JP2003128702A - 多糖類の溶解方法および増粘剤組成物 - Google Patents

多糖類の溶解方法および増粘剤組成物

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JP2003128702A
JP2003128702A JP2001323759A JP2001323759A JP2003128702A JP 2003128702 A JP2003128702 A JP 2003128702A JP 2001323759 A JP2001323759 A JP 2001323759A JP 2001323759 A JP2001323759 A JP 2001323759A JP 2003128702 A JP2003128702 A JP 2003128702A
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polysaccharide
aqueous medium
thickener composition
polyamino acids
dissolving
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JP2001323759A
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Hiroshi Takeuchi
浩史 竹内
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エタノール、プロピレングリコール、グリセ
リン等のアルコール類、低分子量界面活性剤、脂肪酸
類、水に溶解し易い糖、ポリエチレンオキサイド等の汎
用性の水溶性高分子化合物等を併用できない場合にも問
題なく使用でき、溶解促進効果の高い多糖類の溶解方法
を提供する。また、多糖類を主成分とする増粘剤組成物
であって、塩類が共存したり、pHの変動が起こった
り、酸性あるいはアルカリ性条件下での増粘の場合にも
問題なく使用でき、水性媒体に容易に溶解する増粘剤組
成物を提供する。 【解決手段】 多糖類をポリアミノ酸類の共存下に水性
媒体へ溶解することを特徴とする多糖類の溶解方法。ま
た、本発明の増粘剤組成物は、水性媒体に溶解した際に
増粘作用を有する多糖類を主成分とする増粘剤組成物で
あって、前記多糖類およびポリアミノ酸類を含有するこ
とを特徴とする増粘剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性媒体へ多糖類
を溶解する方法、ならびに、多糖類の水性媒体へ溶解の
主目的溶質とする増粘剤組成物に関する。より具体的に
は、多糖類の水性媒体への溶解を促進させることを可能
とする多糖類の溶解方法、および、洗剤、化粧品等の増
粘に有効な増粘剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】増粘剤として現在最も広く用いられる化
合物として、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)あるいはそ
の架橋体、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸
(塩)あるいはその架橋体等の合成系高分子化合物が挙
げられる。このような化合物は、生分解性が低いため環
境中に放出された際に分解することが求められる用途に
利用し難いという問題だけでなく、pHによってはチキ
ソトロピー性が変化するので安定した増粘効果が得られ
ないという問題がある。なお、チキソトロピ−性とは、
せん断速度の増大につれて粘度が減少する程度のことを
意味する。
【0003】一方、多糖類は、生体に対する危険性、あ
るいは環境汚染の危険性が殆どない極めて安全性の高い
天然高分子化合物であり、食品工業、飼料工業、製紙工
業、繊維工業、化粧品・トイレタリー、染色加工業等の
幅広い分野で、増粘剤、改質剤、処理剤等として利用さ
れている。例えば、化粧品・トイレタリ−分野では、水
溶性増粘剤として使用されることが多い。水溶性増粘剤
の用途に使用される多糖類としては、主にキサンタンガ
ム、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム
等が挙げられる。なかでも、キサンタンガムは、水性媒
体に少量添加するだけでも、大きな増粘効果が得られ、
さらに、pHが変化しても高いチキソトロピー性を安定
的に付与できるため、水溶性増粘剤として好んで用いら
れている。
【0004】しかしながら、多糖類は少量ならば水に簡
単に溶解するが、ある一定量を超えると溶解が困難にな
ったり、溶解に長時間を要する場合がある。例えば、代
表的な多糖類であるキサンタンガムの場合、溶解量は少
量であっても常温の水に完全に溶解させるためには長時
間を要すうえ、一定量(通常は溶媒である水に対して
0.5質量%以上)を超えると、溶解の際にダマを発生
し易くなる。ダマとなったキサンタンガムは不溶解分と
して残ることが多いので、その用途と使用量については
大きな制約がある。
【0005】このような問題を回避する方法として、エ
タノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアル
コール類、低分子量界面活性剤、脂肪酸類、水に溶解し
易い糖、ポリエチレンオキサイド等の汎用性の水溶性高
分子化合物等を併用して、キサンタンガム等の多糖類を
水性媒体中に均一に溶解する方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エタノ
ール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコー
ル類、低分子量界面活性剤、脂肪酸類、水に溶解し易い
糖、ポリエチレンオキサイド等の成分を併用して多糖類
を溶解する方法は、これらの成分が用途によっては使用
できない場合があり、またこの方法は溶解促進効果が低
くダマが生成しやすいという問題がある。
【0007】従って、本発明は前記の課題を解決するも
ので、本発明の目的は、エタノール、プロピレングリコ
ール、グリセリン等のアルコール類、低分子量界面活性
剤、脂肪酸類、水に溶解し易い糖、ポリエチレンオキサ
イド等の汎用性の水溶性高分子化合物等を併用できない
場合にも問題なく使用でき、溶解促進効果の高い多糖類
の溶解方法を提供することにある。
【0008】また、本発明は多糖類を主成分とする増粘
剤組成物であって、塩類が共存したり、pHの変動が起
こったり、酸性あるいはアルカリ性条件下での増粘の場
合にも問題なく使用でき、水性媒体に容易に溶解する増
粘剤組成物を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、多糖類を水性媒体に溶
解する際、ポリアミノ酸類の共存下に多糖類の溶解を行
うと、ダマの形成等溶解の妨げとなる現象が抑制され、
加えて、溶解に要する時間も大幅に短縮する効果がある
ことを見出した。本発明者らはかかる知見に基づき、本
発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の多糖類の溶解方法は、
多糖類を水性媒体へ溶解する方法であって、目的溶質の
前記多糖類をポリアミノ酸類の共存下に水性媒体へ溶解
することを特徴とする多糖類の溶解方法である。
【0011】また、本発明の増粘剤組成物は、水性媒体
に溶解した際に増粘作用を有する多糖類を主成分とする
増粘剤組成物であって、前記多糖類およびポリアミノ酸
類を含有することを特徴とする増粘剤組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の溶解方法が適用できる多
糖類の種類は特に限定されず、加水分解によって2分子
以上の単糖類を生じる炭水化物であればいずれでも使用
できる。多糖類としては、例えば、キサンタンガムおよ
びジェランガム等の微生物系多糖類、グアーガム、ロー
カストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム等の植
物系多糖類等が挙げられる。なかでも、キサンタンガ
ム、ローカストビーンガム等のように、水等の水性媒体
への溶解に長時間を要したり、あるいは、一定量を超え
る量を一度に水性媒体に加えて溶解させる際に、不溶解
分であるダマがでやすい傾向がある多糖類の溶解に、本
発明の溶解方法はより好適である。特に、キサンタンガ
ムは、少量の添加で大きな増粘効果が得られ、また、高
いチキソトロピー性を示すので、増粘剤の構成成分とし
て好適に利用されるが、このキサンタンガムの水性媒体
への溶解に、本発明の溶解方法を適用すると、より好ま
しい態様となる。また、多糖類を溶解させる水性媒体
は、主成分の水以外に少量の有機溶媒を含むものであっ
てもよいが、本発明の溶解方法においては、多糖類の溶
解を促進する作用を持つ有機溶媒を含まない態様がより
本発明の目的に合致するものである。
【0013】本発明の溶解方法においては、多糖類の水
性媒体への溶解促進を図る目的でポリアミノ酸類が用い
られる。ここでポリアミノ酸類とは、ポリマーの基本骨
格の一部または全てが、アミノ酸がペプチド結合により
重縮合した重合体からなるものを意味する。ポリアミノ
酸類としては、例えば、ポリアミノ酸、ポリアミノ酸の
アルカリ金属やアルカリ土類金属等の金属塩、ポリアミ
ノ酸無水物のアルキルアミンによる変成物、ポリアミノ
酸のアミン末端をコハク酸、無水コハク酸等のジカルボ
ン酸もしくはジカルボン酸無水物と反応させ分子量を制
御したもの等が挙げられる。より具体的には、ポリアス
パラギン酸、ポリアスパラギン酸のアルカリ(土類)金
属塩、ポリアスパラギン酸変性物等のポリアスパラギン
酸類、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸のアルカリ
(土類)金属塩、ポリグルタミン酸のアルキルエステル
等のポリグルタミン酸類、ポリリジン等が例示できる。
なかでも、ポリアスパラギン酸類は本発明に好適であ
る。
【0014】本発明で用いるポリアミノ酸類は、例え
ば、公知の方法であるアミノ酸を原料とする直接重縮合
法、活性エステル化法、混合酸無水物法、N−カルボキ
シアミノ酸無水物法等により製造することができる。ポ
リアスパラギン酸類は、原料であるアスパラギン酸を重
縮合することにより製造することができる。重縮合の方
法としては、酸触媒を用いた固相重縮合が特に適してい
る。アスパラギン酸を重縮合するとポリサクシンイミド
(無水ポリアスパラギン酸)が得られるが、これは加水
分解することにより容易にポリアスパラギン酸となる。
また、ポリサクシンイミドをアルカリ水溶液で加水分解
するとポリアスパラギン酸(塩)が、アルキルアミン、
アミノアルキルスルホン酸(塩)、アミノアルコール等
のアミノ基含有化合物で変性したものを加水分解すると
ポリアスパラギン酸変性物が得られる。また、重縮合反
応において、コハク酸、無水コハク酸等のジカルボン酸
もしくはジカルボン酸無水物を添加してポリサクシンイ
ミドのアミン末端と反応させることにより、生成するポ
リサクシンイミドの分子量(延いてはポリアスパラギン
酸の分子量)を制御することができる。
【0015】本発明において、多糖類の水性媒体への溶
解促進を図る目的で利用するポリアミノ酸類の分子量
は、1,000〜100,000の範囲とすることが好
ましく、10,000〜50,000の範囲とすること
がさらに好ましい。なお、その分子量(重合度)は、前
述したアミノ酸の重縮合反応の際にジカルボン酸もしく
はジカルボン酸無水物の添加等により制御することがで
きる。
【0016】本発明の溶解方法では、多糖類、特に、比
較的少量でも水への溶解に長時間を必要としたり、不溶
解分が発生し易い多糖類を水性媒体へ溶解する際、ポリ
アミノ酸類を共存させることにより、目的の多糖類の溶
解を促進することをその特徴としている。ポリアミノ酸
類を共存させる方法は特に限定されず、例えば、予め調
製したポリアミノ酸類の水溶液に多糖類を添加する方
法、多糖類と同時に水性媒体に添加する方法、あるい
は、多糖類を先に添加した水性媒体にポリアミノ酸類を
後から添加する方法等が挙げられるが、予め調製したポ
リアミノ酸類の水溶液に多糖類を添加したものを水性媒
体に溶解する方法が最も好ましい。
【0017】共存させるポリアミノ酸類の量は、溶解さ
せる多糖類の種類によるので一概に言えないが、多糖類
100質量部に対して通常はポリアミノ酸類1〜500
質量部であり、好ましくは5〜200質量部、特に好ま
しくは10〜100質量部である。なお、溶解させる多
糖類の量はその飽和溶解度を上限とするが、その範囲に
おいて目的とする液粘度等に応じて適宜選択することが
できる。
【0018】本発明の溶解方法によれば、飽和溶解度に
近いような高い濃度の多糖類溶液を容易に得ることがで
きる。例えば、多糖類がキサンタンガムの場合、最終的
に得られる溶液中のキサンタンガムの濃度(最終濃度)
は通常0.1〜10質量%の範囲であり、より好ましく
は1〜5質量%の範囲である。
【0019】水性媒体に溶解させる前の多糖類の形態
は、特に限定されないが、水性媒体との接触が容易な粉
末状が好ましい。水性媒体に溶解する際にポリアミノ酸
類が共存していないと、粉末状の多糖類はダマを生じる
ことがある。しかし、予めポリアミノ酸類を含む水性媒
体は多糖類に対する濡れ性が高くダマの形成が抑制され
る。従って、前記のポリアミノ酸類の共存下では、粉末
状の多糖類は水性媒体中に均一に分散され、一層溶解が
促進される。
【0020】また、ポリアミノ酸類は濡れ性を向上させ
る作用に加えて、多糖類の粒子同士の癒着により肥大化
した不溶解分(ダマ)の発生を抑制し、多糖類を小さい
粒子のまま水性媒体中に分散させておく作用を有してい
ると推定される。このような小さい粒子状の多糖類はや
がて水性媒体に溶解するので問題とならない。さらに、
ポリアミノ酸類自体はチキソトロピー増粘作用を示さな
いが、アニオン性高分子化合物なので多糖類との相溶性
が良好であり、キサンタンガム等の多糖類が有する増粘
作用を阻害しないので、多糖類による増粘効果が十分に
発揮される。
【0021】水性媒体に溶解した際に増粘作用を有する
多糖類を主成分とする増粘剤組成物であって、前記多糖
類ならびにポリアミノ酸類を含有する本発明の増粘剤組
成物は、例えば、前記の多糖類の溶解方法や、粉末状の
ポリアミノ酸類と粉末状の多糖類を混合する方法等によ
り製造することができる。
【0022】本発明の増粘剤組成物には、多糖類、水性
媒体およびポリアミノ酸類の他に、多糖類以外の各種増
粘剤、防腐・殺菌剤、粘度調整剤、キレート剤等を含ん
でいてもよい。多糖類以外の各種増粘剤としては、例え
ば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、モンモリロナイト、シ
リカ等の無機鉱物等が挙げられる。防腐・殺菌剤として
は、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)
等が挙げられる。粘度調整剤としては、例えば、アルコ
ール類等の水性溶剤等が挙げられる。キレート剤として
は、例えば、エチレンジアミン4酢酸(塩)等が挙げら
れる。
【0023】本発明の増粘剤組成物は、その主な使用目
的が水性媒体に加えてその粘度を所望値に増すことにあ
るので、例えば前記の本発明の多糖類の溶解方法等で得
られる多糖類を予め溶解した水溶液の形態が好ましい。
しかし、本発明の増粘剤組成物は、粉末状のポリアミノ
酸類と粉末状の多糖類を混合した粉体混合物等であって
もよく、その形態は特に限定されない。粉体混合物の形
態をした増粘剤組成物を水性媒体に加えると、ポリアミ
ノ酸類が先に溶解し、多糖類の溶解を促進するので、目
的とする多糖類の水性媒体溶液を得ることができる。
【0024】本発明の増粘剤組成物における、多糖類と
ポリアミノ酸類の量比は、それらの種類や使用目的によ
るので一概に言えないが、多糖類100質量部に対して
ポリアミノ酸類は通常1〜500質量部であり、好まし
くは5〜200質量部、特に好ましくは10〜100質
量部である。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体
的に説明する。これら実施例は、本発明における最良の
実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施
例により限定を受けるものではない。
【0026】本発明の多糖類の溶解方法において利用さ
れるポリアミノ酸類の具体例とその調製方法を以下の製
造例1〜2に例示する。これら製造例1〜2に示すポリ
アミノ酸類は、本発明において、最も好適なポリアミノ
酸類の一例ではあるものの、本発明は、これらの具体例
以外のポリアミノ酸類を利用することができることは勿
論のことである。
【0027】(重量平均分子量)なお、下記する製造例
1〜2において調製されるポリアミノ酸類の重量平均分
子量は、次の方法で評価した。
【0028】カラムとして、東ソー社製カラム;TSK
gel G3000HXL、検出器として、示差屈折計
(RI)を用い、また、溶離液として、10mMLiB
r−DMF(ジメチルホルムアミド)を用いたゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)における溶
出時間に基づき、重量平均分子量を標準物質であるポリ
スチレンの換算値として決定した。
【0029】(チキソトロピ−性)増粘剤組成物のチキ
ソトロピ−性は次の方法で評価した。
【0030】ローター#3を装着したB型粘度計を用い
て、本発明の増粘剤組成物の添加により増粘された試験
用水溶液の粘度をローター回転数6rpmおよび60r
pm、25℃の条件で測定し、低回転数:6rpmで測
定した粘度を(A)、高回転数:60rpmで測定した
粘度を(B)とし、(A)/(B)の値によりチキソト
ロピー性を評価した。すなわち、(A)/(B)の値が
大きい程チキソトロピー性が大きく、逆に小さい程チキ
ソトロピー性が小さい。
【0031】(生分解性)ポリアミノ酸の生分解性試験
は化審法に示される新規化学物質の生分解性試験法(修
正MITI法)を参考にした次の簡易試験法で評価し
た。
【0032】同法指定の標準汚泥(化学品検査協会より
購入)および無機培地を使用し、活性汚泥濃度30pp
m、供試物質としてであるポリアミノ酸の濃度100p
pm、培養液300ml、試験温度25±1℃、試験期
間28日間、標準物質としてアニリンを使用し、微生物
によるポリアミノ酸類の分解試験を実施した。培養液中
のポリアミノ酸類由来の全有機炭素量(TOC)を測定
し、試験前のTOCに対する試験後の培養液TOCの比
率を生分解率とした。尚、TOCの測定には島津製作所
社製のTOC−500を使用した。
【0033】−ポリアミノ酸類製造例− <製造例1>増粘剤組成物の調製は、以下に記載する手
順に従いおこなった。
【0034】L−アスパラギン酸(和光純薬工業社製)
133gと、触媒である85%リン酸15.6gをニー
ダー(日立製作所社製typeEFOU−KT)に投入
し、ニーダーのジャケット内の熱媒体温度を180℃に
設定して4時間重縮合させた。反応終了後、得られた粉
体を1Lビーカーに移し、純水500mlを加え分散・
攪拌して濾別を行う洗浄操作を3回繰り返してリン酸を
除去し、100℃で24時間乾燥し、ポリサクシンイミ
ド(以下、PSIという。)92g(収率:95%、重
量平均分子量:83000)を得た。得られたPSIの
うち50gを純水300mlに分散し、攪拌しながら2
0%水酸化ナトリウム水溶液105gを徐々に加えてP
SIの加水分解を行いポリアスパラギン酸ナトリウム水
溶液を調製した。この水溶液を冷浴で5℃に冷却し、濃
塩酸を添加してpHを2に調整した後メタノールを加え
ポリアスパラギン酸を沈澱させた。上澄みを全て除去し
た後、メタノールを加えてポリアスパラギン酸を洗浄、
濾別し、80℃で24時間乾燥させて黄白色のポリアス
パラギン酸粉末:PAsp-1 45g(収率:76%、生分
解率:54%)を得た。
【0035】<製造例2>L−アスパラギン酸(和光純
薬工業社製)133g、コハク酸(和光純薬工業社製)
11.8g、85%リン酸17gをニーダー(日立製作
所社製typeEFOU−KT)に投入し、ニーダーの
ジャケット内の熱媒体温度を180℃に設定して4時間
重縮合させた。反応終了後、得られた粉体を1Lビーカ
ーに移し、純水500mlを加え分散・攪拌して濾別を
行う洗浄操作を3回繰り返してリン酸を除去し、100
℃で24時間乾燥し、PSI89g(収率:92%、重
量平均分子量:14000)を得た。以下、製造例1と
同様にして、黄白色のポリアスパラギン酸粉末:PAsp-2
43g(収率:73%、生分解率:94%)を得た。
【0036】−増粘剤組成物調製例− <調製例1>ポリアスパラギン酸粉末PAsp-1 45gと
キサンタンガム(三菱レイヨン社製XG−550)45
gをミキサー(オスターブレンダー)に投入し、室温で
3分間混合して増粘剤組成物(TC−1)を得た。
【0037】<調製例2>ポリアスパラギン酸粉末PAsp
-2 43gとキサンタンガム43gをミキサー(オスタ
ーブレンダー)に投入し、室温で3分間混合して増粘剤
組成物(TC−2)を得た。
【0038】<実施例1>調製例1で得られた2gのT
C−1を200mlトールビーカーに秤りとり、純水を
加えて200gとした後、5N水酸化ナトリウム水溶液
でpH7に調整し攪拌溶解した。均一に溶解するまで4
0分間を要した。
【0039】<実施例2>実施例1においてTC−1の
代わりにTC−2を使用した以外は同様にして攪拌溶解
したところ、均一に溶解するまで36分間を要した。
【0040】<比較例1>実施例1において、2gのT
C−1に変えて1gのキサンタンガムを用いた他は全く
同様の操作を行ったところ、6時間攪拌を続けてもキサ
ンタンガムは溶解せず、増粘剤組成物は得られなかっ
た。
【0041】<実施例3>製造例1で得られたPSIの
うち7.1gを200mlトールビーカーに秤りとり、
純水50mlに分散させ、攪拌しながら20%水酸化ナ
トリウム水溶液18gを徐々に加えてPSIを加水分解
させてポリアスパラギン酸ナトリウム水溶液を調製し
た。更にキサンタンガム10gを加え、0.1N塩酸で
最終pHを7.0に調整し、純水を加えて全量を200
gとした。これを30分間攪拌したところキサンタンガ
ムは溶解し、増粘剤組成物(TC−3)が得られた。
【0042】<実施例4>実施例3において、用いるP
SIを製造例2で得られたものに変更した以外は全く同
様にして増粘剤組成物(TC−4)を得た。
【0043】<比較例2>実施例3において、ポリアス
パラギン酸ナトリウム水溶液は使用せず、キサンタンガ
ム10g、分散剤としてエタノール10g、を秤りとり
純水を加え全量を200gとし、6時間攪拌を続けたが
キサンタンガムは溶解しなかった。
【0044】<比較例3>実施例3において、ポリアス
パラギン酸ナトリウム水溶液は使用せず、キサンタンガ
ム10g、分散剤としてポリエチレングリコール(和光
純薬工業(株)製、重量平均分子量20,000)10
g、を秤りとり純水を加え全量を200gとし、6時間
攪拌を続けたがキサンタンガムは溶解しなかった。
【0045】<実施例5>TC−3を固形分が1質量%
となるように純水で希釈し、塩化ナトリウムを2質量%
となるように添加した水溶液をpH3、7、11に調整
した3種類の水溶液を調製し、そのチキソトロピー性の
評価を行った。
【0046】<実施例6>TC−3の代わりにTC−4
を使用した以外は実施例5と全く同様の評価を行った。
【0047】<比較例4>増粘剤としてグッドリッチ社
製カーボポール2984(架橋ポリアクリル酸)を使用
した以外は実施例5と全く同様の評価を行った。
【0048】以上の評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の多糖類の溶解方法によれば、多
糖類を水性媒体に溶解する際にポリアミノ酸類を共存さ
せることにより多糖類の溶解を促進することができる。
この方法等を利用して調製される多糖類ならびにポリア
ミノ酸類を含有する本発明の増粘剤組成物は優れた溶解
性を示す。
【0051】また、本発明の多糖類の溶解方法ならびに
増粘剤組成物は、生分解性の高いポリアミノ酸類を使用
するので環境に対する負荷が低く、特に化粧品やトイレ
タリー分野において好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖類を水性媒体へ溶解する方法であっ
    て、目的溶質の前記多糖類をポリアミノ酸類の共存下に
    水性媒体へ溶解することを特徴とする多糖類の溶解方
    法。
  2. 【請求項2】 ポリアミノ酸類がポリアスパラギン酸類
    である請求項1記載の多糖類の溶解方法。
  3. 【請求項3】 多糖類がキサンタンガムである請求項1
    または2記載の多糖類の溶解方法。
  4. 【請求項4】 水性媒体に溶解した際に増粘作用を有す
    る多糖類を主成分とする増粘剤組成物であって、多糖類
    ならびにポリアミノ酸類を含有することを特徴とする増
    粘剤組成物。
  5. 【請求項5】 ポリアミノ酸類がポリアスパラギン酸類
    である請求項4記載の増粘剤組成物。
  6. 【請求項6】 多糖類がキサンタンガムである請求項4
    または5記載の増粘剤組成物。
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