JP2003116590A - タンパク質の生産方法、タンパク質のスクリーニング方法、及びタンパク質の機能検索方法 - Google Patents

タンパク質の生産方法、タンパク質のスクリーニング方法、及びタンパク質の機能検索方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無細胞系( in vitro 転写・翻訳系)によっ
て、分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有する
タンパク質を効率的に生産できるタンパク質生産方法等
を提供する。 【解決手段】 鋳型遺伝子を添加した無細胞抽出液を用
い、分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有する
タンパク質を生産するタンパク質生産方法。分子間及び
/又は分子内ジスルフィド結合を有するタンパク質は、
より好ましくは抗体又は金属含有タンパク質である。こ
の方法において、より好ましくは、無細胞抽出液にシャ
ペロン機能を有するタンパク質を添加し、及び/又は、
無細胞抽出液から還元剤を排除する。上記タンパク質生
産システムを利用したタンパク質のスクリーニング方法
及びタンパク質の機能検索方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無細胞タンパク質
合成系( in vitro 転写・翻訳系)によって、特定の分
子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタンパ
ク質を効率的に生産するタンパク質の生産方法に関す
る。又、本発明は、前記タンパク質の生産方法を応用し
たタンパク質のスクリーニング方法に関する。更に、本
発明は、前記のタンパク質の生産方法を応用したタンパ
ク質の機能検索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】〔関連技術の記載〕近年、例えばイネゲ
ノムやヒトゲノム等の塩基配列の解明のように、大規模
なDNA解析が活発に行われている。これらを可能にし
た大きな要因が、鋳型DNAを迅速かつ大量にクローニ
ングできるPCR( Polymerase Chain Reaction)法の
開発であった。
【0003】現在は「ポスト・ゲノムの時代」と呼ば
れ、ゲノム中に含まれる遺伝子が転写・翻訳されて発現
する各種の酵素、抗体等の機能性タンパク質の解析に大
きな関心が持たれている。機能性タンパク質の解析に
は、そのタンパク質を解析に供し得る程度に大量生産す
ることが望まれる。しかしタンパク質に関しては、DN
Aにおける上記PCR法のような、自己複製による大量
生産技術は存在しない。
【0004】そこで、いわゆる無細胞タンパク質合成系
(in vitro転写・翻訳系)によるタンパク質の効率的生
産方法が注目される。この方法では、無細胞抽出液を利
用することによって、細胞内において鋳型遺伝子が転写
・翻訳されてタンパク質を発現するプロセスに必要な要
素を維持できる。しかも、細胞内部でタンパク質を生産
することに伴う多様な制約を解除できる。無細胞抽出液
としては、一定の理由から、例えば大腸菌や小麦胚芽細
胞等に由来する無細胞抽出液が好んで用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、細胞内にお
けるタンパク質生産プロセスの内容や、生物種毎のタン
パク質生産プロセスの相違等については、必ずしも詳細
に解明されてはいない。更に、無細胞系によるタンパク
質の生産方法と、元の細胞内における同じタンパク質の
生産プロセスとの相違点の有無や、相違点の内容につい
て、解明されていない点が多い。
【0006】例えば、無細胞系により、活性型である特
定の機能性タンパク質の効率的生産に成功した事例が報
告された場合を仮定する。この場合、同一の無細胞系に
よって、その機能性タンパク質と同じファミリーを構成
する類似の機能性タンパク質を生産し得るであろう、と
の予測は可能である。しかし、前記の特定の機能性タン
パク質とは異種のタンパク質については、このような予
測は成立し難い。
【0007】分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合
を有するタンパク質には、各種の抗体や、金属を含有す
る一定の機能性タンパク質(例えば、金属を含有する酵
素)等の非常に有用なタンパク質が含まれている。抗体
は、L鎖とH鎖との間で形成される分子間ジスルフィド
結合により、特有の空間的コンフォメーションを構成す
る機能性タンパク質である。分子間及び/又は分子内ジ
スルフィド結合を有し、かつ金属を含有する機能性タン
パク質のファミリーには、鉄(Fe)を含有する酵素であ
るペルオキシダーゼ、同じくFeを含有する酸素運搬タン
パク質であるヘモグロビン、銅(Cu)を含有する酸素運
搬タンパク質であるヘモシアニン、カルシウムと結合し
たシグナル伝達関連タンパク質であるカルモジュリン等
が包含される。
【0008】しかし、これらの分子間及び/又は分子内
ジスルフィド結合を有するタンパク質は一般的に無細胞
系によっては活性型の生産が困難であるとされている。
【0009】例えば、抗体等の分子間ジスルフィド結合
を有するタンパク質の無細胞系による生産についての報
告例は全くない。因みに、本来はH鎖とL鎖を分子間ジ
スルフィド結合により架橋したものである Fab抗体を、
ペプチドリンカーにより連結された1本鎖としたもと
で、人工的な活性型の抗体を合成した例は報告されてい
る(Nat. Biotechnol. vol.15, p79, 1997)。しかし、
これは分子間ジスルフィド結合を有するタンパク質では
ない。
【0010】組換え型ヘム含有タンパク質であるペルオ
キシダーゼについては、大腸菌による封入体での生産例
が報告されている。この場合、封入体を尿素等の変性剤
に溶解した後、ヘムを添加してリフォールディングさせ
る必要がある(Tienら,Biochem.Biophys.Research Com
m.;216,1013-1017;1995 )。 Amoldらにより、ホースラ
ディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を大腸菌のペリ
プラズムにおいて活性型酵素として分泌させた例(Biot
echnol.Prog.;15,467-471;1999)や、HRPを酵母にお
いて発現及び分泌させた例(Protein Eng.;13,377-84;2
000 )が報告されている。これらの場合、ヘムを作らせ
るためにヘム前駆体(δ−アミノレブリン酸)を培地中
に添加する必要がある。酵母においてCiP(Coprinus
cinereus ペルオキシダーゼ)を発現及び分泌させた例
( Novo Nordisk 社;Nature biotechnol.;17,379-384;
1999)も報告されている。
【0011】しかし、以上の金属含有タンパク質の生産
例は、いずれも無細胞系を利用したものではない。一般
的に、ヘム含有タンパク質等の金属含有タンパク質を大
腸菌封入体として生産する場合、不活性型のタンパク質
が得られる。そして、これを活性型にフォールディング
するためには、少なくとも数日程度の処理時間を要す
る、と言う不具合がある。酵母細胞を用いた発現系は、
酵母の増殖が遅いことから操作性が悪い、と言う不具合
がある。又、本来的に金属含有タンパク質を生産可能な
高等動植物の細胞内において金属含有タンパク質の生産
を図る場合でも、添加する大量の金属含有物質の毒性等
の理由から、一般的に金属含有タンパク質の大量発現は
困難であると考えられる。
【0012】従って、分子間及び/又は分子内ジスルフ
ィド結合を有する活性型のタンパク質、特に(a) 活性型
の抗体や、(b) 活性型の金属含有タンパク質、を迅速に
かつ大量に生産できるタンパク質生産方法が求められて
いる。又、ポストゲノム時代の重要技術である、進化分
子工学においてスクリーニングにより新規な改変酵素等
を得る目的からも、このようなタンパク質生産方法が求
められている。更に、いわゆるバイオインフォーマティ
クスへの応用等を考えても、このようなタンパク質生産
方法が強く求められている。
【0013】このような要求に対する有力な解決手段の
一つとして、無細胞タンパク質合成系(in vitro転写・
翻訳系)による上記タンパク質の効率的生産方法を提供
することが期待されている。しかし、上記(a) ,(b) の
ようなタンパク質生産方法の成功例は未だ報告されてい
ない。
【0014】今までのところ、無細胞系によって(a) ,
(b) のタンパク質を生産できるか、は不明である。無細
胞系によって(a) ,(b) の活性型タンパク質を生産でき
るかも不明である。大腸菌等に由来する汎用性の高い無
細胞系によって(a) ,(b) の活性型タンパク質を生産で
きるか、も不明である。更に無細胞系によって(a) ,
(b) の活性型タンパク質を効率的に大量生産できるか、
も不明である。
【0015】〔本発明の概要〕本発明は、無細胞系によ
って、分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有す
るタンパク質を効率的に生産できるタンパク質生産方法
を提供することを目的とする。これらのタンパク質は、
好ましくは抗体又は金属含有タンパク質である。又、本
発明は、無細胞系によって活性型の上記タンパク質を効
率的に生産できるタンパク質生産方法を提供することを
目的とする。又、本発明は、このタンパク質生産方法を
利用したこれらのタンパク質のスクリーニング方法を提
供することを目的とする。更に、本発明は、前記タンパ
ク質生産方法を利用したタンパク質の機能検索方法を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】(第1発明)本願の第1
発明(第1アスペクト)は、分子間及び/又は分子内ジ
スルフィド結合を有するタンパク質の鋳型遺伝子を無細
胞抽出液に添加するプロセスと、この無細胞抽出液を用
いて前記分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有
するタンパク質を生産するプロセスと、を含むタンパク
質の生産方法である。
【0017】本願発明者は、第1発明のように、無細胞
抽出液に対して所定の鋳型遺伝子を添加することによ
り、無細胞タンパク質合成系(in vitro転写・翻訳系)
による分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有す
るタンパク質の生産に初めて成功した。
【0018】又、第1発明は無細胞抽出液を利用するの
で、細胞内において鋳型遺伝子が転写・翻訳されるプロ
セスに必要な要素を維持しつつ、細胞内部でタンパク質
を生産することに伴う多様な制約から開放される。その
ため、目的とするタンパク質をより迅速かつ大量に生産
することができる。
【0019】(第2発明)本願の第2発明(第2アスペ
クト)においては、上記の第1発明における前記無細胞
抽出液に対して、前記鋳型遺伝子と共に1種又は2種以
上のシャペロン機能を有するタンパク質を添加する。
【0020】本願発明において特に注目すべき点の一つ
は、第2発明のように、無細胞抽出液に対して鋳型遺伝
子と共にシャペロン機能を有するタンパク質を添加する
ことである。このことにより、分子間及び/又は分子内
ジスルフィド結合を有する活性型のタンパク質の生産量
が著しく向上する。
【0021】即ち、従来は、分子間及び/又は分子内ジ
スルフィド結合を有する活性型タンパク質の無細胞系に
よる合成の成功例はなかったが、これが可能であること
が、第2発明によって初めて示された。無細胞抽出液に
対して鋳型遺伝子と共にシャペロン機能を有するタンパ
ク質を添加することにより、鋳型遺伝子に基づくペプチ
ド鎖合成と同時にその折りたたみが正確に行われ、活性
型タンパク質への変換が効率的に進行するのである。
【0022】(第3発明)本願の第3発明(第3アスペ
クト)においては、上記の第2発明における前記シャペ
ロン機能を有するタンパク質がプロテイン・ジスルフィ
ド・イソメラーゼ(PDI)である。
【0023】本願発明で用いるシャペロン機能を有する
タンパク質としては、第3発明に係るPDIがとりわけ
好ましい。
【0024】(第4発明)本願の第4発明(第4アスペ
クト)においては、上記の第2発明における前記シャペ
ロン機能を有するタンパク質が、DnaK、DnaJ、
GroEL、GroES、GrepE又はチオレドキシ
ン(Tx)である。
【0025】本願発明で用いるシャペロン機能を有する
タンパク質として、第4発明に係る各種のタンパク質も
好ましく用いることができる。
【0026】(第5発明)本願の第5発明(第5アスペ
クト)においては、上記の第1発明〜第4発明における
前記無細胞抽出液からは還元剤が排除されている。
【0027】本願発明において特に注目すべき点の一つ
は、無細胞抽出液に常套的に添加されているDTT(ジ
チオスレイトール)等の還元剤に着目したことである。
分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタン
パク質においては、その機能の発現のために特定パター
ンの分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合の形成を
必要とする。ところが、本願発明者は、無細胞抽出液を
還元状態とすることにより、このような特定パターンの
ジスルフィド結合が確定的に形成され難くなることを見
出した。従って、機能の発現のために分子間及び/又は
分子内ジスルフィド結合の形成を必要とする各種のタン
パク質を活性型として生産するに当たり、無細胞抽出液
から還元剤を排除しておくことは非常に有効である。
【0028】なお、無細胞抽出液に前記のシャペロン機
能を有するタンパク質を添加し、かつ無細胞抽出液から
還元剤を排除することにより、分子間及び/又は分子内
ジスルフィド結合を有する活性型のタンパク質の生産量
が一層著しく向上する。
【0029】(第6発明)本願の第6発明(第6アスペ
クト)においては、上記の第1発明〜第5発明における
前記分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有する
タンパク質が抗体である。
【0030】「分子間及び/又は分子内ジスルフィド結
合を有するタンパク質」の内、分子間ジスルフィド結合
を有するタンパク質としては、抗体が特に好ましく例示
される。本願発明者は、無細胞抽出液に対して一定の鋳
型遺伝子を添加することによって、無細胞タンパク質合
成系(in vitro転写・翻訳系)による抗体の生産に初め
て成功した。
【0031】(第7発明)本願の第7発明(第7アスペ
クト)においては、上記の第6発明における前記抗体
を、無細胞抽出液のままで活性測定を行い得る濃度で、
活性型として無細胞抽出液中に得る。活性型の抗体につ
いて、「無細胞抽出液のままで活性測定を行い得る濃
度」とは、無細胞抽出液中に合成された活性型抗体の量
が10μg/mL以上であることを言う。
【0032】上記第6発明に係るタンパク質の生産方法
においては、第7発明のように活性型の抗体が無細胞抽
出液のままで活性測定を行い得る濃度で無細胞抽出液中
に得られることが分かった。従って目的タンパク質であ
る抗体の濃縮又は精製操作等を一切行うことなく抗体の
活性測定を行うことができる。この効果は、一般的に転
写・翻訳反応液が1μlあればタンパク質活性等の機能
の評価が可能であることから、研究開発の現場において
自動化された機器等を用いた迅速な大量スクリーニング
を可能とする等の点で大きなメリットをもたらす。
【0033】(第8発明)本願の第8発明(第8アスペ
クト)においては、上記の第1発明〜第5発明における
前記分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有する
タンパク質が金属含有タンパク質である。
【0034】「分子間及び/又は分子内ジスルフィド結
合を有するタンパク質」の内、分子内ジスルフィド結合
を有するタンパク質としては、金属含有タンパク質が特
に好ましく例示される。本願発明者は、鋳型遺伝子を利
用する無細胞タンパク質合成系(in vitro転写・翻訳
系)によって金属含有タンパク質の生産に初めて成功し
た。
【0035】この金属含有タンパク質の生産方法は、鉄
(Fe)を含有する酵素ペルオキシダーゼ、同じくFeを含
有する酸素運搬タンパク質ヘモグロビン、銅(Cu)を含
有する酸素運搬タンパク質ヘモシアニン、カルシウムと
結合したシグナル伝達関連タンパク質カルモジュリン等
の金属含有タンパク質のファミリーに対して一般的に適
用できると考えられる。
【0036】(第9発明)本願の第9発明(第9アスペ
クト)においては、上記の第8発明における前記無細胞
抽出液に対して、前記鋳型遺伝子と共に金属を含む機能
単位を添加する。上記の第8発明においては、無細胞抽
出液に対して鋳型遺伝子と共に金属を含む機能単位とを
添加することが、より好ましい。
【0037】(第10発明)本願の第10発明(第10
アスペクト)においては、上記の第9発明における前記
金属含有タンパク質の少なくとも一部を、前記金属を含
む機能単位が関与する特定の機能を示す活性型として得
る。
【0038】第9発明に係るタンパク質の生産方法にお
いて、金属含有タンパク質の少なくとも一部が、金属を
含む機能単位が関与する特定の機能を示す活性型として
得られることが確認された。従って金属含有タンパク質
を取得した後、その活性化のために長時間を要してフォ
ールディング等を行うと言う操作性の悪さを回避するこ
とが可能となる。
【0039】(第11発明)本願の第11発明(第11
アスペクト)においては、上記の第9発明における前記
金属を含む機能単位が金属錯体である。
【0040】第9発明において、鋳型遺伝子と共に無細
胞抽出液に添加する金属を含む機能単位として、特に金
属錯体が好ましく例示される。
【0041】(第12発明)本願の第12発明(第12
アスペクト)においては、上記の第11発明における前
記金属錯体がヘミンである。
【0042】第11発明に係る金属錯体としては特にヘ
ミンが好ましく例示される。従来、封入体として金属含
有タンパク質を生産させるため、例えば前記従来技術の
ように、金属(Fe)イオンとヘム前駆体(δ−アミノレ
ブリン酸)を培地中に添加した例はある。しかし、鋳型
遺伝子と共に金属錯体等の金属を含む機能単位を添加す
ることで、無細胞系において金属含有タンパク質を生産
できることが、初めて見出された。
【0043】(第13発明)本願の第13発明(第13
アスペクト)においては、上記の第8発明〜第12発明
における前記金属含有タンパク質がヘム含有酵素であ
る。
【0044】第8発明〜第12発明において生産される
金属含有タンパク質として、各種のペルオキシダーゼ等
のヘム含有酵素が、とりわけ有用性が高い。これらにつ
いては、例えば洗剤への添加、ポリマー重合、無塩素系
によるパルプ漂白、芳香族系の難分解環境汚染物質の分
解、排水処理等の用途を挙げることができる。
【0045】(第14発明)本願の第14発明(第14
アスペクト)においては、上記の第13発明における前
記ヘム含有酵素がペルオキシダーゼである。
【0046】第13発明に係るヘム含有酵素としては、
各種のペルオキシダーゼが好ましく例示される。
【0047】(第15発明)本願の第15発明(第15
アスペクト)においては、上記の第8発明〜第14発明
における前記金属含有タンパク質を、無細胞抽出液のま
まで活性測定を行い得る濃度で、活性型として無細胞抽
出液中に得る。活性型の金属含有タンパク質について
「無細胞抽出液のままで活性測定を行い得る濃度」と
は、無細胞抽出液中に合成された活性型金属含有タンパ
ク質の量が10μg/mL以上であることを言う。
【0048】上記第8発明〜第14発明に係るタンパク
質の生産方法においては、第15発明のように活性型の
金属含有タンパク質が無細胞抽出液のままで活性測定を
行い得る濃度で無細胞抽出液中に得られることが分かっ
た。
【0049】従って、目的タンパク質である金属含有タ
ンパク質の濃縮又は精製操作等を一切行うことなく金属
含有タンパク質の活性測定を行うことができる。この効
果は、一般的に転写・翻訳反応液が1μlあればタンパ
ク質活性等の機能の評価が可能であることから、研究開
発の現場において自動化された機器等を用いた迅速な大
量スクリーニングを可能とする等の点で、大きなメリッ
トをもたらす。
【0050】(第16発明)本願の第16発明(第16
アスペクト)においては、上記の第1発明〜第15発明
における前記無細胞抽出液が大腸菌に由来するものであ
る。
【0051】大腸菌に由来する無細胞抽出液は、汎用性
が高く入手も容易である。大腸菌に由来する無細胞抽出
液を利用して、抗体や金属含有タンパク質等の分子間及
び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタンパク質を
生産できることは、発明の実施上非常に有利である。
【0052】(第17発明)本願の第17発明(第17
アスペクト)は、分子間及び/又は分子内ジスルフィド
結合を有する任意の種類のタンパク質をコードする核酸
の塩基配列に対して特定の又はランダムな塩基配列の変
更を加えてなる鋳型遺伝子を無細胞抽出液に添加するプ
ロセスと、この無細胞抽出液を用いて鋳型遺伝子により
コードされたタンパク質を生産するプロセスと、生産さ
れたタンパク質を活性の測定によりスクリーニングする
プロセスと、を含むタンパク質のスクリーニング方法で
ある。
【0053】任意のタンパク質をコードする核酸の塩基
配列に対して特定の又はランダムな変更を加え、これを
鋳型遺伝子として発現させることにより、新たな機能を
持つタンパク質をスクリーニングすると言う手法が注目
されている。
【0054】第17発明は、この手法を、無細胞系にお
いて、しかも分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合
を有するタンパク質に関して導入することを可能にした
ものである。この方法は、無細胞抽出液に対してシャペ
ロン機能を有するタンパク質を添加した場合、及び/又
は、無細胞抽出液から還元剤を排除した場合に、一層有
効である。その結果、これらのタンパク質につき、迅速
に活性型のタンパク質を生産させ、新機能を有するタン
パク質を大量スクリーニングすることが可能となる。例
えば、大腸菌等の生細胞を用いた系では1ケ月近くを要
するスクリーニングを、1日で行うことが可能となる。
【0055】(第18発明)本願の第18発明(第18
アスペクト)は、機能の発現に特定のパターンの分子間
及び/又は分子内ジスルフィド結合の形成を必要とし、
該機能の少なくとも一部が未知である任意のタンパク質
をコードする鋳型遺伝子を無細胞抽出液に添加するプロ
セスと、この無細胞抽出液を用いて鋳型遺伝子によりコ
ードされたタンパク質を生産するプロセスと、生産され
たタンパク質の機能の試験により該タンパク質の未知の
機能を検索するプロセスと、を含むタンパク質の機能検
索方法である。
【0056】機能の発現に特定のパターンの分子間及び
/又は分子内ジスルフィド結合の形成を必要とし、該機
能の少なくとも一部が未知である任意のタンパク質群の
機能検索は、ポストゲノムの時代において極めて重要で
ある。そのためには、これらのタンパク質を、活性型
で、迅速に、かつ少なくとも解析可能な程度には大量
に、発現させる必要がある。
【0057】しかし、そのために従来利用されて来たin
vitro転写・翻訳系によるタンパク質生産では、活性型
でのタンパク質生産が難しかった。第18発明によって
上記の問題が解決され、効率的なタンパク質の機能検索
方法が提供される。この方法は、無細胞抽出液に対して
シャペロン機能を有するタンパク質を添加した場合、及
び/又は、無細胞抽出液から還元剤を排除した場合に、
一層有効である。
【0058】(第19発明)本願の第19発明(第19
アスペクト)においては、上記の第18発明における前
記タンパク質が、任意の機能を有するタンパク質複合体
のサブユニットを構成するタンパク質である。
【0059】上記第18発明に係るタンパク質として、
任意の機能を有するタンパク質複合体のサブユニットを
構成するタンパク質を好ましく例示することができる。
タンパク質複合体のサブユニットを構成するタンパク質
においては、上記特定パターン分子間のジスルフィド結
合は、他のサブユニットを構成するタンパク質分子との
間で形成される。
【0060】(第20発明)本願の第20発明(第20
アスペクト)においては、上記の第19発明における前
記タンパク質複合体が抗体である。
【0061】上記第19発明に係るタンパク質複合体と
して、抗体を好ましく例示することができる。抗体にお
いては、上記特定パターン分子間のジスルフィド結合
は、L鎖とH鎖との間で形成される。
【0062】
【発明の実施の形態】〔発明の詳細な記載〕 (タンパク質の生産方法)本発明に係るタンパク質の生
産方法は、分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を
有するタンパク質を生産するための in vitro 転写・翻
訳系による生産方法であって、無細胞抽出液に対して少
なくとも鋳型遺伝子を添加することにより行われる。後
述する金属含有タンパク質を生産する場合においては、
無細胞抽出液に対して、前記鋳型遺伝子と共に金属含有
タンパク質における金属を含む機能単位を添加すること
が好ましい。
【0063】本発明に係るタンパク質の生産方法は、下
記の (c)〜(e) の実施形態において特に好ましく行われ
る。
【0064】(c) 無細胞抽出液に対して、前記鋳型遺伝
子と共に1種又は2種以上のシャペロン機能を有するタ
ンパク質を添加する。
【0065】(d) 無細胞抽出液から、常用されているD
TT等の還元剤を排除する。「還元剤を排除する」と
は、in vitro転写・翻訳系において常套的に添加されて
いるDTT等の還元剤の添加を行わないか、あるいは既
に還元剤が添加されている市販のin vitro転写・翻訳系
から透析等によってこれを排除したり、又はヨードアセ
トアミド等のSH基修飾剤や酸化剤等を添加して結果的
に還元剤を無効化したりすることを言う。
【0066】(e) 上記(c) のシャペロン機能を有するタ
ンパク質の添加と、上記(d) の還元剤の排除とを一緒に
行う。
【0067】これら(c) 〜(e) の実施形態によれば、無
細胞抽出液中の活性型タンパク質を、無細胞抽出液その
ままで濃縮・精製することなく活性測定を行い得る濃度
で、無細胞抽出液中に得ることができる。
【0068】(無細胞抽出液)無細胞抽出液としては、
良く利用される大腸菌,小麦胚芽,昆虫細胞等に由来す
るものは勿論利用できるが、これらに限定されず、細菌
等の原核細胞生物一般,酵母等の真核単細胞生物一般,
植物細胞一般,動物細胞一般に由来するものを利用でき
る。金属含有タンパク質の生産方法においては、元々そ
の生産能力を有する細胞に由来する無細胞抽出液も利用
できるし、元々その生産能力を有しない細胞に由来する
無細胞抽出液も利用できる。あるいは、金属錯体をその
金属イオンと前駆体とから合成する経路を備えない細胞
に由来する無細胞抽出液も利用できる。
【0069】上記各種の細胞からの無細胞抽出液の調製
方法は、必要に応じて各種の周知又は公知の方法を任意
に採用すれば良く、別段に限定されない。例えば、ホモ
ジナイザーで細胞を磨り潰したり、急激な圧力変化を与
えて細胞を破砕したり、超音波処理によって破砕したり
することができる。これらの操作に加えて、細胞骨格成
分等を例えば遠心分離等で排除しても良い。あるいは、
市販されている無細胞抽出液を利用することもできる
が、市販品にDTT等の還元剤が添加されている場合に
は、前記のようにこれを排除又は無効化することが好ま
しい。
【0070】無細胞抽出液には、タンパク質の生産能力
を向上させるために一般的に添加される各種の成分を添
加することも好ましい。これらの成分として、緩衝液,
鋳型遺伝子の転写に使用される4種類のヌクレオチド3
リン酸やRNAポリメラーゼ,翻訳に使用される各種の
アミノ酸,トランスファーRNA(tRNA),ポリエ
チレングリコール,リン酸化酵素等を例示することがで
きる。
【0071】(鋳型遺伝子)鋳型遺伝子は、目的とする
分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタン
パク質をコードする核酸を含む限りにおいて、その構成
を限定されない。前記核酸の塩基配列に適当な制御配列
を連結することが好ましい。例えば、上流にプロモータ
ーを付加したり、下流にターミネーターを付加すること
ができる。プロモーターからターミネーターまでの遺伝
子を適当なベクターに挿入したものも使用できるし、プ
ロモーターからターミネーターまでの遺伝子をPCRで
増幅した断片も使用できる。
【0072】(分子間及び/又は分子内ジスルフィド結
合を有するタンパク質)本発明において、「分子間及び
/又は分子内ジスルフィド結合を有するタンパク質」と
は、分子間及び/又は分子内で形成される特定のジスル
フィド結合によって一定の空間的コンフォメーションが
構成され、そのことがタンパク質の機能発現に不可欠で
あるタンパク質を言う。
【0073】この種のタンパク質の種類は限定されな
い。例えば、分子間ジスルフィド結合を有するタンパク
質としては、L鎖とH鎖との間で分子間ジスルフィド結
合が形成される抗体や、インシュリン、α−キモトリプ
シン等が代表的である。例えば、分子内ジスルフィド結
合を有するタンパク質としては、後述する各種の金属含
有タンパク質や、NOxリダクターゼ等の還元酵素、ト
リプシン、リボヌクレアーゼA等が代表的である。
【0074】(抗体)本発明において、抗体とは、分子
間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタンパク
質であって、H鎖とL鎖からなる一定の機能単位を構成
要素とするタンパク質を言う。抗体として IgG免疫グロ
ブリン抗体、 Fab抗体、 Fab' 抗体、F(ab')2抗体等の
抗原結合部位を1つ又は2つ含むタンパク質を例示でき
る。
【0075】(金属含有タンパク質)本発明において、
金属含有タンパク質とは、分子間及び/又は分子内ジス
ルフィド結合を有するタンパク質であって、金属を含む
一定の機能単位を構成要素とし、活性型においては当該
機能単位が関与する特定の機能を示すようなタンパク質
を言う。この条件に合致する限りにおいて金属含有タン
パク質の種類、金属を含む機能単位の種類、金属の種類
は限定されない。
【0076】金属含有タンパク質としては、例えば、鉄
(Fe)を含むヘム含有タンパク質である酵素ペルオキシ
ダーゼや酸素運搬タンパク質ヘモグロビン、銅(Cu)を
含有する酸素運搬タンパク質ヘモシアニン、カルシウム
(Ca)と結合したシグナル伝達関連タンパク質カルモジ
ュリン、等を挙げることができる。
【0077】ペルオキシダーゼとしては、マンガンペル
オキシダーゼ,ホースラディッシュ(西洋ワサビ)ペル
オキシダーゼ,チトクロームcペルオキシダーゼ,リグ
ニンペルオキシダーゼ等を例示することができる。
【0078】金属を含む機能単位の種類は限定されない
が、金属錯体が代表的であり、上記ペルオキシダーゼや
ヘモグロビンにおけるFe−ポルフィリン錯体であるヘミ
ン等を挙げることができる。
【0079】(シャペロン機能を有するタンパク質)シ
ャペロン機能を有するタンパク質とは、対象とする一定
のタンパク質を正しい立体構造に修復させ、更にはその
ことにより対象とするタンパク質本来の特定の機能を発
現可能にする働きを持つタンパク質を言う。シャペロン
機能を有するタンパク質としては、例えば、対象とする
タンパク質におけるジスルフィド結合を正しく形成させ
る(ジスルフィド結合の掛け直しをさせる)ことにより
シャペロン機能を奏するものが例示される。その他に
も、アグリゲーションの溶解、前駆体タンパク質の安定
化、アグリゲーションの抑制等によりシャペロン機能を
奏するもの等が例示され、更にシャペロン機能に類似し
たシャペロン様機能を奏するものも例示される。
【0080】本発明において、シャペロン機能(又はシ
ャペロン様機能)を有するタンパク質として最も好まし
いものはPDI(プロテイン・ジスルフィド・イソメラ
ーゼ)、とりわけカビPDIである。他種のシャペロン
機能を有するタンパク質、例えば実施例で使用している
DnaK、DnaJ、GroEL、GroESの他、G
repE、Tx等も限定なく使用できる。
【0081】(タンパク質のスクリーニング方法)本発
明に係るタンパク質のスクリーニング方法は、上記した
分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタン
パク質の生産方法をタンパク質の分子進化工学に応用す
るものである。
【0082】より具体的には、鋳型遺伝子として、任意
の分子間及び/又は分子内ジスルフィド結合を有するタ
ンパク質をコードする核酸の塩基配列に特定の又はラン
ダムな多様な変更を加える。こうして準備された多数種
の鋳型遺伝子を上記のタンパク質の生産方法によって転
写・翻訳させる。そして、生産される多様なタンパク質
が、活性を検出可能な程度ないしは非常に大量に活性型
を含む点を利用して、活性型タンパク質を大規模にしか
も迅速にスクリーニングするのである。
【0083】本発明に係るタンパク質のスクリーニング
方法も、前記した (c)〜(e) の実施形態において特に好
ましく行われる。又、金属含有タンパク質を対象とする
場合には、所定の鋳型遺伝子と共に金属含有タンパク質
における金属を含む機能単位を添加することが好まし
い。
【0084】本発明に係るタンパク質のスクリーニング
方法によれば、転写・翻訳反応液を数μl調製すればス
クリーニングができるので、短時間でスクリーニングが
可能となる。そして例えばタンパク質立体構造のコンピ
ュータモデルとの組合わせで、目的のタンパク質の効率
的デザインが可能となる。
【0085】(タンパク質の機能検索方法)本発明に係
るタンパク質の機能検索方法は、上記したタンパク質の
生産方法を、機能の発現に特定パターンの分子間ジスル
フィド結合の形成を必要とするタンパク質であって機能
(の少なくとも一部)が未知のタンパク質の機能検索に
応用するものである。より具体的には、無細胞抽出液に
機能未知である任意のタンパク質をコードする鋳型遺伝
子を添加し、生産された活性型タンパク質の機能を検索
するのである。機能の発現に特定パターンの分子間ジス
ルフィド結合の形成を必要とするタンパク質としては、
その種類は限定されないが、任意の機能を有するタンパ
ク質複合体のサブユニットを構成するタンパク質を例示
できる。このようなタンパク質複合体の種類も限定され
ないが、L鎖とH鎖からなる抗体を例示できる。機能検
索方法の対象となるタンパク質としては、前記の金属含
有タンパク質も例示できる。
【0086】本発明に係るタンパク質の機能検索方法
も、前記した (c)〜(e) の実施形態において特に好まし
く行われる。又、金属含有タンパク質を対象とする場合
には、所定の鋳型遺伝子と共に金属含有タンパク質にお
ける金属を含む機能単位を添加することが好ましい。
【0087】本発明に係るタンパク質の機能検索方法に
より、近年のバイオインフォーマティクス(プロテオミ
クス)で問題であった機能未知のタンパク質の機能推定
が容易となり、産業上のメリットが大きい。
【0088】
【実施例】(実施例1−1:マンガンペルオキシダーゼ
の生産)ヘムタンパク質であって分子内ジスルフィド結
合を有するマンガンペルオキシダーゼの合成反応を行っ
た。即ち、ホモジナイザー処理や遠心分離を含む通常の
調製法に従い、大腸菌A19株由来のS30菌体の抽出
液を調製した。この菌体抽出液に対して、鋳型遺伝子と
ヘミンを含む以下の1)〜15)の成分を添加し、25
°Cで2時間、in vitroでの転写・翻訳反応を行った。
なお、菌体抽出液に対してDTT(ジチオスレイトー
ル)等の還元剤は添加しなかった。
【0089】1)鋳型遺伝子:配列番号1に塩基配列を
示す白色腐朽菌由来のマンガンペルオキシダーゼ(Mn
P)遺伝子の上流にT7プロモーターとリボソーム結合部
位、下流にT7ターミネーターを付加したPCR反応産物
を50μg/ml 2)10μM ヘミン 3)56.4mM Tris-酢酸緩衝液(pH7.4) 4)1.2mM ATP、各1mMのGTP,CTP,
UTP 5)40mM クレアチンフォスフェート 6)0.7mM アミノ酸ミックス(生体タンパク質を
構成する20種類のアミノ酸混合物) 7)4.1%(W/W) ポリエチレングリコール60
00 8)35μg/ml フォリン酸 9)0.2mg/ml 大腸菌tRNA 10)36mM 酢酸アンモニウム 11)0.15mg/ml クレアチンキナーゼ 12)10mM 酢酸マグネシウム 13)100mM 酢酸カリウム 14)10μg/ml リファンピシン 15)7.7μg/ml T7RNAポリメラーゼ
【0090】上記の転写・翻訳反応の後、通常の方法に
て反応産物のウェスタンブロッティング及びオートラジ
オグラフィを行い(14C−ロイシンで標識)、MnP
と同じ分子量にメインバンドがあることを確認した。バ
ンドの濃度から推定される菌体抽出液中のMnPの生産
量は10μg/ml程度であった。
【0091】又、上記の転写・翻訳反応を2時間行った
時点での菌体抽出液200μlを分取し、生産されたM
nPに付加してあるHis-tag を利用して、MnPをHis-
tagビーズに吸着させて精製・濃縮し、そのMnP活性
を測定した。
【0092】このMnP活性測定は次のように行った。
即ち、200μlの25mM コハク酸緩衝液(pH
4.5)に対して0.5mM 硫酸マンガン、2mM
シュウ酸及び5mM ABTS(2,2'-azinobis 3-ethy
lbenzothiazoline-6-sulfonate)を含ませた溶液に、
0.1mMの過酸化水素を加えたもの(酵素活性測定
液)を調製した。次いでこの酵素活性測定液に上記のM
nPを吸着したビーズを加え、25°Cで5分間の反応
を行わせた後、415nmでの吸光度を測定した。その
結果を図1の「 MnP(-DTT)」の欄に示す。この結果か
ら、生産されたMnPの内、活性型は約1%であると推
定された。
【0093】(比較例)上記実施例1−1のin vitro転
写・翻訳系でタンパク質合成を行うに際して、更に還元
剤DTTを1.76mM加えた点以外は上記と同様に行
った比較例と、上記実施例1のin vitro転写・翻訳系で
タンパク質合成を行うに際して、鋳型遺伝子を添加しな
かった点以外は上記と同様に行った比較例とを行った。
これらについても同上の要領でMnP活性測定を行っ
た。その吸光度測定の結果を図1の「 MnP(+DTT)」の欄
と「鋳型なし」の欄に示すが、いずれの比較例も発色の
程度が極めて低く、活性型MnPは含まれないと考えら
れる。
【0094】(実施例1−2:シャペロン機能を有する
タンパク質の添加効果)上記実施例1−1のin vitro転
写・翻訳系でタンパク質合成を行うに際して、無細胞抽
出液中にそれぞれ以下の16)〜20)に示すシャペロ
ニン又はPDIを添加した。なお19)の牛PDIと2
0)のカビPDIについては、1mMGSH及び0.1
mM GSSGを併せて添加した。
【0095】16)1μM DnaK及び0.4μM
DnaJ 17)1.25μM GroEL及び1.25μM G
roES 18)上記16)と17)のシャペロニンを併せ加えた
もの 19)32μg/ml 牛PDI(市販品)。
【0096】20)32μg/ml カビPDI(特開
平6−38752に開示のもの) これらの例を上記実施例1−1と同様に行い、反応後に
MnPをHis-tag ビーズに吸着させて精製・濃縮したも
のについて、実施例1−1と同様の要領で、MnP活性
測定(吸光度測定)を行った。その結果を図2に示す。
図2において、「 MnP」の欄は前記実施例1−1の結果
を、「MnP+DnaK/J」は上記16)の結果を、「MnP+GroE
L/ES」は上記17)の結果を、「 DnaK/J,GroEL/ES」は
上記18)の結果を、「MnP+牛PDI 」は上記19)の結
果を、「MnP+カビPDI 」は上記20)の結果を、「鋳型
なし」は前記実施例1−1における鋳型遺伝子を添加し
なかった比較例の結果を、それぞれ示す。
【0097】図2の結果から明らかなように、シャペロ
ン機能を有するタンパク質を添加することにより、活性
型として正しくフォールディングされたMnPの割合が
増大する効果が明らかに観察され、特にPDIを添加し
た場合の効果が著しかった。とりわけカビPDIを添加
した場合の効果が著しく、この場合の活性型は約25%
であると推定された。
【0098】一方、上記の各例の内、上記20)の例に
ついて、所定の時間反応させた後の菌体抽出液をそのま
ま(His-tag ビーズにより精製・濃縮せずに)分取し、
実施例1−1と同じ酵素活性測定液にその1μlを加え
てMnP活性測定(吸光度測定)を行った。その結果を
図3に「 MnP+PDI」のグラフとして示す。なお、前記実
施例1−1における鋳型遺伝子を添加しなかった比較例
についても、同様の測定を行った。その結果を図3に
「鋳型なし」のグラフとして示す。「 MnP+PDI」のグラ
フから分かるように、この場合にはMnP活性を十分に
検出できる。
【0099】(実施例2:リグニンペルオキシダーゼの
生産)ヘムタンパク質であって分子内ジスルフィド結合
を有するリグニンペルオキシダーゼ(LiP)につい
て、上記MnP合成の最適条件と同じ条件でタンパク質
合成反応を行わせた。
【0100】即ち、実施例1−1と同じ菌体抽出液に対
して、前記MnP鋳型遺伝子と同量のLiP鋳型遺伝子
と、実施例1−1に前記した2)〜15)の成分と、実
施例1−2に前記した20)の成分とを添加した。この
LiP鋳型遺伝子の塩基配列は公知であり、GENEBANK/
×76689, Nucleic Acids Res(1988) vol16, 1219pageに
開示されている。又、LiP鋳型遺伝子も、前記MnP
鋳型遺伝子と同様に上流にT7プロモーターとリボソーム
結合部位、下流にT7ターミネーターを付加したものであ
る。そして、この菌体抽出液によって、25°Cで2時
間、in vitroでの転写・翻訳反応を行った。なお、菌体
抽出液に対してDTT等の還元剤は添加しなかった。
【0101】又、上記の転写・翻訳反応を1時間行った
時点での菌体抽出液200μlを分取し、生産されたL
iPに付加してあるHis-tag を利用して、LiPをHis-
tagビーズに吸着させて精製・濃縮し、そのLiP活性
を測定した。
【0102】このLiP活性測定は次のように行った。
即ち、200μlの50mM コハク酸緩衝液(pH
4.5)に対して0.5mM ベラトリルアルコール及
び5mM ABTSを含ませた溶液に、0.4mMの過
酸化水素を加えたもの(酵素活性測定液)を調製した。
次いでこの酵素活性測定液に上記のLiPを吸着したビ
ーズを加え、25°Cで5分間の反応を行わせた後、4
15nmでの吸光度を測定した。その結果を図9におけ
る「 LiP+PDI」のグラフとして示す。
【0103】図9には、LiPの鋳型遺伝子を添加しな
かった点以外は上記と同じ組成の菌体抽出液を用いてタ
ンパク質合成反応を行わせた場合の同上の測定結果を
「鋳型なし」のグラフとして示す。又、前記20)の成
分を添加しなかった点以外は上記と同じ組成の菌体抽出
液を用いてタンパク質合成反応を行わせた場合の同上の
測定結果を「 LiP」のグラフとして示す。図9から分か
るように、「 LiP」のグラフや「鋳型なし」のグラフは
実質的にLiP活性が認められず、これらに対して「 L
iP+PDI」は有効なLiP活性が認められた。
【0104】(実施例3:in vitro転写・翻訳系におけ
る還元剤排除の効果)コルチゾールに対する Fab抗体
(分子間S−S結合を有する)について、上記MnP合
成の最適条件と同じ条件でタンパク質合成反応を行わせ
た。
【0105】即ち、実施例1−1と同じ菌体抽出液に対
して、前記MnP鋳型遺伝子と同量の Fab抗体鋳型遺伝
子と、実施例1−1に前記した2)〜15)の成分と、
実施例1−2に前記した20)の成分とを添加した。こ
の Fab抗体鋳型遺伝子の塩基配列は公知であり、特許出
願公開2000−139460号公報に開示されてい
る。又、 Fab抗体鋳型遺伝子も前記MnP鋳型遺伝子と
同様に上流にT7プロモーターとリボソーム結合部位、下
流にT7ターミネーターを付加したものである。
【0106】なお、この Fab抗体のin vitroでの転写・
翻訳として、還元剤を添加しない系と、還元剤としてD
TTを1.76mM添加した系とを設定した。そしてこ
れらの菌体抽出液について、25°Cで2時間、in vit
roでの転写・翻訳反応を行って、それぞれ Fab抗体の生
産を試みた。次いで、通常の方法でウェスタンブロッテ
ィングを行った。その結果を図4に示す。図4から分か
るように、分子量マーカーとの対比により、「-DTT」で
示す還元剤を添加しない系では Fab抗体の生産及び活性
を確認した。「+DTT」で示すDTTを添加した系では、
L鎖とH鎖との生産が認められるものの、この両者間で
分子間ジスルフィド結合を形成できないために、活性な
Fab抗体を生産できていない。
【0107】(実施例4:熱安定化変異MnPのスクリ
ーニング)MnP遺伝子を、error-prone PCR(10 mM Tr
is-HCl pH9.0, 50 mM KCl, 0.1%TritonX-100, 7 mM Mg
Cl2, 0.7 mM MnCl2, 0.2 mM dATP, 0.2 mM dGTP, 1 m
MdCTP, 1 mM dTTP, 100 ng/ μl MnP, 0.3 μM prime
r, 25 mU/μl Promega TaqDNA polymerase) により増幅
し、100塩基当たり平均1.5個の変異(エラー率
1.5%)をランダムに導入したライブラリーを作製し
た。
【0108】そして平均1分子/ウェルまで希釈した後
に宝酒造社製 LA Taq polymeraseを用いて、94°C-2 mi
n.96°C-10 sec., (Tm-5) °C-5 sec., 72°C-1.6 min.
: 65 cycles72°C-7 min.でPCRを行った。
【0109】次に、前記大腸菌A19株由来のS30菌
体抽出液に対して実施例1−1に示した2)〜15)の
成分と、実施例1−2に示した20)の成分とを添加し
た。そして、この菌体抽出液の37μlに対して上記の
PCR産物各3μlを鋳型として加え、25°Cで3時
間、in vitroでの転写・翻訳反応を行った。
【0110】その後、合成産物各1.5μlを実施例1
−1と同じ酵素活性測定液100μlに添加し、60°
Cで25分間のインキュベートの後、これに終濃度0.
1mMとなるように過酸化水素を添加し、415nmで
の吸光度測定によってMnP活性を測定した。
【0111】本実施例に係る上記合成産物について、ハ
イスループットスクリーニング(HTS)が可能な38
4穴プレート(1〜24列×A〜P列)でのスクリーニ
ングの結果を図5に示すが、図示のようにポジティブク
ローンが確実に検出できている。
【0112】更に、384穴プレート16枚(6144
ウェル分)についてスクリーニングした結果、上記した
60°Cで25分間のインキュベート後にMnP活性を
示す1次ポジティブクローン4個を取得した。これらの
No.1〜No.4のクローンのMnP活性を図6に示
す。同時に図示するように、変異導入前のMnP(野生
型MnP)では、このような温度処理後は活性を示さな
い。
【0113】(実施例5:過酸化水素安定化変異MnP
のスクリーニング)MnPにおける過酸化水素結合ポケ
ットの入り口に位置する3個のアミノ酸(79番目のア
ラニン、81番目のアスパラギン、83番目のイソロイ
シン)を、それぞれ20種類のアミノ酸へ変換した変異
ライブラリー(NNS変異;N=A,G,C or T、S
=C or G)を作製した。変異ライブラリーを平均1分
子/ウェルまで希釈した後に、前記 LA Taq polymerase
を用いて実施例4の場合と同じ条件でPCRを行った。
【0114】次に、実施例4で用いたものと同じ無細胞
タンパク質合成反応液37μlに対して上記のPCR産
物各3μlを鋳型として加え、転写・翻訳共役反応を行
った。そして合成産物各1.5μlを実施例1−1と同
じ酵素活性測定液100μlに添加し、これに終濃度1
mMとなるように過酸化水素を添加し、415nmでの
吸光度測定によってMnP活性を測定した。
【0115】本実施例に係る上記合成産物について、実
施例4と同様のHTSを384穴プレート10枚(38
40ウェル分)を用いて行った。そのスクリーニングの
結果を図7に示すが、図示のように終濃度1mMの過酸
化水素存在下でMnP活性を示す1次ポジティブクロー
ン12個(図の No.1〜 No.12のクローン)を取得し
た。同時に図示するように、野生型MnPでは、このよ
うな過酸化水素処理後は活性を示さない。
【0116】次に過酸化水素安定性を詳細に評価した。
即ち、上記の1次ポジティブクローン12個を用いた転
写・翻訳共役反応の合成産物を、それぞれ、0.1m
M、0.5mM及び1.0mMの過酸化水素の存在下
で、37°Cで5分間インキュベートした。その後、過
酸化水素濃度が0.5mM及び1.0mMであるものに
ついては、過酸化水素濃度が0.1mMになるまで、5
0mM コハク酸緩衝液で希釈した。
【0117】次に、これらの過酸化水素濃度が0.1m
Mである合成産物に対して、実施例1−1で前記した酵
素活性測定液であって過酸化水素を含まないものを10
0μl添加し、これに終濃度1mMとなるように過酸化
水素を添加し、415nmでの吸光度測定によってMn
P活性を測定した。その結果、 No.1〜 No.12のクロ
ーンの内、 No.1,2,4,6,8の5個のクローンに
おいて、野生型MnPよりも過酸化水素に対する安定性
が向上していた。これら5個の2次ポジティブクローン
について、0.1mM過酸化水素の存在下で4°Cで5
分間インキュベートした後のMnP活性を100%とし
た場合における残存活性を、図8に示す。
【0118】上記の5個の2次ポジティブクローンのア
ミノ酸配列を決定して、野生型MnPのアミノ酸配列と
比較した。その結果を表1に示す。
【0119】
【表1】 表1では野生型MnPを「変異なし」と表記し、そのア
ミノ酸配列の一部を1文字表記式により「アミノ酸配
列」の欄に記載している。このアミノ酸部分配列中、左
から2番目の「A」は79番目のアラニン、左から4番
目の「N」は81番目のアスパラギン、左から6番目の
「I」は83番目のイソロイシンである。そして表から
分かるように、いずれの2次ポジティブクローンにおい
ても、(a)79番目のアラニンがグルタミン酸又はセ
リンに変換され、(b)81番目のアスパラギンがセリ
ン又はロイシンに変換され、(c)83番目のイソロイ
シンがロイシンに変換されていることが分かった。
【0120】(実施例の評価)上記の各実施例から明ら
かなように、本発明によれば、無細胞抽出液を用いて、
活性型の金属含有タンパク質あるいは分子間及び/又は
分子内ジスルフィド結合を有するタンパク質を効果的に
生産することができ、更に本発明のバイオインフォマテ
ィクスへの応用が可能である。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KABUSHIKI KAISHA TOYOTA CHUO KENKYUSHO <120> タンパク質生産方法、タンパク質のスクリーニング方法及びタンパク質の 機能検索方法 <130> POK-02-023 <160> 1 <210> 1 <211> 1074 <212> DNA <213> Phanerochaete chrysosporium <400> 1 gca gtc tgt cca gac ggc acc cgc gtc act aac gca gct tgt tgc gca 48 Ala Val Cys Pro Asp Gly Thr Arg Val Thr Asn Ala Ala Cys Cys Ala 5 10 15 ttt att cca ctg gct caa gac ctc cag gag acc ctc ttc cag ggc gac 96 Phe Ile Pro Leu Ala Gln Asp Leu Gln Glu Thr Leu Phe Gln Gly Asp 20 25 30 tgc ggt gaa gat gcg cat gag gtc att cgt ctt acc ttc cac gac gcc 144 Cys Gly Glu Asp Ala His Glu Val Ile Arg Leu Thr Phe His Asp Ala 35 40 45 att gct atc tct cag agc ctg gga ccc cag gcc ggc ggt ggt gct gac 192 Ile Ala Ile Ser Gln Ser Leu Gly Pro Gln Ala Gly Gly Gly Ala Asp 50 55 60 ggc tcc atg ctg cac ttc ccg acc atc gag ccg aat ttt tcg gcg aac 240 Gly Ser Met Leu His Phe Pro Thr Ile Glu Pro Asn Phe Ser Ala Asn 65 70 75 80 aac ggc att gac gac tcc gtg aac aac ctt atc ccc ttc atg cag aag 288 Asn Gly Ile Asp Asp Ser Val Asn Asn Leu Ile Pro Phe Met Gln Lys 85 90 95 cac aac acg atc agc gcc gct gac ctc gtc cag ttc gcg gga gcc gtt 336 His Asn Thr Ile Ser Ala Ala Asp Leu Val Gln Phe Ala Gly Ala Val 100 105 110 gct ctc agt aac tgc ccc ggc gcc cct cgc ctc gag ttc ctc gct ggt 384 Ala Leu Ser Asn Cys Pro Gly Ala Pro Arg Leu Glu Phe Leu Ala Gly 115 120 125 cgc ccg aac acg act att ccc gca gtc gag ggc ctc atc cct gag ccg 432 Arg Pro Asn Thr Thr Ile Pro Ala Val Glu Gly Leu Ile Pro Glu Pro 130 135 140 cag gac agt gtc acc aaa att cta caa cgc ttc gag gac gca ggg aac 480 Gln Asp Ser Val Thr Lys Ile Leu Gln Arg Phe Glu Asp Ala Gly Asn 145 150 155 160 ttc tcg cct ttt gag gtc gta tcc ctc ctc gcc tct cac act gtt gct 528 Phe Ser Pro Phe Glu Val Val Ser Leu Leu Ala Ser His Thr Val Ala 165 170 175 cgt gca gac aag gtc gac gag acc atc gac gcc gca ccc ttc gat tcc 576 Arg Ala Asp Lys Val Asp Glu Thr Ile Asp Ala Ala Pro Phe Asp Ser 180 185 190 acg cct ttc act ttc gac acc cag gtc ttc ctc gag gtc ctt ctg aag 624 Thr Pro Phe Thr Phe Asp Thr Gln Val Phe Leu Glu Val Leu Leu Lys 195 200 205 ggt acc ggc ttc cct gga tcg aac aac aac acc ggt gag gtc atg tcc 672 Gly Thr Gly Phe Pro Gly Ser Asn Asn Asn Thr Gly Glu Val Met Ser 210 215 220 cca ctt ccc ctc ggc agc ggc agc gac acg ggc gag atg cgc ctg cag 720 Pro Leu Pro Leu Gly Ser Gly Ser Asp Thr Gly Glu Met Arg Leu Gln 225 230 235 240 tct gac ttt gcg ctc gcg cgc gac gag cgc acg gcg tgc ttc tgg cag 768 Ser Asp Phe Ala Leu Ala Arg Asp Glu Arg Thr Ala Cys Phe Trp Gln 245 250 255 tcg ttc gtc aac gag cag gag ttc atg gcg gcg agc ttc aag gcc gcg 816 Ser Phe Val Asn Glu Gln Glu Phe Met Ala Ala Ser Phe Lys Ala Ala 260 265 270 atg gcg aag ctc gcg atc ctc ggc cac agc cgc agc agc ctc atc gac 864 Met Ala Lys Leu Ala Ile Leu Gly His Ser Arg Ser Ser Leu Ile Asp 275 280 285 tgc agc gac gtc gtc ccc gtg ccg aag ccc gcc gtc aac aag ccc gcg 912 Cys Ser Asp Val Val Pro Val Pro Lys Pro Ala Val Asn Lys Pro Ala 290 295 300 acg ttc ccc gcg acg aag ggc ccc aag gac ctc gac aca ctc acg tgc 960 Thr Phe Pro Ala Thr Lys Gly Pro Lys Asp Leu Asp Thr Leu Thr Cys 305 310 315 320 aag gcc ctc aag ttc ccg acg ctg acc tct gac ccc ggt gct acc gag 1008 Lys Ala Leu Lys Phe Pro Thr Leu Thr Ser Asp Pro Gly Ala Thr Glu 325 330 335 acc ctc atc ccc cac tgc tcc aac ggc ggc atg tcc tgc cct ggt gtt 1056 Thr Leu Ile Pro His Cys Ser Asn Gly Gly Met Ser Cys Pro Gly Val 340 345 350 cag ttc gat ggc cct gcc 1074 Gln Phe Asp Gly Pro Ala 355 358
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−1におけるMnP活性の測定結果を
示すグラフである。
【図2】実施例1−2におけるMnP活性の測定結果を
示すグラフである。
【図3】実施例1−2において、MnPを精製・濃縮せ
ずに行ったMnP活性の測定結果を示すグラフである。
【図4】実施例3におけるウェスタンブロッティングの
結果を示す写真である。
【図5】実施例4におけるHTSによるポジティブクロ
ーンの検出結果を示す3次元グラフである。
【図6】実施例4における1次ポジティブクローンのM
nP活性の測定結果を示すグラフである。
【図7】実施例5における変異MnPのスクリーニング
の結果を示すグラフである。
【図8】実施例5における変異MnPの活性の測定結果
を示すグラフである。
【図9】実施例2におけるLiP活性の測定結果を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/90 C12N 15/00 A (72)発明者 中野 秀雄 愛知県岩倉市東町藤塚67 グリーンシティ 岩倉50 2 (72)発明者 山根 恒夫 愛知県名古屋市千種区若水3−22−1 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 DA36 4B024 AA11 BA07 BA08 BA80 CA02 GA30 HA01 4B050 CC03 DD02 EE10 LL03 4B064 AG01 CA50 CC24 DA01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子間及び/又は分子内ジスルフィド結
    合を有するタンパク質の鋳型遺伝子を無細胞抽出液に添
    加するプロセスと、 この無細胞抽出液を用いて、前記分子間及び/又は分子
    内ジスルフィド結合を有するタンパク質を生産するプロ
    セスと、を含むタンパク質の生産方法。
  2. 【請求項2】 前記無細胞抽出液に対して、前記鋳型遺
    伝子と共に1種又は2種以上のシャペロン機能を有する
    タンパク質を添加する、請求項1に記載のタンパク質の
    生産方法。
  3. 【請求項3】 前記シャペロン機能を有するタンパク質
    がプロテイン・ジスルフィド・イソメラーゼ(PDI)
    である、請求項2に記載のタンパク質の生産方法。
  4. 【請求項4】 前記シャペロン機能を有するタンパク質
    が、DnaK、DnaJ、GroEL、GroES、G
    repE又はチオレドキシン(Tx)である、請求項2
    に記載のタンパク質の生産方法。
  5. 【請求項5】 前記無細胞抽出液からは還元剤が排除さ
    れている、請求項1に記載のタンパク質の生産方法。
  6. 【請求項6】 前記無細胞抽出液からは還元剤が排除さ
    れている、請求項2に記載のタンパク質の生産方法。
  7. 【請求項7】 前記分子間及び/又は分子内ジスルフィ
    ド結合を有するタンパク質が抗体である、請求項1に記
    載のタンパク質の生産方法。
  8. 【請求項8】 前記抗体を、無細胞抽出液のままで活性
    測定を行い得る濃度で、活性型として無細胞抽出液中に
    得る、請求項7に記載のタンパク質の生産方法。
  9. 【請求項9】 前記分子間及び/又は分子内ジスルフィ
    ド結合を有するタンパク質が金属含有タンパク質であ
    る、請求項1に記載のタンパク質の生産方法。
  10. 【請求項10】 前記無細胞抽出液に対して、前記鋳型
    遺伝子と共に金属を含む機能単位を添加する、請求項9
    に記載のタンパク質の生産方法。
  11. 【請求項11】 前記金属含有タンパク質の少なくとも
    一部を、前記金属を含む機能単位が関与する特定の機能
    を示す活性型として得る、請求項10に記載のタンパク
    質の生産方法。
  12. 【請求項12】 前記金属を含む機能単位が金属錯体で
    ある、請求項10に記載のタンパク質の生産方法。
  13. 【請求項13】 前記金属錯体がヘミンである、請求項
    12に記載のタンパク質の生産方法。
  14. 【請求項14】 前記金属含有タンパク質がヘム含有酵
    素である、請求項9に記載のタンパク質の生産方法。
  15. 【請求項15】 前記ヘム含有酵素がペルオキシダーゼ
    である、請求項14に記載のタンパク質の生産方法。
  16. 【請求項16】 前記金属含有タンパク質を、無細胞抽
    出液のままで活性測定を行い得る濃度で、活性型として
    無細胞抽出液中に得る、請求項9に記載のタンパク質の
    生産方法。
  17. 【請求項17】 前記無細胞抽出液が大腸菌に由来する
    ものである、請求項1に記載のタンパク質の生産方法。
  18. 【請求項18】 分子間及び/又は分子内ジスルフィド
    結合を有する任意の種類のタンパク質をコードする核酸
    の塩基配列に対して特定の又はランダムな塩基配列の変
    更を加えてなる鋳型遺伝子を無細胞抽出液に添加するプ
    ロセスと、この無細胞抽出液を用いて鋳型遺伝子により
    コードされたタンパク質を生産するプロセスと、 生産されたタンパク質を活性の測定によりスクリーニン
    グするプロセスと、を含むタンパク質のスクリーニング
    方法。
  19. 【請求項19】 機能の発現に特定のパターンの分子間
    及び/又は分子内ジスルフィド結合の形成を必要とし、
    該機能の少なくとも一部が未知である任意のタンパク質
    をコードする鋳型遺伝子を無細胞抽出液に添加するプロ
    セスと、 この無細胞抽出液を用いて鋳型遺伝子によりコードされ
    たタンパク質を生産するプロセスと、 生産されたタンパク質の機能の試験により該タンパク質
    の未知の機能を検索するプロセスと、を含むタンパク質
    の機能検索方法。
  20. 【請求項20】 前記タンパク質が、任意の機能を有す
    るタンパク質複合体のサブユニットを構成するタンパク
    質である、請求項19に記載のタンパク質の機能検索方
    法。
  21. 【請求項21】 前記タンパク質複合体が抗体である、
    請求項20に記載のタンパク質の機能検索方法。
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