JP2003129670A - 補修吹付け工法 - Google Patents

補修吹付け工法

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JP2003129670A
JP2003129670A JP2001323191A JP2001323191A JP2003129670A JP 2003129670 A JP2003129670 A JP 2003129670A JP 2001323191 A JP2001323191 A JP 2001323191A JP 2001323191 A JP2001323191 A JP 2001323191A JP 2003129670 A JP2003129670 A JP 2003129670A
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cement mortar
quick
polymer cement
compressed air
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JP2001323191A
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Akitoshi Araki
昭俊 荒木
Akio Takahashi
秋男 高橋
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定したモルタルの吹付が可能で、優れた初
期強度発現性を持った補修部材を施工することができ、
しかも、携帯可能な軽量小型吹付ガンを使用した補修吹
付け工法を提供すること。 【解決手段】 ポリマーセメントモルタルを貯蔵するた
めのホッパー2と、ポリマーセメントモルタルを定量的
にスクリューフィーダー3へ供給するためのバイブレー
ター4と、ポリマーセメントモルタルをノズルまで輸送
するためのスクリューフィーダーと、スクリューフィー
ダーとバイブレーターを駆動させるための電動モーター
6と、圧縮空気を供給するための圧縮空気と急結剤の挿
入管を導入したノズル5とから構成された携帯可能な軽
量小型吹付ガンを使用して、コンクリート構造物の劣化
部を取り除いた構造物断面に急結ポリマーセメントモル
タルを吹付けて補修することを特徴とする、劣化したコ
ンクリート構造物の補修吹付け工法を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は劣化したコンクリー
ト構造物の劣化部を取り除いたコンクリート構造物断面
に、急結剤を添加した急結ポリマーセメントモルタルを
吹付けることにより補修する補修吹付け工法に関する。 【0002】 【従来の技術】コンクリート構造物は、塩害、中性化、
凍結融解及び化学的腐食等の作用により劣化が進行し、
表面にひび割れや浮き等が発生する恐れがある。その対
策として、劣化した部分を打撃検査等で確認し、電動ピ
ック、エアピック、ウォータージェット等により取り除
き、補修部材で充填し補修する工事が行われている。コ
ンクリート構造物の劣化については、全ての構造物断面
(大断面)が劣化している場合以外に、部分的に構造物
断面(小断面)が劣化してひび割れや浮きが認められる
場合がある。後者の場合、大断面を取り除くのではな
く、劣化部分のみを取り除き補修する工法が採用されて
いる。劣化部分のみを補修する工法としては、モルタル
をコテで塗りつけて補修する工法が挙げられる。従来の
コテ塗りによる断面補修は、練り混ぜたモルタルを補修
断面に塗り付けて施工することから、ある程度平滑な断
面でないと作業性が悪くなり、モルタルの付着性も悪く
なる恐れがあった。また、劣化が激しい場合は既設構造
物中の鉄筋裏側まで取り除く場合が多いが、コテにより
鉄筋裏側まで密実に充填することは難しいため内部に空
洞ができる恐れがあった。空洞ができるとモルタルによ
り断面補修したにも関わらず、付着不良や十分な耐久性
が得られない等の問題が発生する恐れがあった。これに
代わる工法としては、大断面補修に採用されている吹付
け工法の適用が挙げられる。吹付けによる補修工法で
は、モルタルをポンプで圧送し、圧縮空気と混合し、モ
ルタルを吹き飛ばして施工するため、補修断面への付着
性が優れ、鉄筋裏側への密実な充填が容易という、高品
質の補修部材が得られ、施工スピードも速いという利点
があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吹付工
法を小断面補修へそのまま適用すると、補修に必要な材
料が少ない割には施工設備が大きくなって工事費がかか
り、準備や後片付け等に手間がかかる等の課題があっ
た。また、モルタルの圧送ホース長の関係で作業スペー
スが限定され、作業スペース外へ移動して工事を行う時
は吹付設備一式も移動しなければならない等の課題もあ
った。従って、従来のコテ塗り作業のように施工を大幅
に中断することなく、別の補修箇所に簡単に移動でき
る、軽量で小型の吹付ガンを使用した断面補修工法が要
望されるようになった。本発明者は、課題を解決するた
めに鋭意検討を重ねた結果、安定したモルタルの吹付が
可能で、優れた初期強度発現性を持った補修部材を施工
することができ、しかも、携帯可能な軽量小型吹付ガン
を使用した補修吹付け工法を開発することに成功した。 【0004】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリマ
ーセメントモルタルを貯蔵するためのホッパーと、ポリ
マーセメントモルタルを定量的にスクリューフィーダー
へ供給するためのバイブレーターと、ポリマーセメント
モルタルをノズルまで輸送するためのスクリューフィー
ダーと、スクリューフィーダーとバイブレーターを駆動
させるための電動モーターと、圧縮空気を供給するため
の圧縮空気と急結剤の挿入管を導入したノズルとから構
成された携帯可能な軽量小型吹付ガンを使用して、ホッ
パーに投入したポリマーセメントモルタルをスクリュー
フィーダーにより輸送した後に、圧縮空気挿入管から噴
出された圧縮空気と急結剤を合流混合した急結ポリマー
セメントモルタルを調製し、コンクリート構造物の劣化
部を取り除いた構造物断面に急結ポリマーセメントモル
タルを吹付けて補修することを特徴とする、劣化したコ
ンクリート構造物の補修吹付け工法である。 【0005】 【本発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する
(図1参照)。 【0006】本発明で使用する吹付ガン1は、ポリマー
セメントモルタルを貯蔵するためのホッパー2と、ポリ
マーセメントモルタルを定量的にスクリューフィーダー
3へ供給するためのバイブレーター4と、ポリマーセメ
ントモルタルをノズル5まで輸送するためのスクリュー
フィーダー3と、スクリューフィーダー3とバイブレー
ター4を駆動させるための電動モーター6と、圧縮空気
を供給するための急結剤挿入管8を装備した圧縮空気挿
入管7を導入したノズル5とから構成するものであり、
軽量で小型なため携帯可能なものである。 【0007】ポリマーセメントモルタルを貯蔵するため
のホッパー2は、下部にボディー9を接続しており、ホ
ッパー2に貯蔵されたポリマーセメントモルタルは、ボ
ディー9後端に設けられた、スクリューフィーダー3へ
の落下口10から、ボディー9へ落下する。ポリマーセ
メントモルタルを貯蔵するためのホッパー2の容量は、
特に限定されるものではないが、吹付作業がスムーズに
進行できるよう5リットル以下であれば特に問題ない。
5リットルを越えると重量が増加するので手持ちで吹付
作業を実施するのに労力を必要とする恐れがある。ホッ
パー2の形状は、特に限定されるものではないが、ポリ
マーセメントモルタルがスクリューフィーダー3に落下
しやすい形状が好ましい。ホッパー2は、蓋を付けても
よい。 【0008】ポリマーセメントモルタルを定量的にスク
リューフィーダー3へ供給するためのバイブレーター4
は、バイブレーター4とスクリューフィーダー3を駆動
させるための電動モーター6と、シャフト11に取り付
けたバイブレーター作動板12により連動し動作する方
式であり、スクリューフィーダー3への落下口上部に装
備したものである。バイブレータ4の形状は棒状であ
り、スクリューフィーダー3を駆動させるとシャフト1
1とバイブレーター作動板12を介して同時に、バイブ
レーター4が振動しポリマーセメントモルタルの落下を
促し、ポリマーセメントモルタルを定量的にスクリュー
フィーダー3へ供給できるものである。 【0009】スクリューフィーダー3はボディー9内に
内装されており、ホッパー2からノズル5までポリマー
セメントモルタルを輸送するものであり、シャフト11
に取り付けたものである。スクリューフィーダー3の形
状及びスクリューのピッチは、特に限定されるものでは
ない。本発明ではスクリューフィーダー3の回転数を調
整できるものであり、一定の回転数で作動させればポリ
マーセメントモルタルを安定して吐出できる。 【0010】電動モーター6は、バイブレーター4とス
クリューフィーダー3を駆動させるもので、シャフト1
1に連結しているものである。電動モーター6の種類
は、特に限定されるものではないが、一般的に市販され
ている電動モーターであれば使用できる。 【0011】ノズル5は、ボディー9先端に設けてお
り、ポリマーセメントモルタルの流れに沿って、圧縮空
気を供給するための圧縮空気挿入管7と急結剤挿入管8
を導入したものである。また、ノズル5は、ノズル先端
の向きを自在に360°回転できる。そして、急結ポリ
マーセメントモルタルの最適な吹付条件と最適な補修部
材性状を得るためのものである。 【0012】圧縮空気挿入管7は、後端に圧縮空気の流
量を調製するためのバルブ13が設けられ、圧縮空気を
噴出する先端はノズル5内部に設置されている。圧縮空
気の流量を微調整し、ノズル5から吐出されるポリマー
セメントモルタルの分散性を調整できる点で、圧縮空気
挿入管7先端とノズル5先端との距離が可変であること
が好ましい。圧縮空気挿入管7先端とノズル5先端との
距離を変えるには、圧縮空気挿入管7を、ポリマーセメ
ントモルタルの流れに沿って、ノズル5内に差し込み、
圧縮空気挿入管7先端の位置を調整し、固定ネジ14に
より圧縮空気挿入管7を固定することが好ましい。 【0013】急結剤挿入管8は、圧縮空気挿入管7に装
備しバルブ16によって急結剤添加の開閉が行える。急
結剤挿入管8の位置は、圧縮空気と共にミスト状にポリ
マーセメントモルタルと合流混合される位置であればよ
い。圧縮空気の合流混合方式は、特に限定されるもので
はないが、上記のように、輸送されるモルタルの流れに
対して同一方向に圧縮空気が挿入されるように孔を設け
て圧縮空気挿入管を設置して合流させる差込方式の他
に、ノズルとスクリューフィーダー出口間に二重管を接
続し、内側管内にモルタルを輸送し、外側管内に圧縮空
気を導入して合流する方式等が挙げられる。急結剤挿入
管8は、圧縮空気挿入管7に孔を設けて接続され、ポリ
マーセメントモルタルが分散された状態で急結剤が合流
混合される。急結剤の合流混合方式は、特に限定される
ものではないが、上記のように、圧縮空気挿入管に急結
剤が添加されるように急結剤挿入管を接続し、圧縮空気
で分散した急結剤がポリマーセメントモルタルに合流混
合される方式等が挙げられる。急結剤が液体であれば一
般的な液体を圧送するポンプを使用し、粉体であれば圧
縮空気で輸送する粉体急結剤添加機を使用する。 【0014】ノズル5先端の急結ポリマーセメントモル
タル吐出口の口径は、6〜16mmが好ましく、8〜1
4mmがより好ましい。6mm未満だと急結ポリマーセ
メントモルタルが閉塞する恐れがあり、16mmを越え
ると急結ポリマーセメントモルタルがノズル5先端から
吹き飛ばされず、ノズル5先端からダレが生じる恐れが
ある。 【0015】吹付ガン1には、電動モーター操作スイッ
チ15(以下、スイッチという)を設け、スイッチ15
の入り切りにより、バイブレーター4とスクリューフィ
ーダー3を作動させる。吹付ガン1にスイッチ15を設
けることにより、作業者が一人で簡単かつ迅速に吹付作
業を行うことができる。また、スイッチ15を吹付ガン
1に設けず、リモコンスイッチとしてもよい。 【0016】圧縮空気を供給するコンプレッサは、特に
限定されるものではないが、空気消費量が0.1m3
min以上の能力があるコンプレッサであれば使用でき
る。 【0017】本発明で使用する急結ポリマーセメントモ
ルタルは、水硬性物質、急結剤、砂及び水からなる急結
性のセメントモルタルと、ポリマーとを併用したもので
あり、耐久性を重視した補修部材として使用できる。ま
た、急結ポリマーセメントモルタルに砂利を混合し、急
結ポリマーセメントコンクリートとして使用してもよ
い。 【0018】本発明で使用する水硬性物質とは、JIS
で規定されているポルトランドセメント類、及びこれら
にシリカヒューム、石灰石微粉末、高炉スラグ、フライ
アッシュ及び粘土鉱物等を併用したもの等が挙げられ
る。これらの中では、ポリマーセメントモルタルの圧送
性の点で、JISで規定されたポルトランドセメント類
が好ましい。 【0019】さらに、減水剤、AE剤、抗菌剤、増粘剤、
防錆剤及び繊維等を併用してもよい。 【0020】本発明で使用する砂や砂利は特に限定され
るものではないが、川砂、山砂、川砂利、珪砂、石灰砂
及び石灰砂利等が使用できる。 【0021】水を練混ぜる場合、使用現場で水硬性材
料、砂及び水を別々に添加して練り混ぜてもよく、予め
水硬性物質と砂を混合したプレミックスドライモルタル
と、水とを現場で練り混ぜて使用してもよい。 【0022】本発明で使用するポリマーは、セメントモ
ルタル中の空隙を埋め、炭酸ガス、水及び塩化物イオン
の浸透性を低下させるので、耐久性を向上させる効果を
有する。ポリマーの種類は、JIS A 6203で規
定されているセメント混和用ポリマーであれば使用でき
る。ポリマーとしては、水性ポリマーディスパージョン
や再乳化形粉末樹脂に分類されるものが挙げられ、具体
的には、スチレン−ブタジエンゴム、ポリアクリル酸エ
ステル、エチレン酢酸ビニル及び酢酸ビニルビニルバー
サテート等が挙げられる。これらの中では、効果が大き
い点で、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。 【0023】水性ポリマーディスパージョンに分類され
るポリマーは、現場で練り混ぜる時に混合すればよく、
再乳化形粉末樹脂に分類されるポリマーは、予めプレミ
ックスドライモルタルに混合しておいてもよく、現場で
練り混ぜる時に混合してもよい。 【0024】ポリマーの使用量は、セメントモルタル1
00質量部に対して、固形分換算で0.5〜6質量部が
好ましく、1〜4質量部がより好ましい。0.5質量部
未満だとコンクリート構造物との接着性が劣る恐れがあ
り、6質量部を越えると強度発現性が低下する恐れがあ
る。 【0025】急結剤は、初期強度発現性を向上させるた
めに輸送中のポリマーセメントモルタルに合流混合して
使用するものであり、一般に市販されている急結剤であ
れば使用可能である。急結剤を使用することで凝結が促
進され厚さ10cm以上の厚吹きが可能となる。例え
ば、カルシウムアルミネート系急結剤(粉体)、カルシ
ウムサルホアルミネート系急結剤(粉体)、アルミン酸
塩系急結剤(粉体又は液体)、硫酸アルミニウムを主成
分とする急結剤(粉体又は液体)、ケイ酸塩を主成分と
する急結剤(粉体又は液体)等が挙げられる。作業性を
考慮すると液体の急結剤の使用が好ましい。 【0026】急結剤の使用量は、セメントモルタル10
0質量部に対して、固形分換算で0.5〜7質量部が好
ましく、2〜5質量部がより好ましい。0.5質量部未
満だと十分な短時間強度が発現しない恐れがあり、7質
量部を越えると長期の強度発現性を阻害する恐れがあ
る。 【0027】水/セメントモルタル比は、11〜16%
が好ましく、12〜15%がより好ましい。11%未満
だと圧送性に支障を来たす恐れがあり、16%を越える
十分な強度発現性が得られない恐れがある。尚、ここで
いう水には、水性ポリマーディスパージョン中の水を含
むものである。 【0028】ポリマーセメントモルタルの練り混ぜは、
ミキサを使用するものである。ミキサの種類については
特に限定されるものではないが、練り混ぜ効率が大きい
もの程、短時間に均一なポリマーセメントモルタルを調
製できる点で、好ましい。ミキサとしては、ハンドミキ
サ、パン型ミキサ、及び羽根全体が公転し、一部の羽根
が自転しながら練り混ぜる強制練りミキサ等が挙げられ
る。 【0029】本発明で使用する補修吹付け工法は、コン
クリート構造物の劣化部を削り取り、削り取ったコンク
リート構造物断面の表面に急結ポリマーセメントモルタ
ルを吹付けることにより、コンクリート構造物を元に補
修する工法である。尚、削り取ったコンクリート構造物
断面と急結ポリマーセメントモルタルの付着力向上の点
で、吹付作業の前に、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等、一般に市販されているプライマー液を散布又は塗布
してもよい。 【0030】本発明で使用する吹付工法は、以下のよう
に行う。練り混ぜたポリマーセメントモルタルを吹付ガ
ン1のホッパー2に詰めると共に、ノズル5に導入した
圧縮空気挿入管7から圧縮空気を圧送する。次に、スイ
ッチ15を入れて電動モーター6を駆動させ、バイブレ
ーター4とスクリューフィーダー3を作動させる。する
と、ホッパー2内のポリマーセメントモルタルは、ボデ
ィー9内に内装したスクリューフィーダー3を経てノズ
ル5へ輸送され、圧縮空気挿入管7と急結剤挿入管8の
先端から噴出した圧縮空気と急結剤を伴ってノズル5先
端から吹き飛ばされる。修復箇所が均一に急結ポリマー
セメントモルタルで充填されるように、ノズル5先端か
ら吹付面までの距離をコントロールしながら吹付を行
う。その際、急結ポリマーセメントモルタルの付着力が
最大限になるように、ノズル5先端から吹付面までの距
離を50cm以内にすることが好ましく、消費する圧縮
空気量を0.1m3/min以上に設定することが好ま
しい。 【0031】急結剤を添加するので、補修箇所の断面深
さが100mm程度であれば、1回の吹付で充填でき
る。最終的にコテ仕上げを行う必要がある場合は、急結
剤の添加を止め、モルタルのみで10mm程度表面を吹
付けてから行う。 【0032】補修箇所の表面のひび割れ発生を抑制する
ために、急結ポリマーセメントモルタル硬化後、コテに
よる仕上げ面にエチレン−酢酸ビニル共重合体等のプラ
イマー液を散布又は塗布することが好ましい。 【0033】 【実験例】以下、実験例に基づき詳細に説明する。 【0034】実験例1 縦30cm×横30cm×厚さ6cmのコンクリート製
舗道板(市販品)の表面をジェットたがねでケレン後、
径6mm×ピッチ10cmのラス網を、ケレン後の表面
とラス網の間隔が2cmになるように、アンカーピンを
ラス網の四隅に打ち込み、針金で固定した。その後、ケ
レン後の表面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる
プライマー液を塗布した後、ラス網を固定したコンクリ
ート製舗道板を垂直に配置し、ケレン後の表面からの厚
さが6cmになるよう、表1に示す配合の急結ポリマー
セメントモルタルを、図1の吹付ガン1により垂直面
に、吹付けた。尚、吹付ガン1のホッパー2としては、
容量2リットル、蓋付きのものを用いた。そして、急結
ポリマーセメントモルタルを吹付けたコンクリート製舗
道板を供試体とし、付着強度、変動係数、及び充填状況
を測定した。結果を表1に示す。 【0035】(使用材料) セメントモルタル:市販品、断面修復材、湿式吹付け用
モルタル、比重2.8 ポリマー:市販品、スチレン−ブタジエンゴム水性ディ
スパージョン、濃度45%、比重1.0 急結剤A:市販品、アルミン酸塩系 急結剤B:市販品、25%硫酸アルミニウム水溶液 急結剤C:市販品、3号水ガラス 【0036】(吹付条件) 圧縮空気流量:0.4m3/min モルタル吐出量:0.18m3/hr 吹付距離(ノズル5先端から吹付面までの距離):30
〜40cm ノズル5先端の口径:30cm 【0037】(測定方法) 圧縮強度:4×4×16cmの三連型枠に直接吹付けて
供試体を採取し、所定材齢(1時間、3時間、1日、2
8日)において、圧縮強度試験機で測定した。 付着強度:供試体につき、温度20℃、湿度60%の部
屋で28日間保管し、コアドリル(径5.5cm)で供
試体表面から1cm程度深く削孔し、材齢28日後の付
着強度を建研式付着試験機により測定した。変動係数:
材齢28日で測定した9本の供試体の付着強度から、下
記式により変動係数を求めた。 変動係数(%)=(付着強度の標準偏差/平均値)×1
00 厚吹き性:モルタル吐出量0.18m3/hr、空気流
量0.4m3/minの条件で、吹付け面に対して30
cmの距離から横壁に20秒間吹付け、付着したモルタ
ルの高さを測定した。 充填状況の観察:ラス網の鉄筋が通っている部分に沿っ
て、供試体をコンクリートカッターで9分割されるよう
に切断し、空隙の有無を観察した。 【0038】 【表1】【0039】表1より、本発明の補修吹付け工法による
吹付け急結ポリマーセメントモルタルは、初期強度発現
性が優れ、付着強度が大きく、バラツキが少なく、厚吹
きが可能であり、且つモルタル層に空隙が無い良好な充
填状況を示していることが判る。 【0040】 【発明の効果】本発明で使用する補修吹付け工法は、コ
テ塗りが適用される部分的な小断面の補修に適用でき、
従来のようにコテで塗りつけた補修部材と比較して、劣
化部を取り除いた断面との密着性や付着強度に優れ、作
業時間が短く、鉄筋がある場合等、複雑な補修箇所への
施工においても充填性が優れるので、安定した断面補修
が可能となる。また、付着強度の変動係数も小さいの
で、均一で安定した断面補修が可能となる。さらに、初
期強度発現性が優れるため剥離等の心配がなく、補修深
さが深くても厚吹き性に優れるので、1回の作業で補修
が完了する。そして、消費する圧縮空気量が少なくて済
むので、急結ポリマーセメントモルタルの圧送抵抗が小
さく、小型のコンプレッサを使用でき、そして駆動力の
小さい電動モーターを使用できる。そのため、本発明で
使用する吹付ガンは、軽量で小型となり、携帯可能とな
るので、別の補修箇所へも簡単に移動できる。さらに、
圧縮空気挿入管先端とノズル先端の距離が可変であるこ
とにより、圧縮空気の流量を微調整し、ノズルから吐出
される急結ポリマーセメントモルタルの分散性を調整で
きる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明で使用する吹付ガンの断面図と正面図で
ある。 【符号の説明】 1 吹付ガン 2 ホッパー 3 スクリューフィーダー 4 バイブレーター 5 ノズル 6 電動モーター 7 圧縮空気挿入管 8 急結剤挿入管 9 ボディー 10 落下口 11 シャフト 12 バイブレーター作動板 13 バルブ 14 固定ネジ 15 電動モーター操作スイッチ(スイッチ) 16 バルブ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリマーセメントモルタルを貯蔵するた
    めのホッパーと、ポリマーセメントモルタルを定量的に
    スクリューフィーダーへ供給するためのバイブレーター
    と、ポリマーセメントモルタルをノズルまで輸送するた
    めのスクリューフィーダーと、スクリューフィーダーと
    バイブレーターを駆動させるための電動モーターと、圧
    縮空気を供給するための圧縮空気と急結剤の挿入管を導
    入したノズルとから構成された携帯可能な軽量小型吹付
    ガンを使用して、ホッパーに投入したポリマーセメント
    モルタルをスクリューフィーダーにより輸送した後に、
    圧縮空気挿入管から噴出された圧縮空気と急結剤を合流
    混合した急結ポリマーセメントモルタルを調製し、コン
    クリート構造物の劣化部を取り除いた構造物断面に急結
    ポリマーセメントモルタルを吹付けて補修することを特
    徴とする、劣化したコンクリート構造物の補修吹付け工
    法。
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