JP2003121629A - カラーフィルタ並びに液晶装置及び電子デバイス - Google Patents

カラーフィルタ並びに液晶装置及び電子デバイス

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JP2003121629A
JP2003121629A JP2001315870A JP2001315870A JP2003121629A JP 2003121629 A JP2003121629 A JP 2003121629A JP 2001315870 A JP2001315870 A JP 2001315870A JP 2001315870 A JP2001315870 A JP 2001315870A JP 2003121629 A JP2003121629 A JP 2003121629A
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color
ink
green
liquid crystal
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JP2001315870A
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Hiroshi Kiguchi
浩史 木口
Satoru Kataue
悟 片上
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として従来より優れた発色特性を有するカ
ラーフィルタを提供する。 【解決手段】 本発明のカラーフィルタは、赤、緑、及
び青の色要素を備え、標準C光源におけるxy色度座標
の赤の色要素のx座標の値が0.560以上であり、y
座標の値が0.330以上である。また、緑の色要素の
x座標の値が0.280以上であり、y座標の値が0.
585以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタ並
びに液晶装置及び電子デバイスに係り、特にインクジェ
ット印刷に用いられている微小液滴吐出法を応用して製
造されるカラーフィルタ並びに当該カラーフィルタを備
える液晶装置、当該カラーフィルタ又は液晶装置を備え
る電子デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばコンピュータ及び携帯情報
機器等の各種電子デバイスが著しく発達しているが、こ
れらの電子デバイスの発達に伴って液晶表示装置、特に
表示能力の高いカラー液晶表示装置を備えた電子デバイ
スが増大している。また、カラー液晶表示装置は、小型
であるにもかかわらず表示能力が高いため、使用される
用途(範囲)が広がっている。カラー液晶表示装置は、
一般に表示画像をカラー化するためのカラーフィルタを
備えている。
【0003】従来、カラーフィルタの製造方法の1つと
して、以下の方法が知られている。つまり、まず、遮光
材としてクロムの薄膜をフォトリソグラフィー及びエッ
チングによってパターニングしてブラックマトリクスを
形成する。その後、このブラックマトリクス間の間隙
に、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の感光性樹脂
を、一色毎にスピンコート法などによって塗布した後、
フォトリソグラフィーによりパターニングする。これら
の工程を経て、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の着
色層(ドット)が隣り合って配置されたカラーマトリク
スが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したフ
ォトリソグラフィーによるカラーフィルタの製造方法で
は、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の感光性樹脂を
パターニングして着色層を形成している。よって、感光
性樹脂として本来の発色に関係する有機顔料(溶剤を含
む)以外に、光化学反応を引き起こす光重合開始剤を混
入させる必要があり、更に樹脂として光硬化性樹脂を用
いる必要があった。これらの光重重合開始剤及び光硬化
性樹脂は、カラーフィルタの製造プロセス上は必要不可
欠なものであるが、実現しようとする発色を得るために
は不必要なものである。
【0005】前述したように、液晶表示装置、特にカラ
ー液晶表示装置は、種々の用途に用いられており、今後
更なる用途の広がりが見込まれる。かかる状況下におい
て、液晶表示装置には更なる高性能、つまり、より明る
く、より発色が良く色再現性が良いという性能が求めら
れると考えられる。液晶表示装置の色再現性は主として
カラーフィルタによって決定されるため、より良い色再
現性を有するカラーフィルタが求められる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、従来より優れた発色特性を有するカラーフィルタ
を提供することを主たる目的とする。また、本発明はか
かる優れた発色特性を有するカラーフィルタを備えるこ
とにより、色再現性に優れた液晶装置及び電子デバイス
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点によるカラーフィルタは、赤、
緑、及び青の色要素を備えたカラーフィルタであって、
標準C光源におけるxy色度座標の前記赤の色要素のx
座標の値が0.560以上であることを特徴としてい
る。この発明によれば、標準C光源におけるxy色度座
標の赤の色要素のx座標の値が0.560以上であるた
め、赤色の透過率の絶対値及び透過率の立ち上がりの急
峻さが向上し、従来より優れた発色特性を有するカラー
フィルタを得ることができる。上記課題を解決するため
に、本発明の第2の観点によるカラーフィルタは、前記
標準C光源におけるxy色度座標の前記赤の色要素のy
座標の値が0.330以上であることを特徴としてい
る。この発明によれば、標準C光源におけるxy色度座
標の赤の色要素のy座標の値が0.330以上であるた
め、赤色の透過率の絶対値及び透過率の立ち上がりの急
峻さが向上し、従来より優れた発色特性を有するカラー
フィルタを得ることができる。上記課題を解決するため
に、本発明の第3の観点によるカラーフィルタは、赤、
緑、及び青の色要素を備えたカラーフィルタであって、
標準C光源におけるxy色度座標の前記緑の色要素のx
座標の値が0.280以上であることを特徴としてい
る。この発明によれば、標準C光源におけるxy色度座
標の緑の色要素のx座標の値が0.280以上であるた
め、緑色の透過率の絶対値及び透過率の立ち上がりの急
峻さが向上し、従来より優れた発色特性を有するカラー
フィルタを得ることができる。上記課題を解決するため
に、本発明の第4の観点によるカラーフィルタは、赤、
緑、及び青の色要素を備えたカラーフィルタであって、
標準C光源におけるxy色度座標の前記緑の色要素のy
座標の値が0.585以上であることを特徴としてい
る。この発明によれば、標準C光源におけるxy色度座
標の緑の色要素のy座標の値が0.585以上であるた
め、緑色の透過率の絶対値及び透過率の立ち上がりの急
峻さが向上し、従来より優れた発色特性を有するカラー
フィルタを得ることができる。上記課題を解決するため
に、本発明の第5の観点によるカラーフィルタは、赤、
緑、及び青の色要素を備えたカラーフィルタであって、
標準C光源におけるxy色度座標の前記赤の色要素のx
座標の値が0.560以上であり、y座標の値が0.3
30以上であることを特徴としている。この発明によれ
ば、標準C光源におけるxy色度座標の赤の色要素のx
座標の値が0.560以上であり、y座標の値が0.3
30以上であるため、彩度の高い赤が得られ、従来より
優れた発色特性を有するカラーフィルタを得ることがで
きる。ここで、更に、本発明の第5の観点によるカラー
フィルタは、前記標準C光源におけるxy色度座標の前
記緑の色要素のx座標の値が0.280以上であり、y
座標の値が0.585以上であることを特徴としてい
る。この発明によれば、標準C光源におけるxy色度座
標の緑の色要素のx座標の値が0.280以上であり、
y座標の値が0.585以上であるため、彩度の高い緑
が得られ、その結果として、赤及び緑のみならず、赤及
び緑で形成される黄の発色特性を向上させることができ
る。本発明の第6の観点によるカラーフィルタは、前記
赤、緑、及び青の色要素は、熱硬化性樹脂を含むことを
特徴としている。この発明によれば、赤、緑、及び青の
色要素が熱硬化性樹脂を含んでいるため、黄色の発色に
影響を与える光硬化性樹脂を除去することができ、その
結果として従来より優れた発色特性が得られる。また、
光硬化性樹脂はライフタイムが短く、管理も煩雑という
問題があったが、光硬化性樹脂を用いずに熱硬化性樹脂
を用いることで、経時劣化による色色素を形成する材料
の廃棄の機会が少なくなり、カラーフィルタの製造コス
ト低減を図ることができるのはもちろんのこと、資源の
有効利用に資することもできる。また、本発明の液晶装
置は、上記の何れかの観点によるカラーフィルタを備え
たことを特徴としている。この発明によれば、優れた発
色特性を有するカラーフィルタを備えているため、色再
現性を向上させることができ、その結果として高画質の
液晶装置を得ることができる。更に、本発明の電子デバ
イスは、上記の何れかの観点によるカラーフィルタ又は
上記の液晶装置を備えたことを特徴としている。この発
明によれば、優れた発色特性を有するカラーフィルタ又
は上記の色再現性の高い液晶装置を備えているため、よ
り高品質な表示が可能な電子デバイスを提供することが
できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態によるカラーフィルタ並びに液晶装置及び電子
デバイスについて詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施形態による電子デバイスの全体構成の一例を示す斜
視図である。図1に示した電子デバイスは、薄膜トラン
ジスタ(Thin Film Transistor: 以下、TFTと略記
する)をスイッチング手段として用いたアクティブマト
リクス方式の透過型液晶装置の一例であり、図1(a)
は機器装置の全体構成を示す斜視図であって、図1
(b)は図1(a)における一画素の拡大図である。
【0009】本実施形態による電子デバイスとしての液
晶装置1は、図1(a)に示すように、TFTが形成さ
れた側の素子基板2と対向基板3とが対向配置され、こ
れらの素子基板2と対向基板3との間に誘電率異方性が
正の液晶からなる液晶層(図示省略)が封入されてい
る。素子基板2の内面側には、多数のソース線4及び多
数のゲート線5が互いに交差するように格子状に設けら
れている。各ソース線4と各ゲート線5の交差点の近傍
にはTFT6が形成されており、各TFT6を介して画
素電極7がそれぞれ接続されている。即ち、マトリクス
状に配置された各画素毎に1つのTFT6と1つの画素
電極7とが設けられている。一方、対向基板3の内面側
全面には、多数の画素がマトリクス状に配列されてなる
表示領域の全体にわたって一つの共通電極8が形成され
ている。
【0010】図1(b)に示すように、TFT6は、ゲ
ート線5から延びるゲート電極10と、ゲート電極10
を覆う絶縁膜(図示略)と、この絶縁膜上に形成された
多結晶シリコン又はアモルファスシリコンからなる半導
体層11と、半導体層11中のソース領域に電気的に接
続されたソース線4から延びるソース電極12と、半導
体層11中のドレイン領域に電気的に接続されたドレイ
ン電極13とを有している。そして、TFT6のドレイ
ン電極13が画素電極7に電気的に接続されている。本
実施形態においては、画素電極7がITO等の透明導電
膜で形成され、対向基板3側の共通電極8もITO等の
透明導電膜で形成されている。
【0011】図2は、図1に示した液晶装置の内部構成
を詳細に示す断面図である。尚、図2に示した部材の
内、図1に示した部材には同一の符号を付してある。図
2に示したように、液晶装置1は素子基板2と対向基板
3とが対向配置され、これらの素子基板2と対向基板3
との間に液晶層15が封入されている。素子基板2は、
ガラス等の透明な基板16上に画素電極7が形成されお
り、その一面には配向膜17が形成されている。尚、配
向膜17はラビング処理されており、液晶分子を一定方
向に配列させることができる。また、基板16の他面に
は偏向板18が形成されている。尚、図2においては、
図示を省略しているが、素子基板2には図1に示したT
FT6がマトリクス状に形成されている。
【0012】また、対向基板3は、偏光板19、カラー
フィルタ20、オーバーコート層21、共通電極8、及
び配向膜22から構成される。カラーフィルタ20は、
ガラス等からなる透明な基板23と、基板23上にマト
リックス状に形成されたブラックマトリクス等の遮光層
24と、遮光層24の上部に形成されたバンク層25
と、遮光部24及びバンク層25間に形成された着色層
26とから構成されている。尚、着色層26は、例えば
R(赤)、G(緑)、及びB(青)が順次繰り返される
ように構成されている。また、図示は省略しているが、
図1及び図2に示した液晶装置にはバックライトが設け
られる。このバックライトとしては蛍光灯(図示せず)
と散乱板の組み合わせが一般的に用いられており、液晶
層15をバックライト光の透過率を変化させる光シャッ
ターとして機能させることにより表示を行う。
【0013】以上、本発明の一実施形態による電子デバ
イスの一例としての液晶装置について説明したが、次
に、本発明の実施形態による電子デバイスが備える本発
明の一実施形態によるカラーフィルタの製造方法につい
て説明する。図3は、デバイス製造装置を用いてRGB
パターンを形成する工程を含めたカラーフィルタの一連
の製造工程を示す図である。
【0014】カラーフィルタの製造に用いられるウェハ
Wは、例えば長方形型薄板形状の透明基板であり、適度
の機械的強度と共に光透過性の高い性質を兼ね備えてい
る。このウェハWとしては、例えば、透明ガラス基板、
アクリルガラス、プラスチック基板、プラスチックフィ
ルム及びこれらの表面処理品等が好ましく用いられる。
尚、このウェハWには、RGBパターン形成工程の前工
程において、生産性を上げる観点から、複数のカラーフ
ィルタ領域が予めマトリックス状に形成されており、こ
れらカラーフィルタ領域をRGBパターン形成工程の後
工程で切断することにより、液晶表示装置に適合するカ
ラーフィルタとして用いられるようになっている。
【0015】ここで、図4は、カラーフィルタに形成さ
れるRGBパターン例を示す図であり、(a)はストラ
イプ型のパターンを示す斜視図であり、(b)はモザイ
ク型のパターンを示す部分拡大図であり、(c)はデル
タ型のパターンを示す部分拡大図である。図3に示すよ
うに、各カラーフィルタ領域には、R(赤)のインク、
G(緑)のインク、及びB(青)のインクが、インクジ
ェットヘッド30より所定のパターンで形成されるよう
になっている。この形成パターンとしては、図4(a)
に示すストライプ型のパターンの他に、図4(b)に示
すモザイク型のパターン、又は、図4(c)に示すデル
タ型のパターンなどがあるが、本発明ではその形成パタ
ーンに関し、特に限定はされない。
【0016】ここで、本実施形態のカラーフィルタを製
造する際に用いられるインクジェットヘッド30の構成
について簡単に説明する。図5は、インクジェットヘッ
ド30の機械的断面構造の一例を示す図である。図5に
おいて、第1の蓋部材70は、厚さが6μm程度のジル
コニア(ZrO)の薄板から構成されており、その表面
には一方の極となる共通電極71が形成されている。ま
た、共通電極71の表面には後述するようにPZT等か
らなる圧力発生素子48aが固定され、更に、圧力発生
素子48aの表面にAu等の比較的柔軟な金属の層から
なる駆動電極72が形成されている。
【0017】圧力発生素子48aは第1の蓋部材70と
ともに、撓み振動型のアクチュエータを構成しており、
圧力発生素子48aが充電されると収縮して圧力発生室
48bの体積を縮める変形を行い、圧力発生素子48a
が放電されると伸長して圧力発生室48bの体積を元に
拡げる方向に変形するようになっている。スペーサ73
は、厚みが例えば100μm程度のジルコニア等のセラ
ミック板に通孔を形成したものである。スペーサ73が
第1の蓋部材70と後述する第2の蓋部材74とにより
両面が封止されることによって圧力発生室48bが形成
される。
【0018】第2の蓋部材74は、第1の蓋部材70と
同様にジルコニア等のセラミック板により形成されてい
る。この、第2の蓋部材74は、圧力発生室48bと後
述するインク供給口75とを接続する連通孔76と、圧
力発生室48bの他端とノズル開口48cとを接続する
ノズル連通孔77とが形成され、スペーサ73の他面に
固定されている。以上説明した第1の蓋部材70、スペ
ーサ73、及び第2の蓋部材74は粘度状のセラミック
ス材料を所定の形状に成形し、それを積層して焼成する
ことにより、接着剤を使用することなくアクチュエータ
ユニット86に纏められている。
【0019】インク供給口形成基板78は、上述したイ
ンク供給口75と連通孔79とが形成されており、アク
チュエータユニット86の固定基板を兼ねるものであ
る。インク室形成基板80は、インク室となる通孔とイ
ンク供給口形成基板78に形成された連通孔79と接続
される連通孔81とが形成されている。ノズルプレート
82には、インクを吐出するためのノズル開口48cが
形成されている。これらのインク供給口形成基板78、
インク室形成基板80、及びノズルプレート82は、各
々の間に熱溶着フィルムや接着剤等の接着層83,84
により固定されて流路ユニット87に纏められている。
この流路ユニット87と前述したアクチュエータユニッ
ト86とは、熱溶着フィルムや接着剤等の接着層85に
より固定されてインクジェットヘッド30が構成されて
いる。
【0020】以上の構成のインクジェットヘッド30に
おいて、圧力発生素子48aを放電すると、圧力発生室
48bが膨張し、圧力発生室48b内の圧力が低下して
インク室48dから圧力発生室48b内にインクが流入
する。これに対して、圧力発生素子48aを充電する
と、圧力発生室48bが縮小し、圧力発生室48b内の
圧力が上昇して圧力発生室48b内のインクがインク滴
としてノズル開口48cを介して外部に吐出される。
【0021】また、図6は、インクジェットヘッド30
の機械的断面構造の他の例を示す図である。尚、図6に
おいては、伸縮振動する圧電振動子を圧力発生素子とし
て用いた記録ヘッド41の機械的断面構造の一例を示し
てある。図6に示したインクジェットヘッド30におい
て、90はノズルプレートであり、91は流路形成板で
ある。ノズルプレート90にはノズル開口48cが形成
されており、流路形成板91には、圧力発生室48bを
区画する通孔、圧力発生室48bに両側で連通する2つ
のインク供給口92を区画する通孔又は溝、及びこれら
のインク供給口92にそれぞれ連通する2つの共通のイ
ンク室48dを区画する通孔が形成されている。
【0022】振動板93は、弾性変形可能な薄板から構
成され、ピエゾ素子等の圧力発生素子48aの先端に当
接し、流路形成板91を挟んでノズルプレート90と液
密に一体に固定され、流路ユニット94を構成してい
る。基台95には、圧力発生素子48aを振動可能に収
容する収容室96と、流路ユニット94を支持する開口
97とが構成され、圧力発生素子48aの先端を開口9
7から露出させた状態で圧力発生素子48aを固定基板
98で固定している。また、基台95は、振動板93の
アイランド部93aを圧力発生素子48aに当接させた
状態で、流路ユニット94を開口97に固定してインク
ジェットヘッドを纏めている。
【0023】このように構成のインクジェットヘッド3
0において、充電パルスが圧力発生素子48aに印加さ
れると、圧力発生素子48aは圧力発生室48bの容積
を膨張させる方に撓み、圧力発生室48b内に負圧を発
生させる。その結果、メニスカスはノズル開口48c内
に引き込まれる。次に、放電パルスが印加されると、圧
力発生素子48aは圧力発生室48bの容積を収縮させ
る方向に撓み、圧力発生室48bに正圧が生じる。その
結果、ノズル開口48cからインク滴が吐出される。
【0024】図3に戻り、前工程であるブラックマトリ
ックス形成工程では、図3(a)に示すように、透明の
ウェハWの一方の面(カラーフィルタの基礎となる面)
に対して、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)を、
スピンコート等の方法により、所定の厚さ(例えば、2
μm程度)に塗布し、その後、フォトリソグラフィー法
等の方法によりマトリックス状にブラックマトリックス
BM,…を形成していく。これらブラックマトリックス
BM,…の格子で囲まれる最小の表示要素は、所謂フィ
ルターエレメントFE,…といわれ、ウェハW面内の一
方向(例えばX軸方向)の巾寸法が30μmであり、こ
の方向に直交する方向(例えば、Y軸方向)の長さ寸法
が100μm程度の大きさの窓である。ウェハW上にブ
ラックマトリックスBM,…を形成した後は、図示しな
いヒータにより熱を加えることで、ウェハW上の樹脂を
焼成することがなされる。
【0025】このようにしてブラックマトリックスBM
が形成されたウェハWに対して、引き続きRGBパター
ン形成工程が行われる。RGBパターン形成工程では、
まず、図示せぬインクジェット装置が、赤色のインク滴
を着弾させる前準備として、その描画方向と位置決めと
を行う。次に、位置決めしたウェハWをインクジェット
ヘッド30の可動範囲内の所定位置に移載する。このイ
ンクジェット装置では、図4(b)に示すように、所定
のパターンを形成するための所定位置のフィルターエレ
メントFE,…内に、赤色のインク滴RDを着弾させ
る。この時の各インク滴RDの量は、加熱工程における
インク滴RDの体積減少量を考慮した充分な量となって
いる。ここで、インクヘットヘッド30から吐出される
赤色のインク滴RDの組成は、熱硬化性アクリル樹脂を
20重量%、有機顔料を10重量%、及び溶剤としてジ
エチレングリコールブチルエーテル誘導体を70%含ん
でいる。
【0026】このようにして所定の全てのフィルターエ
レメントFE,…に赤色のインク滴RDが充填された後
のウェハWは、所定の温度(例えば70度程度)で乾燥
処理される。この時、インク滴RDの溶媒が蒸発する
と、図3(c)に示すようにインク滴RDの体積が減少
するので、体積減少が激しい場合には、カラーフィルタ
として充分なインク膜厚が得られるまで、インク滴RD
の着弾作業と乾燥作業とが繰り返される。この処理によ
り、インク滴RDの溶媒が蒸発して、最終的にインク滴
RDの固形分のみが残留して膜化する。
【0027】以上の乾燥作業後のウェハWは、加熱状態
にあるため、図示せぬ冷却器へと搬送されて冷却され
る。冷却後のウェハWは、緑色のインク滴を着弾させる
前準備として、その描画方向と位置決めとがなされる。
次に、位置決めしたウェハWをインクジェットヘッド3
0の可動範囲内の所定位置に移載する。移載が完了する
と、図3(b)に示すように、所定のパターンを形成す
るための所定位置のフィルターエレメントFE,…内
に、緑色のインク滴GDを着弾させる。この時の各イン
ク滴GDの量は、加熱工程におけるインク滴GDの体積
減少量を考慮した充分な量となっている。また、この場
合のインクヘットヘッド30から吐出される緑色のイン
ク滴GDの組成も、熱硬化性アクリル樹脂を20重量
%、有機顔料を10重量%、及び溶剤としてジエチレン
グリコールブチルエーテル誘導体を70%含んだもので
ある。
【0028】このようにして所定の全てのフィルターエ
レメントFE,…に緑色のインク滴GDが充填された後
のウェハWは、所定の温度(例えば、70度程度)で乾
燥処理される。この時、インク滴GDの溶媒が蒸発する
と、図3(c)に示すようにインク滴GDの体積が減少
するので、体積減少が激しい場合には、カラーフィルタ
として充分なインク膜厚が得られるまで、インク滴GD
の着弾作業と乾燥作業とが繰り返される。この処理によ
り、インク滴GDの溶媒が蒸発して、最終的にインク滴
GDの固形分のみが残留して膜化する。
【0029】以上の乾燥作業後のウェハWは、加熱状態
にあるため、図示せぬ冷却器へと搬送されて冷却され
る。冷却後のウェハWは、これから青色のインク滴を着
弾させる前準備として、その描画方向と位置決めとがな
される。次に、位置決めしたウェハWをインクジェット
ヘッド30の可動範囲内の所定位置に移載する。移載が
完了すると、図3(b)に示すように、所定のパターン
を形成するための所定位置のフィルターエレメントF
E,…内に、青色のインク滴BDを着弾させる。この時
の各インク滴BDの量は、加熱工程におけるインク滴B
Dの体積減少量を考慮した充分な量となっている。尚、
青色のインク滴BDの組成も、熱硬化性アクリル樹脂を
20重量%、有機顔料を10重量%、及び溶剤としてジ
エチレングリコールブチルエーテル誘導体を70%含ん
だものである。
【0030】このようにして所定の全てのフィルターエ
レメントFE,…に青色のインク滴BDが充填された後
のウェハWは、図3(c)に示すように所定の温度(例
えば、70度程度)で乾燥処理される。この時、インク
滴BDの溶媒が蒸発すると、インク滴BDの体積が減少
するので、体積減少が激しい場合には、カラーフィルタ
として充分なインク膜厚が得られるまで、インク滴BD
の着弾作業と乾燥作業とが繰り返される。この処理によ
り、インク滴BDの溶媒が蒸発して、最終的にインク滴
BDの固形分のみが残留して膜化する。この青色パター
ンの形成工程における乾燥作業が終了すると、ウェハW
がインクジェット装置からアンロードされることによ
り、RGBパターン形成工程が完了する。その後は引き
続き、図3(d)以降に示す後工程が行われる。
【0031】後工程の1つである図3(d)に示す保護
膜形成工程では、インク滴RD,GD,BDを完全に乾
燥させるために、所定の温度で所定時間加熱を行う。乾
燥が終了すると、インク膜が形成されたウェハWの表面
保護及び表面平坦化を目的として保護膜CRが形成され
る。この保護膜CRは、例えばスピンコート法、ロール
コート法、又はリッピング法等の方法を用いて形成され
る。以上の工程を経ることにより、図1及び図2に示し
たカラーフィルタは製造される。
【0032】図1及び図2に示した液晶装置は、対向基
板3にカラーフィルタ20及び共通電極8が設けられて
おり、素子基板2にTFT6及び画素電極7が形成され
ている場合を例に挙げて説明したが、近年では、カラー
フィルタとTFT及び画素電極とを同一基板に形成した
液晶装置も作成されている。この種の液晶装置に用いら
れるカラーフィルタでは、保護膜形成工程に続いて、図
3(e)及び図3(f)に示した工程が行われる。
【0033】保護膜形成工程に続く図3(e)に示した
透明電極形成工程では、スパッタ法又は真空吸着法等の
方法を用いて、保護膜CRの全面を覆うように透明電極
TLが形成される。透明電極形成工程に続く図3(f)
に示すパターニング工程では、透明電極TLが、画素電
極PLとしてパターニングされる。尚、液晶表示パネル
の駆動にTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチ
ング素子を用いる場合にはこのパターニング工程は不要
となる。以上説明した各工程を経て、図3(f)に示す
カラーフィルタCFが製造される。
【0034】そして、このカラーフィルタCFと対向基
板(図示省略)とを対向配置させ、その間に液晶を挟持
させる工程を経て液晶表示装置が製造される。尚、図1
及び図2に示したカラーフィルタ20又はカラーフィル
タCFを備える液晶表示装置は、バックライトを備える
透過型の液晶表示装置であっても良く、入射した光を反
射させる反射型の液晶表示装置であっても良い。また、
液晶表示装置は、駆動方式で分類すると、装置自体にT
FT等のスイッチング素子を用いない単純マトリックス
液晶表示パネルやスタティック駆動液晶表示装置、又は
TFTで代表される三端子スイッチング素子若しくはT
FD(薄膜ダイオード)で代表される二端子スイッチン
グ素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置で
あっても良く、電気光学特性で分類すると、TN型、S
TN型、ゲストホスト型、相転移型、強誘電型等の、種
々のタイプの液晶表示装置であっても良い。
【0035】このようにして製造された液晶表示装置、
CPU(中央処理装置)等を備えたマザーボード、キー
ボード、ハードディスク等の電子部品を筐体内に組み込
むことで、例えば図7に示すノート型のパーソナルコン
ピュータ35(電子デバイス)が製造される。図7は、
本発明の一実施形態による液晶装置を備える電子デバイ
スの一例を示す図である。尚、図7において36は筐体
であり、37は液晶表示装置であり、38はキーボード
である。
【0036】尚、以上説明した製造工程を経て形成され
るカラーフィルタCFが装備されるデバイスは上記のノ
ート型のパーソナルコンピュータ35に限られず、携帯
型電話機、電子手帳、ページャ、POS端末、ICカー
ド、ミニディスクプレーヤ、液晶プロジェクタ、エンジ
ニアリングワークステーション(EWS)、ワードプロ
セッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型
のビデオレコーダ、電子卓上計算機、カーナビゲーショ
ン装置、タッチパネルを備えた装置、時計、ゲーム機器
等、様々な電子デバイスが挙げられる。
【0037】次に、本実施形態のカラーフィルタの色特
性について説明する。図8は、本発明の一実施形態によ
るカラーフィルタの色特性を示す図である。尚、図8に
示した座標系はxy色度座標系である。CIE(国際照
明委員会)は1931年にX,Y,Zの三刺激値からな
るXYZ表色系を制定している。ここで、三刺激値X,
Y,Zは、以下の(1)式で表される。
【0038】
【数1】 上記(1)式において、
【数2】 である。xy色度座標系とXYZ表色系の関係は以下の
(2)式から求められる。
【数3】
【0039】XYZ表色系における三刺激値X,Y,Z
は色を抽象概念で捕らえたものであり、Xはいわば赤の
色みだけがあり、明るさをもたない色、Yはいわば緑の
色みと、明るさをもつ色、Zはいわば青の色みだけがあ
り、明るさをもたない色である。このXYZ表色系は、
三刺激値X,Y,Zの内、Yだけに明るさを持たせてい
るという特色がある。xy色度座標系は、明るさ情報を
除いて色を色味(色相と彩度)だけで表したものであ
る。従って、明るさが異なっても色味が同じであるなら
ば、色度座標(xの値及びyの値)は同一となるという
特性がある。
【0040】図8中の符号R1,G1,B1を付した点
は、本実施形態のカラーフィルタのR(赤)のインクに
より形成された着色層(赤の色要素)、G(緑)のイン
クにより形成された着色層(緑の色要素)、及びB
(青)のインクにより形成された着色層(青の色要素)
各々のxy色度座標系上の位置を示しており、符号Tr
1を付した三角形は、本実施形態のカラーフィルタの各
着色層のxy色度座標系上における位置を結んで形成さ
れる三角形(いわゆる色三角形)である。また、図8中
の符号R2,G2,B2を付した点は、従来のカラーフ
ィルタのR(赤)のインク、G(緑)のインク、及びB
(青)のインク各々のxy色度座標系上の位置を示して
おり、符号Tr2を付した三角形は、従来のカラーフィ
ルタの各着色層のxy色度座標系上における位置を結ん
で形成される色三角形である。
【0041】尚、符号R1,G1,B1を付した点及び
符号R2,G2,B2を付した点においては、2つのプ
ロットがなされているが、これは複数回行った計測を反
映したものである。また、図8において、本実施形態の
カラーフィルタと比較するために用いた従来のカラーフ
ィルタは、R(赤)、G(緑)、及びB(青)のパター
ンがフォトリソグラフィー工程を経て形成されたカラー
フィルタである。
【0042】本実施形態のカラーフィルタは、図3に示
した製造工程を経ることにより、R(赤)のインク、G
(緑)のインク、及びB(青)のインクが、図4(a)
〜図4(c)に示した所定のパターンで形成されるが、
R(赤)のインクにより形成された着色層(赤の色要
素)の標準C光源におけるxy色度座標のx座標の値が
0.560以上であり、y座標の値が0.330以上で
ある。また、G(緑)のインクにより形成された着色層
(緑の色要素)の標準C光源におけるxy色度座標のx
座標の値が0.280以上であり、y座標の値が0.5
85以上である。更に、B(青)のインクにより形成さ
れた着色層(青の色要素)は、従来のカラーフィルタと
同様の値である。
【0043】以上、本実施形態のカラーフィルタに設け
られる各着色層のxy色度座標系における数値を規定し
たが、CRT(Cathod Ray Tube)に近いより良い発色
性のためには、R(赤)のインクにより形成された着色
層(赤の色要素)の標準C光源におけるxy色度座標の
x座標の値が0.570以上であり、y座標の値が0.
335以上であり、G(緑)のインクにより形成された
着色層(緑の色要素)の標準C光源におけるxy色度座
標のx座標の値が0.345以上であり、y座標の値が
0.700以上であることが好ましい。
【0044】カラーフィルタの発色性は上記の数値がよ
り大きい方が好ましいが、従来の製造プロセスを踏襲し
なければならない場合があり、使用することのできるイ
ンクも制限される場合もある。かかる場合には、R
(赤)のインクにより形成された着色層(赤の色要素)
の標準C光源におけるxy色度座標のx座標の値が0.
560以上であって0.630以下であり、y座標の値
が0.330以上であって0.555以上であることが
好ましい。また、G(緑)のインクにより形成された着
色層(緑の色要素)の標準C光源におけるxy色度座標
のx座標の値が0.345以上であって0.630以下
であり、y座標の値が0.330以上であって0.55
5以上であることが好ましい。
【0045】尚、カラーフィルタの発色は、三刺激値Y
(明度)との兼ね合いで決定されるものであり、明度を
優先する場合には、xy色度が制限される場合もある。
つまり、明るさ(カラーフィルタの透過率)を追求する
と、カラーフィルタの色は薄くせざるを得ないし、色
(発色性)を追求すると明るさを犠牲にしなければなら
ない場合がある。よって、例えば携帯電話及びノート型
のパーソナルコンピュータ等の携帯性を有する電子機器
に設けられる液晶表示装置に本実施形態のカラーフィル
タを用いる場合には、消費電力の低いバックライトを用
いなければならないため、色を追求するよりも明るさが
優先され、その結果としてカラーフィルタのxy色度座
標系のx値及びy値が低くても良いとされる。一方、液
晶テレビ等の据え置き形の電子機器に設けられる液晶表
示装置に本実施形態のカラーフィルタを用いる場合に
は、消費電力を携帯性を有する電子機器の場合よりも考
慮する必要がないため、カラーフィルタのxy色度座標
系のx値及びy値をより高くすることが可能になる。
【0046】一方、従来のカラーフィルタは、R(赤)
のインクの標準C光源におけるxy色度座標のx座標の
値が0.530程度であり、y座標の値が0.320程
度である。また、G(緑)のインクの標準C光源におけ
るxy色度座標のx座標の値が0.250程度であり、
y座標の値が0.555程度である。尚、B(青)のイ
ンクについては、、標準C光源におけるxy色度座標の
x座標の値が0.170程度であり、y座標の値が0.
180程度である。
【0047】図8の結果をみると、本実施形態のカラー
フィルタは、従来のカラーフィルタに比較すると、R
(赤)のインクにより形成された着色層(赤の色要素)
の発色及びG(緑)のインクにより形成された着色層
(緑の色要素)の発色が従来のカラーフィルタに比べて
格段に向上していることが分かる。この性能差は、主と
してインクの成分に起因しているものと考えられる。つ
まり、フォトリソグラフィー工程を経て形成される従来
のカラーフィルタは、パターニングのために実現しよう
とする発色を得るためには不必要な光重重合開始剤及び
光硬化性樹脂を添加しなければならなかった。
【0048】例えば、従来は光硬化性樹脂として紫外線
硬化型樹脂の1つであるアクリル系樹脂を用いて様々な
市販の樹脂や感光剤を添加していた。紫外線硬化型のア
クリル系樹脂の基本組成の具体例としては、プレポリマ
ーまたはオリゴマー、モノマー、光重合開始剤が挙げら
れる。
【0049】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等を用
いていた。
【0050】また、モノマーとしては、例えば、2−エ
チルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロ
リドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシ
クロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオール
アクリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート
等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマ
ーを用いていた。
【0051】更に、光重合開始剤としては、例えば、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の
アセトフェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノ
ン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェ
ノン等のブチルフェノン類、p−tert−ブチルジク
ロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロ
アセトフェノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシア
セトフェノン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾ
フェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジ
ルジメチルケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベン
ゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニ
ル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカル
ボニル)オキシム等のオキシム類、2−メチルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン等のキサントン類、
ベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル等
のベンゾインエーテル類、ミヒラーケトン等のラジカル
発生化合物を用いていた。
【0052】しかしながら、紫外線硬化型のアクリル系
樹脂及び光重合開始剤は、黄色(波長630nm付近の
色)の透過率を低下させるため、黄色顔料を含んでいる
緑(波長540nm付近の光)及び赤(波長680nm
付近の光)の発色(透過率の絶対値及び透過特性の立ち
上がりの急峻さ)が悪くなる。つまり、従来は製造プロ
セス上は必要不可欠であるが、発色特性を低下させる紫
外線硬化型のアクリル系樹脂及び光重合開始剤を用いな
ければならず、主に赤色及び緑色の発色特性を改善する
ことができなかった。
【0053】これに対し、本実施形態では、製造プロセ
ス上、紫外線硬化型のアクリル系樹脂と光重合開始剤と
の両方を必要としない。従って、発色特性を低下させる
原因となる紫外線硬化型のアクリル系樹脂及び光重合開
始剤を共に用いることなく、熱硬化性アクリル樹脂、有
機顔料、及び溶剤としてジエチレングリコールブチルエ
ーテル誘導体を含んだインクを用いて着色層を形成する
とができる。このため従来のカラーフィルタに比べて格
段に発色特性を向上させることができる。ここで、本実
施形態で使用可能な熱硬化性アクリル樹脂は、例えばア
クリル酸の不飽和モノカルボン酸類である。
【0054】また、従来の紫外線硬化型のアクリル系樹
脂及び光重合開始剤を含む樹脂はライフタイムが短く、
管理も煩雑になるという問題があったが、本実施形態で
用いている熱硬化性アクリル樹脂、有機顔料、及び溶剤
としてジエチレングリコールブチルエーテル誘導体を含
むインクはライフタイムが長く、管理も容易であるとい
う特性も有する。このため、経時劣化によりインクを廃
棄する機会を低減することができ、カラーフィルタの製
造コスト低減を図ることができるのはもちろんのこと、
資源の有効利用に資することもできる。
【0055】更に、紫外線硬化型のアクリル系樹脂及び
光重合開始剤を含む樹脂は一般的に高粘度の樹脂であ
る。これに対し、熱硬化性アクリル樹脂等の熱重合樹脂
は、発色特性に影響を与えない材料を添加することで、
インクの粘度を自在に低下させることができるため、イ
ンクジェットヘッドとの相性が極めて良く、インク滴の
吐出安定性及び信頼性を向上させることができる。この
結果、所期の特性を有する電子デバイスを高い歩留まり
で製造することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
標準C光源におけるxy色度座標の赤の色要素のx座標
の値が0.560以上であるため、赤色の透過率の絶対
値及び透過率の立ち上がりの急峻さが向上し、従来より
優れた発色特性を有するカラーフィルタを得ることがで
きるという効果がある。また、本発明によれば、標準C
光源におけるxy色度座標の緑の色要素のx座標の値が
0.280以上であるため、緑色の透過率の絶対値及び
透過率の立ち上がりの急峻さが向上し、従来より優れた
発色特性を有するカラーフィルタを得ることができると
いう効果がある。また、本発明によれば、標準C光源に
おけるxy色度座標の緑の色要素のx座標の値が0.2
80以上であり、y座標の値が0.585以上であるた
め、彩度の高い緑が得られ、その結果として、赤及び緑
のみならず、赤及び緑で形成される黄の発色特性を向上
させることができるという効果がある。また、本発明に
よれば、赤、緑、及び青の色要素が熱硬化性樹脂を含ん
でいるため、黄色の発色に影響を与える光硬化性樹脂を
除去することができ、その結果として従来より優れた発
色特性が得られるという効果がある。また、光硬化性樹
脂はライフタイムが短く、管理も煩雑という問題があっ
たが、光硬化性樹脂を用いずに熱硬化性樹脂を用いるこ
とで、経時劣化による色色素を形成する材料の廃棄の機
会が少なくなり、カラーフィルタの製造コスト低減を図
ることができるのはもちろんのこと、資源の有効利用に
資することもできるという効果がある。また、本発明に
よれば、優れた発色特性を有するカラーフィルタを備え
ているため、色再現性を向上させることができ、その結
果として高画質の液晶装置を得ることができるという効
果がある。また、本発明によれば、優れた発色特性を有
するカラーフィルタ又は上記の色再現性の高い液晶装置
を備えているため、より高品質な表示が可能な電子デバ
イスを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による電子デバイスの全
体構成の一例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示した液晶装置の内部構成を詳細に示
す断面図である。
【図3】 デバイス製造装置を用いてRGBパターンを
形成する工程を含めたカラーフィルタの一連の製造工程
を示す図である。
【図4】 カラーフィルタに形成されるRGBパターン
例を示す図であり、(a)はストライプ型のパターンを
示す斜視図であり、(b)はモザイク型のパターンを示
す部分拡大図であり、(c)はデルタ型のパターンを示
す部分拡大図である。
【図5】 インクジェットヘッド30の機械的断面構造
の一例を示す図である。
【図6】 インクジェットヘッド30の機械的断面構造
の他の例を示す図である。
【図7】 本発明の一実施形態による液晶装置を備える
電子デバイスの一例を示す図である。
【図8】 本発明の一実施形態によるカラーフィルタの
色特性を示す図である。
【符号の説明】
20……カラーフィルタ CF……カラーフィルタ R1……着色層(赤の色要素) G1……着色層(緑の色要素) B1……着色層(青の色要素)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA11 BA47 BA48 BA64 BB02 BB42 2H091 FA02Y FA42Z FB03 FB04 FC26 GA08 GA13 HA07 HA08 HA10 HA11 HA12 LA15 4J039 AD10 BC15 BE01 EA15 EA16 EA20 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤、緑、及び青の色要素を備えたカラー
    フィルタであって、 標準C光源におけるxy色度座標の前記赤の色要素のx
    座標の値が0.560以上であることを特徴とするカラ
    ーフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記標準C光源におけるxy色度座標の
    前記赤の色要素のy座標の値が0.330以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 赤、緑、及び青の色要素を備えたカラー
    フィルタであって、 標準C光源におけるxy色度座標の前記緑の色要素のx
    座標の値が0.280以上であることを特徴とするカラ
    ーフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記標準C光源におけるxy色度座標の
    前記緑の色要素のy座標の値が0.580以上であるこ
    とを特徴とするカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 赤、緑、及び青の色要素を備えたカラー
    フィルタであって、 標準C光源におけるxy色度座標の前記赤の色要素のx
    座標の値が0.560以上であり、y座標の値が0.3
    30以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記標準C光源におけるxy色度座標の
    前記緑の色要素のx座標の値が0.280以上であり、
    y座標の値が0.585以上であることを特徴とする請
    求項5記載のカラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 前記赤、緑、及び青の色要素は、熱硬化
    性樹脂を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の
    何れか一項に記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の何れか一項に記
    載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項7の何れか一項に記
    載のカラーフィルタ又は請求項8記載の液晶装置を備え
    たことを特徴とする電子デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008268757A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Matsushita Electric Works Ltd 照明器具用光学フィルタ及びそれを備えた照明器具
JP2014105300A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Seiko Epson Corp インク組成物、インクジェット記録装置、およびインクジェット記録システム
CN107966848A (zh) * 2012-09-07 2018-04-27 群创光电股份有限公司 显示装置及其制造方法

Cited By (4)

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