JP2003117996A - 二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法 - Google Patents

二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法

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JP2003117996A
JP2003117996A JP2001315722A JP2001315722A JP2003117996A JP 2003117996 A JP2003117996 A JP 2003117996A JP 2001315722 A JP2001315722 A JP 2001315722A JP 2001315722 A JP2001315722 A JP 2001315722A JP 2003117996 A JP2003117996 A JP 2003117996A
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thermoplastic resin
diameter
resin tube
pipe
biaxially stretched
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JP2001315722A
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Inventor
Shingo Nakamura
伸吾 中村
Toshio Hayashida
敏男 林田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】二軸延伸成形をスムーズに開始することがで
き、しかも軸方向及び周方向の強度に優れた製品を連続
的に得ることができる二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方
法を提供する。 【解決手段】押出金型12から押し出された熱可塑性樹
脂管21を、所定の延伸温度に調整し、前記押出金型1
2に連結された拡径金型17上を通過させることにより
拡径し、拡径された熱可塑性樹脂管を引取機19により
引き取りつつ、周方向及び軸方向の二軸延伸成形を行う
二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法であって、前記拡径
金型17として、前記熱可塑性樹脂管の進行方向に向か
って次第に拡径する無頭円錐状部171を有し、該無頭
円錐状部171の表面に周方向に沿って前記熱可塑性樹
脂管の肉厚の2/3以下の幅を有する凹溝が設けられ、
該無頭円錐状部の表面の該凹溝と該凹溝以外の部分との
面積比が1/4以上となされたものを用いて、前記熱可
塑性樹脂管の二軸延伸成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸延伸熱可塑性
樹脂管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性樹脂管を延伸すると強
度が増大する。しかし、熱可塑性樹脂管を軸方向(長手
方向)のみを延伸しただけでは、軸方向の強度は増大す
るものの、周方向の強度、即ち、内外圧に対する強度が
不足する製品しか得ることができない。そこで、熱可塑
性樹脂管の軸方向のみならず周方向の強度を増大させる
方法として、例えば、次のような方法が提案されてい
る。
【0003】(1)中空の延伸可能な熱可塑性樹脂から
なる加工物品を、その一端に機械加工されたノーズをジ
ョーにて把持して牽引することにより、その内部に液体
潤滑剤なしに、環状スリットを有する膨張成形機を通過
させ、加工物品の軸方向に対し垂直な方向にいかなる外
部からの力も作用しない状態で管状部材に成形する二軸
延伸された管状部材の製造方法(特開平2−25832
3号公報)。
【0004】(2)延伸可能な熱可塑性ポリマー製中空
加工物(熱可塑性樹脂管)の一端を機械加工してノーズ
を形成させ、次いで該加工物をマンドレルとロッドで包
囲した状態でオーブン内に挿入して機械加工した端部を
ダイ出口から突出させ、該端部を引取ジョーで把持して
負荷を加えて、加工物の内部にその初期内部断面積より
も大きな横断面積を有するマンドレルを通して延伸変形
させる方法(特公平4−55379号公報)。
【0005】(3)押出金型から引取機により引き出し
長手方向に延伸しながら延伸用原形パイプを形成し、こ
の原形パイプを再加熱し、押出金型に連結する大径のダ
イスをその原形パイプ内に挿入保持せしめこれを引取機
により引出して円周方向に延伸成型する方法(特開昭6
0−59163号公報)。
【0006】しかしながら、これらの従来の方法には、
以下の問題がある。(1)及び(2)の方法の場合に
は、把持する端部を拡径加工する必要があるので、生産
性が悪く、連続生産には適さない。又、(1)の方法の
場合には、膨張成形機は環状スリットを有しているが、
その環状スリットの表面積は、環状スリット以外の部分
の表面積に比べて著しく小さく、(2)の方法場合に
は、マンドレルは先細の前縁と後縁を有するものである
ので、いずれも、連続成形を実施するときには、周方向
の延伸倍率が2倍以上の場合、延伸開始時に膨張成形機
又はマンドレルを乗り越えることができず、原形パイプ
に亀裂が発生してしまうので、延伸成形を開始すること
ができないという問題がある。
【0007】又、(3)の方法の場合には、運転開始時
に、原形パイプを切り開いた状態にしておいて大径のダ
イスを乗り越えさせなければならない。例えば、硬質塩
化ビニル樹脂のように延伸温度で延伸したときにネッキ
ングを起こさない樹脂の場合、周方向の延伸倍率を2倍
以上とすると、切り開いた状態にしておかないと、原形
パイプに亀裂が発生し、延伸成形を開始することができ
ない。そして、切り開いた状態にした原形パイプを用い
て運転を開始したとき、原形パイプは大径のダイスの下
側を通過する原形パイプには、大径のダイスから下側に
押し付けられる力と、拡径方向である円周方向と、原形
パイプと大径のダイスとの摩擦抵抗が切り開き線の終端
に集中して、亀裂が連続的に伝搬するので、延伸成形を
開始することができないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解消し、二軸延伸成形をスムーズに開始
することができ、しかも軸方向及び周方向の強度に優れ
た製品を連続的に得ることができる二軸延伸熱可塑性樹
脂管の製造方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(本発明1)は、押出金型から押し出された熱可塑
性樹脂管を、所定の延伸温度に調整し、前記押出金型に
連結された拡径金型上を通過させることにより拡径し、
拡径された熱可塑性樹脂管を引取機により引き取りつ
つ、周方向及び軸方向の二軸延伸成形を行う二軸延伸熱
可塑性樹脂管の製造方法であって、前記拡径金型とし
て、前記熱可塑性樹脂管の進行方向に向かって次第に拡
径する無頭円錐状部を有し、該無頭円錐状部の表面に周
方向に沿って前記熱可塑性樹脂管の肉厚の2/3以下の
幅を有する凹溝が設けられ、該無頭円錐状部の表面の該
凹溝と該凹溝以外の部分との面積比が1/4以上となさ
れたものを用いて、前記熱可塑性樹脂管の二軸延伸成形
を行う二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法である。
【0010】本願の請求項2に記載の発明(本発明2)
は、押出金型から押し出された熱可塑性樹脂管を、所定
の延伸温度に調整し、前記押出金型に連結された拡径金
型上を通過させることにより拡径し、拡径された熱可塑
性樹脂管を引取機により引き取りつつ、周方向及び軸方
向の二軸延伸成形を行う二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造
方法であって、前記拡径金型として、前記熱可塑性樹脂
管の進行方向に向かって次第に拡径する無頭円錐状部を
有し、該無頭円錐状部の表面に前記熱可塑性樹脂管の進
行方向に動く部分を有するものを用いて、所定の延伸温
度に調整された前記熱可塑性樹脂管を該拡径金型上を通
過させるようにしてその二軸延伸を行う二軸延伸熱可塑
性樹脂管の製造方法である。
【0011】本発明に使用される熱可塑性樹脂として
は、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリオキサメチレン、
ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リアセタール等が用いられる。
【0012】本発明における二軸延伸熱可塑性樹脂管の
延伸倍率は、軸方向には、1.05〜3倍が好ましく、
周方向には、1.3〜4倍が好ましく、より好ましく
は、軸方向が1.1倍〜2倍、周方向が1.5〜3倍で
ある。
【0013】延伸倍率が大きすぎると、二軸延伸熱可塑
性樹脂管の、延伸前の熱可塑性樹脂管の肉厚に対する肉
厚が小さくなる。前記二軸延伸熱可塑性樹脂管を例えば
埋設管に使用する場合、土圧に耐えるための肉厚が必要
である。それを満足するには、延伸前の熱可塑性樹脂管
の肉厚を大きくする必要があるため、温度制御、ひいて
は、均一な延伸成形が困難になる。従って、延伸倍率が
大きくなりすぎるのを抑制する必要がある。一方、前記
延伸倍率が小さすぎると、延伸による高強度化が図れな
い。さらに、本発明によれば、軸方向の延伸倍率は、概
ね1.05倍以上となる。
【0014】本発明によれば、周方向の延伸倍率は押出
金型に連結する拡径金型の最大外径によって制御され、
軸方向の延伸倍率は、拡径金型への導入速度と引取速度
との比率によって制御される。
【0015】本発明において、押出金型から押し出され
た熱可塑性樹脂管を、所定の延伸温度に調整するには、
通常、押出金型から押し出された熱可塑性樹脂管を冷却
水槽にて冷却後、延伸工程までに空冷し、更に必要に応
じて再加熱して、管壁を所定の延伸温度になるように調
整する。この際、延伸温度(樹脂温度)は、前記熱可塑
性樹脂が明確なガラス転移温度を有する場合には、ガラ
ス転移温度〜ガラス転移温度+40℃、熱可塑性樹脂が
結晶性樹脂で、明確なガラス転移温度を持たない場合に
は、適宜予備実験により求められた温度で延伸してもよ
い。
【0016】前記管壁を所定の延伸温度になるように調
整するには、押出量、管の寸法で異なるが、冷却水槽の
水温、水槽の長さ、冷却を行うゾーンの長さを適宜調節
することが可能である。又、必要に応じて管外壁の外側
を、延伸工程に入る前に、ヒーター、温風、温水等によ
って再加熱してもよい。
【0017】本発明に使用される拡径金型の表面は、硬
質クロムメッキ等の表面処理を行い、できるだけ平坦に
したものを用いるのが好ましい。表面が粗いと、管内面
との摩擦抵抗が大きくなり、延伸開始時に、可塑性樹脂
管を拡径金型上を通過させる際に、熱可塑性樹脂管を長
手方向に入れた切れ目の終端に一時に応力が集中し易
く、周方向の延伸成形の開始段階をスムーズに立ち上げ
る障害となり易い。
【0018】本発明に使用される拡径金型の無頭円錐状
部の半頂角(軸線に対する表面の傾斜角度)は、15〜
45°が好ましく、より好ましくは、25〜35°であ
る。半頂角が小さすぎると、拡径金型と熱可塑性樹脂内
面との接触面積が大きくなるので、摩擦抵抗が大きくな
りすぎ、又、半頂角が大きくなりすぎても熱可塑性樹脂
内面の拡径金型への押圧力が大きくなるので、摩擦抵抗
が大きくなりすぎ、いずれも可塑性樹脂管を拡径金型上
を通過させる際に、熱可塑性樹脂管を長手方向に入れた
切れ目の終端に一時に応力が集中し易く、周方向の延伸
成形段階をスムーズに立ち上げる障害となり易い。
【0019】本発明1において使用される拡径金型の凹
溝の幅は、熱可塑性樹脂管の肉厚の2/3以下である必
要がある。凹溝の幅が大きすぎると、拡径金型上を通過
する熱可塑性樹脂管が凹溝内に入り込み易く、延伸形成
が難しくなる。又、拡径金型は、無頭円錐状部の表面の
凹溝と凹溝以外の部分との面積比が1/4以上である必
要がある。1/4未満であると、拡径金型に対する、そ
の上を通過する熱可塑性樹脂管との接触面積が大きくな
り、摩擦抵抗が大きくなるので、周方向の延伸倍率を大
きくすると、熱可塑性樹脂管を長手方向に入れた切れ目
の終端に一時に応力が集中し易く、周方向の延伸成形段
階をスムーズに立ち上げる障害となり易い。
【0020】本発明2において、拡径金型の無頭円錐状
部の表面に設けられる、熱可塑性樹脂管の進行方向に動
く部分としては、例えば、ローラー、ベアリング、回転
式ベルト等が挙げられる。熱可塑性樹脂管の進行方向に
動く部分は、拡径金型の無頭円錐状部の全表面に設けら
れていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。
【0021】本発明において、二軸延伸成形後は、熱可
塑性樹脂管の収縮を防止するため冷却を行う。冷却方法
は、特に限定されないが、通常の冷却水槽内を通過させ
てもよいし、更に設備を簡略化するならば、管外部から
水噴霧冷却するするだけでもよい。但し、冷却の偏りに
起因する残留応力を少なくするためには、熱可塑性樹脂
管の内面及び外面の双方から冷却を行うのが好ましい。
【0022】
【作用】本発明1の二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法
は、前記拡径金型として、前記熱可塑性樹脂管の進行方
向に向かって次第に拡径する無頭円錐状部を有し、該無
頭円錐状部の表面に周方向に沿って前記熱可塑性樹脂管
の肉厚の2/3以下の幅を有する凹溝が設けられ、該無
頭円錐状部の表面の該凹溝と該凹溝以外の部分との面積
比が1/4以上となされたものを用いて、前記熱可塑性
樹脂管の二軸延伸成形を行うことより、二軸延伸成形の
開始段階において、所定の延伸温度に調整された熱可塑
性樹脂管を拡径金型上を通過させる際に、熱可塑性樹脂
管の一部を長手方向に切れ目を入れるように切り開いて
おいて、その切開き部分を拡径金型の下面に摺動させる
ように通し、引取機にかみ込ませて、連続的な引き取り
を開始するが、熱可塑性樹脂管の切開き部分以降が拡径
金型上を通過する際の無頭円錐状部の表面の摩擦抵抗が
小さくなるようにされているので、熱可塑性樹脂管の切
れ目の終端に一時に応力が集中することがなく、熱可塑
性樹脂管をそれ以上切れ目を拡大させることなく拡径金
型上を乗り越えさせることができ、二軸延伸工程をスム
ーズに立ち上げることができる。そして、開始した押出
工程、温度調整工程及び二軸延伸工程からなる二軸延伸
成形を継続し、連続的に安定して二軸延伸熱可塑性樹脂
管を製造することができる。
【0023】本発明2の二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造
方法は、前記拡径金型として、前記熱可塑性樹脂管の進
行方向に向かって次第に拡径する無頭円錐状部を有し、
該無頭円錐状部の表面に前記熱可塑性樹脂管の進行方向
に動く部分を有するものを用いて、所定の延伸温度に調
整された前記熱可塑性樹脂管を該拡径金型上を通過させ
るようにしてその二軸延伸を行うことにより、所定の延
伸温度に調整された熱可塑性樹脂管を伸長状態となした
拡径金型上を通過させる際に、熱可塑性樹脂管の一部を
長手方向に切れ目を入れるように切り開いておいて、そ
の切開き部分を拡径金型の下面に摺動させるように通
し、第2引取機にかみ込ませて、連続的な引き取を開始
するが、熱可塑性樹脂管の切開き部分以降が拡径金型上
を通過する際の無頭円錐状部の表面が摩擦抵抗が小さく
なるようにされているので、熱可塑性樹脂管の切れ目の
終端に一時に応力が集中することなくて、熱可塑性樹脂
管をそれ以上切れ目を拡大させることなく拡径金型上を
乗り越えさせることができ、二軸延伸工程をスムーズに
立ち上げることができる。そして、押出工程、温度調整
工程及び二軸延伸工程からなる二軸延伸成形を継続し、
連続的に安定して二軸延伸熱可塑性樹脂管を製造するこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の二軸延伸熱可塑
性樹脂管の製造方法の一例を、使用される二軸延伸装置
の一例とともに説明する模式図である。図1に示すよう
に、二軸延伸装置1は、押出機11、押出金型12、第
1水槽14、第1引取機15、再加熱機16、拡径金型
17、第2水槽18及び第2引取機19からなる。
【0025】押出機11に所定の径の熱可塑性樹脂管を
成形する押出金型12が設けられ、押出金型12には、
熱可塑性樹脂管の進行方向に連結棒13を介して拡径金
型17が連結されている。押出金型12と拡径金型17
の間には、第1水槽14と、第1引取機15と、再加熱
機16とが設けられている。拡径金型17の熱可塑性樹
脂管の進行方向に第2水槽18と、第2引取機19とが
設けられている。
【0026】図2は、図1に示す二軸延伸装置1に使用
される拡径金型17を拡大して示すの正面図である。拡
径金型17は、熱可塑性樹脂管の進行方向に向かって次
第に拡径する無頭円錐状部171と、無頭円錐状部17
1から熱可塑性樹脂管の進行方向に向かって同径を維持
する円柱状部172とからなる。無頭円錐状部171の
表面に周方向に沿って熱可塑性樹脂管の肉厚の2/3以
下の幅を有する複数条の凹溝171aが設けられてい
る。無頭円錐状部171の表面の凹溝171aと凹溝1
71a以外の部分との面積比が1/4以上となされてい
る。
【0027】次に、本発明の二軸延伸熱可塑性樹脂管の
製造方法の一例を同じ図1を参照して説明する。この例
の方法においては、以下の押出工程、温度調整工程及び
二軸延伸工程からなる二軸延伸成形を開始する。まず、
最初の押出工程にて、二軸延伸装置1の押出機11に熱
可塑性樹脂を供給し、押出金型12より、管状の熱可塑
性樹脂管21を連続的に押し出し、第1引取機15にて
引き取りつつ押出成形を行う。
【0028】温度調整工程にて、押出金型12より押し
出された熱可塑性樹脂管21を第1水槽14内を通過さ
せて冷却する。その熱可塑性樹脂管21を再加熱装置1
6内を通過させて所定の延伸温度に調整する。
【0029】二軸延伸工程にて、まず、所定の延伸温度
に調整された熱可塑性樹脂管22を拡径金型17上を通
過させることにより、周方向に延伸する。次いで、周方
向に延伸された熱可塑性樹脂管23を第2引取機19に
て引き取りつつ、軸方向の延伸成形を行い、第2水槽1
8内を通過させて冷却し、二軸延伸熱可塑性樹脂管24
となす。
【0030】二軸延伸工程の開始段階においては、所定
の延伸温度に調整された熱可塑性樹脂管22を拡径金型
17上を通過させる際に、熱可塑性樹脂管22の一部を
長手方向に切れ目を入れるように切り開いておいて、そ
の切開き部分を拡径金型17の下面に摺動させるように
通し、その先端を第2引取機19にかみ込ませて、連続
的な引き取りを開始する。そして、熱可塑性樹脂管22
の切開き部分以降が拡径金型17上を通過する際、無頭
円錐状部171の表面の摩擦抵抗が小さくなるようにさ
れているので、切れ目の終端に一時に応力が集中するこ
とがなく、それ以上切れ目を拡大させることなく拡径金
型17上を乗り越えさせることができて、二軸延伸工程
をスムーズに立ち上げることができる。
【0031】上記のようにして、開始した前記の押出工
程、温度調整工程及び二軸延伸工程からなる二軸延伸成
形を継続して、連続的に安定して二軸延伸熱可塑性樹脂
管24を製造することができる。尚、二軸延伸成形の継
続段階においても、所定の延伸温度に調整した熱可塑性
樹脂管22は、拡径金型17上の所定の複数条の凹溝1
71aが設けられている無頭円錐状部171と円柱状部
712とを順次通過するので、高倍率の二軸延伸を無理
なく行うことができて、軸方向及び周方向の強度に優れ
た二軸延伸熱可塑性樹脂管24を安定して製造すること
ができる。
【0032】前記の例において、拡径金型17の代わり
に、図2に示す拡径金型37を用いてもよい。この拡径
金型37は、熱可塑性樹脂管の進行方向に向かって次第
に拡径する無頭円錐状部371と、無頭円錐状部371
から熱可塑性樹脂管の進行方向に向かって同径を維持す
る円柱状部372とからなる。無頭円錐状部371の表
面に周方向に沿って熱可塑性樹脂管の肉厚の2/3以下
の幅を有する多数条の凹溝371aが設けられている。
無頭円錐状部371の表面の凹溝371aと凹溝371
a以外の部分との面積比が1/4以上となされている。
【0033】図4は、本発明の二軸延伸熱可塑性樹脂管
の製造方法の別の例の工程を、使用される二軸延伸装置
の一例とともに説明する模式図である。図4に示すよう
に、二軸延伸装置4は、押出機41、押出金型42、第
1水槽44、第1引取機45、再加熱機46、拡径金型
47、第2水槽48、及び第2引取機49からなる。
【0034】押出機41に所定の径の熱可塑性樹脂管を
成形する押出金型42が設けられ、押出金型42には、
熱可塑性樹脂管の進行方向に連結棒43を介して拡径金
型47が連結されている。押出金型42と拡径金型47
との間には、第1水槽44と、第1引取機45と、再加
熱機46とが設けられている。拡径金型47の熱可塑性
樹脂管の進行方向に第2水槽48と第2引取機49とが
設けられている。
【0035】図5は、図4に示す二軸延伸装置4に使用
される拡径金型47を拡大して示す正面図である。この
拡径金型47は、熱可塑性樹脂管の進行方向に向かって
次第に拡径する無頭円錐状部471を有し、無頭円錐状
部471の表面に熱可塑性樹脂管の進行方向にその表面
が動く多数のボールベアリング471aが装着されたも
のからなる。
【0036】次に、本発明の二軸延伸熱可塑性樹脂管の
製造の一例の工程を同じ図4を参照して説明する。この
例の方法においては、以下の押出工程、温度調整工程及
びに二軸軸延伸工程からなる二軸延伸成形を開始する。
まず、最初の押出工程にて、図4に示すように、二軸延
伸装置4の押出機41に熱可塑性樹脂を供給し、押出金
型42より、管状の熱可塑性樹脂管51を連続的に押し
出し、第1引取機45にて引き取りつつ押出成形を行
う。
【0037】温度調整工程にて、熱可塑性樹脂管51を
第1水槽44内を通過させて冷却する。その熱可塑性樹
脂管51を再加熱機46内を通過させて所定の延伸温度
に調整する。
【0038】二軸延伸工程にて、まず、所定の延伸温度
に調整させた熱可塑性樹脂管52を、拡径金型47上を
通過させることにより、周方向に延伸する。次いで、周
方向に延伸された熱可塑性樹脂管53を第2引取機49
にて引き取りつつ、軸方向の延伸成形を行い、第2水槽
48内を通過させて冷却して二軸延伸熱可塑性樹脂管5
4を得る。
【0039】二軸延伸成形の開始段階においては、所定
の延伸温度に調整された熱可塑性樹脂管52を伸長状態
となした拡径金型47上を通過させる際に、熱可塑性樹
脂管52の一部を長手方向に切れ目を入れるように切り
開いておいて、その切開き部分を拡径金型47の下面に
摺動させるように通し、第2引取機49にかみ込ませ
て、連続的な引き取を開始する。この際、熱可塑性樹脂
管52の切開き部分を拡径金型47上を通過させる際
に、無頭円錐状部471の表面が摩擦抵抗が小さくなる
ようにされているので、切れ目の終端に一時に応力が集
中することなくて、その以上切れ目を拡大させることな
く拡径金型47上を乗り越えさせることができ、二軸延
伸工程をスムーズに立ち上げることができる。この状態
にて、押出工程、温度調整工程及び二軸延伸工程からな
る二軸延伸成形を継続し、連続的に安定して二軸延伸熱
可塑性樹脂管54を製造することができる。
【0040】尚、前記の例におて、拡径金型47の代わ
りに、図7に示す拡径金型47′を用いてもよい。この
拡径金型47′は、図6に示すように、熱可塑性樹脂管
の進行方向に向かって次第に拡径する無頭円錐部47
1′の表面に熱可塑性樹脂管の進行方向にその表面が動
く複数の無端ベルト471a′が装着されたものからな
る。
【0041】(実施例)以下、本発明を実施例により説
明する。 (実施例1)図1に示した二軸延伸装置1(図2に示す
拡径金型17を使用)を用い、塩化ビニル樹脂(徳山積
水社製、品番「TS1000R」、重合度1050)1
00重量部、ジオクチル錫系安定剤(三共有機合成社
製、品番「ONZ142F)1重量部、ステアリン酸
(日本油脂社製)0.5重量部、ポリエチレンワックス
(三井化学社製、商品名「Hiwax220MP」)
0.5重量部をスーパーミキサー(カワタ製作所製)で
混合した塩化ビニル系樹脂組成物(ガラス転移温度80
℃)を、押出機11(積水工機社製、60mm二軸押出
機、型式「SLM60」)のホッパーに供給し、押出温
度185℃、押出量80kg/hで、第1の引取機15
にて引き取りつつ、押出成形して、外径66mm、肉厚
12mmの熱可塑性樹脂管21を得た。
【0042】次いで、熱可塑性樹脂管21を第1水槽1
4内を通過させた後、再加熱機16内を通過させること
により、外面100℃、内面110℃に調整し、その熱
可塑性樹脂管22を、その一部を長手方向に切れ目を入
れるように切り開いておいて、拡径金型17の下を通過
させ、その先端を第2引取機19にかみ込ませた後、連
続的に引き取ることにより、切開き部分以降を表面に周
方向に沿って所定の複数条の凹溝171aが設けられて
いる無頭円錐状部171と円柱状部分172とを順次通
過させた。
【0043】これにより、熱可塑性樹脂管22の切れ目
の終端に一時に応力が集中することがなくて、熱可塑性
樹脂管をそれ以上切れ目を拡大させることなく拡径金型
17上を乗り越えさせることができ、周方向の延伸成形
の初期段階をスムーズに立ち上げることができた。同時
に、周方向に延伸した熱可塑性樹脂管23を第2引取機
19にて引き取りつつ、軸方向の延伸成形を行い、第2
水槽18内を通過させ冷却して二軸延伸熱可塑性樹脂管
24となす軸方向の延伸成形の初期段階をスムーズに立
ち上げることができた。
【0044】上記のようにして、前記の押出工程、温度
調整工程及び二軸延伸工程からなる二軸延伸成形をスム
ーズに開始し、その後、連続的に安定して二軸延伸熱可
塑性樹脂管24の製造を継続することができた。
【0045】(実施例2)図3に示す拡径金型37を使
用したこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸熱可
塑性樹脂管の製造を行った。二軸延伸成形の開始段階に
おいて、熱可塑性樹脂管22の切れ目の終端に一時に応
力が集中することがなく、熱可塑性樹脂管をそれ以上切
れ目を拡大させることなく拡径金型37上を乗り越えさ
せることができ、周方向の延伸成形の初期段階をスムー
ズに立ち上げることができた。同時に、周方向に延伸し
た熱可塑性樹脂管23を第2引取機19にて引き取りつ
つ、軸方向の延伸成形を行い、第2水槽18内を通過さ
せ冷却して二軸延伸熱可塑性樹脂管24となす軸方向の
延伸成形の初期段階をスムーズに立ち上げることができ
た。
【0046】(実施例3)図4に示した二軸延伸装置4
(図5に示す拡径金型47を使用)を用いたこと以外は
実施例1と同様にして、二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造
を行った。延伸成形開始段階において、熱可塑性樹脂管
52の切れ目の終端に一時に応力が集中することがな
く、熱可塑性樹脂管52をそれ以上切れ目を拡大させる
ことなく拡径金型47上を乗り越えることができ、周方
向の延伸成形の初期段階をスムーズに立ち上げることが
できた。
【0047】又、周方向に延伸した熱可塑性樹脂管を第
2引取機49にて引き取りつつ、軸方向の延伸成形を行
い、第2水槽48内を通過させて冷却して二軸延伸熱可
塑性樹脂管24となす軸方向の延伸成形段階をスムーズ
に立ち上げることができた。
【0048】(実施例4)図6に示す拡径金型47′を
使用したこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸熱
可塑性樹脂管の製造を行った。延伸成形開始段階におい
て、熱可塑性樹脂管52の切れ目の終端に一時に応力が
集中することなく、熱可塑性樹脂管52をそれ以上切れ
目を拡大させることなく拡径金型47′上を乗り越えさ
せることができ、周方向の延伸成形段階をスムーズに立
ち上げることができた。又、周方向に延伸した熱可塑性
樹脂管を第2の引取機49′にて引き取りつつ、軸方向
の延伸成形を行い、第2水槽48′内を通過させ冷却し
て二軸延伸熱可塑性樹脂管54となす軸方向の延伸成形
段階をスムーズに立ち上げることができた。
【0049】(比較例)図7に示す拡径金型aを使用し
たこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸熱可塑性
樹脂管の製造を行った。この拡径金型aは、熱可塑性樹
脂管の進行方向に向かって次第に拡径する無頭円錐状部
bと、無頭円錐状部bの熱可塑性樹脂管の進行方向側
に、その進行方向に向かって同径を維持する円柱状部c
が設けられているものからなる。熱可塑性樹脂管の切れ
目に応力が集中し、その切れ目部分が拡大してしまっ
て、拡径金型a上を乗り越えさせることができず、周方
向の延伸成形段階をスムーズに立ち上げることができな
かった。
【0050】
【発明の効果】本発明の二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造
方法は、上記のような構成とされているので、二軸延伸
成形をスムーズに開始することができ、しかも軸方向及
び周方向の強度の優れた製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法の
一例の工程を、使用される二軸延伸装置の一例とともに
説明する模式図である。
【図2】図1に示す二軸延伸装置の一例に使用される拡
径金型の一例を拡大して示す正面図である。
【図3】図1に示す二軸延伸装置の一例に使用される拡
径金型の別の例を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明の二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法の
別の例の工程を、使用される二軸延伸装置の一例ととも
に説明する模式図である。
【図5】図4に示す二軸延伸装置の一例に使用される拡
径金型の一例を拡大して示す正面図である。
【図6】図4に示す二軸延伸装置の一例に使用される拡
径金型の別の例を拡大して示す正面図である。
【図7】比較例に使用した拡径金型を示す上面図であ
る。
【符号の説明】
1,4 二軸延伸装置 11,41 押出機 12,42 押出金型 13,43 連結棒 14、44 第1冷却槽 15,45 第1引取機 16,46 再加熱機 17,37,47,47′ 拡径金型 21〜23,51〜53 熱可塑性樹脂管 24,54 二軸延伸熱可塑性樹脂管 171,371,471,471′ 無頭円錐状部 172,372,472,472′ 円柱状部 171a,371a 凹溝 471a ボールベアリング 471a′無端ベルト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出金型から押し出された熱可塑性樹脂
    管を、所定の延伸温度に調整し、前記押出金型に連結さ
    れた拡径金型上を通過させることにより拡径し、拡径さ
    れた熱可塑性樹脂管を引取機により引き取りつつ、周方
    向及び軸方向の二軸延伸成形を行う二軸延伸熱可塑性樹
    脂管の製造方法であって、前記拡径金型として、前記熱
    可塑性樹脂管の進行方向に向かって次第に拡径する無頭
    円錐状部を有し、該無頭円錐状部の表面に周方向に沿っ
    て前記熱可塑性樹脂管の肉厚の2/3以下の幅を有する
    凹溝が設けられ、該無頭円錐状部の表面の該凹溝と該凹
    溝以外の部分との面積比が1/4以上となされたものを
    用いて、前記熱可塑性樹脂管の二軸延伸成形を行うこと
    を特徴とする二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法。
  2. 【請求項2】 押出金型から押し出された熱可塑性樹脂
    管を、所定の延伸温度に調整し、前記押出金型に連結さ
    れた拡径金型上を通過させることにより拡径し、拡径さ
    れた熱可塑性樹脂管を引取機により引き取りつつ、周方
    向及び軸方向の二軸延伸成形を行う二軸延伸熱可塑性樹
    脂管の製造方法であって、前記拡径金型として、前記熱
    可塑性樹脂管の進行方向に向かって次第に拡径する無頭
    円錐状部を有し、該無頭円錐状部の表面に前記熱可塑性
    樹脂管の進行方向に動く部分を有するものを用いて、所
    定の延伸温度に調整された前記熱可塑性樹脂管を該拡径
    金型上を通過させるようにしてその二軸延伸を行うこと
    を特徴とする二軸延伸熱可塑性樹脂管の製造方法。
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