JP2003116019A - 速度変調装置 - Google Patents

速度変調装置

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JP2003116019A JP2001308807A JP2001308807A JP2003116019A JP 2003116019 A JP2003116019 A JP 2003116019A JP 2001308807 A JP2001308807 A JP 2001308807A JP 2001308807 A JP2001308807 A JP 2001308807A JP 2003116019 A JP2003116019 A JP 2003116019A
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modulation coil
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    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/56Correction of beam optics
    • H01J2229/568Correction of beam optics using supplementary correction devices
    • H01J2229/5681Correction of beam optics using supplementary correction devices magnetic
    • H01J2229/5687Auxiliary coils
    • H01J2229/5688Velocity modulation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受像管を用いたテレビジョン受像機に映出さ
れた画像の輪郭を、強調するための速度変調装置におい
て、組み立て工数および位置調整の手間を軽減すると共
に速度変調の効果を十分に得る。 【解決手段】 磁界発生部100は、2つの速度変調コ
イル101、102と、2つの強磁性体111、112
とからなり、速度変調コイルと強磁性体とは対になって
いる。第1の速度変調コイル101と第1の強磁性体1
11および第2の速度変調コイル102と第2の強磁性
体112は、電子銃において主レンズ部を形成している
集束電極G3と陽極電極G4の隙間に対応して、ネック
部3外面の垂直走査方向に対向配置されている。なお、
第2の強磁性体112は第1の速度変調コイル101の
中心近傍に配置され、第1の強磁性体111は第2の速
度変調コイル102の中心近傍に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像信号を処理
し、受像管において画像の輪郭を強調して表示するため
の速度変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ受像機などにおいて、その
大型化に伴なって、さらなる高画質化が求められてきて
いる。そのための一手法として、画像の輪郭を強調して
画質を鮮鋭化するために速度変調コイルを装着した受像
管が考案されている。速度変調コイルは、電子ビームの
垂直走査方向に磁界を形成し、電子ビームの水平走査方
向の走査速度を変化させて、画像の輪郭の強調を行うも
のである。
【0003】このような速度変調コイルを装着したカラ
ー受像管装置として、特開平6−283113号公報に
は、速度変調コイルにより発生される磁界を強化するた
めに磁性体を用いた装置が開示されている。これは、受
像管のネック部にある電子銃の電子ビームの出射位置付
近に磁性体を配置し、その位置に対応してネック部外面
の上下に2つの速度変調コイルをそれぞれ装着したもの
である。これにより、速度変調コイルにより発生する磁
束が、磁性体を設けた電子ビームの出射位置付近に集中
するので、速度変調の効率を向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような速度変調装置において、磁性体が受像管のネック
部内部にある電子銃に配置されているので、速度変調コ
イルと磁性体との微妙な位置調整が困難であり、時とし
て、速度変調コイルに発生する磁束を効率よく電子ビー
ムに集中させることが難しいという課題があった。ま
た、磁性体を電子銃内に配設するため、細かな作業が必
要となって組み立て工数が増えると共に、取付け用治具
を含めた部品点数も多くなる傾向にあり、コスト高は避
けられなかった。
【0005】したがって、上述の特開平6−28311
3号公報記載の技術によらず、速度変調コイルにより発
生される磁界を強化する必要がある。しかしながら、速
度変調コイルにより発生される磁界強度を強くするため
に、速度変調コイルの巻数を増やした場合は、コイルの
インダクタンスが高くなるため、コイルに印加する速度
変調信号の電圧値を高くする必要がある。また、速度変
調コイルの巻数を変えない場合でも、速度変調コイルに
流れる電流を増やすためには、やはり、速度変調コイル
に印加する速度変調信号の電圧値を高くしなくてはなら
ない。ところが、速度変調信号を増幅するトランジスタ
には、その電圧利得Gと周波数帯域Bとの積であるGB
積が一定という原則があるため、速度変調信号の電圧値
を高くする、すなわち、利得を上げようとすると、出力
される信号の周波数帯域が狭くなってしまうという問題
がある。このため、従来の速度変調装置における周波数
帯域は、実用的には4MHz程度が限界となっていた。
【0006】従来のテレビ放送、例えばNTSC方式の
場合、画質の鮮鋭化を図るための速度変調における周波
数帯域の目安は一般に約3MHzであるため、上記のよ
うな従来の速度変調装置の周波数帯域であっても特に問
題は生じていなかったが、このような従来の速度変調装
置では、映像信号周波数帯域が20〜30MHzにもな
るハイビジョン放送等で表示される高精細の画像に対し
て画像鮮鋭化を施すことはできない。このため、このよ
うな高(広)周波数の画像信号に対しても十分な速度変
調効果を発揮し、表示画像の鮮鋭化をすることができる
速度変調装置が求められていた。
【0007】本発明は、上述のような問題に鑑みてなさ
れたものであって、受像管の大型化、高精細化などに対
応できる速度変調の効果を得られると共に、磁性体と速
度変調コイルとの位置調整が容易で、かつ、低コストの
速度変調装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る速度変調装置は、水平走査方向の走査
速度を変調することにより、受像管に表示される画像の
輪郭を強調する速度変調装置であって、速度変調信号に
応じた電流が通じられて磁界を発生する速度変調コイル
と、前記磁界の磁束密度を高める強磁性体とが、磁界作
用所要位置の電子ビームを挟んで、前記受像管のネック
部の外面に対向配置されていることを特徴としている。
【0009】このように速度変調コイルと強磁性体と
を、磁界作用所要位置の電子ビームを挟んで対向配置す
ることにより、電子ビームに磁束を集中して作用させる
ことができ、十分な速度変調の効果が得られる。しか
も、当該速度変調コイルと強磁性体が受像管のネック部
の外面に対向配置されているので、電子銃内に磁性体を
設ける必要がなく、組み立て工数を低減できると共に、
速度変調コイルと磁性体との微妙な位置調整を容易にす
ることができる。
【0010】ここで、対向配置された前記速度変調コイ
ルと強磁性体は1対のみでもよく、また2対あってもよ
い。1対だけの場合は、より部品点数を少なくしながら
も、速度変調の効果を得られる。また、2対備わってい
る場合は、第1の速度変調コイルの内側に第2の強磁性
体が配置され、第2の速度変調コイルの内側に第1の強
磁性体が配置されるのが望ましく、これにより、2個の
速度変調コイルにより発生される磁束を特定箇所に効率
的に集中させることができ、より優れた画像鮮鋭化の効
果を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る速度変調装置
の実施の形態を、カラー受像管に適用した場合を例にし
て説明する。 (第1の実施の形態) <全体構成>図1は、カラー受像管装置1の全体構成を
説明するための概略半断面図である。
【0012】同図に示すように、カラー受像管装置1
は、カラー受像管2と、偏向ヨーク9と、速度変調装置
10と、駆動回路11とからなる。カラー受像管2は、
ファンネル部4と、ネック部3と、フェースパネル部5
とから形成されるガラスバルブ内に、内部磁気シールド
8、およびインライン型電子銃(以下、単に「電子銃」
と言う。)30などが配置されて構成される。
【0013】フェースパネル部5の内面には、赤、緑、
青の各蛍光体が所定位置に塗布された蛍光面6を備え、
これに対向して、多数の電子ビーム通過孔の形成された
シャドウマスク7が配置されている。内部磁気シールド
8は、ファンネル部4の内側に備えられており、地磁気
を含む外部磁気が各電子ビーム30B、30G、30R
に与える影響を低減するためのもので、電子銃30から
放出されて垂直方向および水平方向に偏向される各電子
ビーム30B、30G、30Rを取り囲むように、蛍光
面6側に広がる中空の略多角錐(例えば4角錐)の頂点
を含む部分を切除したような形状をしている。
【0014】電子銃30は、3個のヒータによりそれぞ
れ加熱される3個のカソードK(図4参照)、このカソ
ードKから順次蛍光面6方向の同一軸上に所定間隔離間
して配置された制御電極G1、加速電極G2、集束電極
G3、陽極電極G4、およびその陽極電極G4に取り付
けられたシールドカップSCなどからなり、ネック部3
の内側に備えられている。また、電子銃30は、集束電
極G3と陽極電極G4の間に形成される主レンズ部によ
り、各電子ビーム30B、30G、30Rが蛍光面6上
で集束するように構成されている。
【0015】偏向ヨーク9は、電子銃30から放出され
る電子ビーム30B、30G、30Rを蛍光面6の左上
端から右下端までの略全面に亘ってラスタスキャン方式
で走査するもので、水平偏向コイルと垂直偏向コイルと
からなり、ファンネル部4とネック部3との境界部の外
側に配置されている。駆動回路11は、カラー受像管2
に設けられた陽極端子12、電子銃30の各電極G1〜
G4などに所定の電圧を印加すると共に、偏向ヨーク9
などを駆動する。
【0016】速度変調装置10は、磁界発生部100
(図4参照)と、速度変調磁界を発生させるために、磁
界発生部100に印加される電流波形を生成する速度変
調駆動回路20とからなる。磁界発生部100は、速度
変調コイルと強磁性体とからなり、速度変調コイルによ
って発生される磁界を各電子ビーム30B、30G、3
0Rに作用させて、水平走査速度を変調し、画像の輪郭
を明確にするためのもので、図1および図4に示すよう
に、偏向ヨーク9より後方のネック部3の外側の上下に
配置されている。なお、磁界発生部100の構成につい
ての詳細は後述する。
【0017】速度変調駆動回路20は、図2に示すよう
に、微分増幅部21と、波形整形部22と、微分増幅部
23と、増幅出力部24とからなる。入力端子71に映
像信号が入力されると、映像信号は微分、増幅されて速
度変調コイル信号に変換され、この信号が磁界発生部1
00に送られる。これにより、電子ビームは走査速度の
制御を受けつつ、偏向ヨーク9によって適宜偏向されて
蛍光面6に照射され、映像映出に供される。
【0018】この速度変調駆動回路20と磁界発生部1
00における信号波形例を図3に示す。図3(a)に示
す映像信号の輝度変化を示す波形を、速度変調駆動回路
20により微分すると共に増幅し、輝度変化の立ち上が
り部および立ち下がり部にピーク値AおよびBをもつ波
形(図3(b))に示す信号が得られる。この信号を速
度変調コイルに電流を流すと、偏向ヨーク9と磁界発生
部100の合成磁界により図3(c)のように右上がり
の波形変化を起こす。ここで、水平偏向される電子ビー
ムの走査速度は、上記合成磁界の変化を微分して表さ
れ、図3(d)のような急峻なカーブの波形となる。こ
れにより、走査速度の速いところ(上向きピークC、
F)では、電子ビームの照射量が少ないため輝度が低く
なり、逆に、走査速度の遅いところ(下向きピークD、
E)では、電子ビームの照射量が多いため輝度が高くな
るので、図3(e)のように輪郭が強調された映像信号
の輝度変化の波形が得られる。
【0019】<磁界発生部の構成>図4は、磁界発生部
100を備えた受像管のネック部3の拡大概略斜視図で
ある。同図に示すようにネック部3の内部には、電子銃
30が配設されると共に、ネック部3の外周面には、磁
界発生部100が設けられている。なお、電子銃30の
各電極G1〜G4は、実際には、例えば、平板に3つの
電子ビーム通過孔が形成されたものや筒状の電極の端面
に3つの電子ビーム通過孔が形成されたものなどが用い
られるが、本図では、説明の便宜上、各電極を3つの円
筒形を横に並べることにより模式的に示している(以下
の図面についても同様である。)。
【0020】図4に示すように、磁界発生部100は、
2つの速度変調コイル101、102と、2つの強磁性
体111、112とからなり、対向する速度変調コイル
と強磁性体とがそれぞれ対をなしている。第1の速度変
調コイル101と第1の強磁性体111および第2の速
度変調コイル102と第2の強磁性体112は、電子銃
30において主レンズ部を形成している集束電極G3と
陽極電極G4の隙間に対応して、ネック部3外面に図示
のように対向配置されている。対向方向は、垂直走査方
向と並行している。なお、第2の強磁性体112は、第
1の速度変調コイル101の中心近傍に配置され、第1
の強磁性体111は、第2の速度変調コイル102の中
心近傍に配置される。
【0021】強磁性体111、112は、例えば、横1
5mm、縦5mm、厚み0.2mmの直方体形状のもの
で、材料はフェライトを使用しており、耐熱テープなど
でネック部3に取着されている。速度変調コイル10
1、102は、例えば、線径φ0.2mmを用いて、タ
ーン数6T、巻き束の径3mmで、横40mm、縦25
mmになるように、耐熱用接着剤などでネック部3に装
着されている。
【0022】図5は、磁界発生部100の作用を示す模
式図である。同図に示すように、速度変調コイル10
1、102により発生する磁束が、強磁性体111、1
12に集まるため、強磁性体111、112における磁
束密度が高くなる。強磁性体111、112は電子銃を
挟んでネック部3に配置されているので、電子銃の集束
電極G3から陽極電極G4における磁束密度も高くなっ
ている。これにより、各電子ビーム30B、30G、3
0Rに磁束を集中させることができ、速度変調の効率が
向上する。
【0023】本発明の速度変調装置による磁束集中の効
果を測定するために、カラー受像管に一般的評価信号で
あるクロスハッチパターン(格子パターン)を表示し、
上記第1の実施の形態の速度変調装置(実施例)と、上
記実施例から第1および第2の強磁性体のみを除去し、
他の条件は実施例と全く同じとしたもの(比較例)で
の、画像鮮鋭化の比較を行った。
【0024】測定点は、速度変調コイルの効果が最も現
れにくいとされる画面中央を選んだが、その結果、上記
クロスハッチパターンの縦線を構成する蛍光体ドットの
幅が、比較例では3ドット以上であったのに対し、本発
明の実施例では、2.5ドット以下と、約20%の表示
画面の鮮鋭化が確認できた。なお、この磁束集中レベル
は、従来技術として指摘した電子銃先端部に磁性体を設
けるという、特開平6−283113号公報記載のもの
と同等レベルであった。
【0025】この結果から、本実施の形態では、従来技
術のような電子銃先端部に磁性体を設けるといった複雑
な構成を要さずに、速度変調に寄与する磁束の集中が行
われていることが確認できた。次に、本発明の実施の形
態の速度変調装置における周波数特性について確認し
た。 図6は、磁界発生部100を適用した速度変調装
置の周波数特性を示す図である。
【0026】同図は、横軸に映像信号の輝度の変化を示
す周波数、縦軸に信号電圧増幅度を示している。本実験
では、信号電圧が半減した時のデシベル値(−6dB)
を判断基準としている。図6より、−6dBになった時
の速度変調信号の周波数帯域は5.5MHzであった。
このことから、本発明の第1の実施の形態にかかる速度
変調装置は、従来の速度変調装置の周波数帯域である4
MHzを超えており、ハイビジョン放送やデジタルハイ
ビジョン放送等の高解像度が要求されるテレビ受像機に
おいてもその表示画像を鮮鋭化できる速度変調装置であ
ることがわかった。 (第2の実施の形態)第2の実施の形態は、上記第1の
実施の形態での磁界発生部100が2つの速度変調コイ
ルと2つの強磁性体で構成されていたのに対し、図7に
示すように、一対の速度変調コイル201と強磁性体2
11とからなる点が異なる。なお、速度変調コイル20
1と強磁性体211の形状および材料は、第1の実施の
形態と同様である。
【0027】図8に示すように、速度変調コイル201
に発生する磁束は強磁性体211に集まり、強磁性体2
11に近づくに連れて磁束密度が高くなる。これによ
り、ネック部3の外面にある速度変調コイル201部分
の磁束密度よりも、ネック部3内の電子銃の集束電極G
3から陽極電極G4における磁束密度の方が高くなり、
各電子ビーム30B、30G、30Rに磁束を集中して
作用させることができる。
【0028】図6のグラフにおける破線部は、磁界発生
部200を適用した速度変調装置の周波数特性を示して
いる。同図より、−6dBになった時の速度変調信号の
周波数帯域は4.7MHzとなり、磁界発生部100を
適用した場合よりも低下するが、従来の速度変調装置の
周波数帯域である4MHzを超えており、ハイビジョン
放送等で表示されるきめ細かな画像に対しても画像鮮鋭
化を施すことができる速度変調装置であることがわかっ
た。
【0029】磁界発生部200は、一対の速度変調コイ
ル201と強磁性体211で構成されるため、1つの速
度変調コイル201にのみ電流、電圧をかければよいの
で節電効果にもつながる。 (変形例)以上、本発明に係る速度変調装置を実施の形
態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上述の実施
の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変
形例を実施することもできる。
【0030】(1)上記実施の形態において、強磁性体
は、横15mm、縦5mm、厚み0.2mmの直方体形
状のもので、速度変調コイルは、線径φ0.2mmを用
いて、ターン数6T、巻き束の径3mmで、横40m
m、縦25mmになるように形成したが、速度変調コイ
ルに発生する磁束を強磁性体に集中させることにより、
磁束密度を高めているので、強磁性体が速度変調コイル
の内側よりも小さければよい。特に、上述した速度変調
コイルの形状に対して、強磁性体が、電子銃の集束電極
G3と陽極電極G4の隙間とほぼ同等の大きさであれ
ば、その隙間における磁束密度が高くなり、速度変調の
効率も向上する。
【0031】また、強磁性体の材料としてフェライトを
使用しているが、速度変調コイルにより発生する磁束を
集めて磁束密度を高める磁性体であれば、特に限定され
るものではない。 (2)上記実施の形態において、速度変調コイルと強磁
性体は、電子銃30の集束電極G3と陽極電極G4の隙
間に対応して、ネック部3外面の垂直走査方向に対向配
置されているが、電子銃30において、電子ビームに速
度変調磁界の作用を与えることができる位置に対応して
配置されていれば、速度変調の効果は得られる。
【0032】(3)上記第2の実施の形態において、垂
直走査方向の上から下に向って磁界が形成されるように
速度変調コイル201に電流を流しているが、逆に下か
ら上に向って磁界が形成されるように速度変調コイル2
01に電流を流しても、強磁性体211に近づくに連れ
て磁束密度は高くなるので、各電子ビームに磁束を集中
して作用させることができる。これにより、速度変調コ
イル201と強磁性体211が対向してさえいれば、両
者のネック部3外面における上下の位置が逆になっても
かまわない。
【0033】(4)また、上記第1の実施の形態におい
て、磁界発生部は2対の速度変調コイルと強磁性体によ
って構成されているが、いずれかの対の速度変調コイル
もしくは強磁性体がなくてもよい。このような構成で
は、第1の実施の形態よりも、電子ビームに作用する速
度変調磁界の磁束密度は低下するが、一対の速度変調コ
イルと強磁性体によって構成される磁界発生部200よ
りは、ネック部3内部における磁束密度が高まるので、
これよりも速度変調の効果を高めることができる。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る速
度変調装置によれば、速度変調信号に応じた電流が通じ
られて磁界を発生する速度変調コイルと、前記磁界の磁
束密度を高める強磁性体とが、磁界作用所要位置の電子
ビームを挟んで、前記受像管のネック部の外面に対向配
置されるので、電子ビームに磁束を集中して作用させる
ことができ、受像管の大型化、高精細化などにも対応で
きる速度変調の効果が得られる上に、従来はネック部の
内側にある電子銃に磁性体が配置されていたために、速
度変調コイルと磁性体との微妙な位置調整が困難であっ
たのを容易にすることができる。
【0035】また、カラー受像管において、従来では電
子銃内に磁性体を設けているため、組み立て作業が困難
であり、部品点数が多くなる傾向にあったが、ネック部
の外面に配置することで、組み立て工数も低減され、部
品点数も少なくなり、コスト削減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカラー受像
管装置の全体構成を示す概略半断側面図である。
【図2】上記カラー受像管装置の速度変調装置における
速度変調駆動回路の構成図である。
【図3】上記速度変調駆動回路における信号波形を示す
図である。
【図4】上記速度変調装置における磁界発生部の概略斜
視図である。
【図5】上記磁界発生部の作用を示す模式図である。
【図6】本発明の第1および第2の実施の形態に係る速
度変調装置の周波数特性を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る磁界発生部の概略斜視
図である。
【図8】第2の実施の形態に係る磁界発生部の作用を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 カラー受像管装置 3 ネック部 9 偏向ヨーク 10 速度変調装置 20 速度変調駆動回路 30 電子銃 100、200 磁界発生部 101、102、201 速度変調コイル 111、112,211 強磁性体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平走査方向の走査速度を変調すること
    により、受像管に表示される画像の輪郭を強調する速度
    変調装置であって、 速度変調信号に応じた電流が通じられて磁界を発生する
    速度変調コイルと、前記磁界の磁束密度を高める強磁性
    体とが、磁界作用所要位置の電子ビームを挟んで、前記
    受像管のネック部の外面に対向配置されていることを特
    徴とする速度変調装置。
  2. 【請求項2】 前記速度変調コイルと強磁性体とは一対
    備わっていることを特徴とする請求項1に記載の速度変
    調装置。
  3. 【請求項3】 2対の速度変調コイルと強磁性体を備
    え、第1の速度変調コイルの内側に第2の強磁性体が配
    置され、第2の速度変調コイルの内側に第1の強磁性体
    が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の速
    度変調装置。
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