JP2003121408A - スラグ酸化度測定プローブ - Google Patents

スラグ酸化度測定プローブ

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JP2003121408A
JP2003121408A JP2001319067A JP2001319067A JP2003121408A JP 2003121408 A JP2003121408 A JP 2003121408A JP 2001319067 A JP2001319067 A JP 2001319067A JP 2001319067 A JP2001319067 A JP 2001319067A JP 2003121408 A JP2003121408 A JP 2003121408A
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probe
measuring
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electrode
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JP2001319067A
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Takeshi Murai
剛 村井
Eiji Sakurai
栄司 櫻井
Yasunobu Yoshimi
康信 吉見
Keita Iwasaki
慶太 岩崎
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JFE Engineering Corp
Japan Air Gases Ltd
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Japan Air Gases Ltd
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  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、溶鋼工程における溶融金属の表面に
存在するスラグの酸化度を迅速且つ精度良く測定するた
めのプローブを提供する。 【解決手段】標準電極3は、酸素イオン導電性を有する
一端閉管の固体電解質9と、その内部の混合粉末からな
る基準極11と、固体電解質の外表面のコーティング層
19からなる。鉄で構成された測定極23は、スラグの
流入を許容するスラグ収容室37が形成される。標準電
極3は、少なくとも部分的にスラグ収容室37内に挿
入、配置される。プローブ1は、溶鋼に浸漬された際、
スラグ収容室37内に確実にスラグを溜め込み、標準電
極3と測定極23との間で、鉄と酸化鉄との平衡反応部
分が形成され、スラグ酸化度の測定をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼工程において
使用されるプローブに関し、例えば取鍋内の溶鋼金属の
表面に存在するスラグの酸化度を迅速且つ正確に測定す
るプローブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼材製品の品質は、製鋼工程にお
ける溶融金属の不純物の少なさの度合いを示す清浄度に
より決まる。従って、溶融金属の清浄度を測定すること
は重要であり、その清浄度は、例えば二次製錬工程にお
いて取鍋内の溶融金属の上に存在して外気と接触するス
ラグに含まれている酸素量(以下、スラグ酸化度とい
う)によって評価できる。
【0003】測定の結果、スラグが所望の状態でない場
合には、取鍋内に脱酸剤を投入して、取鍋内のスラグの
改質を図ることにより、スラグに起因する鋼材製品の品
質欠陥を減少させることができる。
【0004】しかし、従前のスラグ酸化度の測定は、人
手により取鍋内からスラグの分析用試料を採取して、そ
の試料を化学分析等することにより行われていた。その
分析には時間がかかり、分析結果が得られた時には二次
精錬も鋳造も完了し、溶融金属は既に製品になってい
て、その分析結果をスラグの改質に反映させることがで
きないという問題、及び危険なスラグ分析試料の採取作
業を人手により行わなければならないという問題があっ
た。
【0005】これらの問題を解決するため、出願人は特
開平2000−249680に開示したスラグ酸化度測
定プローブを発明した。該プローブは、基本的には標準
電極と測定極を備えた酸素プローブを利用している。そ
してその測定極を鉄で、下側が開いた短い筒状に形成し
てスラグ収容室を構成し、このスラグ収容室内に標準電
極を配置している。このプローブを溶融金属に浸漬する
際に、スラグがスラグ収容室内に収容され、その状態の
ままで溶鋼内に引き込まれる。この時、標準電極と測定
極との間には、鉄と酸化鉄との平衡反応部分が形成さ
れ、これらの間の電位差を検出して、スラグ酸化度を測
定できる。
【0006】該プローブによる測定結果は、全般的には
良好ではあった。しかし、時としてその測定精度が悪い
場合もあった。発明者が各種実験を行い分析した結果、
それは標準電極を構成する電解質の表面へのスラグの付
着に起因するものであると判明した。すなわち、電解質
へのスラグの付着性を改善する必要がある。
【0007】また、従来のプローブは、測定極と、測定
極の上部に設けられ、標準電極が取り付けられるハウジ
ングが分離して形成されているため、プローブの製作作
業に手間がかかり、製作費用がかかるという問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するためになされたものであって、標準電極の電解
質へのスラグ付着性を改善し、それによりスラグ酸化度
を正確、簡易且つ迅速に測定することのできるスラグ酸
化度測定プローブを提供することをその課題とする。
【0009】そして、プローブを安価な費用で製作可能
とすることも本発明の課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、鋭意研究を重ねた結果、発明者はAlを主成
分として結合剤とCaFを含む混合物からなるコーテ
ィング層を電解質の外周面に設けることにより、スラグ
付着性が改善されることを見出した。その知見に基づ
き、本発明に係るスラグ酸化度測定プローブにおいて
は、以下の構成とした。すなわち、酸素イオン導電性を
有する一端閉管状の固体電解質と、その固体電解質に内
包され所定の酸素ポテンシャルを与える基準極を備えた
標準電極に対し、その標準電極との間で電位差の測定が
可能な測定極を設ける。この固体電解質は、その外表面
にAlを主成分として結合剤とCaFを含む混
合物からなるコーティング層を備えている。測定極は、
鉄で構成され、スラグの流入を許容する開口及び内部の
ガスを排出するためのガス抜き穴を備えたスラグ収容室
が形成される。標準電極は、少なくとも部分的にスラグ
収容室内に挿入、配置される。
【0011】或る実施の態様では、測定極の上部に位置
し、下部が開口し、その開口から標準電極の上端が挿入
され固定されるハウジングを備え、測定極とハウジング
とは一体に形成される。
【0012】或る実施の態様では、プローブの先端に
は、スラグに浸漬されたときにスラグを飛散させない材
質で構成されたスラグ割り手段を備えている。
【0013】或る実施の態様では、プローブが溶鋼に浸
漬されたときに、溶鋼の温度を測定する温度測定手段を
さらに備えている。
【0014】或る実施の態様では、固体電解質は、測定
極のスラグ収容室から、3mm以上10mm以下の長さ
で突出して延びている。
【0015】或る実施の態様では、スラグ収容室は、内
径が10mm以上30mm以下、深さが10mm以上2
0mm以下である。
【0016】或る実施の態様では、プローブは、その一
端に標準電極と測定極とからなる測定ユニットが取り付
けられる保護管を備え、保護管は、一端から所定の長さ
の範囲で、少なくともその外周は、セラミックファイバ
ーで構成されている。これによりスラグの飛散を防止さ
れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明するが、本発明の範囲は以下
に示すものに限定されるものではない。
【0018】図1は、スラグ酸測定プローブ(以下、単
に「プローブ」という)1に組み込まれる標準電極3の
断面図であり、図2は、測定ユニット5が保護管7に取
り付けられた状態を示すプローブ1の断面図である。
【0019】本発明のプローブ1は大別して、標準電極
3及び測定極23を有する測定ユニット5と、該ユニッ
ト5が取り付けられる保護管7からなるが、先ず図1に
より、本発明のプローブ1に組み込まれる標準電極3の
構成を説明する。
【0020】符号9は、上端9aで開口し、下端9bで
閉じられた一端閉管状のジルコニア固体電解質である。
一般的に酸素プローブの固体電解質としては、ジルコニ
アが用いられ、焼結により形成されている。
【0021】符号11は、固体電解質9の下端9bに内
包される基準極であり、CrとCr の混合粉末か
らなる。基準極11は、例えばMoとMoO、Feと
FeO、NiとNiO等、金属粉末とその金属酸化物の
粉末からなる混合粉末が用いられるが、製鋼用の酸素プ
ローブに用いることのできるものであれば何でも良い。
【0022】符号13は、基準極11の上に載置され、
石英ウールで構成された押さえであり、符号15は、押
さえ13の上面に略垂直に伸びて立設され、その上端
が、固体電解質9の上端9aと同じ高さになるように形
成された石英管である。
【0023】符号17は、Mo製の基準極リード線であ
り、その先端は、外部から石英管15を挿通し、押さえ
13及び基準極11を貫通して、固体電解質9の下端9
bの内壁に接触した状態で固定されている。
【0024】符号19は、Alを主成分として結
合剤とCaFを含む混合粉体からなり、固体電解質9
の全外周面にわたり塗布されたコーティング層である。
前述の通りこのコーティング層19は、固体電解質9へ
のスラグの付着性を大幅に改善するものである。また、
標準電極3を溶鋼中に浸漬した際に、サーマルショック
により固体電解質9に亀裂が発生するのを防止する点で
も有効である。
【0025】キャップ21が、固体電解質9の上端9a
を無機接着剤により封止することで形成される。キャッ
プ21は、石英管15の上端をも押さえ、石英管15の
下端の基準極11と押さえ13を所定の位置に固定し、
さらに基準極リード線17を上下方向に移動しないよう
に固定する。
【0026】図2において、測定ユニット5は、測定極
23と、前述の標準電極3等が取り付けられるハウジン
グ25とを備え、両者は鉄で一体に構成されている。
【0027】ハウジング25は、その上部の筒部29と
下部の鍔部31とからなり、その筒部29が図示の通
り、後述する保護管7の下端に嵌められ、これにより測
定ユニット5が保護管7に取り付けられるようになって
いる。
【0028】また、ハウジング25の下端は開口して
(図示せず)、内部は空所となっており、この空所に下
側から標準電極3の上端9aと、石英管がU字状に形成
され熱電対がその管内に挿通された測温センサ41の上
端が挿入され、これらが空所に一杯に充填される耐火セ
メントにより固定される。
【0029】測定極23は、ハウジング25の鍔部31
の外周部から下方へ所定の長さで伸び、円環状に形成さ
れている。図に示される通り、測定極23は、標準電極
3と測温センサ41を取り囲むようになっており、標準
電極3の先端は、測定極23の下端面23aより若干下
方に突出している。測温センサ41は、さらに若干なが
ら下方に延びている。
【0030】また、測定極23の上端部は、前述した通
り空所にセメントを詰められたハウジング25により閉
じられており、これにより後述する如くスラグを収容す
るために下側が開口したスラグ収容室37が測定極23
の内側に画成されている。また、スラグ収容室37と外
部が連通するよう、測定極23の周壁を径方向に貫いて
穿孔されたガス抜き穴39が、その穴の上端においてハ
ウジング25の下端面25aの高さと一致するように、
測定極23の円周方向で適宜な間隔に複数個設けられて
いる。
【0031】符号43は、後に説明するスラグを割るた
め鉄の棒で形成されたスラグ割り部材であり、測定極2
3の下端面23aから下方に所定の長さだけ突出し、周
方向の適宜な間隔に複数本設けられる。その先端は、測
温センサ41の先端を越えて延びている。
【0032】符号33は、ハウジング25の筒部29の
上部に形成された窪み(図示しない)に嵌入され、無機
接着剤によりハウジング25と固定されるコネクターで
ある。このコネクター33には、標準電極3、測温セン
サー41、及び測定極23からのリード線が、ハウジン
グ25に設けられた空所を通り接続される(図示しな
い)。標準電極3、測定極23、及び測温センサー41
からコネクター33に伝えられた信号は、一般にホルダ
ーと呼ばれ、内部に電気信号を伝えるための補償導線な
どを組み込んだパイプ状のプローブ保持具(図示しな
い)を介して、外部の計測器に送られる。これらの構成
は、製鋼用酸素プローブにおいて公知であり、詳細な図
示及び説明は省略する。
【0033】測定ユニット5が取り付けられる保護管7
は、内外の2層構造となっている。符号45は、保護管
7の下部の外側に形成されるセラミックファイバー製の
スリーブである。符号47は、スリーブ45の上部の外
側に形成された外側紙管であり、符号49は、スリーブ
45及び外側紙管47の内部に形成された内側紙管であ
る。スリーブ45及び内側紙管49の下端は、測定極2
3の鍔部31の上端に当接し、内側紙管49の内周に
は、ハウジング25が嵌入された状態で接着剤等により
適宜固定されている。
【0034】上記に説明した構造を備えるプローブ1を
用いて、スラグ酸化度を測定する場合について説明す
る。
【0035】プローブ1は、ホルダーに装着されて、図
2に示されるように測定ユニット5を下側にして取鍋の
溶鋼中に浸漬される。この時、スラグの表層は、大気と
接触して温度が下がり固まっていることが多いため、プ
ローブ1の先端(下側)に設けられたスラグ割り部材4
3によりスラグを割り、測定ユニット5の破損を防止す
る。
【0036】スラグを割ってプローブ1を浸漬させる
と、スラグ収容室37内にスラグが進入するとともに、
測定極23に形成されたガス抜き穴39から、収容室3
7内の空気がプローブ1の外側に排出され、スラグ収容
室37内に確実にスラグを溜める。このようにスラグを
スラグ収容室37に取り込んだ状態で、さらにプローブ
1を浸漬させ、スラグ収容室37及びその中のスラグを
溶鋼中に位置させる。
【0037】このように、スラグ収容室37内にスラグ
が溜められると、測定極23は鉄で形成されているた
め、測定極23と、スラグ収容室37内に収容されたス
ラグ中の酸化鉄との間で下記の(1)式の平衡反応が形
成される。そして、その平衡定数(K)は、(2)式の
関係となる。ここで、鉄の活量[a(Fe)]は、1ま
たは一定になるために平衡反応部分の酸素活量[a
(O)]を測定することにより、スラグ酸化度すなわち
スラグ中の酸化鉄の活量[スラグ酸化度:a(酸化
鉄)]が求められる。平衡反応部分の酸素活量は(3)
式より計算される。ここで実際に測定されるのは、基準
極11と測定極23との間の起電力Eと、スラグ収容室
37内のスラグ或いは溶鋼の温度Tである。
【0038】
【数1】
【0039】鉄製の測定極23と、スラグ中の酸化鉄を
平衡状態にして、その平衡反応部分の酸素活量を正確且
つ確実に測定するためには、標準電極3の固体電解質9
の測定極23から下方に突出する部分の長さは、3mm
以上10mm以下にするのが適当であることが判明し
た。また、スラグ収容室37にスラグを確実に溜めるに
は、その内径が10mm以上30mm以下、深さは10
mm以上20mm以下が適当であることも判明した。ス
ラグ収容室37が大き過ぎると測定極23も大きくな
り、プローブ1の外径も大きくなるため製造コストが高
くなる。一方、スラグ収容室37が小さ過ぎるとスラグ
が入りにくくなる。
【0040】プローブ1の先端に設けられたスラグ割り
部材43は、紙やプラスチック等の材質を用いて形成さ
れると、溶鋼に浸漬した際に、ボイリングが起こってス
ラグを飛散させてしまい、スラグ収容室37内にスラグ
を溜めにくくなる。そのため、スラグ割り部材43の材
質としては、機械的強度を備え、ボイリングの発生によ
りスラグを飛散させない材質を用いる必要がある。本実
施の形態では鉄を使用したが、モリブデン等の使用も可
能である。
【0041】スリーブ45をセラミックファイバー製と
したのは、やはりこの部分がスラグや溶鋼に接触したと
きに、ボイリングが発生するのを防止するためである。
これにより、スラグ収容室37へのスラグの進入を妨げ
ず、また、一旦スラグ収容室37内に入ったスラグが吐
き出されるようなこともない。
【0042】
【実施例】図2に示した構成を備えるスラグ酸化度測定
プローブを用いて、500kg高周波誘導炉に300k
gの市販純鉄を溶解し、そこに造滓剤を投入してスラグ
を作り、スラグ酸化度の測定を行った。プローブは、固
体電解質の外周面に前述の組成からなるコーティング層
を施した本願発明のプローブと、コーティングを施さな
いプローブの2つの場合について測定を行った。スラグ
組成のコントロールによりスラグの酸化度を調整し、溶
鋼側は未脱酸とアルミ脱酸の条件で行った。プローブを
構成する部材やその仕様は、以下の通りである。 ジルコニア固体電解質:ZrO―8mol%MgO
(φ3.6mm×φ2.2mm×30mm) 基準極:Cr98重量部とCr2重量部の混合粉
末0.05g 基準極リード線:φ0.5mmのMo線 測定極:外径34mmの炭素鋼 スラグ収容室の大きさ:内径26mm、深さ13mm 熱電対:φ0.075mmのType−R ジルコニア固体電解質が測定極の先端より突出した長
さ:5mm スラグ割り手段:φ3mmの鉄棒4本を測定極先端に取
り付け
【0043】表1は、コーティングのないスラグ酸化度
測定プローブと、本願発明のコーティングを施したスラ
グ酸化度測定プローブとの測定値、スラグ酸化度の理論
値、及び酸素プローブでの測定値を示したものである。
【0044】スラグ酸化度測定プローブの測定値は
(3)式から計算した酸素活量である。スラグ酸化度理
論値は、スラグ酸化度測定プローブでの測定直後にスラ
グを採取して分析し、そのスラグ組成から計算した酸素
活量の理論計算値である。表1の最右列の酸素プローブ
測定値は、スラグ酸化度測定プローブによる測定の直前
に、通常の酸素プローブで溶鋼の酸素活量を測定した値
である。また、本発明のスラグ酸化度測定プローブの測
定に要する時間は10〜15秒であった。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、スラグ酸化度測
定プローブと通常の酸素プローブの測定では、その測定
値が全く異なっている。このことは、いずれのスラグ酸
化度測定プローブも、溶鋼中の酸素活量を測定している
のではなく、スラグの酸化度を測定していることを示し
ている。
【0047】図3は、スラグ酸化度の理論計算値を対数
グラフに直線状に表し、コーティングを施した本願発明
のスラグ酸化度測定プローブと、コーティングを施さな
いスラグ酸化度測定プローブの測定値をプロットした図
である。スラグ酸化度の理論計算値は、参考文献1(萬
谷志郎 第122・123回西山記念技術講座「スラグ
の熱力学総論」(1988)11頁)、参考文献2(日
本学術振興会 製鋼第19委員会編:製鋼反応の推奨平
衡値(1984))に記載されているものである。
【0048】図3から明らかなように、固体電解質に上
述の組成からなるコーティングを施した本願発明のプロ
ーブの測定値は、絶対値は異なるものの、理論値との対
応は極めて良好である。また、コーティングを施さない
プローブよりも、その理論値との対応で極めて優れてい
ることも明らかであり、スラグの酸化度の測定精度が良
いことを示している。これは、固体電解質の外周面に施
したコーティングの組成がスラグの付着を改善させたた
め、測定精度が向上したことを示している。
【0049】
【発明の効果】上述の通り、本願発明によれば、プロー
ブの固体電解質の外周面に施されたコーティング層の組
成が、スラグの付着性が良いものであるため、スラグ酸
化度の測定が迅速かつ精度良く行え、そのため、製鋼工
程の進行を妨げることなく、測定結果に基づいて、スラ
グの改質を行うことができ、スラグに起因する製品の品
質欠陥を減少させることができる。また、プローブを溶
鋼に浸漬した際の、固体電解質のサーマルショックによ
る割れを防止することができる。
【0050】プローブのハウジング及び測定極が鉄で一
体に形成した場合には、構造が簡素であり、プローブの
製作費用を抑えることができる。
【0051】スラグ割り手段を備えた場合、大気との接
触により温度が下がりスラグ表面が固化していた場合で
も、これが破砕され、スラグ収容室へのスラグの補足が
確実に行われる。なお、スラグ割り手段は、スラグに浸
漬された場合にボイリングを起こさない材質で構成され
ているので、スラグが飛散することはない。
【0052】保護管の下端から所定の長さの範囲で、そ
の外周をセラミックファイバーで構成すると、溶鋼への
浸漬時にボイリングが防止される。
【0053】標準電極の固体電解質が、測定極のスラグ
収容室から、3mm以上10mm以下の長さで突出して
延びていると、良好な測定結果が得られる。
【0054】スラグ収容室を、その内径が10mm以上
30mm以下、深さが10mm以上20mm以下にする
と、スラグの収容が良好に行え、且つプローブが大型化
しないで済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ酸測定プローブに組み込まれる標準電極
の断面図である。
【図2】測定ユニットと保護管が取り付けられた状態を
示すプローブの断面図である。
【図3】スラグ酸化度の理論計算値を対数グラフに直線
状に表し、コーティングを施した本願発明のスラグ酸化
度測定プローブと、コーティングを施さないスラグ酸化
度測定プローブの測定値をプロットした図である。
【符号の説明】
1 プローブ 3 標準電極 5 測定ユニット 7 保護管 9 固体電解質 11 基準極 19 コーティング層 23 測定極 25 ハウジング 29 筒部 31 鍔部 37 スラグ収容室 39 ガス抜き穴 41 測温センサ 43 スラグ割り部材 45 スリーブ 47、49 紙管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 栄司 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉見 康信 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 大阪酸素工業株式会社内 (72)発明者 岩崎 慶太 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 大阪酸素工業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 CA02 CA05 CA06 2G055 AA22 BA01 CA25 DA04 DA24 DA26 DA33 DA34 EA03 FA06 4K056 AA02 AA06 CA02 FA11 4K070 AB11 AB17 BD09 BE05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン導電性を有する一端閉管状の
    固体電解質と、前記固体電解質に内包され所定の酸素ポ
    テンシャルを与える基準極を備えた標準電極と、前記標
    準電極との間で電位差の測定が可能な測定極とを備える
    スラグ酸化度測定プローブにおいて、前記固体電解質
    は、その外周面にAlを主成分として結合剤とC
    aFを含む混合物からなるコーティング層を備え、前
    記測定極は、鉄で構成され、スラグの流入を許容する開
    口及び内部のガスを排出するためのガス抜き穴を備えた
    スラグ収容室を備え、前記標準電極は、少なくとも部分
    的に前記スラグ収容室内に挿入、配置されていることを
    特徴とする、スラグ酸化度測定プローブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスラグ酸化度測定プロ
    ーブにおいて、前記測定極の上部に位置し、下部が開口
    し、前記開口から前記標準電極の上端が挿入され固定さ
    れるハウジングを備え、前記測定極と前記ハウジングと
    は一体に形成されることを特徴とする、スラグ酸化度測
    定プローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のスラグ酸化度測
    定プローブにおいて、前記プローブの先端には、スラグ
    に浸漬されたときにスラグを飛散させない材質で構成さ
    れたスラグ割り手段を備えていることを特徴とする、ス
    ラグ酸化度測定プローブ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のスラグ酸化度測
    定プローブにおいて、前記プローブが溶鋼に浸漬された
    ときに、該溶鋼の温度を測定する温度測定手段をさらに
    備えていることを特徴とする、スラグ酸化度測定プロー
    ブ。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のスラグ酸化度測
    定プローブにおいて、前記固体電解質は、前記測定極の
    前記スラグ収容室から、3mm以上10mm以下の長さ
    で突出して延びていることを特徴とする、スラグ酸化度
    測定プローブ。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載のスラグ酸化度測
    定プローブにおいて、前記スラグ収容室は、内径が10
    mm以上30mm以下、深さが10mm以上20mm以
    下であることを特徴とする、スラグ酸化度測定プロー
    ブ。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2に記載のスラグ酸化度測
    定プローブにおいて、前記プローブは、その一端に前記
    標準電極と測定極とからなる測定ユニットが取り付けら
    れる保護管を備え、前記保護管は、前記一端から所定の
    長さの範囲で、少なくともその外周は、セラミックファ
    イバーで構成されていることを特徴とする、スラグ酸化
    度測定プローブ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100671113B1 (ko) 2004-12-22 2007-01-17 재단법인 포항산업과학연구원 불순물 감지 센서
AU2006246480B2 (en) * 2005-12-15 2007-07-12 Heraeus Electro-Nite International N.V. Measuring probe
CN100348973C (zh) * 2004-10-27 2007-11-14 华南理工大学 高炉矿渣细粉的还原能力评价方法

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