JP4536903B2 - 急結性セメントコンクリート及び吹付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばトンネル掘削工事における地山の補強や掘削面の安定化のために行われる急結性セメントコンクリートと吹付方法に関する。
なお、本発明ではペースト、モルタル、及びコンクリートを総称してセメントコンクリートと言う。
【0002】
【従来の技術】
従来からトンネルの掘削時に掘削面の剥落や湧水による崩壊を防ぐために、セメントコンクリートと急結剤を混合した急結性セメントコンクリートを吹付ける吹付方法が行われている。
【0003】
急結性セメントコンクリートの吹付方法は、乾式法と湿式法に大別される。乾式法は例えば、セメント、骨材、及び急結剤等を含有した混合物を圧縮空気と共に配管内を輸送し、吹付ノズル手前で別の配管から水を添加、混合し、急結性セメントコンクリートを調製し、吹付ける方法である。湿式法は例えば、急結剤以外の材料と水を混合したセメントコンクリートを圧縮空気あるいはピストンポンプ等で配管内を輸送し、吹付ノズル手前で別の配管から急結剤を添加し、急結性セメントコンクリートを調製し、吹付ける方法である。
【0004】
いずれの方法も吹付ノズル手前に合流管を設けて二つの配管を繋げ、該合流管で各材料を合流、混合して急結性セメントコンクリートを調製し、吹付けることを特徴としている。即ち、乾式法は、合流管の一方からセメント、骨材、及び急結剤等を含有した混合物を輸送し、合流管の他方から水を合流管へ輸送し、両者を合流、混合して急結性セメントコンクリートを調製する方法である。湿式法は、合流管の一方から急結剤以外の材料からなるセメントコンクリートを輸送し、合流管の他方から急結剤を合流管へ輸送し、両者を合流、混合して急結性セメントコンクリートを調製する方法である。
【0005】
通常は急結性セメントコンクリートを吹付けて、目的とする地山に急結性セメントコンクリートを定着させる。その時、一部の急結性セメントコンクリートは粉塵となって周囲に浮遊し、作業環境を悪くする。又、一部の急結性セメントコンクリートは地山に到達しても定着せずに跳ね返り、リバウンドと称する損失が生じる。これらの粉塵やリバウンドは、急結性セメントコンクリートが均一に混合されていないか、あるいは吹付に使用する圧縮空気量が最適化されていないために生じると考えられる。
【0006】
即ち、粉塵やリバウンドは、合流管の先でセメント、骨材、急結剤、及び水が十分に混ざらないか、あるいはセメントコンクリートと急結剤が十分に混ざらないために発生すると考えられる。
【0007】
これらの粉塵やリバウンドを減らすためには、合流管から先の位置で、急結剤とセメントコンクリートを均一に混合させる必要があり、従来から合流管の先に数メートルの配管を繋いで合流管の先で急結剤とセメントコンクリートを混合する方法が実施されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、合流管の先にさらに数メートルの配管を繋いた場合、配管内で急結性セメントコンクリートが硬化して配管が詰まるおそれがあるという課題があった。特に急結性セメントコンクリートを長時間吹付けると、配管や吹付ノズルの内部に急結性セメントコンクリートが徐々に付着し、配管や吹付ノズルが詰まりやすくなるおそれがあるという課題があった。
【0009】
本発明者は上記課題を解決するために種々検討した結果、従来のように合流管を用いず、特定の構造からなる吹付ノズルを使用することにより上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、 (1)セメントコンクリートを輸送してなる内管と、(2)(2−1)水を輸送してなる配管とを接続する水接続口と(2−2)液体急結剤を輸送してなる配管を接続する液体急結剤接続口を設けて液体急結剤を輸送する外管とを有してなり、内管を内側に、外管を外側に配置してなる二重管構造からなる吹付ノズルであり、(1)セメントコンクリートを輸送してなる内管と、(2)(2−1)液体急結剤と混合する水を輸送してなる配管を接続する水接続口を(2−2)硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送してなる配管を接続する液体急結剤接続口より吹付ノズル先端側に設けてなる、硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送する外管とを、有してなり、内管を内側に、外管を外側に配置してなる二重管構造からなり、(3)液体急結剤接続口と水接続口のうち、吹付ノズル先端側にある接続口の取り付け位置を、吹付ノズル先端から、内管と外管の間隔の距離h以上に設け、かつ、吹付ノズル先端から距離hの20倍を越える手前側に設けず、(4)外管の先端が内管の先端と同一面上にあることを特徴とする吹付ノズルであり、(1)セメントコンクリートを輸送してなる内管と、(2)(2−1)液体急結剤と混合する水を輸送してなる配管を接続する水接続口を(2−2)硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送してなる配管を接続する液体急結剤接続口より吹付ノズル先端側に設けてなる、硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送する外管とを、有してなり、内管を内側に、外管を外側に配置してなる二重管構造からなり、(3)液体急結剤接続口と水接続口のうち、吹付ノズル先端側にある接続口の取り付け位置を、吹付ノズル先端から、内管と外管の間隔の距離h以上に設け、かつ、吹付ノズル先端から距離hの20倍を越える手前側に設けず、(4)外管の先端が内管の先端と同一面上にあることを特徴とする吹付ノズルを用いて、(1)セメントコンクリートと、(2’)(2−1)硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤、及び、(2−2)液体急結剤中の水の合計の使用量が、液体急結剤(成分換算)100質量部に対して30〜200質量部になるように調整した、液体急結剤と混合する水を、混合してなる液体急結剤希釈物とを、吐出後に合流、混合してなることを特徴とする湿式吹付方法であり、(1)セメントコンクリートの輸送にポンプを用い、(1)セメントコンクリートの輸送速度が1〜20m 3 /hrであり、内管の内径が25〜100mmであり、外管の内径が、内管の外径100に対して110〜300であることを特徴とする該湿式吹付方法であり、該湿式吹付方法により急結性セメントコンクリートを法面に吹付けた後、急結性セメントコンクリート表面をコテ仕上げすることを特徴とする法面表面のコテ仕上げ方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する(図1参照)。
【0012】
本発明はセメントコンクリートを輸送する内管1と、液体急結剤を輸送する外管2からなり、内管1を内側に、外管2を外側に配置した二重管構造を有する急結性セメントコンクリートの吹付方法であり、セメントコンクリートと液体急結剤は、内管1と外管2から吐出された後に合流、混合され、急結性セメントコンクリートとして吹付けられることを特徴とする。
【0013】
内管1と外管2の材質や形状は特に限定されないが、セメントコンクリートと液体急結剤は内管1と外管2から吐出後に混合して吹付面まで到達する必要がある。吹付面までの距離により異なるが、吹付材料をある速度以上で吐出させるために、内管1や外管2の吐出口を絞り込む形状にしたり、圧縮空気量を増やしたりしてもよい。
【0014】
内管1の内径は骨材の種類により決まるが、モルタルを使用する場合は10〜100mmが好ましく、最大寸法15mm以下の粗骨材を含むコンクリートを使用する場合は25〜100mmが好ましい。モルタルを使用した場合、10mm未満だと吹付ノズルが閉塞するおそれがある。コンクリートを使用した場合、25mm未満だと吹付ノズルが閉塞するおそれがある。100mmを越えると吹付時に多量の圧縮空気が必要となるので、粉塵やリバウンドが多くなり、大きい機械が必要になるおそれがある。
【0015】
外管2の内径は、内管1の外径100に対して110〜300が好ましく、120〜200がより好ましい。110未満だと吹付ノズルが閉塞するおそれがあり、300を越えると吹付時に多量の圧縮空気が必要となるので、粉塵やリバウンドが多くなるおそれがある。
【0016】
内管1には、セメントコンクリートを輸送するセメントコンクリート配管11を接続するセメントコンクリート接続口21を設ける。
【0017】
外管2には、液体急結剤を輸送する液体急結剤配管12を接続する液体急結剤接続口22と水を輸送する水配管13を接続する水接続口23を設ける。
【0018】
液体急結剤を用いた場合、液体急結剤配管12に液体急結剤を輸送し、水配管13に液体急結剤と混合する水を輸送することにより、水接続口23と外管2との合流点で、液体急結剤と水が合流混合され、希釈された液体急結剤として外管2から吹付けられる。液体急結剤を希釈することにより、以下の利点を有する。例えば、法面吹付の現場では、吹付後暫くしてから急結性セメントコンクリート表面をコテ仕上げすることがあるため、急結性セメントコンクリートがコテ仕上げできる程度の柔らかさを必要とする場合がある。そのためには液体急結剤を希釈することが考えられるが、本発明の吹付ノズルは、液体急結剤の希釈が容易にできるという利点を有する。
【0019】
液体急結剤接続口22と水接続口23の位置については、いずれかが吹付ノズル先端側でもよいが、液体急結剤接続口22と水接続口23のうち、吹付ノズル先端側にある接続口の取り付け位置は、吹付ノズル先端から、内管1と外管2の間隔の距離h以上吹付ノズル手前側(セメントコンクリート接続口21側)に設けることが好ましく、かつ、吹付ノズル先端から距離hの20倍を越える手前側に設けないことが好ましい。液体急結剤接続口22と水接続口23のうち、吹付ノズル先端側にある接続口が、吹付ノズル先端から距離h以上吹付ノズル手前側に設けない場合には、液体急結剤と水が十分に混合しないために急結性セメントコンクリートの性状が不均一になるおそれがある。吹付ノズル先端から距離hの20倍を越える手前側に設けると、液体急結剤と水の反応が進み、吹付ノズル内部に急結性セメントコンクリートが付着し、吹付ノズルが閉塞するおそれがある。
【0020】
本発明の吹付ノズルでは、セメントコンクリートと液体急結剤が混合後に配管内に付着、閉塞するのを防ぐために、外管2の先端が内管1の先端と同一面上にあることが好ましい。
【0021】
本発明で使用する急結剤として、液体急結剤を使用する。
【0022】
液体急結剤としては、アルミン酸カリウム、アルミン酸カリウムと炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩を混合溶解したもの、珪酸ソーダ、シリカゾル、アルミナゾル、及び硫酸アルミニウム等を溶解、過飽和したものが挙げられる。これらの中では、アルカリ成分が殆ど含まれず、急結性セメントコンクリートの長期強度発現性が低下せず、作業環境が良好で、土壌への汚染等の悪影響がない点で、硫酸アルミニウムを主成分とする液体急結剤が好ましい。
【0023】
本発明では水を使用する。セメントコンクリートの特性向上の点で、水に、粉塵低減剤や凝集剤を溶解させてもよく、凝結遅延剤、増粘剤、及び超微粉を混合してもよい。
【0024】
液体急結剤を使用する場合、水と液体急結剤中の水の合計の使用量は、吹付条件に応じて任意の量を使用できる。しかしながら、安定で、かつ、ダレない吹付を行うには、湿式吹付方法の場合、液体急結剤(成分換算)100質量部に対して30〜200質量部が好ましい。30質量部未満だと吹付に際して液体急結剤と水との混合が不十分になり、かつ、セメントの水和反応が不十分になるおそれがあり、200質量部を越えると強度発現性や急結性が低下するおそれがある。
【0025】
又、乾式吹付方法の場合、水と液体急結剤中の水の合計の使用量は、セメントコンクリート配合により規定される。例えば、セメント量350〜500kg/m3、水セメント比40〜60%、液体急結剤の使用量がコンクリート中のセメント100質量部に対して成分換算で4〜15質量部だと、水と液体急結剤中の水の合計の使用量は、液体急結剤(成分換算)100質量部に対して200〜1500質量部が好ましい。 200質量部未満だと吹付に際して液体急結剤と水との混合が不十分になり、かつ、セメントの水和反応が不十分になるおそれがあり、1500質量部を越えると強度発現性や急結性が低下するおそれがある。
【0026】
本発明の吹付ノズルは湿式及び乾式のいずれの吹付方法でも使用できる。
【0027】
湿式で吹付を行う場合、セメントコンクリートの輸送に圧縮空気を用いる方法とポンプを用いる方法のいずれも使用できる。圧縮空気を用いてセメントコンクリートを輸送する場合、輸送距離が長くなると多量の空気を必要とし、セメントコンクリートの粉塵やリバウンドが増えるおそれがあるものの、吹付機のメンテナンスや吹付後の掃除が簡単になる。ポンプを用いてセメントコンクリートを輸送する場合、吹付機のメンテナンスや吹付後の掃除が煩雑になるおそれはあるものの、圧縮空気を用いる場合に比べて粉塵やリバウンドが減る傾向がある。ポンプとしては、主にピストンポンプが使用できる。
【0028】
乾式で吹付を行う場合、セメントと骨材を輸送することが多いので、通常圧縮空気を用いて輸送する。
【0029】
本発明では、主に空気圧送により使用材料を輸送する。セメントコンクリートの輸送速度に関して特に制限はないが、1〜20m3/hrが好ましい。1m3/hr未満だと吹付に時間がかかり、作業効率が低下するおそれがあり、20m3/hrを越えると吹付面が均一になるように仕上げることが難しいおそれがある。液体急結剤の輸送速度はセメントコンクリートの配合や、液体急結剤の種類や使用量により決定する。
【0030】
液体急結剤や水を輸送する際、液体急結剤や水がセメントコンクリートと充分混合し、急結性セメントコンクリートが吹付面まで到達するために、圧縮空気と混合することが好ましい。
【0031】
本発明のセメントコンクリートに使用する材料は特に限定されるものではない。
【0032】
セメントとしては、通常のセメント、例えば普通、早強等の各種ポルトランドセメント、及びこれらのポルトランドセメントにフライアッシュ等を混合した各種混合セメント等を使用できる。
【0033】
又、必要に応じて骨材を使用できる。骨材はセメントコンクリート分野で使用されるものであるならば特に制限されず、ケイ砂や天然砂等の細骨材や、砂利等の粗骨材が使用できる。
【0034】
本発明では必要に応じて、ガラス繊維、カーボン繊維、及び鋼繊維等の繊維状物質、メチルセルロース等の水中不分離性混和剤、凝結調整剤、AE剤、減水剤、AE減水剤、流動化剤、増粘剤、保水剤、防水剤、発泡剤、起泡剤、防錆剤、着色剤、高分子ポリマーエマルジョン、高炉スラグ、フライアッシュ、並びにシリカフューム等を本発明の目的を阻害しない範囲で併用できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
図1に示すように、内径65mm、外径71mmの内管1と、内径80mm、外径86mmの外管2とからなる、二重管構造を有する吹付ノズルを作製した。
この吹付ノズルの外管には液体急結剤接続口22(内径25mm)と水接続口23(内径13mm)を設けた。なお、水接続口23は外管の端部(吹付ノズル先端部)から10cm手前に設け、液体急結剤接続口22は外管の端部から20cm手前に設けた。
次いで、内管のセメントコンクリート接続口21には、長さ20mの耐圧ゴム製のセメントコンクリート配管11を、外管の液体急結剤接続口22には、長さ20mの耐圧ゴム製からなる液体急結剤配管12を、外管の水接続口23には、長さ20mの耐圧ゴム製からなる水配管13をそれぞれ接続した。
そして、セメントコンクリート配管11にはコンクリートを、液体急結剤配管12には液体急結剤を、水配管13には水を圧送した。液体急結剤の使用量を、コンクリート中のセメント100質量部に対して成分換算で10質量部とした。水の使用量を、液体急結剤(成分換算)100質量部に対して60質量部とした。
吹付に使用したコンクリートとしては、各材料の単位量をセメント450kg/m3、水203kg/m3、細骨材1164kg/m3、及び粗骨材503kg/m3とし、さらに高性能減水剤をセメント100質量部に対して1質量部添加したものを用いた。コンクリート輸送にはピストンタイプのコンクリート用ポンプ「BSA1002」(丸矢工業製)を用い、10m3/hrの速度でコンクリート輸送した。
液体急結剤を急結剤添加装置「Lポンプ」(山田興産社製、最大能力2.6l/min)により圧送した後、急結剤添加装置の先に設けたY字管の一方に液体急結剤を供給し、Y字管の他の一方にコンプレッサー「PDS390S」(北越工業製、吐出量10m3)により圧送された4m3/minの圧縮空気を供給した。
液体急結剤と混合する水はプランジャポンプ「TA−3DX」(有光工業社製、最大能力21l/min)により輸送した。
上記吹付設備と吹付材料を用いて急結性コンクリート1m3を6分間、模擬トンネルの壁面に吹付け、リバウンド率と強度を評価した。
その結果、急結性コンクリートのリバウンド率は12%、強度は、材齢3時間で2.2N/mm2、材齢1日で15.3N/mm2、材齢28日で45.2N/mm2であった。又、粉塵は少なかった。
【0037】
(使用材料)
セメントα:市販品、普通ポルトランドセメント、比重3.15
細骨材:新潟県姫川産川砂、比重2.62、FM2.82
粗骨材:新潟県姫川産砕石、比重2.64、FM6.89
高性能減水剤:市販品、ポリエチレングリコール系高分子化合物
液体急結剤: 市販品、硫酸アルミニウムを主成分とした水溶液、比重1.3、濃度50%
【0038】
(評価方法)
リバウンド率:急結性コンクリート1m3を高さ4.5m、幅5.5m、長さ20mの模擬トンネル内に吹付けた。地面に落ちたコンクリートの質量を計量し、その質量を吹付けた急結性コンクリート質量で割って求めた。
強度:材齢3時間と1日の強度は土木学会基準JSCE−G561記載の引き抜き方法で評価した。材齢28日の強度は土木学会基準JSCE−F561記載の、幅50cm、長さ50cm、深さ20cmの型枠に急結性コンクリートを吹付けた後、直径5cm、高さ10cmの供試体を切り出し、JIS A 1108に記載されている方法で圧縮強度を測定した。
【0039】
(実施例2)
実施例2は乾式法で行った。各材料の単位量をセメントβ400kg/m3、細骨材1181kg/m3、及び粗骨材641kg/m3からなるコンクリートを用い、コンクリート輸送には「BSA1002」の代わりに空気圧送式のコンクリート用ポンプ「アリバー280」(アリバー社製)を用い、10m3/minの圧縮空気によりコンクリートをセメントコンクリート配管に圧送し、液体急結剤を液体急結剤配管に圧送し、液体急結剤100質量部(成分換算)に対して水500質量部を水配管に圧送したこと以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、急結性コンクリートのリバウンド率は22%、強度は、材齢3時間で2.6N/mm2、材齢1日で20.0N/mm2、材齢28日で39.7 N/mm2であった。又、粉塵は少なかった。
【0040】
(使用材料)
セメントβ:市販品、早強ポルトランドセメント、比重3.17
【0041】
【発明の効果】
本発明の吹付ノズルは、液体急結剤を希釈して使用するのでリバウンドや粉塵を減らすことができる。
法面吹付の現場では、吹付後暫くしてから急結性セメントコンクリート表面をコテ仕上げすることがあるため、急結性セメントコンクリートがコテ仕上げできる程度の柔らかさを必要とする場合がある。そのためには液体急結剤を希釈することが考えられるが、本発明の吹付ノズルは、液体急結剤の希釈が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吹付ノズルの正面図と断面図である。
【符号の説明】
1 内管
2 外管
11 セメントコンクリート配管
12 液体急結剤配管
13 水配管
21 セメントコンクリート接続口
22 液体急結剤接続口
23 水接続口
h 内管1と外管2の間隔の距離
Claims (5)
- (1)セメントコンクリートを輸送してなる内管と、(2)(2−1)水を輸送してなる配管とを接続する水接続口と(2−2)液体急結剤を輸送してなる配管を接続する液体急結剤接続口を設けて液体急結剤を輸送する外管とを有してなり、内管を内側に、外管を外側に配置してなる二重管構造からなる吹付ノズル。
- (1)セメントコンクリートを輸送してなる内管と、(2)(2−1)液体急結剤と混合する水を輸送してなる配管を接続する水接続口を(2−2)硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送してなる配管を接続する液体急結剤接続口より吹付ノズル先端側に設けてなる、硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送する外管とを、有してなり、内管を内側に、外管を外側に配置してなる二重管構造からなり、(3)液体急結剤接続口と水接続口のうち、吹付ノズル先端側にある接続口の取り付け位置を、吹付ノズル先端から、内管と外管の間隔の距離h以上に設け、かつ、吹付ノズル先端から距離hの20倍を越える手前側に設けず、(4)外管の先端が内管の先端と同一面上にあることを特徴とする吹付ノズル。
- (1)セメントコンクリートを輸送してなる内管と、(2)(2−1)液体急結剤と混合する水を輸送してなる配管を接続する水接続口を(2−2)硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送してなる配管を接続する液体急結剤接続口より吹付ノズル先端側に設けてなる、硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤を輸送する外管とを、有してなり、内管を内側に、外管を外側に配置してなる二重管構造からなり、(3)液体急結剤接続口と水接続口のうち、吹付ノズル先端側にある接続口の取り付け位置を、吹付ノズル先端から、内管と外管の間隔の距離h以上に設け、かつ、吹付ノズル先端から距離hの20倍を越える手前側に設けず、(4)外管の先端が内管の先端と同一面上にあることを特徴とする吹付ノズルを用いて、(1)セメントコンクリートと、(2’)(2−1)硫酸アルミニウムを含有してなる液体急結剤、及び、(2−2)液体急結剤中の水の合計の使用量が、液体急結剤(成分換算)100質量部に対して30〜200質量部になるように調整した、液体急結剤と混合する水を、混合してなる液体急結剤希釈物とを、吐出後に合流、混合してなることを特徴とする湿式吹付方法。
- (1)セメントコンクリートの輸送にポンプを用い、(1)セメントコンクリートの輸送速度が1〜20m 3 /hrであり、内管の内径が25〜100mmであり、外管の内径が、内管の外径100に対して110〜300であることを特徴とする請求項3記載の湿式吹付方法。
- 請求項3又は4記載の湿式吹付方法により急結性セメントコンクリートを法面に吹付けた後、急結性セメントコンクリート表面をコテ仕上げすることを特徴とする法面表面のコテ仕上げ方法。
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