JP2003118223A - 記録物保護用液体の塗布機器、塗布方法及び記録物保護方法 - Google Patents
記録物保護用液体の塗布機器、塗布方法及び記録物保護方法Info
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Abstract
積層する方法によらず、生の画像の画質感などを直接楽
しむことのできる画像の保護に用いる各種器具及び装
置、ならびにならびに保護用液体の塗布による画像の保
護方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に多孔質層からなるインク受容
層を有する記録媒体に色材を含有するインクを用いて記
録を行って得られた記録物の有する画像を保護するため
に、多孔質層の空隙を色材を溶解しない不揮発性の液体
で充填する。
Description
ット記録方法などにより得られた記録物の画像を保護す
るための液体の塗布機器(例えば液体の塗布用具や塗布
装置等)、ならびに当該記録物を保護する液体の記録物
への塗布方法並びに当該記録物の保護方法に関する。
どのテキストを印字するばかりでなく、近年の少液滴
化、多階調化の技術開発により、写真調の印字が可能と
なった。同時に、デジタルカメラの普及もあり、テキス
トやデザインばかりでなく、写真調の印字物やグラフィ
ックアーツについても、デイスプレイ同様の出力、印字
が可能となった今、適用分野が更に拡大している情況に
ある。その結果、その印字物の画像の保存性、高寿命化
が課題となってきた。適切なメデイア(記録媒体)によ
り、染料系のインクを用いた印字物では良好な発色が得
られるが、耐久性、画像の保存性に劣る場合がある。一
方、保存性は優れるが、発色や画像の耐擦過性に劣る場
合があるのが、顔料系のインクで得られた印字物の現状
である。
り得るひとつの対策は顔料による耐久性の高い印字を達
成することであり、他の対策としては、例えば染料など
の耐久性の低い色材を保護する方法である。保護の方法
としては、造膜系の樹脂、たとえば、アクリル系の保護
膜や、シートを画像上にラミネートして保護する方法が
知られている。
ガラスでカバーしたり、樹脂でラミネートしたりする保
護方法は、画像を直接楽しむ画質感などを犠牲とし、い
わば、フィルム越し、ガラス越しに画像をみるもの、す
なわち生の画像から離れてこれを観察する保護方法であ
った。
されるような記録物への水滴の付着による画像流れや、
紫外線での画像劣化に対する処置を行った場合でも、更
に長期にわたる実用レベル以上の耐久を達成することが
要求されるようになってきた。例えば、染料系のインク
で記録を行った記録物でも、記録媒体によっては、水と
の接触でも画像流れが生じることがなく、紫外線での耐
久性試験においても10年レベルで劣化が起きないこと
が想定されるものが提供されつつある。しかしながら、
壁などに画像を貼っておくと、防水性や紫外線に対する
耐光性を付与した記録媒体を用いた場合でも、実際に
は、水分や空気中の微量成分ガス、例えばオゾン、窒素
酸化物、イオウ酸化物などによる劣化が生じる場合があ
ることが判明してきた。
ムなどの保護部材を積層する方法によらず、生の画像の
画質感などを直接楽しむことのできる画像の保護に用い
る各種器具及び装置、ならびにならびに保護用液体の塗
布による画像の保護方法を提供することにある。
る一層の透明層の介在により、画質を犠牲にすることを
やめ、生の画像を、直接、しかも、高寿命で維持するこ
とを研究した結果、本発明にいたった。
に発色する系において、記録後に受容層に残された空隙
を埋めて、色材の劣化反応の場(サイト)をなくすこと
を狙っている。ここで、粘度が低い保護用の液体を使え
ば、浸透が早く、塗り易いが、保護用の液体を受容層内
に留めるためには、保護用の液体は適度に高い粘度を有
する必要がある。そして、粘度の高い液体を用いる場合
には、均一に塗るための用具や装置が極めて有用とな
る。すなわち、本発明は粘度の高い液体を用いた場合に
も均一に、しかも狙った量で、欠陥なく画像面にぬるこ
とを課題とし、生まれたものである。
おいては、例えば、以下に挙げる要求に対応できること
が好ましい。 (1) 対象物としては、 ・L版と呼ばれる写真サイズ(89mm×119mm) ・はがき(100mm×148mm) ・2Lサイズ(L版の2倍)(119mm×178m
m) ・A4サイズ(210mm×297mm) ・A3サイズ(420mmX297mm) などのさまざまな大きさのメディア(記録媒体)を用い
た記録物が挙げられ、これらの異なるサイズの記録物へ
の適量の保護用液体の塗布を達成できることが好まし
い。 (2)保護用液体を画像に塗布する時は、記録物を固定
しなければならない。その際、手で記録物の端を押さえ
れば、その部分が塗れず、塗ってからは、滑って、押さ
えにくいという場合があるという課題、そして作業時に
保護用液体が手に付き、不快な思いをすることがあると
いう課題を解決できることが好ましい。 (3)保護用の液体の塗布用具や装置は、使用しない時
は、液体が漏れることなく機密性にすぐれていることが
好ましく、また、保管時には場所を取らず、コンパクト
であることも、望まれた。
検討を重ねた結果として、これらを達成することのでき
る技術要素、材料等検討し、塗布用具、キット、装置、
塗布方法及び保護方法に関する発明にいたったものであ
る。
表面に、インク受容層としての多孔質層を備え、少なく
とも該多孔質層に吸着した色材から画像が形成されてい
る記録物の該画像に、該色材を溶解しない、不揮発性の
保護処理用の液体を塗布するための塗布用具であって、
前記液体を保持し得る塗布用の面を、支持部材で支持し
た構成を有することを特徴とする塗布用具である。
のキットは、支持体表面に、インク受容層としての多孔
質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材から
画像が形成されている記録物の該画像を保護処理するた
めのキットであって、該色材を溶解しない、不揮発性の
液体を保持し得る容器と、上記構成の塗布用具と、該記
録物を支持する支持台と、を有することを特徴とする画
像の保護処理用のキットである。
用の装置は、支持体表面に、インク受容層としての多孔
質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材から
画像が形成されている記録物の該画像を保護処理するた
めの装置であって、前記色材を溶解しない、不揮発性の
液体を貯溜し得る貯溜部と、軸部材の外周に設けられた
前記液体を前記画像に塗布するための塗布用の面を有
し、該軸部材を中心として回転可能に支持された塗布部
材と、該塗布用の面に対して前記記録物をその画像面を
接触させつつ相対的に移動させる移動手段と、前記貯溜
部に貯留した液体を前記塗布部材の塗布用の面に供給す
る手段とを有することを特徴とする装置である。
の塗布用具は、支持体表面に、インク受容層としての多
孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材か
ら画像が形成されている記録物の該画像を保護処理する
ための塗布用具であって、前記色材を溶解しない、不揮
発性の液体を貯溜し得る貯溜部と、該貯溜部と連通し、
該貯溜部から供給された液体が滲出し得る塗布用の面
と、を有することを特徴とする塗布用具である。
のキットの他の態様は、支持体表面に、インク受容層と
しての多孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着し
た色材から画像が形成されている記録物の該画像を保護
処理するためのキットであって、上記構成の塗布用具
と、該記録物を支持する支持台と、を有することを特徴
とする画像の保護処理用のキットである。
表面に、インク受容層としての多孔質層を備え、少なく
とも該多孔質層に吸着した色材から画像が形成されてい
る記録物の該画像を保護処理するための装置であって、
前記液体を密封状態で収納し得る収納部と、該収納部内
に前記記録物を導入するための導入口と、前記収納部内
から記録物を排出するための取り出し口と、を有し、前
記導入口及び取り出し口が前記記録物の通過時に開口し
得る構成を有し、かつ該取り出し口に前記記録物の通過
時にその表面に付着する余分な液体を除去するための除
去手段が設けられていることを特徴とする装置である。
体の表面に、インク受容層としての多孔質層を備え、少
なくとも該多孔質層に吸着した色材により画像が形成さ
れている記録物を保護するための保護方法であって、前
記画像が形成された多孔質層に、該多孔質層内の空隙の
充填に必要な量以上の過剰量で前記色材を溶解しない不
揮発性の保護用の液体を付与して、該保護用の液体で該
多孔質層の空隙を充填する工程を有することを特徴とす
る記録物の保護方法である。
置及びこれらを用いた保護方法によれば、記録物の画像
の保護処理を簡便かつ操作性よく行うことができ、保護
された生の画像を直接たのしむことが可能となる。
れる記録物は、インク受容層としての多孔質層を有する
記録媒体に色材を含むインクを付与して画像を形成した
ものである。本発明にかかる保護処理は、記録物にシリ
コーンオイル類、脂肪酸エステル類等の液体を含浸させ
ることで行われるので、記録媒体は裏抜けしないもので
あること、例えば、染料や顔料などの色材を、支持体上
に設けたインク受容層の多孔質構造を形成する微粒子に
少なくとも吸着させて記録を行う記録媒体を用いること
が好ましい。このような構成の記録媒体は、記録にイン
クジェット法を利用する場合に特に好適である。更に、
このようなインクジェット用の記録媒体としては支持体
上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収
するいわゆる吸収タイプであることが好ましい。吸収タ
イプのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じ
て、バインダーやその他の添加剤を含有する多孔質層と
して構成することができる。微粒子の例としては、シリ
カ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アル
ミナあるいはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪
藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の
無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレ
ン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの1種以上が使
用される。バインダーとして好適に使用されているもの
には水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。
例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉
またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、アラビ
アゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースな
どのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテ
ックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラ
テックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸
ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポ
リビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合
体、アクリル酸エステル共重合体などが使用される。こ
れらは必要に応じて2種以上を組み合せて用いることが
できる。その他、添加剤を使用することもでき、例え
ば、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑
剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光
増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用される。
これらも適宜その2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
て、平均粒子径が10μm以下、より好ましくは1μm
以下の微粒子を主体としてインク受容層を形成したもの
が好ましい。上記の微粒子として、特に好ましいもの
は、例えばシリカまたは酸化アルミニウム微粒子等が挙
げられる。酸化アルミニウム微粒子、シリカにおいて特
に効果的な理由としては以下の様に考えられる。即ち、
酸化アルミニウム微粒子、シリカに吸着された色材は、
NOX、SOX、オゾン等のガスによる色材の褪色が大き
いことが判ったが、これらの粒子はガスを引き寄せやす
く、色材の近傍にガスが存在することになり色材が褪色
し易くなるためと思われる。シリカ微粒子として好まし
いものは、コロイダルシリカに代表されるシリカ微粒子
である。コロイダルシリカ自体も市場より入手可能なも
のであるが、特に好ましいものとして、例えば特許第2
803134号、同2881847号公報に掲載された
ものを挙げることができる。酸化アルミ微粒子として好
ましいものとしては、アルミナ水和物微粒子を挙げるこ
とができる。このようなアルミナ系顔料の一つとして下
記一般式により表されるアルミナ水和物を好適なものと
して挙げることができる。
れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表
す。但し、mとnは同時には0にはならない。mH2O
は、多くの場合mH2O結晶格子の形成に関与しない脱
離可能な水相をも表すものである為、mは整数または整
数でない値を取ることもできる。またこの種の材料を加
熱するとmは0の値に達することがありうる。アルミナ
水和物は一般的には、米国特許第4242271号、米
国特許第4202870号に記載されているようなアル
ミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウ
ムの加水分解のような、また特公昭57−44605号
公報に記載されているアルミン酸ナトリウム等の水溶液
に硫酸ナトリウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加え
て中和を行う方法などの公知の方法で製造されたものを
使用したものが好適である。
インクジェット記録媒体は、保護用液体との親和性、吸
収性、定着性が優れる上、前述したような写真画質を実
現するために必要とされる透明性、光沢、染料等、記録
液中色材の定着性等の特性が得られることより、本発明
にかかる保護方法を適用するのには最も好適である。記
録媒体の微粒子とバインダーの混合比は、重量比で、好
ましくは1:1〜100:1の範囲にあることが好まし
い。バインダーの量を上記範囲とすることで、インク受
容層への保護用の液体の含浸に最適な細孔容積の維持が
可能となる。酸化アルミニウム微粒子またはシリカ微粒
子のインク受容層中の好ましい含有量としては、50重
量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好まし
くは、80重量%以上であり、99重量%以下であるこ
とが最も好適である。インク受容層の塗工量としては、
保護用の液体の含浸性を良好とするために乾燥固形分換
算で10g/m2以上であることが好ましく、10〜30g/
m2が最も好適である。
なく、上記したような微粒子を含むインク受容層の形成
が可能であって、且つインクジェットプリンタ等の搬送
機構によって搬送可能な剛度を与えるものであれば、い
ずれのものでも使用できる。そして、少なくともインク
受容層が形成される側の面に、適度なサイジングを施し
た紙や、繊維状の支持体の上に例えば硫酸バリウム等の
無機顔料等をバインダーと共に塗工して形成した緻密な
多孔性の層(いわゆる、バライタ層)を表面を有するも
の(例えばバライタ紙等)は、支持体として特に好適に
用いることができる。即ち、このような支持体を用いた
場合、前述の保護用の液体での処理を施した記録物を、
高温・高湿環境下に長時間放置したような場合であって
も、記録物表面への液体の染み出しなどによる表面のべ
たつきなどが生じることを極めて有効に抑制でき、保管
性においても極めて優れた記録物とすることができる。
なお、記録媒体における表層に多孔質層を有している形
態としては、上記の支持体上に多孔質のインク受容層を
形成したものに限らず、アルマイト等も使用できる。
液体は、記録媒体の多孔質層に付与された色材を溶解せ
ず定着画像に影響を与えないもので、かつ不揮発性であ
るために、多孔質層内の空隙がこれにより充填されるこ
とで色材が保護され、画像の耐久性などが向上する効果
を有するものが利用される。また、画像の色調などに影
響を与えず、かつ多孔質層の空隙が充填されることで画
像の品位を向上させる無色透明なものが汎用性に優れて
いるが、場合によっては着色するものであってもよい。
また、通常は保護用の液体は無臭である方が汎用が高い
が、画像への影響がない範囲内で香料などの添加によっ
て画像にあった香りを放つものでもよい。
テル、シリコーンオイル、変性シリコーン及びフッ素系
オイルから選択された少なくとも1種を利用することが
できる。
手段が保持でき、かつ記録物の色材が定着している多孔
質層内への適度な浸透性を有することが好ましく、例え
ば10〜600Cs(ストークス)程度の粘度を有するも
のが好ましい。特に、20Cs以上の粘度とすることで、
保護用液体が確実に記録物に保持される。また300Cs
以下であると、塗布がより容易になり、より均一な塗布
を行うことができる。よって、20〜300Csが、保護
用液体の記録物への保持性と塗布時の作業性の観点か
ら、特に好ましい粘度範囲であるということができる。
このような粘度の液体を用いることで、塗布直後の水平
方向に塗布できていない部分も1mm程度離れた領域の
厚く塗られた部分からの水平方向への供給で小さな塗布
量むらを、液体の流動による展性を用いて効果的に均一
化することができる。
物への浸透性やその表面での展延性が異なる保護用の液
体を用いることもできる。このような液体としては、塗
布操作に対して好適な浸透性や展延性が得られる温度
(たとえば室温より高い温度)で塗布操作を行い、塗布
操作後に記録物の温度を室温まで下げることで、記録物
内に浸透した保護用液体の流動性を低下させて、その均
一な塗布を達成する流動性を得ることができる。
用の液体の付与は、色材が定着している多孔質層内の空
隙を充填するのに必要な量以上の過剰量で行われること
が好ましい。また、多孔質層上に保護用液体の層が形成
されないように、多孔質層の空隙の充分な充填状態が得
られた際に、多孔質層の表面から保護用液体を除去する
ことが好ましい。
た状態を図1に断面の概略図で示した。図1において、
11、12、13は、それぞれ、支持体であるベースペ
ーパー、反射層、インク受容層をあらわす。図1
(a)、(b)、(c)、及び(d)はそれぞれ塗布量
が、不足、適量、小過剰、大過剰、の状態を示す。適量
とは、液体がインク受容層13内の空隙を充填するに必
要十分な量のことである。また小過剰とは、液体がイン
ク受容層13内の空隙を充填し、かつ支持体11の表面
に液体が漸く到達し、その表面が液体で濡れ、或いは表
面近傍にまで浸透するに必要な量のことである。14、
15、16、17は、各状態での保護用液体の断面方向
の存在分布を示している。検討の結果(a)の状態で
は、乱反射により光学密度(OD:OpticalDe
nsity)が下がり、耐久性の改善が見られず、ま
た、時間の経過に従って、液体の浸透部のムラが現れる
ので好ましくない。(b)と(c)の状態の時、光学密
度(OD)は増加し、画像がきれいになり、かつ、耐久
性も優れた結果が得られた。液体が、支持体の深部にま
で浸透している図1の(d)の態様は、光学密度(O
D)、耐久性ともに優れていたが、白系の画像でシミが
みられることがある。。
吸収し得る面を有するものを用いた場合には、最終の状
態が、(b)に示される受容層のみ、もしくは、(c)
に示される受容層と支持体の一部にオイルが満たされた
状態にメデイア全面がなることが特に好ましい。
に説明するが、本発明は、これらの具体例の記載によっ
て何ら限定解釈されるものでない。
(キヤノン(株)社製、商品名:BJF870)を用い
て、写真調の画像を、疑ベイマイトを受容層に持つ記録
メデイアに印字した。記録メデイア(記録媒体)は、ベ
ースペーパー(支持体)の上に、反射層(BaSO4の
層:層厚、およそ15μm)と、およそ30μmの疑ベ
ーマイト系のアルミナからなる受容層(バインダーPV
A)を設けたものである。この記録メディアに上記プリ
ンター用インクを用いて印字記録を行ったところ、アル
ミナを含む受容層に色材が吸着され画像が形成された。
記録後の受容層には空隙がなお残存していた。
いの元となる、不飽和分を除いた、透明、無臭の脂肪酸
エステル(下記構造式で示されるトリイソステアリン酸
トリメチロールプロパン、粘度:200Cs)を用い、
これを上記の記録物の画像のある面全面にインク受容層
内の空隙を充填するのに必要な量以上の過剰量で塗布
し、塗布後適当な時間放置した後、インク受容層表面に
ある余剰分をすばやくふき取った。
なお、浸透量は記録物の重量増加の経時的測定値で表し
た。
液体は、5秒以内でインク受容層に浸透し、その後はベ
ースペーパー部(この場合は反射層を含む)へゆっくり
と浸透するものと考えられる。更に、この浸透速度を後
述する画像の黒部でのODの変化でみると、1〜2秒で
インク受容層への浸透が終わり、その後ゆっくりとベー
スペーパー部へ浸透してゆくことが想定できる。従っ
て、本実施例で用いた保護用液体の浸透に必要な時間
は、少なくとも1〜2秒程度以上の時間であれば充分で
あるといえる。
への浸透度を変化させた試料を各種作成した。浸透状態
の概略は図1に示したとおりであり、液体の塗布量と画
像濃度、塗布後の記録物における「しみ」の発生の程
度、耐光性に関する加速劣化試験を行った。得られた結
果を表2に示す。なお、各試験は以下の条件で行われ
た。 (1)画像濃度 画像濃度は、マクベス社製反射型光度計RD−918を
用いて測定した画像の黒部分OD(Optical Density)
として表した。 (2)加速劣化試験 スガ試験機(株)、オゾン ウエザオ メータを用い
て、オゾン3ppmの雰囲気で2時間暴露処理した後の
ODを測定し、暴露前後でのODの変化率(ΔE=
{[暴露後OD−暴露前のOD]/[暴露前OD]}×10
0)を求めて耐光性を評価した。
いて塗布量が少ないとODが低下するのは、インク受容
層内の乱反射によると考えられる。また、塗布浸透量の
少ない時は加速劣化試験でも良好な結果は得られない。
更に、塗布量が多すぎる場合には光学濃度の増加及び優
れた耐久性が得られるが、画像の白系の着色部あるいは
白色として表現されるインクの非付着部にしみが目立つ
場合があり、このようなしみが問題となる用途には適さ
ない場合がある。なお、黒系の着色部についてはこのよ
うなしみは問題なかった。
ΔEは0.1程度であったので、本実施例で得られた
2.1mg/cm2以上の塗布量で達成されたΔEから、
本発明にかかる保護処理によって保護された画像は、大
気暴露で銀塩写真より約2倍の耐久性を持つと推定され
る。これは、銀塩写真が5〜数十年の大気暴露で変色が
始まる場合に対して、本発明で保護処理した画像ではそ
の倍程度の期間にわたって初期の画像品位を楽しむこと
が可能となることを示している。
ラスやフィルムといった保護部材の存在なしに、直接画
質を長期にわたって楽しむことが可能となった。 (実施例2)保護用液体に、下記構造式で示されるカプ
リン酸トリグリセリド(分子量491;粘度20Cs)
を用いた以外は、実施例1と同様にして記録物の保護処
理を行い、各項目について評価した。得られた結果を下
記表3に示す。
ング社製、アルキル変性シリコーン(SH−179、粘
度250Cs)を用いた以外は実施例1と同様に記録物の
保護処理を行い、各項目について評価した。得られた結
果を表4に示す。
し、よりきれいなものとなった。また、加速劣化試験で
も良好な結果が得られ、画像の初期品質を保持する耐久
性に優れたものとなった。
ング社製、シリコーン(ジメチルシリコーンオイル;S
H−200、粘度200Cs)を用いた以外は実施例1と
同様に記録物の保護処理を行い、各項目について評価し
た。得られた結果を表5に示す。
への耐久性の付与が達成された。
を、図2に示した塗布用具を用いて記録物の画像面への
塗布を行った。この塗布用具24は、取っ手24aと円
柱形の支持部材24bと、その下面に取り付けられたフ
ェルト24cを有する構成からなり、フェルト24cが
塗布用の面を形成しているものである。まず、ボトル容
器21から受けの容器22に保護用の液体を入れ、塗布
用具24の塗布面に液体を付着させ、これを記録物の形
状に対応したホルダー(支持台)23内の凹部に収納し
た記録物の画像面上を移動させて、液体をやや過剰に塗
布し、その後、過剰分についてはふき取った。ここで、
塗布用具の取手24aは、作業性を左右するので形状、
幅、厚みに決定される、『にぎり感』、『フィット感』
を重視して、形状を決めた。
び(c)に示す取っ手24aの軸方向に対して直交する
方向における幅のせまいフェルト24c−2と、幅の広
いフェルト24c−1を準備し(図3(a)参照)、は
がきやL版のような、小さいメデイアには、幅の狭いフ
ェルト24c−1を、A4のような、大きな、メデイア
には、幅の広いフェルト24c−2を用いて塗布をし
た。この液体の塗布により、画像の光学密度(OD)が
上昇し、保存性に優れた記録物を得ることができた。こ
の記録物では、直接画像を楽しむことができるようにな
った。
は、フェルトに限定されず、ポリウレタンなどからなる
スポンジ、布、紙材料、セラミックス、ガラスなどから
なる多孔質体や繊維体などが利用できる。更に、液体の
付着による保持が可能であれば、金属、各種樹脂フィル
ム、ガラスなどの平滑面を形成する部材を塗布用の面の
構成部材として用いることができる。記録物の画像面は
常に均一な平面を形成しているとは限らず、多少のうね
りや凹凸が生じている場合がある。このような画像面へ
の塗布処理を行うには、塗布用の面が画像面の凹凸に対
応して変形できる素材からなることが好ましい。
ない塗布を手回しの塗布装置で達成した例を示すもので
ある。図4(a)に塗布装置40の概略を、図5に塗布装
置の部品と組み立ての様子を概略で示した。また、図6
に機構を示す断面図を示した。また図4(b)〜(d)
は、この装置の使用方法の概略を示している。この装置
における塗布部材63は、軸部材の外周に塗布用の面を
構成する実施例5において挙げた材料などからなる層を
形成したローラーとしての構成を有するものであり、軸
部材を中心に回転可能に容器40に取り付けられてい
る。紙送り手段を形成するローラー62の容器外部に伸
びた取っ手(つまみ)62aを回転させることで、歯車
により回転動作が伝達され塗布部材63が所定方向へ回
転し、液体64が塗布部材63の塗布用の面に付着する
とともに、そこに供給された記録物67の画像面に液体
の塗布が行われる。すなわち、できるだけ、単純な形を
目指すことと、液体の漏れがないように工夫すること
で、手回しのローラー62に連動した塗布部材63よる
塗布と、ブレード押さえ66によって固定されているブ
レード65による余剰分の除去を行う構成とした。
ル(トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン)を
用いた。ゆっくり、まわして送ることを指示することに
より、高粘度の液体が受容層に浸透するのに必要な、1
〜2秒以上を経た後、ブレード65で余剰分がとられ、
塗布が達成された。
(OD)が上昇し、保存性に優れた、直接、画像を楽し
むことができることができるようになった。
を一体化した構成を有する例を示すものである。その一
例を図7(a)に示す。このセットは、図7(c)に示
すホルダー73と、図7(b)に示す、塗布用具74と
を有する。塗布用具74は、取っ手と液体の容器を兼ね
る部分74aと、フェルトまたはポリウレタン製のスポ
ンジなどの多孔質体74cからなる塗布用の面を有する
支持部材74bからなる部分とが一体化した構成を有
し、容器部分74a内の液体は、多孔質体74cの内壁
面からその中を浸透して外壁面、すなわち塗布用の面に
滲み出すようにその内部が構成されている。
必要な時間をかせぐ必要があるが、個人によってばらつ
きがある。『ゆっくり送るように』と指示しても、ある
程度、個人のばらつきを吸収する方法が求められ、これ
を送り方向の幅で解決した。実施例1及び3で用いた液
体のインク受容層中への浸透には1〜2秒必要とするこ
とは、すでに、わかっている。手塗りで行う場合、作業
する人により、送りスピードが違うので『非常にゆっく
り塗布してください』という指示でどの程度の送りスピ
ードになるか、調べたところ、ばらつきはあるが、5〜
20mm/秒くらいで塗布する人が多いことがわかっ
た。そこで幅が40mm以上の送り方向の幅(奥行き
幅)をもてば大部分の人が塗布したときには、メデイア
の任意の1箇所に注目すれば、2秒以上のゆっくり送る
ことになる。そこで50mmの送り方向の幅を持つフェ
ルトを有する塗布容器を作り、塗布を行った。図7
(d)に示す様にして塗布を行ったところ。大部分のひ
とが、ゆっくり塗布し、所定の塗布を達成することに至
った。
ら、欠陥を無くすため、1回目の塗布方向と異なる方向
への2回目の塗布を行ったところ、塗られていない欠陥
部はなくなり、厚みの場所によるバラツキも、改善され
た。これより、本発明の本質を考えると、粘度が高く、
浸透に時間かかる液体を、確実に、浸透、塗布し、そし
て残すため、前記浸透液体の受容層への浸透時間をT秒
とし、塗布用具の送り方向への奥行き幅をWo(m
m)、塗布用具の送りスピードをV(mm/秒)とした
とき、 Wo>V×T を満たす送りの方向に十分長い幅を持つ塗布用具が、イ
ンクジェット記録物の保護用液体の塗布に特に好適であ
る。
の時は、nを考慮し、 Wo>V×T/n とすればよい。ここでは、浸透時間Tは、おそらく1秒
以下であるが、余裕をみて2秒に設定すれば、送りスピ
ードは20mm/秒、塗布用具の送り幅が50mmとな
り、 Wo > V×T 代入すると、 50 > 20×2 となる。塗り回数が2回であることも考慮にいれると Wo > V×T/n 50 > 20×2/2 となっていて、余裕を持って、要件を満たすことがわか
る。
体をふきとり、狙いの保護がされている、光学密度が向
上した、美しい画像が得られたことを確認した。耐久加
速試験を行ったところ、保護性能も十分発揮することも
確認された。
なる塗布用の面の送り方向の幅の上限は、塗布用具に要
求される形状やサイズなどの要件に応じて設定する。
様子を概略で示した。81はフェルト、82はフェルト
を支え、液体を供給する、中間部材、83は容器のふ
た、84は、液体の容器であり、塗布容器の持つとこ
ろ、『にぎり部分』もかねる。85は完成した様子であ
る。
フェルトである。92は容器外装、93は気孔をもつ、
液体を保持しながら、供給する部材で、スポンジか繊維
体で作られる。94は液体容器のボトル、97は、もれ
をなくすためのシールの役目を果たすゴムリングであ
る。
説明する。塗布部を消耗材として、交換可能にする工夫
をとりいれた。均一に薄く、粘度の高い液体を塗布する
ため、塗布部は、セル(気泡)の細かい、やわらかいス
ポンジが好ましい、ところが、このような材料は、せん
断のかかる、塗布を繰り返し行ううち、磨耗したり、や
ぶけたりする場合がある。そこで、この部分だけを交換
可能とする構成を本実施例ではとった。
に示す塗布用具105は、液体を貯留する容器部104
と、支持部材101と、支持部材の先端部に塗布用の面
を形成するための部材を保持する構成を有する。塗布用
の面を構成する部材102は、枠体106によってその
周囲が固定されることで、支持部材101の先端部に保
持される。支持部材101内は、容器部104内の液体
の貯溜部と連通する流路を有し、液体が部材102の容
器内部側の面(内壁面)からその内部を通過してその外
壁面に滲み出す構成をとっている。枠体106は支持部
材101に対して着脱自在な構成を有し、部材102の
交換が容易となる。また、容器部104と支持部材10
1とは、ネジ構造によって着脱可能に連結されており、
これらの部材の間にはシール部材103を介在させて、
連結部における保護用液体の漏れを防いでいる。なお、
図11は、図10に示した塗布用具の概略断面図であ
る。
をもちいた。塗布部が交換可能な塗布用具、容器、一体
型の容器で、実施例5、6、7同様塗り足りないところ
なく、十分な塗布が達成された。この後、余剰分をふき
取り、保護性能を調べたところ、結果は、実施例1と同
様の結果が得られた。
29の部品、組み立ての概略を図12に、組立て後の構
成を図13に断面図で示す。実施例5、6、7、8と同
じように、塗布を行ったがこの場合、実施例5、6、
7、8と異なるのは塗布量を制御し、余剰分をふき取る
ことをなくす点にある。図12及び図13において、図
10及び図11に示した塗布用具と異なるのは、125
で示される容器である。図13の137、138に示す
逆止弁により、押し込みに応じた、一定の液体補給が繊
維体または、スポンジ体を経由し塗布面に供給される。
れる容器が、図12、13に示したものと異なる。14
6は、ねじによる送り機構(147〜149)で回転角
度に応じた一定量が供給されて、塗布が行われた。これ
ら場合、メデイアサイズが異なっても、メデイアに適し
た塗布量を制御すれば良い。用いた疑ベーマイトの受容
層を持つメデイアの場合、0.20〜0.26mg/c
m2が好ましい量であるから、面積に応じその量前後に
なるようにすれば良い。塗布した結果、光学密度の増
加、保存性の大幅な向上が得られた。
ための工夫を行った。ねじやまにより、回転して締まる
蓋を形成しつつも、塗布は必要量、必要面積で行うよう
に、四角のフェルト151で行うものである。図15に
その一例を示した。図中152の四角いフェルト受けを
有する容器と、該容器の外周にねじ構造により固定され
る円柱形状の蓋157が新しいアイデアである。
実施例についてその概略を示した。本実施例に用いる塗
布装置は、ホルダー161(図16(c))と塗布用具セ
ット162(図16(b))とからなる。塗布用具セット
162内には、スポンジが把持具に固定された塗布用具
163と、液体を収納している容器164を含む。そし
て、塗布方法としては、例えば塗布用具セットの容器1
62に、容器164内の液体を注ぎ、そこで塗布用具1
63のスポンジに該液体を十分に含ませた後(図16
(d)参照)、ホルダー161にセットしたインクジェ
ット記録物165表面に、塗布用具163を用いて液体
を塗布する(図16(e)参照)。本実施例は、幅の広
い、塗布用具で欠陥なく塗布をし、材料の供給は受け皿
に入れる方法である。この場合、過剰に塗って、余剰分
をふき取る方法と、適切な量塗ってふき取りのない方法
が、両方できる。
具である。171は、剛体で出来た取っ手と外装であ
る。172はスポンジである。このスポンジは、メデイ
アのうねりや、メデイアを置く場所がたとえ、平坦でな
くても、うねりを吸収し塗布する機能と、液体を保持す
る機能がある。図18にその断面図を示した。181は
外装、182はスポンジ、183は組み立て後である。
図19にその変形例を示す。191は、外装であり、1
92で示すスポンジは、うねりの吸収で同じであるが1
93は液体の供給を制御する、浸透がうすい層であり、
具体的には、接着層や気泡をつぶした層等で構成され
る。194は、液体の保持量を材質と厚みで決定する、
液体供給層であり、スポンジ、フェルト、繊維体の薄い
層で出来ている。195は組み立て後をしめす。
用いた。201は外装、202はスポンジ、203は接
着層、204は布、205はそれらを組み立てた後を示
すこの場合、液体の供給量が制御しやすくなり、メデイ
ア面積とのあわせこみは、毛の長さ、材料、密度、面性
で、調整できるので、自由度が非常に大きく、作りやす
い。例えば、3mmの毛足を有するナイロンの布により
50mm×50mmの塗布用の面を形成して、塗布を行
ったところ、0.2〜0.3mg/cm2の塗布量での
塗布を操作性良く達成できた。布の有する毛足の長さ、
密度、これにより形成される塗布用の面の面積により塗
布量を調整することができ、これらの要件を保護用液体
の物性、記録物に用いたメディアの構成に応じて適宜選
定することで、所望とする塗布量を簡便な操作によって
達成することが可能となる。
換可能にする変形例を示した。布を交換可能にすること
で、長期にわたって使用することができる。211は外
装、212はスポンジ、213はそれらを組み立てたあ
とである。221は外装の断面、222はスポンジの断
面、223は布の断面、224は接着層の断面、225
は組み立て後の断面をしめす。これらすべての場合も、
初期の光学密度の増加と、保存性の大幅な改善が見られ
た。
た塗布用具セットの変形例であり、図23に示すよう
に、こぼれ防止、液体の有効活用のため、吸収体231
を容器162内に持ち、塗布を実現する系である。これ
により消耗量が不規則でも常に一定の液体供給の塗布と
その保管が可能になった。
を可能にしたものである。はがきなどの、両面印刷物
は、両面とも印字が行われ、両面の保護が必要となる。
この場合の、効率的な、塗布方法としてデイッピングが
ある。低コストで、手を汚さず、デイッピング方法とし
て、保護用液体の収納部を形成する袋を支持部材に取り
付け、支持部材に設けられた導入口から記録物を袋内に
導入して保護用液体中にデイッピングし、記録物表面の
余剰分は支持部材の取り出し口に設けられたブレードで
ふきとり、塗布用具外へ取り出す。
イッピング器を組み立てる様子(図24(a))、液を
補充し(図24(b))、メデイアを入れ(図24
(c))、ふきとって戻す(図24(d))様子を略図
で示した。図25(a)にその出入りの部分を断面で示
した。251が外装で袋が付けられる。252は導入
口、253は取り出し口のガイドつきブレードで液体を
かきとる仕組みをしめす。なお、導入口及び取り出し口
には、収納部内に充填した保護用の液体が、閉鎖時には
外へ漏れない構成を有し、その状態で記録物を挿入する
ことで開口できる構造が好ましい(図25(b)、
(c)参照)。そのような構造の一例として図示した弁
構造を好ましいものとして挙げることができるが、これ
らの導入口と取り出し口の構成は図示した構造に限定さ
れない。
た塗布である。図26(a)に示した、ローラー261を
用いて、塗布を行った。この場合(b)に示す網状の押
さえ262により、固定しながら、全面塗布することが実
現できた。その結果、初期の光学密度の増加、保存性の
大幅な改善が達成された。
様に均一かつ欠陥のない塗布を手回しの塗布装置271で
達成した例を示すものである。図27に塗布操作の概略
を、図28に塗布装置の断面図を示す。この例は、記録
物の搬送手段を構成する補助ローラ281が塗布ローラ
282の上部に設置されている構成を有するものであ
る。284は余剰分をかきとるブレード、286は、ガ
イドプレートである。そして容器272から液体を塗布
装置271に注ぎ、インクジェット記録物287を、図
28(c)、(d)に示したように、ローラ281及び
282の間に通すことにより、液体が塗布される。
に、塗布ローラーと、ふき取りローラーがあり、十分な
塗布が確実に行われ、かつふき取るローラーも補助ロー
ラーにより、更に確実にふき取れる機構を有している塗
布装置291を示す。図29は塗布の様子を概略図で、
図30にその機構を断面を示した。駆動の伝達系はこの
場合重要でないので、省略するが380で示す液体が、
381、382のローラーで転写され、記録物389に塗
布される。383のスポンジローラーで余剰な液体が除
去されその液体は384のローラーで除去される。さら
に385のブレードがあれば、万全である。386、38
7、388は、補助ローラーであり、記録物の移動手段
を構成する。本実施例でも、初期特性、保存性に十分な
効果が得られた。
なしで、直接の画像が、銀塩写真以上の、大気曝露保存
性能を達成するための均一な塗布を安価に実施すること
が可能となり、あたらしい、文化を築く、技術を提供で
きるようになった。
体の記録媒体上での分布を示す略図である。(a)、
(b)、(c)、(d)それぞれ、塗布量が、不足、適
量、少し過剰、大過剰、の状態を示す。
トを示す略図である。
イアに対応するための、複数の塗布ヘッドについて示す
略図である。(a)は組み立て前、(b)はL版、はが
き等の幅のせまいものへの応用、(c)はA4等幅の広
いものへの応用を示す。
示す図である。
した図である。
である。
す図である。
図である。
遮断層、供給層をもうけた例である。
示す図である。
である。
る。
成を示す図である。
た図である。
る。
図である。(a)はローラーの様子を、(b)は、網状
の押さえで全面を押さえながら塗れるようになった様子
を示す。
プロセスを行う実施例を示した図である。
図である。
プロセスを行う実施例を示した図である。
る。
Claims (33)
- 【請求項1】 支持体表面に、インク受容層としての多
孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材か
ら画像が形成されている記録物に、該色材を溶解しな
い、不揮発性の保護処理用の液体を塗布して該画像を保
護するための塗布用具であって、 前記画像を有する多孔質層に前記液体を塗布するための
塗布用の面を、支持部材で支持した構成を有し、該塗布
用の面が前記液体を保持し得るものであるすることを特
徴とする塗布用具。 - 【請求項2】 前記塗布用の面が平面をなし、前記液体
の前記インク受容層への浸透時間をT秒とし、該塗布用
具の前記記録面上での送り方向での奥行き幅をWo(m
m)、該塗布用具の送りスピードをV(mm/秒)とし
たときに、Wo>V×Tの関係を満たす奥行き幅を有す
る請求項1に記載の塗布用具。 - 【請求項3】 前記塗布用の面が、前記記録面に応じて
変形可能な部材からなる請求項1または2に記載の塗布
用具。 - 【請求項4】 軸部材の外周に前記塗布用の面を設けた
ローラーを、該軸部材を中心として回転可能に前記支持
部材で支持した構成を有する請求項1または2に記載の
塗布用具。 - 【請求項5】 前記塗布用の面が前記液体を保持し得る
多孔質体または繊維体からなる液体保持層を有する請求
項1〜4のいずれかに記載の塗布用具。 - 【請求項6】 前記液体保持層が、浸透性が異なる2以
上の層を有する多層構造からなる請求項5に記載の塗布
用具。 - 【請求項7】 前記多孔質層上に過剰量の液体が残留し
た際に、該過剰量の液体を除去するための除去部材を更
に有する請求項1〜6のいずれかに記載の塗布用具。 - 【請求項8】 支持体表面に、インク受容層としての多
孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材か
ら画像が形成されている記録物を保護処理するためのキ
ットであって、該色材を溶解しない、不揮発性の液体を
保持し得る容器と、請求項1〜7のいずれかに記載され
た塗布用具と、該記録物を支持する支持台と、を有する
ことを特徴とする画像の保護処理用のキット。 - 【請求項9】 前記液体が塗布された画像面から余分な
液体を除去するための除去部材を更に有する請求項8に
記載のキット。 - 【請求項10】 支持体表面に、インク受容層としての
多孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材
から画像が形成されている記録物を保護処理するための
装置であって、 前記色材を溶解しない、不揮発性の液体を貯溜し得る貯
溜部と、軸部材の外周に設けられた前記液体を前記画像
に塗布するための塗布用の面を有し、該軸部材を中心と
して回転可能に支持された塗布部材と、該塗布用の面に
対して前記記録物をその画像面を接触させつつ相対的に
移動させる移動手段と、前記貯溜部に貯留した液体を前
記塗布部材の塗布用の面に供給する手段とを有すること
を特徴とする塗布装置。 - 【請求項11】 前記記録物の前記移動手段による移動
経路内に、該記録物の画像上に塗布された過剰の液体を
除去するための除去手段を更に有する請求項10に記載
の塗布装置。 - 【請求項12】 前記塗布用の面が前記液体を保持し得
る多孔質体または繊維体からなる液体保持層を有する請
求項10または11に記載の塗布装置。 - 【請求項13】 前記液体保持層が、浸透性が異なる2
以上の層を有する多層構造からなる請求項12に記載の
塗布装置。 - 【請求項14】 支持体表面に、インク受容層として多
孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材か
ら画像が形成されている記録物を保護処理するための塗
布用具であって、 前記色材を溶解しない、不揮発性の液体を貯溜し得る貯
溜部と、該貯溜部と連通し、該貯溜部から供給された液
体が滲出し得る塗布用の面と、を有することを特徴とす
る塗布用具。 - 【請求項15】 前記塗布用の面が前記液体が通過し得
る多孔質体または繊維体からなる液体通過層を有する請
求項14に記載の塗布用具。 - 【請求項16】 前記液体通過層が、浸透性が異なる2
以上の層を有する多層構造からなる請求項15に記載の
塗布用具。 - 【請求項17】 支持体表面に、インク受容層としての
多孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材
から画像が形成されている記録物の該画像を保護処理す
るためのキットであって、 請求項14〜16のいずれかに記載された塗布用具と、
該記録物を支持する支持台と、を有することを特徴とす
る画像の保護処理用のキット。 - 【請求項18】 前記液体が塗布された画像面から余分
な液体を除去するための部材を更に有する請求項17に
記載のキット。 - 【請求項19】 支持体表面に、インク受容層としての
多孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色材
から画像が形成されている記録物の該画像を保護処理す
るための塗布装置であって、 前記液体を密封状態で収納し得る収納部と、該収納部内
に前記記録物を導入するための導入口と、前記収納部内
から記録物を排出するための取り出し口と、を有し、前
記導入口及び取り出し口が前記記録物の通過時に開口し
得る構成を有し、かつ該取り出し口に前記記録物の通過
時にその表面に付着する余分な液体を除去するための除
去手段が設けられていることを特徴とする塗布装置。 - 【請求項20】 前記導入口及び取り出し口が支持部材
に設けられており、前記収納部が該支持部材に着脱自在
に取り付け可能である請求項19に記載の塗布装置。 - 【請求項21】 前記収納部が、袋からなり、該袋の開
口が前記支持部材に接続可能である請求項20に記載の
塗布装置。 - 【請求項22】 支持体の表面に、インク受容層として
の多孔質層を備え、少なくとも該多孔質層に吸着した色
材により画像が形成されている記録物を保護するための
保護方法であって、 前記画像が形成された多孔質層に、該多孔質層内の空隙
の充填に必要な量以上の量で前記色材を溶解しない不揮
発性の保護用の液体を付与して、該保護用の液体で該多
孔質層の空隙を充填する工程を有することを特徴とする
記録物の保護方法。 - 【請求項23】 前記多孔質層が前記色材を吸着する微
粒子を含む請求項22に記載の保護方法。 - 【請求項24】 前記微粒子が10μm以下の粒径の微
粒子である請求項23に記載の保護方法。 - 【請求項25】 前記保護用の液体が、脂肪酸エステ
ル、シリコーンオイル、変性シリコーン及びフッ素系オ
イルから選択された少なくとも1種である請求項22に
記載の保護方法。 - 【請求項26】 前記色材が染料である請求項22に記
載の保護方法。 - 【請求項27】 前記保護用の液体が高粘度を有する請
求項22に記載の保護方法。 - 【請求項28】 前記保護用の液体の粘度が、10〜6
00Cs(ストークス)の範囲にある請求項27に記載の
保護方法。 - 【請求項29】 前記多孔質層への保護用液体の付与
を、平面状の塗布用の面を有する塗布手段を用いて行う
請求項22〜28のいずれかに記載の保護方法。 - 【請求項30】 前記平面状の塗布用の面の前記多孔質
層上での送り方向における奥行き幅Woが、前記保護用
の液体の前記多孔質内への浸透時間をT、塗布手段の送
り速度をV(mm/秒)とした時に、Wo>V×Tの関
係を満たす請求項29に記載の保護方法。 - 【請求項31】 前記保護用の液体が、温度条件により
浸透性及び展延性の少なくとも1つの性質が変化するも
のであり、塗布操作時の温度と塗布後の温度を変化させ
ることで、これらの性質を制御して塗布量及び塗布状態
の制御を行う請求項22〜30のいずれかに記載の保護
方法。 - 【請求項32】 前記保護用液体の前記多孔質層へ保護
用液体を過剰に付与した後に、該多孔質表面に残留する
保護用の液体を除去する工程を有する請求項22〜31
のいずれかに記載の保護方法。 - 【請求項33】該液体の付与量が、該インク受容層の空
隙を充填し、且つ該支持体の表面に漸く到達するに足り
る程度の量である請求項22〜32の何れかに記載の保
護方法。
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JP2002233923A JP2003118223A (ja) | 2001-08-09 | 2002-08-09 | 記録物保護用液体の塗布機器、塗布方法及び記録物保護方法 |
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JP2001242722 | 2001-08-09 | ||
JP2002233923A JP2003118223A (ja) | 2001-08-09 | 2002-08-09 | 記録物保護用液体の塗布機器、塗布方法及び記録物保護方法 |
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