JP2003120582A - 分子ポンプの制御装置、及び分子ポンプ装置 - Google Patents

分子ポンプの制御装置、及び分子ポンプ装置

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JP2003120582A JP2001309561A JP2001309561A JP2003120582A JP 2003120582 A JP2003120582 A JP 2003120582A JP 2001309561 A JP2001309561 A JP 2001309561A JP 2001309561 A JP2001309561 A JP 2001309561A JP 2003120582 A JP2003120582 A JP 2003120582A
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明 山内
Hiroyoshi Namiki
啓能 並木
Manabu Nonaka
学 野中
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子ポンプを停止させずに電気的ノイズと振
動を低減する分子ポンプの制御装置などを提供するこ
と。 【解決手段】 分子ポンプのロータを駆動した後モータ
巻線の電流を遮断してロータをフリーランさせる。モー
タの電磁石が励磁されないため、電磁石から発生する電
気的ノイズを低減することができる。また、電磁石が励
磁されないことにより、モータにおいて電磁石とロータ
軸の間に作用する磁界が小さくなるためモータ部で発生
する機械的も低減される。ロータがフリーランしている
間も分子ポンプは排気を持続するため、真空チャンバ内
の真空度の低下も低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子ポンプ装置、
及び分子ポンプ装置に関し、例えば、計測器に使用され
る分子ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、分子ポンプの一例としてターボ分
子ポンプを用いて説明する。ターボ分子ポンプは、一般
に電子顕微鏡の真空チャンバ(測定室)などの高真空を
要する真空装置を排気する場合や、半導体製造装置のチ
ャンバ内のプロセスガスを排気する場合などに使用され
る。
【0003】ターボ分子ポンプには、磁気軸受部によっ
て軸支されたロータ軸を、当該ロータ軸に形成されたモ
ータ部によって回転させるものがある。モータ部は、一
般的にDCブラシレスモータなどにより構成される。こ
れは、ロータ軸に永久磁石を固着し、その周囲に適当な
クリアランスを隔てて複数の電磁石を配設したものであ
る。
【0004】電磁石の磁極を切替えてロータ軸上に回転
磁界を発生させると、これに永久磁石が吸引されてロー
タ軸が回転する。磁気軸受部は、ロータ軸の周囲に配設
された複数の電磁石の磁力を制御して、ロータ軸をラジ
アル方向(軸の半径方向)、及びスラスト方向(軸方
向)に磁気浮上させる。
【0005】モータ部及び磁気軸受部では、電磁石に供
給する電流を高速に切替えるため、これらの部分から電
気的なノイズが発生する。また、ロータ軸が高速に回転
する(例えば毎分3万回転)ため機械的な振動も発生す
る。また、ターボ分子ポンプは、高い排気機能を実現す
るために、真空チャンバの排気口に直接取り付けられる
か、又は円筒形のゴムとベローズから構成された振動吸
収部材であるダンパを介して取り付けられる場合があ
る。
【0006】このように、ターボ分子ポンプは真空チャ
ンバの近くに設置されているため、これらの電気的なノ
イズや機械的な振動が、真空チャンバ内での精密な測定
や作業に悪影響を与えることがある。このため、例えば
電子顕微鏡による測定を行う場合、測定中にはターボ分
子ポンプを停止させることがあった。
【0007】また、特開平6−74235号広報の真空
ポンプのように、モータの電気的ノイズを低減するた
め、定常運転時にモータ電圧を下げるものもある。しか
し、この真空ポンプは、電気的ノイズが磁気軸受の変位
センサに与える影響を低減するものであり、この目的の
範囲で、モータの駆動は維持されている。このため、モ
ータ電圧を下げたとしても、モータ部や磁気軸受部から
は一定範囲での電気的ノイズが発生している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ターボ分子ポ
ンプを停止させると、チャンバ内の真空度は徐々に悪く
なってくる。また、ターボ分子ポンプが停止するまでに
時間を要する。更に、次の作業のためにターボ分子ポン
プを再起動する際にも時間を要する。そこで、本発明の
目的は、ターボ分子ポンプを停止させずに電気的ノイズ
と振動を低減するターボ分子ポンプ装置を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、分子ポンプのロータに接続したモータに
駆動トルクを発生させて前記ロータを回転させる駆動ト
ルクモードと、前記ロータが回転しているときに前記駆
動トルクをゼロ又はゼロ近傍にすることで前記ロータを
慣性力で回転させる慣性回転モードとにより前記モータ
を回転させるモータ制御手段と、前記モータ制御手段に
よる前記駆動トルクモードと前記慣性回転モードとを切
替えるモード切替手段と、を具備したことを特徴とする
分子ポンプの制御装置を提供する(第1の構成)。第1
の構成では、モータの発生するトルクによってロータを
回転させる駆動トルクモードとロータを慣性により回転
させる慣性回転モードをモード切替手段によって切替え
ることができる。慣性回転モードでロータをフリーラン
(慣性によって回転させること)させることにより、モ
ータから発せられる電気的ノイズや機械的振動を低減す
ることができる。また、この分子ポンプは一例としてタ
ーボ分子ポンプやネジ溝式ポンプとすることができる。
第1の構成における前記モータ制御手段は、前記慣性回
転モードにおいて、前記モータのモータ巻線に流れる電
流を遮断するように構成することができる(第2の構
成)。モータ巻線に流れる電流を遮断することによりロ
ータをフリーランさせることができる。第1の構成又は
第2の構成における前記モード切替手段は、遠隔操作に
て前記モータ制御手段の駆動トルクモードと慣性回転モ
ードとを切替えるように構成することができる(第3の
構成)。遠隔操作できることによりユーザの利便性を増
すことができる。第1の構成、第2の構成又は第3の構
成は、前記ロータの回転速度を検出する回転速度検出手
段を更に具備し、前記ロータが前記慣性回転モードにて
回転しているときに、前記検出手段にて検出した回転速
度が所定の値を下回った場合に、前記モード切替手段
は、前記モータ制御手段のモードを前記慣性回転モード
から前記駆動トルクモードに切替えるように構成するこ
とができる(第4の構成)。第4の構成によってロータ
の回転数の低下の下限値を設定することができ、ロータ
の回転数の低減による真空装置の真空度の低下を抑制す
ることができる。第1の構成、第2の構成又は第3の構
成は、前記ロータが前記慣性回転モードにて回転してい
るときに、前記ロータの回転速度に関わらず、前記モー
タ制御手段は、前記慣性回転モードを維持するように構
成することができる(第5の構成)。第5の構成によっ
て、例えば電子顕微鏡による測定中に自動的にモータの
駆動が開始するのを防ぐことができる。第1の構成から
第5の構成までの内の何れかの1の構成は、前記ロータ
が磁気軸受にて軸支されており、前記ロータの変位を検
出し、当該検出した変位に応じた電流を前記磁気軸受に
供給する磁気軸受制御手段を更に具備するように構成す
ることができる(第6の構成)。第6の構成における前
記モータ制御手段は、前記駆動トルクモードにおいて前
記磁気軸受制御手段のゲインが低下する回転速度に回転
速度を上昇して前記ロータを回転するように構成するこ
とができる(第7の構成)。一般に磁気軸受制御装置の
ゲインは高周波側で低減するため、ロータの回転数を高
速で回転することにより磁気軸受制御装置のゲインを低
下させることができる。これにより、磁気軸受部で発生
する振動を低減することができる。第6の構成又は第7
の構成は、前記磁気軸受制御手段の少なくとも高周波側
のゲインを低減するゲイン低減手段を更に具備するよう
に構成することができる(第8の構成)。磁気軸受制御
装置の高周波側のゲインを下げることにより、磁気軸受
部で磁界の切替えに伴って生じる高周波の電気ノイズが
磁気軸受制御装置に与える影響を低減することができ、
これによって磁気軸受部で発生する振動を低減すること
ができる。また、本発明は、前記目的を達成するため
に、分子ポンプのロータが接続されたモータを駆動して
回転させる駆動手段と、前記ロータは磁気軸受によって
軸支されており、前記ロータの変位を検出し、当該検出
した変位に応じた電流を前記磁気軸受に供給する磁気軸
受制御手段と、前記磁気軸受制御手段のゲインを調節す
るゲイン調節手段と、を具備し、前記ゲイン調節手段
は、前記駆動手段が前記磁気軸受制御手段のゲインが低
下する回転速度に前記ロータの回転速度を上昇させるよ
うに前記駆動手段を制御する回転速度制御手段と、前記
磁気軸受制御手段の少なくとも高周波側のゲインを低減
することによりゲインを調節するゲイン低減手段と、の
内少なくとも一方の手段によりゲインを調節することを
特徴とする分子ポンプの制御装置を提供する(第9の構
成)。更に、本発明は、前記目的を達成するために、第
1の構成から第9の構成の内の何れかの1の構成の分子
ポンプ制御装置と、軸受によりステータに対して回転自
在に軸支された前記ロータと、前記ステータと前記軸受
が配設され、前記ロータを収納する外装体と、前記ロー
タを回転するモータと、前記ロータの回転により外気を
吸気するための前記外装体の一端に形成された吸気口
と、前記吸気口から吸気した気体を排気するために前記
外装体に形成された排気口と、を具備したことを特徴と
する分子ポンプ装置を提供する(第10の構成)。ま
た、本発明は、前記目的を達成するために、軸受により
ステータに対して回転自在に軸支されたロータと、前記
ステータと前記軸受が配設され、前記ロータを収納する
外装体と、前記ロータを回転するモータと、前記ロータ
の回転により外気を吸気するための前記外装体の一端に
形成された吸気口と、前記吸気口から吸気した気体を排
気するために前記外装体に形成された排気口と、前記ロ
ータを前記モータで回転させる第1のモードと、前記ロ
ータを前記モータを用いずに慣性力で回転させる第2の
モードと、を切替えるモード切替手段と、を具備したこ
とを特徴とする分子ポンプを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)第1の実施
の形態は、電子顕微鏡での測定時のように、電気的ノイ
ズを抑制したいときに、ターボ分子ポンプのモータ電流
を止め、ロータを慣性で回転させる(フリーラン)もの
である。これによって、モータ部から発生する電気的ノ
イズ及び振動を抑制することができると共に、チャンバ
の排気を持続することができる。
【0011】以下、本発明の好適な第1の実施の形態に
ついて、図1及び図2を参照して詳細に説明する。図1
は、ターボ分子ポンプ1のロータ軸3の軸線方向の断面
図の一例を示した図である。ケーシング16は、円筒形
の形状を有しており、ターボ分子ポンプ1の外装体を形
成している。
【0012】ケーシング16の中心には、ロータ軸3が
設置されている。紙面に向かってロータ軸3の上部と下
部及び底部には、それぞれ磁気軸受部8、12、20が
設けられている。ターボ分子ポンプ1が稼働していると
きは、ロータ軸3は、磁気軸受部8、12によってラジ
アル方向(ロータ軸3の径方向)に磁気浮上し非接触で
支持され、磁気軸受部20によってスラスト方向(ロー
タ軸3の軸方向)に磁気浮上し非接触で軸支される。こ
れらの磁気軸受部は、いわゆる5軸制御型の磁気軸受を
構成しており、ロータ軸3、及びロータ軸3に固着した
ロータ11は、ロータ軸3の軸線周りに回転できるよう
になっている。
【0013】磁気軸受部8では、4つの電磁石がロータ
軸3の周囲に、90°ごとに対向するように配置されて
いる。ロータ軸3は、鉄などの高透磁率材により形成さ
れ、これらの電磁石の磁力により吸引されるようになっ
ている。変位センサ9は、ロータ軸3のラジアル方向の
変位を検出するラジアルセンサである。制御装置25
は、変位センサ9からの変位信号によってロータ軸3が
ラジアル方向に所定の位置から変位したことを検出する
と、各電磁石の磁力を調節してロータ軸3を所定の位置
に戻すように動作する。この電磁石の磁力の調節は、各
電磁石の励磁電流をフィードバック制御することにより
行われる。
【0014】制御部25は、変位センサ9の信号に基づ
いて制御装置25をフィードバック制御し、これによっ
てロータ軸3は、磁気軸受部8において電磁石から所定
のクリアランスを隔ててラジアル方向に磁気浮上し、空
間中に非接触で保持される。
【0015】磁気軸受部12の構成と作用は、磁気軸受
部8と同様である。磁気軸受部12では、ロータ軸3の
周囲に、90°ごとに電磁石が4つ配置されており、こ
れらの電磁石の磁力の吸引力により、ロータ軸3は、磁
気軸受部12でラジアル方向に非接触で保持される。変
位センサ13は、ロータ軸3のラジアル方向の変位を検
出するラジアルセンサである。
【0016】制御装置25は、変位センサ13からロー
タ軸3がラジアル方向の変位信号を受信すると、この変
位を修正してロータ軸3を所定の位置に保持するように
電磁石の励磁電流をフィードバック制御する。制御装置
25は、変位センサ13の信号に基づいて磁気軸受部1
2をフィードバック制御し、これによってロータ軸3
は、磁気軸受部12でラジアル方向に磁気浮上し、空間
中に非接触で保持される。このように、ロータ軸3は、
磁気軸受部8、12の2カ所でラジアル方向に保持され
るので、ロータ軸3はラジアル方向に所定の位置で保持
される。
【0017】ロータ軸3の下端に設けられた磁気軸受部
20は、円板状の金属ディスク18、電磁石14、1
5、変位センサ17によって構成され、ロータ軸3をス
ラスト方向に保持する。金属ディスク18は、鉄などの
高透磁率材で構成されており、その中心においてロータ
軸3に垂直に固定されている。金属ディスク18の上に
は電磁石14が設置され、下には電磁石15が設置され
ている。電磁石14は、磁力により金属ディスク18を
上方に吸引し、電磁石15は、金属ディスク18を下方
に吸引する。制御装置25は、この電磁石14、15が
金属ディスク18に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ
軸3をスラスト方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保
持するようになっている。
【0018】変位センサ17は、ロータ軸3のスラスト
方向の変位を検出するアキシャルセンサであって、検出
した信号を制御装置25に送信する。制御装置25は、
変位センサ13から受信した変位検出信号によりロータ
軸3のスラスト方向の変位を検出する。ロータ軸3がス
ラスト方向のどちらかに移動して所定の位置から変位し
た場合、制御装置25は、この変位を修正すように電磁
石14、15の励磁電流をフィードバック制御して磁力
を調節し、ロータ軸3を所定の位置に戻すように動作す
る。制御装置25の、このフィードバック制御により、
ロータ軸3はスラスト方向に所定の位置で磁気浮上し、
保持される。以上に説明したように、ロータ軸3は、磁
気軸受部8、12によりラジアル方向に保持され、磁気
軸受部20によりスラスト方向に保持されるため、ロー
タ軸3は磁気浮上によりの線周りに非接触で回転するこ
とができる。
【0019】ロータ軸3の軸線方向に、磁気軸受部8の
上には保護ベアリング6が、磁気軸受部12の下には保
護ベアリング7がそれぞれ設けてある。ロータ軸3は、
磁気軸受部8、12、20により、磁気浮上し、空間に
非接触で保持されているが、ロータ軸3の軸線周りの振
れが生じるなどして、ロータ軸3が保持位置から大きく
ずれる場合がある。保護ベアリング6、7は、このよう
な場合に、ロータ軸3が磁気軸受部8、12、20の電
磁石に接触したり、モータ部10で永久磁石が電磁石に
接触するのを防ぐために設けられている。ロータ軸3が
所定の位置からある量以上移動すると、ロータ軸3は保
護ベアリング6、7に接触し、ロータ軸3の移動は物理
的に制限される。
【0020】ロータ軸3には、磁気軸受部8、12の間
にモータ部10が設けてある。本実施の形態では、一例
として、モータ部10は、以下のように構成されたDC
ブラシレスモータであるとする。モータ部10では、ロ
ータ軸3の周囲に永久磁石が固着されている。この永久
磁石は、ロータ軸3の軸周り方向に、例えばN極とS極
が180°ごとに配置されるように取り付けられてい
る。この永久磁石の周囲には、永久磁石から所定のクリ
アランスを経て、例えば6個の電磁石が60°ごとにロ
ータ軸3の軸線に対して対称的に、また対向するように
配置されている。
【0021】これら6個の電磁石は、対向する電磁石の
巻線は1本のモータ巻線で構成されており、モータ巻線
の巻き方は、電磁石のロータ軸3に面する部分の極性が
逆になるようになっている。このように6個の電磁石
は、対向する電磁石ごとに3個の組を構成し、それぞれ
の組にU相、V相、W相の各相モータ巻線が巻かれてい
る。そして、それぞれの各相のモータ巻線に、制御回路
25内の、後に説明するモータ駆動回路からU相、V
相、W相の電流が供給されるようになっている。モータ
巻線にモータ駆動回路から電流が供給させるとこれらの
電磁石はロータ軸6上に回転磁界を発生させる。ロータ
軸3に固着された永久磁石がこの回転磁界に吸引され
て、ロータ軸3にトルクが発生し、ロータ軸3は、当該
トルクに駆動されて軸線回りに回転する。
【0022】また、ロータ軸3の下端には、回転数セン
サ23が取り付けられている。制御部25は、回転数セ
ンサ23の検出信号によりロータ軸3の回転数を検出す
ることができるようになっている。また、例えば変位セ
ンサ13近傍に、ロータ軸3の回転の位相を検出する図
示しないセンサが取り付けてあり、制御装置25は、該
センサと回転数センサ23の検出信号を共に用いて永久
磁石の位置を検出するようになっている。
【0023】制御装置25は、検出した磁極の位置に従
って、ロータ軸3の回転が持続するように電磁石の電流
を次々に切替える。即ち、制御装置25内のモータ駆動
回路は、永久磁石の回転位置に同期して各相のモータ巻
線に供給するU相、V相、W相の電流を順次スイッチし
て、該永久磁石の周りに回転磁界を発生させ、該永久磁
石を、この回転磁界に追随させて、ロータ軸3の回転を
維持する。
【0024】ロータ11は、ボルト5によってロータ軸
3に固定されており、ロータ軸3がモータ部10によっ
て駆動され回転するとこれに伴ってロータ11も回転す
るようになっている。ロータ11には、ロータ翼21
が、ロータ軸3の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ
傾斜して、ロータ11から放射状に複数段取り付けてあ
る。ロータ翼21は、ロータ11に固着されており、ロ
ータ11と共に高速回転するようになっている。
【0025】また、ケーシング16には、ステータ翼2
2が、ケーシング16の内側に向けて、ロータ翼21の
段と互い違いに固定されてる。また、ステータ翼22は
ロータ軸3の軸線に垂直な平面から所定の角度をもっ
て、ケーシング16に固定されている。ロータ11がロ
ータ軸3と共にモータ部10により駆動されて回転する
と、ロータ翼21とステータ翼22の作用により、ガス
が吸気口24から吸引され、排気口19から排気される
ようになっている。
【0026】吸気口24の周囲には、フランジ2が形成
されており、ターボ分子ポンプ1を、電子顕微鏡の測定
室などに接続できるようになっている。制御装置25
は、ターボ分子ポンプ1のコネクタ4に接続されてお
り、磁気軸受部8、12、20やモータ部10の制御な
どを行っている。
【0027】図2は、制御装置25のモータ駆動回路の
構成を示したブロック図である。なお、図2には制御装
置25内にある磁気軸受部8、12、20の制御回路な
どは示されていない。図2には、更にターボ分子ポンプ
1のモータ部10を構成するモータ巻線43U、43
V、43W、及び永久磁石を固着したロータ軸3、回転
数センサ23も示してある。なお、図2では、モータ巻
線43U、43V、43Wとロータ軸3を別々に示して
あるが、モータ巻線43U、43V、43Wはロータ軸
3の周囲に配設されている。モータ巻線43U、43
V、43Wは、ぞれぞれ、U相、V相、W相のモータ駆
動電流が供給される巻線であり、これらの巻線はY結線
されている。
【0028】制御装置25は、逓倍同期パルス発生回路
38、ゲートドライブ信号生成回路46、モータ駆動回
路42、及びモータ駆動状態切替回路44を含んでい
る。モータ駆動回路42は、3相ブリッジを構成するト
ランジスタ26、28、30、32、34、36と、こ
れらのトランジスタにモータ駆動電流を供給する直流電
源40から構成されている。ここで、トランジスタ2
6、28、30、32、34、36は、モータ駆動電流
をオンオフするスイッチング素子として使われている。
各トランジスタは、オンのとき導通状態となり、オフの
とき遮断状態となる。ゲートドライブ信号生成回路46
がモータ駆動回路42の各トランジスタを所定の順序で
オンオフすことにより、モータ駆動回路42は、モータ
巻線43U、43V、43WにU相、V相、W相の3相
交流を供給する。ロータ軸3は、該3相交流により生成
された回転磁界により回転する。
【0029】逓倍同期パルス発生回路38は、回転数セ
ンサ23から、ロータ軸3が一回転するごとに送信され
てくるパルスを受信して、ローダ軸3の回転周期の1/
6の周期を持つパルスを生成する。即ち、逓倍同期パル
ス生成回路38は、ロータ軸3の回転に同期して、ロー
タ軸3が一回転する間に6つのパルスを生成する。逓倍
同期パルス発生回路38は、生成したパルスをゲートド
ライブ信号生成回路46に送信する。
【0030】ゲートドライブ信号生成回路46は、逓倍
パルス生成回路38から受信したパルスに従って、所定
の順序によりトランジスタ26、28、30、32、3
4、36の各ベースに所定の電圧を印可し、これらをス
イッチングする。このように、モータ駆動回路42は、
ゲートドライブ信号生成回路46にスイッチングされ
て、モータ巻線43U、43V、43WにU相、V相、
W相の3相交流を供給する。以上のゲートドライブ信号
生成回路46、逓倍同期パルス発生回路38、モータ駆
動回路42、回転数センサ23はモータ制御手段を構成
している。
【0031】モータ駆動状態切替回路44は、ゲートド
ライブ信号生成回路46とスイッチ45に接続されてい
る。スイッチ45は、モータ駆動状態切替回路44を作
動させるためのスイッチであり、ターボ分子ポンプ1の
オペレータなどがマニュアル操作によりオンオフするよ
うになっている。モータ駆動状態切替回路44は、後に
説明するように、ロータ軸3及びこれに固着したロータ
11、ロータ翼21を通常の運転状態からフリーランの
状態(慣性回転モード)に切替えたり、また、逆にフリ
ーランの状態から通常の運転状態(駆動トルクモード)
に切替えたりする回路であり、モード切替手段を構成し
ている。なお、ここで、フリーランとは、例えば、モー
タ巻線43U、43V、43Wに流れる電流値を零にす
るなどして、モータ部10がロータ軸3に及ぼすトルク
を零にし、ロータ軸3、ロータ11及びロータ翼21が
慣性力により回転を維持することを意味するものとす
る。
【0032】スイッチ45は、例えば、ボタンが1つ設
置されており、オペレータはこれを一回押すごとに、タ
ーボ分子ポンプ1をフリーラン状態と通常の運転状態の
双方に交互に切替えることができるようになっている。
スイッチ45は、ターボ分子ポンプ1の制御パネルに設
置されるか、若しくは、有線又は無線により、制御部2
5から離れた場所からモータ駆動状態切替回路44を遠
隔操作できるようになっている。なお、フリーランの状
態では、モータ部10は、ロータ軸3の駆動及び制動を
行わず、モータ部10で、ロータ軸3に何ら力が作用し
ない状態となる。そのため、フリーラン時には、ロータ
軸3、ロータ11、ロータ翼21は、慣性力によって回
転を持続する。
【0033】モータ駆動状態切替回路44は、ターボ分
子ポンプ1が稼働している最中にロータ11をフリーラ
ンさせる回路である。ターボ分子ポンプ1が稼働中に、
オペレータがスイッチ45を用いてフリーランを指示す
ると、モータ駆動状態切替回路44は、ゲートドライブ
信号生成回路46を介して、強制的にトランジスタ2
6、28、30、32、34、36をオフにして遮断状
態とする。すると、モータ巻線43U、43V、43W
は、回路的にオープンの状態となり、モータ巻線43
U、43V、43Wに流れる電流値は、全て零となる。
そして、ロータ軸3、ロータ11及びロータ翼21はフ
リーランの状態となる。
【0034】また、全てのトランジスタをオフにせず
に、一部のトランジスタをオフとすることによって、モ
ータ巻線43U、43V、43Wに流れる電流を遮断し
ても良い。例えば、トランジスタ26,36がオン、他
のトランジスタがオフとなり、モータ巻線43U、43
W及びトランジスタ26、36が閉回路を構成している
場合、トランジスタ26、36の何れか一方をオフとす
ることにより、モータ巻線43U、43V、43Wに流
れる電流を零とすることができる。
【0035】なお、ロータ軸3及びロータ11がフリー
ランの状態にある間も、磁気軸受8、12、20は動作
し、ロータ軸3を保持している。また、スイッチ45を
操作することによって、再びトランジスタ26、28、
30、32、34、36を逓倍同期パルス生成回路38
で生成されるパルスによりスイッチングし、モータ部1
0及び制御部25を通常の駆動状態に戻すことができ
る。
【0036】このようにロータ軸3をフリーランさせる
と以下のように電気的ノイズと振動の発生が抑制され
る。まず、モータ部10をフリーラン状態にすると電磁
石が磁界を発生しないと共に磁界の切替えに伴って発生
する電気的ノイズが生じない。また、モータ部10での
電磁石とロータ軸3の間に磁力により吸引力小さくなる
ためモータ部10で発生する機械的な振動を抑制するこ
とができる。更に、モータ部10が駆動しているときは
電磁石がロータ軸3に及ぼすトルクは一定でなく、ロー
タ軸3の回転に伴って脈動するが(コギングと呼ばれる
ことがある)、ロータ軸3をフリーランさせるとコギン
グによる振動を抑えることができる。
【0037】以上のように構成されたターボ分子ポンプ
1及び制御部25は以下のように動作する。オペレータ
が、例えば、試料を電子顕微鏡の測定室(真空チャン
バ)にセットするなどした後、図示しない制御パネルか
ら、ターボ分子ポンプ1を始動する。制御部25内の、
図示しない磁気軸受駆動回路によって磁気軸受装置8、
12、20が制御され、ロータ軸3が磁気浮上する。次
に、ゲートドライブ信号生成回路46が、モータ駆動回
路の各トランジスタをスイッチングし、モータ巻線43
U、43V、43Wに3相交流を供給する。
【0038】ロータ軸3は、始動時には停止しているの
で、逓倍同期パルス生成回路38がロックできる回転数
となるまでは、ゲートドライブ信号生成回路46は、モ
ータ駆動回路の各トランジスタのスイッチングの切替の
早さを、例えば1ヘルツ程度から徐々に早くしていき、
ロータ軸3をオープンループ(フィードバック制御をか
けない)で、回転させる。ロータ軸3の回転数が逓倍同
期パルス生成回路38をロックできる大きさに達した
ら、ゲートドライブ信号生成回路46は、逓倍同期パル
ス生成回路38から送信されてくるパルスに従って、モ
ータ駆動回路42の各トランジスタをスイッチングす
る。即ち、回転数センサ23が検出する信号に従って、
モータ駆動電流をフィードバック制御する。
【0039】ロータ11の回転が高まってくると、ロー
タ翼21、及びステータ翼22の作用により、チャンバ
などの真空装置から排気が始まり、チャンバの中のガス
が吸気口24から排気口19から排出される。チャンバ
内の真空度が十分に高まったところで、オペレータはス
イッチ45を操作し、ロータ軸3及びロータ11をフリ
ーランの状態にさせる。ロータ軸3及びロータ11がフ
リーランの状態にあり、ターボ分子ポンプ1から発生す
る電気的ノイズ及び振動が低下している間に、オペレー
タは、例えば、電子ビームによる試料の走査などの作業
を行う。この間、ターボ分子ポンプ1ではロータ11が
回転しているので、チャンバ内の排気は中断せずに行わ
れている。
【0040】オペレータは、作業終了後に、スイッチ4
5を操作して、モータ部10を再起動するか、若しく
は、ターボ分子ポンプ1を停止する。オペレータによっ
て、モータ部10が再起動された場合は、モータ駆動回
路42からモータ巻線43U、43V、43Wに、ロー
タ軸3の回転に同期して、3相交流の供給が再開し、再
びモータ部10が起動する。この場合、ロータ軸3は、
予め回転しているので、起動に要する時間は、従来の場
合よりも短くなる。
【0041】以上のように、第1の実施の形態では、ロ
ータ軸3をモータ部10により回転し、通常の運転を行
う場合(第1のモード)と、モータ巻線43U、43
V、43Wに流れる電流を遮断し、ロータ軸3をフリー
ランの状態にして運転する場合(第2のモード)の2つ
のモードにてターボ分子ポンプ1を運転することができ
るため、ターボ分子ポンプ1が取り付けられたチャンバ
内で、電気的ノイズの侵入や機械的振動が問題となる作
業(例えば電子顕微鏡での測定)をするときに、ターボ
分子ポンプ1を第2のモードにて運転することにより、
ターボ分子ポンプ1から発生する電気的ノイズ及び機械
的振動を低減することができる。また、ターボ分子ポン
プ1を停止する時間が必要なく、しかも、作業中もチャ
ンバからの排気は続行されており、加えて、ターボ分子
ポンプ1を再起動する場合も短時間で再起動できる。
【0042】また、フリーラン中は、モータ駆動回路4
2の各トランジスタのスイッチングが停止するので、ス
イッチングに伴って発生する電気的ノイズも防止するこ
とができる。また、ターボ分子ポンプ1をモータ部10
により駆動して運転する場合と、ロータをフリーラン状
態にして運転する場合を切替えるスイッチ45を、例え
ば、無線や延長コードなどを用いて遠隔地より制御装置
25と接続するように構成することにより、電子顕微鏡
での測定などをしながら、ターボ分子ポンプの運転モー
ドを切替えることができる。
【0043】本実施の形態では、モータ駆動状態切替回
路44と、ゲートドライブ信号生成回路46を別のデバ
イスとしているが、これは、モータ駆動状態切替回路4
4をゲートドライブ信号生成回路46の中に形成しても
良い。本実施の形態では、モータ駆動回路42の各トラ
ンジスタを全てオフとすることにより、ロータ軸3及び
ロータ11をフリーランの状態にしたが、これに限定す
るものではなく、他の方法を用いてロータ11のフリー
ラン状態を実現しても良い。
【0044】(第2の実施の形態)第2の実施の形態
は、第1の実施の形態に新たにロータ軸3の回転数を検
出する回転数検出回路47を加え、モータ駆動状態切替
回路44にロータ軸3の回転数が所定の値まで低下した
場合に、モータ部10を自動的に再起動する機能を追加
したものである。
【0045】以下、本発明の好適な第2の実施の形態に
ついて、図3及び図4を参照して詳細に説明する。制御
部25からこれらの部分を除いた部分、及び、ターボ分
子ポンプ1の構成と作用は第1の実施の形態と同じであ
る。そこで、第1の実施の形態と重複する部分について
は、同じ符号を付すと共に説明を省略することとする。
【0046】図3は第2の実施の形態に係る制御部25
の構成を示したブロック図である。図3には、更にター
ボ分子ポンプ1のモータ部10を構成するモータ巻線4
3U、43V、43W、及び永久磁石を固着したロータ
軸3、回転数センサ23も示してある。また、図3には
制御部25内にある磁気軸受部8、12、20の制御回
路などは示されていない。本実施の形態における制御部
25は、更に回転数検出回路47を備えている。回転数
検出回路47は、回転数センサ23に接続されており、
ロータ軸3及びロータ11がフリーランの状態にある
間、回転数センサ23の検出信号を受信し、この信号か
らロータ軸3の単位時間あたりの回転数を検出する。こ
のように、回転数センサ23と回転数検出回路47によ
ってロータ軸3の単位時間あたりの回転数、即ちロータ
軸3の回転速度に比例した量を検出する回転速度検出手
段を構成している。
【0047】回転数検出回路47で検出されたロータ軸
3の回転数は、回転数検出回路47からモータ駆動状態
切替回路44に送信される。これによって、モータ駆動
状態切替回路44は、ロータ軸3のフリーラン中の回転
数を取得することができる。ロータ軸3の回転速度は、
フリーラン中に、排気ガスとロータ翼21との摩擦など
のために徐々に低下してくる。ターボ分子ポンプ1の排
気速度は、おおよそロータ軸3の回転速度に比例するた
め、ロータ軸3の回転速度が低下してくると、ターボ分
子ポンプ1の排気能力も低下してくる。そこで、モータ
駆動状態切替回路44は、回転数検出回路47から取得
したロータ軸3の回転数が、予め設定した所定のしきい
値(例えば、毎分2万回転)を下回った場合に、自動的
にモータ部10を再起動するように設定されている。こ
れによって、真空チャンバ内の真空度の悪化を防ぐこと
ができる。
【0048】また、自動的にモータ部10が再起動する
と不都合がある場合は、ロータ軸3の回転速度が所定の
しきい値を下回った場合、モータ部10を再起動せずに
オペレータにアラームを表示するように構成しても良
い。また、該所定のしきい値は、ロータ軸3の回転速度
の低下特性や真空チャンバで必要とされる真空度などか
ら個々の場合に応じて設定される。なお、フリーラン時
にロータ軸3の回転数の低下する割合は、排気している
真空装置から放出されるガスの量や、ロータ軸3、ロー
タ11、ロータ翼21の慣性モーメントや、フリーラン
開始時のロータ軸3の回転数などによって異なる。
【0049】図4は、本実施の形態における、ロータ軸
3の回転数の時間変化を示したチャートである。縦軸は
ロータ軸3の単位時間あたりの回転数を、横軸は時間を
表している。ターボ分子ポンプ1が起動した後、ロータ
軸3が定格運転時の回転数に達するまで、モータ部10
によりロータ軸3が加速される(区間51)。ロータ軸
3の回転数が所定の回転数(例えば毎分3万回転)に達
したら(時点52)、ターボ分子ポンプ1は、定格運転
に移行する。これらの間、真空チャンバなどの真空装置
が排気される(区間53)。
【0050】真空装置内で、例えば電子顕微鏡において
試料を電子ビームで走査するなどの作業を行うに当たっ
て、モータ部10から電気的ノイズが発生するのを防ぐ
ため、オペレータは、スイッチ45を操作してロータ軸
3をフリーランの状態にする(時点54)。真空装置内
での作業中、ロータ軸3は、フリーランの状態におか
れ、排気ガスとロータ翼21との摩擦などのために、ロ
ータ軸3の回転数は徐々に低下する(区間59)。
【0051】ロータ軸3の回転数が予め設定したしきい
値に達すると(時点55)、モータ部10が自動的に再
起動して、ロータ軸3は、加速される(区間56)。ロ
ータ軸3の回転数が所定の値に達すると(時点57)、
ターボ分子ポンプ1は、再び定格運転に移行する(区間
58)。再びロータ軸3をフリーランの状態にしたい場
合は、オペレータがスイッチ45を操作することにより
再びロータ軸3をフリーランの状態にすることができ
る。
【0052】以上に説明した第2の実施の形態では、ロ
ータ軸3が、所定の回転数まで回転数が低下した場合、
自動的にモータ部10が起動するので、ロータ軸3のフ
リーランに伴う真空チャンバ内の真空度の悪化を未然に
防ぐことができる。また、モータ部10が自動的に起動
すると不都合がある場合は、モータ部10を自動的に起
動せず、オペレータにアラームを表示して注意を促すよ
うに構成することもできる。なお、本実施の形態では、
ロータ軸3の回転数によって、モータ部10を再起動す
るか否かを判断したが、これに限定するものではなく、
例えば、真空チャンバ内に真空度センサを設置し、その
真空度によって再起動する構成にしても良い。
【0053】(第3の実施の形態)第3の実施の形態
は、ロータ軸3の回転数を通常の定格回転数よりも高い
回転数で回転させた後にロータ軸3をフリーランさせる
ことにより、磁気軸受部で発生する振動を低減するもの
である。これは、磁気軸受部8、12、20を制御する
磁気軸受制御装置のゲインが高周波側で小さくなること
を利用したものである。
【0054】以下、本発明の好適な第3の実施の形態に
ついて、図1、図2及び図5を参照して詳細に説明す
る。ターボ分子ポンプの構造及び、当該ターボ分子ポン
プの制御装置25の構成は、それぞれ図1及び図2と同
様である。
【0055】第3の実施の形態では、モータ駆動状態切
替え回路44は、通常の定格回転数(第1の定格回転数
とする)よりも回転数が大きい定格回転数(第2の定格
回転数とする)でロータ軸3を回転させる機能を更に具
備している。そして、ユーザが第1の定格回転数と第2
の定格回転数をスイッチ45によって選択できるように
なっている。例えば、第1の定格回転数は毎分3万回転
であり、第2の定格回転数は毎分3万5千回転である。
ターボ分子ポンプ1は、第2の定格回転数での運転に十
分耐え得るように設計されている。このように、ロータ
軸3を第2の定格回転数で運転する場合、ゲートドライ
ブ信号生成回路46、逓倍同期パルス発生回路38、モ
ータ駆動回路42、回転数センサ23はロータ軸3を第
2の定格回転数で回転させる回転速度制御手段を構成し
ている。
【0056】第1及び第2の実施の形態では、ロータ軸
3をフリーランさせることによりモータ部10で発生す
る電気的ノイズ及び機械的振動を低減することができた
が、磁気軸受部8、12、20では依然振動が発生して
いる。後に説明するように、この振動はロータ軸3の回
転数を上昇させることにより低減することができる。
【0057】このため、ユーザはスイッチ45を操作し
てロータ軸3の回転数を第2の定格回転数まで上昇した
後、ロータ軸3をフリーランさせることにより磁気軸受
部8、12、20から発生する振動を低減することがで
きる。以降、磁気軸受部8、12、20は、それぞれの
磁気軸受部を区別しない場合は、単に磁気軸受部と総称
することにする。
【0058】以下に、ロータ軸3の定格回転数を上昇さ
せると磁気軸受部で発生する振動が低減できる理由につ
いて説明する。本実施の形態では、磁気軸受部、変位セ
ンサを含む磁気軸受制御系を磁気軸受装置と呼ぶことに
する。多くの場合、磁気軸受部を含めた磁気軸受制御装
置(磁気軸受部、変位センサ、変位センサの出力と目標
値の差である誤差信号を受信して補正する補償器、補償
器から制御信号を受信して磁気軸受部に電流を供給する
パワーアンプなどにより構成され、ブロックの構成は次
の第3の実施の形態で示すものと同様である)を構成す
る要素はローパスフィルタ(低域通過フィルタ)特性を
もっている。つまり、伝達関数は、DC(直流)からあ
る周波数まではほぼ一定とみなせるが、高周波数領域に
おいてゲインが下がり位相が遅れてくる。これは、周波
数の高い領域では磁気軸受制御装置のレスポンス(応答
性)が低下するためである。即ち、ロータ軸3の回転数
が速くなると、回転数が遅いときに比べてロータ軸3を
保持する能力が低下するのである。なお、ゲインは遮断
周波数付近でピークを持つ場合もある。
【0059】図5は、磁気軸受制御装置のゲイン特性曲
線61の一例を示したボード線図である。なお、位相特
性曲線は省略した。図5では、磁気軸受部の電磁石に供
給する電流値のスペクトルを模式的に重ね合わせて示し
ている。曲線62はロータ軸3が第1の定格回転で回転
している場合の電流値のスペクトルを表しており、曲線
63はロータ軸3を第2の定格回転数で回転している場
合の電流値のスペクトルを表している。それぞれの曲線
は回転周波数にピークを持っている。
【0060】ロータ軸3の振れは回転数にあまり依存し
ない、即ちロータ軸3の振れは定格回転数の変化によっ
て大きく変化しないので、曲線62、63の場合におい
てロータ軸3の振れが同じであるとすると、電磁石に供
給する電流はゲインに比例するため、曲線62、63の
ピークをゲイン特性曲線61に重ねて表すことができ
る。
【0061】ゲイン特性曲線61に示したように、磁気
軸受制御装置のゲインは高周波側で低くなっている。ロ
ータ軸3の回転数を第1の定格回転数から第2の定格回
転数にアップすると、電流値のスペクトルが曲線62か
ら曲線63へシフトし、電流値のピークはゲインと共に
低下する。
【0062】これは、ロータ軸3の同じ振れに対して磁
気軸受部が出力する磁力が高周波側で小さくなることを
意味する。磁気軸受部から発生する振動は、回転による
ロータ軸3の振動が磁力により電磁石に伝達することに
より発生する。そのため、ロータ軸3の回転数を第2の
定格回転で回転させることにより、電磁石の電流値をゲ
インの小さい方へ移動させることにより、磁界を介して
ロータ軸3から伝達される振動を小さくすることができ
る。
【0063】なお、磁気軸受部の機能はばねとダッシュ
ポットから成るダンパと考えることができるが、図5は
当該ダンパの振動伝達特性を示しているとも考えられ、
1つのダンパを用いると例えば−40dB/decad
eのローパスフィルタ特性となる。
【0064】なお、本実施の形態では、ロータ軸3の定
格回転数をアップした後これをフリーランさせたが、ロ
ータ軸3をフリーランさせずに定格回転数をアップする
だけでもターボ分子ポンプ1で発生する振動を抑制する
ことができる。このため、フリーランと定格回転数アッ
プを常に一組として用いる必要はなく、フリーランをさ
せずに定格回転数だけアップするように構成することも
できる。
【0065】また、ユーザがスイッチ45にてフリーラ
ンを選択した場合、ロータ軸3の回転数を自動的にアッ
プした後、自動的にフリーラン状態にするように、フリ
ーランのシーケンスと定格回転数アップのシーケンスを
連動させても良い。
【0066】また、第2の実施の形態と組み合わせてる
ことも可能である。この場合はロータ軸3を第2の定格
回転数で回転した後フリーランさせる。そしてロータ軸
3の回転数を回転数検出回路47でモニタリングし、ロ
ータ軸3の回転数が所定の閾値まで下がったときに、モ
ータ部10を起動させて再びロータ軸3を第2の定格回
転数まで加速してフリーランさせる。以降これを繰り返
すように構成することもできる。
【0067】本実施の形態では以下のような効果を得る
ことができる。ターボ分子ポンプ1は、第1の定格回転
数で十分な排気能力を発揮することができるので、振動
が問題とならない用途では第1の定格回転数にて運転す
ることにより、第2の定格回転数にて運転する場合より
も消費電力の消費や、ターボ分子ポンプ1の部品の消耗
などを抑制することができる。
【0068】一方、ターボ分子ポンプ1を電子顕微鏡で
の測定などの振動を抑制する必要がある状況で使用する
場合は、ロータ軸3を第2の定格回転数で回転させた後
フリーランさせることにより、モータ部10から発生す
る電気的ノイズ、振動及び磁気軸受部から発生する振動
や騒音を抑制することができる。即ち、定格回転数アッ
プによりロータ軸3から磁気軸受部への振動伝達率を低
減することができる。また、磁気軸受制御装置のゲイン
が低くなるため、磁気軸受部で発生する磁界が小さくな
り、これによって磁気軸受部で発生する電気的ノイズも
低減される。第2の定格回転数によりロータ軸3をフリ
ーランさせることにより、第1の定格回転数にてロータ
軸3をフリーランさせる場合よりも、フリーランが持続
する時間を長くすることができる。
【0069】(第4の実施の形態)第4の実施の形態
は、ロータ軸3をフリーランさせる際に、ローパスフィ
ルタなどを磁気軸受制御装置に挿入して、少なくとも高
周波側のゲインを低下させることにより、磁気軸受部で
発生する振動及び騒音を低減するものである。
【0070】以下、本発明の好適な第4の実施の形態に
ついて、図1、図2及び図6、図7を参照して詳細に説
明する。ターボ分子ポンプの構造及び、当該ターボ分子
ポンプの制御部の構成は、それぞれ図1、及び図2と同
様である。また磁気軸受部8、12、20、及び変位セ
ンサ9、13、17は、特にこれらを区別しない場合は
単に磁気軸受部及び変位センサと記すことにする。ま
ず、磁気軸受制御装置の高周波側のゲインを下げると磁
気軸受部で発生する振動が低減される理由を説明する。
【0071】磁気軸受制御装置は、変位センサの出力に
基づき電磁石の磁力をフィードバック制御してロータ軸
3の位置をコントロールしている。ところで、電磁石の
磁界を切替える際に高周波の電気的ノイズが発生しやす
い。また変位センサは磁気軸受部の近くに設置されてい
るため、磁気軸受部と変位センサがカップリングし、変
位センサが磁気軸受部高周波の電気ノイズを検出してし
まうことがある。そして、検出されたノイズが磁気軸受
制御装置を構成するパワーアンプなどで増幅されて磁気
軸受部で出力され、磁気軸受部が振動・騒音を発生する
場合がある。
【0072】即ち、磁気軸受部はラジアルセンサ(ラジ
アル方向の変位センサ)又はアキシャルセンサ(スラス
ト方向の変位センサ)の出力に基づきラジアル又はアキ
シャル電磁石の磁力をフィードバック制御してコントロ
ールしている。特に高周波成分のノイズをセンサで検出
又は作り出してしまうと磁気軸受が発生する磁力で騒音
・振動を発生する恐れがある。そのため、磁気軸受制御
装置の高周波側のゲインを下げることにより、磁気軸受
部と変位センサのカップリングから生じる振動・騒音を
低減することができる。
【0073】本実施の形態では、高周波ゲインを下げる
方法として比例ゲイン(DCゲインと言うこともある)
を下げる場合、高周波側のゲインを下げる場合について
説明する。比例ゲインを下げる場合は回路構成が簡単で
ある反面、低周波側でのゲインも下げてしまうため、ロ
ータ軸3の安定性が悪くなる場合がある。一方、高周波
ゲインを下げる場合は、低周波側のゲインは落とさない
ためロータ軸3の安定性は確保できるが、回路構成が比
例ゲインを低下させる場合よりも若干複雑になる。ま
た、比例ゲインと高周波側のゲインの双方を下げること
も可能である。
【0074】図6(a)は、本実施の形態に係る磁気軸
受制御装置70の構成の一例を示した図である。磁気軸
受制御装置70は、センサ74、補償部71、パワーア
ンプ72、磁気軸受部73などから構成されている。こ
れらは磁気軸受部をフィードバック制御する磁気軸受制
御手段を構成している。センサ74は、ロータ軸3の変
位を検出して出力する。出力は例えばロータ軸3の変位
に応じた電圧として出力される。
【0075】センサ74は、例えば変位センサ9、1
3、17の何れかであり、磁気軸受部73は、センサ7
4に対応した磁気軸受部8、12、20の何れかであ
る。センサ74は、変位センサ9、13、17などのロ
ータ軸3の変位を検出するためのセンサである。
【0076】補償部71は、センサ74の出力と目標値
の差である誤差信号を受け取り、これをPID(Pro
portional Integral deriva
tive)補正したり、また、比例ゲインや高周波側の
ゲインを下げたりなどして誤差信号を補正し、制御信号
を出力する部分である。パワーアンプ72は、磁気軸受
部の電磁石に電流を供給するアンプであり、補償部71
から制御量を表す制御信号を取得し、これに応じた電流
を出力する。磁気軸受部73は、パワーアンプ72から
電流の供給を受けて所定の磁力を発生し、ロータ軸3を
保持する。
【0077】図6(b)は、磁気軸受制御装置70の比
例ゲインを下げる場合の補償部71の構成を示した図で
ある。補償部71は、可変型比例ゲイン調整器77と補
償器78から構成されている。可変型比例ゲイン調整器
77は、ユーザが比例ゲインを変えることのできるもの
であり、ゲイン低減手段を構成している。可変型比例ゲ
イン調整器71は、例えば可変抵抗器などにより構成さ
れる。補償器78は、例えばPID補正などを行う部分
である。
【0078】電子顕微鏡の測定時などのときにはロータ
軸3をフリーランさせると共に、比例ゲインを小さくす
る。そして、測定を行っていないときは、比例ゲインを
大きくする。これによって、測定時に磁気軸受部73か
ら発生する振動・騒音を低減することができる。可変型
比例ゲイン調整器77を変化させる調整用のつまみなど
は、スイッチ45(図2)などに備えておく。又はフリ
ーラン時に自動的に可変型比例ゲイン調整器77の比例
ゲインが小さくなり、フリーランが解除されたときに自
動的に当該比例ゲインが大きくなるように構成しても良
い。
【0079】図6(c)は、磁気軸受制御装置70の比
例ゲインを下げる場合の補償部71の別の構成を示した
図である。補償部78は、比例ゲイン調整部80に接続
されている。比例ゲイン調整部80は、2つの比例ゲイ
ン調整器82、83から構成され、スイッチ81により
補償器78に接続する比例ゲイン調整器82、83を切
替えられるようになっている。
【0080】比例ゲイン調整器82、83の比例係数は
それぞれKp1、Kp2比例係数でありKp1>Kp2
となっている。ユーザは比例ゲイン調整器82、83を
切替えることにより、比例ゲインを選択することができ
る。測定を行っていないときは、スイッチ81を比例ゲ
イン調整器82に接続して比例ゲインを大きくし、測定
時などのときにはロータ軸3をフリーランさせると共に
スイッチ81を比例ゲイン調整器83に接続して比例ゲ
インを小さくする。このように、比例ゲイン調整器8
2、83及びスイッチ81はゲイン低減手段を構成して
いる。
【0081】これによって、測定時に磁気軸受部73か
ら発生する振動・騒音を低減することができる。スイッ
チ81は、スイッチ45に備えておく。又はフリーラン
時に自動的にスイッチ81が比例ゲイン調整器83に接
続され、フリーランが解除されたときに自動的に比例ゲ
イン調整器82に接続されるように構成しても良い。
【0082】図6(d)は、磁気軸受制御装置70の高
周波側のゲインを下げる場合の補償部71の構成を示し
た図である。比例ゲインを下げる場合は、回路構成は単
純になる反面、低周波側でのゲインをも下げてしまうた
め、ロータ軸3が不安定になる場合がある。このため、
図6(d)の例では、低周波側の比例ゲインは低下させ
ずに高周波側の比例ゲインを低下させるようにローパス
フィルタ86を補償器78に接続した。ローパスフィル
タ86とスイッチ85はゲイン低減手段を構成してい
る。
【0083】ユーザはスイッチ85を切替えることによ
り、ローパスフィルタ86を補償器78に接続したり切
り離したりすることができるようになっている。電子顕
微鏡の測定などを行っていないときは、ローパスフィル
タ86を補償器78に接続せず、測定時には、ロータ軸
3をフリーランさせると共にローパスフィルタ86を接
続するようにする。
【0084】接続スイッチはスイッチ45(図2)に設
ける。又はフリーラン時に自動的にローパスフィルタ8
6が接続され、フリーランが解除されたときに自動的に
ローパスフィルタ86の接続がはずされるように構成し
ても良い。
【0085】以上の構成では、比例ゲインを下げる場合
と高周波側のゲインを下げる場合について説明したが、
両者を組み合わせて実施することもできる。即ち、測定
時に比例ゲインを下げると共に高周波側のゲインを下げ
ることもできる。これにより、低周波側のゲインを必要
な程度下げた上で高周波側のゲインを大きく下げるな
ど、より複雑なゲイン調整が可能となる。
【0086】図7(a)は、磁気軸受制御装置70のゲ
イン特性を示した図である。曲線91は、通常のゲイン
を示した図であり、高周波側に行くに従ってゲインが低
下する。曲線92は、可変型比例ゲイン調整器77や比
例ゲイン調整器82などにより比例ゲインを低下させた
場合のゲインを示した図である。曲線92は、曲線91
を低下したゲインの分だけ下方に平行移動したものとな
っている。曲線93は、ローパスフィルタ86によって
高周波側のゲインが低下した場合のゲインを示した図で
ある。図から分かるように低周波側では曲線91と重な
っており、高周波側では、曲線91よりも急激にゲイン
が低下する。
【0087】図7(b)は、磁気軸受部で発生する電気
的ノイズのレベルの増幅度をゲイン変更前と後の変化を
示した図である。図の例では、比例ゲインを低下させた
場合と低下させない場合の騒音を比較したものである。
図に示したように、比例ゲインを低下させることによ
り、全体的に騒音が低下すると共に、高周波側での騒音
が大幅に低下していることが分かる。磁気軸受部から発
せられる騒音のレベルもこれと同様に低下する。
【0088】以上本実施の形態では、ターボ分子ポンプ
1の制御部の構成を第2の実施の形態と同じとしたが、
これに限定するものではなく、例えば第3の実施の形態
で示したように、ロータ軸3の回転数を検出して、これ
が所定の閾値まで低下した場合に、モータ部10を自動
的に起動するようにしても良い。また、第3の実施の形
態と組み合わせて定格回転数をアップする機能を具備さ
せることもできる。
【0089】更に、ゲインの低減をフリーランと組み合
わせるのではなく、モータ部10を駆動したまま磁気軸
受制御装置のゲインを下げるように構成しても良い。こ
の場合はモータ部10から発生する電気的ノイズ、振動
は低減されないが、磁気軸受部から発生する振動・騒音
は低減することができる。
【0090】以上に説明したように、本実施の形態で
は、磁気軸受制御装置70のゲインを少なくとも高周波
側で下げることにより、磁気軸受部と変位センサのカッ
プリングから生じる振動・騒音を低減することができ
る。また、ゲインの切替えとフリーランのシーケンスを
連動させた場合、ユーザはゲインの切替えを特に意識す
る必要が無い。また、ゲインの切替えスイッチをスイッ
チ45に設けるか、又はフリーランのシーケンスとゲイ
ンの切替えを連動させるなどして、ターボ分子ポンプ1
を遠隔操作可能とすることができ、利便性を高めること
ができる。
【0091】第1の実施の形態と、第3の実施の形態及
び第4の実施の形態を組み合わせることによりより高い
電気的ノイズ、及び振動の低減を実現することができ
る。この場合は、ロータ軸3を第2の定格回転数で回転
させた後フリーランさせ、かつ磁気軸受制御装置の少な
くとも高周波側のゲインを低減する。
【0092】以上第1の実施の形態ないし第4の実施の
形態では、一例として5軸制御型磁気軸受式ターボ分子
ポンプについて説明したが、これは真空ポンプの軸受方
式や電流制御方式、モータ方式などを限定するものでは
ない。また、本実施の形態では、分子ポンプの一例とし
てターボ分子ポンプを用いたが、これは、分子ポンプを
ターボ分子ポンプに限定するものではなく、ドラッグポ
ンプ(例えばねじ溝式ポンプ)などの他の分子ポンプを
用いても良い。
【0093】ねじ溝式ポンプとは、円筒状の外周面を有
するロータの周囲にねじ溝が形成されたステータが配設
されたポンプである。または、外周面にねじ溝が形成さ
れたロータの周囲に円筒状の内周面を有するステータが
配設される場合もある。これらのドラッグポンプの構造
は公知である。また、第1の実施の形態ないし第4の実
施の形態によってターボ分子ポンプ1からチャンバなど
の真空装置へ伝わる振動・騒音を減少させることがで
き、これらの実施の形態を組み合わせることにより併せ
て相乗効果が得られる。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、ターボ分子ポンプを停
止することなく電気的ノイズと機械的振動を低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターボ分子ポンプのロータ軸の軸線方向の断面
図の一例を示した図である。
【図2】第1の実施の形態に係るターボ分子ポンプの制
御部の構成を示したブロック図である。
【図3】第2の実施の形態に係るターボ分子ポンプの制
御部の構成を示したブロック図である。
【図4】第2の実施の形態における、ロータ軸の回転数
の時間変化を示したチャートである。
【図5】磁気軸受制御装置のゲイン特性曲線の一例を示
したボード線図である。
【図6】(a)は本実施の形態に係る磁気軸受制御装置
の構成の一例を示した図である。(b)は磁気軸受制御
装置の比例ゲインを下げる場合の補償部の構成を示した
図である。(c)は磁気軸受制御装置の比例ゲインを下
げる場合の補償部の別の構成を示した図である。(d)
は磁気軸受制御装置の高周波側のゲインを下げる場合の
補償部の構成を示した図である。
【図7】(a)は磁気軸受制御装置のゲイン特性を示し
た図である。(b)は磁気軸受部で発生する電気的ノイ
ズのレベルの増幅度をゲイン変更前と後の変化を示した
図である。
【符号の説明】
1 ターボ分子ポンプ 2 フランジ 3 ロータ軸 4 コネクタ 5 ボルト 6 保護ベアリング 7 保護ベアリング 8 磁気軸受部 9 変位センサ 10 モータ部 11 ロータ 12 磁気軸受部 13 変位センサ 14 電磁石 15 電磁石 16 ケーシング 17 変位センサ 18 金属ディスク 19 排気口 20 磁気軸受部 21 ロータ翼 22 ステータ翼 23 回転数センサ 24 吸気口 25 制御装置 26 トランジスタ 28 トランジスタ 30 トランジスタ 32 トランジスタ 34 トランジスタ 36 トランジスタ 38 逓倍同期パルス生成回路 40 直流電源 42 モータ駆動回路 43U U相モータ巻線 43V V相モータ巻線 43W W相モータ巻線 44 モータ駆動状態切替回 路 45 スイッチ 46 ゲートドライブ信号生成回路 47 回転数検出回路 61 ゲイン特性曲線 62 電流値のスペクトル 63 電流値のスペクトル 70 磁気軸受制御装置 71 補償部 72 パワーアンプ 73 磁気軸受部 74 センサ 77 可変型比例ゲイン調整器 78 補償器 80 比例ゲイン調整部 81 スイッチ 82 比例ゲイン調整器 83 比例ゲイン調整器 85 スイッチ 86 ローパスフィルタ 91 ゲイン特性曲線 92 ゲイン特性曲線 93 ゲイン特性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04D 29/00 F04D 29/04 M 5H560 29/04 P R F16C 32/04 A F16C 32/04 F04B 49/02 331A H02P 6/20 H02P 6/02 351K 6/24 351L (72)発明者 野中 学 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 3H021 AA01 AA08 BA01 BA11 BA16 CA04 CA07 DA00 DA04 EA07 3H022 AA03 BA03 BA06 BA07 CA06 CA16 CA50 DA00 DA09 DA10 DA11 DA12 3H031 DA02 DA07 EA07 EA11 EA12 EA13 EA14 EA15 FA13 FA40 FA41 3H045 AA06 AA09 AA12 AA25 AA26 AA31 AA38 BA01 BA31 BA38 CA09 CA21 DA00 DA05 EA34 3J102 AA01 BA03 CA02 CA22 DA02 DA03 DA09 DA10 DA18 DA19 DB05 DB10 DB11 DB32 DB37 FA03 GA06 5H560 AA02 BB04 BB12 DA02 DB20 EB01 RR10 SS01 UA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子ポンプのロータに接続したモータに
    駆動トルクを発生させて前記ロータを回転させる駆動ト
    ルクモードと、前記ロータが回転しているときに前記駆
    動トルクをゼロ又はゼロ近傍にすることで前記ロータを
    慣性力で回転させる慣性回転モードとにより前記モータ
    を回転させるモータ制御手段と、 前記モータ制御手段による前記駆動トルクモードと前記
    慣性回転モードとを切替えるモード切替手段と、 を具備したことを特徴とする分子ポンプの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記モータ制御手段は、前記慣性回転モ
    ードにおいて、前記モータのモータ巻線に流れる電流を
    遮断することを特徴とする請求項1に記載の分子ポンプ
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記モード切替手段は、遠隔操作にて前
    記モータ制御手段の駆動トルクモードと慣性回転モード
    とを切替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の分子ポンプの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロータの回転速度を検出する回転速
    度検出手段を更に具備し、 前記ロータが前記慣性回転モードにて回転しているとき
    に、前記検出手段にて検出した回転速度が所定の値を下
    回った場合に、前記モード切替手段は、前記モータ制御
    手段のモードを前記慣性回転モードから前記駆動トルク
    モードに切替えることを特徴とする請求項1、請求項2
    又は請求項3の内の何れかの1の請求項に記載の分子ポ
    ンプの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ロータが前記慣性回転モードにて回
    転しているときに、前記ロータの回転速度に関わらず、
    前記モータ制御手段は、前記慣性回転モードを維持する
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の内
    の何れかの1の請求項に記載の分子ポンプの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ロータは磁気軸受にて軸支されてお
    り、前記ロータの変位を検出し、当該検出した変位に応
    じた電流を前記磁気軸受に供給する磁気軸受制御手段を
    更に具備したことを特徴とする請求項1から請求項5ま
    での内の何れかの1の請求項に記載の分子ポンプの制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記モータ制御手段は、前記駆動トルク
    モードにおいて前記磁気軸受制御手段のゲインが低下す
    る回転速度に回転速度を上昇して前記ロータを回転する
    ことを特徴とする請求項6に記載の分子ポンプの制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記磁気軸受制御手段の少なくとも高周
    波側のゲインを低減するゲイン低減手段を更に具備した
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の分子ポ
    ンプの制御装置。
  9. 【請求項9】 分子ポンプのロータが接続されたモータ
    を駆動して回転させる駆動手段と、 前記ロータは磁気軸受によって軸支されており、前記ロ
    ータの変位を検出し、当該検出した変位に応じた電流を
    前記磁気軸受に供給する磁気軸受制御手段と、 前記磁気軸受制御手段のゲインを調節するゲイン調節手
    段と、 を具備し、 前記ゲイン調節手段は、前記駆動手段が前記磁気軸受制
    御手段のゲインが低下する回転速度に前記ロータの回転
    速度を上昇させるように前記駆動手段を制御する回転速
    度制御手段と、前記磁気軸受制御手段の少なくとも高周
    波側のゲインを低減することによりゲインを調節するゲ
    イン低減手段と、の内少なくとも一方の手段によりゲイ
    ンを調節することを特徴とする分子ポンプの制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9までの内の何れ
    かの1の請求項に記載の分子ポンプ制御装置と、 軸受によりステータに対して回転自在に軸支された前記
    ロータと、 前記ステータと前記軸受が配設され、前記ロータを収納
    する外装体と、 前記ロータを回転するモータと、 前記ロータの回転により外気を吸気するための前記外装
    体の一端に形成された吸気口と、 前記吸気口から吸気した気体を排気するために前記外装
    体に形成された排気口と、 を具備したことを特徴とする分子ポンプ装置。
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