JP2003128883A - エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

Info

Publication number
JP2003128883A
JP2003128883A JP2001320649A JP2001320649A JP2003128883A JP 2003128883 A JP2003128883 A JP 2003128883A JP 2001320649 A JP2001320649 A JP 2001320649A JP 2001320649 A JP2001320649 A JP 2001320649A JP 2003128883 A JP2003128883 A JP 2003128883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
group
composition according
silane coupling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001320649A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Shintani
修一 新谷
Shinya Katsuta
真也 勝田
Michio Shimizu
宙夫 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001320649A priority Critical patent/JP2003128883A/ja
Publication of JP2003128883A publication Critical patent/JP2003128883A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性(流動性、充填性)及び信頼性、特に高
温リフロー信頼性を同時に満足するような半導体封止用
エポキシ樹脂組成物と半導体装置を提供する。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、無機充填剤(B)、
シランカップリング剤(C)および硬化剤(D)を含む
エポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤
(C)として一般式(I)で表されるシランカップリン
グ剤(c)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組
成物。さらに充填剤(B)の組成物全体に占める割合が
80〜98重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性および信頼
性、特に高温リフロー信頼性に優れ、特に半導体封止用
として好適なエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子などの電子回路部品の封止方
法として、従来より金属やセラミックスによるハーメチ
ックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂などによる樹脂封止が提案されているが、その中
でも、生産性、物性のバランスの点からエポキシ樹脂に
よる樹脂封止が最も盛んに行われている。エポキシ樹脂
による封止方法は、エポキシ樹脂に硬化剤、充填剤など
を添加した組成物を用い、半導体素子を金型にセットし
てトランスファー成形法などにより封止する方法が一般
的に行われている。
【0003】半導体封止用エポキシ樹脂組成物に要求さ
れる特性としては、信頼性および成形性などがあり、信
頼性としては半田耐熱性、耐湿性などが、成形性として
は充填性、流動性、生産性(硬化性や連続成形性)、な
どがあげられる。
【0004】近年は、半導体装置の高密度実装化の流れ
にともない従来のリードピンを基板の穴に挿入する挿入
実装方式から、基板表面に半導体装置を半田付けする表
面実装方式が主流になっている。
【0005】表面実装においては、通常半田リフローに
よる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体
装置を乗せ、これらを200℃以上の高温にさらし、基
板にあらかじめつけられた半田を溶融させて半導体装置
を基板表面に接着させる。このような実装方法では半導
体装置全体が高温にさらされるため、封止樹脂組成物の
耐湿性が悪いと吸湿した水分が半田リフロー時に爆発的
に膨張しクラックが生じたり、半導体装置中の部材と封
止樹脂組成物との界面で剥離が生じるという現象が起こ
る。剥離は特に使用するリードフレームの銀メッキ部分
から発生しやすい。これは42アロイや銅と比較して銀
メッキ部分のほうがエポキシ樹脂組成物との接着性が劣
るからである。従って半導体封止用エポキシ樹脂組成物
において耐湿性や銀メッキ部分等の部材との接着性を向
上させることが非常に重要となる。
【0006】更に最近では、地球環境保護を目的に鉛を
含んでいない鉛フリー半田の使用が進んでいる。鉛フリ
ー半田は従来の鉛使用半田より融点が高く、そのためリ
フロー温度も上がることになり、封止用樹脂組成物には
これまで以上の耐熱性、耐湿性が求められている。
【0007】一方、半導体装置自体も高密度実装化の流
れから、従来のDIP(デュアル・インライン・パッケ
ージ)からFPP(フラット・プラスチック・パッケー
ジ)に移行してきており、中でも最近では厚さ2mm以
下のTSOP、TQFP、LQFPが主流となってい
る。そのため湿気や温度など外部からの影響をいっそう
受けやすくなり、高温リフロー信頼性、耐熱性、耐湿性
などの信頼性がますます重要となっている。
【0008】さらに、上記のように半導体装置のさらな
る薄型化にともなって、封止樹脂組成物にはよりよい充
填性、流動性が求められるようになってきた。
【0009】このような課題を克服するため、例えばシ
ランカップリング剤としてエポキシシランカップリング
剤やメルカプトシランカップリング剤を用いる方法(特
開平10−130468号公報)が提案されている。し
かし、これらシランカップリング剤は半導体装置中の部
材との接着性を向上させるが十分でなく、さらに半田リ
フロー時にクラックが発生するうえに流動性が低下して
しまう問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、成形性(充填性、流動性)と信頼性、特に高温
リフロー信頼性全てを同時に満足するようなエポキシ樹
脂組成物と半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、鋭
意検討した結果、特定のシランカップリング剤を使用す
ることにより上記課題を達成し、目的に合致したエポキ
シ樹脂組成物と半導体装置が得られることを見いだし、
本発明に到達した。
【0012】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A)、
無機充填剤(B)、シランカップリング剤(C)および
硬化剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物において、シラ
ンカップリング剤(C)として下記一般式(I)
【0013】
【化4】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
基、フェニル基のいずれかであり、それらは同一であっ
ても異なっていてもよい。Xは水素基、メチル基、エチ
ル基のいずれかであり、Yはメチル基またはエチル基の
いずれかである。また、aは0〜2の整数である。)で
表されるシランカップリング剤(c)を含有することを
特徴とするエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導
体装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
【0015】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂(A)、充填剤(B)、シランカップリング剤
(C)および硬化剤(D)を含有する。
【0016】本発明におけるエポキシ樹脂(A)は1分
子中にエポキシ基を2個以上有するものであればその種
類は特に限定されない。その具体例としては、たとえば
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポ
キシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフトールア
ラルキル型エポキシ樹脂、ポリビニルフェノール型エポ
キシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、フ
ルオレン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、イ
ミド基含有エポキシ樹脂、マレイミド基含有エポキシ樹
脂、アリル基変性エポキシ樹脂、線状脂肪族型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ス
ピロ環含有エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0017】その中でも、リードフレームや銀メッキに
対する密着性の良い一般式(II)で表されるビフェニル型
エポキシ樹脂(a1)や一般式(III)で表されるビスフ
ェノール型エポキシ樹脂(a2)が好ましい。
【0018】
【化5】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1
〜4の低級アルキル基を示し、同一であっても異なって
いてもよい。)
【0019】
【化6】 (式中、R34 は水素原子、ハロゲン原子または炭素
数1〜4の低級アルキル基を示し、同一であっても異な
っていてもよい。)
【0020】用途によっては2種類以上のエポキシ樹脂
を併用してもよいが、半導体封止用としては密着性の点
からビフェニル型エポキシ樹脂(a1)やビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(a2)を単独あるいは併用して、全
エポキシ樹脂(A)中に50重量%以上含むことが好ま
しい。
【0021】また、エポキシ樹脂(A)の添加量は通
常、組成物全体に対して1.0〜15.0重量%であ
る。
【0022】本発明におけるビフェニル型エポキシ樹脂
(a1)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’
−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,
5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’
−テトラエチルビフェニル、4,4’−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラブ
チルビフェニルなどが挙げられる。中でも、4,4’−
ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,
5’−テトラメチルビフェニルが、信頼性や成形性の点
で好ましい。ただし、これらに限定されるものではな
い。
【0023】本発明におけるビスフェノール型エポキシ
樹脂(a2)の具体例としては、4,4’−ビス(2,
3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,4’−
ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、
2,2’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニ
ル)メタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メ
タン、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリ
シジルエーテル、3,3’、5,5’−テトラメチル−
4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジル
エーテルなどが挙げられる。中でも、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシフェニル)メタンが、信頼性や成形性の点
で好ましい。ただし、これらに限定されるものではな
い。
【0024】本発明にはエポキシ樹脂(A)を硬化させ
るために硬化剤(D)を用いる。その具体例としては、
例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラル
キル樹脂、ビフェニルノボラック型フェノール樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、
トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、テルペン骨格含
有フェノール化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有フ
ェノール樹脂などの各種フェノール樹脂、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAPなどのビ
スフェノール化合物、4,4’−ビフェノール、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ルなどのビフェノール化合物、無水マレイン酸、無水フ
タル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物およびメタ
フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジア
ミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげ
られる。なかでも、半導体封止用としては、耐熱性、耐
湿性および保存性に優れる点からフェノール樹脂硬化剤
が好ましく、さらにリードフレームや銀メッキに対する
密着性の良いフェノールアラルキル樹脂(D2)が好ま
しい。
【0025】本発明において、硬化剤(D)の配合量
は、全樹脂組成物に対して通常1.0〜10.0重量%
である。さらには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(D)
の配合比は、機械的性質および耐湿性の点からエポキシ
樹脂(A)に対する硬化剤(D)の化学当量比が0.5
〜2.0、特に0.6〜1.5の範囲にあることが好ま
しい。
【0026】本発明における無機充填剤(B)の種類
は、球状の溶融シリカが好ましく、その充填剤全体に占
める割合が50重量%以上であることが好ましい。一般
に充填剤(B)の組成物全体に占める割合が大きくなる
につれて流動性などの成形性は悪化するが、球状のシリ
カを使用することにより流動性の悪化を抑制することが
できる。球状溶融シリカの粒径については平均粒径が3
0μm以下であることが好ましい。
【0027】本発明における無機充填剤(B)の割合は
全樹脂組成物に対して80〜98重量%であることが好
ましい。さらに、半田リフロー温度が260℃付近にな
るような”鉛フリー半田”にも対応が可能になることか
ら、無機充填剤(B)の組成物全体に占める割合が85
〜98重量%にすることがより好ましい。このように樹
脂組成物全体における無機物の割合が高くすれば、難燃
性が高くなり、従来使用されていた難燃剤を使用しなく
ても難燃性を満足することができる。これにより、従来
から用いてきたハロゲン系難燃剤を樹脂組成物に添加す
る必要がなくなり、環境保護の点で好ましい。
【0028】本発明における無機充填剤(B)としては
上記の球状溶融シリカ以外の充填剤を併用することがで
きる。その具体例としては破砕溶融シリカ、結晶性シリ
カ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マ
グネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チ
タン、アスベスト、ガラス繊維などが挙げられ、中でも
成形性、信頼性の点から破砕溶融シリカ、結晶性シリカ
がより好ましい。併用する充填剤の平均粒径は、0.5
〜40μmが好ましい。
【0029】本発明において、シランカップリング剤
(C)として一般式(I)で表されるシランカップリン
グ剤(c)を用いることが重要である。このシランカッ
プリング剤(c)を用いることにより、半導体装置中の
部材や銀メッキに対する密着性を向上することができる
のである。
【0030】
【化7】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
基、フェニル基のいずれかであり、それらは同一であっ
ても異なっていてもよい。Xは水素基、メチル基、エチ
ル基のいずれかであり、Yはメチル基またはエチル基の
いずれかである。また、aは0〜2の整数である。)
【0031】本発明においてシランカップリング剤
(c)は一般式(I)で表される構造であれば効果が発
現するため特に制限はないが、具体例としては、例え
ば、γ−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−シクロヘキシルアミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−シクロヘキシルアミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−シクロヘキシルアミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−シクロヘキシルアミノプロピ
ルジメチルモノメトキシシラン、γ−シクロヘキシルア
ミノプロピルジメチルモノエトキシシランが挙げられ
る。
【0032】本発明において、シランカップリング剤
(C)として上記シランカップリング剤(c)以外のシ
ランカップリング剤を併用してもよい。その具体例とし
ては、アミノ基を含有するシランカップリング剤、エポ
キシ基を含有するシランカップリング剤、メルカプト基
を含有するシランカップリング剤、アクリル基を含有す
るシランカップリング剤、メタクリロキシ基を含有する
シランカップリング剤、ビニル基を含有するシランカッ
プリング剤などが挙げられる。ただし、これらに限定さ
れるものではない。
【0033】シランカップリング剤(c)の全シランカ
ップリング剤(C)中に占める割合は、信頼性、成形性
の点から10重量%以上、好ましくは30重量%以上、
より好ましくは50重量%以上である。
【0034】また、本発明においてシランカップリング
剤(C)の割合が全樹脂組成物に対して0.05〜2重
量%の範囲にあることが成形性、信頼性の点で好まし
く、0.1〜1重量%の範囲がより好ましい。
【0035】本発明においてエポキシ樹脂(A)と硬化
剤(D)の硬化反応を促進するために硬化促進剤を用い
てもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニル
ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンな
どのりん系化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−
ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメ
チルベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7などのアミン系化合物などが成
形性、信頼性の点で好ましく用いられるが、硬化反応を
促進するものであれば特に限定されない。
【0036】これらの硬化促進剤は、用途によっては2
種以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
が望ましい。
【0037】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
カーボンブラック、酸化鉄などの着色剤、シリコーンゴ
ム、スチレン系ブロック共重合体、オレフィン系重合
体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴムなどの
エラストマー、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂、長鎖
脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、
長鎖脂肪酸のアミド、パラフィンワックスなどの離型剤
および有機過酸化物など架橋剤、三酸化アンチモン、四
酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの難燃助剤、難
燃剤としての臭素化合物を任意に添加することができ
る。
【0038】本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法と
しては、たとえば溶融混練による方法が好ましく、各種
原料をミキサーなどで混合した後、通常は60〜140
℃で、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、ロー
ル、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーなどの
公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造で
きる。このエポキシ樹脂組成物は通常粉末またはタブレ
ット状態から、成形によって半導体封止に供される。半
導体素子を封止する方法としては、低圧トランスファー
成形法が一般的であるがインジェクション成形法や圧縮
成形法も可能である。成形条件としては、たとえばエポ
キシ樹脂組成物を成形温度150℃〜200℃、成形圧
力5〜15MPa、成形時間30〜300秒で成形し、
エポキシ樹脂組成物の硬化物とすることによって半導体
装置が製造される。また、必要に応じて上記成形物を1
00〜200℃で2〜15時間、追加加熱処理も行われ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の%は重量%を示す。
【0040】[実施例1〜29、比較例1〜3]本発明で
使用した各原料を表1に示す。なお、ここで言う粘度と
は150℃におけるICI粘度のことである。
【0041】<エポキシ樹脂(A)> a1−1:ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキ
シレジン(株)”YX4000H”、エポキシ当量19
3、粘度0.2dPa・s a1−2:ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキ
シレジン(株)”YL6121H”、エポキシ当量17
1、粘度0.15dPa・s a2−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂:ジャパン
エポキシレジン(株)”YL6475”、エポキシ当量
166、粘度0.08dPa・s a2−2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂:新日鐵化
学(株)”YSLV−80XY”、エポキシ当量19
2、粘度0.08dPa・s a2−3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパン
エポキシレジン(株)”YL6810”、エポキシ当量
172、粘度0.07dPa・s A1:オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂:日
本化薬(株)”EOCN1020”エポキシ当量20
0、粘度10dPa・s A2:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂:日本化薬
(株)”NC−3000S”、エポキシ当量282、粘
度0.9dPa・s A3:ビフェニルノボラック型/ビフェニル型混合エポ
キシ樹脂:日本化薬(株)”CER−3000L”、エ
ポキシ当量232、粘度0.3dPa・s A4:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂:大日本イ
ンキ(株)”HP−7200”、エポキシ当量258、
粘度0.7dPa・s
【0042】<充填剤(B)> 平均粒径25μmの溶融球状シリカ <カップリング剤(C)> c−1:γ−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキ
シシラン:東レダウコーニングシリコーン(株)”MA
−0701B” C1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
信越化学(株)”KBM403” C2:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:信
越化学(株)”KBM803P” C3:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン:信越化
学(株)”KBE903” C4:γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:信越化
学(株)”KBM903” C5:γ−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキ
シシラン:信越化学(株)”KBM573”
【0043】<硬化剤(D)> D1:フェノールノボラック樹脂:明和化成(株)”H
−1”水酸基当量106、粘度2.0dPa・s D2:フェノールアラルキル樹脂:明和化成(株)”M
EH7800SS”水酸基当量175、粘度0.7dP
a・s D3:ビフェニルノボラック型フェノール樹脂:明和化
成(株)”MEH7851SS”水酸基当量203、粘
度0.7dPa・s
【0044】<硬化促進剤> トリフェニルホスフィン(以下、TPPと省略):ケイ
・アイ化成(株)”PP−360” <着色剤> カーボンブラック:三菱化学(株)”♯750B” <離型剤> モンタン酸エステルワックス:クラリアントジャパン
(株)”LICOWAX−E”
【0045】
【表1】
【0046】上記各成分を、表2〜4に示した組成比
(重量比)で計量し、ミキサーによりドライブレンドし
た。これをロール表面温度90℃のミキシングロールを
用いて5分間溶融混練後、冷却、粉砕して半導体封止用
のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0047】この樹脂組成物を用いて、低圧トランスフ
ァー成形法により175℃、キュアータイム90秒の条
件で、176pinLQFP(外形:24mm×24m
m×1.4mmt、フレーム材料:銅、チップは窒化膜
処理を施した、チップサイズ10mm×10mm×0.
3mmt、インナーリード部:銀メッキを施した。)を
成形した。175℃、4時間の条件でポストキュアーを
行い、下記の測定法により各樹脂組成物の物性を評価し
た。
【0048】高温リフロー信頼性:176pinLQF
Pを20個成形し、85℃/60%RHで168時間加
湿後、最高温度260℃のIRリフロー炉で2分間加熱
処理し、外部クラックの発生数と超音波探傷機(日立建
機(株)製「mi−scope10」)によりチップ表
面と銀メッキ部の剥離発生数(20個中の剥離発生個
数)を調べた。
【0049】充填性:176pinLQFPを20個成
形後に目視および光学顕微鏡(倍率:40倍)を用いて
観察し、20個中の未充填パッケージの個数を調べた。 流動性:176pinLQFPを20個成形後、パッケ
ージを樹脂充填口(ゲート)と空気抜き口(エアベン
ト)線上、すなわち樹脂充填口を起点に対角線上に切断
した。パッケージ断面における半導体素子の傾き(両端
部の高さの差)をチップチルトとして求めた。チップチ
ルトが50μm以上を不良とし、20個中の不良発生個
数を調べた。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表2〜4の実施例1〜29に見られるよう
に本発明のエポキシ樹脂組成物は高温リフロー信頼性、
成形性(充填性、流動性)に優れている。すなわち、表
4の比較例1〜3と比較すれば、実施例が高温リフロー
信頼性や成形性に優れることがわかる。
【0054】
【発明の効果】特定のシランカップリング剤を使用する
ことにより、良好な高温リフロー信頼性と成形性を併せ
持つ半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた
樹脂封止型半導体装置が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC042 CC052 CC072 CD051 CE002 DE076 DE136 DE146 DJ016 DJ026 DJ036 DJ046 EU118 EW148 EX077 FD016 FD142 FD158 FD207 4J036 AD07 AD08 AD09 DD07 FA01 FA03 FA05 FA13 FB07 JA07 4M109 AA01 EA02 EB09 EB12 EC05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、無機充填剤(B)、
    シランカップリング剤(C)および硬化剤(D)を含む
    エポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤
    (C)として下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
    基、フェニル基のいずれかであり、それらは同一であっ
    ても異なっていてもよい。Xは水素基、メチル基、エチ
    ル基のいずれかであり、Yはメチル基またはエチル基の
    いずれかである。また、aは0〜2の整数である。)で
    表されるシランカップリング剤(c)を含有することを
    特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】充填剤(B)の組成物全体に占める割合が
    80〜98重量%であることを特徴とする請求項1記載
    のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】充填剤(B)が球状の溶融シリカを50〜
    100重量%含有することを特徴とする請求項1または
    2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂(A)が下記一般式(II) 【化2】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1
    〜4の低級アルキル基を示し、同一であっても異なって
    いてもよい。)で表されるエポキシ樹脂(a1)を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】エポキシ樹脂(A)が下記一般式(III) 【化3】 (式中、R34 は水素原子、ハロゲン原子または炭素
    数1〜4の低級アルキル基を示し、同一であっても異な
    っていてもよい。)で表されるエポキシ樹脂(a2)を
    含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】エポキシ樹脂(A)がクレゾールノボラッ
    ク型エポキシ樹脂(A1)を含むことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】硬化剤(D)がフェノールノボラック樹脂
    (D1)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】硬化剤(D)がフェノールアラルキル樹脂
    (D2)を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ
    樹脂組成物の硬化物を用いて、半導体素子の少なくとも
    回路形成面を封止してなる樹脂封止型半導体装置。
JP2001320649A 2001-10-18 2001-10-18 エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 Pending JP2003128883A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320649A JP2003128883A (ja) 2001-10-18 2001-10-18 エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320649A JP2003128883A (ja) 2001-10-18 2001-10-18 エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003128883A true JP2003128883A (ja) 2003-05-08

Family

ID=19138002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001320649A Pending JP2003128883A (ja) 2001-10-18 2001-10-18 エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003128883A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081590A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2010031119A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081590A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2010031119A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002356538A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2003252960A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた樹脂封止型半導体装置
KR20040063122A (ko) 에폭시 수지 조성물 및 반도체 장치
WO2001010955A1 (fr) Composition de resine epoxy et dispositif a semi-conducteur
JP3418875B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2006213849A (ja) 封止用樹脂組成物および半導体封止装置
JP2003128883A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2003268071A (ja) エポキシ系樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2004140186A (ja) 半導体装置の製法
JP2867471B2 (ja) 樹脂組成物
JP2004203911A (ja) 封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP2000044774A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置
JP2004300239A (ja) 樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2001114994A (ja) エポキシ系樹脂組成物および半導体装置
JP2003231735A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた樹脂封止型半導体装置
JP2003128750A (ja) エポキシ系樹脂組成物及び半導体装置
JP2004123847A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2002097258A (ja) エポキシ系樹脂組成物
JP4910241B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2003252961A (ja) エポキシ系樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2003128749A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2003268205A (ja) エポキシ系樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2003128884A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
JP4788053B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP4910264B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置