JP2003125714A - カプセル基材及びそれからなるカプセル、並びにカプセル基材の製造方法 - Google Patents

カプセル基材及びそれからなるカプセル、並びにカプセル基材の製造方法

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JP2003125714A
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Takehiko Sakai
武彦 酒井
Masaaki Kojima
正明 小島
Yuji Uzuhashi
祐二 埋橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工性に優れ、ゼラチンに比しカプセル基材と
しての性能が劣らないカプセル基材及びそれから形成さ
れるカプセル、並びにカプセル基材の製造方法を提供す
ることである。 【解決手段】非動物性の水溶性高分子と、該水溶性高分
子の粘性を抑制する糊料と、を含有することを特徴とす
るカプセル基材又はそれから構成されるカプセルであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非動物性の水溶性
高分子が含有されたカプセル基材及びそれからなるカプ
セル、並びにカプセル基材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、医薬品、サプリメントや健康
食品などの有効成分を充填するものとしてカプセルが利
用されており、カプセルは、これら有効成分を定量的に
分封できる点に優れている。このようなカプセルを形成
するカプセル基材としては、一般的にゼラチンが利用さ
れている。ゼラチンは、牛や豚の骨や皮の主要蛋白質で
あるコラーゲンを分解、精製したものであるが、宗教や
ベジタリアンなどの理由から、ゼラチンカプセルを排除
したり、アレルギー上の問題から使用できないなどの問
題がある。さらに、近年、狂牛病や豚の口蹄疫などの問
題が世界中に蔓延し、特にカプセルが病人を対象とした
医薬品を充填するものとして利用されることから、動物
性でないカプセル基材の開発が望まれている。
【0003】一方、ゼラチン以外のカプセル基材とし
て、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
が含有されているものが利用されているが、崩壊性など
の観点からゼラチンに比しカプセルの性能が劣ってい
る。
【0004】また、カプセル基材として、非動物性の水
溶性高分子を利用することが考えられている。非動物性
の水溶性高分子としては、寒天、カラギナン、ファーセ
レラン、アルギン酸及びその誘導体など海藻から抽出さ
れる多糖類、ローカストビーンガム、グアーガム、タマ
リンドガム、サイリュームシードガム、カシアガム、フ
ェヌグリークガム、クインシードガム、タラビーンガム
など植物種子より得られる多糖類、アラビアガム、トラ
ガントガム、カラヤガム、アーモンドガム、ダムソンガ
ムなど植物が分泌する多糖類、ペクチン、アラビノガラ
クタン、グルコマンナン(コンニャクマンナン)、大豆
多糖類など植物から抽出される多糖類、ジェランガム、
キサンタンガム、プルラン、デキストラン、カードラ
ン、ラムザンガム、レバン、アゾトバクタービネランジ
ガム、エンテロバクターガム、ウェランガムなど微生物
から得られる多糖類、結晶セルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシルメチルセルロースなど繊維素粘質物な
どがある。
【0005】ところで、カプセル基材として重要な要素
は、製品におけるカプセルとしての弾性が必要であり、
機械的衝撃や摩損に強いこと、カプセルの透明性が高い
こと、透湿性が少ないこと、カプセルの生体内での崩壊
性に優れていることなどがあげられるが、特に、カプセ
ルを製造する際の加工適正が重要になる。また、ゼラチ
ンシートのようにロータリーダイ法によってソフトカプ
セルを成形する場合、打ち抜きにより接着する必要があ
るが、同等の接着性を有することもカプセル基材に必要
な物理的特性である。また、シームレスによるソフトカ
プセルの場合、皮膜を作るための溶液粘度も滴下するた
めの重要な要素である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記非動物性の水溶性
高分子は、それぞれ水溶液にすると増粘効果をもたら
し、カプセルの加工適正に問題がある。すなわち、非動
物性の水溶性高分子を使用する際に、カプセルとして維
持するために必要な濃度の固形量の水溶液、例えば10
〜40%の水溶液を作る場合、それぞれの水溶性高分子
は、粉末粒子が膨潤水和するため流動性を失い、カプセ
ルを加工するのが困難になる。例外的に、アラビアガ
ム、プルラン及びアラビノガラクタンなどの低粘性の多
糖類は、高濃度でも流動性を保つ溶液ができるが、カプ
セルを形成するようなポリマーフィルムを作ることがで
きない。
【0007】そこで、本発明は、加工性に優れ、ゼラチ
ンに比しカプセル基材としての性能が劣らないカプセル
基材及びそれから形成されるカプセルを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、非動物性の水
溶性高分子にその粘性を抑制する糊料を加えることによ
り、加工性に優れ、ゼラチンに比しカプセル基材として
の性能が劣らないカプセル基材を得ることができること
を見出した。すなわち、本発明は、非動物性の水溶性高
分子と、該水溶性高分子の粘性を抑制する糊料と、を含
有することを特徴とするカプセル基材であって、これら
糊料を非動物性の水溶性高分子に加えることにより、水
溶性高分子の粘性の発現を抑制し、カプセルの加工性を
向上させることができる。
【0009】また、本発明は、非動物性の水溶性高分子
に、該水溶性高分子の粘性を抑制する糊料を加える工程
を有することを特徴とするカプセル基材の製造方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るカプセル基材に使用
させる粘性を抑制する糊料としては、天然物を抽出する
ことにより得ることができるアラビアガム、プルラン、
大豆多糖類、アラビノガラクタンなど他、天然物から得
られる高粘性の多糖類分子を切断することにより得られ
る低粘性グアーガム、低粘性ローカストビーンガム、低
粘性タラガム、低粘性タマリンドガム、低粘性カシアガ
ム、低粘性フェヌグリークガム、低粘性グルコマンナ
ン、低粘性澱粉加水分解物などがあり、これら糊料をう
ち少なくとも一以上を含むことが好ましい。
【0011】低粘性グアーガム、低粘性ローカストビー
ンガム、低粘性タラガム、低粘性タマリンドガム、低粘
性カシアガム、低粘性フェヌグリークガム、低粘性グル
コマンナン、低粘性澱粉加水分解物は、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、タラガム、タマリンドガム、カシ
アガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、澱粉を
酸、熱などによる加水分解又は酵素などによる酵素分解
などにより、分子が切断されたものであり、例えば、平
均分子量500〜350000又は1重量%の濃度にお
ける粘度1.0〜1000mPa・sに調整されたもの
である。この粘度は、B型回転粘度計(東機産業
(株))によって測定した値である(温度20℃、ロー
タNo.2、回転数6rpm)。
【0012】また、本発明に係るカプセル基材に使用さ
れる非動物性の水溶性高分子としては、寒天、カラギナ
ン、ファーセレラン、アルギン酸及びその誘導体など海
藻から抽出される多糖類、ローカストビーンガム、グア
ーガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、カ
シアガム、フェヌグリークガム、クインシードガム、タ
ラビーンガムなど植物種子より得られる多糖類、アラビ
アガム、トラガントガム、カラヤガム、アーモンドガ
ム、ダムソンガムなど植物が分泌する多糖類、ペクチ
ン、アラビノガラクタン、グルコマンナン(コンニャク
マンナン)、大豆多糖類など植物から抽出される多糖
類、ジェランガム、キサンタンガム、プルラン、デキス
トラン、カードラン、ラムザンガム、レバン、アゾトバ
クタービネランジガム、エンテロバクターガム、ウェラ
ンガムなど微生物から得られる多糖類、結晶セルロー
ス、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース
など繊維素粘質物などがある。また、本発明に係るカプ
セル基材の非動物性の水溶性高分子として使用される寒
天には、平均分子量200000〜800000の通常
の寒天の他、この通常の寒天を酸、熱などにより加水分
解された平均分子量10000〜200000の低強度
寒天などが含まれる。
【0013】また、これらカプセル基材には、可塑剤と
してソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、蔗糖、葡萄糖、果糖、トレ
ハオース、イソマルトオリゴ糖、キシリトールなどを加
えても良く、また着色料やエデト酸ナトリウム、クエン
酸ナトリウムなどの金属封鎖剤などを加えても良い。こ
れら非動物性の水溶性高分子によって、カプセルの骨格
が形成される。
【0014】本発明に係るカプセル基材において、前記
非動物性の水溶性高分子と前記粘性を抑制する糊料の含
有量は、1:0.01〜50であることが好ましく、ま
た前記非動物性の水溶性高分子に前記粘性を抑制する糊
料を加えることにより、前記水溶性高分子の粘性が20
0〜30000mPa・sになるよう調整されているこ
とが好ましい。この粘度は、B型回転粘度計(東機産業
(株))によって測定した値である(温度60℃、ロー
タNo.4、回転数6rpm)。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係るハードカプセルのカプセ
ル基材として実施例1乃至3及び比較例1を表1に示す
配合で得た。
【0016】
【表1】
【0017】実施例1乃至3に係るカプセル基材におい
て、粘性を抑制する糊料として、プルラン(林原商事
(株)製:PI−20)、低粘性澱粉分解物(松谷化学
工業(株)製:デキストリン♯100)及び大豆多糖類
(三栄源エフエフアイ(株)製:SM−900)を用い
た。また、実施例1乃至3及び比較例1に係るカプセル
基材において、カプセルの骨格となる非動物性の水溶性
高分子として、タマリンドガム(大日本製薬(株)製:
グリロイド6C)、グアーガム(伊那食品工業(株)
製:イナゲルGR−10C)及びカラギナン(伊那食品
工業(株)製:イナゲルE−150C)を用いた。
【0018】実験例1 実施例1乃至3及び比較例1に係るカプセル基材につい
て、B型回転粘度計(東機産業(株))によって粘度を
測定した(温度60℃、ロータNo.4、回転数6rp
m)。その結果を表2に示す。表2から明らかなよう
に、非動物性の水溶性高分子は、粘性を抑制する糊料を
加えることにより粘性の発現が抑制され、流動性に優れ
ていることが分かる。
【0019】
【表2】
【0020】次に、本発明に係るハードカプセルのカプ
セル基材として実施例4乃至6及び比較例2を表3に示
す配合で得た。
【0021】
【表3】
【0022】実施例4乃至6に係るカプセル基材におい
て、粘性を抑制する糊料として、プルラン(林原商事
(株)製:PI−20)、低粘性澱粉分解物(松谷化学
工業(株)製:デキストリン♯100)及びアラビアガ
ム(CNI社製:スプレーガム)を用いた。また、実施
例4乃至6及び比較例2に係るカプセル基材において、
カプセルの骨格となる非動物性の水溶性高分子として、
タマリンドガム(大日本製薬(株)製:グリロイド6
C)、低強度寒天(伊那食品工業(株)製:ウルトラ寒
天AX−30)及びカラギナン(伊那食品工業(株)
製:イナゲルE−150C)を用いた。
【0023】実験例2 実施例4乃至6及び比較例2に係るカプセル基材につい
て、B型回転粘度計(東機産業(株))によって粘度を
測定した(温度60℃、ロータNo.3、回転数6rp
m)。その結果を表4に示す。表4から明らかなよう
に、非動物性の水溶性高分子は、粘性を抑制する糊料を
加えることにより粘性の発現が抑制され、流動性に優れ
ていることが分かる。
【0024】
【表4】
【0025】実験例3 次に、比較例3として従来のゼラチンから構成されるカ
プセル基材を表5に示す配合で得た。この比較例3に係
るカプセル基材について、B型回転粘度計(東機産業
(株)によって粘度を測定したところ(温度60℃、ロ
ータNo.3、回転数6rpm)、770mPa・sで
あった。この値から実施例4に係るカプセル基材がゼラ
チンから構成される従来のカプセル基材と粘度の点にお
いて同等であることが分かる。
【0026】
【表5】
【0027】実験例4 次に、実施例3、実施例6及び比較例3に係るカプセル
基材それぞれを用いて3号カプセルを成形し、成形され
たそれぞれのカプセルにアスピリンを充填した。これら
カプセルの成形は、実施例3、実施例6及び比較例3に
係るカプセル基材溶液を60℃に保持し、同筒状の3号
カプセル型ピンをその溶液の所定の深さまで浸漬し、ゆ
っくりと引き上げてカプセル基材溶液をそのカプセル型
ピンに付着させ、次に、これを反転させ冷却乾燥し、カ
プセル型ピンより引き抜くことにより行われる。これら
成形されたカプセルについての溶出量を第14改正日本
薬局方の方法により崩壊性試験及び溶出試験を行った。
その結果を表6及び表7に示す。表6及び表7から明ら
かなように、実施例3及び実施例6に係るカプセル基材
を用いた3号カプセルであっても、ゼラチンを用いたも
のと同等の性質を有することが分かる。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】実験例5 次に、これら実施例3、実施例6及び比較例3に係るカ
プセル基材を用いて成形されたそれぞれのカプセルにつ
いて、強度試験を行った。強度試験は、モンサント型硬
度計(萱垣医理科工業(株)製)を用いて、静圧荷重5
kgを横置きにしたカプセル全体に加え、そのときの割
れの発生を調べることによって行った。この強度試験を
それぞれ各50個ずつのカプセルについて行った。その
結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例3
及び実施例6に係るカプセル基材を用いて成形されたカ
プセルの方が、比較例3に係るカプセル基材を用いたも
のに比し割れが生じ難いことが分かる。
【0031】
【表8】
【0032】実験例6 次に、環境試験恒温恒湿槽(三洋電気(株)製)にて、
下記の条件で温度及び湿度を変えて、24時間保存後に
実験例5と同様の方法により割れ数を測定した。その結
果を表9に示す。表9から明らかなように実施例3及び
実施例6に係るカプセル基材を用いて成形されたカプセ
ルの方が、比較例3に係るカプセル基材を用いたものに
比し割れが少なく含水変化に強いことが分かる。
【0033】
【表9】
【0034】実験例7 さらに、これら実施例3、実施例6及び比較例3に係る
カプセル基材を用いて成形されたそれぞれのカプセルに
ついて、耐熱耐湿試験を行った。耐熱耐湿試験は、それ
ぞれのカプセルを各10個ずつ口の小さいガラス瓶に入
れ、キャップをせずに温度40℃相対湿度100%の環
境条件の環境試験恒温恒湿槽(三洋電気(株)製)に入
れて24時間放置し、その後、ガラス瓶の口を下にして
ガラス瓶より落下したそれぞれのカプセルの数を計測す
ることによって行った。その結果を表10に示す。表1
0から明らかなように実施例3及び実施例6に係るカプ
セル基材を用いて成形されたカプセルの方が、比較例3
に係るカプセル基材を用いたものに比し耐熱耐湿に優れ
ていることが分かる。
【0035】
【表10】
【0036】次に、ロータリーダイ法によるソフトカプ
セルに用いられるシート状のカプセル基材として実施例
7及び8及び比較例4乃至6を表11に示す配合で得
た。
【0037】
【表11】
【0038】実施例7及び8に係るカプセル基材におい
て、粘性を抑制する糊料として、プルラン(林原商事
(株)製:PI−20)、低粘性澱粉分解物(松谷化学
工業(株)製:デキストリン♯100)、アラビアガム
(CNI社製:スプレーガム)及び大豆多糖類(三栄源
エフエフアイ(株)製:SM−900)を用いた。ま
た、実施例7及び8並びに比較例4及び5に係るカプセ
ル基材において、カプセルの骨格となる非動物性の水溶
性高分子として、タマリンドガム(大日本製薬(株)
製:グリロイド6C)、グアーガム(伊那食品工業
(株)製:イナゲルGR−10C)、低強度寒天(伊那
食品工業(株)製:ウルトラ寒天AX−30)及びカラ
ギナン(伊那食品工業(株)製:イナゲルE−150
C)を用いた。
【0039】実験例8 実施例7及び8並びに比較例4乃至6に係るカプセル基
材について、B型回転粘度計(東機産業(株))によっ
て粘度を測定した(温度60℃、ロータNo.4、回転
数6rpm)。その結果を表12に示す。表12から明
らかなように、非動物性の水溶性高分子は、粘性を抑制
する糊料を加えることにより粘性の発現が抑制され、ゼ
ラチンを用いたものと同様に流動性に優れていることが
分かる。
【0040】
【表12】
【0041】実験例9 次に、実施例7及び8並びに比較例6に係るカプセル基
材について、キャスティング法により0.50mmのシ
ート体を作った。それぞれのシート体について、強度試
験を行った。強度試験は、レオメーター((株)サン科
学社製)を用いて、シート体に加重をかけて破断するま
での応力を測定することにより行った。その結果を表1
3に示す。
【0042】
【表13】
【0043】次に、実施例7及び8並びに比較例6に係
るカプセルシート体それぞれを用いて食物油を充填した
ソフトカプセルを成形し、それらの溶出量について第1
4改正日本薬局方の方法により崩壊性試験及び溶出試験
を行ったところ、全てのカプセルシート体で合格であっ
た。
【0044】また、実施例7及び8並びに比較例6に係
るカプセルシート体のヒートシール性試験を行った。こ
のヒートシール性試験は、インパルスシーラー(富士イ
ンパルス(株)製)を用いてシート体を溶解結着させ、
冷却後結着度合いの状態を確認することによって行っ
た。その結果、全てのカプセルシート体は、良好であっ
た。
【0045】さらに、実施例7及び8並びに比較例6に
係るカプセルシート体について、カプセルの耐湿性試験
を行った。耐湿性試験は、40℃、湿度100%の中に
一晩静置し、シャーレへの付着度合いを比較することに
より行った。その結果、実施例7及び8に係るカプセル
シート体は、「やや付着性あり」であり、比較例6に係
るカプセルシート体は、「非常に付着性あり」であっ
た。
【0046】以上の強度試験、崩壊性試験、ヒートシー
ル性試験及び耐湿性試験のから、実施例7及び8に係る
カプセルシート体がゼラチンと同様にソフトカプセルと
して利用可能であることが分かる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、非動物性
の水溶性高分子に該水溶性高分子の粘性を抑制する糊料
を加えることにより、加工性に優れ、ゼラチンに比しカ
プセル基材としての性能が劣らないカプセル基材及びそ
れから形成されるカプセル、並びにカプセル基材の製造
方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 埋橋 祐二 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4B035 LG20 LG21 LG23 LG24 LG27 LG28 4B041 LC05 LD03 LH01 LH04 LH07 LH08 LH09 LH17 LP14 4C076 AA53 DD38 DD67 EE30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非動物性の水溶性高分子と、該水溶性高
    分子の粘性を抑制する糊料と、を含有することを特徴と
    するカプセル基材。
  2. 【請求項2】 前記粘性を抑制する糊料は、アラビアガ
    ム、プルラン、大豆多糖類、アラビノガラクタン、低粘
    性グアーガム、低粘性ローカストビーンガム、低粘性タ
    ラガム、低粘性タマリンドガム、低粘性カシアガム、低
    粘性フェヌグリークガム、低粘性グルコマンナン、低粘
    性澱粉加水分解物のうち少なくとも一以上を含むことを
    特徴とする請求項1記載のカプセル基材。
  3. 【請求項3】 前記粘性を抑制する糊料を加えることに
    より、前記非動物性の水溶性高分子の粘度が200〜3
    0000mPa・sであることを特徴とする請求項1又
    は2記載のカプセル基材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれか記載のカプセル
    基材からなるカプセル。
  5. 【請求項5】 非動物性の水溶性高分子に、該水溶性高
    分子の粘性を抑制する糊料を加える工程を有することを
    特徴とするカプセル基材の製造方法。
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