観測誤差の評価値
である観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列算出部
125dで算出される観測行列H(k)から計算される上
記数式(44)の残差共分散行列S(k)によって決定され
る。上記数式(143)は、上記ゲート内に目標観測装置
20からの観測ベクトルが存在するか否かを判定する基
準条件である。たとえば、ゲート判定部107は、残差
ベクトル(アンダーバー)r(k)が数式(143)を満たす
場合、目標観測装置20から入力された観測ベクトル
(アンダーバー)z(k)が追尾目標の探知結果であること
を判定し、追尾目標からのであると判定された観測べク
トル(アンダーバー)z(k)を平滑ベクトル算出部109
に送出する。一方、目標観測装置20から数式(46)を
満たす観測ベクトルが得られなかった場合、ゲート判定
部107は、追尾目標の観測ベクトルは探知されなかっ
たものと見なし、平滑ベクトル算出部109への観測ベ
クトルの送出を実行しない。
【0307】次に、ゲイン行列算出部113は、予測誤
差共分散行列(バー)P(k)、残差共分散行列S(k)、お
よび観測行列H(k)を読み込み、以下の数式(144)に
したがって、フィルタゲインを算出する(ゲイン行列の
算出ステップS10)。
【0308】
【数96】
【0309】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力された場合に、予測ベクトル(上下バー)x(k)、
予測観測ベクトル(上下バー)z(k)、及びゲイン行列K
(k)とを読み込み、以下の数式(145)にしたがって平
滑ベクトルを算出する。
【0310】
【数97】
【0311】また、平滑ベクトル算出部109は、ゲー
ト判定部107から観測ベクトル(アンダーバー)z(k)
が入力されなかった場合は、以下の数式(146)に示す
ように、予測ベクトル(上下バー)x(k)を平滑ベクトル
とする(平滑ベクトルの算出ステップS11)。
【0312】
【数98】
【0313】上記数式(145)または数式(146)によ
り、平滑ベクトル算出部109で算出された平滑ベクト
ル(アンダーバー・ハット)x(k)は、平滑ベクトル用メ
モリ105に格納されるとともに、航跡表示装置30に
伝送され、運用者に対して表示される。
【0314】一方、平滑誤差共分散行列算出部121
は、ゲート判定部107で追尾目標の観測ベクトルが得
られたと判定された場合には、予測誤差共分散行列(バ
ー)P(k)、観測雑音共分散行列R(k)、及び観測行列
H(k)を用いて、以下の数式(147)により平滑誤差共
分散行列を算出し、ゲート判定部107で追尾目標の観
測ベクトルが得られなかったと判定された場合には、以
下の数式(148)に示すように、予測誤差共分散行列
(バー)P(k)を平滑誤差共分散行列とする(平滑誤差共
分散行列の算出ステップS12)。
【0315】
【数99】
【0316】数式(147)及び数式(148)に従う平滑
誤差共分散行列の算出結果は、平滑誤差共分散行列用メ
モリ123に格納される。
【0317】以上で時刻t(k)における処理が終了す
る。以降、追尾終了が判定されるまで、上記一連の処理
ステップを繰り返し実行する(追尾終了ステップS1
3)。
【0318】図15に、実施の形態1を用いた平滑ベク
トルの位置成分(平滑値)、予測観測ベクトル(ゲート中
心)、および観測ベクトル(観測値)の時間推移を示す。
図の実線は、状態ベクトルの位置成分の真の軌跡を表
し、点線は、ドップラシフトの影響を受けた観測ベクト
ルの真値を示す。上記の処理ステップにより、図15の
ように、ドップラシフトを考慮しない観測モデルで構成
されたフィルタから、ドップラシフトを考慮した観測モ
デルを考慮したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲート
の中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離
が離れてしまう問題を改善するため、切り替え時に、観
測モデルの用いるドップラシフト時定数を少しずつ変化
させることにより、ゲート用予測観測ベクトルと観測ベ
クトルとの距離が、切り替え直前と切り替え直後におい
て、急激に変化しなくなる効果がある。
【0319】なお、本実施の形態の考え方を用いれば、
ドップラシフトを考慮した観測モデルで構成されたフィ
ルタからドップラシフトを考慮しない観測モデルを用い
たフィルタへの切り替えに対する対応も可能であること
は明らかであるので、説明は省略する。
【0320】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、目標観
測装置から入力される観測ベクトルに基づいて追尾目標
の航跡を算出するための目標追尾装置であって、平滑ベ
クトルの計算結果を格納するための平滑ベクトル用メモ
リと、平滑誤差共分散行列の計算結果を格納するための
平滑誤差共分散行列用メモリと、前時刻の平滑ベクトル
を用いて現時刻の予測ベクトルを算出する予測ベクトル
算出部と、駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分
散行列設定部と、前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結
果と前記駆動雑音共分散行列の値とを用いて現時刻の予
測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分散行列算出部
と、前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータ
を用いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散
行列設定部と、前記予測ベクトルを用いて現時刻の観測
行列を算出する観測行列算出部と、前記予測誤差共分散
行列、前記観測雑音共分散行列、及び前記観測行列を用
いて残差共分散行列を算出する残差共分散行列算出部
と、前記予測ベクトル及び前記観測行列から予測観測ベ
クトルを算出する予測観測ベクトル算出部と、前記予測
観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残差ベクト
ルを算出するとともに、前記残差共分散行列を用いて、
前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知データであるか
否かのゲート判定を行うゲート判定部と、前記予測誤差
共分散行列、前記残差共分散行列、及び前記観測行列を
もちいてフィルタのゲイン行列を算出するゲイン行列算
出部と、前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前
記ゲイン行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する平
滑ベクトル算出部と、前記観測雑音共分散行列、前記予
測誤差共分散行列、及び前記観測行列とを用いて前記平
滑誤差共分散行列を算出する平滑誤差共分散行列算出部
と、を備えたことを特徴とする目標追尾装置およびこれ
に基づく目標追尾方法としたので、ドップラシフト補正
を考慮したフィルタを北基準直交座標系で構成するため
に、従来の技術で用いた極座標系の距離軸で表現した観
測モデルではなく、北基準直交座標系における観測モデ
ルを構成することにより、ドップラシフト補正を北基準
直交座標系で行うことが可能となる。
【0321】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成
されたフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデ
ルにより構成されたフィルタへの切り替えタイミングを
出力する切り替え制御部と、切り替え制御部よりフィル
タの切り替え時刻情報を得、現時刻が切り替えを行う時
刻の場合、前記平滑ベクトル用メモリからの1時刻前に
おける平滑ベクトルを用いて、擬似平滑値を算出し、切
り替えを行う時刻でない場合、1時刻前の平滑値をその
まま出力する切り替え直前の擬似平滑値算出部と、前時
刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを算出
する予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行列を設定
する駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平滑誤差共
分散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列の値とを
用いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する予測誤差
共分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度評価に関
連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列を設定す
る観測雑音共分散行列設定部と、前記切り替え制御部か
らのフィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラ
シフトを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタ
に切り替わる時刻以後は、前記予測ベクトル算出部より
算出された予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した
現時刻の観測行列を算出し、切り替わる時刻より前は、
ドップラシフトを考慮しない現時刻の観測モデルを算出
する観測行列算出部と、前記予測誤差共分散行列、前記
観測雑音共分散行列、及び前記観測行列を用いて残差共
分散行列を算出する残差共分散行列算出部と、前記予測
ベクトル及び前記観測行列を用いて、ゲート判定部で用
いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測観測ベク
トル算出部と、前記予測観測ベクトル及び前記観測ベク
トルを用いて残差ベクトルを算出するとともに、前記残
差共分散行列を用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目
標の探知データであるか否かのゲート判定を行うゲート
判定部と、前記平滑ベクトル用メモリからの1時刻前に
おける平滑ベクトル及び観測行列算出部からの入力であ
る観測行列より、平滑ベクトル算出部で用いる予測観測
ベクトルを算出する平滑ベクトル算出用予測観測ベクト
ル算出部と、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散
行列、及び前記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行
列を算出するゲイン行列算出部と、前記残差ベクトル、
前記予測ベクトルおよび前記ゲイン行列をもちいて前記
平滑ベクトルを算出する前記平滑ベクトル算出部と、前
記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及び
前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算出
する平滑誤差共分散行列算出部と、を備えたことを特徴
とする目標追尾装置およびこれに基づく目標追尾方法と
したので、ドップラシフトを考慮しない観測モデルで構
成されたフィルタから、ドップラシフトを考慮した観測
モデルを考慮したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲー
トの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距
離が離れてしまう問題を改善するため、切り替え時に、
前時刻の平滑ベクトルに対し、予めドップラ補正を施し
て擬似平滑ベクトルを算出することにより、擬似平滑ベ
クトルを用いて算出したゲート用予測観測ベクトルと観
測ベクトルとの距離が短くなる効果がある。さらに、平
滑ベクトルを算出する際の予測観測ベクトルに、上記で
算出したゲート用予測観測ベクトルと異なり、ドップラ
シフトの影響を受けた予測ベクトルから算出した予測観
測ベクトル値を用いることにより、残差ベクトルが大き
くなり、切り替え時における平滑ベクトルの過渡応答の
収束速度が速くなる効果がある。
【0322】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクト
ルを算出する予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行
列を設定する駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平
滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列
の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する
予測誤差共分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度
評価に関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列
を設定する観測雑音共分散行列設定部と、ドップラシフ
トを考慮しない観測モデルにより構成されたフィルタか
らドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成され
たフィルタへの切り替えタイミングを出力する切り替え
制御部と、この切り替え制御部からのフィルタの切り替
え時刻情報を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測
モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時刻より
後は、前記予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した
観測行列を算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出
部、後記残差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出
用予測観測ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算
出部、後記行列算出部、に出力し、切り替わる時刻より
前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共
分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベク
トル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイ
ン行列算出部、に出力し、さらに、切り替わる時刻に
は、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共
分散行列算出部、にドップラシフトを考慮しない観測モ
デルを算出及び出力し、後記平滑ベクトル算出用予測観
測ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後
記ゲイン行列算出部にドップラシフトを考慮した観測行
列を算出及び出力する観測行列算出部と、前記予測誤差
共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及び前記観測行
列を用いて残差共分散行列を算出する前記残差共分散行
列算出部と、前記予測ベクトル及び前記観測行列を用い
て、ゲート判定部で用いる予測観測ベクトルを算出する
前記ゲート用予測観測ベクトル算出部と、前記予測観測
ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残差ベクトルを
算出するとともに、前記残差共分散行列を用いて、前記
観測ベクトルが前記追尾目標の探知データであるか否か
のゲート判定を行う前記ゲート判定部と、前記予測ベク
トル及び前記観測行列より、後記平滑ベクトル算出部で
用いる予測観測ベクトルを算出する前記平滑ベクトル算
出用予測観測ベクトル算出部と、前記予測誤差共分散行
列、前記残差共分散行列、及び前記観測行列をもちいて
フィルタのゲイン行列を算出する前記ゲイン行列算出部
と、前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲ
イン行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する前記平
滑ベクトル算出部と、前記観測雑音共分散行列、前記予
測誤差共分散行列、及び前記観測行列とを用いて前記平
滑誤差共分散行列を算出する前記平滑誤差共分散行列算
出部と、を備えたことを特徴とする目標追尾装置および
これに基づく目標追尾方法としたので、ドップラシフト
を考慮しない観測モデルで構成されたフィルタから、ド
ップラシフトを考慮した観測モデルを考慮したフィルタ
へ切り替えを行う際に、ゲートの中心である予測観測ベ
クトルと観測ベクトルとの距離が離れてしまう問題を改
善するため、切り替え時に、ゲート用予測観測ベクトル
の算出においてドップラシフトを考慮しない観測モデル
を用いることにより、ゲート用予測観測ベクトルと観測
ベクトルとの距離が短くなる効果がある。さらに、平滑
ベクトルを算出する際の予測観測ベクトルに、上記で算
出したゲート用予測観測ベクトルと異なり、ドップラシ
フトを考慮した観測モデルを用いることにより、残差ベ
クトルが大きくなり、切り替え時における平滑ベクトル
の過渡応答の収束速度が速くなる効果がある。
【0323】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクト
ルを算出する予測ベクトル算出部と、駆動雑音共分散行
列を設定する駆動雑音共分散行列設定部と、前時刻の平
滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音共分散行列
の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列を算出する
予測誤差共分散行列算出部と、前記観測ベクトルの精度
評価に関連したパラメータを用いて観測雑音共分散行列
を設定する観測雑音共分散行列設定部と、ドップラシフ
トを考慮しない観測モデルにより構成されたフィルタか
らドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成され
たフィルタへの切り替えタイミングを出力する切り替え
制御部と、この切り替え制御部からのフィルタの切り替
え時刻情報を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測
モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時刻より
後は、前記予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した
観測行列を算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出
部、後記残差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出
用予測観測ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算
出部、後記ゲイン行列算出部、に出力し、切り替わる時
刻より前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを
算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残
差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測
ベクトル算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベク
トル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイ
ン行列算出部、に出力し、切り替わる時刻には、後記ゲ
ート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共分散行列算
出部、にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
及び出力し、後記ゲイン行列算出部、にドップラシフト
を考慮した観測行列を算出及び出力する観測行列算出部
と、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行
列、及び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出す
る前記残差共分散行列算出部と、前記予測ベクトル及び
前記観測行列を用いて、ゲート判定部で用いる予測観測
ベクトルを算出する前記ゲート用予測観測ベクトル算出
部と、前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用
いて残差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散
行列を用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知
データであるか否かのゲート判定を行う前記ゲート判定
部と、ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成
されたフィルタに切り替わる時刻より前及び後は、予測
ベクトル算出部からの予測ベクトル及び観測行列算出部
からの入力である観測行列より、平滑ベクトル算出部で
用いる予測観測ベクトルを算出し、ドップラシフトを考
慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切り替わ
る時刻では、予測ベクトル算出部からの予測ベクトルよ
り、平滑ベクトル算出部で用いる予測観測ベクトルを算
出する前記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部
と、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及
び前記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出
する前記ゲイン行列算出部と、前記残差ベクトル、前記
予測ベクトルおよび前記ゲイン行列をもちいて前記平滑
ベクトルを算出する前記平滑ベクトル算出部と、前記観
測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及び前記
観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算出する
前記平滑誤差共分散行列算出部と、を備えたことを特徴
とする目標追尾装置およびこれに基づく目標追尾方法と
したので、ドップラシフトを考慮しない観測モデルで構
成されたフィルタから、ドップラシフトを考慮した観測
モデルを考慮したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲー
トの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距
離が離れてしまう問題を改善するため、切り替え時に、
ゲート用予測観測ベクトルの算出においてドップラシフ
トを考慮しない観測モデルを用いることにより、ゲート
用予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離が短くなる
効果がある。さらに、平滑ベクトルを算出する際の予測
観測ベクトルに、上記で算出したゲート用予測観測ベク
トルと異なり、ドップラシフトを考慮した観測モデルを
用いることにより、残差ベクトルが大きくなり、切り替
え時における平滑ベクトルの過渡応答の収束速度が速く
なる効果がある。
【0324】また、目標観測装置から入力される観測ベ
クトルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標
追尾装置であって、平滑ベクトルの計算結果を格納する
ための平滑ベクトル用メモリと、平滑誤差共分散行列の
計算結果を格納するための平滑誤差共分散行列用メモリ
と、ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成
されたフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデ
ルにより構成されたフィルタへの切り替えタイミングを
出力する切り替え制御部と、前時刻の平滑ベクトルを用
いて現時刻の予測ベクトルを算出する予測ベクトル算出
部と、駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行
列設定部と、前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と
前記駆動雑音共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤
差共分散行列を算出する予測誤差共分散行列算出部と、
前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
設定部と、前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分
散行列、及び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算
出する残差共分散行列算出部と、前記切り替え制御部に
よるフィルタの切り替え時刻を入力とし、フィルタに用
いる観測モデルに設定するドップラシフト時定数を算出
し、後記観測行列算出部へ出力するフィルタ用ドップラ
シフト時定数算出部と、前記フィルタ用ドップラシフト
時定数算出部からのドップラシフト時定数を入力とし、
前記予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した観測行
列を算出する観測行列算出部と、前記予測ベクトル及び
前記観測行列から予測観測ベクトルを算出する予測観測
ベクトル算出部と、前記予測観測ベクトル及び前記観測
ベクトルを用いて残差ベクトルを算出するとともに、前
記残差共分散行列を用いて、前記観測ベクトルが前記追
尾目標の探知データであるか否かのゲート判定を行うゲ
ート判定部と、前記予測誤差共分散行列、前記残差共分
散行列、及び前記観測行列をもちいてフィルタのゲイン
行列を算出するゲイン行列算出部と、前記残差ベクト
ル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン行列をもちいて
前記平滑ベクトルを算出する平滑ベクトル算出部と、前
記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及び
前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算出
する平滑誤差共分散行列算出部と、を備えたことを特徴
とする目標追尾装置およびこれに基づく目標追尾方法と
したので、ドップラシフトを考慮しない観測モデルで構
成されたフィルタから、ドップラシフトを考慮した観測
モデルを考慮したフィルタへ切り替えを行う際に、ゲー
トの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距
離が離れてしまう問題を改善するため、切り替え時に、
観測モデルの用いるドップラシフト時定数を少しずつ変
化させることにより、ゲート用予測観測ベクトルと観測
ベクトルとの距離が、切り替え直前と切り替え直後にお
いて、急激に変化しなくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による目標追尾装置
を示すブロック構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による目標追尾装置
の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1における効果を示す
概念図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による目標追尾装置
を示すブロック構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による目標追尾装置
の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2における効果を示す
概念図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置
を示すブロック構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置
の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3における効果を示す
概念図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による目標追尾装
置を示すブロック構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態4による目標追尾装
置の処理動作を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態4における効果を示
す概念図である。
【図13】 この発明の実施の形態5による目標追尾装
置を示すブロック構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態5による目標追尾装
置の処理動作を示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態5における効果を示
す概念図である。
【図16】 この発明の実施の形態5におけるフィルタ
用ドップラシフト時定数を説明するための図である。
【図17】 従来のこの種の目標追尾装置を示すブロッ
ク構成図である。
【図18】 従来の目標追尾装置の処理動作を示すフロ
ーチャートである。
【図19】 この発明の実施の形態5における動作を説
明するための概念図である。
【図20】 北基準直交座標と極座標の定義を説明する
ための図である。
【図21】 従来の技術におけるフィルタの切り替えを
説明するための概念図である。
【符号の説明】
10a 目標追尾装置、20 目標観測装置、30 航
跡表示装置、101予測観測ベクトル算出部、103
予測ベクトル算出部、105 平滑ベクトル用メモリ、
107 ゲート判定部、109 平滑ベクトル算出部、
111 残差共分散行列算出部、113 ゲイン行列算
出部、115 観測雑音共分散行列設定部、117 予
測誤差共分散行列算出部、119 駆動雑音共分散行列
設定部、121 平滑誤差共分散行列算出部、123
平滑誤差共分散行列用メモリ、125,125a,12
5b,125c,125d 観測行列算出部、127切
り替え制御部、129 ゲート用予測観測ベクトル算出
部、131,131a,131b 平滑ベクトル算出用
予測観測ベクトル算出部、133 切り替え直前の擬似
平滑値算出部、135 フィルタ用ドップラシフト時定
数算出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 義夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AB08 AC01 AE02 AE04 AH19 AK14 AK22 BA01 BB06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    装置であって、 平滑ベクトルの計算結果を格納するための平滑ベクトル
    用メモリと、 平滑誤差共分散行列の計算結果を格納するための平滑誤
    差共分散行列用メモリと、 前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを
    算出する予測ベクトル算出部と、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列設定
    部と、 前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音
    共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列
    を算出する予測誤差共分散行列算出部と、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
    いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
    設定部と、 前記予測ベクトルを用いて現時刻の観測行列を算出する
    観測行列算出部と、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出する残差
    共分散行列算出部と、 前記予測ベクトル及び前記観測行列から予測観測ベクト
    ルを算出する予測観測ベクトル算出部と、 前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知データ
    であるか否かのゲート判定を行うゲート判定部と、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出する
    ゲイン行列算出部と、 前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン
    行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する平滑ベクト
    ル算出部と、 前記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算
    出する平滑誤差共分散行列算出部と、 を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  2. 【請求項2】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    装置であって、 平滑ベクトルの計算結果を格納するための平滑ベクトル
    用メモリと、 平滑誤差共分散行列の計算結果を格納するための平滑誤
    差共分散行列用メモリと、 ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成され
    たフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデルに
    より構成されたフィルタへの切り替えタイミングを出力
    する切り替え制御部と、 切り替え制御部よりフィルタの切り替え時刻情報を得、
    現時刻が切り替えを行う時刻の場合、前記平滑ベクトル
    用メモリからの1時刻前における平滑ベクトルを用い
    て、擬似平滑値を算出し、切り替えを行う時刻でない場
    合、1時刻前の平滑値をそのまま出力する切り替え直前
    の擬似平滑値算出部と、 前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを
    算出する予測ベクトル算出部と、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列設定
    部と、 前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音
    共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列
    を算出する予測誤差共分散行列算出部と、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
    いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
    設定部と、 前記切り替え制御部からのフィルタの切り替え時刻情報
    を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルによ
    り構成されたフィルタに切り替わる時刻以後は、前記予
    測ベクトル算出部より算出された予測値を用いて、ドッ
    プラシフトを考慮した現時刻の観測行列を算出し、切り
    替わる時刻より前は、ドップラシフトを考慮しない現時
    刻の観測モデルを算出する観測行列算出部と、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出する残差
    共分散行列算出部と、 前記予測ベクトル及び前記観測行列を用いて、ゲート判
    定部で用いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測
    観測ベクトル算出部と、 前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知データ
    であるか否かのゲート判定を行うゲート判定部と、 前記平滑ベクトル用メモリからの1時刻前における平滑
    ベクトル及び観測行列算出部からの入力である観測行列
    より、平滑ベクトル算出部で用いる予測観測ベクトルを
    算出する平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部
    と、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出する
    ゲイン行列算出部と、 前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン
    行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する前記平滑ベ
    クトル算出部と、 前記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算
    出する平滑誤差共分散行列算出部と、 を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  3. 【請求項3】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    装置であって、 平滑ベクトルの計算結果を格納するための平滑ベクトル
    用メモリと、 平滑誤差共分散行列の計算結果を格納するための平滑誤
    差共分散行列用メモリと、 前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを
    算出する予測ベクトル算出部と、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列設定
    部と、 前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音
    共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列
    を算出する予測誤差共分散行列算出部と、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
    いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
    設定部と、 ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成され
    たフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデルに
    より構成されたフィルタへの切り替えタイミングを出力
    する切り替え制御部と、 この切り替え制御部からのフィルタの切り替え時刻情報
    を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルによ
    り構成されたフィルタに切り替わる時刻より後は、前記
    予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した観測行列を
    算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残
    差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測
    ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記
    行列算出部、に出力し、切り替わる時刻より前は、ドッ
    プラシフトを考慮しない観測モデルを算出し、後記ゲー
    ト用予測観測ベクトル算出部、後記残差共分散行列算出
    部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部、
    後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイン行列算出
    部、に出力し、さらに、切り替わる時刻には、後記ゲー
    ト用予測観測ベクトル算出部、後記残差共分散行列算出
    部、にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出及
    び出力し、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算
    出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイン行列
    算出部にドップラシフトを考慮した観測行列を算出及び
    出力する観測行列算出部と、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出する前記
    残差共分散行列算出部と、 前記予測ベクトル及び前記観測行列を用いて、ゲート判
    定部で用いる予測観測ベクトルを算出する前記ゲート用
    予測観測ベクトル算出部と、 前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知データ
    であるか否かのゲート判定を行う前記ゲート判定部と、 前記予測ベクトル及び前記観測行列より、後記平滑ベク
    トル算出部で用いる予測観測ベクトルを算出する前記平
    滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部と、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出する
    前記ゲイン行列算出部と、 前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン
    行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する前記平滑ベ
    クトル算出部と、 前記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算
    出する前記平滑誤差共分散行列算出部と、 を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  4. 【請求項4】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    装置であって、 平滑ベクトルの計算結果を格納するための平滑ベクトル
    用メモリと、 平滑誤差共分散行列の計算結果を格納するための平滑誤
    差共分散行列用メモリと、 前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを
    算出する予測ベクトル算出部と、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列設定
    部と、 前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音
    共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列
    を算出する予測誤差共分散行列算出部と、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
    いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
    設定部と、 ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成され
    たフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデルに
    より構成されたフィルタへの切り替えタイミングを出力
    する切り替え制御部と、 この切り替え制御部からのフィルタの切り替え時刻情報
    を入力とし、ドップラシフトを考慮した観測モデルによ
    り構成されたフィルタに切り替わる時刻より後は、前記
    予測値を用いて、ドップラシフトを考慮した観測行列を
    算出し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残
    差共分散行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測
    ベクトル算出部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記
    ゲイン行列算出部、に出力し、切り替わる時刻より前
    は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出し、
    後記ゲート用予測観測ベクトル算出部、後記残差共分散
    行列算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル
    算出部、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出
    部、後記平滑誤差共分散行列算出部、後記ゲイン行列算
    出部、に出力し、切り替わる時刻には、後記ゲート用予
    測観測ベクトル算出部、後記残差共分散行列算出部、に
    ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出及び出力
    し、後記ゲイン行列算出部、にドップラシフトを考慮し
    た観測行列を算出及び出力する観測行列算出部と、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出する前記
    残差共分散行列算出部と、 前記予測ベクトル及び前記観測行列を用いて、ゲート判
    定部で用いる予測観測ベクトルを算出する前記ゲート用
    予測観測ベクトル算出部と、 前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知データ
    であるか否かのゲート判定を行う前記ゲート判定部と、 ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成された
    フィルタに切り替わる時刻より前及び後は、予測ベクト
    ル算出部からの予測ベクトル及び観測行列算出部からの
    入力である観測行列より、平滑ベクトル算出部で用いる
    予測観測ベクトルを算出し、ドップラシフトを考慮した
    観測モデルにより構成されたフィルタに切り替わる時刻
    では、予測ベクトル算出部からの予測ベクトルより、平
    滑ベクトル算出部で用いる予測観測ベクトルを算出する
    前記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出部と、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出する
    前記ゲイン行列算出部と、 前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン
    行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する前記平滑ベ
    クトル算出部と、 前記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算
    出する前記平滑誤差共分散行列算出部と、 を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  5. 【請求項5】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    装置であって、 平滑ベクトルの計算結果を格納するための平滑ベクトル
    用メモリと、 平滑誤差共分散行列の計算結果を格納するための平滑誤
    差共分散行列用メモリと、 ドップラシフトを考慮しない観測モデルにより構成され
    たフィルタからドップラシフトを考慮した観測モデルに
    より構成されたフィルタへの切り替えタイミングを出力
    する切り替え制御部と、 前時刻の平滑ベクトルを用いて現時刻の予測ベクトルを
    算出する予測ベクトル算出部と、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列設定
    部と、 前時刻の平滑誤差共分散行列の計算結果と前記駆動雑音
    共分散行列の値とを用いて現時刻の予測誤差共分散行列
    を算出する予測誤差共分散行列算出部と、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータを用
    いて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行列
    設定部と、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列を用いて残差共分散行列を算出する残差
    共分散行列算出部と、 前記切り替え制御部によるフィルタの切り替え時刻を入
    力とし、フィルタに用いる観測モデルに設定するドップ
    ラシフト時定数を算出し、後記観測行列算出部へ出力す
    るフィルタ用ドップラシフト時定数算出部と、 前記フィルタ用ドップラシフト時定数算出部からのドッ
    プラシフト時定数を入力とし、前記予測値を用いて、ド
    ップラシフトを考慮した観測行列を算出する観測行列算
    出部と、 前記予測ベクトル及び前記観測行列から予測観測ベクト
    ルを算出する予測観測ベクトル算出部と、 前記予測観測ベクトル及び前記観測ベクトルを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが前記追尾目標の探知データ
    であるか否かのゲート判定を行うゲート判定部と、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列をもちいてフィルタのゲイン行列を算出する
    ゲイン行列算出部と、 前記残差ベクトル、前記予測ベクトルおよび前記ゲイン
    行列をもちいて前記平滑ベクトルを算出する平滑ベクト
    ル算出部と、 前記観測雑音共分散行列、前記予測誤差共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて前記平滑誤差共分散行列を算
    出する平滑誤差共分散行列算出部と、 を備えたことを特徴とする目標追尾装置。
  6. 【請求項6】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    方法であって、 平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列の初期値を設定する
    初期値の設定ステップと、 前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
    観測ベクトルの入力ステップと、 前時刻の平滑ベクトルから予測ベクトルを算出する予測
    ベクトルの算出ステップと、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列の設
    定ステップと、 前時刻の平滑誤差共分散行列と前記駆動雑音共分散行列
    とから予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分散行
    列の算出ステップと、 前記予測ベクトルから観測行列を算出する観測行列の算
    出ステップと、 前記予測ベクトル及び前記観測行列から予測観測ベクト
    ルを算出する予測観測ベクトルの算出ステップと、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基
    づいて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行
    列の設定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残
    差共分散行列の算出ステップと、 前記予測観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであ
    るか否かのゲート判定を行うゲート判定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列とを用いて、フィルタゲイン行列を算出する
    ゲイン行列の算出ステップと、 前記ゲート判定で追尾目標の探知データと判定された観
    測ベクトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクト
    ル、及び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出
    する平滑ベクトルの算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて、前記平滑誤差共分散行列を
    算出する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、 追尾処理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場
    合には、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終
    了判定ステップと、 を備えたことを特徴とする目標追尾方法。
  7. 【請求項7】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    方法であって、 平滑ベクトルと平滑誤差共分散行列の初期値を設定する
    初期値の設定ステップと、 前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
    観測ベクトルの入力ステップと、 現時刻が切り替えを行う時刻の場合、1時刻前における
    平滑ベクトルを用いて、擬似平滑値を算出し、現時刻が
    切り替えを行う時刻でない場合、1時刻前における後記
    平滑ベクトルをそのまま出力とする切り替え直前の擬似
    平滑値の算出ステップと、 前時刻の後記平滑ベクトルから予測ベクトルを算出する
    予測ベクトルの算出ステップと、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列の設
    定ステップと、 前時刻の後記平滑誤差共分散行列と前記駆動雑音共分散
    行列とから予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分
    散行列の算出ステップと、 ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成された
    フィルタに切り替わる時刻以後は、前記予測値を用い
    て、観測行列を算出し、切り替わる以前は、ドップラシ
    フトを考慮しない観測行列を出力する観測行列算出ステ
    ップと、 前記予測ベクトルと、前記観測行列を用いて、ゲート判
    定に用いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測観
    測ベクトルの算出ステップと、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基
    づいて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行
    列の設定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残
    差共分散行列の算出ステップと、 前記予測観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであ
    るか否かのゲート判定を行うゲート判定ステップと、 1時刻前における後記平滑ベクトルと、前記観測行列を
    用いて、後記平滑ベクトルの算出に用いる予測観測ベク
    トルを算出する平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの
    算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列とを用いて、フィルタゲイン行列を算出する
    ゲイン行列の算出ステップと、 ゲート判定で追尾目標の探知データと判定された前記観
    測ベクトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクト
    ル、及び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出
    する平滑ベクトルの算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて、平滑誤差共分散行列を算出
    する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、 追尾処理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場
    合には、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終
    了判定ステップと、 を備えたことを特徴とする目標追尾方法。
  8. 【請求項8】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    方法であって、 後記平滑ベクトルと後記平滑誤差共分散行列の初期値を
    設定する初期値の設定ステップと、 前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
    観測ベクトルの入力ステップと、 前時刻の後記平滑ベクトルから予測ベクトルを算出する
    予測ベクトルの算出ステップと、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列の設
    定ステップと、 前時刻の後記平滑誤差共分散行列と前記駆動雑音共分散
    行列とから予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分
    散行列の算出ステップと、 フィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラシフ
    トを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切
    り替わる時刻より後は、後記予測値を用いて、ドップラ
    シフトを考慮した観測行列を算出し、ゲート用予測観測
    ベクトル算出ステップ、残差共分散行列算出ステップ、
    平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出ステップ、平
    滑誤差共分散行列算出ステップ、ゲイン行列算出ステッ
    プ、に出力し、切り替わる時刻より前は、ドップラシフ
    トを考慮しない観測モデルを算出し、ゲート用予測観測
    ベクトル算出ステップ、残差共分散行列算出ステップ、
    平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出ステップ、平
    滑誤差共分散行列算出ステップ、ゲイン行列算出ステッ
    プ、に出力し、さらに、切り替わる時刻には、ゲート用
    予測観測ベクトル算出ステップ、残差共分散行列算出ス
    テップ、にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算
    出及び出力し、平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算
    出ステップ、平滑誤差共分散行列算出ステップ、ゲイン
    行列算出ステップに、ドップラシフトを考慮した観測行
    列を算出及び出力する観測行列算出ステップと、 前記予測ベクトルと、前記観測行列を用いて、ゲート判
    定に用いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測観
    測ベクトルの算出ステップと、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基
    づいて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行
    列の設定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残
    差共分散行列の算出ステップと、 前記予測観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであ
    るか否かのゲート判定を行うゲート判定ステップと、 前記予測ベクトルと、前記観測行列を用いて、後記平滑
    ベクトルの算出に用いる予測観測ベクトルを算出する平
    滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列とを用いて、フィルタゲイン行列を算出する
    ゲイン行列の算出ステップと、 ゲート判定で追尾目標の探知データと判定された前記観
    測ベクトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクト
    ル、及び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出
    する平滑ベクトルの算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて、平滑誤差共分散行列を算出
    する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、 追尾処理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場
    合には、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終
    了判定ステップと、 を備えたことを特徴とする目標追尾方法。
  9. 【請求項9】 目標観測装置から入力される観測ベクト
    ルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追尾
    方法であって、 後記平滑ベクトルと後記平滑誤差共分散行列の初期値を
    設定する初期値の設定ステップと、 前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
    観測ベクトルの入力ステップと、 前時刻の後記平滑ベクトルから予測ベクトルを算出する
    予測ベクトルの算出ステップと、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列の設
    定ステップと、 前時刻の後記平滑誤差共分散行列と前記駆動雑音共分散
    行列とから予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分
    散行列の算出ステップと、 フィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラシフ
    トを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切
    り替わる時刻より後は、前記予測値を用いて、ドップラ
    シフトを考慮した観測行列を算出し、後記ゲート用予測
    観測ベクトル算出ステップ、後記残差共分散行列算出ス
    テップ、後記平滑ベクトル算出用予測観測ベクトル算出
    ステップ、後記平滑誤差共分散行列算出ステップ、後記
    ゲイン行列算出ステップ、に出力し、切り替わる時刻よ
    り前は、ドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出
    し、後記ゲート用予測観測ベクトル算出ステップ、後記
    残差共分散行列算出ステップ、後記平滑ベクトル算出用
    予測観測ベクトル算出ステップ、後記平滑ベクトル算出
    用予測観測ベクトル算出ステップ、後記平滑誤差共分散
    行列算出ステップ、後記ゲイン行列算出ステップ、に出
    力し、切り替わる時刻には、後記ゲート用予測観測ベク
    トル算出ステップ、後記残差共分散行列算出ステップ、
    にドップラシフトを考慮しない観測モデルを算出及び出
    力し、後記ゲイン行列算出ステップ、にドップラシフト
    を考慮した観測行列を算出及び出力する観測行列算出ス
    テップと、 前記予測ベクトルと、前記観測行列を用いて、ゲート判
    定に用いる予測観測ベクトルを算出するゲート用予測観
    測ベクトルの算出ステップと、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基
    づいて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行
    列の設定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残
    差共分散行列の算出ステップと、 前記予測観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであ
    るか否かのゲート判定を行うゲート判定ステップと、 ドップラシフトを考慮した観測モデルにより構成された
    フィルタに切り替わる時刻より前及び後は、前記予測ベ
    クトル及び前記観測行列より、後記平滑ベクトル算出ス
    テップで用いる予測観測ベクトルを算出し、ドップラシ
    フトを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに
    切り替わる時刻では、前記予測ベクトルより、後記平滑
    ベクトル算出ステップで用いる予測観測ベクトルを算出
    する平滑ベクトル算出用予測観測ベクトルの算出ステッ
    プと、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列とを用いて、フィルタゲイン行列を算出する
    ゲイン行列の算出ステップと、 ゲート判定で追尾目標の探知データと判定された前記観
    測ベクトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクト
    ル、及び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出
    する平滑ベクトルの算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて、平滑誤差共分散行列を算出
    する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、 追尾処理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場
    合には、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終
    了判定ステップと、 を備えたことを特徴とする目標追尾方法。
  10. 【請求項10】 目標観測装置から入力される観測ベク
    トルに基づいて追尾目標の航跡を算出するための目標追
    尾方法であって、 後記平滑ベクトルと後記平滑誤差共分散行列の初期値を
    設定する初期値の設定ステップと、 前記目標観測装置から現時刻の観測ベクトルを読み込む
    観測ベクトルの入力ステップと、 前時刻の平滑ベクトルから予測ベクトルを算出する予測
    ベクトルの算出ステップと、 駆動雑音共分散行列を設定する駆動雑音共分散行列の設
    定ステップと、 前時刻の平滑誤差共分散行列と前記駆動雑音共分散行列
    とから予測誤差共分散行列を算出する予測誤差共分散行
    列の算出ステップと、 フィルタの切り替え時刻を入力とし、フィルタに用いる
    観測モデルに設定するドップラシフト時定数を算出する
    フィルタ用ドップラシフト時定数の算出ステップと、 フィルタの切り替え時刻情報を入力とし、ドップラシフ
    トを考慮した観測モデルにより構成されたフィルタに切
    り替わる時刻以後は、前記予測値を用いて、観測行列を
    算出し、切り替わる以前は、ドップラシフトを考慮しな
    い観測モデルを出力する観測行列算出ステップと、 前記予測ベクトル及び前記観測行列から予測観測ベクト
    ルを算出する予測観測ベクトルの算出ステップと、 前記観測ベクトルの精度評価に関連したパラメータに基
    づいて観測雑音共分散行列を設定する観測雑音共分散行
    列の設定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて残差共分散行列を算出する残
    差共分散行列の算出ステップと、 前記予測観測ベクトルと前記観測ベクトルとを用いて残
    差ベクトルを算出するとともに、前記残差共分散行列を
    用いて、前記観測ベクトルが追尾目標の探知データであ
    るか否かのゲート判定を行うゲート判定ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記残差共分散行列、及び前
    記観測行列とを用いて、フィルタゲイン行列を算出する
    ゲイン行列の算出ステップと、 ゲート判定で追尾目標の探知データと判定された観測ベ
    クトル、前記予測ベクトル、前記予測観測ベクトル、及
    び前記ゲイン行列を用いて、平滑ベクトルを算出する平
    滑ベクトルの算出ステップと、 前記予測誤差共分散行列、前記観測雑音共分散行列、及
    び前記観測行列とを用いて、前記平滑誤差共分散行列を
    算出する平滑誤差共分散行列の算出ステップと、 追尾処理終了か否かを判定して、追尾処理を続行する場
    合には、前記観測ベクトルの入力ステップに戻る追尾終
    了判定ステップと、 を備えたことを特徴とする目標追尾方法。
JP2001327920A 2001-10-25 2001-10-25 目標追尾装置及び目標追尾方法 Expired - Lifetime JP4080722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327920A JP4080722B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 目標追尾装置及び目標追尾方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327920A JP4080722B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 目標追尾装置及び目標追尾方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003130949A true JP2003130949A (ja) 2003-05-08
JP4080722B2 JP4080722B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=19144074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001327920A Expired - Lifetime JP4080722B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 目標追尾装置及び目標追尾方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4080722B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007071600A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Nec Corp 航跡生成システム、その誤差共分散行列初期値設定装置、航跡生成方法およびその誤差共分散行列初期値設定方法
JP2009014596A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Mitsubishi Electric Corp 目標追尾装置及び目標追尾方法
JP2011047881A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Toshiba Corp 目標追跡装置
CN109031269A (zh) * 2018-06-08 2018-12-18 上海西井信息科技有限公司 基于毫米波雷达的定位方法、系统、设备及存储介质
JPWO2018038128A1 (ja) * 2016-08-26 2019-06-24 日本電気株式会社 移動目標探知システム及び移動目標探知方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104777469B (zh) * 2015-04-21 2017-10-17 电子科技大学 一种基于量测误差协方差矩阵范数的雷达节点选择方法
KR102174056B1 (ko) * 2020-03-20 2020-11-04 엘아이지넥스원 주식회사 Gpu 기반의 레이더 신호 처리 시스템 및 이의 신호 처리 방법

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007071600A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Nec Corp 航跡生成システム、その誤差共分散行列初期値設定装置、航跡生成方法およびその誤差共分散行列初期値設定方法
JP2009014596A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Mitsubishi Electric Corp 目標追尾装置及び目標追尾方法
JP2011047881A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Toshiba Corp 目標追跡装置
JPWO2018038128A1 (ja) * 2016-08-26 2019-06-24 日本電気株式会社 移動目標探知システム及び移動目標探知方法
US11125870B2 (en) 2016-08-26 2021-09-21 Nec Corporation Moving-target detection system and moving-target detection method
CN109031269A (zh) * 2018-06-08 2018-12-18 上海西井信息科技有限公司 基于毫米波雷达的定位方法、系统、设备及存储介质
CN109031269B (zh) * 2018-06-08 2020-07-07 上海西井信息科技有限公司 基于毫米波雷达的定位方法、系统、设备及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP4080722B2 (ja) 2008-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110221276B (zh) 激光雷达的标定方法、装置、计算机设备和存储介质
US20190195631A1 (en) Positioning method, positioning device, and robot
CN110118556A (zh) 一种基于协方差交叉融合slam的机器人定位方法及装置
KR101390466B1 (ko) 이동로봇 및 레이저 스캐너가 고속으로 움직일 때 측정된 스캔 거리 데이터들의 동적 오차 보정 방법 및 이를 이용한 스캔 거리 데이터 측정 장치
CN102257448B (zh) 使用切换模型对信号进行滤波的方法和设备
JP2011064484A (ja) センサバイアス推定装置
CN111177295A (zh) 建图重影消除方法、装置、计算机可读存储介质及机器人
JP2003130949A (ja) 目標追尾装置及び目標追尾方法
EP1862813A1 (en) A method for estimating the position of a sound source for online calibration of auditory cue to location transformations
JP5230132B2 (ja) 目標追尾装置及び目標追尾方法
Mourikis et al. On the treatment of relative-pose measurements for mobile robot localization
KR20110081701A (ko) 캘리브레이션 장치
CN116929343A (zh) 位姿估计方法、相关设备及存储介质
JP2002341943A (ja) サーボモータの位置データをモーションコントローラへ入力する方法およびその方法を実施する装置
JP2020095471A (ja) 推定装置、訓練装置、推定方法及び訓練方法
JP3926602B2 (ja) 目標追尾装置及び方法
JP3499727B2 (ja) スケール抽出型レーダイメージ解析装置
Lenac et al. Revival of filtering based SLAM? Exactly sparse delayed state filter on Lie groups
Saúde et al. Single beacon acoustic navigation for an AUV in the presence of unknown ocean currents
JP2001091622A (ja) 目標位置観測装置
JP2021169990A (ja) 測位システム、方法及びプログラム
JP2004239678A (ja) 移動体の航跡分析装置及び分析方法
JPH07244735A (ja) 3次元形状復元方法および装置
Nebot Simultaneous localization and mapping 2002 summer school
JP2001228245A (ja) 目標追尾装置および目標追尾方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4080722

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term