JP2003122396A - パルス符号変調信号再生装置 - Google Patents

パルス符号変調信号再生装置

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JP2003122396A
JP2003122396A JP2001316507A JP2001316507A JP2003122396A JP 2003122396 A JP2003122396 A JP 2003122396A JP 2001316507 A JP2001316507 A JP 2001316507A JP 2001316507 A JP2001316507 A JP 2001316507A JP 2003122396 A JP2003122396 A JP 2003122396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小音量時のS/N比を悪化させない、全てデ
ジタルで信号を扱うスイッチング出力型のPCM信号再
生装置を提供する。 【解決手段】 ボリュームキー9にて設定した音量、お
よびトーンコントロールキー10にてのトーンコントロ
ールのON・OFFに応じて、コントローラ7により、
デジタルATT2とトーンコントロール3とを制御し、
さらに、可変電圧電源8のスイッチング出力段5への供
給電圧を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーディオ用のパル
ス符号変調信号再生装置に係り、特にスイッチング出力
型のパルス符号変調信号再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタルアンプ等に用いられるスイッチ
ング出力型のパルス符号変調信号(以下、「PCM(Pu
lse Code Modulation )信号」と記す)再生装置は、通
常のアナログ回路を用いることなくPCM信号をD/A
変換しつつ、スピーカ等の再生装置を駆動することがで
きる優れたものである。
【0003】以下、従来のスイッチング出力型のPCM
信号再生装置を、図4〜図6に基づき説明すれば、以下
の通りである。
【0004】従来のスイッチング出力型のPCM信号再
生装置21の構成は、図4に示すように、デジタル減衰
器(以下、「デジタルATT(attenuator)」と記す)2
2、トーンコントロール23、パルス密度変調器(以
下、「PDM(Pulse Density Modulator) 変調器」と記
す)24、スイッチング出力段25、低域フィルタ(以
下、「LPF(Low-Pass filter )」と記す)26、コ
ントローラ27、定電圧電源28、ボリュームキー2
9、トーンコントロールキー30、およびマイコン31
を有している。上記のスイッチング出力段25は、トラ
ンジスタからなっており、ベースには上記PDM変調器
24の出力が印加される一方、コレクタには定電圧電源
28からの供給電圧Vccが印加されるようになってい
る。
【0005】上記のPCM信号再生装置21では、デジ
タルATT22に入力されたPCM信号は、ボリューム
キー29により設定された音量だけデジタルATT22
にて減衰させられる。次に、トーンコントロールキー3
0の設定により、トーンコントロール23にて、低音や
高音を設定した量だけ強調(ブースト)またはカットさ
れる。次に、トーンコントロール23の出力信号は、P
DM変調器24にて、パルス密度変調信号(以下、「P
DM(Pulse Density Modulation )信号」と記す)に変
換される。次いで、このPDM信号は、スイッチング出
力段25にて電力スイッチング増幅され、スピーカ等の
装置を駆動する。LPF26は、スイッチング出力段2
5から出力された信号の高周波成分を取り除いてアナロ
グ信号を出力する。コントローラ27は、デジタルAT
T22とトーンコントロール23とを各々独立に制御し
ている。
【0006】以上のように構成されたPCM信号再生装
置21における、PCM信号再生装置21の出力である
オーディオ信号の信号レベルと雑音レベルとの関係を、
以下の各操作設定状態〜に基づき説明する。
【0007】トーンコントロールOFF、かつ音量設
定最大 トーンコントロールOFF、かつ音量設定中 トーンコントロールOFF、かつ音量設定小 トーンコントロールON、かつ音量設定小 PCM信号再生装置21から出力されたオーディオ信号
は、図5において〜に示す信号レベルと雑音レベル
との関係になって、図示しないスピーカ等の装置にて音
を発生させる。同図から分かるように、音量設定に伴っ
て信号レベルそのものは変化しているが、雑音レベルは
常に一定である。
【0008】また、上記の各操作設定状態〜の時に
は、図6の〜に示すように、スイッチング出力段2
5に電源を供給している定電圧電源28の供給電圧Vcc
は常に一定不変となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような、オーディオ信号に対してアナログ信号による負
帰還を用いない、全てデジタルで信号を扱う構成では、
一般にオーディオ信号に対して負帰還を多量に掛けるア
ナログ回路を用いた同様の装置と比較して雑音が多い。
その雑音レベルは、図5の〜に示すように、デジタ
ルATT22の音量設定にかかわらず常に一定であるの
で、小音量時のS/N比が特に悪いという問題がある。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、全てデジタルで信号を扱
うスイッチング出力型の場合に、小音量時おけるS/N
比の悪化を防止し得るパルス符号変調信号再生装置を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のパルス符号変調
信号再生装置は、上記課題を解決するために、入力され
たパルス符号変調信号を出力音量設定手段の設定量に応
じて減衰する乗算手段と、前記乗算手段から出力された
パルス符号変調信号を変調してパルス密度変調信号を出
力するパルス密度変調手段と、前記パルス密度変調手段
からの出力信号に基づいてスイッチングにより電源電圧
に基づく電力増幅を行うスイッチング出力手段とを備
え、前記スイッチング出力手段からの出力をアナログ化
して出力するパルス符号変調信号再生装置において、前
記スイッチング出力手段への電源電圧を可変する可変電
圧電源手段と、前記出力音量設定手段の設定量に応じて
可変電圧電源手段に対してスイッチング出力手段への電
源電圧を可変させる制御手段とが設けられていることを
特徴としている。
【0012】上記の発明によれば、制御手段は、出力音
量設定手段の設定量に応じて可変電圧電源手段に対して
スイッチング出力手段への電源電圧を可変させる。
【0013】このため、出力音量設定を下げた時、スイ
ッチング出力手段への電源電圧を下げることにより、出
力直前に出力信号のレベルを下げることができる。この
ため、出力音量設定手段の設定量として音量が小さい
程、信号レベルはあまり変わらないが雑音レベルが大き
く減少する。よって、小出力音量時のS/N比を向上で
きる。
【0014】この結果、全てデジタルで信号を扱うスイ
ッチング出力型の場合に、小音量時おけるS/N比の悪
化を防止し得るパルス符号変調信号再生装置を提供する
ことができる。
【0015】また、本発明のパルス符号変調信号再生装
置は、上記課題を解決するために、入力されたパルス符
号変調信号を出力音量設定手段の設定量に応じて減衰す
べく所定量の係数を乗算する乗算手段と、前記乗算手段
からの出力信号に対してトーンをコントロールすべく設
けられたトーンコントロール手段と、前記トーンコント
ロール手段から出力されたパルス符号変調信号を変調し
てパルス密度変調信号を出力するパルス密度変調手段
と、前記パルス密度変調手段からの出力信号に基づいて
スイッチングにより電源電圧に基づく電力増幅を行うス
イッチング出力手段とを備え、前記スイッチング出力手
段からの出力をアナログ化して出力するパルス符号変調
信号再生装置において、トーンコントロールの有無を検
出するトーンコントロール検出手段と、前記スイッチン
グ出力手段への電源電圧を可変する可変電圧電源手段
と、前記トーンコントロール手段によるコントロール量
と前記出力音量設定手段の設定量とに応じて可変電圧電
源手段に対してスイッチング出力手段への電源電圧を可
変させる制御手段とが設けられるとともに、上記制御手
段は、前記トーンコントロール検出手段によりトーンコ
ントロール無しを検出した場合には、前記出力音量設定
手段の設定量に応じて可変電圧電源手段に対して電圧を
可変させる一方、前記トーンコントロール検出手段によ
りトーンコントロール有りを検出した場合には、前記ト
ーンコントロール手段によるコントロール量と出力音量
設定手段の設定量とに応じて可変電圧電源手段に対して
電圧を可変させるとともに、前記乗算手段にて乗算する
係数を可変させることを特徴としている。
【0016】上記の発明によれば、制御手段は、トーン
コントロール検出手段によりトーンコントロール無しを
検出した場合には、前記出力音量設定手段の設定量に応
じて可変電圧電源手段に対して電圧を可変させる一方、
トーンコントロール検出手段によりトーンコントロール
有りを検出した場合には、前記トーンコントロール手段
によるコントロール量と出力音量設定手段の設定量とに
応じて可変電圧電源手段に対して電圧を可変させるとと
もに、乗算手段にて乗算する係数を可変させる。
【0017】このため、トーンコントロール無しを検出
したときには、出力音量設定を下げた時、スイッチング
出力手段への電源電圧を下げることにより、出力直前に
出力信号のレベルを下げることができる。この結果、出
力音量設定手段の設定量として音量が小さい程、信号レ
ベルはあまり変わらないが雑音レベルが大きく減少す
る。よって、小出力音量時のS/N比を向上できる。
【0018】一方、トーンコントロール有りを検出した
ときには、トーンコントロール手段によるコントロール
量と出力音量設定手段の設定量とに応じて可変電圧電源
手段に対して電圧を可変させる。
【0019】このため、出力音量設定を下げた時、スイ
ッチング出力手段への電源電圧を下げることにより、出
力直前に出力信号のレベルを下げることができる。この
ため、出力音量設定手段の設定量として音量が小さい
程、信号レベルはあまり変わらないが雑音レベルが大き
く減少する。よって、小出力音量時のS/N比を向上で
きる。また、コントロール量に基づいて可変電圧電源手
段に対して電圧を可変させる。これにより、従来に比べ
て、小出力音量時のS/N比を向上できる。
【0020】一方、トーンコントロール手段のコントロ
ール量に応じて、乗算手段にて乗算する係数を変化させ
ることにより、スイッチング出力手段への供給電圧を下
げることによる信号レベルの変化を補償することができ
る。この結果、従来と同様に、ダイナミック・レンジを
損なわない出力を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図1〜図3に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0022】本発明の実施の形態に係るスイッチング出
力型のパルス符号変調信号(以下、「PCM(Pulse Co
de Modulation )信号」と記す)再生装置1は、図1に
示すように、乗算手段としてのデジタル減衰器(以下、
「デジタルATT(attenuator)」と記す)2、トーンコ
ントロール手段としてのトーンコントロール3、パルス
密度変調手段としてのパルス密度変調器(以下、「PD
M(Pulse Density Modulator) 変調器」と記す)4、ス
イッチング出力手段としてのスイッチング出力段5、低
域フィルタ(以下、「LPF(Low-Pass filter )」と
記す)6、制御手段としてのコントローラ7、可変電圧
電源手段としての可変電圧電源8、出力音量設定手段と
してのボリュームキー9、トーンコントロールキー1
0、およびトーンコントロール検出手段としてのマイコ
ン11を有している。
【0023】上記のスイッチング出力段5は、トランジ
スタからなっており、ベース側にはPDM変調器4の出
力が印加される一方、コレクタ側には可変電圧電源8か
ら供給される供給電圧Vdcが印加されるようになってい
る。そして、本実施の形態では、この供給電圧Vdcが可
変電圧電源8によって可変となっている。
【0024】上記構成のPCM信号再生装置1における
信号再生方法について説明する。
【0025】外部からPCM信号再生装置1に入力され
たPCM信号は、まず、デジタルATT2に入力され
る。デジタルATT2は、操作者がボリュームキー9を
操作することによりコントローラ7を介して出力される
制御信号にて設定される量だけ入力されたPCM信号を
減衰させて、トーンコントロール3に出力する。すなわ
ち、入力されたPCM信号をこの制御信号にて設定され
る所定数をデジタルATT2に設けられた図示しない乗
算器にて乗算する。
【0026】次に、トーンコントロール3に入力された
PCM信号は、トーンコントロール3にて、コントロー
ラ7から出力される制御信号にて設定される量だけ低音
や高音が強調(ブースト)されて、PDM変調器4に出
力される。なお、後述するように、トーンコントロール
3で強調対象となる周波数帯の出力が入力に対してk倍
になるように設定されると、前述したデジタルATT2
の乗算の係数は1/kとなる。これにより、強調された
周波数帯が切落とし(クリップ)されずに出力されるよ
うになる。
【0027】次に、PDM変調器4に入力されたPCM
信号は、PDM変調器4にてパルス密度変調信号(以
下、「PDM(Pulse Density Modulation)信号」と記
す)に変換され、スイッチング出力段5に出力される。
【0028】次に、スイッチング出力段5に入力された
PDM信号は、このスイッチング出力段5にて、ハーフ
ブリッジ回路等の電力変換回路によりスイッチング関数
に基づいてD級増幅されて、図示しないスピーカ等の再
生装置を駆動するスイッチング信号を出力する。なお、
スイッチング出力段5から出力されたスイッチング信号
は、LPF6にて高周波成分が取り除かれてオーディオ
信号であるアナログ信号が出力される。
【0029】そして、このLPF6を通ったオーディオ
信号は図示しないスピーカ等の再生装置にて音を発生さ
せる。
【0030】また、スイッチング出力段5へ電圧を供給
する可変電圧電源8の供給電圧Vdcは、後述するコント
ローラ7から出力される制御信号により設定される。
【0031】以上のように、コントローラ7は、デジタ
ルATT2とトーンコントロール3と可変電圧電源8と
を各々関連付けて、制御信号にて制御している。
【0032】この制御は、操作者がボリュームキー9に
て所望した出力音量としての音量レベル設定、およびト
ーンコントロールキー10にての強調の選択、すなわ
ち、トーンコントロールのON・OFFに基づくもので
ある。つまり、これらの操作者の設定および選択行為に
よる信号がマイコン11に送られ、さらに、操作設定に
基づいた信号がコントローラ7に送られ、コントローラ
7はデジタルATT2、トーンコントロール3および可
変電圧電源8にそれぞれ制御信号を送出する。
【0033】これら制御信号の設定について述べる。
【0034】まず、トーンコントロールキー10にてブ
ースト機能つまり特定周波数の強調が選択されたか否か
をマイコン11にて判断する。
【0035】ブースト機能が選択されていない場合、す
なわち、トーンコントロールがOFFの場合、デジタル
ATT2の乗算の係数は1である。そして、ボリューム
キー9にての音量設定に比例して、可変電圧電源8の供
給電圧Vdcが設定される。
【0036】ブースト機能が選択されている場合、すな
わち、トーンコントロールがONの場合、強調しようと
する周波数帯の信号の強調率がk倍である時、デジタル
ATT2の乗算の係数を1/kにする。そして、可変電
圧電源8の供給電圧Vdcについても、音量設定が同じで
ブースト機能が選択されてない場合に対してk倍する。
これによってブースト機能が選択されていない時と全体
の信号レベルを同じにする。
【0037】以上のように構成及び設定されたPCM信
号再生装置1の動作を、操作設定が以下の4つの場合を
設定して説明する。
【0038】トーンコントロールOFF、かつ音量設
定最大 トーンコントロールOFF、かつ音量設定中 トーンコントロールOFF、かつ音量設定小 トーンコントロールON、かつ音量設定小 操作設定〜における各設定状態時に、スイッチング
出力段5に電源を供給する可変電圧電源8の供給電圧V
dcは、図3に示すように、従来の説明図である図6とは
異なり、各設定状態によって変化している。すなわち、
トーンコントロール3がOFFのときは、ボリュームキ
ー9による音量設定が大きい場合には、それに比例して
供給電圧Vdcも大きくし、ボリュームキー9による音量
設定が小さくなると、それに比例して供給電圧Vdcも小
さくしている。また、トーンコントロール3がONのと
きには、図3のと比較した図3のに示すように、ブ
ースト機能が選択されたことにより供給電圧Vdcがk倍
になっている。
【0039】一方、信号レベルと雑音レベルとの関係に
ついて、図2に基づいて説明する。最初に、トーンコン
トロール3がOFFの場合について説明する。
【0040】先ず、トーンコントロール3がOFFの場
合には、トーンコントロール3のブーストによるk倍増
幅を行なわないのでデジタルATT2においても1/k
倍は行なわれない。
【0041】したがって、ボリュームキー9による音量
設定が最大の操作設定の場合は、従来の方式によるP
CM信号再生装置21における図5のと全く同じであ
り、S/N比も同じである。また、図3のに示すよう
に、可変電圧電源8の供給電圧Vdcも同じである。すな
わち、スイッチング出力段5への供給電圧Vdcが従来と
同じであり、かつデジタルATT2の減衰率が0である
ことから当然に再生される出力も同じになる。
【0042】次に、ボリュームキー9による音量設定が
中の操作設定の場合は、その音量設定つまり音量を下
げた分に見合った分だけ、図3のに示すように、可変
電圧電源8の供給電圧Vdcを下げている。このため、信
号レベルの低下と共に雑音レベルが減少するので、従来
の方式によるPCM信号再生装置21における図5の
と比較して、図2のに示すように、雑音レベルは下が
り、S/N比は低下してしない。
【0043】さらに、ボリュームキー9による音量設定
が小の操作設定の場合は、音量をさらに下げた分に見
合った分だけ、図3のに示すように、可変電圧電源8
の供給電圧Vdcをさらに下げている。このため、信号レ
ベルの低下と共に雑音レベルがさらに減少するので、従
来の方式によるPCM信号再生装置21における図5の
と比較して、図2のに示すように、雑音レベルはさ
らに下がり、S/N比は低下させずに維持されている。
【0044】次に、トーンコントロール3がONの場合
について説明する。この場合には、トーンコントロール
3においてブーストによるk倍増幅を行ないかつデジタ
ルATT2においても1/k倍する。さらに、スイッチ
ング出力段5への供給電圧Vdcもk倍にする。
【0045】したがって、ボリュームキー9による音量
設定が小の操作設定の場合は、デジタルATT2にて
トーンコントロール3によってk倍ブーストする分だけ
入力信号を1/kに減衰させるとともに、可変電圧電源
8の供給電圧VdcをデジタルATT2で入力信号をブー
ストのために1/kに減少させた分だけ、図3のの場
合よりもよりも図3のに示すように増加させて設定し
ている。このため、図2のに示すように、信号レベル
の低下と共に雑音レベルが図5のに比べて減少する。
すなわち、従来の方式によるPCM信号再生装置21に
おける図5のと比較して、図2のの場合は、雑音レ
ベルが下がり、S/N比はあまり低下させずに済んでい
る。
【0046】このように、本実施の形態のPCM信号再
生装置1は、再生出力の出力量を設定するボリュームキ
ー9と、このボリュームキー9の設定量に応じて入力さ
れたPCM信号に所定量の係数を乗算するデジタルAT
T2と、このデジタルATT2からの出力信号を入力と
しPDM変調するPDM変調器4と、このPDM変調器
4からの出力信号をD級増幅するスイッチング出力段5
とを備えている。そして、スイッチング出力段5からの
出力をアナログ信号として再生し、さらに、ブースト機
能を有している。
【0047】また、本実施の形態では、ブースト機能は
デジタルATT2とPDM変調器4との間に設けられて
トーンコントロールするトーンコントロール3により行
われ、このトーンコントロールキー10によるコントロ
ール量とボリュームキー9の設定量とに応じてスイッチ
ング出力段5の供給電圧Vdcを可変する可変電圧電源8
を備えている。また、ブースト機能を作動させる時に
は、可変電圧電源8にてスイッチング出力段5の供給電
圧Vdcを可変する。また、デジタルATT2にて乗算す
る係数を可変するようにしている。
【0048】これにより、音量設定を下げた時のS/N
比の低下を防止し、トーンコントロールを使用する時で
もS/N比の低下を最小限に留めることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明のパルス符号変調信号再生装置
は、以上のように、スイッチング出力手段への電源電圧
を可変する可変電圧電源手段と、前記出力音量設定手段
の設定量に応じて可変電圧電源手段に対してスイッチン
グ出力手段への電源電圧を可変させる制御手段とが設け
られているものである。
【0050】それゆえ、出力音量設定を下げた時、スイ
ッチング出力手段への電源電圧を下げることにより、出
力直前に出力信号のレベルを下げることができる。この
ため、出力音量設定手段の設定量として音量が小さい
程、信号レベルはあまり変わらないが雑音レベルが大き
く減少する。よって、小出力音量時のS/N比を向上で
きるという効果を奏する。
【0051】また、本発明のパルス符号変調信号再生装
置は、以上のように、トーンコントロールの有無を検出
するトーンコントロール検出手段と、前記スイッチング
出力手段への電源電圧を可変する可変電圧電源手段と、
前記トーンコントロール手段によるコントロール量と前
記出力音量設定手段の設定量とに応じて可変電圧電源手
段に対してスイッチング出力手段への電源電圧を可変さ
せる制御手段とが設けられるとともに、上記制御手段
は、前記トーンコントロール検出手段によりトーンコン
トロール無しを検出した場合には、前記出力音量設定手
段の設定量に応じて可変電圧電源手段に対して電圧を可
変させる一方、前記トーンコントロール検出手段により
トーンコントロール有りを検出した場合には、前記トー
ンコントロール手段によるコントロール量と出力音量設
定手段の設定量とに応じて可変電圧電源手段に対して電
圧を可変させるとともに、前記乗算手段にて乗算する係
数を可変させるものである。
【0052】それゆえ、トーンコントロール無しを検出
したときには、出力音量設定を下げた時、スイッチング
出力手段への電源電圧を下げることにより、出力直前に
出力信号のレベルを下げることができる。この結果、出
力音量設定手段の設定量として音量が小さい程、信号レ
ベルはあまり変わらないが雑音レベルが大きく減少す
る。よって、小出力音量時のS/N比を向上できる。
【0053】一方、トーンコントロール有りを検出した
ときには、トーンコントロール手段によるコントロール
量と出力音量設定手段の設定量とに応じて可変電圧電源
手段に対して電圧を可変させる。
【0054】このため、出力音量設定を下げた時、スイ
ッチング出力手段への電源電圧を下げることにより、出
力直前に出力信号のレベルを下げることができる。この
結果、出力音量設定手段の設定量として音量が小さい
程、信号レベルはあまり変わらないが雑音レベルが大き
く減少する。よって、小出力音量時のS/N比を向上で
きる。また、コントロール量に基づいて可変電圧電源手
段に対して電圧を可変させる。これにより、従来に比べ
て、小出力音量時のS/N比を向上できる。
【0055】一方、トーンコントロール手段のコントロ
ール量に応じて、乗算手段にて乗算する係数を変化させ
ることにより、スイッチング出力手段への供給電圧を下
げることによる信号レベルの変化を補償することができ
る。この結果、従来と同様に、ダイナミック・レンジを
損なわない出力を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるPCM信号再生装置の実施の一
形態を示すブロック図である。
【図2】上記PCM信号再生装置の出力であるオーディ
オ信号の信号レベルと雑音レベルとの関係を示すグラフ
である。
【図3】上記PCM信号再生装置の各操作設定における
可変電圧電源の供給電圧の設定を示すグラフである。
【図4】従来のPCM信号再生装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】上記PCM信号再生装置の出力であるオーディ
オ信号の信号レベルと雑音レベルとの関係を示すグラフ
である。
【図6】上記PCM信号再生装置の各操作設定における
電圧電源の供給電圧の設定を示すグラフである。
【符号の説明】
1 PCM信号再生装置(パルス符号変調信号再生装
置) 2 デジタルATT(乗算手段) 3 トーンコントロール(トーンコントロール手段) 4 PDM変調器(パルス密度変調手段) 5 スイッチング出力段(スイッチング出力手段) 6 LPF 7 コントローラ(制御手段) 8 可変電圧電源(可変電圧電源手段) 9 ボリュームキー(出力音量設定手段) 10 トーンコントロールキー 11 マイコン(トーンコントロール検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力されたパルス符号変調信号を出力音量
    設定手段の設定量に応じて減衰する乗算手段と、 前記乗算手段から出力されたパルス符号変調信号を変調
    してパルス密度変調信号を出力するパルス密度変調手段
    と、 前記パルス密度変調手段からの出力信号に基づいてスイ
    ッチングにより電源電圧に基づく電力増幅を行うスイッ
    チング出力手段とを備え、前記スイッチング出力手段か
    らの出力をアナログ化して出力するパルス符号変調信号
    再生装置において、 前記スイッチング出力手段への電源電圧を可変する可変
    電圧電源手段と、 前記出力音量設定手段の設定量に応じて可変電圧電源手
    段に対してスイッチング出力手段への電源電圧を可変さ
    せる制御手段とが設けられていることを特徴とするパル
    ス符号変調信号再生装置。
  2. 【請求項2】入力されたパルス符号変調信号を出力音量
    設定手段の設定量に応じて減衰すべく所定量の係数を乗
    算する乗算手段と、 前記乗算手段からの出力信号に対してトーンをコントロ
    ールすべく設けられたトーンコントロール手段と、 前記トーンコントロール手段から出力されたパルス符号
    変調信号を変調してパルス密度変調信号を出力するパル
    ス密度変調手段と、 前記パルス密度変調手段からの出力信号に基づいてスイ
    ッチングにより電源電圧に基づく電力増幅を行うスイッ
    チング出力手段とを備え、前記スイッチング出力手段か
    らの出力をアナログ化して出力するパルス符号変調信号
    再生装置において、 トーンコントロールの有無を検出するトーンコントロー
    ル検出手段と、 前記スイッチング出力手段への電源電圧を可変する可変
    電圧電源手段と、 前記トーンコントロール手段によるコントロール量と前
    記出力音量設定手段の設定量とに応じて可変電圧電源手
    段に対してスイッチング出力手段への電源電圧を可変さ
    せる制御手段とが設けられるとともに、 上記制御手段は、 前記トーンコントロール検出手段によりトーンコントロ
    ール無しを検出した場合には、前記出力音量設定手段の
    設定量に応じて可変電圧電源手段に対して電圧を可変さ
    せる一方、前記トーンコントロール検出手段によりトー
    ンコントロール有りを検出した場合には、前記トーンコ
    ントロール手段によるコントロール量と出力音量設定手
    段の設定量とに応じて可変電圧電源手段に対して電圧を
    可変させるとともに、前記乗算手段にて乗算する係数を
    可変させることを特徴とするパルス符号変調信号再生装
    置。
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