JP2003115115A - 情報記録媒体及びそのクロック生成方法及び装置 - Google Patents

情報記録媒体及びそのクロック生成方法及び装置

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JP2003115115A
JP2003115115A JP2001305455A JP2001305455A JP2003115115A JP 2003115115 A JP2003115115 A JP 2003115115A JP 2001305455 A JP2001305455 A JP 2001305455A JP 2001305455 A JP2001305455 A JP 2001305455A JP 2003115115 A JP2003115115 A JP 2003115115A
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light
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diffracted light
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Koichi Iida
弘一 飯田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録媒体に関し、所定の間隔の溝を持つ
クロック生成部を設けることにより、セクタ内のVFO
部をなくし、記録容量の向上を図ることを課題とする。 【解決手段】 ユーザ情報が記録される領域とは異なる
領域に、複数個の凹部及び凸部が一定周期で交互に形成
され、かつ垂直入射した光を反射した場合に±m次回折
光(m=0,1,2,…)を生成するクロック生成パタ
ーンが形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報記録媒体に
関し、特に、記録・再生のタイミング基準となるクロッ
クを生成するパターンを有する情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光磁気ディスク(MO)などの光
情報記録媒体は、ユーザの情報を記録する情報記録領域
と共に、ユーザの情報を記録再生するために必要となる
クロック情報が記録されたクロック領域とを備えてい
る。CD−ROMやMOなどでは、同心円状又は螺旋状
のトラックをいくつかに分割したセクタ単位でユーザの
情報が記録されるが、一般に各セクタ内はクロック領域
と情報記録領域の2つの領域に分けられる。
【0003】図14に、従来の光磁気ディスクの5X媒
体(記録容量640MByte)のセクタの構成図を示
す。ここで、1つのセクタは、クロック生成等に必要な
情報を記録したエンボス部100と、ユーザの情報を記
録したユーザデータ部200から構成される。
【0004】エンボス部100は、ID部またはプリフ
ォーマットヘッダとも呼ばれ、エンボスピットで形成さ
れる。ユーザデータ部200は、案内溝(グルーブ)お
よびその案内溝で挟まれた部分(ランド)で形成され
る。また、エンボス部100は、図14(b)に示すよ
うに、一般にセクタマーク(SM)、VFO1、アドレ
スマーク(AM)、ID1、VFO2、アドレスマーク
(AM)、ID2、ポストアンブル(PA)で構成さ
れ、それぞれ図に示すようなバイト数で構成され、エン
ボス部全体で63バイトを占めている。
【0005】ユーザデータ部200は、一般に図14
(c)に示すように、Gap、VFO3、Sync、D
ataフィールド、PA、Bufferの各領域から構
成される。
【0006】ここで、エンボス部100の中のVFO1
及びVFO2の部分は、エンボスが単一周期で並んだも
のであり、ここに照射された光の反射光量の強弱を検出
し、これを電気信号に変換することによって、ID認識
及びユーザデータを記録・再生するための基準となるク
ロックが生成される。VFO部(VFO1,VFO2)
のマーク長は、5X媒体まではユーザデータ部200の
Dataフィールドに記録される最短記録マーク長と同
等であるが、10X媒体(1.3GByte)では、最
短記録マーク長の2倍となっており、IDマーク長もす
べて2倍となっている。
【0007】これは、10X媒体では、いわゆる磁気超
解像再生を行うためにユーザデータの最短記録マーク長
では光の解像限界を超えることになり、VFO部のエン
ボスピットを、ユーザデータ部200の最短記録マーク
と同じ長さとしたのでは、隣接するマーク間の干渉が起
こり、クロック生成に必要な信号を取得することができ
ないからである。
【0008】一般に、1セクタのバイト数は、図14に
示した5X媒体では2584バイトであるが、10X媒
体では2667バイトである。増加原因はIDのマーク
長が最短記録マークの2倍となったためである。また、
5X媒体では、エンボス部100の全体63バイトのう
ち、VFO部は42バイトであり、エンボス部100の
うち60%以上を占める。これは10X媒体でも同様で
ある。しかし、1セクタ当たりのエンボス部のVFOの
占める割合は、5X媒体で1.6%程度であったのに対
し10X媒体で3.1%程度と増加している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近では、記録媒体の
高密度化を図る技術がいくつか開発されているが、たと
えば、従来と同じ光ビームサイズの光を照射しても、短
いマークを再生することのできる磁気超解像再生法や、
それより短いマークを再生することのできるDWDD
(Domain Wall Displacement Detection)、MAMMO
S(Magnetic Amplifying Magneto Optical System)法
が利用されつつある。
【0010】このように、光の解像限界を超える再生方
式では、ID部のマーク長を最短記録マーク長よりも長
くする必要があるため、1セクタのバイト数が5X媒体
よりもかなり増加し、かつ再生できる記録マーク長が短
くなるほど1セクタあたりに占めるエンボス部の割合が
さらに大きくなる。すなわち、さらに高密度化を望む場
合に、図14に示すような現在用いられているセクタ構
成では、ユーザデータ部200以外の情報を記録する領
域が増加することになるので、高密度化にとって好まし
いとは言えない。
【0011】一方、ASMO(Advanced Storage Magne
to Optical)では、クロック生成用のクロックマークを
ユーザデータ部200の領域に取り入れて、エンボス部
100の領域が増加するのを防止しているが、1セクタ
内にこのクロックマークを複数個(1セクタの中で2%
程度占める)配置しなければならず、クロック生成のた
めの情報が1セクタに占める割合を、減少させることは
できない。
【0012】そこで、この発明は以上のような事情を考
慮してなされたものであり、クロックを生成するための
パターンの配置を工夫して、1セクタあたりのエンボス
部の占める割合を減らし、記録密度の高密度化を図るこ
とのできる情報記録媒体を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、ユーザ情報
が記録される領域とは異なる領域に、複数個の凹部及び
凸部が一定周期で交互に形成され、かつ垂直入射した光
を反射した場合に±m次回折光(m=0,1,2,…)
を生成するクロック生成パターンが形成されていること
を特徴とする情報記録媒体を提供するものである。これ
によれば、ユーザデータの記録領域であるセクタ内のエ
ンボス部にクロック生成のための情報を備える必要はな
いので、1セクタ当たりのエンボス部の占める割合を減
らし、媒体の記録密度を高めることができる。
【0014】ここで、±m次回折光を生成するために、
前記クロック生成パターンは、一定間隔の複数本の溝か
らなり、この溝の間隔が入射光の波長よりも長く、入射
光のスポットサイズよりも短くすることが好ましい。
【0015】また、ユーザ情報が記録される領域が複数
のゾーンに分割されている場合、前記クロック生成パタ
ーンが各ゾーンごとに異なるクロックを生成するための
複数のパターンからなり、各クロック生成パターンの凹
部及び凸部の周期が各ゾーンのユーザ情報を記録再生す
るための基本クロックの所定の有理数倍に設定されるよ
うにする。これによれば、ゾーン分割された媒体でも記
録密度を高めることができる。
【0016】また、この発明は、前記したような情報記
録媒体に光を照射する光源と、前記請求項1の情報記録
媒体に光を照射する光源と、前記±m次回折光を検出す
る光検出器と、情報記録媒体の反射により生成された+
m次回折光と−m次回折光とを光検出器上で重ね合わせ
る反射部と、光検出器で重ね合わせられた±m次回折光
により生じるビートから得られた出力信号から、ユーザ
情報の記録再生用のクロック波形を生成する波形生成部
とを備えたクロック生成装置を提供するものである。
【0017】さらに、この発明は、情報が記録される領
域とは異なる領域に複数個の凹部及び凸部が一定周期で
交互に形成されたクロック生成部を有する情報記録媒体
に、光を照射し、クロック生成部からの反射により生成
された±m次回折光(m=0,±1,±2,…)が重ね
合わさるように光検出器で受光し、光検出器から+m次
回折光と−m次回折光の重ね合わせにより生じたビート
による信号を出力し、この出力信号の周波数を所定の有
理数倍した記録再生用クロック波形を生成することを特
徴とする情報記録媒体のクロック生成方法を提供するも
のである。
【0018】この明細書において、ユーザ情報とは、前
記したID部およびユーザデータ部の両方の情報をいう
ものとする。
【0019】クロック生成パターンが溝から構成される
場合、一定間隔で凹凸が形成されたいわゆる格子状のパ
ターンとなっているが、この格子状パターンに光が入射
すると、回折現象により所定の角度を持つ複数の回折光
が反射光として生成される。回折光は、入射光に対する
反射角の異なる複数の光線からなるが、一般に、反射角
の大きさによって分類され、±m次の回折光と呼ばれ
る。+m次の回折光と−m次の回折光とは、入射光に対
して方向が異なるが同じ反射角θmを持つ。ここでm
は、0,±1,±2……である。
【0020】この発明のクロック生成装置を構成する光
源は干渉性の高い光を発生するレーザダイオード(L
D)を用い、光検出器はフォトダイオード(PD)を用
いることができ、反射部は、ミラーを用いることができ
る。反射部は、別々に設けられた+m次回折光を反射す
るミラーと、−m次回折光を反射するミラーとから構成
できる。上記の光学系にはレンズを用いる必要はなく、
該光学系を小型化できる。ミラーによって反射された+
m次回折光と−m次回折光が、光検出部の表面の同じ検
出領域に照射され、かついわゆるビートが生じるよう
に、2つのミラーが配置される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。
【0022】<実施例1>図1に、この発明の情報記録
媒体の一実施例の概略平面図を示す。ここで、情報記録
媒体10は、MO,CD−R,CD−RW,DVDなど
と同様に、円盤状のものを示す。ただし、形状はこのよ
うな円形に限るものではなく、光カードのように長方形
状などの媒体でもよい。
【0023】図1の情報記録媒体10(以下、ディスク
と呼ぶ)では、内周部分にクロック生成部11を設け、
その外周部分にユーザデータ領域12を設けている。た
とえば、ディスク10の直径を86mmとすると、クロ
ック生成部11の直径を38mm、幅を2mm程度、ユ
ーザデータ部12の幅を19mm程度とする。
【0024】クロック生成部11には、ディスク10の
中心を起点とし半径方向に広がるように、放射状に一定
間隔で溝13が形成されている。なお、この溝に代え
て、ディスク半径方向に並んだピット列でもよい。図2
に、この発明のクロック生成部11の溝13の概略断面
図を示す。図3に、この発明のクロック生成部11の部
分拡大平面図を示す。後述するように、このような溝1
3が形成されたクロック生成部11に光ビームを照射す
ることにより、記録再生用のクロックが生成される。な
お、溝13の幅Wは回折光の光量を強くして、検出感度
を高めるために、ピッチPの半分程度が好ましい。
【0025】この発明のディスク10では、クロック生
成部11でクロックが生成されるため、従来のようなV
FO部は必要ないので、エンボス部のバイト数を減らす
ことができる。
【0026】図4に、この発明のディスクのユーザデー
タ領域12のセクタ構成図を示す。このように、VFO
部がないので、エンボス部100のバイト数は21バイ
トであり、1セクタの全バイト数を2515バイトとす
ると、エンボス部100の1セクタ当たりに占める割合
は0.8%程度にまで減らすことができる。
【0027】図5及び図6に、この発明の2つの光学ヘ
ッドの位置の説明図を示す。図5は、ユーザデータを記
録または再生するときの、ユーザデータ記録再生用ヘッ
ド14と、クロック生成用ヘッド15の位置の平面図を
示している。
【0028】ユーザデータ記録再生ヘッド14は、ユー
ザデータ領域12の直上にあり、光源LD14aから出
射された光をハーフミラー14b、落とし込みミラー1
4c及び対物レンズ14dを介して、ディスク10へ照
射させ、ディスク10からの戻り光を検出器PD14e
で検出するものである。
【0029】クロック生成用ヘッド15は、クロック生
成部11の直上にあって、後述するように2つのミラー
によって反射された回折光を重ね合わせた光を受光する
ことにより、クロック生成用の信号を生成するものであ
る。ユーザデータ領域12とクロック生成部11とを、
ディスク10の同一表面上に形成する場合は、ユーザデ
ータ記録再生用ヘッド14とクロック生成用ヘッド15
とはディスクの表面に対して同一方向に配置されるが、
図6に示すような配置としてもよい。
【0030】図6は、光学ヘッドの位置をディスクの横
方向から見た概略断面図であるが、ユーザデータ記録再
生用ヘッド14と、クロック生成用ヘッド15とは、そ
れぞれディスクの反対側に配置されている。この場合、
ユーザデータ領域12とクロック生成部11とはディス
ク10のそれぞれ反対側の表面上に形成される。また、
媒体が光磁気ディスクの場合は、図6のような位置に、
磁気ヘッド20が配置される。
【0031】図7に、この発明のクロック生成用ヘッド
15の構成の模式的説明図を示す。ユーザデータ記録再
生用ヘッド14は、従来から光磁気媒体の記録再生装置
で用いられているのと同じ構成のヘッドを用いることが
できるが、クロック生成用ヘッド15は、図1等に示し
たクロック生成部11の溝13からの反射光を検出する
ために、光源LD16、ミラー17,18及び光検出器
19を備えている。図7において、LD16は、光ビー
ムを照射する光源であり、2つのミラー17,18は、
クロック生成部11から反射された±m次回折光をPD
19に集光させるものであり、PD19は、回折光の光
強度を電気信号に変換する光検出器である。
【0032】光源LD16から出射された平行光が、デ
ィスク10のクロック生成部に垂直入射される。ディス
ク10は、たとえば3600rpmの一定速度で回転さ
れるが、この回転中のクロック生成部11の溝13に平
行光が照射されると、±m次の回折光(m=0,±1,
±2,…)を生じる。またこの回折光には照射されたい
わゆるドップラーシフトが生じている。
【0033】+m次の回折光と、−m次の回折光の回折
方向が異なるので、たとえば−m次回折光をミラー17
で反射し、+m次回折光をミラー18で反射してPD1
9の同じ受光部に集光するようにする。これらドップラ
ーシフトが生じた回折光を重ね合わせることでいわゆる
ビートが生じる。このビートの周期は溝のピッチとディ
スクの回転数によって決まるものである。
【0034】溝13のピッチPと、±m次回折光の回折
角θmとは、一般に次式で表される。 sinθm=±mλ/P ここで、λは光ビームの波長である。
【0035】この式を変形すると、P=±(sinθ
m)/mλとなる。溝13に入射する光がクロック生成
部11で反射されて回折角θmのm次回折光を反射でき
るようにするためには、この式を満たすように溝13の
ピッチPを決定する必要がある。このためには、光ビー
ムがディスク10に垂直入射する場合は、溝13のピッ
チPは光の波長λより長く、入射光のビームスポットサ
イズよりも短いことが必要である。また、±m次回折光
の回折角θmは90度より小さいことが必要である。
【0036】ところで、クロック生成部11の溝13か
らの反射によって得られた±m次の反射回折光は、回折
によりドップラーシフトΔf=±rω(sinθm)/
λを受ける。ここでrは、光がディスク10に入射した
位置で、ディスク10の中心からの半径(mm)であり
(図6参照)、ωはディスク10の角速度である。ドッ
プラーシフトΔfの式に、前記したsinθmの式を代
入すると、Δf=mrω/Pと表わせる。
【0037】PD19の受光部において、+m次回折光
と−m次回折光とが重なり合うと、ドップラーシフトに
より、2Δf=2mrω/Pの周波数を持つビートが検
出され、図8(a)に示すような波形の電気信号23が
出力される。この電気信号23に対して、スライスレベ
ル24を設定し、波形の立ち上がりと立ち下がりを検出
することにより、図8(b)に示す矩形信号25が生成
される。この矩形信号25の生成は、PD19に接続さ
れる図示しない波形生成部により行われる。
【0038】この矩形信号25の周波数を有理数倍(た
とえば有理数nを50として、50倍)することによ
り、図8(C)のようなユーザデータを実際に記録再生
するための基本クロック26が、波形生成部の処理によ
って生成される。たとえば、m=1のとき、すなわち±
1次回折光を利用して基本クロック26を生成する場合
を考える。ユーザデータの記録再生のための基本クロッ
クの周波数Clを75MHzとし、ディスク10の回転
の角速度ωを3600rpm(60Hz)、クロック生
成用ヘッド15のクロック生成部での位置rを15mm
とする。上記有理数nは、ユーザデータの記録再生のた
めの基本クロックとそのクロック生成回路の性能(帯
域)、クロック生成部における回折光が出るような溝の
ピッチによって決定される数値である。そのためこれら
のスペックを満たすことができればnは自由に設計する
ことができる。
【0039】光検出器上で重ね合わせられた±m次回折
光により生ずるビートの周波数2Δfは、一般的に2Δ
f=基本クロックCl/nで表されるので、前記したド
ップラーシフトΔfの式との関係から、次式が成立す
る。 2Δf=基本クロックCl/n=2mrω/P よって、溝13のピッチPは、P=(2mrω)/(C
l/n)で表される。
【0040】この式に、前記したm=1、r=15(m
m)、ω=60(Hz)、Cl=75(MHz)、n=
50を代入すると、P=1.2μmとなる。また、前記
したように、sinθm=mλ/Pであるので、入射光
の波長λを650nmとすると、1次回折光の回折角
は、θm=sin-1(mλ/P)=32.8°となる。
【0041】以上より、ユーザデータの記録再生の基本
クロックの1/50倍の周波数を持つクロック26を生
成するためには、ディスク10のクロック生成部11の
溝13のピッチPを1.2μmとなるように、クロック
生成部11をディスク10に形成すればよいことがわか
る。
【0042】次に、ユーザデータを記録再生する場合の
各信号波形のタイミングについて説明する。図9に、こ
の発明の基本クロック及びユーザデータ等の信号波形の
タイミングの説明図を示す。図9において、(a)の信
号波形は、各セクタに記録されているエンボス部100
を、ユーザデータ記録再生用ヘッド14で読み出したも
のである。ここでエンボス部100は、図4(b)に示
したように構成されているが、SMからPAまでのID
情報が図9(a)のIDに相当する部分である。
【0043】この信号波形に対してスライスレベル27
を設定して2値化したものが矩形信号波形28(図9
(b))である。この2値化処理は、図5の検出部PD
14eに接続された検出信号処理部(図示なし)により
行われる。また、検出信号処理部では、セクタマークS
Mの立ち下がりを利用してIDリードゲート信号29
(図9(c))を生成し、さらにSMの立ち下がりから
ID領域の基本クロック数をカウントすることでユーザ
データ記録再生用ゲート信号30(図9(d))を生成
する。
【0044】図9(e)に示した基本クロック26は、
クロック生成用ヘッド15により検出された回折光をも
とに生成されるクロックであり、ユーザデータ記録再生
ヘッド14による光検出と同時に生成される。
【0045】検出信号処理部は、IDリードゲート信号
29がオンとなっている場合に、そのセクタのIDを読
み取り、IDの読み取りが終了すると、IDリードゲー
ト信号29をオフとすると同時に、ユーザデータ記録再
生用ゲート信号30をオンとすることにより、この後に
続くユーザデータ部200のデータの記録再生を行う。
【0046】以上のように、この発明では、クロック生
成部11からの回折光をもとに生成されたクロック26
を用いてユーザデータの記録再生が行われるが、ディス
ク10のセクタのエンボス部にはVFO部が不要となる
ので、記録密度の改善ができる。
【0047】図10に、従来の光磁気ディスクの記録容
量と、その1セクタ当たりのVFO部の占める割合
(%)との関係を示す。これによれば、VFO部の占め
る割合は、640Mバイトの5X媒体では約1.6%、
1.3Gバイトの10X媒体では約3%、2.3Gバイ
トの20X媒体では約5%であり、ディスクの記録容量
が増加すれば、1セクタ当たりのVFO部の占める割合
も増加し、ユーザデータ自体が占める記録量の割合が少
なくなるのがわかる。
【0048】一方、この発明の情報記録媒体では、図4
に示したようにエンボス部100にVFO部がないの
で、1セクタ当たりのVFO部の占める割合はいずれの
媒体でも0%であり、たとえば、5Gバイトの媒体であ
れば、従来のディスクよりも10%程度、ユーザデータ
自体の占める記録量を向上させることがができる。
【0049】前記した実施例では、m=1である±1次
回折光を使用してその重ね合わせによるビートからクロ
ックを生成したが、これに限るものではなく、mが2以
上の場合でも同様にしてクロックを生成できる。ただ
し、mの値が変わるので、回折角θmや溝13のピッチ
Pの数値が変化し、ミラー17,18の配置やディスク
のクロック生成部11の構造が異なる。
【0050】また、mの値が異なる回折光の組合せでも
よく、0次回折光と+1次回折光の組合せや、0次と+
2次、あるいは+1次と+2次の回折光などの組合せを
用いてもよい。
【0051】たとえば、0次回折光と+1次回折光を組
合わせてビートを発生させる場合、+1次回折光のみド
ップラーシフトΔfを受けるため、ビートの周波数はΔ
fとなる。ここで、前記した実施例と同様にユーザデー
タの基本クロックClを75MHz、クロック生成部1
1の光の照射位置をr=15mm、ディスク10の回転
数を3600rpm(60Hz)、n=100に設定す
る。
【0052】このとき、ビートの周波数=Δf=基本ク
ロックCl/n=rω/Pより、P=(rω)/(基本
クロックCl/n)=1.2μmとなる。
【0053】<実施例2>図11に、この発明の情報記
録媒体の実施例2の構成の概略平面図を示す。図1に示
した実施例1とは異なり、このディスク10はユーザデ
ータ領域12がいくつかのゾーンに分割されているもの
であり、各ゾーンごとに記録再生の基本クロックの周波
数が異なっている。たとえば、図11のように3分割し
たとすると、最内周のゾーンの基本クロック周波数を1
00MHz、真ん中のゾーンの基本クロック周波数を9
0MHz、最外周のゾーンの基本クロック周波数を80
MHzとする。
【0054】この実施例は3つの異なる基本クロックを
生成する必要があるが、この3つの基本クロックの周波
数の最小公倍数の1/nが、Δ2f=2mrω/Pとな
るように溝13のピッチPを選べばよい。ゾーンごとに
別々のピッチPを設定する必要はない。
【0055】たとえば、3つの周波数100、90、8
0MHzの最小公倍数は3600であり、クロック生成
部11の位置r=15mm、ディスク10の回転数を3
600rpm(60Hz)、n=3000と設定したと
すると、ディスク10のクロック生成部11の溝13の
ピッチPを1.5μmとすればよい。
【0056】このとき、生成されるクロック(図8のク
ロック26)の周波数は1.2MHzである。この生成
周波数1.2MHzのクロックを、250/3倍、75
倍、及び200/3倍すれば、それぞれ100MHz、
90MHz及び80MHzという各ゾーンごとのユーザ
データを記録再生する基本クロックが得られる。この実
施例の場合は、PD19に接続された波形生成部に、3
つの基本クロックを生成するための逓倍回路と分周回路
を備える必要がある。
【0057】<実施例3>実施例2では、ディスク10
のクロック生成部11の溝13のピッチPは1種類であ
り、PD19によって出力された信号を用いて波形生成
部で3つの基本クロックを生成したが、クロック生成部
11の溝13のピッチPを3種類設けて、この異なるピ
ッチPによって回折されたそれぞれの±m次の回折光を
用いて異なる3つの基本クロックを生成するようにして
もよい。
【0058】図12に、この発明の実施例3のディスク
10のクロック生成部の溝30の構成図の一実施例を示
す。この溝30は、3つのピッチP1、P2、P3を持つ
部分に分けられ、各ピッチは図11に示した各ゾーンに
対応するように決定される。
【0059】たとえば前記した実施例2のディスク10
と同じようにユーザデータ領域が3つのゾーンに分けら
れている場合で、内周から基本クロック80、90、1
00MHzを生成するためには、最内周ゾーンに対応す
る溝のピッチP1を0.90μm(クロック生成パター
ンを半径12mmに設置)、真ん中のゾーンに対応する
ピッチP2を1.00μm(クロック生成パターンを半
径15mmに設置)、最外周のゾーンに対応するピッチ
3を1.08μm(クロック生成パターンを18mm
に設置)とする。ここでnはすべて50とした。このピ
ッチも実施例1で示したように、ビートの周波数(2Δ
f)と基本クロック及びピッチとの関係式から決定する
ことができる。これによれば、ディスク10のクロック
生成部11に3種類のピッチを設ける必要があるが、実
施例2に示したような分周処理は必要ない。
【0060】次に、この発明のようなクロック生成部1
1を持つ情報記録媒体、特に光ディスクの製造工程につ
いて説明する。まず、ガラス原盤へ、フォトレジストの
塗布、露光、現像、電極膜の成膜、メッキという工程を
経て、光ディスク原盤のマスタ(スタンパー)を作成す
る。
【0061】次に、この光ディスク原盤のマスタに、光
硬化樹脂等の材料を塗布して、光ディスク原盤の表面形
状をディスク基板へ転写(フォトポリマ転写法(2P
法))したり、ポリカーボネートなどのプラスチック樹
脂を射出成形することで光ディスク原盤の表面形状が転
写されたディスクを作製する。この転写後のディスク基
板表面に、TbFeCo等の希土類−遷移金属材料から
なる記録膜及び反射膜を順にスパッタリング法によって
形成する。
【0062】図13に、この発明の情報記録媒体の溝を
形成するための露光装置の一実施例の構成図を示す。ス
ピンドルモータ40に結合されたスピンドルステージ4
1は、ガラス原盤42を設置し回転する台であり、変調
器45は、レーザダイオードLD49からの照射レーザ
光をON/OFFする装置である。変調器45から出射
されたレーザ光44はミラー48を介して対物レンズ4
3により集光される。
【0063】ロータリーエンコーダー46は、スピンド
ルステージ41に接続され、円周方向の位置(角度)に
対応する信号を出力するものであり、1周(360°)
で数千〜数十万に分割されているものがある。この出力
は分周回路及び逓倍回路47に与えられる。分周及び逓
倍回路47は、ロータリーエンコーダー46から与えら
れた信号をもとにレーザ光をON/OFFにするタイミ
ングのもととなる変調信号を生成し、変調器45に出力
する。
【0064】スピンドルステージ41にフォトレジスト
を塗布したガラス原盤42をのせ回転させた状態で、レ
ーザ光44を対物レンズ43で集光させて露光を行う。
このとき、レーザ光44をON/OFFにするタイミン
グと同期させて、対物レンズ43またはスピンドルステ
ージ41を、ガラス原盤42の半径方向に少しずつ移動
させながら露光する。
【0065】レーザ光を連続照射すると螺旋状に露光さ
れてしまうが、変調器45により所定のタイミングでレ
ーザ光44をON/OFFさせるので、図2に示すよう
な一定間隔の放射状の溝13に相当する部分の露光がで
きる。この露光の後、所定の現像処理をすることによ
り、溝13が形成できる。
【0066】たとえば、レーザ光の波長を351nm、
対物レンズのNAを0.9としたとき、半径方向の移動
量を0.15μm/sec程度とすれば、図2及び図3
に示すような溝13が形成できる。また、分周及び逓倍
の比を変化させることにより、図12に示すような間隔
の異なる溝30を形成することもできる。
【0067】
【発明の効果】この発明によれば、クロック生成用の領
域をユーザデータの記録領域とは別に設けることによ
り、従来の媒体のようなクロック生成のためのVSO部
をユーザデータの記録領域内のエンボス部に備える必要
はないので、1セクタ当たりのエンボス部の占める割合
を減少させることができ、情報記録媒体の記録密度を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の情報記録媒体の一実施例の概略平面
図である。
【図2】この発明の情報記録媒体のクロック生成部の溝
の概略断面図である。
【図3】この発明の情報記録媒体のクロック生成部の部
分拡大平面図である。
【図4】この発明の情報記録媒体のユーザデータ領域の
セクタの構成図である。
【図5】この発明の2つの光学ヘッドの位置の説明図で
ある。
【図6】この発明の2つの光学ヘッドの位置の説明図で
ある。
【図7】この発明のクロック生成用ヘッドの構成の説明
図である。
【図8】この発明のクロック生成部により生成されるク
ロックの説明図である。
【図9】この発明のクロック及びユーザデータ等の信号
波形のタイミングの説明図である。
【図10】従来の光磁気ディスクの記録容量とVFO部
の占める割合との関係の説明図である。
【図11】この発明の情報記録媒体の実施例2の構成の
概略平面図である。
【図12】この発明の情報記録媒体の実施例3のクロッ
ク生成部の溝の構成図である。
【図13】この発明の情報記録媒体の溝を形成するため
の露光装置の一実施例の構成図である。
【図14】従来の光磁気ディスクのセクタの構成図であ
る。
【符号の説明】
10 情報記録媒体 11 クロック生成部 12 ユーザデータ領域 13 溝 14 ユーザデータ記録再生用ヘッド 15 クロック生成用ヘッド 16 光源LD 17 ミラー 18 ミラー 19 光検出器PD 20 磁気ヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザ情報が記録される領域とは異なる
    領域に、複数個の凹部及び凸部が一定周期で交互に形成
    され、かつ垂直入射した光を反射した場合に±m次回折
    光(m=0,1,2,…)を生成するクロック生成パタ
    ーンが形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 ユーザ情報が記録される領域が複数のゾ
    ーンに分割されている場合、前記クロック生成パターン
    が各ゾーンごとに異なるクロックを生成するための複数
    のパターンからなり、各クロック生成パターンの凹部及
    び凸部の周期が各ゾーンのユーザ情報を記録再生するた
    めの基本クロックの所定の有理数倍に設定されることを
    特徴とする請求項1の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記請求項1の情報記録媒体に光を照射
    する光源と、前記±m次回折光を検出する光検出器と、
    情報記録媒体の反射により生成された+m次回折光と−
    m次回折光とを光検出器上で重ね合わせる反射部と、光
    検出器で重ね合わせられた±m次回折光により生じるビ
    ートから得られた出力信号から、ユーザ情報の記録再生
    用のクロック波形を生成する波形生成部とを備えたクロ
    ック生成装置。
  4. 【請求項4】 ユーザ情報が記録される領域とは異なる
    領域に複数個の凹部及び凸部が一定周期で交互に形成さ
    れたクロック生成部を有する情報記録媒体に、光を照射
    し、クロック生成部からの反射により生成された±m次
    回折光(m=0,±1,±2,…)が重ね合わさるよう
    に光検出器で受光し、光検出器から+m次回折光と−m
    次回折光の重ね合わせにより生じたビートによる信号を
    出力し、この出力信号の周波数を所定の有理数倍した記
    録再生用クロック波形を生成することを特徴とする情報
    記録媒体のクロック生成方法。
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