JP2003129370A - ガラスクロス開繊装置、及びガラスクロス開繊方法 - Google Patents

ガラスクロス開繊装置、及びガラスクロス開繊方法

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JP2003129370A
JP2003129370A JP2001328148A JP2001328148A JP2003129370A JP 2003129370 A JP2003129370 A JP 2003129370A JP 2001328148 A JP2001328148 A JP 2001328148A JP 2001328148 A JP2001328148 A JP 2001328148A JP 2003129370 A JP2003129370 A JP 2003129370A
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roller
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智史 酒井
Kazuyuki Kobue
和志 小笛
Arata Kasai
新 河西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバランス
良く全体的にガラスクロスを開繊させるガラスクロス開
繊装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係るガラスクロス開繊装置10
は、ガラスクロスGを押圧する複数の押圧部12aを仮
想円周上に有し、仮想円周の中心を回転軸Oとして回転
するローラ12と、少なくとも2つの押圧部12aに対
してガラスクロスGを、空気中で接触させつつガラスク
ロスGを回転軸と直交する方向に搬送するガラスクロス
搬送部14とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスクロスを開
繊させるガラスクロス開繊装置、及びガラスクロスを開
繊させるガラスクロス開繊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ガラスクロスを開繊させる方
法として、特開昭62−257461号公報や特開平3
−124666号公報に記載された方法が知られてい
る。前者の公報には、10〜70kHzの振動数で振動す
る振動子をガラスクロスに接触させることにより、ガラ
スクロスを開繊させる方法が開示されている。後者の公
報には、溶液中で回転する開繊ローラに繊維束を接触さ
せて、繊維束を開繊させる方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−257461号公報に記載された方法では、ガラ
ス繊維の目曲がりが発生し、ガラスクロスのたて糸、よ
こ糸のそれぞれの方向における開繊のバランスがくずれ
る結果となっていた。そして、開繊のバランスのくずれ
は、ガラスクロスを基材として使用した積層板のドリル
加工性、及び寸法安定性を損なう原因となっていた。な
お、「目曲がり」とは、ガラスクロスを構成する繊維
(たて糸、よこ糸)が搬送設備等との接触により蛇行す
ることをいう。
【0004】また、特開平4−124666号公報に記
載された繊維束の開繊方法をガラスクロスの開繊方法に
適用すると、たて糸、よこ糸によって織られたガラスク
ロスは、開繊ローラの回転によって生じる波が原因とな
って目曲がりが生じてしまうという問題があった。
【0005】そこで、本発明は上記課題を解決し、たて
糸、よこ糸のそれぞれの方向にバランス良く全体的にガ
ラスクロスを開繊させるガラスクロス開繊装置、及びガ
ラスクロス開繊方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガラスクロ
ス開繊装置は、ガラスクロスを押圧する複数の押圧部を
仮想円周上に有し、仮想円周の中心を回転軸として回転
するローラと、少なくとも1つの押圧部に対してガラス
クロスを、空気中で接触させつつガラスクロスを回転軸
と直交する方向に搬送するガラスクロス搬送部と、を備
えることを特徴とする。
【0007】このように、少なくとも1つの押圧部を接
触させつつガラスクロスを搬送させることにより、一の
押圧部がガラスクロスに押圧されて擦られた後、当該押
圧部がガラスクロスから離れる前または同時に、他の押
圧部がガラスクロスに接触するので、目曲がりの発生を
防止することができる。押圧部を有するローラがガラス
クロスと接触し、これにより発生する振動と搬送時に起
こる押圧と摩擦によって開繊する。すなわち、たて糸は
ローラがガラスクロスと接触する際に押圧部がガラスを
叩くことによる衝撃力と、その力が断続的に加わること
によって生じる振動によって開繊される。また、よこ糸
はそれらに加えて押圧部とガラスクロスが接触すること
によって生じる摩擦によって開繊される。これにより、
ガラスクロスをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバラ
ンス良く全体的に開繊させることができる。なお、ガラ
スクロスを搬送させる際にガラスクロスを引張る力は弱
い方が好ましい。ガラスクロスを引張る力が大きくなる
と、ガラスクロスのたて糸方向に生じる張力が大きくな
ってたて糸が拘束され、開繊しにくくなるからである。
また、本発明ではガラス繊維とローラとを空気中で接触
させることにより、空気は抵抗が小さいので、ローラの
回転によって生じる媒体(空気)の揺れによって、ガラ
スクロスに目曲がりが発生することがない。
【0008】上記ガラスクロス開繊装置において、ロー
ラの回転方向は、ガラスクロス搬送部によるガラスクロ
スの搬送方向と反対であることを特徴としても良い。
【0009】このようにローラの回転方向をガラスクロ
スの搬送方向と反対にすることによって、効率良くガラ
スクロスを開繊させることができる。なお、ローラの回
転方向がガラスクロスの搬送方向と反対であるとは、ロ
ーラとガラスクロスが接触する付近におけるローラの移
動方向とガラスクロスの移動方向が反対であることを意
味する。
【0010】上記ガラスクロス開繊装置において、押圧
部は、仮想円周上に形成されると共に回転軸に沿って延
びることを特徴としても良い。
【0011】このように押圧部が回転軸に沿って延びて
いることにより、ガラスクロスを効率良く開繊させるこ
とができる。
【0012】本発明に係るガラスクロス開繊方法は、複
数の押圧部を仮想円周上に有するローラを仮想円周の中
心を回転軸として回転させ、少なくとも1つの押圧部に
対してガラスクロスを、空気中で接触させつつガラスク
ロスを回転軸と直交する方向に搬送する、ことを特徴と
する。
【0013】このように、少なくとも1つの押圧部を接
触させつつガラスクロスを搬送させることにより、一の
押圧部がガラスクロスに押圧されて擦られた後、当該押
圧部がガラスクロスから離れる前または同時に、他の押
圧部がガラスクロスに接触するので、目曲がりの発生を
防止することができる。押圧部を有するローラがガラス
クロスと接触し、これにより発生する振動と搬送時に起
こる押圧と摩擦によって開繊する。すなわち、たて糸は
ローラがガラスクロスと接触する際に押圧部がガラスを
叩くことによる衝撃力と、その力が断続的に加わること
によって生じる振動によって開繊される。また、よこ糸
はそれらに加えて押圧部とガラスクロスが接触すること
によって生じる摩擦によって開繊される。これにより、
ガラスクロスをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向にバラ
ンス良く全体的に開繊させることができる。なお、ガラ
スクロスを搬送させる際にガラスクロスを引張る力は弱
い方が好ましい。ガラスクロスを引張る力が大きくなる
と、ガラスクロスのたて糸方向に生じる張力が大きくな
ってたて糸が拘束され、開繊しにくくなるからである。
また、本発明ではガラス繊維とローラとを空気中で接触
させることにより、空気は抵抗が小さいので、ローラの
回転によって生じる媒体(空気)の揺れによって、ガラ
スクロスに目曲がりが発生することがない。
【0014】上記ガラスクロス開繊方法は、ガラスクロ
スに対して押圧部を接触させる前に、ガラスクロスに水
を含浸させることを特徴としても良い。
【0015】このようにガラスクロスに水を含浸させる
ことによってガラス単繊維同士をずれやすくすることが
でき、ガラスクロスを効果的に開繊することができる。
ここで、水は60℃以上の水であることが好ましい。ま
た、水によって潤滑することによって、押圧部の摩擦に
よるガラス繊維へのダメージは軽減され、ガラス単繊維
が切れて生じる毛羽の発生を抑制することができる。さ
らに、水に界面活性剤を含ませることとすれば、水がガ
ラス繊維の中に入りこみやすくなるため、さらに開繊さ
せやすくなり、好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明に係るガ
ラスクロス開繊装置の好適な実施形態について詳細に説
明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一
符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】図1は、本発明の第1実施形態に係るガラ
スクロス開繊装置10を模式的に示す図である。ガラス
クロス開繊装置10は、ガラスクロスGを開繊させるた
めのロッドローラ12と、ガラスクロスGをロッドロー
ラ12に接触させつつ搬送するガラスクロス搬送部14
と、搬送されるガラスクロスGに水を含浸させるスプレ
ー16とを有している。
【0018】ロッドローラ12は円柱形状をしており、
ロッドローラ12の円周上には、軸Oに沿って複数の突
起状の押圧部12aが形成されている。すなわち、軸O
を中心とする仮想円周上に押圧部12aが形成されてい
る。そして、ロッドローラ12は軸Oを中心として、図
1における反時計周りに回転する。なお、図1では模式
的に示しているが、押圧部12aは等間隔に4〜100
個程度形成されていることが好ましい。
【0019】ガラスクロス搬送部14は、第1ガイドロ
ーラ14a、第2ガイドローラ14b、第3ガイドロー
ラ14c、第4ガイドローラ14dの4個のガイドロー
ラ14a〜14dを有し、ガラスクロスGをロッドロー
ラ12に接触させつつ、接触部付近においてロッドロー
ラ12の移動方向とは反対方向にガラスクロスGを搬送
する。搬送されるガラスクロスGとロッドローラ12と
の接触角度は30°〜90°、好ましくは約60°であ
る。なお、押圧部12aの個数、ガラスクロス搬送部1
4の搬送速度やガラスクロスGとロッドローラ12との
接触角等は、ガラスクロスGを開繊するために、ガラス
クロスGが押圧部12aによって隙間なく擦られるよう
に設計される。
【0020】スプレー16は、第1ガイドローラ14a
付近におけるガラスクロスGに水を噴射するように配置
されている。スプレー16から噴射される水は、60℃
以上の水であることが好ましく、さらに界面活性剤が含
まれていることが好ましい。
【0021】次に、第1実施形態に係るガラスクロス開
繊装置10の動作について説明し、併せて、実施形態に
係るガラスクロス開繊方法について説明する。
【0022】まず、開繊させるガラスクロスGをガラス
クロス搬送部14にセットし、図1における右方向にガ
ラスクロスGを搬送させる。この際、スプレー16によ
って第1ガイドローラ14a付近を搬送中のガラスクロ
スGに界面活性剤が含まれた水を噴射し、ガラスクロス
Gに水を含浸させる。
【0023】また、ガラスクロスGを搬送させる一方
で、ロッドローラ12を図1における反時計周りに回転
させる。これにより、C点においてロッドローラ12の
押圧部12aがガラスクロスGに押圧され、続いて、押
圧部12aがガラスクロスGを擦るようにして接触しつ
つ移動し、ガラスクロスGを開繊させる。
【0024】第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置
10は、複数の押圧部を有するロッドローラ12を有
し、このロッドローラ12を回転させてガラスクロスG
に押圧部12aを押圧させると共に、押圧部12aをガ
ラスクロスGに接触させつつ移動する。これにより、ガ
ラスクロスGをたて糸、よこ糸のそれぞれの方向につい
てバランス良く全体的に開繊させることができる。
【0025】また、ガラスクロス開繊装置10はスプレ
ー16を有し、水を噴射してガラスクロスGに水を含浸
させることにより、ガラス繊維に付着している集束剤を
膨張・溶解させ、ガラス単繊維を移動させやすくし、効
率的にガラスクロスGを開繊させることができる。
【0026】第1実施形態に係るガラスクロス開繊方法
は、複数の押圧部12aを有するロッドローラ12を回
転させることによって、ガラスクロスGに押圧部12a
を押圧させ、さらにガラスクロスGに接触させつつ押圧
部を移動させることによってガラスクロスGをたて糸、
よこ糸のそれぞれの方向についてバランス良く全体的に
開繊させることができる。
【0027】次に、本発明の第2実施形態に係るガラス
クロス開繊装置20について説明する。図2は、第2実
施形態に係るガラスクロス開繊装置20を模式的に示す
図である。第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置2
0は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の
構成と基本的に同一の構成であるが、ロッドローラ12
の付近に水を噴射する第2のスプレー16aをさらに備
えている点が異なる。これにより、ガラスクロスGにさ
らに水を含浸させることができる。
【0028】第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置
20の動作は、2個のスプレーによってガラスクロスG
に水を含浸させることを除いては、第1実施形態に係る
ガラスクロス開繊装置10の動作と同様である。
【0029】第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置
20では、スプレー16aがロッドローラ12の上方に
配置され、ロッドローラ12に向かって水が噴射される
ため、ガラスクロスGがスプレー16aによる水の力で
ロッドローラ12に押し付けられ、ロッドローラ12が
回転することによって生じる振動の伝達効率が高めるこ
とができる。
【0030】次に、本発明の第3実施形態に係るガラス
クロス開繊装置30について説明する。図3は、第3実
施形態に係るガラスクロス開繊装置30を模式的に示す
図である。第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置3
0は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の
構成と基本的に同一の構成であるが、第1ガイドレール
14aの付近に水を噴射するスプレー16に代えてロッ
ドローラ12付近に水を噴射するようにスプレー16a
が配置されている点が異なる。
【0031】第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置
30の動作は、ロッドローラ12の付近に水を噴射して
ガラスクロスGに水を含浸させることを除いては、第1
実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の動作と同様
である。
【0032】第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置
30は、第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20
と同様に、スプレー16aからロッドローラ12に向か
って水が噴射されるため、ガラスクロスGがスプレー1
6aによる水の力でロッドローラ12に押し付けられ、
ロッドローラ12が回転することによって生じる振動の
伝達効率が高めることができる。
【0033】次に、本発明の第4実施形態に係るガラス
クロス開繊装置40について説明する。図4は、第4実
施形態に係るガラスクロス開繊装置40を模式的に示す
図である。第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置4
0は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の
構成と基本的に同一の構成であるが、第1ガイドレール
14aの付近に水を噴射するスプレー16に代えてロッ
ドローラ12付近に水を噴射する2個のスプレー16
b、16cが設けられている点が異なる。2個のスプレ
ー16b、16cは、ロッドローラ12とガラスクロス
Gとが、接触し始める位置と接触し終わる位置とに水を
噴射するように配置されている。
【0034】第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置
40の動作は、2個のスプレー16b、16cによって
ガラスクロスGに水を含浸させることを除いては、第1
実施形態に係るガラスクロス開繊装置10の動作と同様
である。
【0035】第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置
40は、第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置20
と同様に、スプレー16b、16cからロッドローラ1
2に向かって水が噴射されるため、ガラスクロスGがス
プレー16b、16cによる水の力でロッドローラ12
に押し付けられ、ロッドローラ12が回転することによ
って生じる振動の伝達効率が高めることができる。
【0036】次に、本発明の第5実施形態に係るガラス
クロス開繊装置60について説明する。図5は第5実施
形態に係るガラスクロス開繊装置60を模式的に示す図
である。第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置60
は、ガラスクロスGを開繊させるためのロッドローラ1
2と、ガラスクロスGをロッドローラ12に接触させつ
つ搬送するガラスクロス搬送部14と、ガラスクロス搬
送部14の一部を水で浸すための浴槽19と、浴槽19
に収容された水Wとを有している。
【0037】ロッドローラ12は、第1実施形態におい
て説明したロッドローラ12と同一の構成である。
【0038】浴槽19内には、ガラスクロスGを含浸さ
せるための水Wが収容されている。浴槽19内の水W
は、60℃以上の水Wであることが好ましく、さらに界
面活性剤が含まれていることが好ましい。
【0039】ガラスクロス搬送部14は、第1実施形態
において説明したガラスクロス搬送部14と基本的な構
成は同一であるが、ガラスクロス搬送部14の一部にお
いてガラスクロスGを浴槽19内の水Wに浸すことがで
きるように、第7ガイドローラ14G、第8ガイドロー
ラ14h、第9ガイドローラ14iをさらに有し、ガラ
スクロスGの搬送路を浴槽19内に導いている点が異な
る。
【0040】次に、第5実施形態に係るガラスクロス開
繊装置60の動作について説明する。まず、開繊させる
ガラスクロスGをガラスクロス搬送部14にセットし、
図5における右方向にガラスクロスGを搬送させる。そ
して、ガラスクロスGの搬送させる一方で、ロッドロー
ラ12を図5における反時計周りに回転させる。これに
より、ロッドローラ12の押圧部12aがガラスクロス
Gに押圧され、続いて、押圧部12aがガラスクロスG
を擦るようにして接触しつつ移動し、ガラスクロスGを
開繊させる。この際に、ガラスクロスGは、ロッドロー
ラ12と接触する前に浴槽19において水Wに含浸され
るため、ガラス繊維に付着している集束剤を膨張・溶解
させ、効率的にガラスクロスGを開繊させることができ
る。
【0041】(実施例)次に、第1実施形態から第4実
施形態に係るガラスクロス開繊装置を用いて、ガラスク
ロスを開繊させた結果を、開繊前のガラスクロスと比較
して示す。
【0042】開繊させるガラスクロスは、IPCスペッ
ク1078の原反(WEA1078日東紡績(株)製)
である。ガラスクロス開繊装置の装置条件は、ガラスク
ロスのロッドローラとの接触角60°、ガラスクロス搬
送部の搬送速度が3m/min、ガラスクロスに作用す
る張力が8kG/m、ロッドローラ12の回転数が40
0rpmで実験を行った。また、スプレーは、圧力1.
2kG/cm2のフラットスプレーを用い、このフラッ
トスプレーには、渦巻きポンプによって25L/min
の流量の水を供給した。なお、フラットスプレーによっ
て噴射される水の温度は60℃で、界面活性剤としてア
デカトールSO120(旭電化工業(株)製)が0.5
%含有されている。このような条件の下、ガラスクロス
を開繊させた結果は表1に示す如くなった。
【0043】
【表1】
【0044】なお、「たて糸占有率」「よこ糸占有率」
「空隙率」は、ガラスクロスを構成するガラス繊維に関
する数値に基づいて、次のようにして算出されている。
図6は、ガラスクロスの拡大図である。なお、図6にお
いて、Aはたて糸の間隔、A1はたて糸の糸幅、Bはよ
こ糸の間隔、B1はよこ糸の糸幅、である。 たて糸占有率=A1/A×100(%) よこ糸占有率=B1/B×100(%) 空隙率=(A−A1)×(B−B1)/(A×B)×1
00(%)
【0045】表1に見られるように、未処理のガラスク
ロスと比較すると、第1実施形態から第4実施形態に係
るガラスクロス開繊装置によって開繊されたガラスクロ
スは、たて糸、よこ糸の占有率が全体として高まった。
また、空隙率も非常に小さいものとなった。なお、表に
は、第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置を用い
て、スプレーの流量3L/minで実験した場合の結果
も記載しているが、これについても良好な結果が得られ
たことが分かる。
【0046】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。
【0047】上記実施形態においては、ロッドローラ1
2が1個設けられている場合について説明したが、ロッ
ドローラ12の数は1個に限定されない。例えば、図7
に示すように、ロッドローラ12を2個並べて配置する
こととしても良い。このようにロッドローラ12の個数
を増やすことによって、開繊効率を高めることができ
る。
【0048】また、第2〜4実施形態において説明した
スプレーと第5実施形態において説明した浴槽とを組み
合わせてガラスクロス開繊装置を構成することとしても
良い。
【0049】上記実施形態においては、円柱状のロッド
ローラ12の円周上に突起状の押圧部が形成されている
が、押圧部が仮想円周上に設けられていれば、必ずしも
円柱状のロッドローラ12を用いなくても良い。ローラ
は、例えば、図8に示すような多角柱80であっても良
く、この場合は各角80aが仮想円周80b上に設けら
れた押圧部となる。また、図9に示すような骨組み90
でも良く、この場合は各骨の先端90aが仮想円周90
b上に設けられた押圧部となる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも1つの押圧
部を接触させつつガラスクロスを搬送させることによ
り、一の押圧部がガラスクロスに押圧されて擦られた
後、当該押圧部がガラスクロスから離れる前または同時
に、他の押圧部がガラスクロスに接触するので、目曲が
りの発生を防止することができる。
【0051】また、本発明によれば、押圧部を有するロ
ーラがガラスクロスと接触し、これにより発生する振動
と搬送時に起こる押圧と摩擦によって開繊する。すなわ
ち、たて糸はローラがガラスクロスと接触する際に押圧
部がガラスを叩くことによる衝撃力と、その力が断続的
に加わることによって生じる振動によって開繊される。
また、よこ糸はそれらに加えて押圧部とガラスクロスが
接触することによって生じる摩擦によって開繊される。
これにより、ガラスクロスをたて糸、よこ糸のそれぞれ
の方向にバランス良く全体的に開繊させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模
式的に示す図である。
【図2】第2実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模
式的に示す図である。
【図3】第3実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模
式的に示す図である。
【図4】第4実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模
式的に示す図である。
【図5】第5実施形態に係るガラスクロス開繊装置を模
式的に示す図である。
【図6】たて占有率、よこ占有率、空隙率を説明するた
めの図である。
【図7】ガラスクロス開繊装置の他の例を示す図であ
る。
【図8】押圧部の他の例を示す図である。
【図9】押圧部の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10…ガラスクロス開繊装置、12…ロッドローラ、1
2a…押圧部、14…不ガラスクロス搬送部、16…ス
プレー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 新 福島県福島市佐倉下字一本杉20 日東紡績 株式会社グラスファイバー開発研究所内 Fターム(参考) 3B154 AA13 AB20 BA25 BB02 BB47 BB58 BB70 BC22 DA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスクロスを押圧する複数の押圧部を
    仮想円周上に有し、前記仮想円周の中心を回転軸として
    回転するローラと、 少なくとも1つの前記押圧部に対して前記ガラスクロス
    を、空気中で接触させつつ前記ガラスクロスを前記回転
    軸と直交する方向に搬送するガラスクロス搬送部と、 を備えることを特徴とするガラスクロス開繊装置。
  2. 【請求項2】 前記ローラの回転方向は、前記ガラスク
    ロス搬送部による前記ガラスクロスの搬送方向と反対で
    あることを特徴とする請求項1に記載のガラスクロス開
    繊装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧部は、前記仮想円周上に形成さ
    れると共に前記回転軸に沿って延びることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のガラスクロス開繊装置。
  4. 【請求項4】 複数の押圧部を仮想円周上に有するロー
    ラを前記仮想円周の中心を回転軸として回転させ、 少なくとも1つの前記押圧部に対して前記ガラスクロス
    を、空気中で接触させつつ前記ガラスクロスを前記回転
    軸と直交する方向に搬送する、ことを特徴とするガラス
    クロス開繊方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラスクロスに対して前記押圧部を
    接触させる前に、前記ガラスクロスに水を含浸させるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のガラスクロス開繊方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010018903A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Toho Tenax Co Ltd 織物の開繊方法,織物及び複合材料
JP2012001855A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Nitto Boseki Co Ltd ガラス繊維織物の製造方法、ガラス繊維織物及びプリプレグ

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