JP2003113759A - 高圧燃料供給ポンプ - Google Patents

高圧燃料供給ポンプ

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JP2003113759A
JP2003113759A JP2001307562A JP2001307562A JP2003113759A JP 2003113759 A JP2003113759 A JP 2003113759A JP 2001307562 A JP2001307562 A JP 2001307562A JP 2001307562 A JP2001307562 A JP 2001307562A JP 2003113759 A JP2003113759 A JP 2003113759A
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solenoid
supply pump
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Toru Onose
亨 小野瀬
Masami Abe
雅巳 阿部
Junji Saito
淳治 斉藤
Satoshi Usui
悟史 臼井
Hiroshi Odakura
浩 小田倉
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧燃料供給ポンプにおいて、制御部材を設置
するための締め付け角度の維持管理を容易とし、かつ制
御部材を任意の設置角度で固定可能にする。 【解決手段】燃料を加圧する加圧室12と、加圧室12
の内部で燃料を圧送するプランジャ2と、加圧室12の
燃料入口に設けられた吸入弁5と、加圧室12の燃料出
口に設けられた吐出弁6と、吸入弁5の上流側に設けら
れた低圧室13とを有するポンプ本体1を備えた高圧燃
料供給ポンプ100において、ポンプ本体1内部の作動
を制御する制御部材200と、制御部材200に係止す
るよう設置する係止部材211と、ポンプ本体1に対し
てネジ部210aの螺合により締結固定する締結部材2
10とを備え、締結部材210はポンプ本体1に締め付
けられることにより生じる推力を係止部材211を介し
て制御部材200に伝達し、制御部材200をポンプ本
体1の内部に押し付けて固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射弁に高圧燃料を圧送する高圧燃料供給ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の高圧燃料供給ポンプは、加圧室に
吸入弁と吐出弁が設けられており、加圧室に摺動可能に
保持されたプランジャが往復動することにより、吸入弁
及び吐出弁が自動的に開閉し、吐出弁から加圧された燃
料を吐出できるようになっている。一般的に、この吸入
弁を任意に開閉保持させる制御部材としてソレノイドが
多く利用されており、ソレノイドへの通電・無通電を切
り換えることにより係合部材を作動させて吸入弁の開弁
・閉弁を制御するようになっている。
【0003】独立した部品であるソレノイドを高圧燃料
供給ポンプのポンプ本体に取り付ける構成においては、
加圧室からの燃料のリークを防ぐために、ソレノイドの
本体先端部とポンプ本体内の部材とを密着させてその間
にシール性を持たせる必要がある。
【0004】たとえば、ソレノイド本体をポンプ本体に
直接ねじ込む取り付け構成とした場合には、ソレノイド
本体先端部およびポンプ本体内部材は両方とも剛性体同
志となるため、その締め付け角度が過小(推力過小)の
場合には上記接触箇所のシール性が損なわれ、反対に締
め付け角度が過大(推力過大)の場合には接触箇所にか
じりが発生してやはり良好なシール性が得られなくなっ
てしまう。つまり接触する2つの部材が共に剛体同志で
あるために、締め付け角度の適正範囲が狭いものとな
り、その結果ソレノイドの締め付け角度を厳密に維持管
理する必要が生じて、組立製作上およびメンテナンス上
煩わしいものとなっていた。
【0005】またこのようにソレノイドの締め付け角度
の適正範囲が狭いことから、ソレノイドの本体後端部で
偏心位置に設置されているコネクタを任意角度に位置さ
せることができず、車体エンジンルーム内における設計
上の配線レイアウト及び配線の接続作業に不都合なもの
となっていた。
【0006】例えば特開平7−332198号公報に記
載のように、ソレノイド本体に形成したネジ部によりポ
ンプ本体に締め込んで取り付ける構成とし、またソレノ
イド本体先端部と接触するポンプ本体内の部材を、締め
込み推進方向に伸縮可能なベローズ状ワッシャとした構
成が提唱されている。このような構成により、締め付け
過ぎによりポンプ本体に対するソレノイドの推力が過大
となっても、ベローズ状ワッシャがその過大推力を吸収
することができ、即ちソレノイドの締め込み角度の適正
範囲を広く取れるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、ソレノイド本体先端部と接触するポンプ本体内部材
が、ソレノイドの締め込み推進方向に伸縮可能なベロー
ズ状ワッシャで構成されているため、ソレノイドの適正
な推力範囲、すなわち締め込み角度範囲を広く設定して
締め込み角度の維持管理を容易にすることができ、それ
とともにソレノイド本体後端部のコネクタも任意の角度
に位置させるようになっている。
【0008】しかしながら、従来技術が用いる上記のベ
ローズ状ワッシャは、内部に付加される高い燃料圧に対
し耐久性が低いため損傷しやすく、またシール性能も信
頼性が低いという別の課題がある。
【0009】本発明の目的は、ベローズ状ワッシャを用
いることなく、制御部材を設置するための締め付け角度
の維持管理を容易にすることが可能であり、かつ制御部
材を任意の設置角度で固定可能な高圧燃料供給ポンプを
提供することにある。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】(1)上記目的を達成
するために、本発明は、燃料を加圧する加圧室と、前記
加圧室の内部で燃料を圧送するプランジャと、前記加圧
室の燃料入口に設けられた吸入弁と、前記加圧室の燃料
出口に設けられた吐出弁と、前記吸入弁の上流側に設け
られた低圧室とを有するポンプ本体を備えた高圧燃料供
給ポンプにおいて、前記ポンプ本体内部の作動を制御す
る制御部材と、前記制御部材に係止して設置する係止部
材と、前記ポンプ本体に対してネジ部の螺合により締結
固定する締結部材とを備え、前記締結部材は、前記ポン
プ本体に締め付けられることにより生じる推力を前記係
止部材を介して前記制御部材に伝達し、前記制御部材を
前記ポンプ本体の内部に押し付けて固定するものとす
る。
【0011】このように締結部材が、独立した係止部材
を介して制御部材に推力を伝達することにより、締結部
材の締め付け角度が過大となっても、それにより生じる
過大推力を係止部材が吸収低減させて制御部材へ伝達す
ることができ、すなわち制御部材に伝達すべき推力の適
正範囲に対応する締結部材の締め付け角度の適正範囲を
広く取ることができる。
【0012】また締結部材は制御部材とは独立した部材
であるため、制御部材の設置角度は締結部材の締め付け
角度に何ら制約を受けず、任意の設置角度に位置させて
固定することができる。
【0013】したがって、ベローズ状ワッシャを用いる
ことなく、制御部材を設置するための締め付け角度の維
持管理を容易にすることが可能であり、かつ制御部材を
任意の設置角度で固定することができる。
【0014】(2)上記(1)において、前記係止部材
は前記制御部材の外周に設けた溝に挟み込んで嵌め込む
2つの半割形状のリングであり、かつ前記2つの半割形
状のリングは、相互に前記制御部材の中心軸に対して点
対称の形状となっているものとする。
【0015】これによりプレス成形によるリング製作時
に、リング両面でだれ面とかえり面の違いができた場合
でも、組立時には間違うことなくそれらのだれ面とかえ
り面を一致させてソレノイドに嵌め込まれるようにな
る。したがって、制御部材に付加される面圧が確実に全
周にわたって均一となり、ポンプ本体の内部と制御部材
とのシート性を安定させることができる。
【0016】(3)上記(1)又は(2)において、前
記係止部材は弾性を有する材質で構成されているものと
する。
【0017】これにより係止部材はより大きな推力を吸
収することができるため、締結部材の締め付け角度の適
正範囲をより広く得ることができる。
【0018】(4)上記(1)〜(3)において、前記
制御部材は前記吸入弁の開閉作動を制御するソレノイド
であるものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。以下に、本発明の実施の形態に
よる高圧燃料供給ポンプを図1〜図4により説明する。
【0020】図1は、本実施の形態による高圧燃料供給
ポンプの全体断面図である。この図1において、本実施
の形態の高圧燃料供給ポンプ100は、連通する吸入通
路10及び低圧室13及び加圧室12及び吐出通路11
を内部に形成したポンプ本体1と、ポンプ本体1に摺動
可能に保持されているプランジャ2と、ネジ部20aを
有してポンプ本体1と螺合しつつプランジャ2を摺動可
能に保持するシリンダ20と、プランジャ2の下端に設
けられたリフタ3と、ポンプ本体1とリフタ3の間に設
けられたバネ4と、リフタ3に圧接するカム50と、低
圧室13に設けられた吸入弁保持部材7と、吸入弁保持
部材7の内部に摺動可能に保持された吸入弁5と、吸入
弁5に付勢力を与えるバネ5aと、吐出通路11に設け
られた吐出弁6と、吐出弁6に付勢力を与えるバネ6a
と、吸入弁保持部材7と圧接しつつ吸入弁5の開閉制御
を行うソレノイド200と、2つの半割状態でソレノイ
ド200の外周溝に挟み込んで係止する係止リング21
1と、ネジ部210aを有してポンプ本体1と螺合しつ
つ係止リング211を押接するリングナット210とを
備えている。
【0021】ポンプ本体1は、その内部に、燃料の流通
する順で吸入通路10、低圧室13、加圧室12及び吐
出通路11が連通して形成されている。また加圧室12
には、プランジャ2を保持するシリンダ20がネジ部2
0aにより螺合されており、シリンダ20とポンプ本体
1との間に備えるOリング21により加圧室12がシー
ルされている。また低圧室13には、ソレノイド200
を保持するリングナット210が螺合しており、リング
ナット210とポンプ本体1の間に備えるOリング21
2、及びリングナット210とソレノイド200との間
に備えるOリング213により低圧室13がシールされ
ている。
【0022】プランジャ2は、シリンダ20により摺動
可能に保持されており、またリフタ3を介してバネ4の
付勢力を受けることにより加圧室から引き込むよう動作
し、リフタ3を介してカム50の押し出し力を受けるこ
とにより加圧室12に押し込むよう動作するようになっ
ている。
【0023】吸入弁5は、吸入弁保持部材7の内部に摺
動可能に保持されつつ、バネ5aの付勢力により後述す
るソレノイド200の係合保持部材203に当接されて
おり、これにより加圧室12から低圧室13への逆流を
防ぐ逆止弁となっている。
【0024】吐出弁6は、吐出通路11の内部に摺動可
能に保持されつつバネ6aの付勢力により一方的に保持
され、吐出通路11から加圧室12への逆流を防ぐ逆止
弁となっている。
【0025】ソレノイド200は、その先端部(ポンプ
本体1内部に押し込む方向の端部)に固定して設けた係
合保持部材203と、この係合保持部材203により軸
方向に摺動可能に保持されている係合部材201と、係
合部材201に付勢力を与えるバネ202と、制御信号
用の配線を接続するコネクタ204とを備えている。コ
ネクタ204は、ソレノイド200の後端部から側方に
向けて延設されており、さらに略後方に向けた接続開口
部を備えている。ソレノイド200先端部の係合保持部
材203は、その前方端面が吸入弁保持部材7と密着す
るとともに吸入弁5が付勢されており、またその前方端
面の中央には吸入弁5より小さい中央孔203aが設け
られ、この中央孔203aは係合保持部材203の側方
に設けた側方孔203bを介して低圧室13と通じてい
る。
【0026】さらにその中央孔203aの中心に係合部
材201が位置しており、ソレノイド200が無通電
(オフ)の時は、バネ202の付勢力により係合部材2
01の先端が係合保持部材203から押し出され、吸入
弁5に当接して開弁させるようになっている。逆に、ソ
レノイド200が通電(オン)の時は図示しない内部の
電磁石の作用により係合部材201の先端が係合保持部
材203に引き込んで、吸入弁5を閉弁させるようにな
っている。
【0027】ここで、ソレノイド200の取り付け構造
について、図2を用いて説明する。図2は高圧燃料供給
ポンプのポンプ本体に取り付ける主要部品の組立分解図
である。この図2において、まずソレノイド200が、
リングナット210の後方から挿通される。その後、リ
ングナット210の前方から突出したソレノイド200
の前方部分で、その外周に設けられた溝部に2つの半割
の係止リング211を挟むように嵌め込む。そのまま全
体をポンプ本体1に挿入し、リングナット210を締め
込んで締結固定する。この時、リングナット210を締
め込んでポンプ本体1の内部に入り込むことにより、リ
ングナット210の先端が係止リング211を介してソ
レノイド200に推力を与える。このリングナット21
0の締め込みの結果、ソレノイド200の先端部に設け
た係合保持部材203が低圧室13内で吸入弁保持部材
7に押接され密着固定されるようになっている。
【0028】次に、係止リング211の詳細について図
3を用いて説明する。図3(a)は、2つの半割形状の
係止リング211を組み合わせた状態の正面図であり、
図3(b)は図3(a)中の矢視Vから見た部分側面図
である。図3(a)に示すように、2つの係止リング2
11は、それらを嵌め込ませるソレノイド200の中心
軸Cに対してお互いに点対称の形状で組み合わされる構
成となっている。また係止リング211は、プレス成形
により作成されることにより、図3(b)に示すように
必ず一方の面(金型のうち込み側の面)がだれ面211
aとなり、他方の面(金型の抜き側の面)がかえり面2
11bとなる。また係止リング211は、例えば鋼のよ
うに弾性を有する材質で構成されている。
【0029】次に、図4を用いて、本実施の形態による
高圧燃料供給ポンプ100を用いた燃料供給システムの
システム構成について説明する。図4は、本実施の形態
による高圧燃料供給ポンプ100を用いた燃料供給シス
テム300のシステム構成図である。なお、図4におい
て図1と同符号のものは同一部分を示し、適宜説明を省
略する。
【0030】燃料は、タンク25から低圧ポンプ22に
よって、高圧燃料供給ポンプ100の吸込通路10に供
給される。ここで、供給される燃料の圧力は、プレッシ
ャレギュレータ24によって一定の圧力に調圧されてい
る。高圧燃料供給ポンプ100によって加圧された燃料
は、吐出通路11からコモンレール30に圧送される。
コモンレール30には、インジェクタ32、リリーフ弁
34、圧力センサ36が装着されている。インジェクタ
32は、エンジンの気筒数に合わせて装着されており、
エンジンコントロールユニット(ECU)40の信号に
よって燃料を噴射する。また、リリーフ弁34は、コモ
ンレール30内の圧力が所定値を超えた際に開弁し、配
管系の破損を防止する。圧力センサ36によって検出さ
れた燃料圧力信号は、ECU40に取り込まれる。EC
U40は、ソレノイド200のオン・オフ(通電・無通
電)を制御する。
【0031】なお、以上において、係止リング211
が、特許請求の範囲各項記載の制御部材に係止するよう
設置する係止部材を構成するとともに、制御部材の外周
に設けた溝に挟み込んで嵌め込む2つの半割形状のリン
グをも構成している。
【0032】また、リングナット210が、特許請求の
範囲各項記載のポンプ本体に対してネジ部の螺合により
締結固定する締結部材を構成している。
【0033】次に、前述の図1〜図4を用いて、本実施
の形態による高圧燃料供給ポンプの動作について説明す
る。図1に示したカム50が、図示しないエンジンによ
り回転されると、プランジャ2は往復運動して、加圧室
12内の容積を変化させる。プランジャ2の圧縮行程中
に吸入弁5が閉弁すると、加圧室12内の圧力が上昇
し、これにより吐出弁6が自動的に開弁し、コモンレー
ル30に燃料を圧送する。吸込弁5は、加圧室12の圧
力が低圧室13の圧力より低くなると自動的に開弁する
が、開弁に関しては、ソレノイド200の動作により決
定される。
【0034】ソレノイド200がオン(通電)状態を保
持した場合は、ばね5aの付勢力以上の電磁力を発生さ
せ、係合部材201をソレノイド200側に引き込ませ
るため、係合部材201と吸入弁5は分離される。この
状態であれば、吸入弁5はプランジャ2の往復運動に同
期して開閉する自動弁となる。従って、圧縮工程中は、
吸入弁5は閉塞し、加圧室12の容積減少分の燃料は、
吐出弁6を押し開き圧送される。よって、ソレノイド2
00の応答性に関係せずに、高圧燃料供給ポンプ100
の最大吐出を行うことができる。
【0035】これに対し、ソレノイド200がオフ(無
通電)を保持した場合は、ばね5aの付勢力により、係
合部材201は吸入弁5に当接し、吸入弁5を開弁状態
に保持する。従って、圧縮工程時においても、加圧室1
2の圧力は低圧室13内とほぼ同等の低圧状態を保つた
め、吐出弁6を開弁することができず、加圧室12の容
積減少分の燃料は、吸入弁5を通り吸込通路10側へ戻
される。よって、高圧燃料供給ポンプ100の吐出量を
ゼロとすることができる。
【0036】また、圧縮工程の途中でソレノイド200
をオン状態とすれば、このときから燃料がコモンレール
30に圧送される。また、一度圧送が始まれば加圧室1
2内の圧力は上昇するため、その後、ソレノイド200
をオフ状態にしても吸入弁5は閉塞状態を維持し、吸入
工程が始まると同期して自動開弁する。したがって、ソ
レノイド200がオン状態となるタイミングにより吐出
量を調節することができる。
【0037】また、ソレノイド200は圧縮工程が始ま
る前までに、オフ位置まで戻れば良いため、特別オン−
オフ応答性(オン状態からオフ状態になるときの応答
性)を良くする必要がないものである。これにより、ば
ね202の付勢力を小さくすることができ、結果的にソ
レノイド200のオフ−オン応答性(オフ状態からオン
状態になるときの応答性)をよくすることができる。
【0038】以上のように動作する高圧燃料供給ポンプ
100における作用を図5を用いて説明する。図5は本
実施の形態の高圧燃料供給ポンプの効果を説明する図で
ある。高圧燃料供給ポンプ100において、圧縮工程時
に加圧室12内の高圧の燃料が低圧室13にリークしな
いよう、ソレノイド200先端部の係合保持部材203
と低圧室13内の吸入弁保持部材7との密着箇所には高
いシール性が要求される。
【0039】しかしこの場合、吸入弁保持部材7に対し
て係合保持部材203を密着させるための推力の大きさ
が問題となり、推力が低すぎる場合には隙間が生じてリ
ークしやすくなってしまい、逆に推力が高すぎる場合で
もかじりによりシール性が損なわれてしまう。係合保持
部材203と吸入弁保持部材7がどちらも金属剛体であ
ることから、適切なシール性を保持するための推力の適
正範囲が狭く、図5のグラフ線Aに示すように、この推
力の適正範囲ΔNに対応する締め付け角度の適正範囲a
もまた狭いものとなっていた。
【0040】しかしながら、上記説明したように、本実
施の形態の高圧燃料供給ポンプ100によれば、ポンプ
本体1に締め付けるリングナット210が、その締結に
よる推力を独立した部材の係止リング211を介してソ
レノイド200に伝達していることから、過大推力が生
じてもこの係止リング211により吸収低減されてソレ
ノイド200に伝達される。この結果、リングナット2
10の締め付け角度とソレノイド200に与える推力の
対応は、図5のグラフ線Bのように変化し、これにより
推力の適正範囲ΔNに対応する締め付け角度の適正範囲
bを広く取ることができる。
【0041】またリングナット210はソレノイド20
0とは独立した部材であるため、ソレノイド200の設
置角度はリングナット210の締め付け角度に何ら制約
を受けず、任意の設置角度に位置させて固定することが
できる。これにより、コネクタ204も任意の回転角度
に位置させることができ、車体エンジンルーム内におけ
る設計上の配線レイアウト及び配線の接続作業が容易と
なる。
【0042】したがって、ベローズ状ワッシャのような
耐久性の低い部材を用いることなく、ソレノイド200
等の制御部材を設置するための締め付け角度の維持管理
を容易にすることが可能であり、かつ制御部材を任意の
設置角度で固定することができる。
【0043】また、係止リング211をプレス形成する
と、必ず一方の面(金型のうち込み側の面)がだれ面2
11aとなり、他方の面(金型の抜き側の面)がかえり
面211bとなる。そのうち、だれ面211a側のみに
関しては、面圧が外周側(だれ側)に逃げる性質があ
る。また2つの半割形状の係止リング211をそれぞれ
線対称的(鏡像的)な形状とすると、組立時には同一側
の面にだれ面211aとかえり面211bを組み合わせ
てソレノイド200に嵌め込んでしまう可能性がある。
この場合には、リングナット210からの推力をソレノ
イド200に伝達する際に面圧が周方向に不均一とな
り、この結果、吸入弁保持部材7と係合保持部材203
とのシート性を悪化させる原因となってしまう。
【0044】しかし上記本実施の形態では、2つの半割
形状の係止リング211は、お互いにソレノイド200
の中心軸に対して点対称の形状で組み合わされる構成と
なっているため、組立時には必然的にそれらのだれ面2
11aとかえり面211bを一致させてソレノイド20
0に嵌め込まれるようになっている。したがって、ソレ
ノイド200に付加される面圧が確実に全周にわたって
均一となり、吸入弁保持部材7と係合保持部材203の
シート性を安定させることができる。
【0045】なお、係止リング211の材質は、上記実
施の形態のように鋼に限られず、リングナット210か
らの推力により損傷しない範囲で弾性を有する他の材質
で構成してもよい。この場合、弾性の高い材質を用いた
方がより大きい過大推力を吸収低減し、締め付け角度の
適正範囲をより広く得ることができることは勿論であ
る。
【0046】また、上記実施の形態のようにリングナッ
ト210と係止リング211を用いて締結固定する構成
は、上記実施の形態のようにソレノイド200を取り付
ける構成に限られず、他の制御部材等を取り付ける構成
にも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、締結部材が、独立した
係止部材を介して制御部材に推力を伝えていることによ
り、推力の適正範囲に対応する締結部材の締め付け角度
の適正範囲を広く取ることができる。また制御部材を別
部材の締結部材により締め付けていることにより、任意
の設置角度に位置させて固定することができる。したが
って、ベローズ状ワッシャを用いることなく、制御部材
を設置するための締め付け角度の維持管理が容易であ
り、かつ制御部材を任意の設置角度で固定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高圧燃料供給ポン
プの全体断面図である。
【図2】図1に示した高圧燃料供給ポンプのポンプ本体
に取り付ける主要部品の組立分解図である。
【図3】図3(a)は、図1及び図2に示した2つの半
割形状の係止リングを組み合わせた状態の正面図であ
り、図3(b)は図3(a)中の矢視Vから見た部分側
面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る高圧燃料供給ポン
プを用いた燃料供給システムのシステム構成図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る高圧燃料供給ポン
プの効果を説明する図である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体 2 プランジャ 5 吸入弁 6 吐出弁 12 加圧室 13 低圧室 200 ソレノイド(制御部材) 210 リングナット(締結部材) 211 係止リング(係止部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 雅巳 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 斉藤 淳治 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 臼井 悟史 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 小田倉 浩 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC06 AC09 BA29 BA36 BA56 BA66 CA01S CA04U CA08 CA09 CD04 CE02 CE22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を加圧する加圧室と、前記加圧室の内
    部で燃料を圧送するプランジャと、前記加圧室の燃料入
    口に設けられた吸入弁と、前記加圧室の燃料出口に設け
    られた吐出弁と、前記吸入弁の上流側に設けられた低圧
    室とを有するポンプ本体を備えた高圧燃料供給ポンプに
    おいて、 前記ポンプ本体内部の作動を制御する制御部材と、前記
    制御部材に係止するよう設置する係止部材と、前記ポン
    プ本体に対してネジ部の螺合により締結固定する締結部
    材とを備え、 前記締結部材は、前記ポンプ本体に締め付けられること
    により生じる推力を前記係止部材を介して前記制御部材
    に伝達し、前記制御部材を前記ポンプ本体の内部に押し
    付けて固定することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の高圧燃料供給ポンプにおい
    て、前記係止部材は前記制御部材の外周に設けた溝に挟
    み込んで嵌め込む2つの半割形状のリングであり、かつ
    前記2つの半割形状のリングは、相互に前記制御部材の
    中心軸に対して点対称の形状となっていることを特徴と
    する高圧燃料供給ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の高圧燃料供給ポンプ
    において、前記係止部材は弾性を有する材質で構成され
    ていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の高圧燃
    料供給ポンプにおいて、前記制御部材は前記吸入弁の開
    閉作動を制御するソレノイドであることを特徴とする高
    圧燃料供給ポンプ。
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