JP2003114288A - 電波修正時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイムコード入りの標準電波を受信する電子
時計において、現時実行中の受信状況の良し悪しを表示
させる機能を有するものがなく安定した受信環境を見つ
けだすことが困難であった。 【解決手段】 基準信号を出力する発振回路８と、基準
信号に基づき計時信号を出力する計時回路１０と、計時
信号をもとに時刻を表示する表示手段１１と、時刻情報
を含む標準電波を受信する受信回路２と、受信回路２か
らの受信信号に基づき計時回路１０を修正する電波修正
時計において、受信信号のエラー情報を判定する判別手
段４と、判別手段からのエラー情報を計数する計数手段
５を設け、計数手段５の出力に基づき受信状況を表示す
る表示手段１１とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は標準電波を受信する
電波修正時計に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ、イギリス、アメリカ、日本など
の国では、数１０ｋＨｚ程度の周波数を搬送波として時
刻情報を送信するいわゆる長波標準電波を送信してお
り、近年この標準電波を用いた電波修正時計が世に広ま
ってきている。長波標準電波は、データが２進法で送信
されている点以外、搬送波の周波数や、データの０、１
等を表すパルス波形等が国毎で異なっている。

【０００３】従来の電波修正時計として長波標準電波を
受信して時刻修正を行う電波修正機能付き時計が特開平
８−２０１５４６号公報に開示されている。同公報の図
１に示されるように、タイムコード受信手段９は計時手
段３から出力される受信動作信号Ｓ２６に基づく受信許
可信号Ｓ４２のタイミング制御を受けて一定時間毎に動
作し、定期的に標準電波を受信して時刻修正を行うもの
である。

【０００４】本明細書の図２は、日本の標準電波の送信
フォーマットを示したものである。時刻データの送信
は、1ｂｉｔ／秒で１分間を１フレームとしており、こ
のフレーム内に分・時・１月１日からの積算日、年下２
桁、曜等の情報が含まれている。

【０００５】また送信されるデータは０・１の他にＰコ
ードというマーカーが含まれており、各々の波形は本明
細書の図３に示すとおりである。このＰコードは１フレ
ームに数カ所あり、正分（０秒）、９秒、１９秒、２９
秒、３９秒、４９秒、５９秒に現れる。このＰコードが
続けて現れるのは１フレーム中１回で５９秒、０秒の時
だけで、この続けて現れる位置が正分位置となる。つま
り分・時データなどの時刻データはこの正分位置を基準
としてフレーム中の位置が決まっているためこの正分位
置の検出を行わないと時刻データを取り出すことはでき
ない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の電波時計では受
信が成功したか、失敗したかの表示があったが、これで
は受信状況の判断はできず、安定して受信が成功する環
境を見つけだすことが困難であった。また受信がしづら
い場所ではデータのエラーも多くなり、エラーが発生し
ない場合に対し、正確なデータを抽出する為に受信時間
が長くなり消費電力がより多く必要となる問題もある。
本願の目的は、受信しやすい環境を簡易的に見つける事
ができる電波修正時計を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基準信号を出力する発振回路と、当該基準
信号に基づき計時信号を出力する計時回路と、当該計時
信号をもとに時刻を表示する表示手段と、時刻情報を含
む標準電波を受信する受信回路と、当該受信回路からの
受信信号に基づき前記計時回路を修正する電波修正時計
において、前記受信信号のエラー情報を判定する判別手
段と、当該判別手段からのエラー情報を計数する計数手
段を設け、当該計数手段の出力に基づき受信状況を表示
する表示手段とを有することを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の一実施
形態を詳述する。図１は本発明の一実施形態を示すブロ
ック図である。本発明とは直接関係ないため図示しない
が、この実施例の時計機能には時計の針の初期位置合わ
せ機能があるものとする。

【０００９】それでは図１について説明する。１はアン
テナ、２は受信開始手段３により受信開始の命令が出さ
れたときにアンテナ１で受信した標準電波を増幅し、フ
ィルタ回路、整流回路、検波回路等の処理により復調を
行う受信回路、３は計時回路１０の内容により決められ
た時刻もしくはスイッチ手段（図示せず）により受信開
始命令が出されたときに受信回路を受信状態にする受信
開始手段、４は受信回路２から出力される復調波形をサ
ンプリングし０、１、Ｐ、エラーに判別する波形判別手
段、５は波形判別手段４から出力されるエラー情報を元
にエラーの種類を判別しエラー数を計数するエラー計数
手段、６は前記エラー計数手段５によるエラー情報を計
数する期間を設定・更新し、またこの期間内でカウント
されたエラー数によって受信の良し悪し（以降受信レベ
ルという）の表示を行うため表示手段１１に出力する制
御手段、７は波形判別手段から出力される受信データを
デコードしデコード終了時に受信開始手段４に受信終了
信号を出力するデコード回路、８は発振回路、９は分周
回路、１０は計時回路、１１は表示手段である。以上が
本発明の一実施形態の構成である。

【００１０】それでは図１を用いて動作の説明する。こ
こでは受信レベルはＨｉ（良い）、Ｍｉｄ（ややエラー
あり）、Ｌｏｗ（悪い）の３段階とし、また制御回路６
内にあるエラー情報を計数する期間は１分間とする。ま
たエラーは図４（ａ）に示すとおり、０、１、Ｐとは明
らかに異なる形状をしている場合（以降エラーＡ）と、
図４（ｂ）に示すような０、１、Ｐと判断できるがノイ
ズによりスパイク状の短いパルス形状が出る場合（同エ
ラーＢ）の２種類を想定している。これは主としてハー
ド特性上同一受信状況下でエラーＡとエラーＢの発生数
が異なるためである。また時計の針は秒分時針で１モー
タで動作させるものとする。

【００１１】計時回路１０がある時刻になるかスイッチ
手段（図示せず）により受信開始手段３に受信開始命令
がくると、受信開始手段３は受信回路２を受信状態に
し、エラー計数手段５のエラーＡ、エラーＢのカウンタ
をクリアする。このとき図５に示す時計表示は秒針が１
秒運針状態から早送りで００秒の「ＲＥＣ」位置へ送り
その場で停止し、受信中であることを表示する。そして
アンテナ１で受信した標準電波を受信回路２は復調を
し、波形判別手段４に復調波形を出力する。波形判別手
段４は復調波形をサンプリングして０、１、Ｐ、エラー
Ａ、エラーＢのいずれかの判別を行う。判別されるとま
ず最初にデータの先頭である連続する２つのＰの検出を
行う。この検出終了直後、制御回路６内でエラー計数す
る期間１分のカウントを始める。波形判別手段４で復調
波形の判別が順次行われデコード回路にデータを送りつ
つ１分後には、制御回路６で計数していたエラー計数の
期間がカウントアップする。ここで受信レベルの判断及
び表示を行う。

【００１２】受信レベル表示はこの実施例では以下の条
件で行う。エラー計数する期間中、波形判別手段４でエ
ラーＡもしくはエラーＢが検出されたとき波形判別手段
４はこの２つのうちどちらが発生したかをエラー計数手
段５に出力する。エラー計数手段５はエラーＡ、エラー
Ｂをそれぞれ分けてカウントしていく。表１にエラー
Ａ、Ｂのカウント値と受信レベルの割り振りについて示
す。

【表１】 レベル表示の優先度は「Ｌｏｗ」が最も高く、Ｈｉが最
も低いものとする。例えばこの実施例ではエラーＡが４
個（Ｌｏｗ）、エラーＢが３個（Ｍｉｄ）出たときはエ
ラーＡの「Ｌｏｗ」を優先する。よって、図５中の秒針
は「ＲＥＣ」から１５秒位置の「Ｌｏｗ」へ早送りする
が、このとき計時回路１０内にもつ秒桁以上の時刻を合
わせるように１分ごとに正転で秒針を動かして受信レベ
ル表示をすることで、少なくとも時分針は計時回路１０
内にもつ時刻を表示できる。また秒針は「Ｌｏｗ」位置
まで早送りで移動しその場で停止し、受信状況が良くな
いことを示す。またデコード回路７から受信終了の出力
があるまでは、再度１分間エラー計数を行い、上記に示
す受信レベルの判断及び表示の処理を行い、レベル表示
位置の更新を行う。００秒で運針させるのは、受信して
いる００秒のタイミングを使用者に知らせる事とデータ
先頭の正確な位置を検出すると再度その位置の検出を行
う必要がないため、その部分では受信の処理がそれほど
密ではないため、時計の運針処理を行うのには適してい
るためである。上記同様の処理を繰り返し行い１分ごと
にエラー計数値を更新して受信レベルの表示を行う。

【００１３】デコード回路７は波形判別手段で判別され
た０、１、Ｐを元に特開平１１−３０４９７３号にある
ような受信処理を行い時刻データを抽出する。時刻デー
タの抽出が終了すると、デコード回路７は受信開始手段
３に受信終了命令を出力し、受信開始手段３は受信回路
２をＯＦＦする。またデコード回路７はエラー計数手段
５及び制御手段６にも受信終了命令を出力することでエ
ラーの計数停止及びレベル表示更新を行わないようにす
る。そして計時回路１０に受信データを出力し、計時回
路１０は計時回路１０内にもつ時刻を更新する。ゆえに
この更新情報をもとに表示手段１１が早送りで修正を行
い、素早く受信した時刻を表示する。逆に受信データの
抽出に失敗した場合は、受信中の時刻を計時回路１０が
計数しているので、その時刻に早送りで修正し時刻の表
示を行う。

【００１４】本実施例では秒分時針が１モータで駆動す
る時計で１分毎に受信レベルを更新する形で説明したが
これに限らず、例えばタイムコードの下１桁が９秒に位
置するところはＰであり直接時刻データとは関係ないた
め、この１０秒単位でこの下１桁が９秒のタイミングで
受信レベルの更新を行っても良い。

【００１５】またクロノグラフなどの機能用針を別モー
タで用意して、１秒毎に受信レベルを表示させても良
い。

【００１６】本実施例では送信データの先頭を検出しな
いと受信レベル表示しないようになっているが、受信開
始して復調波形が得られたところを起点としてある一定
時間（例えば１分より短い１０秒）のエラー情報から即
座に受信状況が解るようにしても良い。

【００１７】

【発明の効果】上記のごとく本発明によれば、受信状況
の良し悪しを表示する手段を設けることで、受信が良い
条件で行える環境、方向などを利用者に提供でき、受信
しても困難であったり受信ができない可能性の高い環境
を避け、受信データの信頼性を上げることで受信の成功
率が高くなり、また正確なデータ早くに取得できる分、
受信時間が短くて済み省消費電力につながる効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すブロック図である。

【図２】日本の標準電波の送信データのフォーマットを
示す図である。

【図３】日本の標準電波の送信データである０、１、Ｐ
の波形を示す図である。

【図４】日本の標準電波の送信データのエラー例を示す
図である。

【図５】本発明の一実施例の表示内容を示す図である。

【符号の説明】

１ アンテナ ２ 受信回路 ３ 受信開始手段 ４ 波形判別手段 ５ エラー計数手段 ６ 制御手段 ７ デコード回路 １０ 計時回路 １１ 表示手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 行川 昌昭 東京都西東京市田無町六丁目１番12号 シ チズン時計株式会社内 Ｆターム(参考） 2F002 AA06 EE00 FA16 2F083 AA00 BB08 CC02 CC03 CC07 JJ11

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基準信号を出力する発振回路と、当該基
   準信号に基づき計時信号を出力する計時回路と、当該計
   時信号をもとに時刻を表示する表示手段と、時刻情報を
   含む標準電波を受信する受信回路と、当該受信回路から
   の受信信号に基づき前記計時回路を修正する電波修正時
   計において、 前記受信信号のエラー情報を判定する判別手段と、当該
   判別手段からのエラー情報を計数する計数手段を設け、
   当該計数手段の出力に基づき受信状況を表示する表示手
   段とを有することを特徴とする電波修正時計。
2. 【請求項２】 前記計数手段を制御する制御手段を設
   け、当該制御手段からの信号に基づき前記計数手段はク
   リアされ、受信状況の表示を更新することを特徴とする
   請求項１記載の電波修正時計。
3. 【請求項３】 前記受信状況表示の更新は、前記計時信
   号をもとに更新することを特徴とする請求項２に記載の
   電波修正時計。
4. 【請求項４】 前記受信状況表示の更新は１秒単位また
   は１０秒単位または１分単位であることを特徴とする請
   求項３記載の電波修正時計。
5. 【請求項５】 前記時刻情報を表示する表示手段と、前
   記受信状況を表示する表示手段が同一であることを特徴
   とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載の電波修正
   時計。
6. 【請求項６】 前記表示手段はアナログ式の表示手段で
   あり受信状況の表示を時針又は表示板の少なくとも１つ
   を用いて行うことを特徴とする請求項５記載の電波修正
   時計。
7. 【請求項７】 前記エラー情報を少なくとも２つ以上に
   分類し、分類毎に計数手段を設定する事を特徴とする請
   求項1乃至６のいずれか一項に記載の電波修正時計。
8. 【請求項８】 前記分類ごとにエラー数と受信状況判別
   とを関連付けることを特徴とする請求項７記載の電波修
   正時計。
9. 【請求項９】 前記分類ごとに受信状況判別が異なる場
   合は、受信状況表示レベルの低いほうを優先的に表示す
   ることを特徴とする請求項８記載の電波修正時計。